男「……」
少女「お母さぁん……ひっく……」
男「あれ絶対迷子だよなぁ……」
少女「うっ……うっ……」
男「声かけてあげるべきかな……?」
男「でも最近、迷子の子を助けても誘拐で訴えられたりするって言うし……」
少女「うえええん……お母さぁん……」
男「ええい、儘よ!」
少女「ぐすっ……うっ……?」
男「あ、あの、大丈夫? 迷子みたいだけど……?」
少女「うっ……」
男「と、取り敢えず泣き止んで……ほら、飴……」
少女「お母さんが……ぐすっ……」
少女「知らない人に物を……ぐすっ……うえええん……お母さあああん……」
男「あわわわ……!」
男「どうしようどうしよう、凄い泣いてるよ……! 周囲の視線が痛いよ……!」
男「と、取り敢えず迷子センターに連れて行くべきかな……」
少女「うえええん……ぐすっ……ひっく……」
男「お、お母さんの所に案内してくれる人がいるから、つ、着いてきてくれる?」
少女「知らない……ぐすっ……人に……着いて行っちゃ駄目って……」
男「でも……」
少女「うえええん……お母さぁん……」
男「参ったな……」
男「どうしようかな……」
従業員「あの、ちょっと宜しいですか……?」
男「え、あ、はい?」
従業員「そのお子様とどういった関係で……?」
男「え? あ、あの、兄妹です……」
少女「うえええん……私お兄ちゃんいないよぉ……ぐすっ……」
男「……」
従業員「……」
従業員「そのお手数ですが、従業員室まで……」
従業員室――
男「だから……僕は迷子だったからお母さんを探してあげようと……」
警察「ふむ。でも、ここの従業員の人に『兄妹』だって嘘を吐いたんでしょう。」
男「それは……」
警察「そりゃあ、警察も嘘を吐かれたら何かあるんじゃないかって調べるからねぇ。」
男「……」
警察「今、あの子のお母さんに、娘さんの話を聞いて貰ってるからもうちょっと待ってねぇ。」
男「……はい。」
従業員室――
男「……」
警察「……」
男「……」
警察「……」
男「……」
警察「……」
男「……あの。」
警察「ん?」
男「……もし、もしですよ? 万が一にでも、誘拐の罪になったら、僕はどうなるんですか?」
警察「どんな理由で誘拐したかにもよるねぇ。」
男「例えば……?」
警察「取り敢えずあの子は未成年だから、未成年者略取および誘拐罪かな?」
男「……」
警察「猥褻な行為を働こうとしたなら営利目的等略取および誘拐罪かな?」
男「……」
警察「身代金が目当てなら身代金目的略取等の罪かな?」
男「……」
警察「まぁ、未遂だからないとは思うけど最高、無期かなぁ……」
男「そ、そんな。」
男「……僕は誘拐なんてしてません!」
警察「うん、分かってるから。大人しくしてて。暴れたりすると公務執行妨害とか付いちゃうからね。」
男「くっ……」
男「……」
取調室――
警察「――と言う事で、被害者である少女さんの話では。」
警察「「加害者であるあなたが、被害者である少女さんを飴で誘惑し、誘拐しようとした。」」
警察「そう述べていますね。」
男「ちょっ、ちょっと待ってください! 俺はそんな事!」
警察「……しかしねぇ。親さんがそう言ってることにはなんとも。」
男「そ、その被害者の少女の話を聞いてください! 誤解だってわかりますから!」
警察「それはできないねぇ。親さんは少女が心に深い傷を負って今は誰とも話せない、と。」
男「そんな……嘘だ……」
警察「嘘かどうかを決めるのは君じゃないからねぇ……」
男「そんな……」
警察「それと「いやらしい目付きで、体を舐め回すように見られた。」とも……」
男「……そんなことしてません!」
警察「……」
警察「今、一応現場に居た人の話を聞いてもらってるんだけどねぇ。何も進展はないし、このままだと……」
男「……」
少女自宅――
少女母「もう、もう迷子になっちゃ駄目よ?」
少女「はーい!」
少女母「ふふっ、今日はお寿司にしましょう。」
少女「お寿司!? やったぁ! でも、お金、大丈夫なの?」
少女母「大丈夫よ……」
少女母「慰謝料があるんですもの……」
少女「いしゃりょー?」
少女母「ふふっ、少女は気にしなくても良いの。」
少女「はーい。」
少女母「さて、頼んでくるわね。お利口にしてて。」
少女「うん!」
少女「……えへへ、お寿司♪」
少女「そう言えばあのお兄さん、どこ行っちゃったんだろう?」
少女「悪い人だったのかな?」
少女「……飴ちゃん食べたかったな。」
刑務所――
男「……」
男「……」
男(罪状は未成年略取未遂、営利目的等略取未遂……懲役3年……)
男(長いし、無実の罪だし……)
男(それに人生の立て直しは難しい……)
男(証言してくれる人、もしくは弁護士の人の調査で減刑……)
男(それも厳しいらしい……)
男(母ちゃんと父ちゃんは泣いてたし……)
男(妹は汚いものを見るかのような目で……)
男(大学は退学……)
男(……)
男(僕の人生は一体何なんだ……)
男(……)
男(それに母ちゃんと父ちゃんは慰謝料の請求までされて……)
男(死のうか……)
第1審判決
未成年略取未遂、営利目的等略取未遂……懲役3年……
第2審判決
変更なし
こういう事になる可能性あるから迷子には関わらん方がいいの?
第3審判決
変更なし
>>19
何度か例もある。けど、本来なら助けるべきなんだ。
悪いのはこのss見たいな親と、誘拐犯。
>>21
似たようなので中国で老人が氏にそうでも無視するのがあったな
助けたらたかられる可能性あるから見て見ぬ振り
>>23
あるね。後遺症の治療費を請求される。
見殺しにしたら治療費はかからないからってさ。
判決
○月×日
加害者である男(18)は被害者である少女(8)に略取を働こうとしたものである。
また、加害者は被害者に性的な感情を持ち、略取しようとしたものであり、
営利目的等略取未遂、およびに未成年者略取未遂で、
実刑判決を懲役3年と処する。
>>24最近中国であった、こどもが轢かれて放置されたんもそんなんじゃなかった?
面会室――
男「……」
母「……男。」
男「……」
母「……」
男「……ごめんな、母さん! ……ごめんな!」
母「……男。」
男「ごめんな……! ごめん……! 迷惑ばっかりかけて……!」
母「……」
男「ここを出たら慰謝料のお金は必ず返すから……!」
母「……」
男「ごめん……!」
母「……男。」
男「でも、僕は本当に……」
警察「面会終了だ。戻るぞ。」
男「母さん……僕はやってないんだ……」
>>26
確か幼女だったか……
>>24
だがアメリカだとどちらにしても訴訟される件
刑務所――
男「……」
男「……ごめんな、母さん。」
男「……」
男「……出来の悪い息子でさ。」
男「……」
男「……正しくないって分かってるけど、もう無理なんだ。」
男「……」
男「……さよなら。」
>>30
絶対頭おかしいよな。
男(19)自殺
頸部圧迫による呼吸、脳血流の阻害による脳死。
bad end
皆さんも迷子には気を付けて?下さい。
助ける場合は、店員さんや従業員の方を呼ぶと吉かも知れません。
痴漢の冤罪などにも十分気を付けて下さい。
それでは次回作で。
いつも思うんだけど、
同性愛者って証明できれば痴漢冤罪って勝訴できるんじゃね?
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません