あかり「結衣ちゃん、とってもナモブラ強いんだよね」

結衣「い、いや別に····。うーん····？」

あかり「京子ちゃんなんて『結衣には99.99999%勝てん』って言ってたくらいだよぉ」

結衣「あれは、京子が弱いというか····」

あかり「あかりもお姉ちゃんとやったときは、10試合くらいやって１回も勝てなかったんだぁ」

結衣（お姉さんもきっと手加減しただろうけど、それでもダメだったか）

あかり「結衣ちゃんにナモブラを教えてもらって、あかりももっと強くなりたいの」

結衣（困ったなあ····）



あかり「どうかなぁ····？」

結衣「じゃあ、とりあえずやってみる？上手く教えられるかはわかんないけど····」

あかり「やったぁ、結衣ちゃんありがとう！」

結衣「ちなみにあかりがやったのはどのハードのやつ？」

あかり「ハード····？ええっと、よくわかんないけど『ナモブラDX』って言えば結衣ちゃんは分かるのかな····」

結衣「なるほど、DXね。ルールはどうだった？」

あかり「お姉ちゃんは『ストック２』とかって言ってた気がするよぉ」

結衣「アイテムの出やすさは？」

あかり「全部『普通』だったと思う」

結衣「····設定はこんなところかな。それじゃあ始めようか」

あかり「よーし、１試合目から頑張るよぉ！」

〜



結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬ

結衣（自分から近づいて弱攻撃ばっかり····。あかりのプレーは可愛いなあ）



あかり「えいっ」ｶﾁｬ

結衣（あ、スマッシュやるのか）

あかり「あんまり、当たらない····」

結衣（可愛いなあ····）ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「うーん····」

結衣「あっ」

あかり「ボムだぁ」

結衣（危ないからあっちに投げて――あっ、スティック入力が甘かった！まっすぐ投げちゃ——）

あかり「わあぁ····！？」



ｷｭｲﾝ

ｷﾝ

ﾎﾞｶｰﾝ

結衣「げっ、リフレクト！？」

あかり「あっ、ご、ごめんね結衣ちゃん！」

結衣「い、いや別に大丈夫····。そういうゲームだし····」



ﾄﾞｵｫｫﾝ

結衣（よ、予想外の撃墜····）

〜



あかり「負けちゃった····。結衣ちゃん、ほんとに強いんだねぇ」

結衣（爆弾を跳ね返されて、ちょっとムキになってしまった····）

あかり「やっぱり敵わないや」

結衣（流石にちょっと申し訳ないな、偶然だろうとは思うし····）



あかり「よーし、次も頑張るね！」

結衣（しかしこうして見ると、ずらしとかは普通にやるんだな）ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣（あれは移動の隙をなくすのもあるし、割と自然にするもんだけど）ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「やっぱり結衣ちゃんはスゴいよぉ」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣（ん、なんかガーキャンが増えてきてる····。小ジャンプ空中攻撃の流れまで····）ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣（マズいな、ここはいったん距離を――）ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「····♪」ｶﾁｬｶﾁｬ

ﾊﾞｼﾝ

ﾄﾞｵｫｫﾝ

結衣（何の躊躇いもなく間合い詰めて、DAキャン上スマ····！？）

〜



あかり「やったぁ、勝ったよぉ」

結衣「お、おめでとう、あかり」

あかり「よーし、次は３回目だね。結衣ちゃん、まだまだお願い！」

結衣「ああ····」

〜



あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「····♪」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣（上投げから空中Nの流れ、もう何も考えずにやってると思えない····）

あかり「えいっ」ｶﾁｬｯ

結衣（掴みも手練れだ····。ジャンプキャンセルは意外すぎる····）

あかり「····あ」

結衣（よし、ここでいったん間合いを取って····）

ｽﾞｶﾞｧｧﾝ



ﾄﾞｵｫｫﾝ

あかり「ま、負けちゃったぁ」

〜



結衣（このあかりの慣れよう、なんなんだいったい····）



あかり「次、お願い！」

結衣「なああかり、その前に１つ聞きたいことがあるんだけど」

あかり「なあに、結衣ちゃん？」

結衣「本当にお姉さんに勝てなかったの？」

あかり「うん」

結衣「ホントに本当？」

あかり「うん」



結衣（あかりのお姉さん、どんだけ強いんだ····）

〜



あかり「もう４戦目だねぇ」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「結衣ちゃん？」

結衣「····ああ、うん。そうだね」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」

結衣（上投げから空中上の流れ、使い方上手すぎるな····）

あかり「····♪」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣（リフレクトにもミスがない····）



ｶﾞｷﾝ

ﾊﾞｼｯ

ﾄﾞｵｫｫﾝ



あかり「やったぁ、また勝ったぁ！」

結衣（ジャストディフェンスの精度まで高すぎだろ····）

あかり「結衣ちゃん、ナモブラってこんなに楽しいんだねぇ」

結衣「あ、ああ。そうだね」

あかり「ところで、結衣ちゃん」

結衣「何？」

あかり「結衣ちゃんの本気の本気、そろそろ見てみたいなぁ」







結衣「」







（ひょっとして私、ずっと煽られてた····？）

〜



あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ



ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ



結衣「あかり」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「なあに？」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「ちょっといったん止めていいかな」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「うん、いいよぉ」ｶﾁｬｶﾁｬ



ﾋﾟｯ

京子『結衣ー、きたぞー』

結衣「お前か」

ﾌﾟﾂｯ

あかり「何だったのぉ？」

結衣「何でもなかったよ。さて、続きやろう」

あかり「そうだねぇ」



結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ



ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ



結衣「あかり」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「なあに？」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「もう１回止めてもいいかな」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「うん、いいよぉ」ｶﾁｬｶﾁｬ



ﾋﾟｯ

京子『ごめんなさい、開けてください』

ちなつ『結衣先輩、ばったり会った京子先輩に連れてこられちゃったんですけど····」

ｶﾞﾁｬｯ



結衣「いらっしゃい、ちなつちゃん」

ちなつ「お邪魔しまーす····！」

京子「あのー結衣、私h」



結衣「——じゃああかり、ナモブラの続きやろうか」



ちなつ「！！！？？」

京子「えっ」

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ



あかり「····♪」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり「········」ｶﾁｬｶﾁｬ

結衣「········」ｶﾁｬｶﾁｬ



ﾄﾞｺﾞｫ

ﾄﾞｵｫｫﾝ



あかり「負けちゃったぁ」



ちなつ「」

京子「何だこれ」



ﾄﾞｵｫｫﾝ







結衣「よっし、これで43戦22勝····」

あかり「でも、楽しいなぁ。あかり、ナモブラだぁいすき！」

ギャグものはそこまで経験がないんですが、今回はがっつりギャグめで行ってみました。
ありがとうございました。以上です。