スタン「それで、推しは決まったのか?」
カイル「うん、俺は凛ちゃんかな」
スタン「これでまた一歩、お前もラブライバーに近づいたわけだ」
カイル「それは違うよ父さん」
スタン「?」
カイル「ラブライバーってのはなろうとするもんじゃないし」
カイル「なりたいからって、なれるもんでもない」
カイル「きっと、自然になっているものなんじゃないのかな」
スタン「ほお」
カイル「ライブが始まっちゃうよ!早く行こう!」
スタン「そうだな」
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―――――――
カイル「はあはあ、何とか間に合った」
スタン「えらい混んでるなー」
ジューダス「ラブライブは一大コンテンツだ」
カイル「あ、ジューダス」
ジューダス「それをお前たちは入場時間に遅刻などして」
ジューダス「それでいい席が取れるわけないだろ!」
スタン「いや、指定席だし」
ジューダス「バカどもに構ってられん。僕は行く」
スタン「聞いちゃいねえな」
カイル「ねえ、ジューダスは誰推しなの?」
ジューダス「誰?ふ、愚問だな」
ジューダス「僕は箱推しだ」
ガヤガヤ
カイル「何だろう?入口が騒がしいな」
ルーク「なんで俺が入れねえんだよ!」
カイル「ルーク!どうしたの?」
ルーク「お、カイル。お前からも言ってやれ」
ルーク「こいつらが入れてくれねえんだ」
スタッフ「ですから、チケットのない方は入場できません」
ルーク「俺は王族だぞ!親善大使さまだぞ!」
スタン「チケットはどうしたんだ?」
ルーク「……抽選で外れた」
スタン「じゃあ仕方ない。今回はあきらめろ」
ルーク「なんでだよ!俺は王族だぞ!特別席くらい用意しろ!」
アッシュ「どけ、屑が!」ドン
ルーク「ひゃん!」
ルーク「なにすんだよ!」
アッシュ「見苦しい劣化レプリカが!さっさとおうちに帰れ」
スタッフ「チケット拝見しました。どうぞ」
アッシュ「じゃあな」
ルーク「くぅーー、なんであいつが当たって俺が外れんだよ」
カイル「まあまあルーク」
ルーク「そうだカイル。お前のチケット寄越せ」
カイル「ええ!?ダメだよ!」
ルーク「あとで礼はいくらでもしてやる」
カイル「いくらルークの頼みでも、これはきけない!」
ルーク「な、なんなんだよ……みんなして俺をいじめて」
ルーク「くそーーー!希ぃーーごめんよーーー!」ダダダ
カイル「ルーク、かわいそうだな」
スタン「これも運命だ」
スタン「ん?あそこにいるのは」
カイル「ロイドー、コレットー」
ロイド「よおカイル」
コレット「スタンさんも、お久しぶりです」
カイル「二人も来てたんだね」
ロイド「海未の勇姿を見逃すわけにはいかないからな」
カイル「へえ、ロイドは海未ちゃん推しなんだ」
ロイド「ああ!」
ロイド「彼女の頑張る姿に、俺はいつも元気をもらっている」
ロイド「おかげで必殺技、ラブアローしゅうう双破斬を思いついたほどだ」
コレット「私はことりちゃんだよ」
コレット「ことりちゃんのポワポワした雰囲気にいつも癒されるんだー」
スタン「二人の席はどの辺りなんだ」
ロイド「へへーん、見てくれよ」
スタン「前列から3番目……いい席じゃないか!」
カイル「俺たちは真ん中へんだもんね」
カイル「いいなー。さっきのルークじゃないけど、代わってほしいなぁ」
バルバトス「随分と腑抜けになったものだな、カイル・デュナミス」
カイル「ば、バルバトス!」
スタン「お前、なにしにここへ来た!」
バルバトス「くくく」
ロイド「まさかライブを潰しに!?」
コレット「させないよ!」
バルバトス「今日の俺はラブライバー的だぁ」
バルバトス「運が良かったにゃー」
スタン「その口調……!」
カイル「まさかお前も凜ちゃん推し!?」
バルバトス「お前も?ほー、とことん気が合うな、カイル・デュナミス」
バルバトス「だが、席順ごときで気落ちする貴様のゼスティリア(情熱)など、所詮はその程度」
バルバトス「俺は最後尾からでも凛ちゃんを応援できるにゃ」
ロイド「まあ声はデカいもんな」
カイル「負けるか、俺は絶対に勝つ!」
バルバトス「せいぜいもがくがいい」
スタン「しかしさすがラブライブ。いろんな奴に出会うなあ」
カイル「父さん、ライブ開演までまだ時間あるし、誰か探してみようよ」
スタン「そうだな、ライライバー仲間と語り合うことは楽しいもんな」
ソフィ「らいぶはまだなの?」
アスベル「もう少しで始まるさ」
ヒューバート「ソフィ、少しはじっとしててください」
ソフィ「退屈」
アスベル「けど、ライブが始まる前のこの高揚感を味わうのも悪くないぞ」
(――真姫ちゃんはまだか)
アスベル(ラムダも、あわてるな)
ヒューバート「まったく、アイドルのライブなんて、兄さんも案外子どもですね」
アスベル「ここに座っている誰かさんのセリフじゃないな」
ヒューバート「ぼ、僕はただ、急用で来られなくなったパスカルさんの代わりに――」
アスベル「それなら、抽選を外して三日三晩泣いていた教官にチケット渡せばよかったじゃないか」
ヒューバート「あ、あえて渡さなかったんですよ」
ヒューバート「アイドルに夢中な40歳のおじさんなんて、いろいろと良くないですからね」
ヒューバート「これも彼のためですよ」
アスベル(素直じゃない奴)
ヒューバート(アイドル戦隊ミューズも企画してほしい)
ソフィ「にっこにっこにぃ」
ミクトラン「天上王たる私がライブに降臨したぞ」
ミクトラン「さあ、早くライブを始めるといい」
デューク「エルシフル、お前にもライブを見てほしかった」
エルレイン「愚かな。怪物が会場に入れるわけないでしょう」
デューク「貴様、エルシフルを愚弄する気か」
エルレイン「けど、花陽なら化け物だろうがアルパカだろうが入れる気がします」
エルレイン「あの子は何者にも優しいですから」
デューク「なかなか分かってるではないか」
デューク「花陽は人間だろうがエンテレケイアだろうがきっと差別はすまい」
デューク「そんな彼女だからこそ、私は推しに選んだのだ」
エルレイン「あなたも花陽推しでしたか。実は私もです」
デューク「ならば同じ志を持つ者どうし、ここは休戦といこうじゃないか」
―――――――
カイル「結局、誰にも会えなかったね」
スタン「これだけ広い会場だ。知り合いなんてなかなか見つけられないさ」
カイル「父さん!始まるみたいだよ!」
穂乃果「こんにちは皆さん!」
穂乃果「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sです!」
穂乃果「今日はライブに来ていただき、本当にありがとうございます!」
穂乃果「廃校を救うために結成した私たちが」
穂乃果「まさかこのような素晴らしい会場で歌えるとは」
穂乃果「あの頃、想像もしていませんでした」
穂乃果「これも応援して下さった皆さんのおかげです!」
穂乃果「そんな皆さんに感謝の気持ちを込めて」
穂乃果「今日は思いっきり歌って踊ります!」
穂乃果「ぜひ一緒に盛り上がりましょう!」
穂乃果「みんなー、ファイトだよ♪」
ウオォォォー キャァァァー ホノカチャーン
スタン「うおぉぉー穂乃果ァァァーー燃え上がれぇぇぇえええ!!」
カイル「さすが穂乃果ちゃん推しの父さん。気合入ってるなぁ」
カイル「よし、俺も負けないぞ!」
海未「みーなさーん」
ことり「こんにちはー」
ウミチャー コトリチャーン ラブアローシュートォ (・8・)
ロイド「海未ーー!」
コレット「ことりちゃーん!」
エル「ことりちゃんが出てきたよルドガー」
ルドガー「……///」コクッ
絵里「今日はたくさん楽しんでくださーい」
キャーーー エリチーー エリー カシコイヨー
アッシュ「KKE!ハァイKKE!」
ミクトラン「なかなか見事なパツキンではないか」
真姫「みんなー、今日もこの真姫ちゃんは輝いてるデッショー」
(――まったくだ)
アスベル(嬉しそうだな、ラムダ)
マキチャン マキチャン マキチャン
マグニス「真姫さま、だ。豚どもが・・・」
希「今日のライブも、ウチに任しとき!」
ノゾミー ノンターン ワァァァー
ミュウ「ご主人様のため、ノゾミちゃんのセリフを全部覚えて帰るですの」
ミクトラン「なかなか見事なパイオツではないか」
にこ「みんなー、いっくよー」
ハーーーーイ
にこ「せーの!」
にこ「にっこにっこにー」
ニッコニッコニー
アスベル「にっこにっこにー」
ソフィ「にっこにっこにぃ」
アスベル「」チラッ
ヒューバート「ぼ、僕はやりませんよ!こんな、恥ずかしいこと///」
(――海未ちゃん気取りか?)
アスベル(怒りを抑えろラムダ)
花陽「こ、こんにちはー」
ハナヨチャーン カワイイーー
デューク「カワイイ」
エルレイン「神はここにおわします」
クレス「時空を超えてきた甲斐があったなチェスター!」
チェスター「ああ!エターナルソードは壊れたけどな!」
クレス「気にするな、今が最高だ!」
チェスター「だな!」
凛「今日も元気にいっくにゃー」
カイル「来た!凛ちゃんだ!」
リンチャーン ブルァーーー
バルバトス「凛ちゅわあああああああん!!」
カイル「負けるか!りぃぃぃんじゅわあああああああん!!」
凛「ちょっとうるさくないかにゃー」
カイル・バルバトス「」シュン
キール「まったく、バカはどこにでもいるな」
ウッドロウ「なに、気にすることはない」
シャルティエ(盛り上がってますね、坊ちゃん)
ジューダス「そうだな」
ジューダス「一度死んだ男が手にするには大きすぎる幸せだ」
穂乃果「μ's、ミュージック」
μ's「スタート!」
―――――――
カイル「ただいまー」
リアラ「おかえりカイル」
スタン「いやー燃えた萌えた」
ルーティ「まったく、いい歳して」
スタン「いいだろ別に」
ルーティ「はいはい、それじゃご飯にするわよ」
カイル「あれ?ロニやチビたちは?」
ルーティ「チビたちにはもう食べさせたし」
リアラ「ロニは買いものに行ってくれてるの」
ルーティ「先に食べててもいいってさ」
スタン「じゃ、そうさせてもらうか」
カイル「うん、俺もうペコペコだよ」
カイル「でね、モグ、俺ったら凛ちゃんモグ、に怒られて」
ルーティ「カイル、食べながらしゃべらないの!」
カイル「ひゃい!」
リアラ「ふふ」
スタン「でも楽しかったなぁ」
カイル「今度はリアラと母さんも行こうよ!」
リアラ「そうね。カイルの話聞いてたら私も行きたくなっちゃった」
ルーティ「私はパス。アイドルなんてきゃぴきゃぴしたものガラじゃないわ」
カイル「まあまあ、そう言わずに」
ルーティ「行かない」
リアラ「けっこう女性ファンも多いみたいですよ」
ルーティ「関係ない」
カイル「母さん」ウルウル
リアラ「ルーティさん」ウルウル
ルーティ「な、なによ」
カイル・リアラ「おねがぁい」
ルーティ「はう!」ズキューン
ルーティ「もう、ずるいわよあんたたち」
ルーティ「……1回だけよ」
カイル「やったあ!」
スタン「1度行けば何度も行きたくなるさ」
スタン「けどその前に、ルーティもリアラも推しを決めておいた方がいいぞ」
リアラ「推し?」
カイル「そのグループ内でもとくに好きな子を推しって言うんだ」
リアラ「カイルは誰なの?」
カイル「俺はこの、凜ちゃんさ」
リアラ「わあ、とってもかわいい子ね」
リアラ「カイルが好きになるのも納得……」
カイル「り、リアラ、何か落ち込んでない」
リアラ「……」
スタン「け、けどこれはアイドルとしての好きであって」
ルーティ「け、決して異性としてではないわよね。ね、カイル!」
カイル「当たり前だよ!」
カイル「だって俺にはリアラがいるんだから!」
リアラ「カイル……///」パア
ルーティ「はいはい、ごちそうさま」
スタン「二つの意味で俺も」
ハハハハハ
ロニ「何か家に入りにくいんですけど」
完
このSSまとめへのコメント
笑うしかない