チャラ男「もしもし」ばあちゃん「聞こえてるよ」 (44)

チャラ男「ようwww俺俺俺wwwww」つスマホ

ばあちゃん「この馬鹿孫が……」つ携帯

チャラ男「元気してたかwwwww」

ばあちゃん「お前に心配されるほどしぼんじゃないよ」

チャラ男「それもそうかwwwww」

ばあちゃん「まったく……どこで育て方を間違えたのやら……」

チャラ男「ひっでえwwwwwwwwwwあ、暇?」

ばあちゃん「じゃなかったらとっくに切ってるよ」

チャラ男「今日さ、大学の入学式があったんだけどさwwwww可愛い娘がいてさwwwww」

ばあちゃん「ふーん」

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…………
………

チャラ男「もしもし?」

ばあちゃん「聞こえてるよ」

チャラ男「あwwwwwばあちゃんwwwww」

ばあちゃん「今日はなんだい?こっちは眠いんだ」

チャラ男「大学のメシってクソマズいのなwwwww」

ばあちゃん「この罰当たりが!作ってくれた人に申し訳無いと思わんのか!」

チャラ男「いやいやwwwwwあんな油ギッシュな肉食えないwwwww」

ばあちゃん「好き嫌いしおってからに……」

チャラ男「お陰で腹壊したwwwww」

ばあちゃん「!?」

ばあちゃん「お、お前大丈夫なのかい!?病院には、お医者様はなんて――」

チャラ男「大袈裟過ぎwwwwwすぐに治ったってwwwww」

ばあちゃん「馬鹿もん!身体壊したらどうするつもりだい!?」

チャラ男「ご、ごめんwwwwwごめんwwwww明日ちゃんと行くからwwwww」

ばあちゃん「心配させ……誰がお前なんか心配するか!」

チャラ男「こわwwwwwwでもやっぱばあちゃんのメシのが断然旨いわwwwwww」

ばあちゃん「……今度帰ってきたら食わせてやるよ」

チャラ男「楽しみwwwww」

…………
………

チャラ男「もしもし」

ばあちゃん「聞こえてるよ」

チャラ男「ばあちゃんwwwww」

ばあちゃん「毎日毎日暇な事だね」

チャラ男「こないだの話覚えてるwwwww?可愛い娘がいたって話wwwww」

ばあちゃん「不幸なことにね」

チャラ男「今日授業で席が隣になったwwwww」

ばあちゃん「へー。それで告白したのかい?」

チャラ男「はやすぎぃwwwww何も言えなかったwwwww」

ばあちゃん「馬鹿もんが!それでも男かい!?」

チャラ男「もう彼氏いたwwwww」

ばあちゃん「あ……そ、その……」

チャラ男「慰めてwwwww」

ばあちゃん「……辛かったね」

チャラ男「ちょwwwwwいつもみたいに叱ってよwwwww」

ばあちゃん「無理しなくていいんだよ……」

チャラ男「や、止めろよwwwww俺が馬鹿みたいじゃんwwwww」

チャラ男「もう切るぜwwwww」

ばあちゃん「……」

チャラ男「ほ、本当に切るぜwwwww?」

ばあちゃん「ああ、おやすみな」

…………
………

チャラ男「もしもし」

ばあちゃん「聞こえてるよ」

チャラ男「この間送ってくれた梅干しwwwww美味すぎwwwww」

ばあちゃん「誰が作ったと思ってるんだい?」

チャラ男「ばあちゃんwwwww」

ばあちゃん「それで今日はなんだい?」

チャラ男「特になんもwwwww」

ばあちゃん「この暇人が……」

チャラ男「今梅雨だなwwwww食い物腐らせるなよwwwww」

ばあちゃん「そこまで朦朧してないよ!」

チャラ男「変なもん喰って腹壊すなよwwwww」

ばあちゃん「犬と一緒にする気かえ?」

チャラ男「ちょwwwwwんな訳ないってwwwww」

ばあちゃん「お前こそ腹には気をつけるんだよ」

チャラ男「はいはいwwwww」

ばあちゃん「身体には気をつけるんだよ」

チャラ男「ごほっwwwwwごほっwwwww」

ばあちゃん「この馬鹿孫が!」

チャラ男「こわwwwwwwあ、もう切るなwwwwww」

ばあちゃん「こら!まだ話は――」ピッ

チャラ男「……」ケホッ

…………
………

ばあちゃん「……」

時計「20:59」

ばあちゃん「……」ソワソワ

時計「21:00」

チャラ男「もしもし」

ばあちゃん「今何時だと思ってるんだい!?」

チャラ男「ごめんwwwww授業が長引いたwwwww」

ばあちゃん「いっつもそれじゃないかい。身体は大丈夫なのかい?無理はしてないか?」

チャラ男「余裕wwwww余裕wwwww」

ばあちゃん「まったく……あんまり身体は丈夫じゃないんだから無理するんじゃないよ」

チャラ男「大丈夫wwwww大丈夫wwwww単位かかってるしwwwww」

ばあちゃん「馬鹿もん!たんいだか知らんが、身体壊したら話にならんだろ!」

チャラ男「大丈夫wwwww大っ……大丈夫wwwww」ケホッ

ばあちゃん「あ、あんた……」

チャラ男「もう眠いwwwww寝るわwwwww」ピッ

ばあちゃん「……」オロオロ

…………
………

ギャル男「でさー!」

ギャル女「マジ!?」

チャラ男(合コンとかだる……失恋中にキツいわ……)

益荒男「それヤバいだろWWWWWWWWWW」

益荒女「WWWWWWWWWW」

チャラ男(うっせーよ……)

チャラ男「わりぃwwwwwちょっとトイレwwwww」

益荒男「おうWWWWWWWWWW」
トイレ








チャラ男「もしもし」

ばあちゃん「聞こえてるよ」

チャラ男「帰りたいwwwww」

ばあちゃん「この軟弱者!」

チャラ男「もうヤダwwwww話について行けないwwwww」

ばあちゃん「……」

チャラ男「ばあちゃんに会いたいwwwww」

ばあちゃん「……。いつでも帰っておいで」

チャラ男「いや大学がwwwww」

ばあちゃん「そんなもん気にせんでええ。辛くなったら帰って来い。な?」

チャラ男「……」

ばあちゃん「おい、糞孫?」

チャラ男「今度の正月wwwww帰るからwwwww」

ばあちゃん「……待っとるからな」

駄文失礼しました。
明日、続きを書かせて頂きます。

モブが益荒男は面白すぎる
あと、朦朧じゃなくて多分耄碌だと思うけど朦朧とも言うのかな?

>>14
すみません、朦朧としてました。

十二月に入ると、それまでも冷たかった空気は更に容赦が無くなった。

吹きさらしの街路樹、死人のような曇り空。大学と下宿先のアパートを往復する度に、後悔と疲労だけが積もった。

チャラ男「もしもし」

ばあちゃん「……」

チャラ男「も、もしもし?」

ばあちゃん「聞こ…てるよ」

チャラ男「ばあちゃん……」

ばあちゃん「悪いね……今、薬を――」

チャラ男「あの、迷惑だったら……」

ばあちゃん「頼むから切らないでおくれ……頼む」

チャラ男「ばあちゃん……」

ばあちゃん「何か話を……昔みたいに……」

チャラ男「き、」

チャラ男「今日さwwwww」

ばあちゃん「……うん」

チャラ男「今日さwwwww今日……」

言いたいことは山ほどあった。伝えたいことが数え切れないほどあった。言葉では言い切れないほど、ばあちゃんが大好きだった。

口下手な自分が呪わしい。何一つ伝えきれなかった自分が憎い。

この冬、ばあちゃんが死んだ。

後から知った。大学に進学すると同時、ばあちゃんも入院してたらしい。末期の癌だった。

治療には鉄を掻き毟る激痛が伴うらしい。ばあちゃんはずっと耐えてた。俺と電話するために。

今思うと、ばあちゃんには甘えっぱなしだった。毎日女々しく電話して、最後に安心させてやる事すら出来なかった。

電話じゃなくて、もう一度ばあちゃんの声が聴きたかった。何でもいい、ばあちゃんと話したかった。

電話じゃなくて良かったかもしれない。会えば泣いてしまっただろう。最後の最後でばあちゃんを心配させたくない。

これからばあちゃんは、残された人達と一夜を過ごした後、一キロにもみたない身体になって天に消えていく。

もう声の届かない、雲の向こうに。

ごめんなさい。やはりこんな物書いて気を紛らわせるよりも泣いた方が良かった。

板違いだったかもしれないけど、今回だけは多目に見てください。

実話?

>>25
今、通夜をやってる。顔も知らん親戚の笑い声に耐えられなくて、トイレで書いた。

優しい言葉には感謝を。

益荒男は、身バレ防止で体育会系の奴を少し盛った

このスレ読んで笑えているなら別にいい。笑われる側にさえ行かなければ。

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