常務「輝ける原石にチャンスを与えたプロジェクトを貴様はくだらんと一蹴するのか」

常務「かつて名をはせた敏腕も地に落ちたものだな」


黒井「フン、冗談が上手なことだ、どうやら貴様の目はただの石ころらしい」

黒井「だいたいなんだ、あの烏合の衆は？学芸会のお芝居かと勘違いしてしまうところだったぞ」


常務「自らのユニットに逃げられたとは思えない大口ぶりだな、笑えないぞ」


黒井「設立して早々実権を奪われたとは思えない大口ぶりだな、笑えないぞ」

常務「・・・・・」



黒井「・・・・・」




常務「･･･で、何の用だ、ただ軽口を言うために姿を現したのではあるまい」


黒井「結論から言わせて貰えば、そのメンバーの何人かに興味がわいたのだ」


常務「先ほど烏合の衆と形容した者とは思えん発言だな」


黒井「どうやら烏合の衆にも鷹の子はいたようでね」




黒井「どうだ、この私が直々に指導してやろうと言っているのだ、ここは差し出すのが道理だろう」

常務「ふむ・・・・」



常務「当たり前だがその用件は受け入れられない
　　　　いきなり現れたと思ったらアイドルを渡せだと？どこにそんな話を受け入れる奴がいる。
　　　　大体貴様は業界から追われている立場だろう。信用に足らん、お引取り願おう」



黒井「だろうな、間違いなく貴様はそう発言するであろうと予想していたが
　　　　ここまで完璧に予想が当てはまってしまうと実に滑稽で愉快だ」


黒井「今回はお望み通り退くとしよう。しかし今後貴様は必ず私の力が必要になる」


常務「できれば、二度とお目にかかりたくはないがな」


黒井「失礼したな、また後日訪問させていただくとしよう」ﾊﾞﾀﾝ


常務「・・・」

――――数日後







常務「ではこれから201X年第３四半期報告会を始める」

常務「ではまず大まかに報告を頼む」


重役Ａ「はい、説明させて頂きます。まず―――――――――







―――――――――――でして、アイドル部門のほうですが」


重役D「競合企業の急速な成長により、やはり伸び悩んでおります」


重役Ｄ「シンデレラプロジェクトのほうは
　　　　　営業数自体は増えて来ましたが利益的にまだまだですね」


重役Ｄ「プロジェクトクローネのほうは
　　　　　発足して数ヶ月と考えれば妥当な数字かと思われますが・・・・」


重役Ｄ「伸び方的にはＣＰのほうとあまり変わりませんので
　　　　　切り札になりうるかと言われれば今後の動向次第でしょうか」


常務「・・・・そうか、ご苦労」





ﾃﾞﾊﾂｷﾞﾉ…



常務「・・・」

――――――――――――してまとめさせて頂きます」



常務「ではこれにて報告会を終了する、皆ご苦労であった」ｻｯ


ｶﾂｶﾂ…




――――常務室

ｶﾞﾁｬ･･･ﾊﾞﾀﾝ


常務「・・・・」









ｺﾝｺﾝ

常務「誰だ、この時間に面会の予定は無いはずだぞ」

ｶﾞﾁｬ

黒井「私だよ。これはこれは、お疲れのところだったかな」


常務「貴様か、どうやって入った」


黒井「きちんと窓口で手続きしたとも、私をなんだと思っている」


常務「貴様のような者は止めろと言っておいたはずなのだが、どうやら無駄だったようだ」


黒井「フン・・・。そろそろ業績発表の頃合だと思ってね」



黒井「ククク、どのようだったのだ？アイドル部門、いやプロジェクトクローネのほうは」