勇者「楽しければそれでいいんだよ」(128)
先代勇者が魔王を倒して数百年。
いずれ復活する魔王に対抗するべく戦士を育てる隠れ里で…
少女「さぁ! 今日も訓練を始めますよ!」
勇者「……」チャキッ
少女「いくら訓練といえども、殺す気でくるんですよ!」
ガキィン!
~
少女「本当に殺す気でくるとは……お前の事、ちょっと見直しました」
勇者「そうかい」
少女「さ、続きです。剣を構えなさい!」
リーン…ゴーン…
少女「!!」
勇者「……」
少女「長老様のお目覚めです!」
長老とは、この里の長であり。前代勇者の供をしていた英雄だ。
数百年の生を、彼は長い眠りで得ている。
少女「行きましょう!」
彼が目覚めるのには理由があるのだ。
勇者「……」タッタッ
~
長老「勇者……少女……お久しぶりですね。しっかり育ったようで安心しました」
二人はひざまずく。
少女「長老さま! もしかして魔王が!」
長老「はい……復活したようです」
長老「あなたたちには、魔王を倒しに行って貰いたいのです」
少女「!!」
少女の目が輝く。
長老「時がきました……あなたがたもこの里の戦士として、旅立つのです」
長老が手に持つ杖を振ると、宙に幾つか武器が浮かんだ。
長老「少女、その中から自分にふさわしいと思う物をとりなさい」
少女「わぁ……どれにしよう」
2対の短剣が、少女の手に収まった。
長老「いいですね、その短剣は所有者の身を守ってくれます」
次は、勇者が前にでた。
シャンッ
現れた武器は一つだけ。
黒い巨大な剣だった。
少女「こいつには武器を選ばせないのですか?」
長老「……勇者、剣を手にとってみてください」
勇者「……」ハシッ
黒い煙がまきあがる。
勇者「!?」
少女「なんですか!?」
長老「……静かに。融合が始まります」
勇者の意識は煙の中に沈んでいく……。
「おせえんだよっ! ババァ!」
怒鳴り声が聞こえた。
「前回から数百年……待ちくたびれたぜ」
「こいつが贄ぇ……?」
「体は華奢だが悪くねぇ……」
「こうしてても魂がよく馴染みやがる」
勇者「…お前は、誰だ?」
「俺はこの剣に封じられた力さ! ……遥か昔、ババァに肉体を滅ぼされた俺は、魂だけこの剣に封じられた」
「そして剣の持ち主に契約を持ちかけているのさ!」
勇者「契約…?」
「俺の力を貸してやる。だが代わりに魂を少しずつ貰うのさ」
「一度にどかっと貸してやる事もできる。だがその分お前がお前でいられる時間は短くなる」
「……今までの勇者は全員俺様と契約をかわしてきたのさ」
「どうだ? 肉体の所有権と、力の交換だ」
勇者「……」クラッ
「まぁすぐに肉体を明け渡してくれるってんなら、俺様は大歓迎だけどな!」
勇者「……」
「待ってるぜ? 相棒…」
~
意識が剣の外に戻る。
勇者「……」シュゥゥゥ…
長老「! 成功です! …良かった。意識ははっきりしていますか?」
勇者「…何が、起こったんですか」
長老「話は剣の中で聞きましたね? あなたには、その剣を使って魔王を倒して欲しいのです」
勇者「……」
長老「行ってくれますか?」
勇者「……」
少女「返事をしなさい!」
勇者は孤児だった。
里に拾われ育てられたのだ。
勇者「この為だけに、育てたんですか?」
少女「!? お前! 口を慎みなさい!」
勇者「この剣と契約させる為だけに……」
長老「! いえ、無理強いはしません。力を使わず魔王を倒してくれても、よいのです」
勇者「……」
長老「……今日は日が悪いようですね。またあらためて話をしましょう」
少女「お前! 何を言っているのです! 早く受けると言いなさい!」
長老「いいのです少女。こんな大事ですから……慎重に。今日はもう休みなさい、勇者」
勇者「……」
少女「返事くらいしたらどうなのですか!」
勇者「……」
勇者「うっとうしい」
少女「!?」
長老「…どうしたのですか? あなたらしくありませんよ……」
「こいつらしい? ババァ、てめぇこいつの何を知ってんだ?」
少女「?! 何ですか? この声は!」
「あぁ? もう声が外にでやがんのか。…どうやらこいつ、俺の事大歓迎らしいぜ?」
長老「……どういうことですか?」
「おまえ、とんだおめでただな。こいつが何でも言う事を聞くいい子ちゃんだとでも思ったのかよ?」
勇者「……」
「分からねえなら教えてやるぜ、こいつが考えてる事を」
ジャキッ
「世界なんか知るか! 皆死んじまえ! だ!!」
ザシュッ!
長老「あああっ!」
少女「長老さま!」
勇者「……」
少女「お前ぇ……許しませんよ!」
~
勇者「……里の戦士が皆でてきたか」
「ほー、なかなかのてだれぞろいじゃねーか」
勇者「……」
「どうする? 相棒。このままじゃお前、勝てねーぜ?」
勇者「力くれる?」
「いきなりか! 躊躇ねーな! そらよ!」
ドォォッ!
勇者「……」
「……これで、あいつらと互角に戦えるぜ」
~
牛戦士「……奴の懸念通りになるとはの」
牛戦士2「あっちで……謝らなくてはなるまいて」
ズババッ
勇者「遅い……」
ボトボトッ
「相変わらず切れ味いい剣だ、肉塊になりやがったぜ!」
男戦士「どうしちゃったんだ勇者! なんでこんな事を!」
女戦士「やめて! 皆を殺さないで!」
勇者「嫌だよ」ゾンッ
女戦士「あ……」ドシャッ
男戦士「あの時赤ん坊の誕生を一緒に喜んでくれたお前はもう居ないんだな…」
男戦士「俺が止めてやるーっ!」
ザンッ
勇者「……」シュッ ビチャチャッ
少女「どうして……こんな事……」
勇者「さぁ」
少女「!! お前を殺して、私も死ぬですー!」バッ
ギィン!
少女「剣が……」
勇者「……」ドカッ
少女「きゃあ!」バタッ
少女「お前……なぜ……」
勇者「死んでね」ザクッ
少女「あぐぅぅっ!」
勇者「……」
「満足したか?」
勇者「……いや」
「そーか。だったら気が済むまで暴れろよ」
勇者「うん」
~
里の外
「さて……これからどうすんだ?」
勇者「どれくらい強くなってるの」
「そーだなぁ……いっぱい力貸してやってるから、魔王の手下の三神人くらいなら余裕じゃねーの?」
勇者「あの巨人か…」
「その内一体は、この近くにいるはずだぜ」
勇者「それじゃあそいつで腕試ししようかな」
里近郊の砂漠
騎士「止まれぇーい!」
勇者「……」
騎士「この先になぁんのようだ!」
勇者「巨人を倒しに」
騎士「はぁ? 何をいっとるんだお前は! あの巨人に手を出す事は禁じられている! 暴れだすからな!」
騎士「そうでなくともお前のような奴が巨人に勝てるわけないだろう!」
「……めんどくせーな。おい相棒、こいつ殺しちまえよ」
勇者「……」コク
騎士「な、なんだ! 今の声は!?」
ズズン…
赤い巨人「……」
「お? あいつ、珍しくやる気だぜ」
勇者「!」
赤い巨人「ふぃん」バシュッ!
カッ!
騎士「じ、地面に穴が……」
「あんなエネルギー弾なんか連射してくるぜ? 相棒」
勇者「……」ジャキッ
騎士「ば、化け物が動きだした……そ、総員退避ーっ!」
「こりゃ久々に面白そうだ……つーか、相棒。お前も楽しそうだな?」
勇者「……」ギラッ
「…もう人間の顔してねーぜ」
赤い巨人は牽制代わりにエネルギー球を連続で放つ。
勇者「……」シュンッ
地面が幾度も炸裂して大穴があいた。
勇者「……」ブンッ
勇者は剣の先からエネルギーを飛ばす。
勇者「……効かないか」
勇者「もっと力くれる?」
「!! いいぜぇ……お前は最高だ!」
ドォォン!
勇者「力が溢れてくる…」
勇者は巨人まで一気に距離を詰め、斬り付けた。
赤い巨人「!」
勇者「まだだよ」
滅多ぎりにしていく。
勇者が剣に力を集中させると、切っ先が鎌のように伸びた。
勇者「……死ね」
巨人の胴に一筋の巨大な亀裂が走る。
赤い巨人「!!!」
巨人の体から幾つもの光線がほとばしった。
地面に線を刻んでいく。
勇者「……」ダンッ
勇者は巨人の胴を踏み台にして、高く飛び上がった。
勇者「これで……」
巨人の頭に剣を叩きつける。
勇者「最後!!」ズガッ!
~
騎士「ひ、ひぃぃぃぃ……い、いったい…何が……」
シュタッ
勇者「……」
騎士「ひぃぃ!」
「ああ? なんだこいつ」
勇者「さぁ」
「ちょうどいいな、相棒。こいつで支配の力試してみろよ」
勇者「支配?」
「手下をいつでも呼び出せるようになる、すげー力だ」
勇者「すごいね」
ザッ
勇者「支配していい?」ニコッ
騎士「ひ! ひぃ! 勿論です支配でも靴舐めでもなんでも! だ、だから殺さないで……」ビクビク
ヒュイン
勇者「これでいいの?」
「ああ、これで好きなときにそいつを呼び出せる」
勇者「ふぅん」
~
大国の王「砂漠の巨人が倒されただと?」
大臣「ははっ」
大国の王「…して、何者の仕業だ。どこの団体だ」
大臣「それが……、巨人を倒したのは一人の男だそうで」
大国の王「何? 一人だと?」
大臣「は、はい。巨人を見張っていた騎士の報告によると、そのようで……」
大国の王「……」
そのころ、城下町。
勇者「……」テクテク
「ほぉー…随分でかい町だな。まぁ、数百年も経ちゃあ当然か」
勇者「前の勇者にも力を貸してたんだよね」
「あぁ、そうだぜ? もっとも、そいつは力の使い過ぎで消滅しちまったがな」
勇者「……」
「しかも体の具合もあまりよくなかった。だから俺様はまだここにいるってわけだ」
勇者「そうなんだ」
「だがお前の体は俺の魂がよく馴染みやがる……、だから期待してるぜ? 相棒よ」
勇者「……」
ガヤガヤ
「お? なんだ?」
町民「砂漠の巨人が倒されたらしいぜ!」
女町民「誰がやったのかしら」
町民「さぁな。多分やっと国王が動いたんだろうぜ!」
勇者「……」
「俺達の事噂してるぜ?」
勇者「そうだね」
「いいのか? 国王の手柄にされちまうぜ」
勇者「そんな事より、お腹へった」
「あぁ? なんだそりゃ!」
勇者「何か食べたい」
「……」
~
店
勇者「おいしい」モグモグ
常連「おっ! 兄ちゃんいい食いっぷりだね! 旅人さんかい?」
勇者「コクッ」モグモグ
常連「この店は元治癒士がやってんだ! この国一番の店だぜ!」
勇者「そっちの料理もおいしそうだね」
常連「おっ? だめだめ! やらねぇぞ~?」
ズバッ
勇者「やっぱりおいしい」モグモグ
キャーッ!
客「人が斬られたぞーっ!」
ワー! キャー!
勇者「うるさいなぁ」イラッ
店長「何の騒ぎです?」
客「店長! あの男があの人を!」
ダラッ
店長「……すみませんが、少しおとなしくしてもらいましょう」スッ…
ザンッ
勇者「!」
店長「手荒な方だ……」
「ああ? こいつ本で剣を受け止めやがった!」
勇者「……」
ダンッ!
踏みつけた死体から血が吹き出る。
店長「うっ!?」
勇者「…」ズバッ
店長「 」ドサッ
勇者「ごちそうさま…」
警備兵「待てっ! おとなしくしろ!」
ザンッ!
勇者「おなかも膨れたし……国でも壊そうかな」
「クク……相棒、お前ほんと面白れーな」
~
大臣「なに? 町で旅人が暴れていると?」
兵士「は、はいっ!」
大臣「そのような報告はいちいちいらん! 今はそれどころではないのだ…」
兵士「それがっ! 普通の人間ではないのですっ! 全く歯が立ちません! すぐにでも城へやってきます!」
大臣「何!?」
ドゴォォン!
勇者「……」ヒタ…ヒタ…
大臣「な…」
兵士「ひぃぃっ!」
大臣「お前っ! わしを守」
ズバッ
兵士「ぐぎぇ!」ドサドサッ
勇者「……」ザッザッ
大臣「や、やめろ……」
ドンッ!
~
大国の王「……お前か、騒ぎの原因は」
勇者「……」
大国の王「何が望みだ……」
勇者「別に」
大国の王「!? それでは、何の目的も無くこのような事を……?」
勇者「そうだね」
大国の王「……」
勇者「殺していい?」
大国の王「好きにしろ……」
ズバッ
勇者「この首、街に飾っておこうか」
「……お前、すげーな。俺も大概だが、ここまで壊れたやつは初めてだ」
~
翌日
「お前の寝込みを襲いにきた奴で山ができたな」
勇者「…」イライラ
「いらついてるな? 相棒」
勇者「力、頂戴」
「ああ……いいぜぇ……ほれ、好きに暴れな」
~
勇者「今日はどうしようかな」
「おいおい、まだ満足してないのかよ?」
勇者「あまり」
「…そうだなぁ、じゃあ三神人の残りを倒しにいくのはどうだ? 力は強くねーが、知恵は回る。退屈はしねーぜ?」
勇者「どこにいるの?」
「東の方だ。ちょっと遠いが、今のお前なら俺の力を引き出してっからひとっ飛びだろうぜ?」
勇者「飛ぶ……」
バシュッ!
~
勇者「また砂漠か……」
「このあたりだ、止まれ」
勇者「……」ピタッ
「おーい! いるんだろ。出てこい!」
黒い巨人「んん? その声ハご主人?」ズズ…
勇者「!」
「こいつは姿を消すんだ。よぉ! 久しぶりじゃねーか!」
黒い巨人「? ご主人の姿がミエない……」
「今はちょっとこの中に同居してんだよ」
黒い巨人「……ご主人、何しにきた?」
「あぁ? てめぇ、何なめたくちきいてんだ?」
黒い巨人「クヒヒ、ご主人しばらくミナい内に弱くなったみたいダナ……」
「あ?」
黒い巨人「いや、元ご主人。俺はモウお前には従わない!」ゲラゲラ
勇者「……裏切られた?」
「うるせぇよ。……相棒、遠慮なくやれ。力は貸してやる」
黒い巨人「クヒヒヒ……」ズズ…
勇者「姿が……」
シーン…
黒い巨人「ヒヒッ!」ズガッ
勇者「ぐっ!?」ズシャッ
黒い巨人「弱くなったお前では、俺…倒せない」ズズ…
勇者「またそれか……」
「相棒、奴が出てくる前兆を見切れ」
勇者「前兆?」
「集中しろ」
勇者「……」スッ…
勇者「……」
黒い巨人「……」ズ…
勇者「!」ザンッ!
黒い巨人「ゲヒッ!? 何故!」
勇者「……甘い」ズバズバッ
黒い巨人「アギャアアア! し、信者ども! でろ!」
スッ
信者「きひっ」
信者2「えへっ」
信者3「うへへっ」
勇者「……」
黒い巨人「信者ども! そいつ悪魔ダ! 殺せ!」
勇者「……」バッ
ビシャーン!
勇者「雷…!?」バチバチッ
女信者「うふふ……」
「竜人か?」
勇者「……」ジリッ
黒い巨人「い、いいぞ……そのままやれ……」
勇者「…もっと、もっと力を」
「おうよ」
勇者「……」ジャキッ
キィィィン…
信者「おげぇぇぇ!」
ブシャァァァ! ドサドサッ
黒い巨人「!? 急に動きが?!」
勇者「……はぁぁぁ」スタッ
ブゥン
勇者「まとめて……」ズズ…
勇者(剣に力を……)
黒い巨人「巨大な剣が……や、やめ――」
ドンッ
勇者「邪魔だ…」
巨大化した剣が砂漠を割った。
「クク……相棒。お前、笑ってるぜ?」
~
勇者「今ので全部死んだ?」
「ああ、綺麗さっぱり誰もいなくなったぜ」
勇者「……」
「どうした?」
勇者「まだ足りない…」
「……力をやりすぎたか? そこの町でも壊しとけよ」
勇者「……」
~
砂漠の町
女「今日の夕飯は何にしましょう」
男「そうだなぁ。赤ん坊も一緒に食べれる物がいいな」
女「クスクス、あなたったら……まだあの子は離乳食しか食べられませんよ」
男「そっかー」
アッハッハ クスクス
勇者「……」
教会
牧師「おや……旅の方ですか?」
勇者「……」
牧師「神を信じていますか? 神は、信仰するものを必ず救ってくれます」
勇者「……ここには」
牧師「?」
勇者「怪我人がいっぱいいるね」
牧師「若い者がおりませんから……モンスターから町の者を守る手がないのです」
勇者「……」スッ…
牧師「な、なにを!?」
ズバッ
ギィャァァァァァァ!
牧師「何をしているんです!」
勇者「楽にしてあげようと思って」ズバッ
アアアアアアア!
牧師「おやめなさい! 罰が下りま」
ゾンッ
勇者「……」ピピッ
牧師「 」ドサッ
~
村人「悪魔だ! 悪魔がぁぁ!」
ズバッ
女「ひぃっ!?」
ザンッ
男「なっ!? く、来るな!」
ザシュッ
勇者「……」
男「ぐぁっ……。…おねがい……赤ん坊だけは……」
ズンッ!
勇者「……」ブンッ
ゾンッ!
赤ん坊「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
ポタポタ
勇者「こんなの貰ったよ」
っお守り
「……それ貰ったんじゃねぇだろうが……。お前には同族へのよしみってのはねぇみたいだな」
勇者「……」ポイッ
勇者「疲れたよ」
「そうか、それなら一旦里に戻ろうぜ」
~
隠れ里
勇者「残りの巨人はどこにいるの」
「さぁな……存在を感じられねぇ。最後に見た時は魔王の近くだな」
勇者「それなら明日は魔王を倒しに行こうか」
「なんでもいいぜ、俺はお前が力を使ってくれるんならな」
~
魔王城は大陸の最南東にある。
勇者「行こう」バシュッ
……
魔族「ん…? なんだあれ。…こっちにむかって!?」
グシャッ
勇者「何か踏んだ?」
「さぁ?」
魔物「敵襲! 敵襲ー!」
勇者「…待ってあげないよ」ジャキッ
~
勇者「弱いな……」
「ま、こんなもんだろ。魔王はめちゃくちゃつえぇぜ?」
勇者「そうだといいな」バシュッ
-魔王城-
門番「何者だっ!?」
ザンッ
勇者「…人間もいるんだ」
「進みゃ訳がわかるぜ」
~~~
魔王「勇者か……」
勇者「…魔王…?」
「ほぉーお、今度の魔王は美人だな」
魔王「その剣も一緒か……なるほど、ここまで早い到着というのも合点がいく」
勇者「……」
魔王「まさか、女だから戦えぬなどとは言わんよな?」
「んなはずねーよ」
魔王「そうか……私も無抵抗な者を殺すのは気が引けるからな……」
魔王「今度の魂は力だけでなく質もいい。統べる者も満足されるだろう…」
ギィン!
勇者「……」
魔王「ほぅ……この一撃を受けるか。ならば!」
魔王の横なぎと共に衝撃と紅蓮が生じた。
勇者「!」バッ
ゴォォォ!
「……この魔王、前回と段違いだ」
風呂入るので少しストップします。
見てる人いるのかな? ダークssの需要はいかほどのものか。
勇者「…っ」
魔王「どうした勇者、私の力はこんなものではないぞ」ヒュヒュン!
今度の剣技は疾風を連れて勇者を襲った。
勇者「……くっ」
魔王「絶技を見よ。天にこの相手をできるものはおらなんだ」ズバッ
いかずちがほとばしる。
勇者「ぐあっ!」ドサッ
魔王「この程度か……?」
勇者「力を……」
「ほらよ、相棒」
ズンッ!
魔王「むっ!」
勇者「……」
魔王「驚いた……命が惜しくはないのか?」
「こいつは自分の為なら力を使う事に躊躇しねぇ、全開で使いやがる」
勇者「はぁぁっ!」
ガギィン!
魔王「ぐぐ……私が力で押し負けるとは……」
キン
魔王「っ……!?」ガクッ
勇者「……」
魔王「私が……斬られた? 今の刹那にか……」
勇者「…」ヒュッ
魔王「はぁ!」
ガンッ!
魔王(見えない……いくら得体の知れない力を使っているとはいえ、人間の限界を超えている……)
ザシュッ
魔王「がっ!」パタタッ
魔王「げほっ……」
勇者「……」スタスタ
魔王「……ここまでか」
ザンッ!
~
勇者「これで平和になったの?」
「さぁな……まぁ、魔王が生きてたほうがまだ増しだったかもな。クク…」
勇者「魔王も人間だったね」
「見た目はな。ありゃあ元は人間だったのを、神が変質させたもんさ」
勇者「神?」
「厳密には違うけどな……正しくは統べる者だ」
「生と、死を統べる者。そして二人の統べる者を統べるやつがいんだよ」
勇者「魔王が統べる者とか言ってたね」
「ああ、魔王ってのは、裏側にあるもう一つの世界の統べる者が、こっちの世界から魂を奪う為に遣わした者だ」
「統べる者が遣わした奴を、喰らう者ってんだ」
「形はちげぇがお前が倒した二体の巨人も喰らう者だ」
勇者「魂をとられないために魔王を倒してるって事?」
「そーいうこったな」
勇者「ふーん」
「で、どうすんだ? 魔王も倒しちまったし。巨人でも捜すか?」
勇者「おなかすいたな」
~
城下町
勇者「……」テクテク
勇者「人と魔族が共存してる」
「あぁ、ここは昔からそういう町なんだよ。主が殺された事も知らずにのうのうとしてやがるぜ」
勇者「……」
「また首飾りでもしねぇのか?」
勇者「めんどくさい」
~
おっさん「そこな旅人! 帝国名物はいらんか!」
農夫「とれたてだぁ」
勇者「……」ピタッ
「……相棒、気が合うな」
おっさん「おっ!? 食うか?」
「なんだなんだ? 匂いだけでも旨そうだぜ!」
農夫「なんだべかぁ…! おそがいな声がきこえるべ」
勇者「気にしないでください。それより一つ」
おっさん「ほいよ!」
勇者「……」ハシッ
ハグハグ
「う、うめぇ~!! 相棒! もっと食え!」
勇者「五個ください」
農夫「まいどありぃ」
バクバク
「もっと! もっとだ!」
バクバクバク!
~
農夫「あいや~…ぜーんぶ食っちまっただ」
おっさん「お主、いい食いっぷりだのぉ…」
「相棒、ここは壊すなよ」
勇者「うん」
農夫「まいどあり」
勇者「そうだ、巨人の話を知らない?」
おっさん「巨人?」
勇者「この近くに、魔王の配下の巨人がいるってきいたんだけど」
農夫「さぁ……おっさんさしってるか?」
おっさん「うぬ……聞いたことないな。しかし、我の実家で聞けば分かるかもしれん」
勇者「どこ?」
おっさん「この国でも有名な魔術の名家なのだぞ? この通りをずっとまっすぐ行った大豪邸だ!」
勇者「ありがとう」スタスタ
~
いったん終わり
明日の朝にまた書きます。
夜勤だってのに寝つけねぇファック
寝落ちるまで書く。
「でけぇ屋敷……ここか?」
勇者「……」
「城くれぇあるぜ」
ギィィ…
勇者「広い庭だ」
「お? なんだありゃ」
包帯男「……」ユラユラ
勇者「……」
「……あいつ、かなりの力を持ってやがる。……っておい! 相棒!」
勇者「…」スタスタ
包帯男「……?」ジロ
「ばっちぃから近づくなって!」
包帯男「誰だ……お前は」
「…あん? こいつ、魂の定着が不安定なのか? 死にかけてるぜ」
勇者「私がお前の主人だよ」
包帯男「……」
「相棒?」
包帯男「その剣……どこかで見覚えがある……」
包帯男「……」
包帯男「いいだろう…。お前に仕えよう……」
包帯男を支配する。
シュイン!
勇者「……」
「……なんだかよくわかんねーが、いい駒が手に入ったな」
勇者「ついてきて」
包帯男「分かった……」
~
屋敷の中
勇者「誰かいないの?」
包帯男「私は知らん」
「……」
術士「む? 覇王様…、貴様らは何者だ?」
「覇王だってよ?」
勇者「覇王の主人です」
術士「無礼者め! 覇王様から離れんか!」バッ
「うおっ!? こいつも竜人だぜ!」
包帯男「…」サッ
バチッ!
術士「覇王様!? 何故そのような者を庇うのです!」
包帯男「退け」ピタッ
術士「!! は、覇王様……?」
包帯男「私の主人に手をだすな」
術士「なんと……あやかしの類か……賊め!」
勇者「……」
術士「…仕方ない、私も同行させてもらうぞ。覇王様の様子を見なければならん」
「おいおい、そんなにぞろぞろ連れはいらねーぜ?」
術士「なんと言おうと無駄だ! 私も同行させてもらう!」
包帯男「貴様も主人に仕えるのか。いいだろう、よろしく頼むぞ」スッ
術士「……」
~
術士「城に何の用があるというのだ」
勇者「いいことを思いついたから」
ガコン…
-謁見の間-
術士「あれは! 魔王!?」
「あぁ、そういやそんなの居たな」
勇者「……」スタスタ
「で、何すんだ? 相棒」
勇者「魔王になろうと思って」
術士「何?」
勇者「世界を征服しようと思って」
術士「な……」
包帯男「ハハハ! …面白い男だ」
「そんなことに興味があったのかよ? 相棒」
勇者「これで破壊する名目ができたよ」
勇者「二人には侵略するとき働いて貰うから」
術士「……」
「ま、それもいいかもな。魔王殺して目的も無くなってた所だしよ」
勇者「じゃあ、明日から。今日はもう眠い」テクテク
「お前は本当に自由なやつだな」
ギィィ…バタン
術士「……何が起こっているのだ」
~~~
翌日
帝国(魔王の国)の東にある富豪の町が火に包まれた。
その二日後、妖精族の村が滅びた。
その翌日、水棲族の拠点が崩壊した。
僅か1週間も経たず、世界は帝国にひれ伏した。
勇者「誰? あの人達」
騎士「は、はっ! 各国からの生け贄であります!」
勇者「ここにある物とか全部そうなの?」
騎士「そのようであります! 各国の特産品などが集まってきているようです、はい」
勇者「……」シャリッ
勇者「あの屋台の食べ物の方が美味しいな」
「お? やっぱ相棒もそう思うか? 食いにいこうぜ!」
スタスタ
騎士「……ふぅ、生きた心地がしない」
術士「騎士殿、少しよろしいか」
騎士「む、術士殿。なんでありますか?」
―――
勇者「大国近くの小国に大部隊が集まってる?」
兵士「はっ! 大部隊は帝国を攻めるつもりのようです!」
術士「いかがいたすのかな? 魔王殿」
「ぶっつぶしてやりゃあいいんじゃねぇか? 最近暇だったろ」
勇者「……うん」
勇者「潰しにいこう」
兵士「私もお供します! 魔王閣下!」
オレモイクゾー! オー!
「いつの間にかすげぇ人気だな……? クク……」
騎士「皆魔王閣下を慕っている証拠であります!」
勇者「……」
術士「奇をつくなら今しかありませんぞ」
勇者「そうだね」
まとめて支配する。
勇者「あっちで呼び出すから」バシュッ
術士「……」
騎士「う、うまくいきましたね……」
術士「ああ…、強大な力を持っていると言ってもまだ子供、たやすい……」
~小国前の平原
勇者「……」スタッ
「たいした数じゃねーな? 相棒」
勇者「うん」
パッ
術士「む……これが召喚か」
騎士「一瞬で移動しましたね」
敵兵士「来たぞー! 悪魔だー!」
勇者「悪魔?」
「クク…、違いねぇな」
敵兵士「怯えるな! こっちには無敵の戦士が二人もいるんだ!」
不死身の戦士「へへ…」
沈黙の騎士「……」
勇者「無敵?」
「馬鹿共に解らせてやろうぜ、相棒……」
術士「それだけではない」
ザザザザッ
不死身の戦士「どうしたぁ? そっちは随分軍が減ったじゃねーか!」
勇者「……」
騎士「も、もうお前のような悪魔に従うのはお断りだーっ!」
ソウダーッ!
勇者「……」
「裏切られちまったな? 相棒」
術士「覇王様! …お待たせしました……やっと魂石が入手できました」
パァアッ
包帯男「遅いぞ、術士」
術士「ははぁっ…!」
「……あっちの包帯男も完全復活みたいだぜ?」
包帯男「今までの礼をしてやらんとな……」キンッ
オシマイダー! マオウ!
勇者「……」
「……キレてるな? 相棒」
勇者「力を」
「クク……、ほらよ」
ドォォッ!
敵兵士「突撃! 突撃ーっ!」
オォォォォーッ!!
勇者「…」ジャキッ!
~
「あの包帯男……力だけなら喰らう者に匹敵するかもしれねぇ」
不死身の戦士「だぁぁっ!」
勇者「チッ」
ギィン!
「その男もだ、どうなってやがる……?」
勇者「…」ズバッ
敵兵士「ぐぁぁぁ!」
勇者「死んでくれ…」ブンッ
沈黙の騎士「!」ババッ
ギンッ
勇者「……!」
沈黙の騎士「…」バッ
包帯男「くらぇぇ!」
勇者「……っ!」
ガキッ!
勇者(もっと……力を!)ズキッ
勇者「ぐっ!?」シュッ
ズバッ
包帯男「がっ……!?」
術士「覇王様!!」
包帯男「ぐっ……」ガシャッ
包帯男「我が世界が……遠くなっていく……」
包帯男「…………だが、これで休める……」
包帯男「…」ドサッ
術士「そ、そんな……これでは、我が一族は一体……なんのために……」ガクッ
勇者「くたばれ!」ビュン!
不死身の戦士「!?」
ドスッ
不死身の戦士「ぐ……あ……」ズルッ
ドサッ
「人間にしちゃ強かったが、脆すぎたな」
敵騎士「く……」
敵戦士「なんて強さだ……」
勇者「……次は?」ユラッ
ザワザワ…
沈黙の騎士「……~♪」
ザワ…ザワ…
勇者「歌…?」
「何してんだ? あいつは…」
勇者「!?」クラッ
「なんだこりゃ……眠ぃ……」
勇者「ぐ……」フラフラ
沈黙の騎士「……また後で、決着はつけます」
勇者「……」バタッ
~~~
~
勇者「……」パチッ
「起きたか、相棒」
勇者「どこ、ここ」
「分からねぇ……どこかの結界に封印されたみてーだな」
勇者「誰がそんなことを……」
ザッザッ
~
勇者「どこまで行っても同じ森だ」
「相当強力な結界だぜこりゃあ……」
勇者「……」ザッザッ
やがて、開けた場所にでた。
勇者「!」
「……」
長老「待っていましたよ。勇者」
勇者「……生きてたの」
長老「ええ……なんとかね」
長老「もう、終わりにしませんか、こんなこと。悲しみが生まれるだけです」
勇者「やだよ」
牛戦士「もういいでしょう長老様、こやつに人の言葉はききません」
長老「しかし……私がもっとうまく説明できていたら……」
牛戦士「今は、もう遅いのです、長老様」
騎士「……」
兵士「……」
戦士「……」
魔術士「……」
弓士「……」
牛戦士「ここにおるものは全員。今日までお前を倒す為に腕を磨いておったものだ」
牛戦士「小僧、お前に年貢の納めどきがきたのだ」
勇者「……」
「ま、好き勝手やりゃこうやるわな。どうすんだ? 相棒」
勇者「もう一回殺してあげるよ」
長老「! ……もう、優しかったあなたはいないのですね……」
勇者「今更言うの」
牛戦士「かかれぃ!」
ウォォォォーッ!
~
勇者「弱いね。死んじゃえ」ズバッ
兵士「ぎゃぁぁぁ!」
牛戦士「ぐむ……やはりかなわぬか……」
?「おらぁ!」
勇者「!!」
「上だ! 相棒!」
ズーン! …グラグラグラ
勇者「ぐ……。巨人?」
青い巨人「へへっ……痛かったぜぇ、てめえに刺された時はよぉ……」
「あ? ……こいつ、さっき殺した戦士と魂が同じだ」
青い巨人「ご名答~! ここに封印されてる間、人間の体に入り込んでたんだよ!」ブンッ
ズガッ
勇者「っ……」
?「私もいるぞ!」バチバチッ
勇者「ぐあっ!」ビリッ
術士「覇王様の仇……とらずにいられようか」
水棲族の戦士「お前に滅ぼされた国の恨み……」
大国の騎士「国王の仇!」
妖精族の戦士「ここでおわりよ! 悪魔っ子!」
勇者「……うっとおしいなぁ」イラッ
沈黙の騎士「……」ザッ
勇者「!」
牛戦士「みな立ち上がれ! 奴を倒すのだ!」
~~~
長老「……これでも、劣勢ですか……」
牛戦士「化け物め……」
勇者「……」ガガガガッ
術士「ぐぅ……」
騎士「術士殿! ま、魔王! 覚悟ぉ!」
勇者「邪魔」ザンッ
騎士「あがっ……」
術士「騎士殿っ! おのれ……!」
沈黙の騎士「……」ダッ
勇者「!」
ザクッ
沈黙の騎士「あぐっ! ……」カラン
少女「……ゆ、勇者」
勇者「なんで剣を抜かなかった」
少女「私が死ねば……お前を止められるからです……」ゲホッ
長老「少女!! ああ、なんてことを!!」
少女「こいつを剣と融合させている魂石……私の両親が変わった物です」
少女「だったら私にもその可能性があるはず……」
ズッ
少女「あうっ!」ドシャッ
勇者「魂石……?」
長老「少女……あぁ、少女……」
少女「長老…様……」パアッ
魂石 フワフワ
勇者「……?」
長老「少女……あなたの死は無駄にはしません。あなたを使って、向こうの世界への扉を開きます……」
「…! おい相棒! あのババァを止めろ!!」
ズズッ…グワッ!
ヒョコッ
剣士「まーにあったみたいだね」
長老「ああ、よく来てくれました剣士…」
剣士「あっちの世界の人間は幾らか倒してきたからさ、こっちの魂不足は改善されると思うよ」
剣士「…それて、今度はあいつを倒せばいいんだね?」
勇者「……」
剣士「なんだ、華奢な奴だなぁ。あれでも僕と同じ喰らう者かい?」
「あぁ? どういうことだ?!」
剣士「その声は…久しぶりだなぁ。どういうことってそのままさ、その子は喰らう者なんだよ」
勇者「喰らう者……?」
剣士「そ、君がその剣の力によく馴染むのもそのせい。ま、それが今回は仇になったけどね」
勇者「……」
「…そういう訳か」
剣士「あ、そうそう、もう一人連れてきたんだった」
ヴンッ
赤い巨人「……」
勇者「あれは…」
剣士「ぜひ剣の中の君に会いたいっていうからさ」
赤い巨人「……ヴィ、ジラ……ス」
赤い巨人「……や、めて……」
「ああ? お前、言葉しゃべれたんかよ」
剣士「この人に見覚えはないかい? 君の同僚だったんだけどなぁ」
「はぁ?」
勇者「……おしゃべりは終わりだよ」ジャキッ
剣士「やれやれ……無粋だなぁ」
長老「剣士……あなたでも今の勇者に勝てるかは分かりません……」
長老「私を喰らいなさい」
剣士「……うん。それしかなさそうだね」
ズグッ
勇者「!?」
「……あいつらはああやってパワーアップすんだ」
青い巨人「へへ……赤よ、お前の魂、喰わせてくんねぇかなぁ」
赤い巨人「……」
青い巨人「奴を倒す為だ。その後は解放するからよ…」
赤い巨人「…わ…った……」
青い巨人「へへ……ありがてぇ」
ズグッ
青い巨人「ふぅー…。さぁて魔王よ、喰らう者ニ体分の力は強ぇえぜ!?」
勇者「……」
術士「諦めろ! 悪魔め!」
ウォォォォオオオオ!!
勇者「…………」
勇者「喰いたい」
~
勇者「……」ピチャ
~
勇者「…みんな……死んだ?」
「おうよ、一人残らずな……クク…」
勇者「……」
「なんだぁ? 今更寂しいなんて言わねぇよな?」
勇者「……」
「ま、俺様で我慢しとけ! 俺達は一蓮托生なんだからよ!」
勇者「……」
ドクン
「んん?」
ドクン…
「おい……、何すんだ……?」
ドクン
勇者「……」
「おい…! 相棒!!」
ドクンッ ドクンッ ズグググ…
「何すんだ! あいぼぅぉぉォォォ……!」
ドクン…
勇者「……」
勇者「この力……」
ハハハッ
勇者「今までの奴らなんてカスじゃないか……」
クククハハハ…
勇者「これで一人だ……」
ククク…ハッハッハッハッ!
~
?男「あのものは……管理者を喰らう事で、我らと同等の力を手に入れました……」
?女「私の声が届かなかったのがいけないのです……」
?男「接触を、試みましょう……」
~
?男・?女「……」
勇者「誰?」
?女「あなたは……何を望むのですか?」
勇者「別に」
?男「それだけの格を持つなら、無駄な破壊はおやめなさい」
勇者「嫌だよ」
?女「……」
?男「……」
勇者「邪魔しないでよ」
?男「お前を止めねばなりません」
ピシャーン!
統べる者「我らで!」
勇者「……」
統べる者「お前を止めます」
勇者「……」ブゥン
ズガッ!
統べる者「何故! 彼がいないのに! その力が……!」
勇者「……」ブゥン
ドガッ
統べる者「ああ……」
勇者「……」ククッ
バガッ
統べる者「世界の境に……!」
勇者「壊れちゃえ」
統べる者「世界が……」
二つの世界が壊れていく。
勇者「楽しければそれでいいんだよ」
おわり
急展開は元ネタがこうだから許して。
俺のギグパワーじゃこれ以上の表現はできないんだ……すまない。
最後のシーンは原作で体感してこそだから
このスレを楽しめた人は日本一ソフトウェアさんがだしているゲーム、
ソウルクレイドル
を
プレイするんだ。頼んだよ?
じゃあアデュー!
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