まどか「聖夜の夢」 (147)

まどマギの百合物です
2回くらいに分けて投下する予定です

次から本文

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451166601

まどか「え、えーと…皆さん、今日は来てくれてありがとう」

まどか「まさかみんながみんな来てくれるなんて思わなかったから、わたし……」

さやか「まどか、そういうのいいから始めようよ」

杏子「そーだそーだ。アタシ、もう腹減って仕方ないんだからさ」

マミ「もう。美樹さんも佐倉さんも仕方ないんだから」

まどか「そ、それじゃ…今日は楽しもうね!」

さやか「メリー!」

杏子「クリスマース!」

杏子「……うめー!どの料理もマジでうめぇ!」

マミ「……確かに、とても美味しいわ。お店で出てくる料理よりも美味しいかも」

まどか「そ、そうですか?よかったぁ……」

さやか「あたしもちょっと前に食べたけど、ほんとおいしいよね。まどかの家の料理」

杏子「こんなうまい料理が毎日食べられて幸せ者だな。んじゃ、次はこっちを」

さやか「あ、杏子!それあたしの!」

マミ「2人とも、行儀悪いわよ」

詢子「いいって、気にしなくても。こういうときは楽しんだ方がいいんだからさ」

マミ「そ、そうかもしれませんけど……」

詢子「ほら、マミちゃんもどんどん食べなよ。じゃないとあの2人に全部持っていかれちゃうよ」

マミ「は、はい。じゃあ遠慮なく……」

詢子「料理の追加もじゃんじゃん作ってるから、遠慮せず食べておくれよ」

さやか「ふぁーい!」

杏子「どれもこれもほんとにうめぇ!」

マミ「ちょ、2人とも!」

まどか「あはは……」

詢子「よかったな、まどか。こんな素敵な友達ができてさ」

まどか「あ…うん、そうだね」

詢子「そう言えば…今日はあの子は来てないみたいだけど」

まどか「あの子って……?」

詢子「ほら、まどかがよく話す子だよ。えーと…名前なんだっけ、髪の長い……」

まどか「もしかして…ほむらちゃんのこと?」

詢子「あぁ、そうそう。その子は誘わなかったのかい?」

まどか「誘ったんだけど…こういう、大勢のパーティーは好きじゃないみたいで」

まどか「でも、もし気が向いたら来てくれるって言ってたよ」

詢子「んー……。じゃあ、パパに言ってその子の分、取っておいてもらおうか」

詢子「もし来てくれても、何も残ってなかったじゃかわいそうだからね」

まどか「じゃあ、パパに……」

詢子「あぁ、アタシが行ってくるよ。料理の追加も持ってこないといけないしさ」

まどか「ありがとう、ママ」

詢子「んじゃ、ちょっと席外すよ。まどかは友達と思いっきり盛り上がりなよ」

まどか「……来てくれるかなぁ」

さやか「んぐ…まどか、あいつも誘ったの?」

まどか「う、うん。誘ってはみたけど……」

さやか「相変わらずまどかは優しいなぁ。あいつにまで声かけるなんてさ」

杏子「さやかはほむらが苦手だもんな」

さやか「苦手じゃない、嫌いなの。どうしてもあいつは気に入らないのよ」

マミ「私は学年が違うからあまり接点はないけど、確かにあまり人と関わろうとしない子よね」

まどか「わたしは…できたらもっと仲良くなりたいなって……」

さやか「まどかが何でそこまであいつに入れ込むのか、あたしにはわかんないな……」

マミ「美樹さん、そんな言い方……」

さやか「……っと、ごめん。まどかの交友関係に文句つけるつもりじゃなくて」

まどか「大丈夫、わかってるから」

さやか「でも、まどかはすごい気にかけられてる方だよ。他の誰かだったら会話が一言で終わるもん」

マミ「私たちにできることはないかもしれないけど、応援してるわね」

まどか「ありがとうございます、マミさん」

まどか「でも…もし来てくれるってなっても、家の場所わかるかなぁ」

まどか「前に1度だけ家に連れてきたこと、あるけど……」

さやか「……あいつ、家に上げたの?知らなかった」

マミ「美樹さんがどうしてよく思わないのかはわからないけど、悪い子じゃないんだから」

さやか「どうでしょうねぇ。案外悪魔みたいな奴かもしれないですよ?」

マミ「そんな勝手なこと言って……」

まどか(……悪魔?)

杏子「……どした?」

まどか「あっ…ううん、何でもないよ」

杏子「んー……?そうか?」

まどか「う、うん。気にしないで」

杏子「……さやかはああ言ってるけど、アタシはまどかの好きなようにやったらいいと思うよ」

杏子「もちろんアイツがまどかに危害を加えるってんなら、話は別だろうけどさ」

詢子「待たせたね、料理の追加だよ!」

杏子「お、来た来た!」

まどか(……ほむらちゃんのこと、気になるけど…今はパーティーを楽しもうかな)

――――――

さやか「……それじゃまどか、今日はありがと。すごく楽しかったよ」

杏子「アタシはすごく美味しかったよ」

マミ「もう……。鹿目さん、ご両親によろしく伝えておいてね」

まどか「はい。わかりました」

さやか「じゃ、あたしたちは帰るよ。まどか、またねー」

マミ「鹿目さん、メリークリスマス」

杏子「がんばれよー」

まどか「みんな、ばいばーい」

バタン

まどか「……ふぅー」

詢子「随分楽しんでたみたいじゃないか、まどか」

まどか「ママ…うん、とっても楽しかったよ」

まどか「パパのおいしい料理を食べて、プレゼントの交換をして……」

まどか「でも…結局、ほむらちゃんは来てくれなかったなぁ……」

詢子「そのほむらちゃんも何か都合があったのかもしれないし、仕方ないよ」

まどか「うん……」

詢子「もういい時間だし、今から来るとも思えないけど……」

まどか「わたし…もう少し待ってみるよ」

詢子「そっか。ま、止める理由もないけど…あまり遅くならないうちに寝るんだよ」

まどか「大丈夫、わかってるよ」

詢子「んじゃアタシたちは風呂入って寝るよ。メリークリスマス、まどか」

まどか「メリー、クリスマス。ママ」

――――――

まどか「……ふぁ」

まどか(んぅ…眠い……。やっぱり、こんな時間に来てくれるわけ、ないよね……)

まどか(ママたちはもう寝ちゃっただろうし……)

まどか「……もうすぐ0時かぁ。日付、変わっちゃうな」

まどか(0時まで待って、それでもダメだったら…諦めて、部屋に戻ろう)

まどか(だから、それまでは…ここで、ほむらちゃんを……)

まどか「ほむらちゃんを待っていなくちゃ……」

まどか(でも…ダメだ、もう…眠い……)

カタン

まどか(物音……?誰か、いるの……?)

まどか(……パパかママ、だよね。他に人なんて…いるはず、ないし)

まどか(来年は…一緒に、クリスマス…しようね。ほむらちゃん……)

まどか(めりー…くりすます……)

まどか「……すぅ」

『……』

『……メリークリスマス、まどか』

『さぁ、行きましょう。クリスマスはまだこれから……』

――――――

まどか「すぅ……」

『……か。まど……』

まどか「んー……。もう、朝……?」

ほむら「何寝ぼけたこと言ってるの。ほら、起きなさい」

まどか「……あれ、ほむらちゃん?ここ…わたし……?」

ほむら「おはよう。よく眠っていたみたいね」

まどか「お、おはよう……?」

ほむら「まどかが学校で眠ってしまうなんて珍しいわね」

まどか「えっ…わたし、学校で……?」

ほむら「えぇ、少なくとも私の覚えてる限りはこれが初めてじゃないかしら」

まどか「覚えてる限りって…わたしのこと、見てたりするの?」

ほむら「勿論よ。まどかのことはいつだって見ているわ」

まどか「……な、何だか恥ずかしいなぁ」

ほむら「あら、ごめんなさい。……さ、目が覚めたのなら行きましょう」

まどか「行くって、どこに……?」

ずっと酉とsaga付け忘れてた
ここまで全部本人です

ほむら「約束したじゃない。今日の放課後は…私とデートしようって」

まどか「ふぇ?で、デート……?わたしと?」

ほむら「まどか以外に誰がいるの?」

まどか「……あ、あれ?わたし、そんな約束したっけ……」

ほむら「もう。酷いじゃない、私との約束を忘れるなんて」

まどか「ち、違うの。寝てたせいか…何だかまだぼんやりしてるだけで……」

ほむら「寝起きで記憶が混乱してるのかしら。……でも、それだけならよかったわ」

まどか「あはは…ご、ごめんね」

ほむら「じゃあ、そろそろ行きましょう。今日はせっかくのクリスマスイブなんだから」

まどか「え、今日ってクリスマスイブ?」

ほむら「まだ頭がはっきりしないのかしら。携帯、見てみなさい?」

まどか「……ほんとだ。12月24日、クリスマスイブ……」

ほむら「きっと暖房の入った温かい教室にいるからぼんやりするんじゃないかしら」

ほむら「寒い外に出たらそのうち頭もはっきりしてくると思うわ」

まどか「うーん…そう、かな?」

ほむら「えぇ。ほら、行くわよ」

saga忘れのフィルタ確認するのも大変だし酉付け忘れてるしで
ミス続いてしまったので1度立て直して最初からやり直します

誘導URLはすぐ貼り付けます

朝早くからやるとミスばっかりでだめでした
可能ならば今日中にやり直します

それもそうですよね…
ページ内検索でフィルタ文字は引っ掛からなかったので多分大丈夫みたいですし
ここで続けることにします

お騒がせしました。次から続き

――――――

まどか「……それで、今日はどこに遊びに行くの?」

ほむら「遊びじゃなくてデートよ。まどか、今日の行き先も忘れちゃったの……?」

まどか「えっ…と、ご、ごめんねほむらちゃん」

ほむら「……なんて、嘘よ。今日のデートプランは当日まで秘密にしたんだもの」

まどか「う、嘘だったの?もう、いじわる」

ほむら「ふふっ。ごめんなさい」

まどか「……じゃあ、今日はよろしくね」

ほむら「きっとまどかにも気に入ってもらえると思うわ」

まどか「……それにしても、今日も寒いねぇ」

ほむら「日に日に寒さが増してる気がするわ」

まどか「ね、ほむらちゃん。手、繋ごうよ」

ほむら「いいわよ。……まどかの手は暖かいわね」

まどか「ほむらちゃんの手はやけに冷たいけど…大丈夫?」

ほむら「慣れてるから平気よ」

まどか「うーん…じゃあ、今度からはわたしがこうして暖めてあげるね」

ほむら「ありがとう、まどか」

ほむら「そう言えばまどか、さっき何か夢を見ていたんじゃないかしら」

ほむら「寝言で何かぶつぶつ言っていたわよ」

まどか「ええっ!?お、起こしてよ、恥ずかしいなぁ……」

ほむら「だって、まどかがとても気持ちよさそうに眠っていたんだもの。起こせないわ」

まどか「も、もう。そんなこと言って……」

ほむら「それで、どんな夢を見てたの?」

まどか「えっと…確か、クリスマスイブに家族と、友達と一緒にパーティーをしてたような」

ほむら「友達?」

まどか「うん。でも…誰だったんだろう。友達ってことはわかるんだけど、名前が出てこなくて」

ほむら「夢なんだから、気にしなくてもいいと思うわ。私はその中にいたの?」

まどか「それが…ほむらちゃんだけ、そこにいなかったんだ」

ほむら「そう……」

まどか「あ…ご、ごめんね」

ほむら「ふふっ。謝ることなんてないわ。所詮夢は夢よ」

ほむら「それに、現実の私たちはこうしてデート、してるんだから。ね?」

まどか「えへへ…そう、だね」

ほむら「少し急ぎましょう。のんびり歩いてたら時間がなくなっちゃうもの」

今回はここまで
次回投下は27日夜を予定しています


最初からミスばっかりでごめんなさい

>>1氏、ターキーと鶏肉を間違える

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

こんな可愛い信者が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)

ミスをミスと放っておくのは自分がもやもやしてしまうので
次から1度最初からやり直します。レス数20くらいなので

次から>>2からのやり直し

まどか「え、えーと…皆さん、今日は来てくれてありがとう」

まどか「まさかみんながみんな来てくれるなんて思わなかったから、わたし……」

さやか「まどか、そういうのいいから始めようよ」

杏子「そーだそーだ。アタシ、もう腹減って仕方ないんだからさ」

マミ「もう。美樹さんも佐倉さんも仕方ないんだから」

まどか「そ、それじゃ…今日は楽しもうね!」

さやか「メリー!」

杏子「クリスマース!」

杏子「……うめー!どの料理もマジでうめぇ!」

マミ「……確かに、とても美味しいわ。お店で出てくる料理よりも美味しいかも」

まどか「そ、そうですか?よかったぁ……」

さやか「あたしもちょっと前に食べたけど、ほんとおいしいよね。まどかの家の料理」

杏子「こんなうまい料理が毎日食べられて幸せ者だな。んじゃ、次はこっちを」

さやか「あ、杏子!それあたしの!」

マミ「2人とも、行儀悪いわよ」

詢子「いいって、気にしなくても。こういうときは楽しんだ方がいいんだからさ」

マミ「そ、そうかもしれませんけど……」

詢子「ほら、マミちゃんもどんどん食べなよ。じゃないとあの2人に全部持っていかれちゃうよ」

マミ「は、はい。じゃあ遠慮なく……」

詢子「料理の追加もじゃんじゃん作ってるから、遠慮せず食べておくれよ」

さやか「ふぁーい!」

杏子「どれもこれもほんとにうめぇ!」

マミ「ちょ、2人とも!」

まどか「あはは……」

詢子「よかったな、まどか。こんな素敵な友達ができてさ」

まどか「あ…うん、そうだね」

詢子「そう言えば…今日はあの子は来てないみたいだけど」

まどか「あの子って……?」

詢子「ほら、まどかがよく話す子だよ。えーと…名前なんだっけ、髪の長い……」

まどか「もしかして…ほむらちゃんのこと?」

詢子「あぁ、そうそう。その子は誘わなかったのかい?」

まどか「誘ったんだけど…こういう、大勢のパーティーは好きじゃないみたいで」

まどか「でも、もし気が向いたら来てくれるって言ってたよ」

詢子「んー……。じゃあ、パパに言ってその子の分、取っておいてもらおうか」

詢子「もし来てくれても、何も残ってなかったじゃかわいそうだからね」

まどか「じゃあ、パパに……」

詢子「あぁ、アタシが行ってくるよ。料理の追加も持ってこないといけないしさ」

まどか「ありがとう、ママ」

詢子「んじゃ、ちょっと席外すよ。まどかは友達と思いっきり盛り上がりなよ」

まどか「……来てくれるかなぁ」

さやか「んぐ…まどか、あいつも誘ったの?」

まどか「う、うん。誘ってはみたけど……」

さやか「相変わらずまどかは優しいなぁ。あいつにまで声かけるなんてさ」

杏子「さやかはほむらが苦手だもんな」

さやか「苦手じゃない、嫌いなの。どうしてもあいつは気に入らないのよ」

マミ「私は学年が違うからあまり接点はないけど、確かにあまり人と関わろうとしない子よね」

まどか「わたしは…できたらもっと仲良くなりたいなって……」

さやか「まどかが何でそこまであいつに入れ込むのか、あたしにはわかんないな……」

マミ「美樹さん、そんな言い方……」

さやか「……っと、ごめん。まどかの交友関係に文句つけるつもりじゃなくて」

まどか「大丈夫、わかってるから」

さやか「でも、まどかはすごい気にかけられてる方だよ。他の誰かだったら会話が一言で終わるもん」

マミ「私たちにできることはないかもしれないけど、応援してるわね」

まどか「ありがとうございます、マミさん」

まどか「でも…もし来てくれるってなっても、家の場所わかるかなぁ」

まどか「前に1度だけ家に連れてきたこと、あるけど……」

さやか「……あいつ、家に上げたの?知らなかった」

マミ「美樹さんがどうしてよく思わないのかはわからないけど、悪い子じゃないんだから」

さやか「どうでしょうねぇ。案外悪魔みたいな奴かもしれないですよ?」

マミ「そんな勝手なこと言って……」

まどか(……悪魔?)

杏子「……どした?」

まどか「あっ…ううん、何でもないよ」

杏子「んー……?そうか?」

まどか「う、うん。気にしないで」

杏子「……さやかはああ言ってるけど、アタシはまどかの好きなようにやったらいいと思うよ」

杏子「もちろんアイツがまどかに危害を加えるってんなら、話は別だろうけどさ」

詢子「待たせたね、料理の追加だよ!」

杏子「お、来た来た!」

まどか(……ほむらちゃんのこと、気になるけど…今はパーティーを楽しもうかな)

――――――

さやか「……それじゃまどか、今日はありがと。すごく楽しかったよ」

杏子「アタシはすごく美味しかったよ」

マミ「もう……。鹿目さん、ご両親によろしく伝えておいてね」

まどか「はい。わかりました」

さやか「じゃ、あたしたちは帰るよ。まどか、またねー」

マミ「鹿目さん、メリークリスマス」

杏子「がんばれよー」

まどか「みんな、ばいばーい」

バタン

まどか「……ふぅー」

詢子「随分楽しんでたみたいじゃないか、まどか」

まどか「ママ…うん、とっても楽しかったよ」

まどか「パパのおいしい料理を食べて、プレゼントの交換をして……」

まどか「でも…結局、ほむらちゃんは来てくれなかったなぁ……」

詢子「そのほむらちゃんも何か都合があったのかもしれないし、仕方ないよ」

まどか「うん……」

詢子「もういい時間だし、今から来るとも思えないけど……」

まどか「わたし…もう少し待ってみるよ」

詢子「そっか。ま、止める理由もないけど…あまり遅くならないうちに寝るんだよ」

まどか「大丈夫、わかってるよ」

詢子「んじゃアタシたちは風呂入って寝るよ。メリークリスマス、まどか」

まどか「メリー、クリスマス。ママ」

――――――

まどか「……ふぁ」

まどか(んぅ…眠い……。やっぱり、こんな時間に来てくれるわけ、ないよね……)

まどか(ママたちはもう寝ちゃっただろうし……)

まどか「……もうすぐ0時かぁ。日付、変わっちゃうな」

まどか(0時まで待って、それでもダメだったら…諦めて、部屋に戻ろう)

まどか(だから、それまでは…ここで、ほむらちゃんを……)

まどか「ほむらちゃんを待っていなくちゃ……」

まどか(でも…ダメだ、もう…眠い……)

カタン

まどか(物音……?誰か、いるの……?)

まどか(……パパかママ、だよね。他に人なんて…いるはず、ないし)

まどか(来年は…一緒に、クリスマス…しようね。ほむらちゃん……)

まどか(めりー…くりすます……)

まどか「……すぅ」

『……』

『……メリークリスマス、まどか』

『さぁ、行きましょう。クリスマスはまだこれから……』

――――――

まどか「すぅ……」

『……か。まど……』

まどか「んー……。もう、朝……?」

ほむら「何寝ぼけたこと言ってるの。ほら、起きなさい」

まどか「……あれ、ほむらちゃん?ここ…わたし……?」

ほむら「おはよう。よく眠っていたみたいね」

まどか「お、おはよう……?」

ほむら「まどかが学校で眠ってしまうなんて珍しいわね」

まどか「えっ…わたし、学校で……?」

ほむら「えぇ、少なくとも私の覚えてる限りはこれが初めてじゃないかしら」

まどか「覚えてる限りって…わたしのこと、見てたりするの?」

ほむら「勿論よ。まどかのことはいつだって見ているわ」

まどか「……な、何だか恥ずかしいなぁ」

ほむら「あら、ごめんなさい。……さ、目が覚めたのなら行きましょう」

まどか「行くって、どこに……?」

ほむら「約束したじゃない。今日の放課後は…私とデートしようって」

まどか「ふぇ?で、デート……?わたしと?」

ほむら「まどか以外に誰がいるの?」

まどか「……あ、あれ?わたし、そんな約束したっけ……」

ほむら「もう。酷いじゃない、私との約束を忘れるなんて」

まどか「ち、違うの。寝てたせいか…何だかまだぼんやりしてるだけで……」

ほむら「寝起きで記憶が混乱してるのかしら。……でも、それだけならよかったわ」

まどか「あはは…ご、ごめんね」

ほむら「じゃあ、そろそろ行きましょう。今日はせっかくのクリスマスイブなんだから」

まどか「え、今日ってクリスマスイブ?」

ほむら「まだ頭がはっきりしないのかしら。携帯、見てみなさい?」

まどか「……ほんとだ。12月24日、クリスマスイブ……」

ほむら「きっと暖房の入った温かい教室にいるからぼんやりするんじゃないかしら」

ほむら「寒い外に出たらそのうち頭もはっきりしてくると思うわ」

まどか「うーん…そう、かな?」

ほむら「えぇ。ほら、行くわよ」

――――――

まどか「……それで、今日はどこに遊びに行くの?」

ほむら「遊びじゃなくてデートよ。まどか、今日の行き先も忘れちゃったの……?」

まどか「えっ…と、ご、ごめんねほむらちゃん」

ほむら「……なんて、嘘よ。今日のデートプランは当日まで秘密にしたんだもの」

まどか「う、嘘だったの?もう、いじわる」

ほむら「ふふっ。ごめんなさい」

まどか「……じゃあ、今日はよろしくね」

ほむら「きっとまどかにも気に入ってもらえると思うわ」

まどか「……それにしても、今日も寒いねぇ」

ほむら「日に日に寒さが増してる気がするわ」

まどか「ね、ほむらちゃん。手、繋ごうよ」

ほむら「いいわよ。……まどかの手は暖かいわね」

まどか「ほむらちゃんの手はやけに冷たいけど…大丈夫?」

ほむら「慣れてるから平気よ」

まどか「うーん…じゃあ、今度からはわたしがこうして暖めてあげるね」

ほむら「ありがとう、まどか」

ほむら「そう言えばまどか、さっき何か夢を見ていたんじゃないかしら」

ほむら「寝言で何かぶつぶつ言っていたわよ」

まどか「ええっ!?お、起こしてよ、恥ずかしいなぁ……」

ほむら「だって、まどかがとても気持ちよさそうに眠っていたんだもの。起こせないわ」

まどか「も、もう。そんなこと言って……」

ほむら「それで、どんな夢を見てたの?」

まどか「えっと…確か、クリスマスイブに家族と、友達と一緒にパーティーをしてたような」

ほむら「友達?」

まどか「うん。でも…誰だったんだろう。友達ってことはわかるんだけど、名前が出てこなくて」

ほむら「夢なんだから、気にしなくてもいいと思うわ。私はその中にいたの?」

まどか「それが…ほむらちゃんだけ、そこにいなかったんだ」

ほむら「そう……」

まどか「あ…ご、ごめんね」

ほむら「ふふっ。謝ることなんてないわ。所詮夢は夢よ」

ほむら「それに、現実の私たちはこうしてデート、してるんだから。ね?」

まどか「えへへ…そう、だね」

ほむら「少し急ぎましょう。のんびり歩いてたら時間がなくなっちゃうもの」

ここまで前回分やり直し
次から今回分の投下

お手数かけてごめんなさい

――ショッピングモール――

まどか「……ほむらちゃんに連れられるままにショッピングモールまで来たけど」

まどか「今日の…で、デートってショッピングモールなの?」

ほむら「そのつもりだけど…駄目かしら?」

まどか「ううん、そんなことないよ。で、まずはどこに行くの?」

ほむら「……それなんだけど、実は決まってないの」

まどか「えっ?」

ほむら「ショッピングモールに行こうというのはすぐ思いついたのだけど」

ほむら「そこからどこをどういう順番で回ろうとか、そういうこと…全然思いつかなくて」

ほむら「それに、まどかと行きたいところが多すぎて絞り込めなかったのもあるし……」

まどか「も、もうっ。ほむらちゃんってば……」

ほむら「それで思いついたのが、どこのお店に入るでもなくその辺を歩いてみるってことなの」

ほむら「歩き回って、入ってみたいと思ったところに入ってみればいいと思って」

まどか「うん、そうしよっか」

ほむら「それじゃ…向こうの方から回ってみましょう」

ほむら「……こっちの方ってこんなお店もあったのね。知らなかったわ」

まどか「わたしもこっち側はあんまり来ないからなぁ」

ほむら「……それにしても、クリスマスイブだからかどこも恋人だらけね」

まどか「わたしたちもうそう見られているのかな?」

ほむら「どうかしら。女同士だし、やっぱり仲の良い友達だと思うけれど……」

まどか「そ、そうだよね。何言ってるんだろう、わたしってば」

ほむら「……それとも、まどかは友達じゃなくて恋人として見られたいの?」

まどか「そっ…そんなこと、ない、よ。うん、全然そんなことないから」

ほむら「あら、残念。私はまどかとなら構わないわよ」

まどか「ほ、ほむらちゃんっ。そういう冗談言っちゃダメだよ」

まどか「そういうことは本当に好きな人に言ってあげて」

ほむら「ふふっ。わかったわ」

まどか「……ほ、ほら。歩いてばっかりじゃなくて、どこかお店に入ろうよ」

ほむら「それなら…あの雑貨屋はどう?」

まどか「じゃあ、入ってみよっか」

まどか「雑貨屋さんもクリスマス仕様になってるね」

ほむら「クリスマスの飾りつけをして、店員もサンタの格好をしてるわね」

まどか「何だかこっちも楽しくなってきちゃうよ」

ほむら「楽しいかはわからないけど、浮ついた気分にはなるかしら」

まどか「だったら、もうちょっとそういう顔してよー」

ほむら「知ってるでしょう、私があまり感情を表情に出さないってこと」

まどか「それはそうだけどー……」

ほむら「そんなことより、せっかく入ったんだから見ていきましょう」

まどか「こういう雑貨屋ってあんまり来ないんだけど、色々置いてあって面白いね」

ほむら「それには同意するけど、これ何?って物も置いてあるわ……」

まどか「そ、そうだね。……この黄色い輪っかとか、何に使うんだろう」

まどか「指輪のわけないし…ブレスレット?知恵の輪?手品の道具?」

まどか「……よくわかんないね」

ほむら「クリスマス商品は…向こうの棚ね」

まどか「そっちに行ってみよっか」

ほむら「この辺りはひと目でクリスマスってわかるわね」

まどか「だねー。クリスマスツリーの飾りつけに、サンタさんやトナカイさんのコスプレ衣装もあるし」

ほむら「これは…何かしら。まどか、知ってる?」

まどか「あ、それはスノードームっていうんだ」

ほむら「スノードーム?」

まどか「うん。こうして軽く動かすと……」

ほむら「……素敵ね。まるで雪が降ってるみたい」

まどか「クリスマスのプレゼントとして贈られたりするんだよ」

ほむら「そうなの……」

ほむら「……一通り見て回ったけど、特別欲しいものはなさそうね」

まどか「わたしもないかなぁ……」

ほむら「あの子供用のサンタ服なんてどう?きっとまどかに似合うし、可愛いと思うんだけど」

まどか「か、可愛いって言ってくれたのは嬉しいけどやめておくよ」

ほむら「あら、残念。まどかの可愛いサンタ姿、見てみたかったのだけど」

まどか「も、もう。ほむらちゃんってば」

ほむら「まどかも買いたいものはないみたいだし、そろそろ出ましょうか」

まどか「これ以上ここにいると衣装を買わされちゃいそうだし、そうしよう」

ほむら「次、どこに行こうかしら?」

まどか「決まるまで、またぶらぶら歩いてればいいんじゃないかって思うんだけど」

まどか「やっぱり屋外だと、だいぶ冷えちゃうね……」

ほむら「……まどか、もっとこっちに来て」

まどか「えっ?」

ほむら「2人でくっつけば、寒くないでしょう?」

まどか「で、でも外でなんて…恥ずかしいよ……」

ほむら「誰も私たちのことなんていちいち気に留めてないわ。ほら、おいで」

まどか「じ、じゃあ……」

ほむら「……」

まどか「……あったかいね、ほむらちゃん」

ほむら「えぇ。とても……」

まどか「でも、やっぱりちょっと恥ずかしいな」

ほむら「まどかは恥ずかしがり屋ね」

まどか「そういうわけじゃないんだけど……?」

ほむら「どうしたの?」

まどか「このお店……」

ほむら「……どうやら紅茶の専門店みたいね」

ほむら「もっとも、潰れてしまっているけれど」

まどか「流行らなかったのかな?」

ほむら「わざわざ専門店まで買いにくる人は少ないだろうし、そのせいじゃないかしら」

まどか「何だかかわいそうだね……。わたし、紅茶って結構好きなのになぁ」

ほむら「仕方ないわ。……さぁ、次に行きましょう」

まどか「あ、うん」

ほむら「……とは言ったものの、どこに入りましょうか」

まどか「うーん……」

ほむら「何だか時間を無駄に過ごしてる気がするわ……」

まどか「ううん、そんなことないよ。わたしはほむらちゃんと一緒にいられて、嬉しいもん」

ほむら「……ありがとう、まどか」

まどか「だけど、いつまでもうろうろ歩き回ってるのも……」

ほむら「そうね……。このままだと、まどかが風邪をひいてしまうかもしれないし」

まどか「だ、大丈夫。それにそれを言ったらほむらちゃんもだよ」

ほむら「私は平気よ。悪魔だもの」

まどか「そんなわけわかんないこと言ってないで、どこか暖かいところに行こう?」

ほむら「え、えぇ……」

まどか「えっと…あ、あの喫茶店にでも入ろうよ」

ほむら「体も冷えてきたし、丁度いいかもしれないわね」

まどか「じゃ、決まりだね。ほむらちゃんとくっついてるとは言え、やっぱり寒いし」

ほむら「私としてはもっとこうしていたいのだけど……」

まどか「……ほ、ほら、行くよ!」

まどか「ふぅ……。暖かい……」

ほむら「何を頼もうかしら……」

まどか「このアップルパイとかリンゴタルト、おいしそうだよ」

ほむら「リンゴ……」

まどか「嫌いなの?」

ほむら「……少し、ね。苦手なのよ」

まどか「そうなんだ……。じゃあ、何にしよう……?」

ほむら「駄目なのはリンゴだけだから、それ以外で何かないかしら?」

まどか「えーと…このドキドキクリスマスケーキセットなんてどうかな」

ほむら「2人分のセットみたいね」

まどか「ほむらちゃんも他に食べたいのがなければ、一緒にこれ注文しない?」

ほむら「私はそれで構わないわ」

まどか「なら、これで注文しちゃうね。……すいませーん、注文お願いしまーす」

――――――

まどか「……で、クリスマスケーキセットを注文したのはいいんだけど」

まどか「まさかケーキが2人でひとつの恋人用だなんて思いもしなかったよ……」

ほむら「よく見たらメニューにも書いてあるわね。恋人と一緒にどうぞって」

まどか「フォークもひとつしかついてなかったし…つまりはそういうこと、なんだよね……」

ほむら「まどかは私とじゃ嫌かしら?」

まどか「そ、そんなことないけど……」

ほむら「なら、何も問題は無いわね。……はい、あーん」

まどか「あ、あーん」

ほむら「……どうかしら?」

まどか「うん…甘くてすごくおいしいよ」

ほむら「ふふっ。そう……」

まどか「あ、わたしからもお返しするね。ほむらちゃん、あーん」

ほむら「……確かに美味しいわ。まどかに食べさせてもらったから、尚更ね」

まどか「そ、そう?えへへ、よかった……」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「……何でもないわ。ただ、何処も彼処も楽しそうだなって」

まどか「みんな、大切な人と素敵な時間を過ごしてるからなんじゃないかな」

まどか「まぁ…わたしもほむらちゃんと一緒で楽しいというか、嬉しいというか……」

ほむら「……ねぇ、まどか。私も…楽しんでいいのかしら……?」

まどか「もちろんだよ。ほむらちゃんだけダメなんてこと、あるわけないじゃない」

ほむら「……なら、楽しませてもらうことにするわ。ありがとう、まどか」

まどか「ほむらちゃんが何を気にしてるのかはわからないけど……」

まどか「せっかくのクリスマスイブだもん。楽しまなくちゃもったいないよ」

ほむら「そうね……。年に1度の聖なる夜だものね……」

まどか「……ね、これ食べたら映画を見に行こうよ」

ほむら「映画?でも、今何をやってるのかわからないわ」

まどか「そんなの、行ってから選べばいいんだよ。それに、映画自体は何だっていいの」

まどか「アクションでも、アニメでも、SFでも。ほ、ホラーはちょっとアレだけど」

まどか「ほむらちゃんと一緒に映画を見ることが大事なんだから」

ほむら「……まさかまどかに言われてしまうなんて、思いもしなかったわ」

まどか「だって今日のはデートなんでしょ?だったら、ほむらちゃんも楽しもうよ」

まどか「わたし、結構嬉しいんだよ?ほむらちゃんからデートに誘われたことが」

ほむら「なら…もっとデートらしくしてもいい、かしら……?」

まどか「もちろん。周りから本当に恋人だって思われちゃうくらいのデートにしちゃおうよ」

ほむら「……えぇ。そうしてみましょうか」

まどか「じゃ、早く食べちゃおう。はい、あーん」

ほむら「あ、あーん」

――――――

まどか「はぁー……。映画、終わったぁ……」

ほむら「私、映画はあまり見ないのだけど、なかなか面白かったわね」

まどか「だけど、まさかカップルシートで映画を見ることになるなんて……」

ほむら「あら。もっとデートらしくしてもいいって言ったのはまどかじゃない」

まどか「それはそうだけど、いきなりしてくるなんて思わなかったし……」

ほむら「それを言うなら私だってまどかが恋愛映画を選ぶなんて思わなかったわ」

まどか「……ほむらちゃんとカップルシートで一緒に恋愛映画を見て…何だかドキドキしちゃってるよ」

ほむら「これはデートなんだから。ドキドキしてくれた方が私としては嬉しいわね」

まどか「もう、ほむらちゃんは……」

ほむら「そう言えば、まどかはどうして数ある作品の中からこの作品を選んだの?」

まどか「時期が時期だけに、恋愛作品が多いからっていうのもあるけど……」

まどか「映画のタイトルに惹かれたんだ。何だか面白そうなタイトルだなって」

まどか「そう思って、この『悪魔に恋した女神』にしたんだ」

ほむら「つまり、直感で選んだってこと?」

まどか「そういうことになるのかな。でも、すっごく面白かったよね」

ほむら「確かに面白かったわ。ハッピーエンドではなかったのかもしれないけど」

ほむら「悪魔は女神を愛していたからこそ、あんな終わり方なんだと思うわ」

まどか「……だけど、ちょっと寂しいな。もっと違うやり方もあったはずなのに」

ほむら「仕方ないわ。その可能性は最初の女神の行動を止めなかった時点で潰えていたもの」

ほむら「悪魔が愛する女神を守る唯一の手段があれだったのよ」

まどか「そう…なのかな」

ほむら「えぇ。私はそう思うけれど」

まどか「そっかぁ……」

ほむら「……映画も終わったし、そろそろ出ましょうか」

まどか「あ…うん、そうしよっか」

ほむら「……日が暮れてきたからか、一段と冷えるわね」

まどか「また2人でくっついちゃう?」

ほむら「私はいいけど、まさかまどかの方から言ってくるなんて思わなかったわ」

まどか「ん……。何だろう、何だか無性にほむらちゃんとくっつきたくて……」

まどか「寒いのもあるんだけど…今日のこれがデートだから、なのかも……」

まどか「……ううん、理由は何だっていいや。ほむらちゃん、ぎゅーっ」

ほむら「あっ……」

まどか「ふへー…あったかーい……」

ほむら「……えぇ、そうね。体も、心も」

まどか「本当のことを言うと、前からこうしてほむらちゃんをぎゅーっとしたかったの」

まどか「でも、ほむらちゃんはこういうの嫌いなのかなって思ってて…できなかったんだ」

ほむら「……まどかとだったら嫌じゃないわ」

まどか「じゃあ、今度からしたくなったら…こうしてもいい?」

ほむら「えぇ。いつでも歓迎するわ」

まどか「ふふっ。ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「……別にお礼を言われるようなことじゃないわ」

まどか「それでも、ありがとう。嬉しいよ」

ほむら「まどかがそう言うのなら、受け取っておくわね」

まどか「もうだいぶ暗くなってきちゃったし、今日はこれでおしまい?」

ほむら「いえ。もうひとつ、行きたいところがあるの」

まどか「もうひとつ?」

ほむら「えぇ。暗くないと駄目だから、日が暮れるまで待っていたのよ」

まどか「暗くないとダメって…どういうこと?」

ほむら「それは…こういうことよ」

まどか「こういうこと…って……」

ほむら「……どうかしら。クリスマスツリーのイルミネーションは」

まどか「すごい…すごく綺麗……」

ほむら「ふふっ。喜んでもらえたみたいで、よかった」

まどか「こうしてると…本当にデートをしてる恋人みたい……」

ほむら「恋人はともかく、デートは本当のつもりよ」

まどか「……それにしても多いね、恋人さんたち」

ほむら「きっと私たちみたいにデートをして、最後にここに来たんじゃないかしら」

まどか「そう…なのかな」

ほむら「……これで今日のデートはおしまい。だいぶ暗くなったし、そろそろ帰りましょう」

まどか「……うん」

ほむら「どうしたの?まだ、どこか行きたいところでもあるの?」

まどか「そうじゃないんだけど…何だか帰りたくなくて……」

まどか「ほむらちゃんにデートに誘ってもらえたことが、とっても嬉しくて、楽しかったからなのかな……」

まどか「……えへへ、ごめんね。わがまま言っちゃって」

ほむら「……まどかさえよければ、もう少し何か話さない?」

まどか「え…いいの?」

ほむら「えぇ。ここじゃ落ち着いて話せないから、そうね……」

ほむら「少し奥にある噴水に行きましょう。今日はみんなこっちに来て、誰もいないだろうし」

まどか「……ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「じゃあ…行きましょうか」

――――――

ほむら「……思った通り、こっちは誰もいないみたいね」

まどか「これって…噴水なの?何か壊れちゃってるけど……」

ほむら「確かそのはずよ。事故か何かで一部が壊れてしまって……」

ほむら「元は人魚像が座っていたはずよ」

まどか「直せばいいのになぁ。もったいない」

ほむら「……直すなら別の何かがいいわ。私、人魚はあまり好きじゃないから」

まどか「そ、そうなんだ……」

ほむら「……そんなことより、何か話をしましょう」

まどか「えっと、その……」

まどか「……あ、あはは。ごめんね、何を話したらいいかわかんなくて」

まどか「ほむらちゃんと話したいと思ってるはずなんだけど、いざ話すとなると何も話せなくなっちゃって」

まどか「ど、どうしちゃったんだろうね、わたし」

ほむら「まどかが何も話せないというのなら、私からひとつ…いい?」

まどか「う、うん」

ほむら「……まどか。今日は私の誘いを受けてくれてありがとう」

ほむら「とても楽しいクリスマスイブになったわ」

まどか「お、お礼なんていいんだよ。わたしだって楽しかったんだから」

ほむら「そう言ってもらえると、誘った私としても嬉しいわ」

まどか「本当に…今日はありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「……実は、そんなまどかに渡したいものがあるの」

まどか「渡したいもの?」

ほむら「えぇ。……これ、受け取ってくれないかしら」

まどか「……ほむら、ちゃん。これって……」

ほむら「まどかの想像通り、クリスマスプレゼントよ」

ほむら「……メリークリスマス。まどか」

まどか「そんな、わたし…何も用意してないのに、貰えないよ」

ほむら「いいのよ、私が勝手にしたことだから」

ほむら「……それに、私とデートをしてくれたことが何よりのプレゼントよ」

まどか「ほむらちゃん……!ありがとうっ!」

まどか「これ、さっそく開けてもいい?」

ほむら「勿論。開けてみて」

まどか「ほむらちゃんからのプレゼント…何だろう……?」

まどか「……これ…イヤーカフス、だよね……?」

ほむら「えぇ。私のこれと同じデザインなの」

まどか「そうなんだ……」

ほむら「……気に入ってもらえたかしら?」

まどか「うんっ。とても…とっても嬉しいよっ」

ほむら「そう。喜んでもらえたみたいでよかったわ」

まどか「デザインは同じみたいだけど、この…宝石みたいな部分は色違いなんだね」

まどか「ほむらちゃんのは紫で、わたしのはピンクで……」

ほむら「えぇ。まどかに1番似合うのは、やっぱりピンクだと思ったから」

まどか「そ、そうかな……」

ほむら「よければこれ、つけてあげましょうか?」

まどか「いいの?なら、お願いするね」

ほむら「わかったわ」

まどか「ん……」

ほむら「痛かった?」

まどか「ううん。ちょっとくすぐったかっただけだよ」

ほむら「まどかの耳、柔らかいわね」

まどか「も、もう……」

ほむら「……はい、できたわ」

まどか「どう……?似合ってる?」

ほむら「とても似合ってるわ」

まどか「ありがとう。こんな素敵な贈り物、してくれて……」

ほむら「私はまどかが喜んでくれたのなら、それでいいの」

まどか「あはは……。そういうこと…さらっと言っちゃうんだもんなぁ……」

ほむら「えっ?」

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん。ほむらちゃんはわたしのこと、どう思ってる?」

ほむら「まどかのこと……?勿論、大切で…特別な人だと思ってるけど……」

まどか「そう…なんだ……」

ほむら「まどか……?」

まどか「……今度はわたしからひとつ、いいかな……?」

ほむら「それは構わないけど、一体何を……?」

まどか「……ほんとはこんなこと、言うつもりはなかったし…言っていいことじゃない」

まどか「だけど…今日、ほむらちゃんとデートをして、贈り物を貰って……」

まどか「もう、わたしの中に留めておけなくなっちゃったことがあるの……」

まどか「……聞いてくれる?わたしの、気持ちを」

ほむら「えぇ、聞かせて」

まどか「……暁美ほむら、さん。わたしは、あなたのことが……」

まどか「……大好き、なの」

ほむら「……」

まどか「わたしは、ほむらちゃんのこと…異性と同じように、好きになっちゃったの……」

まどか「ほむらちゃんに…恋をしちゃったの……」

ほむら「そう……」

まどか「……ごめんね。こんなこと言っても、ほむらちゃんを困らせちゃうだけなのに」

まどか「わたしもほむらちゃんも…女の子なのに……」

ほむら「……まどかはどうして私なんかを?」

まどか「だって…転校生のわたしに優しくしてくれるし……」

まどか「時々よくわかんないことを言ったりするけど、いつだってわたしを気にかけてくれて……」

まどか「今日だって、クリスマスイブにデートに誘ってくれて、こんな贈り物までしてもらっちゃって」

まどか「同性だったとしても…そんなことされて好きにならないわけ、ないよ」

ほむら「……私が自分でまどかのことを虜にしてしまっていたのね」

まどか「きっと…ほむらちゃんはその気なんてないはずなのに、わたしが勝手に勘違いして……」

まどか「ほむらちゃんに迷惑かけちゃってる…よね……」

ほむら「……いいえ、そんなことないわ」

まどか「え……?」

ほむら「ありがとう。まどかの告白…とても嬉しかったわ」

まどか「嬉しかった……?」

ほむら「えぇ。だって、まどかがわたしのことを…好きだと言ってくれたんだから」

まどか「気持ち悪くないの……?」

ほむら「そんなこと、微塵も思ってないわ。まどかの好意が嬉しくないわけないもの」

まどか「そ、そっか……」

ほむら「……だけど、まさかまどかの方から告白されるとは思ってなかったわね」

まどか「わたしの方からって…どういうこと、なの……?」

ほむら「……本当はね、今日まどかをデートに誘ったのは…私を見てもらう為だったの」

ほむら「私を見て、意識して…好きになってもらえたらいいなって」

ほむら「もっとも、それ以前に私の行動がまどかを意識させていたことまではわからなかったけど」

まどか「……ほむらちゃん、もしかして」

ほむら「まどかの想像の通り。私は、まどかのことが好き」

ほむら「勿論、友達としてではなく…異性と同様に、恋の対象としてね」

まどか「ほむら、ちゃんっ……」

ほむら「……好きよ、まどか。好き、大好き」

まどか「わたしもっ……!大好きだよっ……!」

ほむら「ふふっ……。やっぱり、嬉しい。まどかに大好きって言ってもらえて」

ほむら「……もう2度と、言ってもらえないと思ってたから」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「……何でもないわ。気にしないで」

まどか「う、うん。……それで、わたしたちって…その、両想い、なんだよね」

ほむら「えぇ、そうね」

まどか「なら、わたしたちは…恋人ってことでいいのかな……?」

ほむら「私はそのつもりだったのだけど、まどかは違うのかしら?」

まどか「そっ…そんなことないよ。わたしも…ほむらちゃんと恋人がいい」

まどか「ほむらちゃんの恋人になっていいのはわたしだけなんだから」

ほむら「私も、まどか以外となんて嫌。恋人として、一緒にいたいのは…まどかだけよ」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「……ねぇ。せっかく恋人になれたんだから、もう1度クリスマスツリーに行ってみない?」

ほむら「何かが違って見えるかもしれないわよ」

まどか「そうだね……。じゃあ、行ってみよう」

ほむら「まどか、手を」

まどか「……えへへ、ほむらちゃんと恋人として繋げるなんて、嬉しいなぁ」

ほむら「えぇ、私も。……さ、行きましょう」

今回はここまで
読んで下さってる方、ありがとうございます

次回投下は28日夜を予定しています

今回の投下で完結の予定です

次から本文

――――――

まどか「……戻ってきてみたけど、さっきまで大勢いた恋人さんたち、いなくなってるね」

ほむら「みんな帰るなりどこかお店に入ったなりしたんじゃないかしら」

ほむら「それよりも、どう?さっきと何か変わった?」

まどか「……さっきは、割とすぐここから立ち去っちゃったからよくはわからないけど」

まどか「でも…さっき見た景色よりも、もっと綺麗になってるような気がするんだ……」

まどか「きっと、ほむらちゃんと恋人になれたからかな」

ほむら「そう……。私もまどかと一緒だからか、何だか輝いて見えるわ」

まどか「ほ、ほむらちゃんったら……」

ほむら「……あら?」

まどか「わぁ…ほむらちゃん……!」

ほむら「雪、ね。まさか降るなんて……」

まどか「ホワイトクリスマスだね……」

ほむら「厳密に言えば違うのだけど…この際、細かいことなんてどうでもいいわね」

まどか「うん……。ほむらちゃんと、こうしてこの光景を見ていられるなら、わたしは……」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……?どうかした…のっ……!?」

ほむら「まどか……」

まどか「……び、びっくりしたぁ。急に…その、抱き寄せたりするんだもん」

ほむら「ふふっ。いきなりでごめんなさい」

まどか「……ううん、謝らなくてもいいよ。ほむらちゃんにこうしてもらえるの、嬉しいから」

まどか「でも、何でいきなりこんなことを?」

ほむら「理由らしい理由は無いの。ただ、まどかを抱き寄せたかっただけ」

ほむら「付き合うようになったばかりだけど、恋人としてまどかのことを……」

まどか「恋人として、かぁ。改めて言われると、何だか恥ずかしいな」

ほむら「……ねぇ、まどか」

まどか「なぁに?」

ほむら「キス、してみない?」

まどか「……え?」

ほむら「私たち、せっかく付き合って…恋人になったんだから」

ほむら「それに今日はクリスマスイブで…こんなに素敵な場所にいるんだもの」

ほむら「だから…どうかしら、まどか……?」

まどか「……ほむらちゃん、まさかこのためにわたしを抱き寄せたの?」

ほむら「いえ、最初はそんなこと思ってなかった。そう思ったのは抱き寄せたあとよ」

まどか「そっかぁ……」

ほむら「……私は、まどかとキスしてみたい。まどかはどうかしら?」

まどか「……うん。わたしも、ほむらちゃんと……」

まどか「生まれて初めての恋人と…キス、したいな」

ほむら「……嬉しいわ。私のこと、恋人だと言ってくれて」

まどか「当然だよ。ほむらちゃんが好きだって…告白したじゃない」

ほむら「……えぇ。そうだったわね」

まどか「……ほむらちゃん、今日は本当にありがとう。忘れられない日になったよ」

まどか「クリスマスイブの今日、ほむらちゃんにデートに誘われて、贈り物を貰って……」

まどか「告白をして、告白をされて、恋人になって…こうしてキスをすることになって……」

まどか「……えへへ、何だろう。全部が全部、わたしの望み通りになりすぎて」

ほむら「不安なの?」

まどか「そう…なのかな。うん、そうなのかもしれない」

まどか「嬉しくて、幸せで…今日の全部が夢の中の出来事なんじゃないかって思っちゃって……」

まどか「いつか…目が覚めた現実は、ほむらちゃんと恋人どころか、仲の良い友達ですらないのかもって思うと……」

ほむら「……もし、本当にそうだったら…どうする?」

まどか「えっ……?」

ほむら「まどかと手を握り、見つめ合ってる今が夢で…恋人でも、仲の良い友達でもない世界が現実」

ほむら「本当にそうだったとしたら…まどか、あなたはどうする……?」

まどか「……わたしとしてはこの幸せな今が夢だなんて思いたくないけど」

まどか「でも、もしも本当にそうだったとしても…きっと何も心配なんていらないよ」

ほむら「……どうしてそう思えるの?恋人でも、友達でもなくなってしまうかもしれないのに」

まどか「そんなの、簡単だよ。わたしがほむらちゃんのこと、大好きだから」

ほむら「まどかが?」

まどか「うん。わたしの、ほむらちゃんが好きって気持ちは…夢でも現実でも、絶対変わらない」

まどか「夢のわたしはほむらちゃんが好きなのに、現実のわたしが好きじゃないなんてこと…あるわけないよ」

ほむら「……もう。言ってること、滅茶苦茶よ?」

まどか「えへへ……。それに、夢のわたしたちがこうして恋人になれたんだもん」

まどか「現実のわたしたちも…きっと、恋人になっちゃうと思うんだ」

まどか「……だからね、何も心配なんてしなくていいんだよ。ほむらちゃん」

まどか「わたしは…どんなわたしだったとしても、ほむらちゃんに惹かれて、心奪われて、恋をして」

まどか「……また、ほむらちゃんに想いを伝えるよ」

ほむら「……私もまどかのこと…大好きだから。まどかに先を越されたり、はっきり好きだと言えなくても」

ほむら「例えどんな姿になったとしても、私の心は…まどかの、まどかだけのものだから」

まどか「そう、言ってくれるなんて…嬉しい……」

ほむら「……さぁ、まどか」

まどか「うん……。ほむら、ちゃん……」

ほむら「……愛してるわ、まどか。今このときが夢だとしても」

まどか「わたしも、大好きだよ。ほむらちゃん」

ほむら「まどかっ……!」

まどか「ぁ、んっ……」

ほむら「……」

まどか「……っはぁ。えへへ、しちゃった、ね」

ほむら「えぇ。……これでこの世界も…おしまい」

まどか「え……?ほむらちゃん、何を言って……?」

まどか「あ…あれ……?何だろ、目の前…歪んで……」

まどか「それに…急に眠くなって…ふぉむらひゃん……?」

ほむら「何も心配しなくてもいいわ。ただ…夢から覚めるだけ」

ほむら「……おやすみなさい、まどか」

まどか「ほ、ほむっ……」

ほむら「……」

まどか「すぅ……」

ほむら「……私」

ほむら「私、嬉しかったわ。この世界はまどかの夢で…私はただ、夢に潜り込んだだけ」

ほむら「あなたの気持ちや心は…あなた自身のままのはずなのに……」

ほむら「きっと…心の中では私のこと、好意的に思ってくれていたんでしょうね……」

ほむら「……まどか、ありがとう。夢の中の出来事だったとしても」

ほむら「私と恋人…ううん。私のことを大好きだって言ってくれて…本当に嬉しかった」

まどか「うぅ、ん……」

ほむら「……目が覚めたら、あなたはベッドの中。私とのことも、全てはただの夢」

ほむら「そうでなければ…まどかを混乱させてしまうだけ。だけど、私は……」

ほむら「……ひとつだけ、思い出を残していくわ。私とまどか、2人の夢の思い出を」

ほむら「もし、現実のあなたが…夢のまどかと同じ気持ちだったのなら」

ほむら「また私の側に来てほしい。私の、隣に」

まどか「……ぅん」

ほむら「……そろそろ、お別れね。さようなら、まどか」

ほむら「大好きよ。ずっと、永遠に……」

――――――

まどか「……ん」

まどか「あれ……?ここ……」

まどか「わたしの…部屋……?」

まどか「あれ……?わたし、部屋で寝てたっけ……?えっと、昨日は……」

まどか「さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃんたちに、家族のみんなでクリスマスパーティーをして……」

まどか「ほむらちゃんが来てくれるかもって夜遅くまで待ってたんだったはず……」

まどか「……夢、だったんだ。ほむらちゃんとのデートも、キスも」

まどか「あの出来事の、全てが……」

まどか「寂しいし、残念だけど…夢だったのなら、仕方ないよね……」

まどか「それにしても、まさかほむらちゃんとデートする夢を見るなんて……」

まどか「昨日、寝ちゃう前にほむらちゃんのことを考えていたせいなのかな」

まどか「確かにほむらちゃんのことは気になるけど…わたしたち、女の子同士だし……」

まどか「そもそも、ほむらちゃんはわたしのことをそんな風になんて思ってないはずで……」

まどか「……な、何うろたえてるんだろう、わたし。ほむらちゃんとの夢を見たからって」

まどか「あれはあくまでわたしの夢。全部わたしに都合よくいくようになってたんだよ」

まどか「ドキドキしちゃう夢を見たからって、必要以上に気にしても仕方ないよね」

まどか「身支度を整えて朝ご飯…と思ったけど今日から冬休みなんだし、先にご飯にしようっと」

まどか(……でも、本当に全部夢だったのかな?)

まどか「おはようー」

知久「おはよう、まどか。朝食、もう少しでできるからね」

詢子「おはよ。昨日は楽しかったかい?」

まどか「うん。すごく楽しかったよ」

詢子「そっか。そりゃよかった」

まどか「……あ、そうそう。わたし、ここで寝ちゃってたよね。運んでくれてありがとう」

詢子「うん?まどか、ここになんていなかったけど。パパ、何か知ってる?」

知久「いや、僕が起きてきたときには誰もいなかったけれど」

まどか「えっ?でも、わたし…確かにここで……」

詢子「寝ぼけて部屋戻ったの覚えてないだけだって。気にすることないよ」

まどか「そう、なのかなぁ……」

知久「何か気にかかることでもあるのかい?」

まどか「そういうわけじゃないけど……」

詢子「アタシもパパも知らないとなると、自分で戻ったことを覚えてないだけか」

詢子「もしくは、ほむらちゃんが眠ったまどかを運んでくれたかのどっちかだと思うけどねぇ」

まどか「ほむら…ちゃん……?ママ、どうしてほむらちゃんが出てくるの?」

詢子「いや、だって昨日来るのを待ってたじゃないか。ちゃんと会えたんだろ?

まどか「う、ううん。昨日は結局来てくれなかったけど」

詢子「何言ってるのさ。なら、耳のそれは誰からの贈り物なんだい?」

まどか「耳……?」

詢子「その右耳の…イヤリングじゃなくて、えーと…イヤーカフスだっけか」

詢子「それ、ほむらちゃんからのクリスマスプレゼントなんじゃないのか?」

詢子「昨日のパーティーのときはそんなプレゼントをしてくれた子、いなかったはずだし」

まどか「あれ……?待って、何で……?」

詢子「なかなか似合ってるよ。よかったな、素敵な贈り物をしてもらってさ」

詢子「勿論、まどかもほむらちゃんにちゃんとプレゼント、渡したんだよな?」

まどか「嘘、どうして……」

詢子「……まどか?」

まどか「……ねぇ、ママ。昨日って…わたし、間違いなくここでパーティーをしてたよね」

詢子「まだ寝ぼけてるんじゃないのか?まどかは確かに昨日、ここにいたよ」

まどか「そう…だよね……」

まどか「……ごめん、わたし…ちょっと部屋に戻る。ご飯、あとで食べるよ」

詢子「……どうしたんだ、まどかは」

知久「僕にもちょっとわからないかな……」

詢子「まどかもああ言ってたし、アタシたちは先に朝食にするか」

知久「そうしよう。タツヤも待ちくたびれて眠ってしまったみたいだしね」

――――――

まどか「……やっぱり、夢の中でわたしがもらったイヤーカフスだ」

まどか「ほむらちゃんのと同じデザインで、ピンクの宝石がついていて……」

まどか「でも、これを貰ったのは夢の中でのはず…なのに」

まどか「どうして現実のわたしが耳につけてるんだろう……?」

まどか「……確か昨日、寝ちゃう前に物音がしたような気がするけど」

まどか「もしかしてあれがほむらちゃんだったとか……?」

まどか「ほむらちゃんが眠ってるわたしを見つけて、部屋に運んで、これをつけて……」

まどか「……って、いくらなんでもそんなわけないよね」

まどか「そもそも…あれは本当に夢、だったの……?」

まどか「昨日はわたしの家でパーティーをしたことは間違いないはずなのに」

まどか「あの出来事の全てが夢だったなんて、とても思えないよ……」

まどか「だって…ほむらちゃんとのデートは本当に楽しくて、嬉しかったし……」

まどか「何より、キスをしたあの感触は…絶対、夢なんかじゃない」

まどか「ほむらちゃんの温もりも、匂いも、柔らかい唇も……」

まどか「全部、わたしの体がはっきり覚えてるんだから」

まどか「ほむらちゃんとキスしたのが夢だったなんて…わたしは嫌だよ……」

まどか「……もしかしたら、あれは夢だけど、夢じゃなかった…のかも」

まどか「現実ではなかったのかもしれないけど、本当にあったことなんじゃないのかな」

まどか「今の…現実のわたしと夢のわたしの気持ちが同じなんだから。そう考えるのが自然だよね……」

まどか「あんな夢を見ちゃうくらいだもん。わたし、ほむらちゃんのことが…好き、なんだ」

まどか「夢のわたしが言ったように、ほむらちゃんに惹かれて、心奪われて、恋をして……」

まどか「ほむらちゃんを好きになっちゃったんだ……」

まどか「……そっかぁ。わたし、夢の中だけじゃなくて、現実でもほむらちゃんのことを……」

まどか「……もし、あの出来事が本当にあったことなんだとしたら」

まどか「ほむらちゃんも、現実のわたしのこと…好き、なのかな」

まどか「夢で言ってたよね。わたしに先を越されたり、はっきり好きだと言えなくても」

まどか「ほむらちゃんの心は…わたしのもの、だって……」

まどか「あう……。自分で言ってると恥ずかしいなぁ……」

まどか「……確か夢でも、わたしからほむらちゃんに告白したんだよね」

まどか「わたしは…どんなわたしだったとしても、ほむらちゃんに惹かれて、心奪われて、恋をして」

まどか「また、ほむらちゃんに想いを伝える……」

まどか「……うん。よし」

まどか(どうして今回こんな夢を見たかなんて…誰にもわからない)

まどか(夢じゃないっていう感覚に、夢でもらったはずのものが現実にあるなんて)

まどか(よく考えなくても、わけがわからないよ)

まどか(でも、あれはきっとサンタさんからのプレゼントなのかも)

まどか(特別仲が良いわけでも悪いわけでもない、わたしとほむらちゃんが)

まどか(もっと仲良くなって、こんな風になれますようにって)

まどか(がんばれば、こんな素敵な関係になれるんだって)

まどか(そう思って、夢だけど夢じゃない夢を見せてくれたんだと思うから)

まどか「……出てくれるかな」

まどか(わたしも、ほむらちゃんとあんな風になってみたい。だから、わたしは……)

まどか「……あっ、も、もしもし、ほむらちゃん?今って大丈夫かな?」

まどか「うん。実は、ほむらちゃんにお願いがあって電話したんだけど……」

まどか「……ね、ほむらちゃん。今日の午後から、わたしと」

まどか「デート…してくれないかな……?」


Fin

これで完結です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました

読んで下さった方、感想頂けた方、本当にありがとうございました
今年はこれでおしまいです。年越しは案出ないし書いても多分年越しちゃう

・次回予告

まどか「デレデレさせたい」

まどか「あの子がほしい」(仮)

タイトル未定 たぶん本編もの


何故か妙にリクエストのあったバトルメイドを優先的に考えてみます
本年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします

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