カリオストロ伯爵夫人「伯爵の遺産が欲しい」 (205)
ジョジーヌ「ということでお願いラウール」
ルパン「ちょっと何言ってるかわからない」
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ジョジーヌ「だから、カリオストロ伯爵には隠された遺産があるらしいの」
ジョジーヌ「リベルタスの王冠に、女王の首飾り……こっちはあなたが盗んだものとは違い新たに発見されたものね」
ルパン「そういうことを言ってるんじゃない、何で私が貴様の頼みを聞かないといけないのだ」
ジョジーヌ「あなたと私の仲じゃない」
ルパン「殺し合った仲だがね」
ジョジーヌ「あんなに愛し合ったのに、私とは遊びだったのね」
ルパン「君との蜜月は汚点だよ」
ジョジーヌ「あら、そんな事言っていいのかしら?私を求めるあまりクラリスを簡単に見捨ててしまったと言うのに」
ジョジーヌ「あなたのお孫さんはクラリスを首尾一貫見捨てなかったわよ」
ルパン「それも含めて汚点だよ」
ジョジーヌ「まっ、私の美貌の前じゃあ、クラリスは小娘同然だものね」
ルパン「内面も段違いだけどね」
ルパン「君も時計の針で潰れてしまえばいいのに」
ジョジーヌ「そういえば、あなたはどう思っているの?」
ルパン「?」
ジョジーヌ「ルパンと言えばアルセーヌではなくて三世」
ジョジーヌ「ルブランよりもモンキーパンチ」
ジョジーヌ「知名度は完全に負けているじゃない」
ルパン「私は気にしてないが、それにアニメじゃなくモンキーパンチを呼んだことがある若者はいるのか?」
ルパン「それを言ったら君はどうなんだい?」
ルパン「カリオストロと言ったら、錬金術師でも伯爵夫人でもなくゴート札密造の方が有名だろう」
ジョジーヌ「クラリスは良いわよね、ルブランと宮崎駿でたいしてキャラ変わってないし」
ジョジーヌ「いっそのこと、ホームズとショルメぐらい変えればいいのに」
ルパン「二文字入れ替えただけだね」
ジョジーヌ「ショルメと言えば、名前はもうちょっと気を使いなさいよ」
ジョジーヌ「あなたもガニマールも」
ルパン「ルブランに言ってくれ」
ルパン「まあ、私に関してはロパンじゃなくなってむしろ良かったと思っている」
ルパン「ルブランも世界中にいるシャーロキアンを敵にしたんだ、反省してるだろうよ」
ジョジーヌ「カリオストロの城は『カリオストロ伯爵夫人』と『緑の目の令嬢』のオマージュをしている訳だけど」
ジョジーヌ「財宝が古代ローマ都市であることについてどう思う?」
ルパン「『緑の目の令嬢』でも同様だったから財宝が歴史的建造物ということには疑問の余地はない」
ルパン「けれど、あの仕掛けを鑑みると実は財宝は他にあるんじゃないかと」
ジョジーヌ「というと?」
ルパン「私も幾度か暗号解読をしてきたからわかるが解いたものが死んでしまうような仕掛けには二通りある」
ルパン「古くからの戒めを世に伝えるものか」
ルパン「解き方が間違っているかのどちらかだ」
ルパン「カリオストロ家に語り継がれた言い伝えだから前者はないだろう」
ジョジーヌ「つまり、解き方が間違っていたと」
ジョジーヌ「でも、それがわかったところで手の出しようはないけどね」
ルパン「見当はつくけどね」
ジョジーヌ「本当!さすがラウール!」
ルパンって本当の発音はリュポンだって聞いたなあ
児童向けで読んだから内容もう覚えてないや……
なんか一卵性双生児なみに顔そっくりな母娘や異母姉妹がやたら出てきたイメージが
>>11
ルパン「本によってはリュパンと訳されていることもある、呼び方で困ったなら数ある偽名の中から好きなものを選びたまえ」
ジョジーヌ「私は母親にそっくりどころか聖母マリアにも似ているのよ」
ジョジーヌ「それを利用してカリオストロ伯爵夫人を名乗るのだけどラウールには見破られたわね」
ジョジーヌ「こうしたそっくりネタは数多く使われているわ」
ルパン「泥棒や脱獄、あるいは犯人が利用するわけだ、実際私に似ている奴が劇中に何回か出てくる」
ルパン「まあ私自身、私の本当の顔を知らないからどの顔に似ていたかは覚えていないがね」
ジョジーヌ「すり替わりはあなたの十八番だけども、『オルヌカン城の謎』で犯人もそれを利用するあたり当時の小説としてはインパクトがあったのかしら?」
ルパン「かの有名なショルメ君もよく変装してはワトソン君を驚かせているからね」
ルパン「脇役だと思っていた人物の正体が実は……という展開は度肝を抜くものに違いない」
ルパン「『813』では私も楽しませて貰ったよ」
イタリアンゲームってあれアニメのルパンを編集しただけじゃ…
>>14
ジョジーヌ「はっきり言うわ、本編を補足した総集編よ」
ルパン「カリオストロに伝わる指輪を覚えているかい?」
ジョジーヌ「クラリスが持っていたのは銀と青色、カリオストロが持っていたのは金と赤色だったわね」
ルパン「はじめ私は花婿に金、花嫁に銀でおかしいところは何もないと思っていた」
ルパン「しかし、指輪がそれぞれの家系に伝えられていたものならば不自然だ」
ジョジーヌ「何が変なの?」
ルパン「クラリスは大公家であるということだ。当然カリオストロ伯爵より位は上だ」
ルパン「カリオストロは錬金術師だから金という代物は重要な意味を持つ」
ルパン「その金の指輪がどうして大公家ではなく伯爵家なのか」
ルパン「おそらく両家で伝わる話は異なっているはずだ。 あの仕掛けは伯爵家が謀反を起こした時のためだろう」
ジョジーヌ「それで、本当の財宝のありかは?」
ルパン「まあ、待て。大公家が同じ仕掛けにかからないようあれが罠だと示されているのが、本来の価値とは逆になっている指輪だ」
ルパン「二つつなぎ合わせている際に読むことのできるゴート文字では、時計台に指輪を差し込む際にどちらに差し込むかを書かれているが……」
ルパン「書かれている言葉とは逆に差し込むということだろう」
ルパン「ここまでわかれば……」
ジョジーヌ「レオナール!」
ルパン「ぐっ!」
ジョジーヌ「相も変わらず甘ちゃんなんだね。聞かれたことをペラペラと……あたしが改心したとでも思ったのかい?」
ジョジーヌ「ふふっ、宝はいただいていくよ!カリオストロ伯爵の遺産をさぁ!」
ジョジーヌ「はーはっはっはっは!」
ルパン「ちょっと縄がほどけそうもないな」
ルパン「だが、そろそろ時間か」
ガチャッ
ワトソン「……」キョロキョロ
ルパン「ワトソンここだ、わけも話していないのに時間通りやってくるとは僕の言葉を信じてくれてありがたいよ」
ワトソン「ホームズかい? その声を聞かなければまったくわからないよ君の変装は」
ホームズ「どうだい?僕の変装もルパンに負けず劣らずだろう?」
ワトソン「そろそろ聞かせてもらっていいかい?」
ホームズ「いや、ルパンに頼まれてね彼のふりをして宿敵と相対していたというわけだ」
ワトソン「でも、こっぴどくやられたようだね」
ホームズ「まさか、実はやられるまでが作戦のうちだよ。 今頃ジョゼフィーヌ何某は、本物のルパンに監視されているとは知らずに呑気に行動しているというわけだ」
ワトソン「だけど、君がルパンの頼みを聞くなんてね、小説の中で妻殺しの汚名を着せられているじゃないか」
ホームズ「いくらか面白い話を聞かせてもらったし、何より自信家の彼が息子を助けるためとはいえ、頭を下げたんだ」
ホームズ「それにねワトソン君、僕は小説でどう描かれようが興味はないんだよ。 なんなら君が本当の話を書いて発表すればいい」
ルブラン「それで、結末はどうなったんだい?」
ルパン「我が生涯の仇敵、ジョゼフィーヌバルサモとその一味を一網打尽にし最愛の息子を助け出した……それだけのことだよ」
ルブラン「そのそれだけのことを聞きたいんだが」
ルパン「実は、指輪が逆という謎を解いてもまだ半分でね。 逆に差し込むなんて誰でも思いつくからね」
ルパン「大公家には指輪とともに伝えられている宝石がある。その名も『乙女の涙』と言う」
ルブラン「じゃあ、その宝石があれば……」
ルパン「ところがどっこい、普通に宝を手に入れたなら乙女の涙の名の通り涙することになるだろう」
ルパン「宝とは錬金術師にふさわしく賢者の石なんだが、日の光を浴びると使い物にならなくなるのだよ」
ルブラン「どうしてそんなことがわかるんだい?」
ルパン「私の孫が既に謎を解いてしまったからだ。まったく私も形無しだよ」
ルブラン「この話を本に書いていいかい?」
ルパン「最愛の妻クラリスと同じ名を持つ彼女のために公表を控えてくれるとありがたい」
ルパン「その代わりに私が考えた物語、その名もカリオストロの復讐を聞かせてあげよう」
おわり
指摘されたとおり、イタリアンゲームに触発されてなんも考えなしに書いたんで何を書きたかったやら
指輪の解釈はゲーム「ルパン三世再会カリオストロ」から借用させてもらいました
ルパン「誰かいい女性を紹介してくれないかいショルメ君」
ホームズ「ロパン君、頼む相手を間違えているよ」
ホームズ「僕の交遊関係を知っているだろう?」
ホームズ「依頼人は数多くあれど、長く付き合っているのはワトソンかマイクロフトぐらいだよ」
ルパン「紹介してもらいたいのはそのワトソン君だよ」
ホームズ「君に男色の好みがあるなんて初めて聞いたよ」
ルパン「おや?男色なのは君の方じゃないのかい」
ホームズ「なぜ、その結論に至ったのか理解に苦しむね」
ルパン「不可能なものを除外してき残ったものが、どんなにあり得ないことでも真実なのだよ」
ルパン「君は女性の浅薄さに辟易している。眼鏡に叶ったアイリーンも既婚者だ」
ルパン「さらに、『結婚は人生の墓場』なんてまったく君らしい」
ルパン「そして、ワトソンには心を許している」
ルパン「初歩的な問題だよ、ホームズ君」
ホームズ「僕が君の妻にしたように、君を撃ち殺してあげようか?サービスで銃弾の痕はVRにしてあげるよ」
ルパン「冗談はさて置き、君ほどの器量なら選り取り見取りだろうに」
ホームズ「僕の緋色の研究にとって色恋沙汰ほど無駄なものはないからね」
ホームズ「それに、イタリアが愛の国であるならば全ての愛は君の物なんだろう?僕の分は残っていないさ」
ホームズ「話がだいぶ逸れたね、ワトソンにも女性の知り合いは少ないと思ったが……」
ルパン「シャーロキアンの間でまことしやかに語り継がれていることがある」
ルパン「ワトソン女性説!」
ルパン「実際アメリカのドラマでも女性になっているし、大逆転裁判でも可愛らしくなっている」
ホームズ「あれはワトソンの娘という設定だったと思うが」
ルパン「よって、これからこのSSではワトソンを女性とする!」
ホームズ「身勝手な話だね」
ドタタタタタ!
ドア<バタン!
ワトソン(♀)「ホームズ!ホームズ!」
ホームズ「どうしたんだい、ワトソン?」
ホームズ(本当に女性になっている……、女体化するぐらいなら擬犬化の方がマシだね)
ワトソン「ホームズ、これを見たまえ」
ホームズ「私のステッキがどうかしたかい?」
ワトソン「どうかしたかいだって?このステッキ仕込みがあって……」
ワトソン「コカインが隠されているじゃないか!」
ワトソン「それにピストルの弾倉、服の裏地、虫眼鏡の持ち手……いたるところにコカインだらけだ!」
ルパン「君は密輸業者かいホームズ」
ホームズ「いや、それはだね……」
ワトソン「あれほどコカインはやめなさいと口酸っぱく言っているだろう」
ホームズ「退屈な日常から私の精神の磨耗を防ぐために必要だからね」
ワトソン「いいかいホームズ!私が注意するのは何も医者だからじゃない」
ワトソン「友人として君のことが本当に心配だからだよ」
ホームズ「わかっているさ」
ワトソン「いいや、わかっていない。どうせ女性の戯れ言だと軽んじているのだろう?」
ホームズ「そんな事は……」
ワトソン「確かに私はアイリーンほど知己も美貌も持っていない、でも本当に君の為を思っているんだよ」
ホームズ「何でそこでアイリーンが出てくるんだ、関係ないだろう?」
ルパン(まるで痴話喧嘩だな)
原作ワトソンは結婚して離れてっちゃったからなあ…
>>36
ドイル「ワトソンが結婚して相棒がいなくなればホームズシリーズを終わらせることができる……そう考えていた時期が私にありました」
ワトソン「関係ある!飾ってあるアイリーンの写真を見る度に私は比べられている気持ちになるんだ!」
ホームズ「それは君の思い過ごしだよ」
ワトソン「そうやってすぐにはぐらかす!私にだって……」
ルパン「まあ、落ち着いて」
ワトソン「何だい!」
ルパン「このアイリーンの写真立て……やっぱり、裏にもう一枚写真がある」
ホームズ「?」
ルパン「君の写真だ」
ワトソン「!?」
ホームズ(そんなはずは……)
ルパン「おやおや、君も隅に置けないね」ニヤニヤ
ワトソン「う、あ……///」
ワトソン「メ、メアリーとの約束を思い出した!」
ワトソン「ホームズ、コカインもほどほどにするんだよ」
ドア<バタン
ホームズ「……」
ルパン「……」ニヤニヤ
ホームズ「で、どんな手を使ったんだい?」
ルパン「ここに来る前にワトソンの写真を撮って、さも写真立てから出てきたように振る舞っただけだよ」
ルパン「手品師の下にいた事があるからね、あれぐらいは朝飯前だよ」
ホームズ「まったく余計な事を」
ルパン「せっかくだから、他の写真も君に進呈しよう」
ルパン「これなんかどうだい?」
ホームズ「下着姿じゃないか、完全に盗撮だね」
ルパン「この下着が作り出す三角形、これはもう金三角と呼んでいいだろう」
ホームズ「ナポレオンに使えていたという君の先祖が泣くよ」
ルパン「さてと……」
ホームズ「ワトソンを本気で口説く気かい?」
ルパン「……」
ホームズ「言っておくが、大切な友人としてだよ」
ルパン「そういうことにしておこう」
ホームズ「確かに君ならどんな女性も喜ばすことができるだろう」
ルパン「うむ」
ホームズ「同時に不幸にもするわけだ」
ホームズ「君が魅了した女性は数多くいる」
ホームズ「単なる一般人に始まり不幸な境遇や生い立ち、果ては不倶戴天の敵や君を殺したいほど憎んでいる女性までもが心惹かれるようになる」
ホームズ「また、ルパンとしてではなく別人として恋沙汰になることもある」
ルパン「いくらルパンが義賊を装うとも泥棒というだけで身を引く、あるいは嫌悪する人もいたからね」
ルパン「だが、一言言わせてくれたまえ、私が不幸にするのではない」
ルパン「大人の事情という奴のせいだ」
ホームズ「開き直ったか」
ルパン「確かにクラリスやソニア、レーモンドらのように亡くなった人たちもいる」
ルパン「あえて身をひき尼になったり悲しみに耐えられくなった人いる」
ルパン(あれ、改めて考えると不幸量産してるな)
ルパン「し、しかしちゃんと大団円で幸せな結末で終わった話もある」
ホームズ「ほお」
ルパン「だが、物語の都合上新しいヒロインを出さないといけないのだ」
マキ「バルス!」
ルパン「バルス!」
ラムダ「」
偽ルパン「目が!目がー!」
ホームズ「もう、諦めて娼婦で我慢することだね」
ホームズ「ワトソンに頼めば水銀などいくらでも用意できる、性病の心配はいらないさ」
ルパン「違う、違うんだ、性欲を満たしたいのではないのだよ」
ルパン「それに、性病の処方薬に水銀っていつの時代だい?」
ホームズ「私たちがいた時代だよ」
ワトソン「当時、性病詳しくは梅毒に対して水銀が有効だとされていた」
ワトソン「実際に見た目は良くなるらしい」
ワトソン「が、確実に水銀中毒に侵される姑息な手段だと言えよう」
子供「ホテルの宿泊名簿を調べてきました!」
ホームズ「ほら1シリング」
子供「ありがとうございます」
ルパン「子供達ほど有能な者はいない、私も最近ではコラと一緒に貧民街の子らの教師をしているんだ」
ワトソン「へー、そうなのかい」
子供「……」
ホームズ「まだ何か用かい?」
子供「あのー、先生とルパンさんはどちらが凄いんですか?」
ホームズ「ほう」
ルパン「ふむ」
ワトソン「もちろんホームズに決まっている」
ジルベール「親分に決まってます」
ワトソン「君は?」
ジルベール「子分です」
子供(聞いちゃいけなかったかな)
子供「僕はこれで……」
ジルベール「親分には僕みたいに忠誠を誓ったたくさんの子分がいる強力な組織がありますからね」
ジルベール「いくらホームズさんでも一人じゃ無理ですよ」
ワトソン「そんなことはない。あの凶悪なモリアーティの一味でさえ、ホームズの前では瓦解したんだ」
ワトソン「優れているのはホームズさ」
ワトソン「頭脳明晰で運動神経抜群、武術の心得もある」
ジルベール「それは、親分もです」
ジルベール「変装の特技を持ち、人殺しを心から嫌い、敵に対して容赦しない」
ワトソン「それはホームズもだ」
ジルベール「……」
ワトソン「……」
ジルベール「こうして考えると意外と共通点あるんですね」
ワトソン「そうだね」
ワトソン「二人とも日本における知名度もあり小説、漫画と影響を多く与えた」
ジルベール「作者がもう書きたくなくなって作中で死なせたのに復活するあたりもそっくりです」
ジルベール「これがショルメなら簡単に結論がくだせるのになあ」
ワトソン「欠点から考えてみようか、ホームズはあれで意外と常識知らずで地動説も知らなかったぐらいだよ」
ジルベール「親分の弱点はやっぱり女性ですね、その血筋は孫にまで伝わっています」
ホームズ「……」
ルパン「急に悪口を言われるとは」
ワトソン「ホームズも女性に関してはある意味同様かな」
ワトソン「女性特有論理思考を毛嫌いしている」
ワトソン「これでもうちょっと寛容だったら私も苦労しないのに」ブツブツ
ルパン(彼女が思いを伝えるのはまだまだ先だね)
ジルベール「結局、どっちが優れてるのでしょう?」
ホームズ「読者の好きにすればいいんじゃないかな」
ホームズ「……」
ルパン「……ただいま」
ワトソン「お帰り、二人とも」
ワトソン「どうだった?ミステリー作品主人公の会は」
ワトソン「ポワロ、エラリー、メグレそれに我らがホームズ……そうそうたる面々だったんだろうな」
ホームズ「……」
ルパン「……」
ワトソン「?」
ホームズ「君も知っての通り、著名な人物が多く集まる大規模な会でね」
ホームズ「それだけに警備も厳重だ」
ルパン「私たちはちゃんとした式典ということもあってフォーマルな正装で出かけた」
ルパン「ところがだ、会場行りの際に警備員に止められてね」
ルパン「第一声が『あなた達は誰ですか?』だよ」
ワトソン「それは災難だったね」
ルパン「さらにね、会場の周囲には大勢のファンがいたのだが私たちは誰にも気づかれなかったのだよ」
ルパン「あまりにも悔しかったのでね、一度引き返して服を変えたんだ」
ワトソン「わざわざ正装から着替えたのかい?」
ホームズ「私はシルクハット、マント、片目用モノクル、ステッキあとはちょっとしたメイク」
ルパン「反対に私はインバネスコートに鹿撃ち帽にちょっとしたメイク」
ルパン「その格好で出直したらどうなったと思う?」
ワトソン「そんないかにもな格好したら不審がられたんじゃないかい」
ルパン「それが、ファンに囲まれるて身動きができなかった」
ホームズ「プレゼントやら何やらで両手がふさがってしまったよ」
ワトソン「……」イラッ
ルパン「おまけに先ほどの警備員が『お待ちしておりましたホームズ様、ルパン様どうぞ』ときたもんだ」
ルパン「顔パスだよ、ただし私に向かってホームズと言っていたがね」
ホームズ「警備員がこんな簡単な変装も見破れないようじゃ警備の意味がない」
ホームズ「彼らは何を持って私たちを認識しているのだろうか?」
ホームズ「こんな格好なぞめったにしないというのに」
ワトソン(でも、変装の名人である二人なら誰も気づかないのは当然じゃないだらうか?)
ホームズ「君、変装の名手だから誰も気づかないと考えたね」
ワトソン「また、お得意の観察かい」
ホームズ「いや、今のは顔色を見ればわかる」
ホームズ「探偵の助手が簡単に心の内を悟られるようじゃ困る」
ワトソン「私の本業はホームズの偉業を世に伝える作家だよ」
ルパン「医者だよね。偉業を伝える前に医業をやりなさい」
ホームズ「巧みな話術を持っているがユーモアセンスはないんだね」
ルパン「問題は会場に入った後なんだよ」
ワトソン「世界に名だたる名探偵が揃っていたんだ。さすがに君たちの変装も見破られたかな?」
ホームズ「バレなかった」
ワトソン「えっ」
ホームズ「誰も入れ替わっていることに気づかなかった」
ワトソン「」
ホームズ「だから、最後まで入れ替わったままで楽しんできたよ」
ルパン「いっそのことこの変装技術をいかして怪人二十面相とでも名乗ろうかな」
ルパン三世「間違ったイメージと言やあ、俺様も困ってるのよ」
ルパン「フィアットを乗り回し、カワイコちゃんを助ける紳士ルパン様」
ルパン「そんな『カリオストロの城』のイメージがずっとついて来やがる」
ルパン「おまけに『カリオストロの城』でワルサーを使わなかったせいか人を殺さないなんて勘違いしてる視聴者様もいるほどだ」
ルパン「それは初代のじっさまだっつうの」
次元「ルパン、さっきから何をぶつぶつ言ってるんだ」
ルパン「なははっ、ちょっと将来の夢についてよ」
次元「ほー、お前さんが夢ね」
ルパン「俺だって不二子ちゃんとの甘い生活を夢見たりしちゃう訳よ」
次元「いつまでたっても懲りねえ奴だ」
次元「ところでルパン」
ルパン「どったの?」
次元「ルパンは夢を見ないと聞いたが……」
ルパン「はー、あのね次元ちゃん」
ルパン「俺達もう長いことやってるだろ?」
次元「腐れ縁って奴だな」
ルパン「んで、その時だけの設定をいかにも作品全体の設定とするのはどうかと思うのよ」
次元「?」
ルパン「しかも、印象に残ってるもんだからファンはそういうものだと理解するのさ」
ルパン「次元が帽子で照準をあわせてるっていう設定あるけど、別にお前には必要ないだろ帽子?」
ルパン「帽子無しで撃ってる描写けっこうあるしな」
次元「まっ、帽子に頼ってるようじゃ一流とは言えねえな」
ルパン「けどもよ、お前には帽子が必要って思ってる奴は多いわけ」
ルパン「回りくどくなったが、俺だって普通に夢ぐらい見るっつうの」
五ェ門「それがしも物申しいことがある」
ルパン「あら五ェ門ちゃーん」
次元「お前、いたのか」
ルパン「五ェ門ちゃん、根棲ノ衆……いやアサノとの決着はついたのかい?」
五ェ門「ルパン、お主には関係のないことだ」
ルパン「いやあ、いざこざは興味ないぜ」
ルパン「興味あるのは五ェ門ちゃんを追いかける美人警部よ」
次元「ああん?そんなのいるのか意外と隅に置けないねお前さんも」
五ェ門「お主ら……」
ルパン「こちとらあのむさ苦しいとっつぁんに四六時中追い回されてるんだせ」
ルパン「シャーリーがもう一度ホームズ三代目としてとっつぁんと代わってくれねえかな」
五ェ門「ルパン、話を戻していいか?」
ルパン「ああ、何だっけ?」
五ェ門「それがしも設定とやらに文句がある」
次元「いつまでもつまらねえ物は切りたくねえってか」
五ェ門「『ルパン三世』においてそれがしほど細かな設定が変わるキャラはいない」
五ェ門「まず名前が『五ェ門』『五右衛門』『五右ェ門』など、そして口調も『それがし』『拙者』、『ござる』口調の有無」
五ェ門「シリーズや作品によって違うのだ」
次元「ほー」
ルパン「へー」
五ェ門「極めつけはこの愛刀……」
次元「斬鉄剣か」
五ェ門「いや『流星』だ」
魔法少女で読む名作劇場
>>1が安価で1レスSS選手権に投稿したものです。
名探偵ゆま「まだらの紐」
「ハッピーバースデイ!なぎさ!」
今日は百江なぎさの誕生日、魔法少女は趣向を凝らし立派な誕生日会を催した。
なぎさ「みんなありがとうなのです!」
ゆま「おめでとう!」
ほむら「チーズフォンデュにグラタン、ピッツァ」
まどか「ティラミス、ベイクドチーズケーキにチーズタルト」
さやか「その他もろもろのチーズ料理よくもまあ、ここまでそろえたもんだ」
杏子「あたしは食えりゃなんでもいいけど」
なぎさ「マミ、もう食べてもいいですか?」
マミ「ふふ、どうぞ召し上がれ」
ゲームにおしゃべり、楽しい時間は夜遅くまで続いた。
さやか「もうこんな時間ですね」
なぎさ「チーズをいっぱい食べれて幸せなのです」
マミ「もう、こんなところで寝ちゃって」
ほむら「まどかとゆまはずいぶんとはしゃいでたからね、杏子は食べ疲れでしょう」
マミ「布団は用意してあるから寝ましょうか」
さやか「げっ、なぎさ……チーズケーキをベッドに持っていくの?」
なぎさ「においに包まれながら寝るのです」
マミ「なぎさちゃんと美樹さんは寝室を使ってちょうだい」
なぎさ「ぐすっ……」
マミ「大丈夫なぎさちゃん?」
まどか「枕元に置いていたケーキが消えてるなんて……」
杏子「寝室には鍵がかかっていたんだろ。じゃあ、犯人は一緒に寝ていたさやかじゃねえのか?」
さやか「ちょっと!私は食べてないからね!」
ほむら「誰かが忍び込んだ可能性……キュゥべえは?」
ゆま「そういえば見てないね」
ほむら「なぎさは何か気づいたことはなかったのかしら」
なぎさ「まだらな紐なのです。夜中、寝ぼけていたけど見た気がするのです。」
まどか「紐?」
杏子「紐……もしかしてリボンか?じゃあ……」
マミ「何で私を見るのよ!夜中の間食は美容の大敵なんですからね!私じゃないわよ!」
ゆま(一番犯行が可能なのはさやかお姉ちゃんだけど……)
ゆま(でも違うとしたら、やっぱり密室の謎を解かないと)
さやか「そう言えば、寝てるときなんかうるさかったような……」
ほむら「どんな音?」
さやか「鉄がぶつかるような音。カチャカチャ、ジャラジャラみたいな?」
ゆま(音?それに紐……もしかして)
ゆま(そうか、そうだったのですか)
ゆま「犯人がわかりました。犯人は……」
ゆま「犯人はきょーこです!」
全員「!」
杏子「な、何を言ってるんだゆま、さやかやマミの方がよっぽど怪しいだろ?」
ゆま「もし、さやかお姉ちゃんが犯人なら密室という空間の中で犯行はしないよ」
ほむら「確かに、真っ先に同室にいた人が疑われるわね」
ゆま「それにマミお姉ちゃんはチーズケーキの作り主、こんな騒ぎを起こさなくてもいつだって作れるもん」
まどか「試食のしすぎで体重を気にしてたし、材料もまだまだ残っていたね」
杏子「じゃあ、ほむらとまどかは!」
ゆま「二人には密室を破る方法がないのです。あり得ないものを除外していって残ったものがどんなにあり得ないものでも真実なの」
杏子「くっ、私にだって密室は……」
ゆま「いやきょーこならできるんだよ、まだらの紐の正体……それはきょーこの多節棍!」
ゆま「ドアの下の隙間から侵入させて魔法で操ってチーズケーキをドアの近くまで寄せて」
ゆま「後は同じように多節棍で鍵を開けて、ドア近くのケーキをとる……これなら姿を見られずに犯行を行えるんだ」
マミ「でも、いくら寝ぼけていても多節棍と紐を見間違えるかしら?」
ゆま「もし、ばれたときのために幻惑の魔法も使ったんだよ、もし中の人が起きたとしてもマミお姉ちゃんに疑いの目を向けることができる」
ゆま「ばれなくて良し、ばれても良しの構えだったんだよ」
ゆま「その証拠にさやかお姉ちゃんが鎖の擦れた音を聞いている」
さやか「じゃあ、私が聞いた音っていうのは……」
ゆま「そうです多節棍を動かす音だったのです」
杏子「証拠がない!」
ゆま「ソウルジェムを確認したら魔法を使った穢れが確認できると思うよ」
ゆま「どうなのきょーこ、今認めてみんなに謝れば許してもらえるよ」
杏子「くっ……、ちくしょー!」
マミ「犯人は佐倉さんだったのね」
杏子「腹が減って仕方なかったんだ……すまねえなぎさ」
マミ「まったく最初からそう言えば良かったのに残った材料を全部使って大きなチーズケーキを作りましょう……なぎさちゃんそれで許してあげてちょうだい」
なぎさ「はいなのです」
ほむら「まどか、私たちも手伝いましょうか」
まどか「うん」
さやか「それにしても名推理だったよ、ゆま」
ゆま「初歩的な問題だよ、さやかお姉ちゃん」
五ェ門「初めは刀に名なぞなかった」
五ェ門「その後『流星』という銘がつく」
五ェ門「名の通り隕鉄から精製されたと由来と共に隕鉄が原因で常に熱を帯び、そのために異常な切れ味を誇るという設定が加えられる」
次元「斬鉄剣じゃねえのか」
五ェ門「そもそも斬鉄剣とは十拳剣のように刀の特徴を示す呼称だ」
五ェ門「しかし、しばらくして斬鉄剣という名が登場すると文字通り鉄を難なく切る演出もあいまって定着する事になる」
五ェ門「流星から斬鉄剣に変わったことで由来も自由にできるようになった」
五ェ門「特殊合金や名刀を複数溶かしたものを打ち直すといったものだ」
ルパン「ゴエモンちゃんも大変だねえ」
五ェ門「一般に何でも切ると知られる斬鉄剣だが切れないものも多い」
次元「仕方ねえよ、何でも切られちゃあ脚本が大変だからな」
五ェ門「それがしの修行不足ゆえに刃こぼれや折れることも多々ある」
ルパン「それで助かったこともあるしいいじゃないの」
爺さんのノウハウを元手に泥棒から探偵に鞍替えして八世に至るとか
>>101
八世「あー」
八世「あー」
八世「あー」
八世「よし、この声か……」
八世「後は眠らせて推理を披露だ」
こんな感じ?
銭形警部とガニマール警部を出してくれないか
次元「金庫と記録は破るもんだってよ」
ルパン「いんや、違うね」
ルパン「金庫は女と同じようなもんだ」
ルパン「どっちも誰かが鍵を開けるのを待っている」
ルパン「さらに言うなら、金庫も女も結局最後は運次第ってね」
次元「ほーう」
ルパン「って小栗旬が言ってた」
次元「台無しだな」
>>104
ガニマール「君がうらやましい」
銭形「何がですかな?」
ガニマール「君とルパン三世の関係がだよ」
銭形「いやぁ、いつもやられっぱなしですよ」
ガニマール「それでも、トムとジェリーを参考にしただけあって君たちの関係性は素晴らしいと思う」
ガニマール「何より、君は謙遜するだろうが個々の実力だけならルパン一味より優れているじゃないか」
銭形「ガニマール警部こそあのアルセーヌルパンと渡り合う名警部だと窺っております」
ガニマール「いや、宿敵とうたわれてはいても実際には足元にも及ばない」
ガニマール「奴を逮捕したのだって奴が色恋沙汰にうつつを抜かしていただけのことだ」
ガニマール「ルパンやホームズ、ボートルレの引き立て役にすぎんのだ」
ガニマール「しかも、だんだんと出番が減っていく苦しみわかるまい」
銭形「確かにレギュラー扱いの私にはわからんですが、私には私なりの悩みだってあるんですよ」
銭形「テレスペでは各主要キャラに加え、ヒロインと敵の出番を描かなくてはならん」
銭形「尺は決まっておるので真っ先に出番が削られるのが私とゴエモンなんです」
銭形「特に私なんぞ雰囲気ぶち壊しで乱入してルパンに逃げられて出番終了なんてざらです」
銭形「ちなみに私が所属するのはICPOのルパン専任捜査官ですが、本来ICPOが現場に出てくることはあり得んのです」
ワトソン「今更言うことでもないが、ホームズは数多くの人に愛されてきた」
ワトソン「また幾多の作家にも影響を与えたのである」
ワトソン「そうした影響はリスペクトやオマージュ、パロディと問わず二次創作が作られていることからうかがえる」
ワトソン「『ルパン対ホームズ』が最たる例だろう」
ワトソン「ファンがこうした対決を夢想しどちらが勝つのかを論じる」
ワトソン「真っ当な楽しみ方である」
ワトソン「実はホームズが活躍した時期とルパンが活躍した時期はずれている」
ワトソン「同様に時期がずれてはいるが人々がもしホームズと対決したら、と期待せずにいられない人物がいる」
ワトソン「ロンドンを震撼させ世界中に知れ渡り、後に100年余年経った今でも語り継がれたその人」
ワトソン「ホワイトチャペルの殺人鬼レザーエプロンである」
ルパン「呼び名が古いね」
ワトソン「いたのか」ビクッ
ルパン「何一人でモノローグやってるの」
ワトソン「いったいいつから?」
ルパン「最初から」
ワトソン「……」
ルパン対ホームズ
ルパン三VS名探偵コナンwwww
>>114
ルパン「優れた芸術家と泥棒は似ている、どちらも人の心を盗む術を知っているからだ」
ルパン「探偵は後に残る痕跡をたどる批評家に過ぎないんだぜ、がきんちょ」
コナン「多くの芸術家が死後に評価されているんだ、おじさんを牢獄に入れて偉大な芸術家にしてあげるよ」
ルパン「ぐふふ、生前に成功したピカソ曰わく、『優れた芸術家は模倣する、偉大な芸術家は盗む』」
ルパン「牢獄に入らずとも、俺様の名声は世界に知れ渡ってるのさ」
コナン「あれれー、おじさんには芸術家として一番大切な才能が欠けているかな」
コナン「どこで止めたらいいか、それを見極める才能がね」
ルパン「そうなの、俺様にその才能がないからいつも最後までやり遂げちまう」
ルパン「まったく、その才能が欲しいぜ」
コナン「はははっ」
ルパン「ぐふふっ」
ミルキィホームズに対してはどうなのかな?
三毛猫ホームズについて一言欲しい
>>116
ホームズ「私のパスティーシュ小説は数多く執筆されている」
ホームズ「私やワトソンが女性という小説」
ホームズ「コカイン中毒になった私が家庭教師のモリアーティを悪の親玉だと思い込む小説」
ホームズ「私が異星人となり宇宙で活躍するもの」
ホームズ「私に娘がいて、その娘が主人公の小説」
ホームズ「私の推理手法を聞いたネズミが活躍するもの」
ホームズ「あげたらキリがない」
ホームズ「それらに比べたらミルキィホームズなんて可愛いものだよ」
ワトソン「実際に可愛らしいしね」
>>117
ワトソン「ホームズ、日本にも立派な探偵がいるらしい」
ホームズ「ほう」
ワトソン「しかも、それが猫だって言うんだから凄いものだ」
ホームズ「時に動物ほど有用なものはない、今度犯罪における動物の役割について論文を書こうと思っている」
ワトソン「さらに、猫が人間に化けるんだ、デラックスな人にね」
ホームズ「私も長いこと探偵をやっているが、そのような珍妙な猫は初めて聞いたよ」
>>120
拾ってくれたのは有り難いがドラマは黒歴史なんだ……
原作では人になったりしないし猫の動作でのヒントにワトソン役の人間が気づいて推理するんだ……
>>122
初めて読んだ三毛猫シリーズが失楽園かなんかでエロかったしか覚えてないんだよね。
もちろん、ドラマはなぜああしたかは理解に苦しむ。
ルパン「今では切り裂きジャックといった方が通りがいい」
ワトソン「ふむ」
ルパン「さて、迷宮入りしたこの事件だが君はどう推理する?」
ワトソン「私が推理するのかい?」
ルパン「ホームズ流の推理を間近で見続けてきた君だ、まったく同じとはいかなくてもやれるはずだ」
ワトソン「しかしだね……」
ルパン「まっ、軽い気持ちでやってみるんだね」
ルパン「ちなみにどこかの作家は犯人を女装した男と推理したそうだよ」
ワトソン「何か親近感を覚えそうな作家だね」
ワトソン「猟奇な犯行が目立つが、狙いは娼婦と犯人には明確な意図があるに違いない」
ワトソン「おそらく、貴族に恨みがあるのだろう」
ワトソン「また、事件現場にユダヤについての書き込みが残されていた」
ワトソン「犯行声明と見ていいはずだ」
ルパン「つまり、君の推理は貴族に恨みのあるユダヤ人というわけだね」
ワトソン「どうだろうか」
ルパン「じゃあ、答え合わせをしようか」
ルパン「ほら、ホームズ先生のお帰りだよ」
ホームズ「ただいま」
ワトソン「お帰り、ホームズ」
ルパン「さっそくで悪いがホームズ、君は切り裂きジャックについてどう考える」
ホームズ「……まったく本当にいきなりだね」
ルパン「--と、このようにワトソンは推理したわけだ」
ホームズ「ふむ」
ワトソン(あっ、いつもの両手を組んで椅子に深く座り込む姿勢……)
ワトソン(私の推理が間違ってたんだろうな)
ホームズ「出発点は良かったと思う」
ホームズ「だが、進むべき道筋を間違えたようだねワトソン」
ワトソン「(´・ω・`)」
ホームズ「しかし、常軌を逸した犯行に目を囚われず推理をしたところは成長したと言えよう」
ワトソン「(´ω`*)」
ホームズ「まず、なぜ娼婦を狙うのか」
ルパン「ワトソンは貴族への恨みと推理したが、それだといかんせん回りくどい」
ワトソン「たしかに……」
ホームズ「そこで重要になるのが死体だ。ワトソン、観察は推理の基本だよ」
ワトソン「いや、流石にあの遺体をまじまじと観察するのは、医者の私でもつらいものが……」
ルパン「ああ、女性にはつらいだろうね」
ルパン「ちなみに、ネットで調べれば簡単に遺体の画像を見つけることができるが興味本位で覗くことはおすすめしない」
ワトソン「誰に話しかけてるんだい?」
ホームズ「死体の傷つけ方を見るに犯人にはそれなりの心得があるようだ」
ホームズ「また被害者の顔の損傷、ワトソンある病気の症状にそっくりじゃないか?」
ワトソン「鼻が削ぎ落とされ、頬骨が削られている」
ワトソン「もしかして梅毒かい」
ホームズ「そうだ、ワトソン。もちろん、梅毒は主に性行為で感染する」
ホームズ「だから、犯人は娼婦そのものに恨みを抱いている可能性がある」
ワトソン「なるほど」
ホームズ「その事から通り魔的な犯行ではなく、計画的な犯行だろう」
ホームズ「また、犯人は非常に狡猾で頭が良いと考えられる」
ホームズ「何せ、ロンドン中で話題になった後も犯行が続いたからね」
ホームズ「そんな犯人がわざわざ書き置きを残したと言うことは……」
ルパン「別の目的があると」
ワトソン「捜査の攪乱と言うことだね」
ワトソン「なぜ、ユダヤ何だろうか?」
ホームズ「恨みの為に連続殺人を起こす奴だ」
ホームズ「ワトソン、君も知っての通りユダヤの教義は厳格だからね」
ホームズ「ユダヤ人と何かいざこざがあったのかもしれない」
ルパン「つまり、君の推理は梅毒を感染し」
ルパン「医者程ではないにしろ解体の心得があり」
ルパン「ユダヤ人と何か問題を起こした奴ということか」
ワトソン「そこまで絞れば犯人は捕まえたも同然だね」
ーー!ーー!
ワトソン「何か騒がしいな」
ハドスン「号外です!号外です!」
ワトソン「おやどうしたんだい?」
ハドスン「あの切り裂きジャックが捕まったんです」
ルパン「ほう、それは良かった」
ルパン「で、どんな奴何だい?」
ハドスン「それが驚いたことに何と女性だったのですよ」
ルパン「それは、まあ、何とも」
ホームズ「……」
ワトソン「……」
ちなみに切り裂きジャックについての情報、推理はゲーム「シャーロック・ホームズVS切り裂きジャック」を参考にしました
ルパンは1874年生まれ、1940年代まで活動
ホームズは1854年生まれ、1903年に探偵業引退(その後もいくつか事件は手がける)
切り裂きジャックは1888年の事件です
ワトソン「~~~♪」
ホームズ「……」
ワトソン「どうかしたかい?」
ホームズ「いやね、そんなにアーサーコナンドイルとの茶会は楽しかったのかなと思ってね」
ワトソン「ああ、素晴らしい時間だったさ」
ワトソン「原稿もかなり推敲できたし、君の冒険をより良い形で発表できそうだよ」
ホームズ「そうか、それは良かった」
ワトソン「うん」
ワトソン「……」
ワトソン「あれ?君にアーサーと会うことは伝えてはいなかったはずだが」
ホームズ「いつだって観察を怠らなければ容易に推測できるのさ」
ホームズ「君の鞄から覗く原稿、手についた鉛筆の黒い後、口についたお菓子の欠片……」
ワトソン「///」バッ
ホームズ「他にも多々あるがこういった積み重ねを理解すれば君にだってわかるだろう?」
ワトソン「まったく、聞けば単純なんだが実際に実行できるのは君ぐらいだろうな」
ワトソン「今日はアーサーだけではなくシドニーパジェットもいたのさ」
ホームズ「なに」ピクッ
ワトソン「そう露骨に嫌な顔をしないでくれよ」
ホームズ「……」
ワトソン「彼がいなければ君の物語だって有名にならなかったかもしれないんだよ」
ホームズ「……」
ワトソン「まったく意固地なんだから」
ホームズでもさすがに何でもわかる訳じゃないにしろ、本人自体が推理力的にプライバシーの侵害ではなかろうか
ワトソン「彼は優れた画家だし、ストランドマガジンにおける彼の挿絵はとても人気なんだからね」
ワトソン「手違いをした出版社には感謝しないと」
ホームズ「わかっている」
ホームズ「彼の実力だって君やドイルが絶賛するぐらいだから優秀なんだろう」
ホームズ「しかし、事実をありのまま描かないのはどうかと思うね」
ホームズ「自分が好きだからという理由で鹿撃ち帽をかぶせるのはいかがなものか」
>>151
ホームズは探偵として秘密を守るからいいんじゃないか
むしろ時期を見てるとは言え公開するワトソンの方が侵害してる気がする
ホームズ「僕はいくら君やドイル、世間が讃えようとシドニーパジェットとウィリアムジレットは認めないね」
ワトソン「仕方ないじゃないか、舞台をやる上でキャラバッシュパイプは都合が良かったんだろう」
ワトソン「ハンサムだしウィリアムジレットにとって君は当たり役だったと思うけどなぁ」
ワトソン「それに今さら世間のイメージは変えられないよ」
ワトソン「諦めるんだね」
ホームズ「今なら聞くものを凍りつかせるような曲が弾けそうだ」
一方その頃
ルパン「レオフォンタンだけは認めない」
コラ「はいはい、いいかげんに諦めて下さいね」
ルパン「しかしだがね」
コラ「今さら世間のイメージは変えられませんよ」
ルパン「ぐっ」
コラ「きっとホームズさんなら世間のイメージにこだわらないのに」
シドニー・パジェット
兄弟揃って画家をしてる
その為、出版社は弟に依頼するつもりが手違いで兄シドニーに依頼するという逸話がある
「銀星号事件」や「恐怖の谷」において鹿撃ち帽を描いている
ウィリアム・ジレット
舞台でホームズを演じた俳優
まっすぐのパイプだと喋りにくく、また客席から顔が見えなくなるため世間で知られるあの曲がったパイプを小道具として使用した
両者ともコナンドイルが認めるほどで後の絵師が参考にしたことから、今日のイメージが築かれていった
レオ・フォンタン
ルパンシリーズが文庫化する際に表紙を担当
本来決まった姿を持たないルパンにシルクハットやモノクルといった怪盗のイメージを作った
ポワロについてホームズはどうおもっているのか
>>158
ワトソン「ホームズは偉大な先輩のデュパン探偵でさえ、人の心を読む能力を認めつつも観察や分析についてはホームズ程ではないと評価するからなあ」
ワトソン「ポアロも酷評するのだろうか?」
ホームズ「いやいやワトソン、能力を比べたら僕程の持ち主はいないだろう」
ワトソン「まあ、犯罪を学問として修めているぐらいだからね」
ホームズ「だからといって、彼らを軽んじているわけじゃあないんだよ」
ホームズ「デュパンは偉大な先駆者として、ポアロは……」
ホームズ「そうだな、一種の後継者として認めているつもりだよ」
ワトソン「ポアロが後継者?」
ホームズ「まあ、いきなりそう言われてもピンとこないだろう」
ホームズ「なぜ、そういった結論に至ったのかは推理小説の歴史を紐解かなければならない」
ワトソン「話が大きくなってきたね」
ホームズ「さて、ワトソン。推理小説を生み出したのは誰かは当然知ってるだろう?」
ワトソン「もちろん。先ほど話題に上がったデュパン探偵を生み出したエドガー・アラン・ポーだね」
ホームズ「そうだ。人によっては聖書だなんて意見もあるが一般的にはポーで問題ない」
※エドガー・アラン・ポー
代表作「モルグ街の殺人事件」「黄金虫」等
ホームズ「ポーは事件の証拠や人物の相関関係を探偵役と読者が共有し同じ立場で推理ができるという『推理小説』という分野を確立したのだ」
ワトソン「今では当たり前のことだけどね」
ホームズ「だからこそ探偵としての腕が問われるのだろうね」
ホームズ「ちなみに、ポーの時代は科学というものが一般の人にも普及し始めた時代でね。推理小説の発展の後押しになっているんだろうね」
ワトソン「SFが広まったのも同じ時期だったね」
ホームズ「その後、ポーに続けとばかりに推理小説を書くこととなる」
ワトソン「君はそれらの小説を読んでは文句を言ってるよね」
ホームズ「いかんせん知名度も低いからね。こき下ろしても大丈夫……たぶん」
ホームズ「そんな推理小説が広く人気を集めるきっかけになった作者がいる」
ワトソン「ほう、誰なんだい?」
ホームズ「君だよ、君。正確にはドイルだけどね」
ワトソン「えっ……」
ドア<バタン
ルパン「やあ、お帰り」
ワトソン「ただいま」
ホームズ「……君を招いた覚えはないんだが」
ルパン「いいじゃないか。それにここは以前銀行だっただけに広く居心地がいい」
ホームズ「まったく」
ルパン「それよりデートの帰りかい?」
ワトソン「デッ、デート///」
ホームズ「残念ながら映画を見ただけさ」
ワトソン(残念ながらってことは……///)
ルパン「何の映画を見たんだい?」
ホームズ「『シャーロック忌まわしき花嫁』さ」
ルパン「ステマ?」
ホームズ「ダイマ」
忌まわしき花嫁を見てきました。
宣伝でドラマ未視聴でも大丈夫そうな感じでしたが、ダメでした。
こんな事ならお爺ちゃんホームズを見た方が良かったかもしれない。
新シーズンへの布石、今までの伏線確認の為のドラマスペシャルを日本では映画として公開したものなのでがっつりファン向けのもの。
ただ、宣伝として新規を取り入れる為にドラマとは別物っぽい雰囲気を醸し出しているので引っかかって見に行った人も多いと思う。
>>164 続き
ホームズ「作品を発表した時のことを覚えているかい?」
ワトソン「ああ、最初に発表した『緋色の研究』や『四つの署名』は評判が芳しくなくてね」
ワトソン「それで、たしか『ボヘミアの醜聞』等の作品をストランドに掲載した頃から人気が出始めたんだっけな」
ホームズ「そう、得てして推理小説は難解なものだからね」
ホームズ「君が執筆した短編は大衆に取っつきやすくたちまちストランドの看板シリーズになった」
ワトソン「そういえば、他の雑誌でも短編推理小説を掲載するようになったっけ」
ホームズ「大衆が推理小説に慣れ親しみ目が肥えてくると、重厚で読み応えのある長編小説を求めるようになる」
ホームズ「そうした声に応えたのが、アガサ・クリスティやエラリー・クイーンといった面々だ」
ワトソン「いわゆる本格派だね」
ホームズ「そして、本格派の出現を境に探偵像も多岐に渡るようになる」
ホームズ「その一つがハードボイルドと呼ばれる分野だ。ポアロはここに分類していいだろう」
ワトソン「やっとポアロの話に戻ったね」
ホームズ「一般にハードボイルドと言うと冷酷無比で犯人に容赦がなく、それでいて情に厚いと知られている」
ホームズ「が、探偵としてのスタイルはまず行動することを重視する」
ワトソン「何だかホームズみたいだ」
ホームズ「ハードボイルドというジャンルが出来た頃のそれらの小説には僕と共通点がいくらかあってね、ハードボイルドの祖先はホームズなんて意見もあるぐらいだよ」
ワトソン「だから、ポアロは一種の後継者と」
ホームズ「うん、まあ個人的な見解だからね、軽く聞き流してくれたまえ」
ワトソン「おや、お出かけかい?」
ホームズ「ああ、面倒な依頼だよ。興味を引く点もない」
ワトソン「そうなのか」
ホームズ「何せ犯人は判明しているからね」
ホームズ「依頼は犯人を捕まえることだ」
ホームズ「気になるならそこの電報を読みたまえ。では、行ってくる」
関係ないけどルパンの娘だと思われるレベッカと2015のテレビのシリーズのレベッカと同じ名前だよね
偶然だろうけど。あと出会ったら仲良くなれそう
ワトソン「あった、これか。何々……」
ワトソン「依頼人はマーベルか。マーベル?」
ワトソン「犯人の特徴は全身に赤と黒のラバースーツを着込み、刀や重火器を所持」
ワトソン「言動は支離滅裂で意味不明」
ワトソン「まさか……」
ワトソン「名前はデッドプール。……やっぱり」
この対決が気になる方はデッドプール/キラストレイテッド/キルズデッドプールを購読しましょう
二度目のダイマ
アメコミは何であんなに高いんだろうか
ついでに映画デッドプール6月公開予定
>>178
テレスペのコピーキャットのベッキーのことかい?
ス―パーマンVSモリアーティ教授なんてあったらどうなるのかなあ
>>184
そりゃあ、モリアーティがクリプトナイトを大量に用意して追い詰める。
スーパーマンの恋人が死亡。
地球逆回転で時間を巻き戻す。
ハッピーエンドでしょ。
-自家用ジェット機内-
レベッカ「ローブー、まだー?」
ロブソン「あともう少しです、レベッカお嬢様」
ロブソン「なぜ、わざわざフランスへとお出かけになるのでしょうか?」
レベッカ「そんなの決まってるでしょ。今度こそルパンを盗んで最高のスリルを味わうのよ」
レベッカ「何でルパンがフランスにいるのかはどうせくだらない理由でしょうけど」
ロブソン「しかし……」
レベッカ「こないだのはロブがイヤリングに発信機なんて付けるから失敗したの!」
レベッカ「小言を言うならまた縛って置いてくわよ」
ロブソン「はぁ」
ロブソン(やれやれ)
-美術館-
「赤外線センサークリア、重量感知クリア」
「よし、ここまでくれば……」
ピッ、ピッ
「全セキュリティー解除……と」
レベッカ「ビンゴ!ルパンもわざわざ私がフランスまで来るとは思わないでしょうね」
レベッカ「今度こそは私が勝つわ」ポチッ
「キャアッ、……網?」
レベッカ「引っかかったわねルパン……女の子?!」
ベッキー「まったく何よ、もう」
レベッカ「ちょっと!何でルパンじゃないのよ!」
ベッキー(……ルパン?)
ベッキー「見たところ警備員じゃなさそうね」
レベッカ「当ったりー」
ベッキー「そういえば見覚えがあるわね、確かイタリアのスキャンダルクイーン」
レベッカ「せめてゴシップクイーンと呼びなさい」
ロブソン『お嬢様、それもどうかと』
レベッカ「うるさい」
ロブソン『はい』
ベッキー「で、ゴシップクイーンの次の標的はルパンと言うわけ」
レベッカ「そそっ」
ベッキー「あなたじゃ無理ね」
レベッカ「何ですって」ムッ
ベッキー「それに、こんな仕掛けに引っかかるルパンじゃないわ」
レベッカ「あなた、自分の姿を見たらどう?」
ベッキー「あなたこそ、ちゃんと見た方がいいわよ」
レベッカ「?」
レベッカ(いつの間にか人形に入れ替わってる?!)
ベッキー「それ、膨らむから気をつけてねー。バイバーイ」
プクー
レベッカ「どこまで膨らむのよ、邪魔!」
プスッ
レベッカ「あっ」
-ホテル-
レベッカ「もー!一体何なのあいつ!」カタカタ
レベッカ「破裂すると閃光弾みたいになるなんて、まるでルパンみたいな手口だし」カタカタ
レベッカ「あっ、あった!」カタカタ
レベッカ「レベッカ・ランバート」カタカタ
レベッカ「ええっー!あいつルパンの娘なの!」
-小型クルーズ船内-
ベッキー「あったあった」カタカタ
ベッキー「レベッカ・ロッセリーニ」カタカタ
ベッキー「ええっー!ルパンと結婚!」
ロブソン「お嬢様、最後までお読みください」
銭形報告書:備考欄
手口はルパンにそっくりであり、彼女の親『キャット』との関係性からまるでルパンの娘のような血筋を感じさせる
レベッカ「ん?何だ疑いかあ、びっくりさせないでよね」
---
ベッキー「そ、そんな不二子さんならまだしも……ん?」
銭形報告書:備考欄
婚約は明らかにロッセリーニ家に関わる財宝を狙ったものである。しかし、それ以外にも隠された目的がある模様
ベッキー「何だ、びっくりさせないでよね」
レベッカ「んー、あたしが掴んだ情報はあの子のことみたいね」
レベッカ「ルパンはいないのかー、でもせっかく着たんだから楽しまないともったいないしなあ」
レベッカ「決めた!」
ロブソン「?」
レベッカ「やられっぱなしは性に合わないし、やり返すわよー!」
-とある豪邸-
ベッキー「……」コソコソ
ベッキー(おかしい)
ベッキー(事前に調べた感じだともっとセキュリティーがキツかったはずなのに)
ベッキー「……っと、ここかしら」
ベッキー「あった、隠し金庫」
レベッカ「そこまでよ!」
ベッキー「はぁー、またあなた……」
最寄りの映画館ではMr.ホームズやらないのか……
レベッカ「フフン、ここあたしの知り合いがすんでるのよね」
ベッキー「へー」カチャカチャ
レベッカ「ってゆーか!手を止めなさいよあなた!」
ベッキー「あ、開いた」ガチャリ
レベッカ「ちょっと!」
ベッキー「……」ゴソゴソ
ベッキー「あった!」
ベッキー「さてと、もう用はないわね」
レベッカ「このまま返すと思ってるの?」
ベッキー「もう、仕方ないなあ」スッ
レベッカ「ワルサー!?」
ベッキー「どかないと撃つわよ」
レベッカ「撃てるものなら撃ってみなさい」
ベッキー「……」
レベッカ「……」
バァン!
レベッカ「……」
レベッカ「空砲?」
ベッキー「この銃は脅しにしか使わないのよ」
ベッキー「これを見なさい」ヒュッ
レベッカ「?」パシッ
レベッカ「宝石かしら」
ベッキー「今盗んだそれは、『ブルズアイ』よ」
レベッカ「ブルズ……アイ」
ベッキー「手に入れた者全ての人が謎の死を遂げるという曰く付きの代物よ」
レベッカ「げー、何それ」
ベッキー「けれど実態は中に埋め込まれた高性能発信機により、わざと泥棒に盗ませることで逆に略奪するという卑怯なものね」
レベッカ「それが分かっていて、なぜ盗んだのかしら?」
ベッキー「……」
ベッキー「けじめ……みたいなものね」
ベッキー「元々はグラン・バトー博物館に展示されていたのだけれど……」
ベッキー「ルパンがその事実に気づいたことを発端に、それを利用した黒幕が暴かれ宝石にまつわる陰謀は終わったはずだった」
レベッカ「……ルパン」
ベッキー「けれど、ブルズアイは複数存在していたのよ」
ベッキー「複数を本物と偽って流布することで、より盗まれやすくしたんでしょう」
レベッカ「じゃあ、この間の美術館も……」
ベッキー「ええ」
ベッキー「それが最後の一つよ」
レベッカ「……」ヒュッ
ベッキー「返していいの?」
レベッカ「あたしの知り合いよ、宝石の一つや二つ気にしないでしょ」
レベッカ「それより一つ聞いていいかしら?」
ベッキー「何?」
レベッカ「ルパンの相棒になろうとは思わなかったの?」
レベッカ「あなたの実力なら可能だったんじゃないかしら」
ベッキー「買いかぶりよ」
ベッキー「まあ、考えなかった訳じゃないんだけどね」
レベッカ「じゃあ……」
ベッキー「でも……」
ベッキー「ルパンの本当のコレクションを見たら、私はまだまだ子供なんだなって」
レベッカ「そんなの、ただの言い訳よ」
ベッキー「あなたもルパンを知っているなら分かるでしょ?」
レベッカ「……」
ベッキー「何事にも囚われず自由に生きるということ」
ベッキー「そんなルパン三世を見ていたら私は色々なものに縛られていたことに気づいたのよ」
レベッカ「……」
ベッキー「それに……」
---
レベッカ「婚姻届。出してないとは言ったけど破棄したとも言ってないでしょ」
レベッカ(でも、こんなのに縛られるルパンじゃないよね)
ベッキー『それに……ルパンと一緒に行動した時ママとも過ごしたような夢のような時間だった』
ベッキー『それだけで十分、私は前に進もうって決めたんだ』
レベッカ(だけど、私はルパンを諦められないから)
レベッカ(夢が終わったからって、それで諦める必要はないよね)
レベッカ「あなたに見てて欲しいの。」
レベッカ「あなたが盗まずにいられなくなるぐらい」
レベッカ(その時こそ、ルパンの心を盗んでやるんだ!)
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