凛「心にりーな」李衣菜「やめて」 (27)



―――事務所


凛「李衣菜はね、すごいんだよ。プロデューサー」

P「うん」

李衣菜「ねぇ」

凛「どんなお仕事もね、本当に楽しそうにやるの。それに、いつも全力なんだ」

P「そうだな。李衣菜はチャレンジャーだからな」

李衣菜「やめて」

凛「お仕事の度にアイドルにとって大切なことを見つけて、理想に向かって努力してる。……かっこいいよね」

P「ああ、かっこいいな」

李衣菜「ほんとやめて! お願いだから!」カァッ

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凛「どうして? 私、李衣菜のこと褒めてるんだよ」

李衣菜「そういうのいらないから! せめて私がいないとこでやってよ!」

凛「いないならいいの? じゃあプロデューサー」

P「うん?」

凛「李衣菜について、三日三晩語り合わない?」

P「よしきた」

李衣菜「ああああもおおおお!」

李衣菜「バカ! バカなの!?」

凛「いたって真面目だけど」

李衣菜「それがバカだって言ってるの!」

凛「それならバカでいいよ。李衣菜バカ。……ふふっ、李衣菜……」

李衣菜「ひぃぃぃ……!」

P「はっはっは、凛は面白いなぁ」ケラケラ

李衣菜「面白がってないで止めてくださいよプロデューサーっ!」

凛「李衣菜はロックだからね。そうやって否定しつつも本当は嬉しいんでしょ?」

李衣菜「嬉しくないよ、だったら私ロックじゃなくていい!」

P(ロックじゃなくていいって……SSRより遥かにレアな李衣菜だな)

李衣菜「凛がそんなこと言うなら私、これからはもう一緒にお仕事しないからねっ」

凛「え、そんな……!」ガーン

李衣菜「当然でしょ! やだよ私!」

凛「あ、あぁぁ……!」ガクー

P「……すごくショック受けてるぞ」

李衣菜「し、知りませんよ。勝手にすればいいんだっ」

凛「…………」フラッ…


凛「…………落ち着け、私」

凛「こんなとき李衣菜ならどうする……? 李衣菜なら、きっと……ふふ、李衣菜なら……」ブツブツブツ…


P「禁断症状かな?」

李衣菜「……私怖くなってきたんですけど。目も合わせたくないんですけど」ガクブル

凛「……よし。大丈夫、李衣菜はきっとこんなことで挫けないはず」

凛「私は私らしく、いつも通り李衣菜と接すればいい。うん、李衣菜ならきっとそうする」

李衣菜「私がいつも通り接することができそうにないよ……!」

凛「李衣菜」

李衣菜「あっ、はい。なんでしょうか渋谷さん」


凛「私……李衣菜と一緒にこれからも走って行きたい。同じステージからの景色を見たいよ」

凛「一番高いところに、いつか辿り着けるその日まで……ずっと、一緒に……!」ニコッ


李衣菜「うん、無理」キッパリ

凛「」

P「そりゃそうだ」

凛「……プロデューサー。私もうどうしたらいいか分からない」グスッ

P「それは李衣菜も同じだと思うぞ」

凛「はっ、つまり李衣菜と私の想いはひとつ……!」

P「おおうポジティブシンキング」

李衣菜「プロデューサー、部署変えたりってできませんか?」

P「うーん……すまん。俺は李衣菜も凛も手放したくないから……」

李衣菜「うぐ、それ言われちゃうとなぁ……!」

凛「よかった、これからも李衣菜と一緒にいられるんだね」

李衣菜「もうやだぁ」

凛「とにかくね」

李衣菜「はいはい……なに?」

凛「私は、李衣菜とプロデューサーと……みんなと過ごせる毎日が楽しいんだ」

李衣菜「そ、それがなんだっての?」

凛「うん、だから……」


凛「私、アイドルになってよかったな、って思って」

李衣菜「……!」


凛「本当にありがとう、李衣菜。こんな私といつも一緒にいてくれて」

李衣菜「う……うん。別に……普通だし。相棒なんだから当たり前じゃん」プイッ

凛「ふふっ、うん……♪」


P(こういうときちょろいのが李衣菜なんだよなぁ)

凛「またハンバーグ作ってね。李衣菜の美味しいから」

李衣菜「や、やだよ。凛に作るくらいならみくに作るし!」

凛「……なるほど、猫キャラがいいの? ……にゃあ?」

李衣菜「はぁ……なんでそうなるかなぁ……」



みく「りーなチャンのハンバーグ!?」ニュッ

李衣菜「わぁ!? いきなり出てこないでよ!」

みく「ハンバーグの波動を感じたにゃあ。じゅるり」

李衣菜「えぇ……なにそれ……」

凛「……みく。李衣菜のハンバーグは渡さないよ」

みく「凛チャン……! ふっふっふ、ついに決着をつけるときにゃ!」

凛「望むところっ……!」


李衣菜「……はぁ。しょうがない、今から作ってあげるか……プロデューサー、調理室借りていいですか?」

P「ん? あぁ、いいぞ。……あ。それならさ……」

李衣菜「? なんですか?」

P「ハンバーグ、俺の分も作ってくれないかなーって……」

李衣菜「なんだ、そんなこと。もちろんいいに決まってるじゃないですか♪」

P「おっ、ほんとか? へへ、楽しみにしてるよ」

蘭子「禁断の果実……!」ヒョコッ

李衣菜「あれ、蘭子ちゃん。蘭子ちゃんもハンバーグ食べる?」

蘭子「ククク……無論よ!」

李衣菜「へへ。じゃあケチャップ――真紅の秘薬、だっけ? たくさんかけてあげるね」

蘭子「うむっ♪」

P「蘭子には優しいんだな、李衣菜」

李衣菜「そりゃ、蘭子ちゃんかわいいですし。……あんなのとは比べものにならないくらい」


凛「蒼の剣を受けよ!」シュパーン

みく「みだれひっかきにゃあ!」シャキーン

P「グラブルなのかポケモンなのか」

李衣菜「どっちだっていいですよ、もう……」

蘭子「えへへ、りーなさんのハンバーグ♪ はんばーぐぅ~♪」ルンルン

P「……蘭子、楽しみなのは分かるけど熊本弁忘れてるぞ」

蘭子「はぅっ!?」

李衣菜「ほらかわいい」ナデナデ

蘭子「んもー! もーっ!」ペシペシ

李衣菜「あはは、いたいよ蘭子ちゃん♪」

凛「この、このっ……!」ポカポカ

みく「にゃあっ、にゃーっ!」ペチペチ


李衣菜「……おーい。これからハンバーグ作るんだけど~?」

みく「え……作ってくれるのっ? 今から?」

李衣菜「プロデューサーと蘭子ちゃんが食べたいって言うからさ。あ、ケンカしてるなら2人はいらないかな?」

凛「なっ……!?」

みく「にゃあ!? う、ううんケンカなんてしてないよ! ねっ凛チャン!」ギュッ

凛「う、うん! 仲良しだよほらっ」ギュ

P「簡単に自分を曲げたな」

李衣菜「あはは、まったくもー……。それじゃ待っててねっ」トテトテ

みく「ありがとりーなチャン! んー、楽しみにゃあ♪」

蘭子「うんっ、楽しみ~♪」

P「子供か。って俺も似たようなもんか……ふふ」


凛「…………」

P「……ん? どうした凛」

凛「……ちょっと手伝ってくる」

P「ん、そっか。いってらっしゃい」

李衣菜「――普通に材料揃ってるのが不思議だよなぁ……まぁいいけど」ゴソゴソ

凛「……李衣菜」

李衣菜「わ。って凛か……どうしたの? 向こうで待ってていいよ」

凛「ううん、手伝わせて。……迷惑かけてばっかりじゃ、相棒として失格だから」

李衣菜「分かってるならドン引きするようなこと言わないでよね?」クスッ

凛「……それは無理かな」

李衣菜「……いやいやいや。っていうかドン引きさせてる自覚あるんだ……」

凛「李衣菜はね、尊いんだよ?」

李衣菜「また変なこと言い出したし!?」

凛「まぁそう言わずに。ふふっ……♪」

李衣菜「もおお! あっちでおとなしくしててよぉっ!」


>ぎゃいぎゃい!


P「……またやってる」

みく「にゃふふ、いつもどーりにゃ♪」

蘭子「フッ……流石は永久に誓いし双翼ね!」



凛「心にりーな。李衣菜が私に力をくれる……!」

李衣菜「やめろー! またそうやってぇ!!」



おわり

というお話だったのさ
デレステにデレパが来たらやるしかないじゃない……今度こそ書き納め

(ちゃんみお出すと収拾つかんし……許せちゃんみお、また今度だ)

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