小町「妹の憂鬱…」 (42)
俺ガイルss
みんな大好き小町メインの話です
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4月、小町ちゃんは受験戦争の荒波を乗り越えて晴れて高校へ入学したのです!
それもお兄ちゃんや雪乃さんたちが通うあの総武高校にです!
でも…残念なことに小町の家族はこの高校入学を誰も祝ってくれません。
お母さんやそれに小町LOVEなお父さん。
それに小町超激LOVEなあのお兄ちゃんでさえ…
小町はたった一人、親族が誰もいない入学式に出席中…正直寂しいです…
小町は比企谷家の長女でこの家のみんなから愛された天使のような存在…のはずだった…
入学式の今日…あの子が生まれるまでは…
「 「おぎゃぁぁぁぁっ!」 」
比企谷母「生まれた!やっと生まれたわ!」
比企谷父「でかしたぞ母ちゃん!」
八幡「ようやく我が家に3人目の子が…俺の新しい妹が誕生したんだな!」
ここは病院にある一室。
そのベッドの一室に横たわるのは小町のお母さん。
それにお兄ちゃんとお父さんがいます。
小町も入学式が終わった直後、
急いで駆けつけたのですがみんな赤ちゃんに夢中で誰も気づいてくれません。
寂しい…小町…涙が出ちゃう…
赤ちゃん「ばぶ~!」
八幡「オォッ!ベロベロバ~!」
比企谷父「おい八幡!あまり赤ちゃんを驚かせるんじゃないぞ!」
比企谷母「そうよ、まだ生まれたばかりなんだから大事にしてね。」
八幡「悪い、お兄ちゃんちょっとふざけ過ぎたな。でもお前のことは世界一愛してるぞ!」
赤ちゃん「ダァ~♪」
比企谷家に新たな天使が生まれてみんな付きっきりでお世話をしている。
そんな中でも特にお兄ちゃんの愛情の注ぎ方は異常さを増している。
お兄ちゃんと生まれてきた赤ちゃんの年齢差は17歳。
もう兄妹というよりも親子に近い年の差だよ。
だからお兄ちゃんにとっては妹というよりも娘に近い存在なのかもしれない。
そんなわけでお兄ちゃんは新しい妹に終始ご執着しているのです。
けどそれに引き換え…小町に対しては…
八幡「おい小町、
うるさいと赤ちゃんが泣いちゃうから部屋で音楽を聴く時は必ずヘッドホン着用な!」
小町「う…うん…」
八幡「小町、俺の自転車に赤ちゃんを載せるカゴ付けるから今度から自分のチャリを用意してくれ!」
小町「わかったよ…(お兄ちゃんの自転車の後ろは小町の指定席なのに…)」
八幡「小町、何だその下着姿の格好は!お前はお姉ちゃんなんだからしっかりしろ!」
小町「う…うぅ…(小言が段々酷くなってきた…)」
お兄ちゃんは小町に対する小言が酷さを増しているのです。
以前は小町中心だったお兄ちゃんなのに、
いつの間にか新しい妹が小町のポジションを奪ってしまいました。
両親も同じ反応です。
比企谷父「小町もお姉ちゃんなんだからこれからはしっかりするように!」
比企谷母「もう高校生になるんだからこれからは今までみたく甘やかさないからね!」
小町「…」
今まで小町に注いだ愛情はなんだったのかと思うほどの意趣返し…
小町は今ほど親の愛情を疑ったことはありません。
比企谷父「それじゃあ俺たちは仕事に行ってくる。」
比企谷母「八幡、本当に赤ちゃんのことをまかせて大丈夫なの?」
八幡「安心しろよ。二人目の妹なんだ。
二人がいない間は俺が妹の面倒を見るからな!
なんならこのまま自分の子にしてもいいくらいだ!!」
赤ちゃんが生まれてから生後三ヶ月が過ぎました。
この頃になるとお母さんは産休を終わらせて仕事に復帰するそうです。
本当はもっと取らなきゃいけないけど、
今後、赤ちゃんが成長するまでの養育費を考えれば一日でも早い復帰を願ったそうな…
けどその間の赤ちゃんのお世話だけど…
本来ベビーシッターに頼むはずなのになんとお兄ちゃんがその役を買って出たのです。
あのズボラでニート思考な将来の夢は専業主夫希望のお兄ちゃんが!
正直、小町はこの時ほど兄を見直したことはないでしょう…
八幡「よーし!行くぞ!」
小町「ちょっとお兄ちゃん!何で赤ちゃんを担いで自転車に乗るの!」
八幡「そりゃ決まっているだろ。学校に赤ちゃん連れて行くためだよ。」
小町「えぇ―――――っ!?それって大丈夫なの!?」
八幡「安心しろ、既に雪ノ下さんに頼んで学校側の許可を貰ってある。
よく知らん赤の他人のベビーシッターに俺の新しい天使をまかせておけるか。
俺がしっかりこの子の面倒を見なきゃ!」
赤ちゃん「だぁっ!だぁっ!」
それからお兄ちゃんは家の戸締りを済ませると小町よりも先に学校へ登校したのです。
かつては小町が出た後にお兄ちゃんは学校へ登校した。
もう小町だけのお兄ちゃんじゃない。
小町の心にぽっかりと大きな穴が空いてしまったと思うのは果たして気のせいでしょうか…
ここまで
比企谷両親が年甲斐もなくハッスルして比企谷家に新しい家族が誕生しました
総武高校―――
赤ちゃん「ぱぶ~!」
八幡「よしよし、お前は授業中泣かないからいい子だな。
つーか授業中にすやすや眠っているってもしかして俺の悪いところが似てんのか?」
戸塚「八幡の妹さんって本当に可愛いよね。僕にも抱かしてくれないかな?」
八幡「オゥ、いいぞ!戸塚は将来俺の奥さんになってくれる人だからな!」
戸塚「もぅっ!八幡たら冗談が上手いんだから!」
八幡「ハハハ!」
小町「うぅ…お兄ちゃん…」
お昼休みです。
お兄ちゃんの教室を覗くと、
そこにはまるで新婚夫婦のように振舞うお兄ちゃんと戸塚さんの光景が…
お兄ちゃん…戸塚さんは男の子だよ。
小町のお義姉さん候補には入っていないからね。
その手のフラグはせめて結衣さんと立ててほしいよ。
結衣「ヒッキーの赤ちゃん可愛すぎ!マジ可愛いよ!」
三浦「赤ちゃん可愛いし!ヒキオ!あーしにも触らせろし!」
海老名「ヒキタニくん!私にはわかっているからね!
この赤ちゃんって実はヒキタニくんがお腹を痛めて産んだ子なんだよね!
つまりはや×はちなんだね!
そのヒキタニくんのちっぱいで早く赤ちゃんにおっぱい飲ますんだよね!!」
戸塚さん以外にもクラスの女性陣はこの赤ちゃんの存在にメロメロだよ。
ちなみにお兄ちゃんは戸塚さん以外の男子には赤ちゃんを触らせません。
葉山さんや戸部さんが近づいたらすぐに追い返してるし…中二…?誰それ?
赤ちゃんはもうこのクラスのアイドル的存在なのです。
ところで海老名さん…はや×はちはないわ…
お兄ちゃんが赤ちゃん産むとかないわー。その展開はないわー。
自重してください。
沙希「懐かしいな赤ちゃん。けーちゃんが生まれた頃のことを思い出すよ。よしよし!」
八幡「おー!さすがに川崎は小さい兄妹がいるだけに子守が上手だな。」
沙希「まあね、暫くは私のこと頼ってもいいからさ。」
八幡「そうだな、お前がいてくれて心強いよ。ありがとな!」
沙希「べ…別にアンタのためじゃないから!赤ちゃんのためだからね!」
大志くんのお姉さん…
どうやらこのクラスではお兄ちゃんに次いで赤ちゃんのお世話をやる気満々です。
さすがに下に弟妹がいる人は頼りになるね。
けど結衣さんがなんだか大志くんのお姉さんを嫉妬した目で睨みつけているんだけど…?
奉仕部―――
赤ちゃん「だぁっ!だぁっ!」
八幡「お~!元気だな!よちよち。」
結衣「む~っ!ヒッキーがずっと赤ちゃんにベタベタだよ!羨ましいよ~!」
放課後の部活動でもお兄ちゃんは赤ちゃんのお世話を欠かせません。
まあ奉仕部は基本依頼人が来ないと暇だから、
授業中よりも赤ちゃんのお世話を大っぴらにやれるのが利点なのです。
赤ちゃんの存在はいつもの静かな雰囲気に包まれた部室を活気に満たせてくれます。
でも…たった一人だけ…小町と同じく…いえ…
小町以上に赤ちゃんのことを疎ましく思っている人がこの部屋にいるのです。
それは…
雪乃「ぬぅぅ…」ギロッ!
結衣「ひぃぃ…ゆきのんがすごい目つきで赤ちゃんを睨みつけて…怖いよぉ…」
そう、雪乃さんです。
依頼がない時は部室で静かに読書に勤しむ雪乃さんを、
赤ちゃんが邪魔しちゃっているので雪乃さんの機嫌は現在最悪なのです。
そんな雪乃さんに更なる追い打ちが…
雪乃「何か…変な臭いがするわね…?」
結衣「くんくん!本当だ!この臭いなんだろ…?」
小町「これってもしかして…」
八幡「あ、やっぱりだ!赤ちゃんがおしっこ漏らしてる!」
雪乃「ごほっ!?」
なんと原因は赤ちゃんのおしっこだったのです。
お兄ちゃんはすぐにトイレに行っておむつを取り替えに行きました。
それから数分でお兄ちゃんは戻ってきたけど、
そんなお兄ちゃんの前に雪乃さんが怒りに満ちた形相で待ち構えていたよ。
雪乃「比企谷くん、そろそろ私も我慢の限界なのだけれど…!」
八幡「あ、さっきはすまなかったな。赤ちゃんは突然やらかすからな。」
赤ちゃん「だぁっ!」
お兄ちゃんはさっきの出来事をまるで当然のことのように悪びる様子も見せません。
そんなお兄ちゃんの態度についに雪乃さんがブチギレちゃったよ!
雪乃「比企谷くんいい加減にしなさい!ここは託児所ではないのよ!」
八幡「何だよ謝ってるじゃないか。それなのにまだ怒っているのか?」
雪乃「怒るに決まっているでしょ!
私はさっきまでお茶を飲みながら読書していたのよ!
そんな最中に…その…赤子が粗相すればもう飲める気分じゃなくなるわ!?」
八幡「あぁ、そういうの気にする人いるよな。悪い、今度から気をつけるわ。」
雪乃「簡単に受け流さないで!私は本気で怒っているのよ!!」
雪乃さんの怒りをさらっと受け流すお兄ちゃん。
これはちょっと酷いと小町も思ったわけで…
そんな時、廊下の向こう側からスキップしながらあの人がやってきました。
そう、魔王さまの降臨です。
陽乃「みんな~!ひゃっはろ~!」
雪乃「姉さん…いつも突然来るわね…」
八幡「あ、雪ノ下さん。赤ちゃんの件はありがとうございます。」
陽乃「気にしなくていいよ。
同じ兄や姉の立場なら下の子のお世話をするのは当然だからね。
お姉ちゃんも協力してあげるよ~♪
それにしても赤ちゃん可愛いね~!雪乃ちゃんの小さい頃を思い出すよ~♡」
本来なら高校に赤ちゃんを通わせることなんて不可能なわけだけど…
どうやらお兄ちゃんは陽乃さんに協力してもらい赤ちゃん同伴の許可を得ていたようです。
けど学校側から簡単に許可もらうとか…改めて陽乃さんって何者なの…?
いや、いくら暇だと言え、部活に出てないで家に帰れよ……
雪乃「全て姉さんの仕業だったのね。でもちょうどいいところへ来てくれたわ。
この赤ん坊を部屋から追い出して私の静かなベストプレイスを取り戻したいの。
もちろん可愛い妹のために協力してくれるわよね?」
八幡「…」
陽乃「…」
結衣「ヒッキーと陽乃さんが何かごにょごにょと内緒話を始めたよ。」
雪乃「きっと赤ん坊を追い出す算段でも立てているのよ。これで静かな日々を取り戻せるわ。」
小町「本当にそうなんでしょうか…?」
八幡「わかった、雪ノ下がそういうのなら…」
陽乃「追い出すしかないわね。」
それから暫くしてお兄ちゃんたちは部屋から追い出した。
((ドンッ!ドンッ!))
雪乃「開けなさい!姉さん!比企谷くん!この扉を開けなさい!」
小町「まさか赤ちゃんじゃなくて雪乃さんが追い出されるなんて…」
結衣「これはちょっと予想しなかったね。」
部室を追い出されたことに納得ができずに扉を叩き続ける雪乃さん。
するとお兄ちゃんと陽乃さんが、
やれやれという呆れた顔で扉を叩き続ける雪乃さんの前に出てきたよ。
八幡「雪ノ下いい加減にしろ。赤ちゃんが泣き出したらどうするつもりだ!」
雪乃「黙りなさい!ここは私の部室よ!何故私が追い出されなければならないの!?」
陽乃「何を言っているの。
雪乃ちゃんはもうお姉さんでしょ。
赤ちゃんはまだ小さいんだしここは雪乃ちゃんが譲るべきに決まっているじゃない。」
雪乃「そんなの納得いかないわ!私は部長よ!出て行くなら赤ん坊の方でしょ!?」
陽乃「もう、ゴチャゴチャとうるさいなぁ。お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」
それから陽乃さんは、
ピシャッと部室の扉を閉めてお兄ちゃんと二人きりで子守を始めちゃったよ。
陽乃さんこの機に乗じて小町のお義姉さん候補になる気満々だよ!
でも…新しい妹の前に古い妹はお払い箱なの…?
小町たちのような古い妹は要らない子なの…お兄ちゃん…?
雪乃「このままで…終わるものですか…!」
結衣「ゆきのん…?」
雪乃「由比ヶ浜さん!小町さん!二人とも協力して!
あの邪悪な赤ん坊から比企谷くんと姉さんの愛情をもう一度取り戻すのよ!!」
小町「ハイッ!小町も大賛成です!
小町だけのお兄ちゃんをあんな新参者の妹になんか取られてたまるもんか!
お兄ちゃんは小町が取り戻すからね!!」
結衣「えぇー!何この展開!?」
こうして小町と雪乃さん、
それとついでに結衣さんで手を組み打倒赤ちゃんを宣言したのです!
待っていてお兄ちゃん。
必ずお兄ちゃんの中に残っている小町への愛を必ず復活させてみせるからね!
ここまで
>>32
ヒッキーはアラサーのせいで部活に強制参加されてるのです
無断で帰ると衝撃のファーストブリットされてしまうのです
このSSまとめへのコメント
この陽乃↑雪乃↓で学校に赤子を連れてくるメチャクチャな展開
ハチ〇ンコの作者か
ゆきのんはむしろ最初は少しオドオドしながらだけど三日くらいで完璧に子守をこなして正妻ポジになる
…と、思うのだけれど?
滅茶苦茶な設定は気にしないことにしよう(提案)
面白い展開ですね。続き気になります。
もちろん小町エンドだよな?