真「春香がロッカーから出られなくなった」 伊織「なにやってんのよあのバカ…」 (29)

真「今日は正月明けの久々の仕事で、あんまり動いてなかったらちょっとしんどかったなあ」

真「ハァー…最近急に寒くなってきて大変だよ……げ、寒いと思ったら事務所にマフラー忘れてきちゃってる!最悪だ!急いで取りに戻ろう!」ダッ


真「良かった…まだ誰かいるみたいだ。閉まる前に戻ってこれてよかった~。」ゼーゼー

真「よいしょっと」ガチャ

真「あれ…?真っ暗だ。誰かー?誰が残ってるんですかー?」

シーン

真「…」

真「なんか怖いなあ…早くマフラーとって帰ろう」

真「えーっと、確かロッカーの中に…」

春香「春香がわっほい!!!!」ドカッ

真「うわぁぁぁあああああ!!!……って、春香っ!?」


春香「あははははは!今の顔!!どう?びっくりした!?」

真「びっくりした!?じゃないよ!心臓止まるかと思ったじゃないか!」

春香「えへへ~ごめんごめん」ペロリ

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真「久しぶりだね、ロッカーの中で一体何やってるんだよ」

春香「いや〜、なにか千早ちゃんの私物が置いてないかと思って探してたら出られなくなっちゃって…」

真「うわあ…本当に何やってるんだよ…」

春香「とにかく出るの手伝ってよ〜」

真「全く…はい、手握って」

春香「さすが真さん!王子様ですなあ〜」

真「さてと、マフラーもあったし、帰ろっと」

春香「冗談だよー!帰らないでー!真お嬢様〜!!!」

真「………手」

春香「はい」ガシッ

真「しっかり握っててよ。それじゃあ…えいっ!」ガッ

春香「痛いっ!全然抜けてないよ〜!」

真「あ、あれっ?おかしいなあ…もう一回いくよ!ええいっ!」ガッ

春香「痛いっ!…もしかしてわざとやってる?さっきのまだ怒ってるの…?」

真「いや、そうじゃないんだけど…どうなってるんだろ?」

真「まさか!もしかして春香………太った?」

春香「へ?」

真「最近休みだったから会ってなかったけど、前までの春香ならそもそもロッカーに挟まったりしないはずだよ」

真「春香、太ったよね」

のヮの「なんのことだか〜♪」

真「太ったんだね…一体何キロ?」

春香「…………4キロ…」

真「4キロ…?ってことは、50キロ台に乗っちゃってるじゃん!何やってるんだよ…貴音やあずささんですら40キロ台なのに…」

春香「…………ぅ4キロ…」

真「それにその体重じゃ水着の仕事も出られないだろ…まあ、今は冬だからいいけどさ…」

春香「………ゅぅ4キロ…」

真「…えっ?」

春香「14キロですよ!!14キロ!!!!!!ついに60キロ台ですよ!!!!」ウワーン

真「えっ?」

真「ええぇぇぇぇぇええええええ!?!!!」

真「な、なんでっ!?なんでそんなことになっちゃったのさ!?」

春香「いやあ〜…クリスマス、忘年会、お正月と続いちゃうと、ついいっぱい食べちゃって…」エヘヘ

真「それにしても限度があるだろ…てっきり着込んでて膨らんでるんだと思ってた…」

春香「あの〜、まずロッカーから出してくれない?」

真「…でも、ボク1人じゃどうしようもないし…そうだ!助っ人を呼ぼう!」

雪歩「あの〜、春香ちゃんが大変だって言うからきたんだけど…一体どういう状況なの?」

春香「雪歩…訳を話せば長くなるんだけどね…」

真「太った春香が千早のロッカーから出られないんだよ」

春香「ひどい!」ガーン

雪歩「た、確かに太ってるね…でも顔はあんまり太ってないからまだましかな…?」

春香「たすけてよゆきほー」ウワーン

雪歩「まだよくわからないんだけど…なにかできることはある?」

真「うん!ボクがまず春香を引っ張るから、雪歩はボクを引っ張ってくれたらいいよ」

雪歩「なるほど、大きなかぶだね」

春香「あんまりだ!」ガーン

真「それじゃあ…」ガシッ

春香「お手柔らかにお願いします…」

真「いくよっ!」グイッ

春香「いだだだだだだっ!」

雪歩「わ、私も頑張りますぅ!」ギュー

真「!!!」ポーッ

真「ちょちょちょちょっと///雪歩!///」

雪歩「ど、どうしたの!?真ちゃん」

真「そそそそそんなにくっついたら、その、あの、えと、だ、ダメだよ!」アタフタ

雪歩「ええっ!?で、でも!くっつかないとちゃんと力が出せないよ」

真「ででででも…くっついたら、その、胸とかが当たって…///」アタフタ

雪歩「…」

雪歩「!!!」ボンッ

雪歩「ち、ちが!そんなっ!わざとじゃなくて!ぅあ…穴掘って埋まってますぅ〜!!!」

真「ちょっと雪歩!?穴掘っちゃダメだって!」ガシッ

春香「なんの茶番だー!」ブーブー

春香「ヨソでやれー!帰れ帰れー!」ブーブー

真「だってさ、行こっか!雪歩」

春香「そんな殺生な!」ガーン

雪歩「春香ちゃんをこのまま置いていけないよぅ」

真「でも、まいったな…2人で引っ張ってもダメなんて…」

雪歩「どうしよう…」

春香「真面目に引っ張ってくれれば出られると思うんだけどなあ…」

雪歩「このロッカー、解体したりできないかなぁ」

真「壊すんだね!それならできそうだよ!」

春香「ちょっと待って!このロッカー千早ちゃんのだから、壊したらまずいよ!」

雪歩「そうだよね…」

雪歩「あ!じゃあ服を脱いだら?少しはかさが減って出やすくなるんじゃないかな」

真「な、なるほど…」

春香「確かに…」

春香「じゃあ早速脱ぐよ!」ガッ

春香「…」

春香「脱ぐ…」ゴンッ

雪歩「…」

真「…」

春香「…」

春香「狭っ…」

真「これじゃロッカーの中で服を脱ぐのは無理そうだね」

雪歩「ご、ごめんね春香ちゃん」

春香「いいよいいよ…それより他に何か案はない?」

真「そうだ!ロープを使って引っ張るのは?」

春香「それだ!」

雪歩「でも、事務所にロープなんてあるのかなぁ」

真「じゃあ買ってくるよ!行こう雪歩」

雪歩「うん」

春香「あ、それならついでになんか食べ物買ってきてよ。お腹すいちゃって」エヘヘ

真「…」

雪歩「…」

春香「冗談です…」

真「全く…」

雪歩「じゃあちょっとだけ待っててね春香ちゃん」

ゆきまこ「行ってきまーす」

春香「頼んだよー」

春香「行ってしまった…」

春香「…」

春香「暇すぎる…」

やよい「はるかさん!」ガチャ

春香「やよい!?来てくれたんだ!…と」

伊織「…なによ」

春香「伊織かあ〜…」ハァー

伊織「はあ!?何か文句でもあるわけ!?せっかく助けに来てあげたっていうのに!」プンスカ

やよい「いおりちゃん、はるかさんもたいへんなんだから、あんまりおこっちゃメッ!だよ」

伊織「むぅ…///」

春香「うわうわー…始まった…」

やよい「でも、どうしましょう…こまりましたね」

伊織「アンタそれ、一体なにが起こったらそんなに太れるのよ!にひひっ!」

春香「うるさいうるさーい!伊織だって前会ったときよりちょっと太ってるくせに!」

伊織「は、はあー!?アンタには関係ないでしょ!」

やよい「けんかしないでください!」

伊織「うっ…///」

春香「あ、ごめん…」

やよい「こういうときこそ、みんなでパパッとかいけつしちゃいましょう!」

伊織「うーん、でも真が要点を全く伝えてくれなかったからなにも準備してきてないわよ」

やよい「はるかさんがはさまってるなら、そういってくれればよかったんですけど…」

春香「真はなんて言ってたの?」

伊織「大変!事務所に太った春香が!!!ってだけ書いたメールがきたわ」

春香「あんのヤロォ…」

やよい「ダイエットのはなしかとおもって、もやしもってきちゃいましたよ…」

伊織「やよいは間違ってないわ。悪いのは全部春香と真なんだから」ヨシヨシ

やよい「えへへ〜///」

伊織「じゃあ私たちはこれで」

やよい「はるかさん!あきらめずにがんばってください!」

春香「ちょっと待って!まだなにも解決してないよ!」

伊織「でも、さっきも言ったけどなにも用意してないのよ?真が引っ張ってダメならなにもない私たちでなんとかなるわけないじゃない」

伊織「それに、私たちもやしパーティの途中で忙しいの。にひひっ!」

春香「やめて…これ以上ノロケないで…」

伊織「ダメよ、私たちの時間を邪魔した分、たっぷり聞いてもらうわ…にひひっ!」

春香「ひぃぃぃいいいい」

やよい「はるかさん!これです!ありましたよ!」バシャッ

春香「やよいさん…これは…?」ベトベト

伊織「せ、洗剤!?」

やよい「はい!つまっちゃったときはヌルヌルさせればはずれやすくなります!」

春香「それにしてもこれは…」ベトベト

やよい「はるかさん!すぐたすけてあげますから!さあいおりちゃん!ひっぱるよ!」

伊織「できれば触りたくないけど…しょうがないわね」ベトッ

やよいおり「えいっ!」ヌルンッ

やよい「あ、あれっ?」

伊織「ヌルヌルしててつかめないじゃない!」

春香「ええっ!?ど、どうするの!?」

伊織「…諦めるしかないわね」

春香「そんな!」ガーン

やよい「うぅ…はるかさん、ごめんなさい…」

春香「やよい…」

伊織「大丈夫よやよい、やよいは悪くないわ。悪いのはロッカーなんかに入ってる春香なんだから」ヨシヨシ

やよい「うぅ…」

伊織「それじゃあ、私たちはもう帰るわね」

春香「またっ!?」

伊織「なによ、やれるだけのことはやったけどどうしようもないじゃないの。アンタもさっさと諦めなさい」

春香「諦めるって…」

やよい「はるかさん…なにもできなくてごめんなさい…」

春香「いいよ気にしなくて、自業自得だし」

伊織「じゃあさよなら」

伊織「次会うときまでには出れてたらいいわねー!にひひっ!」

やよい「はるかさん!がんばってくださいね!」

バタン

春香「…」

春香「帰っちゃったかー…」

春香「本当にどうしよう…これ、このままじゃ仕事もできないよ…うぅ…誰か…」

千早「春香!大丈夫!?」ガチャ

春香「千早ちゃん!」

美希「あはっ、ホントに挟まってるの!」

春香「美希も!来てくれたんだ!」

美希「当たり前なの!困ったときはこの美希に相談なの!」

千早「それにしても…どうしようかしら」

春香「とりあえず引っ張ってみてくれないかな」

美希「でも、春香の手、なんだかヌルヌルしてるの。汗?やっぱり太ったから?」

春香「違う!これは洗剤だよ!」

千早「洗剤…?人のロッカーを洗剤まみれにしたということ?…美希、帰りましょう」

春香「待って!これにはわけがあるの!」

美希「わけ?」

春香「実はさっきね〜」

美希「〜なるほどなの」

千早「つまり、その洗剤は高槻さんがまいたのね」

春香「私のせいだけど…まあそうだね」

千早「それなら仕方ないわね!高槻さんがやったなら!」

春香「う、うん」

美希「千早さん、ウキウキなの」

美希「でもそんなことより早く春香を出してあげるの」

春香「そうだよ〜早く助けて〜」ウワーン

千早「じゃあ早速持ってきたロープを使いましょう」

春香「ロープがあるの!?」

美希「うん!これですぐ出してあげるから安心するの!」

千早「春香に巻きつけて…これで大丈夫ね」

美希「じゃあひっぱるのー!」

ちはみき「えいっ!」グイッ

春香「いだだだだだだっ!千切れちゃう!」ミチミチ

美希「ちょっとの辛抱だから我慢するの!」グイ

千早「もう少しよ、春香!」グイグイ

春香「待って!ダメッ!ギブギブ!」ミチミチ

千早「美希!ちょっとストップ!大丈夫?春香」

美希「ボンレスハムみたいだったよ」

春香「なんだかロッカーごと動いてて、全然出れそうにないよ…」

春香「あ、美希あとで一発ね」

美希「いやーんなの」

千早「そうね、でも、どちらかがロッカーを抑えてたら春香を引っ張る力が弱くなるし…」

はるちはみき「うーん…」

雪歩「戻ったよ!春香ちゃん!」ガチャ

真「ってあれ!?ロープあるじゃないか!」

春香「雪歩!真!やっと帰ってきた!」

雪歩「春香ちゃん…さっきよりなんだか悪化してない?」

真「ヌルヌルしてるね」

美希「さっきやよいに洗剤かけられたらしいの」

千早「萩原さんと真がいればロッカーを抑えておけるわね」

千早「私と美希がロープを引っ張るから、2人はロッカーを抑えててちょうだい」

真「わかったよ!」

雪歩「うん!でもね千早ちゃん…」

千早「…どうかしたかしら?」

雪歩「『萩原さん』じゃなくて『雪歩』って呼んでよ」プンプン

千早「えっ?」

美希「そんなことどうだっていいの!今はまず春香が先決なの!」

千早「そ、そうね!それじゃあ引っ張るわよ」

ちはみきゆきまこ「えいっ!」グイッ

春香「いだだだだだだ、あ!出れそう!」

美希「今なのー!」グイグイグイ

春香「ちょっ、うわわわわわわっ!」

ドンガラガッシャーン

春香「うう…」

春香「……!出られた!」

春香「やったー!ついに出られたよ!」

真「ちょっと、春香!」

千早「…どいてちょうだい」

美希「お、重いの…」

雪歩「」キュー

春香「あ、ごめんごめん!」

春香「いやー!でも良かったよ!これで一件落着だね!」

千早「一件落着…?なに言ってるのかしら」

美希「今回で一番重要なのは、春香のその体型を治すことなの!」

美希「当分は、ケーキもお菓子も食べられないと思ってた方がいいって思うな」ニコッ

真「もちろんボクも運動面でビシバシ鍛えてあげるから覚悟しといてよね!」ニコッ

千早「それに…ロッカーの中にあった私の私物も、しっかり弁償してもらうわよ」ニコッ

雪歩「春香ちゃん頑張って!応援してるよ!」ニコッ


春香「そ、そんなぁー!それならロッカーの中に入ってた方がまだマシだよー!」ウワーン




おしまいですぅ

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