少年「おばあちゃん!」女「はぁ?」(20)

少年「うわぁ!おばあちゃん!会いたかった!」

女「え?な、なに?」

少年「おばあちゃん!」

女「え、いや、私まだ十七なんだけど・・・」

少年「おばあちゃん!おばあちゃぁん!」

女「ちょっとぉ・・・誰よぉ・・・」

少年「会いたかったよぉ!おばあちゃん!」

女「・・・僕、誰かと勘違いしてるよ?」

少年「何いってんのおばあちゃん?おばあちゃんは僕のおばあちゃんだよ!」

女「えぇぇ・・・私、子どもどころか彼氏もいないのに」

少年「僕はおばあちゃんの孫だよ!」

女「えぇ・・・?うーん、じゃあおばあちゃんの名前言える?」

少年「えーっとね・・・女!女おばあちゃん!」

女「うへぇ!?・・・いや、同名なだけよ」

女「じゃあ・・・おばあちゃんの生年月日は?」

少年「生年月日・・・?」

女「あ、おばあちゃんの誕生日だよ」

少年「うん!三月七日だよ!この前お祝いしたんだ!」

女「うぐ・・・当たってる」

少年「へへ!偉いだろ!」

女「うん、偉い偉い・・・って認めちゃだめだ」

少年「おばあちゃん?」

女(十七で・・・おばあちゃんと呼ばれるのは嫌だ!!)

女(仮に・・・仮に!認めるとして・・・きっとこの子は未来の私の孫ね。sf的に)

少年「おばあちゃーん?」

女(タイムマシンでこの時代に来た・・・そう考えるのが妥当かしら)

少年「おばあちゃん!!」

女「うわっ!」

少年「もう!聞いてよー!」

女「あ、ごめんね」

少年「もう!おばあちゃんは耳が遠いんだから!」

「クスクス・・・」

女(やば、ここ商店街じゃない!)

女「ちょ、お願い!ここではお姉ちゃんって呼んで!」

少年「えー!?おばあちゃんまた若作りしてー!」

女「あーもー!!」

女「何とかアパートの前に連れてきた・・・」

少年「うわー!おばあちゃん家またボロくなったね!」

女「しょうがないの!高校生の一人暮らしは大変なんだから」

少年「うわー!階段きたなーい!」

女「もうそこは・・・あっ」

大家「・・・」

少年「おばちゃん誰?」

女「うわ!・・・あ、へへ、すみません」

大家「・・・別にいいわよ。ただ部屋では静かにね」

女「あ・・・はい」

少年「こわーい」

女「バカ!・・・へへへ、では」

女「・・・あぁー!冷や汗かいたー!」

少年「あれー?テレビはー?」

女「これよ」

少年「箱じゃん」

女「テレビなの!!しょうがないのよ!デジタルテレビ買うお金ないの!共同アンテナなの!!」

少年「??」

女「あ・・・ごめんね」

少年「いや、慣れてるし」

女「あぁ・・・そう・・・」(大人になってもこんななのね、私・・・)

少年「うわー!変なのー!」

女「そのストーブは私を守ってくださる神聖なもの・・・いや、こんなことしている場合じゃないわよ」

女「まず僕は誰なの?」

少年「少年!」

女「少年君ね・・・年は?」

少年「九歳!今年で四年生だよ」

女「おお、おめでとう・・・で、生まれた年は何年かな?」

少年「2060年!」

女「うわぉ・・・」

少年「ここは何年?」

女「2012年。少年君の生まれる五十年以上前よ」

少年「うわー!!昔ー!!」

女「・・・うん」

女「で・・・ここからが本題。少年君はなにでここまで来たの?」

少年「タイムマシン!」

女「やっぱりか・・・」

少年「あのね!ビューっと飛ぶんだよ!凄いだろ!」

女「うん凄い凄い・・・で、何をしにここに?」

少年「おばあちゃんに手紙を渡しに!」

女「あ・・・相手は・・・まさか!」

少年「おばあちゃん!」

女「ですよねー」

女「それで手紙ってどれのこと?」

少年「うん!えっとねー」ゴソゴソ

女「うん」

少年「・・・えっとね」 ゴソゴソ

女「・・・うん」

少年「・・・無い!!無い!!」 ガサガサ

女「うわぁ・・・」

少年「えぇえ!?何でだよ!?持ってきたのに!!」 ガッサガッサガッサ

女「・・・お約束よねぇ・・・」

少年「おばあちゃんも探してぇ!!」

女「えぇー・・・」

女「もう!しょうがないなぁ・・・手紙が見つかったら帰るのね?」

少年「うん!すぐに帰るよ!」

女「うん・・・わかった!手伝うよ」

少年「ありがとうおばあちゃん!!」

女「ただし!」

少年「!」

女「お願いだから外でおばあちゃんはやめてぇ・・・」

少年「う、うん・・・分かったよ・・・おば、お姉ちゃん・・・」

女「よろしい」

女「で、少年君はこの時代に着いた時どこに降りたの?」

少年「うんと・・・高い所!」

女「いや、そんな大雑把な・・・しょうがないか。他には目立つものは?」

少年「でっかい山の近く!」

女「うーん・・・あぁ!展望台ね!」

少年「うん!多分!」

女「よし・・・いってみるか!」

少年「うん!ありがとうおばあちゃん!」

女「お姉ちゃんよ!」

少年「失礼」

女「疲れた・・・」

少年「大丈夫?無理させてごめんね?年だもんね・・・」

女「この時代の私は若いの!」

少年「そうかなぁ」

女「当たり前じゃないの!・・・んで、ここに着いたのね?」

少年「うん!」

女「はぁ・・・じゃあこの辺りから探しましょう」

少年「ありがとう!」

女「それで手紙の見た目はどんなのなの?」

少年「えっと・・・白くて」

女「うん」

少年「丸くて」

女「・・・うん」

少年「硬い!」

女「・・・それ、本当に手紙なの・・・?」

少年「おばあちゃんが言ってたし」

女「・・・私なら大丈夫よ・・・多分・・・」

少年「じゃあよろしくね!」

女「あっどこいくの!?待ち合わせとか決めよう!」

少年「大丈夫!僕、コンコン持ってるし!」

女「えぇ!?なにそれ!私は持ってないの!」

少年「えぇー?おばあちゃん遅れてるぅー」

女「あんたの時代基準じゃないの!・・・で、それは何なの?」

少年「これだよこれ」

女「・・・携帯みたいなものね。地図とかビデオ電話みたいなのが入ってる」

少年「携帯?」

女「携帯電話よ」

少年「聞いたことはあるなぁ」

女「・・・じゃあ、午後五時。一時間後にこの場所に戻ってきて」

少年「オッケー!」

女「・・・もう何がなにやら」

女「白くて丸くて硬いものってなによー・・・」

女「・・・あぁー疲れた・・・」

女「・・・それにしても・・・案外、冷静でいられるものね」

女「昔から夢見がちとは言われていたけど・・・ここまで適応出来とは」

女「・・・」 ツネッ

女「いたい・・」

女「・・・しかしまぁ、何で未来の私は今の私に手紙を・・・」

「・・・うわぁああああ!!」

女「なに!?」

「うわああぁぁああん!!」

女「この声・・・少年君よね?」

「うわぁぁああああぁぁあん!!」

女「何か・・・すごく近い」

「おぶぁあぁあああちゃぁあぁああん!!」

女「やめろ!・・・あ!携帯から聞こえる!」 パカ

『うえぇぇええええん!!』

女「テレビ電話だし」

『おびゃああああっつあああああん!!!』

女「どうしたの?落ち着いて!」

『ここどこぉおおおおお!!!』

女「地図・・・まだ分からないのか!待ってて・・・動いちゃダメよ?」

女「といっても少年君がどこだか・・・何が見える?」

『ぅうん・・・ゆらゆらするのと・・・キラキラして斜めなのと・・・バタバタするの・・・』

女「・・・ごめん、それ映してくれる?」

『うん・・・』

女「・・・ブランコと滑り台とシーソーね。公園だ!」

『おばあちゃぁん・・・』

女「あー分かった!今行く!ベンチにでも座ってて!」

『うん・・・』 ピ

女「公園の遊具はそこまで撤去されてしまうのね・・・恐ろしい」

女「・・・しかしなぜ電話が繋がったのか」

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