アカギ「センター試験・・・?」 (43)

アカギ「なんだい、そりゃあ?」

安岡「正しくは大学入試センター試験。日本全国の大学の共通入学試験だ」

アカギ「入学・・・なんだ、つまり入試ってこと?」

仰木「そうだ、これからの時代、有利を取るのはエリート・・・すなわち大卒組だっ・・・!」

仰木「アカギっ!大学に入り、勉強し・・・積めっ・・・学をっ・・・!資格を・・・っ!」

仰木「そして成せっ・・・!財をっ・・・!お前なら、お前なら出来るっ・・・!」

仰木「圧倒的勝負勘・・・!見切りのよさ・・・!そして持ち前の天運・・・!会社経営に必要とされる、おおよそ全て・・・っ!お前は既に手にしているっ・・・!」

アカギ「・・・」

仰木「興せる・・・!ビッグな企業・・・!順風満帆・・・!多利多営・・・!お前が経験さえ積めば、必ず・・・っ!」

アカギ「悪いが・・・興味ねえな・・・」

仰木「くっ・・・!」

仰木(やはり・・・無理・・・!アカギの性格からして、やはり無理かっ・・・!)

安岡「待てっ!」

アカギ「?」

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安岡「残念なから、お前はまだ知らない・・・『センター試験』という勝負・・・博打について・・・!」

アカギ「博打・・・?」

この時アカギ、初めて安岡たちの方へ目を向ける・・・!

博徒の血・・・!アカギ自身にもどうにもならない、ギャンブラーの性・・・!

アカギ、博打という単語に興味を示すっ・・・!

アカギ「どういうことだ・・・?入試ならば、入学に価する学力なのか、試すためのものだろう・・・?」

安岡「あぁ、勿論だ。問題は、その・・・解答方法・・・っ!」

ここでアカギ、小考・・・!

アカギ「・・・なるほどな」

アカギ「マーク式・・・」ボソ

安岡「うぅっ・・・!?」

安岡「何故っ・・・!?何故なんだ!?」

安岡(見抜いてやがるっ・・・!こちらの考え・・・っ!悪魔じみた推理力・・・っ!)グニャー

アカギ「考え方は実に簡単・・・!」

アカギ「ふふ・・・まず、全国共通・・・!こいつが厄介・・・!」

アカギ「通常、採点という行為にそれほど時間はかからない・・・!しかし、全国同時となれば話は別・・・!」

アカギ「大量・・・!圧倒的な量・・・!それも大学入試レベルの問題・・・!生半可な連中に文章解答の正否など判別不能・・・!と、なれば・・・!

アカギ「やるしかない・・・!凡人にも・・・あるいは機械にも・・・判別可能なマーク式・・・選択問題・・・その導入っ・・・!」

安岡(何て奴だ・・・!聞いて数分でセンター試験の成り立ちを丸裸にしやがった・・・!)

仰木「よし、理解したところで改めてこちらの作戦を説明しよう・・・!」

仰木「このセンター試験、問題は全て四択・・・!したがって・・・!」

アカギ「・・・」

仰木「問題を解く必要などないっ・・・!」

アカギ「・・・!」

ざわ・・・ざわ・・・


仰木「選べっ・・・!己が直感、己が五感っ・・・!全てを託し、正解を選び続けろっ・・・!」

仰木「出来るっ・・・!他の誰でもない、お前ならっ・・・!」

仰木「上智・・・!早稲田・・・!慶応・・・!並みいる私立、国立・・・!狙える・・・っ、狙え得るっ・・・!」

アカギ「なるほどな・・・!」

アカギ「いいぜ、狙って見せよう・・・!難関大とやら・・・!」

こうして・・・!アカギ初めてのセンター試験、その幕が開けた・・・!

そこからは電光石火・・・!
願書作成・・・!
教科選択・・・!
この中でアカギは、センター試験のルールについて、いくつか説明を受ける・・・!
準備万端・・・!いざ出願・・・!

が・・・!
が・・・!!
ここへ来て津波・・・!前提の破壊・・・!

安岡「な、なんだと!?」

安岡「そんな・・・クソッ・・・!あぁ、後でまた連絡する・・・!」ガチャ

アカギ「どうしたんだ、安岡さん・・・」

安岡「願書の出願期間は・・・既に終了している・・・」

安岡「すまねぇ・・・!すまねぇアカギ・・・!」

安岡の誤算・・・!それは出願期間・・・!
センター試験・・・!万が一にも主催側の不備の許されないこの大一番では、募集は数ヶ月前に締め切られる・・・!圧倒的安全重視・・・!
少し考えればそれは当然のこと・・・!主催側の保有する当然の権利・・・!
しかし安岡は気づかない・・・!アカギを大学へ入れなければ、入れなければの安岡は気づかないっ・・・!

アカギ「安心しなって・・・安岡さん・・・」

安岡「アカギ・・・」

アカギ「追う道は・・・まだある・・・!」

安岡「なんだって!?」

アカギ「ククク・・・まずは、仰木さんに連絡だ・・・!」

安岡「おっ・・・おう!わかった・・・!」ピ・・・ポ・・・パ・・・


一週間後

ピンポーン・・・!

「郵便ですっ・・・!」

安岡「やったっ・・・!届いたっ・・・!アカギの受験票・・・!」

アカギ「やったな・・・安岡さん」

安岡「あぁ・・・これも、お前と・・・仰木のお陰だ・・・!」

そう・・・!アカギが動かしたのは仰木・・・!若頭という人脈と影響力で、センター職員を買収・・・!一人ぶんのスペースを無理やり作り、アカギを受験者として捩じ込む・・・!

対するアカギ本人は電話・・・!正攻法・・・!センター試験サポート窓口・・・!話し慣れない、女性の声・・・!緊張・・・!二回舌を噛む不運・・・!得られた解答は、『また来年受験してください』・・・!

この硬軟織り混ぜた対応で、徐々に立場を逆転・・・!ついに受験票という名の勝利を手にしたのであった・・・!

そして来る、受験当日・・・!

万全の準備で望むアカギ・・・!

特注・・・!四角えんぴつっ・・・!
通常ならば六角・・・!四択の解答を選ぶには不都合・・・!
そこに気づかぬアカギではないっ・・・!第一の関門、クリア・・・!




が・・・ダメッ・・・!

試験官「文字の書かれた筆記用具は使用しないで下さい」

アカギ「何っ・・・?」

書かれた文字・・・それは前夜、安岡たちがアカギに託した激励の言葉っ・・・!
「一気通貫」「七転八倒」「乾坤一擲」「初志貫徹」・・・!古風な安岡と仰木流の励まし・・・!
しかし裏目っ・・・!古風な格式が裏目っ・・・!
試験官も・・・呼び止めざるを得ない・・・!
四字熟語は出題範囲・・・!潜在的カンニングっ・・・!

アカギ「ちっ・・・まぁ、仕方ない・・・!このくらいのアクシデントは・・・!」

この時アカギ、意外に素直・・・!
四角えんぴつを鞄にしまう・・・!
なぜならこの時、アカギの中にある閃き・・・!

アカギ「あとは・・・開始を待つだけか・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

下を向いて単語帳を覗き込む者・・・!
目を閉じて何らかの単語を呟く者・・・・・・!
すごい速度でノートのページを捲る者・・・!

そんな中、アカギ一人が静か・・・!
まるで、アカギの回りだけ、時が止まっている・・・!そんな趣・・・!

アカギだけ、やることが無いっ・・・!

圧倒的手持ちぶさたっ・・・!

そんなアカギの余裕が集めるのか・・・?
周囲の視線・・・!興味・・・!視線は向けずとも・・・気配で・・・!気配で探ってくる・・・!
待ちに待った本番・・・!異様に敏感になった五感で・・・!
未曾有の容量、アカギを・・・!

そして鳴る・・・!運命の鐘・・・!
予鈴・・・!いそいそとノートを仕舞い始める・・・!
不動のアカギ、特に仕舞うもの無し・・・!

さらに開始の鐘・・・!試験官の号令・・・!
始まったっ・・・!生死分かつ非道の勝負・・・!
一斉に変化する空気・・・!紙の擦れる音・・・!

ただ一人、赤木しげるを除いて・・・!

おもむろに六角えんぴつを握るアカギ・・・!

アカギ(見てな・・・!凍りつかせてやる・・・!)

アカギ、六角の一面に印を付ける・・・!
これこそが、アカギの秘策の核にして全容・・・!


アカギ(まず、印を付けた面と、その両隣の面・・・これをAエリアと名付ける・・・)

アカギ(次に、残ったエリアをBエリアと名付け・・・振る!)カララッ

アカギ、出た目はAエリア・・・!

アカギ(そして、再度えんぴつを振る!)カララッ

アカギ、出た目は再度Aエリア・・・!

アカギ(この場合、出目は・・・1になる・・・!)

アカギ(ククク・・・問題1、マーク、1・・・だ)カキカキ

そう・・・!アカギの思いつきとは、分割・・・!
あえて六角えんぴつの選択肢を二択に狭めることで、四択のにする方法を編み出したのだ・・・!
つまり、AAなら1、ABなら2、BAなら3、BBなら4・・・!圧倒的公平な確率・・・!

アカギ(ククク・・・問題8、マーク4・・・!)

アカギ、好調に問題をクリア・・・!
易々と、この部屋の受験者で最速の解答者に躍り出る・・・!

しかし15問目・・・!思いもかけず、アカギの手が止まる・・・!

アカギ(これで五問連続・・・マーク3・・・?)

連続する解答番号・・・!二連続、三連続ならまだしも・・・!五連続とくれば、ただただ不気味・・・!
一度気にし出せば、混迷、疑心暗鬼の泥沼・・・!
正常な判断力を失い、どの選択肢も疑わしく見えてくる・・・!受験の分水峠・・・!
そして無駄に流れて行く・・・!命の時間・・・!
出題者が問題に潜めた・・・魂を刈り取る渾身の罠・・・!

アカギ(でも関係ねえな・・・そんなの・・・!)カキカキ

しかしアカギこれを一蹴・・・!
アカギの最も傑出した才能・・・!己が判断を信じる心・・・!揺れない心・・・!

アカギの揺れない心は、もう一つ、重要な役割を果たす・・・!

カララ・・・コロコローンッ…!!

アカギ(あらら)

ざわ・・・ざわ・・・

アカギの戦術・・・!えんぴつ転がし・・・!
その戦術ではある意味、避けようのないアクシデント・・・!えんぴつ落下・・・!

アカギ、挙手・・・!
落としたら挙手で知らせ、試験官に拾ってもらう・・・!カンニング防止の常識・・・!もちろんアカギも事前にこれを把握・・・!

しかし・・・!実はこの挙手、既に並みの人間では生涯到達できぬ領域・・・!
試験開始二十分・・・!アカギの挙手・・・実に32度目・・・!正気の沙汰ではない・・・!
そんな異常事態に、アカギは顔色ひとつ変えない・・・!
それでいてお礼の一つも言わない・・・!
私語は厳禁との説明・・・!赤木しげるにそのへんの融通など利くはずもない・・・!
気の弱い面接官も、流石の青筋・・・!震え・・・!限界・・・!

まさに次っ・・・!次の一度で文句を言おうと考えていたまさにその時っ・・・!
アカギ、解答終了っ・・・!
やり遂げたのだ・・・!
気の弱い面接官を引き当て、ギリギリで解答を完成・・・!アカギの強運が光る、絶妙の巡り合わせで危険回避・・・!

アカギ(ククク・・・こんなもんか・・・!センター試験・・・!)

その後もアカギ、順調に教科を消費・・・!
難関、数学や五択、二択問題等も、合格えんぴつとしるしの組み合わせを変えることで対応っ・・・!問題ないっ・・・!
普通に考えれば数学のマークで正解を導ける確率は極僅かっ・・・!紙のように薄い確率・・・!
しかし・・・!そもそも濃いとか薄いとか・・・!そういう地点にアカギはいない・・・!
その遥か上にいるっ・・・!

一日目、二日目・・・!滞りなく受験・・・!
終わってみればあっ・・・!という間・・・!
圧倒的遠足気分っ・・・!


しかし気が気でないのは・・・!仰木と安岡・・・!
今まさにアカギの解答を自己採点・・・!他己採点中・・・!
審判の時・・・!
数分後、二人は『アカギ』という才能に再び恐怖する・・・!

安岡「まさか・・・?」

安岡「これは夢か・・・?それとも幻か・・・?」

仰木「こんなことが・・・!」

安岡「おっ・・・!おおおっ・・・!」

仰木「正答率90%は軽く超えた・・・!850点は堅いっ・・・!」

圧倒的問題力・・・!圧倒的正答率・・・!強運っ・・・!強運っ・・・!狂運っ・・・!
歓喜・・・!狂喜・・・!宴会・・・!お祝い・・・!
そこに一人の客っ・・・!ふらっ・・・!と立ち寄る・・・!

南郷「こんにちは・・・安岡さん・・・!」

安岡「南郷さんっ・・・!久しぶりだな・・・!」

早稲田確定か…

南郷「なんでもアカギがセンター試験を受けるとか何とか・・・!まさかと思って・・・!」

安岡「今結果が出た・・・!まさに今っ・・・!見てくれっ・・・!この点数・・・!」

南郷「うわっ・・・!凄いっ・・・!こんなの、どこだって狙える・・・!」

南郷「すげえっ・・・!やっぱ凄いぜ・・・!アカギ・・・!」

祝う・・・!本当に心から・・・!南郷の本質は善っ・・・!
しかしここで、南郷に当然の疑問・・・!

南郷「それで・・・どこ・・・受けるんですか・・・?」

仰木「そうだな・・・!アカギの才能を遺憾なく発揮させるなら・・・!やはり東大か・・・?」

安岡「そりゃあいい・・・!あそこはとにかく個性の強い奴が集まる・・・!アカギにピッタリ・・・!」

南郷「えっ・・・?まだ決めてなかったんですか・・・?」

安岡「あぁ・・・アカギの実力は未知数だったから・・・!」

安岡「しかし問題ないっ・・・!この高得点っ・・・!加えて才能・・・!狙えるっ・・・!」

南郷「じゃあ・・・二次対策は・・・?」

安岡「・・・はぁ?」

仰木「二次・・・対策・・・だと・・・?」

ざわ・・・ざわ・・・

ここで白日の下に晒される事実・・・!
安岡、仰木、共に二次試験の存在を認識していないっ・・・!
誤算・・・!致命的誤算・・・!
理解不能っ・・・!この二人には・・・!何が誤算なのかすら・・・!まだっ・・・!

ここで常識人の南郷から説明っ・・・!
圧倒的説明力・・・!ものの五分で理解っ・・・!

安岡「なっ・・・なんだとぉ~・・・?」グニャー

仰木「なんだそれっ・・・!その悪魔じみたシステムはっ・・・!」グニャー

仰木「終わったはずだろっ・・・!試験はっ・・・!なんで・・・こんなっ・・・!」ボロ・・・ボロ・・・

安岡「すまねぇっ・・・!すまねぇアカギっ・・・!俺たちのミスだっ・・・!」ボロ・・・ボロ・・・

南郷「いやでもっ・・・!一部の私立大学ならセンターの結果のみでも・・・!あと地方の公立とかっ・・・!」オロ・・・

仰木「そうか・・・!ならそこでもっ・・・!」

安岡「妥協案だが・・・!そういうのもありかっ・・・?」

取り乱す二人・・・!オロオロする南郷・・・!弱い方へ傾きだす場の空気・・・!

そんな中でただ一人・・・!アカギだけが冷静・・・!
今ある現実を確かに受けとめるっ・・・!

アカギ「ヘナヘナするな・・・!」

安岡「え・・・?」

アカギ「言っとくが・・・合格する気だぜ・・・!オレは・・・!東大だって・・・!」

アカギ「妥協してのケチな合格(アガリ)など・・・拾う気無し・・・!」

仰木「だが、今から対策なんて、とても・・・!」

アカギ「安岡さん・・・あるんだろ・・・?大学受験は・・・!一年に一度・・・!」

安岡「あぁ・・・!ま、まさか・・・!?」

アカギ「そうだ・・・!今年は間に合わなくても、来年があるっ・・・!」

アカギ「なら・・・そう悲観することもねぇだろっ・・・!」ニヤ・・・

安岡「アカギっ・・・!」ボロ・・・ボロ・・・

仰木「アカギっ・・・!」ボロ・・・ボロ・・・

南郷「そうだアカギっ・・・!頑張れっ・・・!来年があるっ・・・!」

こうして・・・!
赤木しげるのセンター試験は幕を閉じた・・・!

否・・・!
これは始まりである・・・!
空白の六年間・・・!それを取り戻す大いなる伝説の始まり・・・!

アカギ「・・・面白い・・・!複雑な数式ほど面白い・・・!」



カンッ・・・!

いやセンター利用のところ受けろよ

実は>>1はセンター試験を利用していないっ・・・!
圧倒的ニワカ知識っ・・・!
正直途中で指摘を受けてヒヤッ・・・!とすること・・・!数回あった・・・!典型的カン違い・・・!
色々知識を得た・・・!センターについて・・・!圧倒的感謝っ・・・!感謝っ・・・!そして無知っ・・・!
>>37 >>32センターのみで受験できるなんて今日知ったっ・・・!ルート一部変更・・・!簡易的お茶濁しっ・・・!すまないっ・・・!

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