男「ホラー映画の『パターン』?」 (417)

女子高生1「ねえ、『呪いの映画』って知ってる?」

女子高生2「え、なにそれ知らない」

女子高生1「とあるDVDにその映画が収録されてるんだけど、それを見るとその映画の中に引きずり込まれちゃうんだって」

女子高生2「なにそれ、ヤバくない?」

女子高生1「で、一応抜け出す方法があるんだけど、「その映画を完結させること」らしいよ」

女子高生2「完結できないとどうなるの?」

女子高生1「一生閉じ込められたまま、出られないんだって……」


********男「ホラー映画の『パターン』?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448812404

********


――山中


男「はぁ……はぁ……やったか?」


ボオオオオオオオオオ……


シュンッ!


男「!?」


グシャアッ!!


********


男「ハッ!?」バサッ

男「……」

男「なんだ、夢か……」フゥ…

――男の自宅、リビング


男「……」モグモグ


TV「トランシーバーがあれば、携帯やスマホなどの電波の届かない場所であっても……」


プルルルルルルル♪


男「ん?」パシッ

スマホ画面『女から着信です』

男「女?」ポチッ

?『ハロー、男』

男「……」

?『ホラー映画は好きかい?』

男「……なにしてんだ、女」

男友『ブブー、正解は俺だよ』

男「なにっ!?」

女『へへーん騙されたー』

男「……はいはい、騙された騙された、で、なんの用だよ」

女『え、わかんないの?』

男「なにが?」

女『今日男の誕生日じゃん』

男「あ」

男友『マジで忘れてるし』

男「思いっきり忘れてたわ、じゃあなに、もしかして誕生日パーティとかやってくれちゃったりすんの?」

女『うん』

男「マジで!?どこで?」

女『男の家で』

男「なんでだよ」

女『だって店予約すんのとかめんどいし』

男「だからってなんで俺ん家なんだよ」

女『だって男友の家じゃ遠すぎるじゃん?』

男「お前ん家は?」

女『私の家じゃつまんないじゃん』

男「なんだそれ」

女『とにかく二人で男の家に行くから、なんか面白そうなDVD借りといて』

男「いやだからなんでだよ、お前らが借りてこいよ」

女『だって男のアパートの管理人さん映画詳しいっつってたじゃん』

男「男友も詳しいっつってたろ」

男友『俺はホラー映画専門だから』

女『大丈夫、それ以外はちゃーんと用意してくから』

男「本当だろうな」

女『ホントホント、それじゃ午後にそっち行くから、また後でね』

男「ああ、じゃあな」ブチッ

プルルルルルルル♪


男「管理人さんいるかな……っつか、なんで俺が借りてこなきゃいけないんだ……」ブツブツ


ガチャリ


管理人『もしもし?』

男「あ、どうも、おはようございます、男です」

管理人『ああ、どうかしたのかい、男くん?』

男「いや、ちょっと今から映画借りてこようかなって思って。それで管理人さん映画詳しいじゃないすか」

管理人『そっかそっか、そうだな……どんなのがいいんだい?』

男「別になんでもいいっすよ、管理人さんのおすすめは?」

管理人『そうだねぇ……』

********


男「すいません、こんなどーでもいいような用事で」

管理人『いやいや、いいんだよ、私も映画について話せる人が少ないから』

男「そうなんですか」

管理人『それじゃ、私はそろそろ出掛けるから』

男「わざわざありがとうございました」

管理人『いえいえ……ああ、それと、鍵かけを忘れないようにね、この前ドアを開けっ放しにしてたろ?』

男「はは……すいません、その時は飲み会があったので酔っぱらったまま寝ちゃって」

管理人『気を付けるんだよ、最近は物騒だから、それじゃあね』

男「はい」ブチッ

――レンタルビデオ店


男「さて、これくらい借りときゃいいだろ」ドッサリ

店員「お待たせいたしましたー」

男「これ、お願いします」


ピッピッピッ


店員「合計10点で1500円になります」

男「……」ガサゴソ

男「これで」つ1500円

店員「ちょうどお預かりします」ポチポチ

店員「お返しは一週間後の土曜日です」つビデオの袋

男「ども」パシッ

店員「ありがとうございましたー」ニコリ

――男自宅、玄関前


男「」ガチャ


ギィィィ……


バタン!


プルルルルルルル♪


男「女からだ」ポチッ

男「もしもし?」

女『もしもし男?もうDVD借りた?』

男「ああ、一応な」

女『おお仕事早い、さすがぁ』

男「どーも、そっちはどうだ?」

女『こっちはもうそっち向かってるよー』

男「そっちも早いな、どれぐらいで着きそうだ?」

女『男友、あとどれくらい?って』

男友『そうだなー、あと30分ぐらいかな』

女『だってー』

男「わかった、気を付けてこいよ」

女『はーい』ブチッ

スタスタスタ……


男「あ、鍵閉めてねーや」

男(……ま、いっか、あいつら来るし)


――リビング


男(DVD、一応全部入ってるか確認しておくか)ガサゴソ

男(……ん?なんだこれ)

男(このDVDだけ、ラベルも何も貼られてない……こんなの借りた覚えないぞ)ガサゴソ

男(レシートにも載ってない……間違って入れたのか?)

男(まさか……)

男(AV?)

パカッ

ガシャ

ウィィィィィン……


男(ま、まあ一応中身だけ確認しておくか、別に見たいわけじゃないけどな)wktk


********


ザァァァァァァ……


男(砂嵐のまま動かない……くそ、不良品だったか……ん?)


ザァァァァァァ……


男「……?」


ザァァァァァァ……

********


ブロロロロロロロ……


?「おいブルース、ブルース!」

男「ん……!?お、お前誰だ!?つかブルースって誰だ!?」

男性1「はぁ?なにいってんだお前、ヤクでもやってんのか?」

女性1「それはアンタもでしょバーカ」

男性1「やべ、ヤクやりすぎて忘れてたわ!!ギャハハハハ!!」


HAHAHAHAHAHA!!


男(な、なんだこのノリ……つかここどこだ、車の中にいるみたいだが……)キョロキョロ

女性2「ねぇ、まだ着かないの?」

男性1「あ?もうすぐだ静かにして……ん?」

男(この車、どこに向かってるんだ……つか、なんでこいつら外国人なのに日本語ペラッペラなわけ?)

男性1「あああクソッタレッッッ!!ガソリンが切れそうだ!!!」

女性1「嘘でしょ!?ガス欠とか嫌よアタシ!?」

男性1「うっせー騒ぐんじゃねぇ!!」

女性2「……じゃ、あそこで入れてもらえば?」

男性1「あん?……なんだ、ガソリンスタンドあんじゃねーか、ラッキー」

男(と、とりあえず、ここがどこかを把握しよう、わけがわからん……)

今日はここまで

『スクリーム』や『キャビン』のようなメタホラー的な話にしてくつもりです
ホラー映画好きな方は是非見てください

それで

――ガソリンスタンド


男性1「ハイオク満タンでよろしく」

店員「かしこまりました」

女性2「ねぇシガニー、どうせならあそこでビールでも買ってかない?」

女性1「いーわねジェイミー!ねぇチャーリー、買っていきましょうよ!」

チャーリー「そうだな、俺もちょうどアルコール摂取したかったところだぜ、だろ、マイケル?」

男性2「飲酒運転だぞ」

チャーリー「はっ、こんな山奥に警察なんて来るかよ」

********


男(会話と周りの景色から察するに、どっかの山奥みたいだな……)

女性3「ねぇブルース」

男「おわっ!?」

女性3「きゃっ!?」

男「び、ビビった……脅かすなよ」

女性3「ごめん……どうしたの?さっきから顔色が変よ?」

男「あ、ああ……」

男(俺がどうしたのか聞きたいよ……まさか)

男「ちょ、ちょっと風邪気味でさ、何でもないよ」

女性3「無理しないでブルース……あ、ちょっと待って、確かチャーリーが風邪薬を持ってたはずよ」


タッタッタッ……


男(確かこんな都市伝説があったな、『呪いの映画』……それを見ると映画の中に閉じ込められるとかいう……これがそうなのか?)

タッタッタッ……


女性3「ブルース、風邪薬よ!……ブルース?」

男「ん……あ、ああ、ごめん、ありがとう」

男(ここだと俺の名前はブルースらしい)

女性3「ホントに大丈夫?病院に行った方が……」

男「いや、大丈夫だよ、つか、なんであいつ風邪薬なんて持ってんだ?」

女性3「トリップに使うつもりだったのよ、でもあいつカフェインアレルギーなのにカフェイン入りの錠剤買ってきちゃったの、バカだから」

男「ああ、納得」

********


チャーリー「あー、タバコ吸いたくなってきた……お前らまだ買い物終わんねーのか!?」

ジェイミー「もうちょっと待ってー」

シガニー「あと五分くらいー」

チャーリー「ったく、ショッピングバカどもが……タバコでも吸うか」シュボッ

マイケル「俺はトイレ行ってくる」

チャーリー「さっさと済ませろ、マスかいてたら置いてくかんな」

マイケル「分かったよ」


タッタッタッ……


?「……」カツカツカツ…


ガシッ!


チャーリー「あ?」

老人「ここは火気厳禁じゃ、バカタレめが」

チャーリー「なんだジジイ、気持ち悪いな、離せ!」ブンッ

老人「生意気なガキめ……まさかお前ら、この先のコテージに行くつもりか?」

チャーリー「ワオ、スゲーなジイサン大当たり、マジで気持ち悪いぜ」

老人「ふん、あそこへ行くならせいぜい自分の無事を祈るんじゃな……」カツカツカツ…

チャーリー「あ?どうゆう意味……」


ポンッ


シガニー「お待たせー」

チャーリー「あ?ああ……」

ジェイミー「ん?どうしたのチャーリー?」

チャーリー「マジでイカれたジイさんだぜ……」

********


男「とりあえず、風邪薬ありがとう、えと……」

女性3「?」

男(そういえばこの子の名前だけ知らないな……)

マイケル「ジョデルー!早く行こう!」

ジョデル「分かったわー!」

男(センキューマイケル!)

――車の中


ジャカジャカジャカ♪


男(とりあえず自分の持ち物を確認してみるか、これじゃあ俺が誰かさえ分からない)


ジャカジャカジャカ♪


男(免許証だ……くそ、ジャカジャカうるさいな……『ブルース・ウェスト』うわ、この写真の男が俺か?)


ジャカジャカジャカ♪


男(随分うっとうしい顔してやが……うるさ……例えるなら、ジ○・キャリーをもっとウザくしたみたいな……ああああ!!!)


男「おいチャーリーだっけか!?その音楽の音下げてくれるか!?耳障りで仕方ねーんだよ!!」


ジャカジャカジャカ♪


チャーリー「あぁ!?分かってねーなブルース!!ロックほど最高の音楽は存在しねぇ、今音量なんか下げたら、ロックの神様がぶちギレるぜ!!フゥーッ!!」

男(その前に俺がぶちギレてんだよ)

ジャカジャカジャカ♪


チャーリー「おいシガニー!!」

シガニー「なにチャーリー?」

チャーリー「」ジィィィィ…

シガニー「ちょっ、なにしてんのよ!///」

チャーリー「わかってんだろ?吸ってくれよ」

シガニー「アンタって最高にイカれてるわ……」

チャーリー「ほら、焦らすなよ」

シガニー「仕方ないわね……」パクッ

チャーリー「おぅ……いいねぇ……」ゾクゾク

シガニー「ん……んん……」チュパチュパ…ペロッ

チャーリー「やっぱお前の舌……んぉっ……ふぅ……最高だぜ……」

シガニー「んぅ……ちゅぱ・・……ああいまえへひょ?……ん……ああひおあえあとおもっへんの……」ペロッ

チャーリー「あ?なにいってんのか全然わかんねーよ……おぅ!?……や、やば、イきそう」

シガニー「ふぁ!?はあすいない!?」チュパチュパ・・

チャーリー「ヤベェ、出るっ!!」

シガニー「んぐ!?んぅぅ!?」


ドピュウウウウウウウ!!!

ドピュ……ドピュ……


シガニー「んぐ……ゲホッ、ゲホッ……」

チャーリー「ふぉぅ……最高だったぜシガニー……」

シガニー「ゲホッ……あ、アンタマジで出すとか聞いてな――チャーリー危ない!?」

チャーリー「あ?うおっ!!?」


キュルキュルキュル……!!


トラック「」プォォォォォン!!!

トラック運転手「あぶねぇだろうがガキども!!」

チャーリー「うっせんだよ、テメーが前見てろクソオヤジ!!!」ファックサイン

男(なにやってんだこいつら)

チャーリー「ちっ、ビールでも飲んで気ぃ晴らすか」プシュウウウ

シガニー「あのあとによく飲めるわね……」

チャーリー「イラつくから飲むんだよ……」ゴクッゴクッ


ピーポーピーポー


マイケル「おいチャーリー、後ろにサツが!!」

チャーリー「ぶっ!!!??」


バシャッ


チャーリー「ゲホッ、ゲホッ」

ジェイミー「早くビール隠して!!」

チャーリー「分かってるっつの!!おいシガニー!!下に落ちた缶ビール拾え!!」

シガニー「は!?なんでアタシが――」

チャーリー「いいから拾えよ!!」

シガニー「分かったわよ!!」ゴソゴソ

プップー


マイケル「おいチャーリー、サツが車を止めろって!」

チャーリー「クソ……」


キィィィィィィ……


チャーリー「バレたか……つか早く拾えよ何してんだ!!」

シガニー「アンタの足が邪魔で取れないのよ!!」

チャーリー「ほら足上げたぞ!!早く――いっ!?」ガシッ

シガニー「ん!?んんん!?」バタバタッ

ジェイミー「な、こんな時になにしてんのよ!?」

チャーリー「ちげーよ足つったんだよ!!」

マイケル「早く足上げろって!!」

チャーリー「だから足つったっつってんだろバーカ!!」

バタンッ!

スタスタスタ……


マイケル「おいやばいってサツが来る!!」

チャーリー「うっせー静かにして――治った!!」

シガニー「!?取ったわ――」ゴンッ

シガニー「いったッ……」

チャーリー「なにしてんだシガニー早く片付けろよ!!」

シガニー「分かってるわよ……きゃあ!?」

チャーリー「あ?のわっ!?」

警察「……」コンコン

ウィィィィィィン……


チャーリー「ど、どーもー」

警察「何かあったのか……くさっ!?なんだこの臭いは!?」

チャーリー「ああいや、コイツがどうしても俺のアレが舐めたいってうるさくて……最近盛りだから」

シガニー「は!?ふざけてんの……」

チャーリー「黙ってろ」

警察「……まあいい、私は『ベン・ブラック』というものだ」パカッ

ベン「最近ここで事故が多いものでね、ここを通る人々に今注意を呼び掛けているんだ」

チャーリー「そりゃ物騒だ」

ベン「特に君のような若者がね」

チャーリー「ハハ……」

ベン「じゃ、私は行くよ……あ、あと……」

ベン「アルコールに気を付けろよ」フッ

チャーリー「ハハ、どーもー……」


ウィィィィィィン……


チャーリー「クソポリ公が」ファックサイン

シガニー「……」ジー

チャーリー「なんだよ?」

シガニー「"最近盛りだから"」

チャーリー「……」

シガニー「"最近盛りだから"」

チャーリー「黙れ」


ブロロロロロロロ……


シガニー「"最近盛りだから"」

チャーリー「黙ってろ!!」

――山中、吊り橋前


バタンッ!


男(結局ポケットの中には財布、免許証、圏外のスマホ、と、ロクなものは入ってなかった)

ジェイミー「うそ……この橋渡るわけ?」

チャーリー「なんだ、怖いのか?」

ジェイミー「当たり前よ」

シガニー「アタシも無理……」

マイケル「俺高所恐怖症なんだよ」

チャーリー「ったく揃いも揃ってチキンだなお前ら、行くぞブルース」

男「……あ、ああ俺のことか、分かった」

ジョデル「ねぇブルース」

男「どうした、ジョデル?」

ジョデル「なんだか私、嫌な予感がするの……」

男「嫌な予感?」

ジョデル「この橋を渡ったら二度と戻れなくなるみたいな……変な不安を感じるのよ」

男「……き、気のせいさ」

ジョデル「そうならいいんだけど……」

男(お、おいおい、この映画、この先何が起こるってんだ)

ザッザッザ……


マイケル「随分と霧が深いな……」

チャーリー「誰かがハッパでも吸ってるのかもな」

シガニー「フフ、じゃあそこらじゅうヤク中だらけね」

シガニー「アハハ、勘弁してよ」

男(確かに、わざとらしいぐらい霧が深いな……)

ジョデル「……」

男「大丈夫か、ジョデル?」

ジョデル「え?ええ……うん、大丈夫」

男(まぁ怖がるのも無理ないな、こんな場所じゃ……)

男「だ、大丈夫、何も起こらないさ」

ジョデル「うん……ありがとう」

男(頼むから何も起こらないでくれよ、ホント頼むから)

――山中、コテージ前


マイケル「あ、あれじゃないか?」

シガニー「着いたの!?ふぅ……マジで疲れた……」


********


マイケル「……」

ジェイミー「ねえマイケル、マジでここなの?」

マイケル「当たり前だろ」

シガニー「当たり前ね……このボロ屋が当たり前だっていうの?」

マイケル「き、きっと中はしっかりしてるさ」

シガニー「ねぇ、ちゃんと調べてから借りたわけ?」

マイケル「……」

ジェイミー「最悪」

チャーリー「うっせーんだよお前ら、ちょっとばかし古ぼけてるだけじゃねーか」

マイケル「そ、そうだよ……あ!」


スタスタスタ……

ギィィィ……ギィィィ……


マイケル「ほらみて、ブランコがある、ベンチだって……」サッ


ガシャアアアアアン!!


マイケル「……」

マイケル「……ほらね?」

ジェイミー「最っ高……」ハァ…

眠くなってきたので今日はここまで

お読みくださりありがとうございました。

風紀委員はまだお怒りではないようです


ジェイミー「まぁいいわ、さっさと入りま……きゃっ!?」ズコッ

ジェイミー「いったぁ……」

チャーリー「はっ、一人で楽しそうだなジェイミー」

マイケル「なんだかんだ言ってここを気に入ってくれたんだね」

ジェイミー「う、うっさいわね!こんなとこにクソデカイ木の根っこがあるのがいけないのよ!」

シガニー「はいはい、さっさと行くわよ」

ジェイミー「なによもう!」

ジョデル「ジェイミー立てる?」サッ

ジェイミー「え、ええ、ありがとうジョデル」パシッ

男(……なぜジョデルはこのメンバーの中にいるんだろう)




?「……」フシュー…フシュー…

ギュィィィィィン……

ギィィィィィ……


チャーリー「見ろよ、天井は蜘蛛の巣だらけだ」

ジョデル「この中も随分な霧ね……」

シガニー「うわ、埃臭い、ここ何年ほったらかしにされてたわけ?」

マイケル「……だいたい十数年ぐらい?」

ジェイミー「予想を上回りすぎて逆に笑えてくるわ」

マイケル「元々考古学者の父さんが別荘として使ってたんだ、今は父さん亡くなっちゃったから、ただの倉庫になっちゃったけど」

チャーリー「ククッ……お、おい今のジョーク聞いたか、こいつの親父が考古学者だとよ」

シガニー「じゃあ私のパパは大統領ね」

ジョデル「ぷっ……」

マイケル「ジョデルまで……言っとくけどマジだからな?」

ジョデル「べ、別に信じてないわけじゃないわ」

チャーリー「じゃ、じゃあお袋はピアニストとかか?」

マイケル「……うん」

チャーリー「ぷはっ、マジかよ!」

シガニー「スゴいわ……DNAを見事にシカトするなんて」

マイケル「皆してなんだよ、結構傷つくぞ」

シガニー「なんか……不気味なものしか置いてないんだけど、鳥の剥製とか」

チャーリー「ワッ!!」

シガニー「きゃあ!?」

チャーリー「はは、最高!」

シガニー「ちょっと、脅かさないでよ!」

ジョデル「その仮面どうしたの?」

チャーリー「知らね、あそこの壁に掛けてあった」

マイケル「父さんは一風変わったものが好きだったから……」

シガニー「変わりすぎよ」

ジョデル「そう?私結構こういうの好きよ」

ジェイミー「私も嫌いじゃないかなー」

シガニー「マジ?」

ジェイミー「アンティークテイストのデザインとか好みだし、まぁ剥製とかはさすがに苦手だけど」

シガニー「これアンティークって呼べるの……?」

マイケル「荷物を置いたら、この先の湖に泳ぎに行こう」

チャーリー「へ、それを待ってたんだ、水着を拝むためにここへ来たようなもんだからな」

シガニー「きゃー、チャーリーったらエローい」

チャーリー「湖に行ったら、もっとエロいことが待ってるかもな……」

シガニー「ふふ……」

ジェイミー「アツアツな二人を見てたら、こっちも暑くなってきちゃった……」

マイケル「な、なんで俺の方を向いて言うんだ?」

ジェイミー「別にー」

――コテージ、個室

男(トイレにでも行くか……ん、ジェイミーとマイケルか?)

ジェイミー「ねぇマイケル、こっち向いてよ」

マイケル「なに……うわっ!?」

ジェイミー「なにびっくりしてんのよ、ただのビデオカメラじゃない」

マイケル「そりゃいきなり向けられたらビビるって……」

ジェイミー「マイケル、なんかしゃべってよ」

マイケル「なに喋ればいいんだ、おいしいオムレツの作り方とか?」

ジェイミー「アハハ、それもいいけど……」

ジェイミー「今の気持ちを話してほしいな」

マイケル「気持ち?」

ジェイミー「そう……例えば……」

マイケル「ジェ、ジェイミー?」

ジェイミー「私にビデオカメラ向けられて、どんな気持ち?」

マイケル「どうしたんだよジェイミー……」

ジェイミー「ほら、早く答えて」

マイケル「……緊張してる」

ジェイミー「へぇ……じゃあ……」バタンッ

マイケル「ジェイミー!?俺を押し倒して何を……」

ジェイミー「こうされたら、どんな気持ち?」

マイケル「……」

ジェイミー「……」

マイケル「……こ、コーヒー入れてくる」ガサッ

ジェイミー「もう……つれないわね……」

男(お、おお……なんかこっちまで赤くなるな)

チャーリー「ワッ!!」ザッ

男「うおっ!?」ビクッ

チャーリー「ぷはっ、ベタにビビってんなよブルース!」

シガニー「ちょっとー、ブルースが可哀想でしょー、ププ」

男「あのなあ……誰でも驚くっつーの」

チャーリー「なにこそこそ見てんだよ」

男「ああいや、ちょっとそこにいい感じのお二人さんがいたもんでさ」

シガニー「ああ、ジェイミーとマイケルでしょ」

男「よくわかったな」

シガニー「あの二人いつもそんな感じなのよ、さっさとくっつけばいいのに」

チャーリー「そうだぜ、俺達みたいに……なあ?」ダキッ

シガニー「もう……ん……」チュッ

チャーリー「ん……」チュッ

男「お前らはくっつきすぎなんだよ」

ジェイミー「キスシーンもらいー!」ピロン♪

シガニー「ああ!なに勝手に撮ってんのよ!!」

チャーリー「いいじゃねーか、コイツらに見せつけてやろうぜ」

シガニー「あのね……」

――コテージ、リビング


マイケル「コーヒー入れるけど、皆はどうする?出掛ける前になにか飲む?」

シガニー「そうね……じゃあお願い、シュガー入りで」

男「俺もそうしてくれ」

ジョデル「私はブラックで」

チャーリー「俺カフェインアレルギーだからパス、ビールでいいわ」

シガニー「またビール飲むの?朝っぱらから飲んだって言うのに」

チャーリー「ビールに朝も夜も関係ねーよ」

ジェイミー「私もいいや、喉渇いてないし」

マイケル「オッケー」

マイケル「なあブルース、ブルース!」

男「ん、どうした?(俺に話しかけてくるなんて珍しいな)」

マイケル「いや、あのさ……ちょっといいか?」

男「ああ」


********


マイケル「なあブルース」

マイケル「ジェイミーって俺に気があるのかな?それともからかってるのかな?」

男「あるんじゃないのか、アレを見る限り」

マイケル「見てたのか!?」

男「いやいや、見てくださいって言わんばかりの見せつけだったから」

マイケル「と、とにかく、散々俺のことバカにしてたのに、なんで俺なんだ?」

男「好きの裏返しってやつじゃないか」

マイケル「おお……そうか、そうゆうことか」

男「デートにでも誘ってみろよ」

マイケル「こんな殺風景な場所でか?」

男「アホか、べつに今じゃなくて山降りた後でもいいだろ」

マイケル「そ、そうだな、そうする」

男「頑張れよ」

マイケル「サンキューブルース、誘ってみるよ」

男(こいつら、映画の登場人物だってのに、妙に親近感が沸くんだよな)

――湖


チャーリー「フォホオオオオウ!!」

マイケル「イエエエエエエ!!!」


バッシャアーーーン!!


ジョデル「きゃっ!」パシャッ

ジェイミー「つめたっ!」パシャッ

シガニー「よくもやったわねチャーリー?」

チャーリー「おら、俺の胸に飛び込んでこい!」

シガニー「言われなくてもやってやるわ!!」

ジェイミー「私も行くわ!」


タッタッタッ……ピョンッ

バッシャアーーーン!!


チャーリー「うおっ!?」バシャアッ

シガニー「アハハ!最っ高!」

チャーリー「あれ、こんなところに旨そうな女共がいるぞ……?」

マイケル「ハハ」

チャーリー「『ジョーズ』様のお出ましだァァ!!」ジャバジャバ

シガニー「キャー!」ジャバジャバ

ジェイミー「襲われるー!」ジャバジャバ


********


ジョデル「……」

男(この子、よく見てみるとメチャクチャ可愛いな……それに胸もデカ……ど、どこ見てんだ俺は)

男「き、君は泳がないのか?」

ジョデル「え?……ええ、泳ぎはあまり得意じゃないし」

男「そうなんだ」

ジョデル「だから日光浴でも楽しんでるわ」

男「ハハ、じゃあ帰る頃には真っ黒だな」

ジョデル「アハハ」ニコッ

男(ヤバ、ちょっと惚れそう)

男「……よし、俺もちょっと襲われてくるかな」

ジョデル「フフ、生きて帰ってきてね」

男「おう」

ファイナルデッドシリーズは6の制作が企画されているみたいですね
自分は5が一番好きです

それでは投稿

――湖から戻り、コテージ


チャーリー「マジかよ、煙草がもうねえ」

シガニー「禁煙しろってことよ」

チャーリー「あそこのガソリンスタンドで買えば良かった……クソ」

ジェイミー「あ!!」

シガニー「どうしたの?」

ジェイミー「ビデオカメラの電池の替え持ってくるの忘れた」

シガニー「そんなに必要なのそれ?」

チャーリー「よし、じゃあこうしようぜ、ジャンケンで負けた奴が、勝った奴等の頼んだものを買ってくる」

シガニー「はぁ!?たるすぎるわよそんなの」

チャーリー「じゃあ勝てばいいだけの話だ」

ジェイミー「いいじゃん、面白いじゃない」

シガニー「言っとくけど他人事じゃないのよ」

マイケル「お金はどうするんだ?」

チャーリー「とりあえず自腹で払って、貰ったレシート見て後で各自払えばいいだろ、ほら、ブルースとジョデルも来いよ」

男「マジかよ……」

チャーリー「よし、じゃあ始めるぞ?……最初はグー!!」

皆「ジャンケン――」

********


男(ちくしょう、一発目で撃沈した……)


スタスタスタ……


男(だいたいチャーリーの奴、「俺の『マスタング』を傷つけたら承知しねーからな」っつってたけど、自分の車がそんなに心配なら自分で乗れっつの)


スタスタスタ……


男(……なんか俺、完全にこの世界に慣れちゃってんな)

――吊り橋前


バタンッ!


男「あ、そういやこれ外車だったな、乗る場所間違えた」ガタッ

男(なんか人の車運転するのって地味に緊張するな……なんか気晴らしに音楽でもかけるか)ガチャガチャ


コトッ


男「やべ、なんか落とした」サッ

男(なんだCDか……名前は『THE END』……?まぁいいや、これでいいか)カチャッ

男(あれ……開かねぇ)カチャカチャッ

男(……ラジオでも聴こう)

ブゥゥゥゥゥゥン!!

ドドドドドドドド……


男(ラジオ……ラジオ……このボタンか)ポチッ

ラジオ「ピ―――ガガガキュルキュル……」

男「うおっ!?ビビった……」

男(そういやここ山の中だったな……繋がらないのも無理ないか)

男(ちっ、無音で行くか)


ブロロロロロロロ……



缶ビール「」コロコロコロ…

――ガソリンスタンド


男(さて……頼まれた物のメモは……と、あれ?)

トラック「」ドドドド…

男(あのトラック、今朝ぶつかりそうになったトラックだな……)


ガシッ


老人「お前!!」

男「わっ!?な、なんだ!?」

老人「戻ってきたのか!?」

男「な、なにが!?」

男(……ん?確か朝も居たよな、このジイさん)

老人「良かった……忘れる前に伝えることが出来る……」

男(……?)

老人「時間がない、よく聞け、今夜、お前さん達がおるあのコテージで、惨劇が起こる」

男「惨劇!?一体なにが……」

老人「正体さえ思い出せんわしには止めることもどうすることも出来ん……だが、とりあえずこれだけ持っておけ、なにか連絡手段として使えるかもしれん」つトランシーバー

男(二つのトランシーバー……?)

老人「そして、自分の身が危なくなったら、コテージの近くにある倉庫へ行け」

男「倉庫?それってどこ……」

老人「とにかくじゃ、絶対に死ぬんじゃないぞ、どんなことがあってもお前さんらを容赦なく襲ってくるから……な……」フラッ

男「……ジイさん?」

老人「」ガクッ

男「ジイさん!?」

老人「ん……」

男「おお……良かった、いきなり倒れるからビビったぜ……」

老人「!?離せバカタレめ!!」バッ

男「うわっ……え!?」

老人「なんじゃお前、わしになんの用じゃ!?」

男「なんの用って……アンタが話しかけてきたんじゃ……」

老人「わしがお前に話しかけた!?そんな記憶どこにもありゃせんわい!!」

男「えー……」

老人「つまらんことで話しかけるな!!わしは気が立っとるんじゃ、あそこの『ラバー・ダック』気取りの騒音のせいでおちおちラジオも聞けやせんからな!!」ビシッ

トラック「」ドドドド…

男(言うほど騒音か?っつか、ここじゃないとダメなのか、ジイさん)

老人「全く、これだから最近の若いもんはどうたらこうたら……」カツカツカツ…

男(結局なんだったんだ)

――コテージ

男「ただいまー、買ってきたぞ」

チャーリー「おお……あん?やけに大荷物だな」

男「ああ……ガソリンだよ、もし車になにかあったら大変だからな」

男(あの老人が言ってたことも気になるし……皆に言ってもどうせ信じないだろうけど)

チャーリー「ふーん……まぁいいや、リビングに来いよ」

男「ん?なんかあるのか?」

チャーリー「パーティの時間だ」

ちょっとだけ投下

――コテージ、リビング


ズンズンズン……♪


チャーリー「ん……」チュ…

シガニー「んん……はあん……ん……」チュ…

男「よくもまあ飽きずにイチャイチャ出来るぜ……なあジョデル?」

ジョデル「……」

男「……ジョデル?」

ジョデル「……あ、ご、ごめん、ちょっとボーとしちゃってて」

男「大丈夫か?風邪薬飲む?」

ジョデル「いや、いいの、大丈夫、それにビールも飲むし」

男「ああ、それもそうだな」

ジェイミー「皆ー、ビールとワイン、持ってきたわよー」

チャーリー「おおー待ってたぜ!」

マイケル「いよいよ盛り上がってきたね」

マイケル「じゃあ……乾杯!」

皆「かんぱーい!!!」

男(パーティか、そいや、俺今日誕生日だったな……!?)

男(……ここが映画の中だってことも忘れてた)

男(結局、俺はここから出られるんだろうか?そもそも、ここから出る方法なんて本当にあるんだろうか)


老人『絶対に死ぬんじゃないぞ!!』


男(あの老人の言葉……一体どうゆう意味なんだ)




男(……あいつら、今頃どうしてるんだろう)

――現実世界、男友の車


ブロロロロロロロ……


男友「まだ繋がらないのか?」

女「うん……何回もかけてるんだけど……」

男友「気づいてないだけだろ、心配するなって」

女「うん……」

男友「……プッ」

女「どうしたの?気持ち悪い」

男友「ぐっ……い、いや、今の台詞、ホラー映画じゃフラグだなーって」

女「フラグって?」

男友「フラグを知らないのか!?」

女「うん」

男友「本当に知らないのか……いいか、フラグっていうのは……」

女(ヤバ、なんか変なスイッチ押しちゃったよ)

――コテージ、リビング


バシャッ


マイケル「あ、ビールこぼしちゃった……ん?」チラッ

マイケル「……なあ皆、ちょっと見てくれ」

男「?」

チャーリー「あ?どうした?」

マイケル「いや、ここの床にさ、変な扉があるんだ」

ジェイミー「なになに?」

マイケル「ほらこれ見てよ」

ジェイミー「……もしかして、地下室?」

シガニー「かもね」

チャーリー「お前の親父の小屋だろ?なんか聞かされてないのか?」

マイケル「だって父さんと会う機会なんてそうそうなかったし……」

チャーリー「まぁいい、開けてみようぜ」

ギィィィィィィ……


男(おお……)

マイケル「わあ……」

チャーリー「ワオ、こりゃすげぇ、マジで地下室だ」

シガニー「なんか不気味ね……」

チャーリー「は、ビビってんのか?」

シガニー「当たり前じゃない」

ジェイミー「真っ暗でなんも見えないわ」

チャーリー「ちょっと降りてみようぜ」

マイケル「マジ?」

シガニー「いやよこんなとこ……」

チャーリー「ったく分かったよ、俺がとりあえず様子見てくる、お前らはそこで待ってろ」

シガニー「大丈夫なの?」

チャーリー「ああ、すぐに戻る」

********


ジェイミー「……遅いわ」

マイケル「なにかあったのかな」

シガニー「やめてよマイケル」

ジョデル「大丈夫かしら……」

男「仕方ない、俺が確かめてくるよ」

ジョデル「危ないわブルース」

ジェイミー「そうよ、止めた方がいいわ」

男「でもこのままじゃあいつが心配だ」

ジョデル「じゃあ、私も一緒に行く」

男「ダメだ、なにがあるか分からない」

ジョデル「でも……」

男「大丈夫」

ジョデル「……分かったわ」

男「じゃあ、行ってくる」

マイケル「気を付けろよ」

男「ああ」

ギィィ……ギィィ……


男(はぁ……とは言ったものの、なかなか来るものがあるな、階段が軋む音さえ不気味に感じる)

男「おーい、チャーリー!」


シーン……


男「いるなら返事しろー!」


ギシ……ギシ……


男「チャーリー!出てこーい!」

男(くそ……懐中電灯もってこりゃ良かった……)

********


男(ん……ドアがある)サッ


ガチャ


男(あれ?開かないな)ガチャガチャ


?「ワッ!!!」

男「うわっ!!?」ビクッ

チャーリー「よっしゃ、二度目も成功!」

男「お、お前ふざけんなよ……マジでビビったぞ今の」

チャーリー「知るかよ、ビビる方が悪い、電気つけるぞー」カチッ


パァァァァ……


男「あのなあ……」

チャーリー「とりあえずあいつらを呼んでこようぜ」

男「ったく……はいはい」

マイケル「うわぁ……こんなところがあったなんて」

ジェイミー「上より色んな物が置いてあるわ」

シガニー「相変わらず埃はスゴいけどね……」

チャーリー「お前の親父、ここで何をしてたんだよ」

マイケル「だから知らないって、この地域について調べてたってざっくりしたことしか分からないよ」

チャーリー「こんなとこで何調べるってんだよ」

男「おい皆見てくれ、机の上に本がある」

チャーリー「本?そんなものがなんだってんだ?」

男「」ペラペラ…

男「これ名前かな……『ババ・クルーガー』……って書いてあるけど」

マイケル「父さんの名前だ!!」


タッタッタッ……


マイケル「……」ペラペラ…

チャーリー「おいマイケル独占すんなって、なんて書いてあるんだよ」

マイケル「……この地域の歴史について……だね」

チャーリー「なんだ、つまんねぇの」

マイケル「ん?後ろのページになにか書いてある……」

シガニー「なにが書かれてるの?」

マイケル「ちょっと待って……『これを読んでいる者がいるなら、このコテージへ足を踏み入れたということだろう』」

マイケル「『私はここの歴史を調べていく上で、大変な事実を知ってしまった』」

マイケル「『最初はこのコテージの近くにある湖の底に眠る小規模の遺跡について調べるつもりだった』」

マイケル「『だが、仲間と湖について調べるうちに、大変なものを見つけてしまった』」

マイケル「『10歳ほどの少年たちの死体だ』」

シガニー「!?」

ジェイミー「うそ……」

マイケル「『調べると、数日前から行方不明だと思われていた少年ららしい』」

マイケル「『何者かに誘拐され、湖に沈められたようだ』」

マイケル「『犯人は未だ捕まっていない、どんな人物かも分からないらしい』」

マイケル「『その後から度々、人が死ぬ事件がこの湖の近くで続出しているようだ』」

マイケル「『ここは呪われている、早急に立ち去った方がいい、君たちの命を惜しむなら』……」

シガニー「なにこれ……」

ジョデル「酷い……」

ジェイミー「もしかして、マイケルのパパって……」

マイケル「ち、違うよ、父さんは病気で亡くなったんだ」

ジェイミー「……ね、ねえ、もう帰った方がいいんじゃない?」

チャーリー「おいマジかよ、せめて一泊ぐらいさせろって、こんなもんに怯えて帰るなんてバカみたいだ――いっ!?」

男「!?ど、どうしたんだ!?」

チャーリー「つぅ……いや、頭痛がしただけだ、ビール飲み過ぎたらしい」

シガニー「驚かさないでよ……」

ジェイミー「は、早く上に戻らない?私早くシャワー浴びて寝たいわ」

マイケル「だね、そうしよう」

男(もしかして、老人が言ってたのって……い、いや、まさかな)

>>75

数日前ではなく、数ヶ月前です

――リビング


ジェイミー「じゃあ、シャワー浴びてくるわ」

シガニー「長湯してのぼせないでよー、あんた長いんだから、この前の大学の旅行の時だって……」

ジェイミー「分かってるわよ、すぐに出るわ」


スタスタスタ……


マイケル「……あ!ジェイミー待って!」


タッタッタッ……


チャーリー「はっ、なんだアイツ、ジェイミーと風呂でも入る気か?」

シガニー「はあ……」

チャーリー「おいシガニー?」

シガニー「……あれ、本当なのかしら?」

チャーリー「またそれかよ……聞き飽きたぜ」

シガニー「……」

チャーリー「……ち、気晴らしにロックでも流すかな」ポチッ


ジャカジャカジャカ♪

――洗面所


ジェイミー(……入る前に歯でも磨こうかな)ガチャ

ジェイミー(確か歯ブラシは鏡の扉の中に……あった!)パシッ


バタンッ!


ジェイミー「ん……?きゃあ!?」

マイケル「あ、ご、ごめん!脅かすつもりはなかったんだ……」

ジェイミー「な、なに、マイケル?……もしかして、私の裸を見に来たわけ?」

マイケル「違う、違うよ!ちょっと話があって……」

ジェイミー「フフ、そんな度胸が無いことぐらい分かってるわよ、慌てすぎ」

マイケル「ハ、ハハ……」

ジェイミー「で、用って?」

マイケル「あの……さ」

マイケル「今度の日曜日……その……一緒に食事とか、一緒に買い物したりとか……しない?」

ジェイミー「……つまり、デートしようってこと?」

マイケル「ま、まあ、そゆこと……ダメかな?」

ジェイミー「……残念」

マイケル「そっか……」

ジェイミー「先に言われちゃうなんて」

マイケル「……え?」

ジェイミー「まさかマイケルにそんな勇気があったとはねー」

マイケル「じゃあ、オッケーってこと!?」

ジェイミー「そゆこと」

マイケル「やった!やったー!」

ジェイミー「アハハ、どんだけ喜んでんの」

マイケル「いや、ついはしゃいじゃって……」

ジェイミー「じゃあ、一緒にお風呂の中でデートしてみる?」

マイケル「そ、それはその……」

ジェイミー「冗談よ、何本気にしちゃってんの?」

マイケル「勘弁してくれよ……じゃあ俺、トイレ行ってくるから」

ジェイミー「"下"準備?」

マイケル「あのね……」

ジェイミー「アハハ、いってらっしゃーい」



ジェイミー「……残念、お風呂は早かったか……」

――リビング


男(……やっぱり不安だ、皆にいった方がいい)

男「なあ皆、やっぱ今すぐ帰らないか?」

チャーリー「おいおいぃ、お前までそんなこというのかぁ?」

男「あのガソリンスタンドに居たジイさんに言われたんだ、今夜、惨劇が起こるって」

チャーリー「なんであいつにそんなことがわかんだよ……まさか、そのイカれジジイが犯人かぁ?」

シガニー「や、やめてよ」

チャーリー「だったら余裕だなぁ、あんな老いぼれジジイ、俺が返り討ちにしてやるぜぇ、ヘっヘっヘっ!」

男「あのなぁ……それに、実際に殺人事件が起きてるんだろ?俺たちも今頃狙われてるかも……」

チャーリー「だぁかぁらぁ、一泊してから帰ればいいだろぉ?お前らビビりすぎだって……」

男(クソ……やっぱり信じてもらえないか……)

チャーリー「まーいいや、俺トイレ行ってくるわ……」パシッ

シガニー「ちょ、まだビール飲む気?しかもトイレで?」

チャーリー「うっせー、ビールはどこで飲んだってうめぇんだよ……」フラッ

シガニー「しかも千鳥足だし……飲み過ぎよ」

チャーリー「お前も来るかぁシガニー?トイレでファッキンベイベー!ヘッヘッヘッ!」

シガニー「一人でファッキンしてなさいよ、酔っぱらい」

チャーリー「ったく……ノリがわりぃなぁ……」フラフラ…

********


ガチャ


チャーリー「あん?」ガチャガチャ

マイケル「入ってるよー」

チャーリー「なんだぁ、お前まだシコッてるわけ?」

マイケル「だからしてないって!」

チャーリー「ムキになんなって……へへ」

マイケル「なってないよ!」

チャーリー(しゃあねぇ、外で立ちションしてくるか)


********


テクテク……


チャーリー「アーイ……アーイ……フィーライカモンスター……♪」フラフラ…

チャーリー「よーし、この木に決めたぜ……」

チャーリー「アーイ……アーイ……フィーライカ……♪」ジィィィ…

チャーリー「モンスター……♪」チョロロロ…

チャーリー「ワオ、大量!俺の"モンスター"はそうとう酔ってるらしい……だが、もっとお前を酔わせて……あれ?」カリッ…カリッ

チャーリー「開かねぇ……」カリッ…カリッ

チャーリー「だあああクソッタレ!!」ブンッ


カーン!!

コロコロコロ……


チャーリー「俺の言うことを聞かねえビールちゃんはそこでくたばってな!」

チャーリー「……あ、やべ、まだ出る」チョロロロ…

少しだけ投下

――リビング


ジャカジャカジャカ♪


男(どうする……このままじゃマジでなにか起こるかもしれないぞ……かといって、下手なことしたらこの映画を完結出来なくなるかもしれないし……どうすりゃいいんだ)

ジョデル「ブルース?」

男「……え?な、なに?」

ジョデル「どうしたの?スゴい汗だけど……」

男「え……うわ!?ヤバ……」

シガニー「本当じゃない、大丈夫?」

男「あ、ああ……」


スタスタスタ……


マイケル「ふぅ……スッキリした」

シガニー「あれ?チャーリーは?」

マイケル「?知らないよ、さっきトイレに来てたけど」

シガニー「アイツ外でしてるんじゃないんでしょうね……」

――バスルーム


サァァァァァ……


ジェイミー「フンフフンフフーン♪マイケルとデート♪マイケルとデート~♪」ゴシゴシ


ギィィィィィィ……


ジェイミー「フンフフンフフーン♪」ゴシゴシ


ベタ……ベタ……


ジェイミー「マイケルと~♪デート~♪」ゴシゴシ


ベタ……ベタリ

ジェイミー「ランラランララーン♪」ゴシゴシ



?「」フシュー…フシュー



カーテン「」シャアアアッ!!!


ジェイミー「!?」


?「……」フシュー…フシュー


チェーンソー「」ギュイイイイイン…!!

ジェイミー「キャアアアアアアア!!!!」


ブシャアアアアアア!!!


ジェイミー「いやあ"あ"あ"アあああアあああアあ!!!???」


スパンッ!!


ジェイミー(腕が……私の腕が切られ……!!!)


グチャグチャグチャグチャアアアア!!!


ジェイミー「あ"ア"あ"あ"アああアああア!!!!???」ブシャアアア…

ジェイミー(痛い痛い痛いイタい痛いい"たいい"い"いいい!!!!???)


ギュイイイイイン!!!


?「……」フシュー…フシュー


チェーンソー「」ドドドド…

ジェイミー「あが……あ"あ……げほっ……」ビチャビチャ

ジェイミー(おふろのなか……ちだらけ……まいける……たすけ……て……)ガクッ



?「」フシュー…フシュー



カーテン「」シャアアア…



ベタ……ベタ……

ギィィィィィィ……





バタンッ!

――リビング


ジャカジャカジャカ♪


シガニー「……チャーリー、遅いわ」

シガニー「ちょっと様子見てくる」

マイケル「気を付けてね」

シガニー「どうせ外で酔いつぶれてるのよ」

シガニー(そうよね……きっとそう)


スタスタスタ……


********


――廊下


シガニー(全く……変なときにどっか行っちゃうんだから)

玄関「」コンコン

シガニー「!?」ビクッ

シガニー「だ、だれ?」

玄関「」コンコン

シガニー「……チャーリー?」

――コテージ、廊下


シガニー「誰なのー?」


スタ……スタ……


シガニー「どうせチャーリーなんでしょー?」

シガニー「……ちょ、ちょっと、返事しなさいよー!」


スタ……スタ……


シガニー「あ、開けるわよー?」サッ


********


――現実世界、男の部屋、廊下


男友「男ー!」

女「いるのー?いないのー?」



男友「……あれ、なんか音が聞こえる」

女「……ホントだ、リビングからだ」


スタ……スタ……


男友「男ー!そこにいるのかー?」


スタ……スタ……


女「もしかして、気づいてないだけかな?」

男友「だったら……ちょっと『サプライズ』仕掛けてみる?」つクラッカー

女「……いいねぇ」パシッ


スタ……スタ……


女「そーっと……そーっと」サッ


ガチャッ!

>>90 すいませんこっちが先です


――現実世界、アパート


玄関「」コンコン

男友「男ー!来たぞー!」コンコン

女「道が混んでて結局一時間ぐらいかかっちゃったけど、男怒ってるかな?」

男友「アイツはそれぐらいでキレないよ、男ー!」コンコン

女「……いないのかな?」

男友「まだビデオ店にいるのか……?」ガチャ

男友「あれ……開いてる」

女「え?」


ギィィィィィィ……


女「お、お邪魔しまーす……」

男友「あ、男の靴だ」

女「あれ、出掛けたんじゃ?」

男友「でもドアも開いてるし……とりあえず入ってみよう」

男友・女「「男ー!誕生日おめでとー!!」」パンパーン!


シーン……


女「……あれ、ホントにいない、やっぱ出掛けてるみたい」

男友「なんだ、サプライズ失敗だな」

女「じゃあ男が帰ってきた時にリベンジだね」


********


――コテージ、玄関前


シガニー「あれ……誰もいない……」


スタスタスタ……


シガニー「……空耳だったのかしら」


?『シガニー……』


シガニー「!?誰!?」


?『シガニー……』


シガニー「……チャーリー?そこにいるの?」

お待たせしました
少しだけですが投下

――森の中


シガニー「チャーリー!チャーリー!そこにいるのー!?」


?『シガニー……』


シガニー「か、隠れてないで出てきてよ、かくれんぼはもうお仕舞い!」


?『シガニー……』


シガニー「いい加減にしないと怒るわよ!」

シガニー「……チャーリーチャーリーチャーリーチャーリーチャーリー!!」


ガサッ


シガニー「きゃあ!?」バッ


ネコ「ニャー」タタタ…


シガニー「な、なんだ、ネコちゃんか……」フゥ…

?「シガニー!!」

シガニー「きゃあ!?」ビクッ

シガニー「……って、チャーリー!」

チャーリー「お前はホント怖がりだなぁ……へへ」

シガニー「やっぱりアンタだったのね……次はなに言われたって驚かないんだから」

チャーリー「そう言うなって……こっちこいよ」

シガニー「なに?」


ドンッ


シガニー「きゃあ!」バタッ

シガニー「な、なに、私を押し倒して……」

チャーリー「一度、こうゆうとこでやってみたかったんだよ」ヌギヌギ

シガニー「ま、マジ?」

チャーリー「ああ……大マジだ……ん」チュ

シガニー「んん……!?酒臭っ!やっぱ酔ってるんでしょ!」

チャーリー「お前はこうゆうとこでやってみたくないのか?」

シガニー「だって誰か来たら……」

チャーリー「は、誰も来ないし、誰も見てないさ……ん」チュ…

シガニー「ん……はあ……んん」チュ…



?「……」フシュー…フシュー

――コテージ、リビング


ジョデル「シガニーとチャーリー、大丈夫かしら……」

マイケル「大丈夫だよ、チャーリーに関しては尚更、どんな『危険な遊び』をしでかしたって悪運で生き延びちゃうような奴だ、正に『崖っぷちの男』さ」

男「そりゃ頼もしいな」

マイケル「そんな奴が付いてるんだぞ?シガニーだってそうそう転びはしないよ」

チャーリー「よし、じゃあお前が上だ」ガサ

シガニー「ふふ……なにさせる気よ?」

チャーリー「もちろん、ロデオさ」


――現実世界、リビング


女「あ……TV付いてる」

男友「ん?映画かな?」


TV『ほら、脱げよ』

TV『もう……変態ね』ヌギヌギ


男友「……」

女「……」

男友「……AV?」

女「シーッ!」

シガニー「」ポロン

チャーリー「ワオ……熱くなってきたぜ……」

シガニー「ロデオの時間よ……あぅん」フリフリ

チャーリー「おお……スゲー腰ふり……」

シガニー「あん……んん……」フリフリ

チャーリー「お前は最高のカウガールだぜ……」

シガニー「当たり前じゃない……」フリフリ

チャーリー「おお……勃ってきた……」ムクムク


?「……」フシュー…フシュー…


――現実世界、リビング


男友「はは!なんだ」

女「どうしたの?」

男友「これ、ホラー映画だよ」

女「ホラー映画?」

男友「ああ、こうゆうのはよくあるシチュエーションなんだ、これはなんの奴だろう……」

――森の中


チャーリー「へへ……そろそろ始めるか――いっ!?」


チャーリー『おい、シガニー後ろだ!』

シガニー『チャーリー、もう騙されないんだから……きゃああああああ!!?』グシャッ


チャーリー「!?」

シガニー「どうしたの?」

チャーリー「い、いや、今なんか見えて……!?」


?「……」フシュー…フシュー…


チャーリー「シガニー、後ろだ!!」

――現実世界、リビング


女「キャー!後ろ!後ろ!」

男友「後ろ向いて!」


――森の中


シガニー「は、チャーリー、もう騙されないんだから」


?「……」

チェーンソー「」ギュイイイイイン!!

ブンッ!


チャーリー「クソ……伏せろ!」ガシッ

シガニー「え……きゃあ!?」


?「……」

チェーンソー「」ドドドド…


シガニー「ど、どうして分かったの!?」

チャーリー「いいから早く逃げるぞ!」


タッタッタッ……

ガシッ!


チャーリー「離せサイコ野郎!!」ブンッ


ズルッ!


チャーリー「うわっ!?(クソ、崖かよ!?)」

シガニー「チャーリー!?」

チャーリー「うわああああああ……!!」

シガニー「チャーリー!!!!」


ゴッ!


チャーリー「うっ……」ガクッ

シガニー「い、いや……なんで……」


?「……」フシュー…フシュー…

シガニー「いや、来ないで!!」


タッタッタッ……


?「……」フシュー…フシュー…

シガニー「はぁ……はぁ……!」


シガニー(あの木の影に隠れればやり過ごせるかも……!)ササッ


シガニー「はぁ……はぁ……」チラッ

シガニー(ここまで来れば大丈夫なはず……)

シガニー「……どうやら撒いたみたいね……」フゥ…


ガサッ


シガニー「!?」バッ


?「……」フシュー…フシュー…


シガニー「きゃああああああ!!?」


タッタッタッ……

――コテージ前


シガニー(コテージが見えた!早く……!)


ガッ!


シガニー「きゃあ!?」ドサッ


シガニー(もう、なんでこんなとこに木の根が……)


ガサッ


シガニー「きゃあ!?」


?「……」フシュー…フシュー…


チェーンソー「」ドドドド…


シガニー「あ……あ……(ウソ、腰が抜けて動けな――)」


?「……」フシュー…フシュー…


グサッ!


シガニー「ウッ!?」


?「……」フシュー…フシュー…


シガニー「が……ぐは……(ま、まさか、チェーンソーを突き刺したまま……そんな、やめ――)」


ギュイイイイイン!!!


シガニー「あ"ア"あ"あ"アああアああああアあ!!!???」


ブシャアアアアアア!!!!

グチャグチャグチャグチャ!!!


シガニー「あ"ア"あ"あ"アあああ※▲◎≒♯!♀℃%☆♂!!!!」


ギュイイイイイン……


ズポッ


シガニー「が……!」ブシャア…


?「……」フシュー…フシュー…


チェーンソー「」ドドドド


シガニー「……」バタッ


ベタ……ベタ……

――コテージ、リビング


マイケル「ジェイミー、やけに長いな、チャーリーもシガニーも遅いし」

ジョデル「心配ね……」

男「……皆でジェイミーの様子を見てこないか?」

マイケル「そうだね、そうしよう」

男(なにか……嫌な予感もするし)


********


――洗面所前


マイケル「ジェイミー?」コンコン

マイケル「……あれ、ジェイミー?」コンコン

マイケル「……返事がない」

ジョデル「中に入って様子を見てくるわ」

マイケル「頼むよ」

ギィィィィィィ……


ジョデル「ジェイミー……きゃあ!?」

男「どうした!?」

ジョデル「な、なに……血が……」

マイケル「な、なんだよこれ……床が血まみれじゃないか!」

ジョデル「ジェイミー!大丈夫なのー!?」


バスルームのドア「」ガチャ!


ジョデル「……!?なにこれ……カーテンに血文字が……」

マイケル「『Problem for everyone(お前たちに問題だ)』……」

男「問題……?」

ジョデル「……カーテンを開けるわ、いい?」

マイケル「……ああ」

男(ま、まさか……)


カーテン「」シャアアアアッ!


ジェイミー「」ポタ…ポタ…


バスルームの壁『Who's next?(次は誰でしょう?)』


ジョデル「!?」

男「な……!?」

マイケル「ウ、ウワアアアアアアアア!!!!」


ガシッ


マイケル「う、嘘だ!!ジェイミー!!ジェイミー!!!!」ユサユサ

――コテージ、リビング


マイケル「」ガタガタガタガタガタガタ

ジョデル「一体……なにが起きてるの?」

男「分からない……だけど、早く二人を探して、ここから逃げた方がいい」

ジョデル「そうね、マイケル、早く……マイケル?」

マイケル「」ガタガタガタガタガタガタ

男「お、おい、マイケル?」

マイケル「」ガタガタガタガタガタガタ

男「マイケル!」

マイケル「!?な、なに!?」ガタガタガタガタガタガタ

男「聞いてただろ?早くここから逃げよう」

マイケル「い、いい、嫌だ!!」ガタガタガタガタガタガタ

男「え?」

マイケル「お、俺は、ここから動かないぞ、殺人鬼のいる森の中になんか、絶対いくもんか!」ガタガタガタガタガタガタ

男「だけど、このまま動かなかったら……」

マイケル「き、きききっと、誰か、助けに来てくれる……そう!そうさ!だ、誰か助けに来るよ、きっと……!!」ガタガタガタガタガタガタ

投下します
亀更新ですみません

男「あのなあ……お前の気持ちも理解したいけど、ここは携帯も通じないような山奥だぞ、こんな辺鄙な場所、誰が助けに来るって言うんだ」

ジョデル「……待って、確か、朝に巡回中の警察に会ったでしょ?あの人に助けを呼んでもらいましょう?」

男「そういえば……!でも、まだ巡回してるとは限らない」

ジョデル「そうね……とにもかくにも、この場所から動かないと」

男「だからマイケル……」

マイケル「……お、俺はいかないからな!」ガタガタガタガタガタガタ

男「……そうか、じゃあ、そこで「一人」で待ってるんだな」

マイケル「ああ!……え?」

男「お前も勇気ある奴だな、こんなところに一人で残るなんて」

マイケル「……」

男「じゃあ俺たちは……」

マイケル「待って!」

男「……」

マイケル「……一人は嫌だ!」

男(単純な奴だ)

――現実世界、リビング


女「ねえ、男友」

男友「なんだ?」

女「この人、男に似てない?」

男友「……ホントだ、めちゃくちゃ似てる……」

女「もしかしてホントに男だったりして……あれ……」

男友「どうした?」

女「なんか……意識が……」バタッ

男友「女!?大丈夫……う……」バタッ

――コテージ、玄関


ギィィィィィィ……


男「……よし、誰もいない……なっ!?」

ジョデル「どうしたの……!?うそ……」

マイケル「!?うそだろ……!!」


シガニー「」グチャア…


マイケル「クソ、なんでこんなことに……もしかしてチャーリーも……」

男「分からない、でもあいつがもし生きてるなら、黙って置いてくわけにはいかない」

ジョデル「そうね……」

――しばらくして、森の中


男「……クソ、どこにも見当たらない」

マイケル「やっぱり殺されたんだよ……ジェイミーとシガニーを殺した奴が……」ガタガタ

男「……仕方ない、このままじゃ埒があかない、手分けして探そう」

ジョデル「そうね、いい考えだわ」

マイケル「嘘だろ!?一人は嫌だ!!」

男「言うと思ったよ……じゃあこうしよう、俺が一人でチャーリーを探してくる、二人は車に行ってろ、出来たら助けも呼んでくれ」

マイケル「なっ、そしたらお前が危ないじゃないか、ブルース!」

ジョデル「そうよ」

男「大丈夫、それに、この方が効率がいいだろ?……そうだ!」ガサゴソ

マイケル「……?なにそれ」

男「ガソリンスタンドで会ったジイさんに貰ったんだ、このトランシーバーを」

ジョデル「……へぇ」

マイケル「やけに用意周到だな、そのジイさん」

男「ま、まあ怪しいっちゃ怪しいけど、無いよりマシだろ?」

ジョデル「……そうね、一つ貸してくれる?」

男「ああ」サッ

男「なにかあったらこれに連絡をしてくれ、こっちもチャーリーを見つけたり、危なくなったらそっちにかける」

マイケル「ああ……気を付けて」

男「お互いな」

********


男「チャーリー!チャーリー!」

男(ホントに見つからないな……マジでくたばってたら洒落にならないぞ)

男(このまま大声を出してたら誰かも分からない殺人鬼に見つかるかもしれないし……だいたい、なんでこんなことになったんだ)

男(……そうだよ、AVだと思って見た俺がバカだったよ)


ガサッ


男(!?)


ガサガサッ


男(今のは……チャーリーなのか?)

********


マイケル「……ブルース、大丈夫かな」

ジョデル「じゃあマイケルがチャーリーを探す?」

マイケル「……ごめん」

ジョデル「いいのよ、ジェイミーを失って辛いのも分かるし、それに……」

マイケル「?」

ジョデル「……ううん、なんでもない」


ガサッ


マイケル「!?」


ガサガサッ


ジョデル「……マイケル、聞こえた?」

マイケル「う、うん……もしかして、チャーリーか?」

ジョデル「分からない……もし違ったら危ないわ、バレないように音の方へ近づいてみましょう?」

マイケル「ま、まさか、その、もし違ったらどうするんだ!」

ジョデル「逆にチャーリーだったらどうするの?彼はずっとここをさ迷うことになるのよ?」

マイケル「……わ、わかったよ、行ってみよう」

ガサッ


男「チャーリーか?」


ガサッガサッ


男「チャーリー……なのか?」


タッタッタッ……


チャーリー「ブルース!!」

男「はぁ……良かった」

チャーリー「良くなんかねぇよ、さっさとこっから逃げるぞ!畜生め、シガニーが……」

男「ああ、知ってるよ……」

チャーリー「なんでシガニーが殺されなきゃなんねぇんだよ……」

男「その頭のケガ、やられたのか?」

チャーリー「いや違う、滑って落ちてぶつけた」

男「は?」

チャーリー「だから……いやそんなことはいい、他の奴等は?」

男「……マイケルとジョデルだけだ」

チャーリー「ジェイミーもかよ……クソ、一体なんなんだアイツは」

男「アイツって……殺人鬼を見たのか?」

チャーリー「仮面を着けてたから誰だかは知らないけどな……チェーンソーを持ったデカイサイコ野郎だ」

男「チェーンソー……マジかよ」

チャーリー「ああ……おかげで酔いが覚めた、だからさっさと――」

男「ああ待ってくれ、二人に連絡しないと」ガチャガチャ

チャーリー「お前、いつのまにそんなもん……」

男「お前の言うイカれジジイに貰ったんだよ」

チャーリー「ったく……人間不信になりそうだ」

ガサガサッ


マイケル「……」

ジョデル「……」


ペタ……ペタ……


マイケル「……うわっ!?」ズルッ


ドテッ

ガチャ


ジョデル「マイケル!?」

マイケル「いてて……なんでここだけこんなに濡れて……」


ピ――ガガガキュルキュル!


マイケル「な、なんだ!?」

ジョデル「トランシーバーよ!早く切って!」

マイケル「う、うん――」


ガサッ


ジョデル「!?マイケル、後ろ!」

マイケル「!?」バッ


?「……」フシュー…フシュー…


マイケル「ウワアアアアアアアア!!!!」

タッタッタッ……


マイケル「はぁ……はぁ……!!クソ、クソ!」

ジョデル「!?マイ
ケル、あそこになにかあるわ!」

マイケル「……!車だ!あそこに隠れよう!」

ジョデル「ええ!」


タッタッタッ……


マイケル「!やった、パトカーだ!」

ジョデル「ホント!?」


タッタッタッ……


マイケル「た、助けて、そこに殺人鬼が……!?」


ピタッ


マイケル「そ、そんな……誰も乗ってないなんて」

?「なんで誰も乗ってないか、教えてほしいか?」

マイケル「!?」バッ

ジョデル「マイケル危ない!」

?「それはなあ……」



ベン「私が犯人だからさ……!」ギュイイイイイン!!!


マイケル「嘘だろ……」


ギュイイイイイン!!!

ブンッ


マイケルの首「」スパンッ

ジョデル「キャアアアアアアア!!!」

「キャアアアアアアア!!!」

男「!?ジョデルの声!?」

チャーリー「ヤバイ、早く向かうぞ!!」


タッタッタッ……


ドカッ


男「わっ!?」バタッ

ジョデル「きゃあ!?」バタッ

チャーリー「ジョデル!?」

男「じょ、ジョデル!なにがあった!?」

ジョデル「あ、あそこにいる男が、マイケルを……!」


ベン「待ってろ、治安を乱すクソガキどもぉ!!私が根っから叩き直してやるっっっ!!」ギュイイイイイン!!!


チャーリー「な、クソポリ公じゃねぇか!?」

男「ま、まさかあいつが殺人鬼だったなんて……早く逃げよう!」

チャーリー「クソったれ……武器がチェーンソーで良かったぜ……銃とかだったら――」


シュンッ

グシャア!!

チャーリー「が……は……!?」ドサッ

男「チャーリー!?(ゆ、弓矢……!?)」

チャーリー「ふ、ふざけんなアイツ……ボウガンは……反則だろ……ぐ……!!」

男「アホ、黙れ!!俺にもたれかかるんだ、一緒に逃げるぞ!!」

チャーリー「ぐ……」


********


タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……」

ジョデル「はぁ……はぁ……」

チャーリー「……もういい、やめろ……はなせ……!」バッ

ジョデル「チャーリー?どうして……」

男「お前、このままじゃあいつに……」

チャーリー「アホかよ、俺は……ぐ……足手まといはごめんだ……」

男「お前……」

チャーリー「……は、おい見ろよ、こんなとこに缶ビールが転がってやがる……」パシッ

チャーリー「お前らも飲むか?」

男「アホか……こんな状況で」

チャーリー「アホはお前だ……ビールはなあ、どんな時だってうめぇんだよ……」プシュウウウウ

チャーリー「……飲まなきゃやってらんねえよ、シガニーも、マイケルも、ジェイミーも、たった一晩で殺されちまった」

チャーリー「しかもこんな状況を作り出したのは、紛れもない、俺なんだからな……」

チャーリー「なにが一泊してから帰る、だ、クソ、先に俺がくたばれってんだ……」

チャーリー「……行けよ、早く……俺はこれ以上、お前らの足を引っ張りたくない」

ジョデル「でも……」

チャーリー「早く!」

男「……分かった、行こう、ジョデル」

ジョデル「……うん」


タッタッタッ……


チャーリー「……すまねぇ、ブルース、ジョデル」

ザッザッザッ……


チャーリー「……は、もう来やがった」

ベン「クク、なんだ、あいつらに見捨てられて、やけ酒か?」

チャーリー「……見捨てられて当然さ」

ベン「哀れなクソガキだ……まぁいい、どうせお前は、ここで死ぬんだからなぁ!!」ギュイイイイイン!!!

チャーリー「……」チラッ

缶ビール「」

チャーリー「……ああそうだ、殺される前に、一つだけお前に言っておくことがある」

ベン「……なんだ」

チャーリー「"アルコールには気を付けろよ"」

ベン「……どういう意味だ」

チャーリー「……こういう意味だ!!」ブンッ


バシャアッ!


ベン「ぐあっ!?目に……目にビールがぁぁぁ……!!!」


チャーリー「あー……そろそろタバコが吸いたくなってきた……火を付けないとな……」シュボッ

ベン「き、貴様、何を!?」

チャーリー「くたばれ、この……」



チャーリー「クソポリ公が」ファックサイン


ボオッ


ベン「ぐあああああああああああ!!!??」

ビールは火が付かない……!?
じゃ、じゃあ、視界を奪ってる隙に彼の服に引火させたみたいな感じで(笑)


ベン「焼けるぅぅぅぅ!!!焼けちまうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

チャーリー(……これで少しは、罪滅ぼしになったか……?)

チャーリー(ブルース、ジョデル……絶対ここから……抜け出して……うっ!?)


?『残念、ゲームオーバー』


チャーリー(!?……なんだ、今のフラッシュバック……)


?『君はもう、ここから抜け出せない』


チャーリー(ぐっ……ま、まさか……俺たちは……それに、あいつが……)


?『永遠に、この「映画」の中だよ』


チャーリー(クソ……もう意識が……)ガクッ


********


男「はぁ……はぁ……!?」

?「ぐあああああああああ!?」

ジョデル「この声!?」


ボオオオオオオオオ……


男(あの殺人鬼の悲鳴!?……まさか、チャーリーがやったのか!?)

男「はぁ……はぁ……」


ボオオオオオオオオ……


男「……やったか?」

男(……あれ、この光景、どこかで……!?)

シュンッ

男「うわっ!?」サッ


グサッ!


ジョデル「ブルース!?大丈夫!?」

男「あ、ああ……」

ジョデル「どうして弓矢が飛んでくるってわかったの!?」

男「分からない、けど、見えたんだ……」

男(待て、弓矢が飛んできたってことはまさか……)


ベン「ア"ア"ア"ア"アアアアアア!!!!」


男「……嘘だろ」

ジョデル「まだ……生きてる」

恥ずかしくて死にそうなので今日はここまで

ファイナルディスティネーション見てウォッカに火がつくならビールにも火がつくと思ったんだ……それだけなんだ……(震え声)

皆ありがとう……
ジャンルに助けられた感半端ないですけど(笑)

オマージュのつもりではあったんですが、まさか全く火の付かないもんだとおもってなかったんで……

それじゃあ、少しだけ投稿

――?


女「うぅ……」

女「え……ここどこ?真っ暗で何にも見えない……って、足冷たっ……ん?」キョロキョロ

女(四方に一つずつ明かりが……なんだろ、ろうそくかな?)


パッ、パッ、パッ……


女「うわっ、眩し……!」


ブゥゥゥゥゥン……


女(急に電気が……なにここ、壁も天井も床も真っ白……扉はあるけど窓は一つもない……え!?)ガチャガチャ

女(なんで私の足に枷が!?)

女(なんでこんなとこに……もしかして私、誘拐された!?嘘!?金持ちでもないのに!?)


ドンドンドン!!


女「きゃあ!?」

女(なに!?床から音が……)

男友「女ー!!」ドンドンドン

女「えぇ!?ちょ、そんなとこでなに寝そべってんの!?」

男友「寝そべってるわけないだろ!?気がついたらこんなガラス張りの棺みたいなとこに閉じ込められて……」


ブゥゥゥゥゥン……


?「ハロー、お二人さん」

男友「!?(部屋のスピーカーから音が!?)」

女「だ、だれ!?」

?「フフ、私のことを聞いてどうするのかな?警察にでも通報するつもりかな?」

?「……私のことなんてどうでもいい、まずは自分達の立場を理解することが大事なんじゃあないかな?」

?「まぁ敢えて名乗るなら、このホラー映画の主……『Horror Man(ホラーマン)』とだけ言っておくよ」

男友(結局名乗るのかよ)

女「……それってアンパン――」

ホラーマン「違う」

男友「『ホラー映画』……?どういう……」

女「……もしかして、あれじゃない?都市伝説の『呪いの映画』」

ホラーマン「ご名答、これがその『呪いの映画』だよ」

男友「そんなまさか、あれはただの都市伝説だ」

ホラーマン「火のないところに煙は立たない……という言葉を知らないかな?」

男友「でもどうしてそんなものが……まさか、俺たちが見てた映像は……」

女「だとしたら、あのときに写ってた男に似た人って!?」

ホラーマン「そう……私がこの映画に取り込んだ」

男友「!?お、おい、今男はどこにいるんだ!」

ホラーマン「彼は今、私の仕掛けたゲームを楽しんでるよ」

男友「ゲーム……?」

ホラーマン「いや、正しくは、私の製作したフィクションの主演を演じてくれている、といったところかな」

ホラーマン「命を賭けて、ね?」

女「そんな……なんでそんなことを……」

ホラーマン「なんで?ハハ、まさか、『動機』を聞くつもりかな?」

ホラーマン「……ホラーの巨匠、スティーブン・キングはこう言っていた、『ホラー映画において、動機なんてなんでも構わない』ってね?それに、理屈や根拠といった明確した事実がはっきりしない、つまりそれ自体のそもそもの発端が『謎』である方が、返って不気味でしょ?」

女「……はい?」

男友「なるほど、そうだね」

女「ちょ、今の意味不明な説明で納得したわけ?」

男友「なにいってるんだ、ホラー映画の定義じゃないか、動機なんて無意味なんだよ」

ホラーマン「なかなか物わかりのいい青年だね」

女「いやいやいや、これはフィクションじゃないんだよ!?」

ホラーマン「いや、フィクションさ、この私の映画に入り込んだ時から、もう君たちも登場人物の一人だよ」

ホラーマン「……ただし、このゲームをクリアするまで、君たちは彼の物語の『番外編』に過ぎない」

女「どういう意味なの……」

ホラーマン「そのままの意味だよ、君たちは今、彼がいる場所とは外れた所に存在してる」

ホラーマン「ここから抜け出せばもれなく君たちは彼と同じ場所に立てるけど、このゲーム……フィクションを終わらせなければ、彼のフィクションへ登場もできないと共に、君たちの物語もここで終わる、つまり……」

ホラーマン「君たちはここで死ぬ、ってことだよ」

女「え……」

男友「……」

ホラーマン「どうかな、楽しくなってこない?ちなみに君たちに拒否権は無いよ、どのみちここを抜け出さないと、君たちのいた世界には帰れないしね?」

女「そんな……」

ホラーマン「御託はここまで、さっさとこのゲームの説明をしよう、あっちの物語がどんな結末を迎えるのか傍観することに忙しいんだ、本当はこういったことは私だけの『特等席』を用意して、一番近くで見ていたいんだけどね、生憎その時間はないから」

ホラーマン「見れば分かると思うけど、君たちに真四角の立方体型の部屋を用意した」

ホラーマン「彼の方には特別に、体に合わせた長方体型のガラス張りの箱……フフ、さっき言ってたように、正に「棺」のような場所を用意した……本当に君の棺にならないように気を付けてね」

男友「よく言うよ」

ホラーマン「で、肝心のゲームのクリア条件は『鍵』を見つけること」

女「鍵……?」

ホラーマン「深読みしなくていいよ、君たちのおもっているようなもので合ってる、ただの鍵だよ」

ホラーマン「そこら辺の床にいろいろな色の紙で出来たいろいろな形の四角い箱が散らばってるでしょ?」

ホラーマン「鍵は四角い箱の中にある、頑張って探しだしてね」

ホラーマン「それを見つけてここから抜け出すことが出来れば、ゲームクリア、どう?簡単でしょ?シンプルなのが好きなんだ」

ホラーマン「制限時間は五分……いや、正確に言えば、彼は三分かな?」

男友「……?」

ホラーマン「実はその棺にはある仕掛けがあってね、ゲームが始まるとそこから、「アルコール」が流れてくる」

男友「あ、アルコール!?」

ホラーマン「そう、それがその棺の中を満杯にする時間が、"三分"」

ホラーマン「フフ、残りの二分が気になるでしょ?」

ホラーマン「……彼の棺に、所々に通気孔みたいな穴があるでしょ?」

男友「……ああ」

ホラーマン「彼の棺を満杯にした後、その穴を伝ってアルコールが流れていく、そうすると、『最終目的地』はどこになると思う?」

女(穴から抜けて……部屋の角のろうそく!?)

ホラーマン「フフ、気づいたみたいだね?そう、最終的に、ろうそくにたどり着く、それまでの時間が、"二分"。あとは考えなくても分かるよね?」

ホラーマン「ちなみにろうそくを動かそうとしても無駄だよ、なんでかって?」

ホラーマン「君たちの足に枷が付いてるでしょ?」

男友「え……!?」

女「本当だ、男友にも付いてたなんて……」

ホラーマン「その足枷は、ガラスの棺を通じて、君たちの互いの足を繋いでる、それがある限り、出口にも、ろうそくにも絶対手が届かない距離しか動けない、紙の箱がある場所までが君の動ける範囲だよ」

ホラーマン「『鍵』は一つだけ、出口の鍵も、足枷の鍵も、ガラスの棺の扉を開けるための鍵も、全部同じ鍵だから」

ホラーマン「……これでだいたいのゲーム内容は分かったかな?じゃあ、せいぜい足を引っ張りあわないよう、気を付けてね?バイバーイ?」

男友「な……ちょっと待て……!!」


ブチッ


女「……」


ブゥゥゥゥゥン……


ホラーマン「あ、一つ言い忘れてたよ、男くんが現実世界に戻る方法を君たちだけに教えてあげる」

ホラーマン「あの物語を完結させるには、「殺人鬼」を倒すこと、それだけだよ。それが出来れば、彼は現実世界に戻ることが出来る」

ホラーマン「君たちがここから出られたら、それを男くんに伝えてあげなよ、だからと言って、男くんが殺人鬼を倒せるかどうかは、保証しないけどね」

男友「……なんでそこまで詳しく教えてくれるんだ?」

ホラーマン「私はね、「絶対に勝てないゲーム」は嫌いなんだ、だからこそ君たちを、ここへ呼び込んだ」

女「え……?」

ホラーマン「彼が今いる物語は、「ホラー映画のパターン」に沿って進行してる」

女「ホラー映画の……パターン?」

ホラーマン「そう、それさえ分かっていれば、彼はあそこから抜け出すことが出来る……ホラー映画好きな君なら、分かるんじゃないかな?」

男友「そういうことだったのか……」

女「……え、え?」

ホラーマン「でも彼は私が思った以上に……いや、とりあえず今はここまでにしておこうかな」

男友「?」

ホラーマン「伝えたいことはそれだけだよ、それじゃあ……『ゲームスタート』」


ブチッ

女「……ねぇ、ホラー映画のパターンって?」

男友「えーと、つまり……」


ビィィィィィィ

ガチャッ


女「え……なに今の音?」

男友「……?」


ドポドポドポ……


男友「うわっ!?」バシャバシャ

女「どうしたの!?」

男友「アルコールだ!!」

女「そんな、もう流れてきたの!?」

男友「い、いいから早く鍵を探してくれ!」

女「う、うん!」ガサゴソ

このスレのおかげでホラーが見たくなってミスト借りてきたわ

>>157
あっ...(察し)
で、どうでしたか(小声)

ミストいいっすよね、スティーブン・キング作品の中でも好きな作品です

それでは投稿

――森の中


タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……!」

ジョデル「はぁ……はぁ……!」

ベン「ア"ア"ア"ア"アアアアアア!!!!」


ギュイイイイイイン!!!


男「はぁ……!?あ、あそこになにかあるぞ!!」

ジョデル「!?倉庫よ!!」

男「(倉庫……!?)あ、あそこへ逃げ込もう!!」


タッタッタッ……

バタンッ!


――倉庫内


男「はぁ……はぁ……うわ!?な、なんだここ!?」

ジョデル「農具や工具だらけ……ショットガンまであるわ……!!」

男(まさかあの老人が言ってた倉庫って、ここのことか?)

ジョデル「なにか武器に使ったらどう!?」

男「そうだな、なにか扱える道具を……」

――謎の部屋


男友「クソ……全然身動きが出来ない……っつかクサッ!!鼻イタッ!!」

女「ない……ない、これも違う……!!」ガサゴソ

男友「ま、まだ見つからないのか!?」

女「今必死で探してるって!!見てるだけのくせに!!」ガサゴソ

男友「見てるだけって、アルコールで窒息しかかってるんだぞ!!だいたい全く動けないんだ、俺には君を見てる以外何も出来ないんだよ!」

女「なにそれ口説いてんの!?」ガサゴソ

男友「んなわけないだろ!!」

女「……あ!!」

男友「あったのか!?」

女「いや、この箱になんか紙が入ってた……」

男友「俺的には「かみ」じゃなくて「かぎ」を探してくれると嬉しいかな」

女「黙ってて!!……あ、裏になにか書いてある」

女「「それはうしろでもある」……どういうこと?」

男友「分からない……でもヒントっぽいよな、もっと探せばまたそういうのが見つかるんじゃないか?」

女「そうだね、探してみる!」

男友「ああ……ゲホッゲホッ!アルコールの臭いで死ぬ前に頼む」

――倉庫内


扉「」ドンドンドン!!


ジョデル「きゃあ!?」

ベン「私の倉庫に勝手入るなアアアアアアアアアア!!!!」


扉「」ドンドンドン!!


男「私の倉庫……?もしかして、これってあのイカれた警察官のコレクションか?」

ジョデル「まさか、これ全部凶器に使うために……とにかく、なにか武器を探して――」

窓「」ズゥン…

男「!?ジョデル、窓から離れろ!!」

ジョデル「え……!?」


パリィィィィィン!!!


ベン「ア"ア"ア"ア"アアアアアア!!!!」ガシッ

ジョデル「きゃあ!?か、髪を離して……!!」ジタバタ

女「あ!またあった!」ガサゴソ

男友「今度はなんて!?」

女「……「それはふたりにつうじる」」

男友「は?」

女「なんか……ヒントのせいで余計分かんなくなってきた……」

男「とにかく探し続けるしかないよ……ゲホッ、ゲホッ」

女「あ、あった!」ガサゴソ

女「「それはしかくのはこのなかだ」……死ねっ!!」バンッ!

男友「キレるなよ!!」

女「もう……なんでこんなことに……」ガサゴソ

――倉庫内


ジョデルの髪「」グイッグイッ

ベン「へへへへ……愚鈍なクソガキめ……お前を死刑にしてやる!!」ギュイイイイイン

ジョデル「いやああああああ!!!」

男「ジョデル!(な、なにか、武器を……!!」チラッ

男「!!手元にネイルガンが!!)」パシッ

男「これでも喰らえ!!」ガチャ


バシュンバシュンバシュン!!

グサッグサッグサッ!!


ベン「グアアッ!?頭に釘がぁ……!!!」バッ

ジョデル「きゃあ!!」ドサッ

男「ジョデル!!」


タッタッタッ……


ジョデル「うぅ……」

男「大丈夫か!?」

ジョデル「え、ええ、髪を引っ張られただけだから……」

男「良かった……」

――謎の部屋


女「……あった」

女「「それはりっぽうたいのはこにはない」……!やっとマシなのが見つかった!!」

男友「よし、じゃあだいぶ数は限られてくるな……うわっ!?」

女「どうしたの!?」

男友「い、いつの間にか半分くらいまで来てる……く、臭い……アルコールに溺れて死ぬなんて絶対やだぞ!!」

女「ま、待ってて!すぐに見つけるから……よし!」ガサゴソ

女「「それはいろのついたはこにはない」……やった!」

男友「残りは立方体じゃない白い箱だけか!」

女「やっと希望が見えてきた……あ、また紙だ!」

女「「「ことば」にまどわされるな」……どういうこと?」

男友「……まさか、嘘のヒントが混ざってるとか?」

女「そんなのもう手に負えないよ!」

男友「と、とりあえず他のヒント探してみて……うぷっ!?や、やばい!!もう上まで来てる!!ゲホッ……窒息する前に臭いで息がつまりそうだ……!!」

女「つ、通気孔から通る空気でなんとかして!」

男友「が、がんばる……」

――倉庫内


ベン「く、クソガキどもめえええええ!!!」ジタバタ

男「……ジョデル、離れてろ」

バールのようなもの「」パシッ

ジョデル「え、ええ……」


スタ……スタ……


ベン「ぐ、ぐうう……」

男「おい」

ベン「……!?」

男「死刑になるのはお前だ!!!」シュッ

――謎の部屋


女「……あ、あったよ!!……「「かぎ」はひとつだが、「しかく」はひとつじゃない」」

男友「ひとつじゃない……!!」

男友「もしかして、その「しかく」って言葉をほかの言葉に置き換えるとか?英語とかさ?」

女「!もしかして、ことばにまどわされるなってそれ!?」

男友「そう!だから……や、やば……もう……ゲホッ、ゲホッゲホッ」

女「大丈夫!?」

男友「は、はは……なんだろう、向こうに川が見える……泳いでみよう」

女「見えてない見えてない!!だいたいあんたカナヅチでしょ……!?」

女(見えて……ない……?)

――倉庫内


グサッ


ベン「が……は……!!!!」


バタリッ


ベン「……」


ズポッ

ブシャア……


男「……こ、今度こそやったのか?」

ジョデル「は、早く逃げましょう?」

男「あ、ああ、そうだな」


タッタッタッ……


ガシッ


ジョデル「きゃあ!?」バタッ

ベン「逃がさんぞクソガキ……!!」

男「ジョデル!!」

ジョデル「は、離して!!」

男「待ってろ、今助ける!!」

――謎の部屋


『「ことば」にまどわされるな』

『それは「しかく」のはこのなかだ』

『「しかく」はひとつじゃない』

『それはふたりにつうじる』

『それはうしろでもある』

男友『もしかして、その「しかく」って言葉を他の言葉に置き換えるとか!?英語とかさ!!』

『それはりっぽうたいのはこにはない』

ホラーマン『君たちに立方体型の部屋を用意した』

『それはいろのついたはこにはない』

男友『起きたらガラス張りの棺みたいな場所に閉じ込められて……』


女(色がついてないっていうのは白のことじゃなくて、見えない色……透明……立方体の箱じゃない……ふたりに通じる……しかく……言葉を置き換えて……「死角」……うしろ……他の言葉……英語にすると……『Back』……背中……二人に通じる死角……男友の背中!!)

女「男友!アンタの背中になにかない!?」

男友「え……え?」ガサゴソ

男友「……!?なんか蓋みたいなのが……」

女「そこを開けて中を調べてみて!!」

男友「……か、鍵だ!!」

女「やった!!」

男友「……待って、でもどうやってここから鍵を……」

女「……!!」


『それはふたりにつうじる』

ホラーマン『通気孔みたいなのがあるでしょ?』


女「通気孔、通気孔からその鍵を通して!!」

男友「わ、わかった……あ!」


ボチャン


男友「手がかじかんで……」バシャバシャ

女「は、早く……!!」

投稿します

――倉庫前


男「ジョデルを離せ!!」

ネイルガン「」バシュンバシュン


グサッ、グサッ!


ベン「ククク、離さんぞ……!!!!」

男「くそ……イカれてやがる!!」


タッタッタッ……


男「くたばれ!!」

バールのようなもの「」ブンッ


パシッ


男「!?」


グイッ


男「うおっ!?」

ベン「残念、ハズレ」ニヤリ

バールのようなもの「」ブンッ

男「!?」


ドガッ


男「うっ……」バタッ

――謎の部屋


ガンッガンッ


男友「くそ……手が震えてガラスに当たる…………!!」

女「頑張って、あともう少しだから!!」


シュッ


男友「通った!!」


パシッ


女「ま、待ってて、今ここを開けるから……」ガチャガチャ


ガチャリ


女「開いた!!今出してあげるから、手をつかんで!!」ギィィィィ

男友「ゲホッ、ゲホッ……あ、ありがとう女……」パシッ


バシャア……!!


女「良かった、良かったよぉ……」ダキッ

男友「……お、女、アルコールの臭いがうつるぞ///」

女「あ……ご、ごめん///……じゃなくて、離れろ!!」バッ

男友「じ、自分からしたくせに……」

女「って、こんなことしてる場合じゃなかった、まだ足枷を外してないから……ああ!?」

男友「な、なんだ……あ!?」

女「もうろうそくのとこまでアルコールが!!」

男友「は、早すぎないか!?まだ四分も……」

女「……そっか!!ガラスの箱を開けたから、余計に溢れて……!!」

男友「や、ヤバイぞ、早く足枷を外してくれ!!」

女「わ、分かった」ガチャガチャ


ガシャン


女「よし、外れたよ!!」

男友「やったぞ!早く出口へ!!」

タッタッタッ……

ズルッ


女「きゃあ!?」ドテッ

女「イッタァ……(アルコールで足場が滑る……)!!」

男友「だ、大丈夫か!?」

女「大丈夫、早く鍵を……」チラッ


アルコール「」ボッ


女「キャーーーーーー!!」

男友「い、急げっ!!」


タッタッタッ……


出口のドア「」


女「早く早く……!!」ガチャガチャ


ボオオオオオオオ……


男友「!?火が迫ってきてる!!」

女「早く開いて……!!」ガチャガチャ


ガチャン!!


女「開いたよ……きゃあ!!もう火が!!」ガチャッ


ボオオオオオオオ……


男友「出るぞ!!」


タッタッタッ……

ボオオオオオオオ……!!

バタンッ!


女「きゃあ!」ドサッ

男友「おわっ!」ドサッ


シーン……


女「はぁ……はぁ……」

男友「はぁ……はぁ……」

男友「……た、助かった」

謎の部屋のドア「」ガチャガチャッ


女「あれ、もう開かなくなってる……」

男友「開けても困るって、そんなことより、ここってどこだろう……」

女「わかんない……どっかの地下室みたいだけど……?……ぷっ」

男友「な、なんだよ?」

女「あ、アンタ身体中真っ赤だよ、あそこの鏡で確認してみなよ、ぷふっ」

男友「え?」


鏡「」


男友「うわっ!?なんだこれ……イテッ!?」

女「ぷぷ、ニンジンみたい」

男友「クソ、もしかしてアルコールのせいか……?これじゃあまるで『悪魔の毒々モンスター』だ……」

女「ぷ……と、とりあえず、早く男を探して、あのことを伝えないと」

男友「そ、そうだな……クソ、ヒリヒリする……」

********


――倉庫前


男「……!」

男「う、うぅ……頭イテェ……(あれ……一体なにが……!?)」


ジョデル「」グチャア


男「う、嘘だろ!!ジョデル!!」


タッタッタッ……


男「ジョデル!!しっかりしろ!!」

ジョデル「……ブ、ブルース……にげ……」ガクッ

男「!?」

ベン「クク、地獄に落ちろ」


ギュイイイイイン!!!!

ブンッ!


男「クソッ!」サッ

ベン「チッ……」

********


タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……!!」


ギュイイイイイン!!!


男「はぁ……はぁ……(くそ……このままじゃ体力が……!?)」

男(あれは……パトカー!?)


ギュイイイイイン!!!


ベン「どこだクソガキィィィィ!!」

男(仕方ない、あのパトカーに隠れよう)


タッタッタッ……

パトカーのドア「」ガチャ

男(よし、開いた!!)


バタンッ!


パトカーの窓「」チラッ

ベン「どこだ!!どこにいやがるぅぅぅぅ!?」

男(ふぅ……とりあえず安心か……にしても、あの警官の体どうなってんだ、ゾンビかよ……)

男(そういや、ここにパトカーがあるってことは、あの吊り橋をこれで渡ってきたのか?正に命知らずの警官だな……)

男(……は、さすがにやっぱエンジンキーは抜いてあるよな……ん?)チラッ

パトカーの無線「」

男(無線……!!もしかして、これで助けを呼べるかも!!)ガチャ

男「もしもし!?もしもし!?」


ザァァァァ……


男「くそ……ダメかよ……」ガチャ

ザァァァァ……

ザ、ザザァ……


男(!?なんだ、今一瞬何か聞こえたような……)


ザ、ザザァ……


男(やっぱりそうだ、何か聞こえるぞ……もしかして、違うチャンネルか?)クイックイッ


ピ――ガガガキュルキュル


男「うおっ!?くそ、ただの耳障りなノイズかよ……!?」

男(くそ……どうすりゃいい……!)


無線『……』ザザァ…

無線『……でよ、そのデブに言ってやったのさ、お前は"ポーカーフェイス"が上手いなってな?HAHAHA!!』


男(な、なんだ!?急に誰かの声が……!?)

男(待てよ、この声どっかで……)


トラックの運転手『あぶねぇだろーがガキども!!』


男(そうだ!!あのトラックの運転手……でもなんで……あ!!)


老人『あそこの『ラバー・ダック』気取りの騒音のせいでおちおちラジオも聞けやせんからな!!』


男(そうか……あの老人、「CB無線」のことを言って……そうだ!このトラックの運転手に、助けを呼んでもらおう!!)ガチャッ

男「もしもし!!もしもし!!」


ザザァ……


無線『あ?誰だ?』

男「(よっしゃ、繋がった!!)え、えーと、今朝アンタとぶつかりそうになった車に乗ってた一人だ、覚えてるか!?」

無線『あぁ、あのクソガキどもの一人か、なんだ、詫びでも入れにきたのか?』

男「いやそうじゃなくて、今山奥のコテージで、殺人鬼に襲われてるんだ!!」

無線『あぁ?殺人鬼?なんだお前ら、まだハロウィン引きずってんのか、もうクリスマスだぞ?それとも、お前らのカレンダーは一ヶ月遅れてんのか?HAHAHA!!』

男「いやだからちげーよ!!本気で殺人鬼に襲われてんだよ!!だから早く警察を呼んで――」


後部座席「」ギュイイイイイン!!!

男「!?」

ベン「クク、その必要はないぞ」

ベン「ここにいるんだからなアアアア!!!」ギュイイイイイン!!!


バリケード「」バリバリバリ


男「うわっ!?(いつの間に後部座席に!?)」

――トラック車内

無線『ガチャ!ドタバタ!ギュイイイイイン!!』

トラックの運転手「……」

トラックの運転手「……マジかよ」

またいつものように寝ちゃいそうなんで

今日はここまで

お待たせしました

それでは投稿していきます

――コテージ


スタ、スタ、スタ……


女「ここは……山小屋かな?地下室もそうだったけど、さっきから不気味な飾りがいっぱい……」

男友「そうか、あそこはコテージの地下室だったのか……定番の舞台ってわけだな」

女「定番?」

男友「そう、ホラー映画じゃ、こういった人里離れた舞台で殺人鬼やモンスターに襲われるってのがお決まりなんだよ、「コテージ」しかり、「モーテル」しかり」

女「もしかしてそれって、アイツが言ってた「ホラー映画のパターン」ってやつ?」

男友「ああ、そうだ」

女「じゃ、じゃあ早く男を探さないと……」

男友「確かに、殺されるかもしれない……でもその前に、このコテージでなにか武器とか役に立ちそうなものを探そう、手ぶらで森の中を歩くなんて、殺してくれって言ってるようなものだからな」

女「そ、そうだね……」

パトカーのドア「」ガチャッ


タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……!」


パトカーのドア「」ガシャアアアアン


ベン「待て小僧っっっ!!!」

男(ったく、どんだけしつこいんだよ!!)


シュン

グサッ


男「うおっ!?」ザザッ

ベン「ボウガンがあることを忘れるなよー!!」

男(か、完全にイカれてやがる)

――コテージ、個室


男友「ん?」ヒョイ

女「何かあったの?」

男友「いや、ビデオカメラだよ」

女「それがどうかしたの?」

男友「これはホラーじゃ欠かせないアイテムなんだ、所謂『モキュメンタリー』ってやつだよ」

女「もきゅめんたりぃ?」

男友「知らないのか?『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とか、『REC』とか、『パラノーマル・アクティビティ』なんて結構有名だろ、知らないのか?」

女「知らない」

男「嘘だろ……あのジャンルのホラーは目を通しとけって、絶対見た方がいいよ」

女「……ねぇ、まさかとは思うけど、楽しんでるわけじゃないよね?」

男友「そんなまさか!!楽しんでるわけないだろ、男が危ないんだぞ!?」

女「それならいいけど」

男友「一応持っとこう」サッ

女「……」

――コテージ、リビング


男友「クソ……案外対抗できそうな武器が見つからないな……」


バチィ!

パリーン!!


女「きゃあ!?」

男友「うわっ!?」

女「な、なに、急に蛍光灯が落ちて……」

男友「だ、大丈夫……これもお決まりだ、探索中はだいたい電気が消えたりショートを起こして割れたりするんだ、びっくり系ホラーにはありがちだよ……ん?」

女「ど、どうしたの?」

男友「……あれを持っていこう」

――コテージ、玄関前


男友「さぁ……行くぞ」つ蛍光灯

女「……うん」つ蛍光灯

男友「」ガチャ


タッタッタッ……

ガチャッ

ガンッ!!


男友「うっ!?」ドサッ

男「のわっ!?」ドサッ

女「きゃあ!?……って、男!?」

男「え、女!?」

男友「イッタァ……お、男、ドアはゆっくり開けてくれよ……」

男「うわっ!?……って、男友?お前、なんで身体中真っ赤なわけ?」

男友「ひ、人の苦労も知らないで……」

男「は?」

女「よ、良かった!生きてたんだね!!」

男「あ、ああ、まぁな、とりあえず奥へ行こう、奴に気づかれたらまずい……!」

――コテージ、地下室


男「くそ、一体誰がこんなことを……」

男友「……ホラーマンだ」

男「は?ホラーマン?それってアンパンマ――」

男友「違うって、俺も誰だかは知らないけど、俺たちをここへ連れてきたって奴がそう名乗ってたんだ」

男「ここへ……一体なんのために……」

女「さぁね、男友とソイツが言うには、動機なんて無意味らしいから」

男「は?」

男友「と、とにかく、ここがホラー映画の中だってのは、もう分かってるよな?」

男「ああ」

男友「で、そのホラーマンが言うには、このホラー映画は「ホラー映画の『パターン』」に沿って進行してるらしい」

男「ホラー映画の『パターン』?」

男友「そうだ」

男「その……パターン?ってのはつまりなんなんだ?」

男友「つまりだな、映画ってのにはジャンルによりけり、パターンってのが存在する、例えば刑事もののアクション映画だと、相棒(バディ)と一緒に麻薬や武器の密輸組織を捕まえるために、組織のシンジゲートを探しながらカーチェイス、ドンパチ、爆発、みたいな展開とか」

女「へぇ……」

男友「ホラー映画でもそうだ、例に出すときりがないけど……例えば設定のパターンとして、5、6人の男女のティーンエイジャーが休日に山奥のコテージへ遊びに行ったら、そこで殺人鬼に襲われるとか」

男「……まさにこの映画そのものだな」

男友「ああ……まぁ今そんなことを話してる暇はない、とりあえず話を進めよう」

男「そ、そうだな……結局、この映画から抜け出すには、どうすればいいんだ?」

男友「「殺人鬼」を倒すこと、だ。アイツはそう言ってた」

男「殺人鬼……あのイカれた警官のことか」

男友「警官?」

男「あ、ああ、殺人鬼のことだ、そいつの正体が警官だったんだ」

男友「そう来たか……「警察は役立たず」どころか、「警察が元凶」とはな」

男「でもちょっと待てよ、倒すっつったってどうすりゃいい?アイツ火で燃やしても頭に釘ぶっ刺してもバールで胸突き刺しても死ななかったんだぞ?」

男友「な、『ゾンビ・コップ』か……?どういうことなんだ、まさかアイツ嘘を……」

女「そんな……じゃあ私たち、一生このままってこと?」

男「嘘だろ……」

男「はぁ……AVだと思って見た俺が……あ」

男友「……AV?」

男「い、いや、ごめん、忘れてくれ」

女「……」ジー

男「……お願いだからそんな目で見ないで」

男友「AV……か……」

男友「なぁ男、ちょっと聞きたいんだけど……」

男「なんだ?」

男友「具体的に、誰が殺人鬼を倒そうとしたんだ?」

男「……どういう意味だ?」

男友「そのままの意味だよ、誰が殺人鬼を燃やしたり、色々突き刺したりしたのかを教えてくれってこと」

男「なんでそんなことを聞く必要がある?」

男友「いいから早く」

男「わ、わかった……まず最初に火で倒そうとしたのはチャーリーって奴で……」

男友「そいつって、金髪で比較的がっしりした体格の奴か?」

男「あ、ああ……なんで知ってるんだ?」

男友「それは後で説明するよ、あと釘やバールを突き刺したのは?」

男「それは全部俺がやった」

女「……マジ?」

男「大マジ」

男友「そうか……お前中々アグレッシブなことするな……」

男「う、うるさい、で、それがなんだってんだ」

男友「いいからちょっと待てって、あと一つだけ答えてくれたら教える」

男「わかったよ」

男友「いいか、真面目に答えるんだぞ?」

男「……ああ」

男友「……」

男友「……お前童貞か?」

男「……は?」

男友「だから……お前は童貞か?」

男「……」サッ

女「……」(((・・)

男友「そういう意味じゃない、尻から手をどけろ、女も地味に離れるな」

男「お前正気か?あのな、こういうこと言うのってなかなか恥ずかしいんだぞ……しかも異性の前で」

女「私は気にしないよ」

男「俺が気にすんだよ」

男友「んなことわかってるって、俺だってこんなこと聞きたくないんだから、それに至って俺は正気だ、だけどホントに大事なことなんだよ、だから早く答えてくれ」

男「……」

男友「どっちなんだ?」

女「……」

男友「……」

男「……」

男「……ど、童貞じゃないです」

女「え……マジ?」

男友「はぁ……やっぱりか……」

女「や、やっぱりって……私その事実にかなり驚いてるんだけど」

男友「い、いや、まぁ俺も驚いてるけど、そういうことじゃない」

男「その前にお前ら、童貞だと思ってたのかよ」

女「うん」

男友「ああ」

男「は、はっきり言いやがって……」

男「……で、結局童貞じゃなかったらなんなんだよ」

男友「いいか、さっき言ったみたいに、映画にはパターンってのがある」

男友「で、これはある映画で定義してたんだけど、ホラー映画には生き残るための掟ってのがあるんだ」

男「掟?」

男友「そう、まずルールその1、『性行為はNG』、だ」

女「なんで?」

男友「イチャついてるカップルがいたら真っ先に殺される、特に暗い場所では絶対にやっちゃいけない、殺人鬼、もしくは化け物に真っ先に殺される、奴等はリア充が大嫌いなんだ」

女「はは、なにそれ」

男友「だから映画が終わるまでは絶対に童貞、処女を守り通さなきゃならない、だからこそ土壇場で殺人鬼に対抗できるんだ」

男「そ、それってまさか、俺とチャーリーがアイツを倒せなかったのって……」

男友「その通り、多分、童貞じゃなかったからだ」

男「そ、そんな理由で……」

男友「そんな理由……だと?お前童貞をバカにしてんのか!?」

男「な、なんだよ!?」

男友「……お、おっとごめん、ついカッとなっちゃって」

男「お、おう……」

男友「と、とりあえず、まだこの掟には続きがあるんだよクソヤ……男」

男「お、おい、今クソヤロウって……」

男友「ルールその2、『酒やドラッグは禁止』ってことだ」

男「……」

男「そ、それはなんでだ?」

男友「明確な理由はないけど……まぁ、道徳に反するような行為は殺人鬼の着火点ってことなのかな」

男友「そして最後、ルールその3、『すぐ戻る』って口にしちゃダメだ、二度と戻ってこれなくなる」

男「なんだそれ」

男友「これにも明確な根拠はないよ、所謂「死亡フラグ」って奴だ」

男友「これさえ守れば、大抵終盤までは生き残れる」

男「え、映画にそんな掟があったのか……」

男友「まぁお前みたいなヤリチ……クソヤロウでもこの掟さえ守れば生き残れるってことだ、例え童貞じゃなくてもな」

男「せめて男って呼んであげて」

女「もしかして……だからアイツは私たちを呼んだってこと?男には絶対倒せないから?」

男友「そう、コイツがヤリチンだってことを知ってたんだ」

男「……」

女「じゃあ……私たちで何とかその殺人鬼を倒せって……?」

男友「ああ……え、私たち?」

女「あ……いや、その……///」

男友「あ……その……ゴメン///」

女「……///」

男友「……///」

男(……俺、必要なのかな)

男友「で、この中のどれかでも破ったか?」

男「破ってない、性行為なんてまずないし、ビールは結局飲まなかったしな……ヤクって風邪薬とかでもダメなのか?」

男友「微妙だな……持病で薬を服用する奴もだいたい死ぬ……まさかお前!?」

男「いやいやいや!持病もないし、薬だって貰ったけど一回も使ってないって」

男友「良かった……でも油断は出来ない、気を付けろよ」

男「あ、ああ……」

男「で、でもどうするんだ、確かにその掟やパターン?があったとしても、アイツ自体もなかなかしぶといぞ、どんだけ喰らったって何事もないかのように追ってくるんだから」

男友「そうだな……とりあえず、今の所持品を出し合おう、なにか解決策が浮かぶかも……」

女「そうだね……」

今日はここまでで

この作品は特にキャビンをパクっ……オマージュしているのでかなり似通った展開になってます

どーも
新年が始まる前に投稿します

********


各々の所持品



・財布
・スマホ
・ネイルガン
・バールのようなもの
・風邪薬
・トランシーバー
・チャーリーの車のキー

男友

・財布
・スマホ
・クラッカー
・ビデオカメラ
・蛍光灯



・財布
・スマホ
・クラッカー
・蛍光灯


男友「おいおい、トランシーバーなんてなんで持ってるんだよ」

男「ああ、この映画でガソリンスタンドにいた老人に貰ったんだ」

男友「まさかそのトランシーバー、使ったんじゃないだろうな」

男「え、使ったけど……」

男友「お、お前……アホか!!万が一警官の携帯無線機にそれが盗聴されて、連絡した位置がバレたりでもしたらどうするつもりだったんだ!!」

男「そ、その時はまだ警官だって知らなかったんだよ……あ」

男友「なんだ?」

男「だからさっきパトカーで助けを呼ぼうとしたのがバレたのか……」

男友「お、お前ホントよくここまで生き残ったもんだよ……」

女「これって釘打ち機?」

男「ネイルガンだ」

女「おんなじでしょ?」パシッ

女「これで殺人鬼の頭に……」


パシュン!!

グサッ!!


男友「うおっ!?気を付けろよ!!」

女「ゴ、ゴメン……」

男友「ったく……引き金の軽い武器はこれだから……」

男「ってゆうかお前ら、なんで蛍光灯なんかもってんの?男友に関してはビデオカメラなんて」

女「蛍光灯は武器に使えるものがここにはなかったからその代わり、ビデオカメラはただ男友がコテージの個室から盗んできただけ」

男友「出来れば言い方を変えてくれないかな」

男「クラッカーは?」

女「サプライズに使うつもりだったの」

男「サプライズってなんの?」

女「また忘れてる……今日男の誕生日でしょ?」

男「あ、そうだったな」

男友「……待てよ」チラッ


蛍光灯「」

ビデオカメラ「」

クラッカー「」

ネイルガン「」

トランシーバー「」


男「どうかしたのか、男友?」

男友(……そうか……このホラー映画がパターンに縛られてるなら)

男「?」

男友「男、このコテージのブレーカーってどこにある?」

男「ブレーカー?えーと確か……」

女「あそこにあるじゃん」

男友「え?」チラッ

女「さっき飛ばした釘が刺さってるとこ」ビシッ


ブレーカー「」


男友「なんて都合の良い……あ、あと、どこかにいい感じの木の板はないか?」

男「なんだよいい感じって」

男友「ほら……あれだよ、ちょうどこの蛍光灯ぐらいの」

男「は?そんなちょうどいい感じの木の板があるわけ……」


マイケル『ベンチだって……』サッ


ガシャアアアアアン!!!


マイケル『……ほらね?』


男「……いや、ある」

女「あるの!?」

男「(センキューマイケル!)……で、木の板がどうしたってんだよ」

男友「決まってるだろ……」ヒョイ

男友「『サプライズ』だよ」つネイルガン

――コテージ、玄関


ギィィィィ……


ベン「は、そうとう慌てていたようだ、ドアが空いてるぞ……?」


ベタ……ベタ……


ベン「私は知ってるんだよ……お前が小賢しく、トランシーバーを持ってることを」


無線「」キュイキュイ


ベン「さぁ、どこにいるのかな、小僧……?」


無線「」キュイキュイ


ピ――ガガガキュルキュル!!


ベン「」バッ

ベン「……クク、そこか、バカめ、電源を切らずにそのままとは」

――コテージ、個室前


ベタ……ベタ……


ベン「……」


バチィ!

ブゥゥゥゥゥン……


ベン(!?なんだ、停電か……?チッ、暗くてよく見えない……だが、そこにいることは分かってるんだ)


ギィィィィ……


ベタ……ベタ……


ベン(さて、いよいよご対面だ、どこかな……?)


ベタ……ベタ……

グサッ


ベン「ぐああっ!?」ドサッ

ベン「ぐぅぅぅぅんんんっ!!ち、チクショー!!(木の板に釘がぁ……!!)」

ベン「あ、あのガキめ!!絶対許さん!!」ガタッ


パンッ!!


ベン「!?(なんだ、銃声か!?)」バッ


シーン……


ベン(気のせいか……)フゥ…


蛍光灯「」グシャアッ!!!!


ベン「が……は……(蛍光灯……だと……)!?」

男友「ふぅ……」

男友「物音に振り返るのは死亡フラグだぞ、『アメリカン・サイコ』め」

ベン「ぐぅ……」バタッ

男友「このカメラの「赤外線モード」はよく見えるな、帰ったらこの機種買おうかな」ガチャ

女「うぅ……こういうの近くで見ると、エグ……」

男友「コイツ自体もなかなかヤバい容姿をしてるしな……」


タッタッタッ……


男「やったのか!?」

男友「いや、まだ生きてる」

男「ええ!?」

男友「けど……多分もう大丈夫だ」

ベン「ぐ、ぐぅ……お前らみたいなクソガキがいるから……息子は……!!」

男「息子……?」

男友「男、黙って聞いてやれ……」

男「は?」

男友「殺人鬼の「告白」タイムだ」

ベン「俺の息子は……この湖で溺れ死んだんだ……ただ容姿が醜いという理由だけで、湖に突き落とされてな……」

女「そんなことが……」

ベン「だから私は今までずっと、お前らのような規律も守れん奴等に、息子がどんな目に合わされたのかを思い知らせてやってきたのさ……」

男「……でも、だからってそんなことをしてなんになる?」

ベン「なんになる?私にとっては何にもならないさ……でも」

ベン「息子はこれで、一人にならずにすむ……」

ベン「待っててくれ……今パパが……そっちへ行く……から……な……」ガクッ

男「……」

男友(……どっかで聞いたような動機だったな)

男「……ついに倒したな」

女「倒したね」

男「これで現実世界に戻れるのか?」

男友「……多分な」

男「……」

女「……」

男友「……」


皆「「「ヤッターーーーー!!!」」」


男友「これで、やっと終わるんだな……」

女「うん……!」

男「長い一日だった……」

男友「でも……どうやって帰ればいいんだ?」

男「……」

男「……あ」

男友「なんだ?」

男「一つ思い当たる節がある……とりあえず、一旦ここを出よう」

男友「……あ、ちょっと待て、まさか帰るときに湖は通らないよな!?」

男「は?通らないけど?逆方向だし……なんで?」

男友「バッドエンドはお断りだからな」

スタスタスタ……


男「はぁ……ったく、最低な一日だったぜ」

男友「全くだな」

男「まぁでも、ホラー映画としては最悪だったけど……」

男「誕生日パーティの出し物としては、出来が良かったかな」

女「アハハ、そうだね」

男友「言えてるな」


パチパチパチ……


皆「「「!?」」」


?「ブラボー!皆嬉しそうでなによりだよー!」


女「だ、誰!?どこにいるの!?」

?「アハハー、ダメだよそんな反応しちゃ、殺してくれって言ってるようなものだよ?『死亡フラグ』」


スタスタスタ……


?「じゃあこうすれば分かるかな……」ガチャ

?『ハロー、お二人さん?』

女「!?(変声機!?)」

男友「お前、ホラーマンか!?」

ホラーマン「そう……皆をこの映画へと招待したホラーマンだよ、まぁ正確には違うんだけど」

男「な、なんで……」

女「男……?どうしたの……?」

男「う、嘘だろ、なんでお前が……」

男友「男、まさかコイツを知ってるのか?」

ホラーマン「やぁ……さっきぶりだね……男?」

ホラーマン「いや、この映画の中ではこう呼ぶべきかな……」




ジョデル「ブルース?」

今年のss投稿まで

あともう少しで新年ですが、よいお年を

少しだけ投稿します

ジョデル「フフ、『SAW』のアマンダ・ヤングってとこかな」

男「ジョデル……」

ジョデル「ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン!驚いた?そうだよ、ホラーマンはジョデルちゃんなのでしたー!」

男「で、でもお前、あの時血まみれで倒れて……」

ジョデル「あぁ、あれ?」サッ

ジョデル「コーンシロップ、『スクリーム』で「キャ"シ"ーで豚の血に使ったのとおんなじ」って言ってた奴とおんなじ」ペロッ

男友「『キャリー』だよ」

ジョデル「おっと、ごめんなさい」

男「な……だ、だけど、あのサイコ野郎に襲われて……」

ジョデル「確かに襲われた……フリをしただけだよ、スクリームクイーンも顔負けの名演技だったでしょ?キャー!離してー!アハハ!」

男「……」

ジョデル「可哀想なブルース、こんな女のために、命を張ってたなんて……私が慰めてあげる、胸に飛び込んできていいんだよ?」

男「クソ……」

ジョデル「そんなに怒らなくてもいいでしょ……うっ、うっ、私泣いちゃう」ゴシゴシ

男「……」

ジョデル「……つまんないの」

ジョデル「まぁいいや、とりあえず、殺人鬼討伐おめでとー」

男友「ご託はいいから、さっさと俺たちを現実世界へ戻してくれないか」

ジョデル「まぁまぁ落ち着いて……」

ジョデル「まだ『ゲーム』は終わってないんだから」

女「え……?で、でも、殺人鬼を倒したら現実世界へ戻してくれるって……!」

ジョデル「言ったよ?」

女「じゃあ……」

ジョデル「誰が倒すべき「殺人鬼」は一人って言ったのかな?」

女「え……?」

ジョデル「ここにいるでしょ、もう一人、君たちをこの映画へ招待した、「愉快犯」が?」

男友「じゃ、じゃあ……お前を倒すことが……」

ジョデル「そう、現実世界へ戻る……」

ジョデル「『条件』」

ジョデル「私はまだ遊び足りないのに、君たちだけ帰っちゃうだなんてそんなのズルいでしょ?」

男友「飛んだサイコだな……」

女「な、なんでこんなヒドイことを……?」

ジョデル「だから言ったでしょ?ホラーにおいて動機なんて無意味なんだよ」

ジョデル「……まぁでも、せっかくここまで生き残ったんだ、特別に教えてあげる」

ジョデル「私はね、ある人が作り上げた、怨念そのものなの」

男「怨念……?」

ジョデル「そう、それはまだ映画がモノクロだった時代……その人は映画の製作に携わっていた、ホラー専門のね?」

ジョデル「あるときは脚本を手掛けたり、監督として作品を作り上げていた」

ジョデル「その人の作品は一般には受けなかったけど、その人を知るマニアには、「隠れたホラー監督」として名を知らしめていたの、だから観客数こそ少なかったものの、根強いファンが絶えることはなかった、その人自信、それで十分満足していた」

ジョデル「だけどその人はある問題に直面した……「時代の変化」にね」

ジョデル「ありふれた映画に目が肥えてしまった人たちは、ホラー映画というものに新しい刺激を求めるようになったの、より「グロ」く、より「エロ」く、ってね」

ジョデル「60年代に入ると映画というものは、一つの芸術として見られるようになった、ただの娯楽に過ぎなかった映画にも、「技術」というものが評価されるようになって、その人もよりいいものを、売れるものを作るために、奮闘した」

ジョデル「そこからまた数十年後、ホラーは所謂、「スプラッター」要素を取り入れるようになった、過激で現実離れした、流血描写をね、だからその人も、映画を売るために、そういった描写を映画の中に増やしていった」

ジョデル「でもね、作っているうちにその人は気づいてしまったの、それはもう、自分の「映画」じゃないことに、いつの間にか「映画」というものに対する自分の価値観が、昔と変わってしまっていたことにね」

ジョデル「だからその人は一旦原点に返って、自分が本当に作りたかった映画を作った」

ジョデル「結果は全くダメだった、そしてその人はもう一つの事実に気づいたの、かつて自分を支えてくれていた「ファン」が、既に自分を見放していたことにね」

ジョデル「その人は絶望した、それからその人は、映画を作ることが怖くなった、というより、自分らしい作品が作れなくなっていたの」

ジョデル「その人はそんな時、街中を歩いていて、映画を見終わって映画館から出てきたとある若者カップルの会話を聞いてしまったの」

ジョデル「『最近の映画はエログロが足りない』ってね」

ジョデル「その人はそれを聞いて、ホラー映画の未来に失望し、自殺した」

ジョデル「そして死ぬ間際に思ったの、「お前たちが求めているものがどんなものか、思い知らせてやる」ってね」

ジョデル「そして生まれたのが、この私ってわけ」

ジョデル「だから最初はそういった若者をターゲットに映画の中に引き込んで、殺してた」

ジョデル「だけど次第にそれだけじゃつまらなくなっちゃったの」

ジョデル「だから私はこのゲームを始めた、ここを映画という名の「シチュエーションスリラー」にしてね、その方が、私もスリルを味わえるしね」

ジョデル「この映画にはね、二つのエンディング、完結がある、主人公たち、つまり引き込んだ人間が無事殺人鬼を倒して抜け出すハッピーエンドと、ここで死んで、殺人鬼だけが生き残るバッドエンド」

ジョデル「そしてこの世界は、完結する度にまたリセットされて、永遠にループし続けるの……そう、例えるなら、DVDのメニュー画面ほっといたら勝手に始まるアレみたいに」

ジョデル「そこの二人はもう知ってると思うけど、この映画の中で死ぬと、もう現実世界には戻れない」

ジョデル「そうだ!この映画の登場人物、彼らも元は現実世界の人間だよ、チャーリーもマイケルもシガニーもジェイミーも、あの老人でさえもね?殺人鬼は私が作り出したものだけど」

男「そうだったのか……」

ジョデル「……どう?ここまで話せば、私の動機は理解してくれたかな?」

女「……それが動機だとしても、結局最終的に、自分が楽しむために人殺しゲームをしてたってわけ?」

ジョデル「ま、そゆことかな」

女「嘘……そんなゲームのために私たちは……」

ジョデル「残念、今日は『エイプリル・フール』じゃないから嘘じゃないんだなぁ、それとも、あの映画のラストみたいな展開がお望みってことかな?」

ジョデル「どうだったかな?私の映画は?ライオンズゲートもびっくりの作品だったと思うんだけどなー」

男友「こんなC級の『パルプ・フィクション』、日本じゃアルバトロス行き決定だよ」

ジョデル「うわ、ヒドイ言われよう」

ジョデル「でも結局、ホラー映画なんてエログロとパターンさえあればなんだっていいんだよ」

男友「少なくとも、俺はホラー映画にそんなもの望んでないけどな」

ジョデル「へー、でもそこの男は、私のオッパイ見てたけど」

男友「オイ」

男「ぐ……(ば、ばれてたのか)」

女「……」

男「やめて、その目苦手」

ジョデル「そんなに見たいなら見せてあげてもいいんだよ?」

男「うるさい」

ジョデル「ま、なんだっていいよ、今から君たちはこの映画で死ぬことになるんだから、私の手によってね」

男「ふざけんなよ、俺達はお前の人形じゃない」

ジョデル「人形だよ、私が楽しむための、娯楽道具に過ぎないんだから」

ジョデル「さて、この映画もラストスパートってとこだし、そろそろ新しい展開を起こすことにするかな」ガサゴソ

男友「新しい展開……?」

男「どうゆうことだよ」

ジョデル「決まってるでしょ……これはB級ホラーなんだよ?」サッ

ジョデル「この物語を覆すほどの、『どんでん返し』がないとね?」

男「それは……本か?」

ジョデル「そう、でもただの本じゃない、ホラー映画にはこれも必須アイテムの一つ」ペラペラ

ジョデル「黒魔術……『ネクロノミコン』だよ」

男「『ネクロノミコン』……?」

男友「ネクロノミコンだって!?」

女「知ってるの?」

男友「ネクロノミコン……死者の書だ」

女「死者の書?」

男友「そうだよ、ラブクラフトのクトゥルー神話を知らないのか?『パルプ・マガジン』の」

男「知らないって」

ジョデル「ご名答、そう、これは死者の書、やっぱりホラー映画には黒魔術がないとね……」

ジョデル「これを使えばね、あんなモンスターやこんな殺人鬼まで地獄の底から呼び出すことが出来るの、所謂最終兵器ってやつ?」

男友「なんて都合がいい……」

ジョデル「だけど、同じモンスターしか複数呼び出せないのが残念なところかな」

男「それのどこが残念なんだよ」

ジョデル「フフ、どんなモンスターに襲われたい?悪魔?幽霊?人食い?奇形?殺人ピエロ?宇宙から飛来した身体中ベトベトの宇宙人や寄生生物?」

ジョデル「それともちょっと奇をてらって、アイスクリームやハンバーガーなんてものに襲われてみちゃったりする?」

男「……」

ジョデル「……でもやっぱり、スタンダードなものが一番いいよね?フフ」ペラッ

男友「な、なにをするつもりだ」

ジョデル「フフ……君でも分からない?」

ジョデル「『地獄から溢れ返った死者』を呼び出すんだよ」

男友「ま、まさか……!」

女「え……え?」

ジョデル「フフ……今からこの呪文で君たちを、恐怖のどん底に突き落としてあげる」

ジョデル「デウス・エクス・マキナァ……デウス・エクス・マキナァ……」

男友「や、やめろ!!」

ジョデル「もう遅い!!デウス・エクス……!!」


ジョデル「マキナァァァァァァ!!!」


男友「やめろおおおおお!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


女「きゃあ!?」

男「な、なんだ!?」

ジョデル「フフ……成功♪」

今日はここまで、おやすみなさい

お待たせしました
あまり書き溜めれませんでしたが投稿します

男「……」

女「……」

男友「……」


シーン……


男「何も起こらないぞ」

ジョデル「まあまあ、焦らないで、もうすぐ"死者"の奴隷たちがここへ来るから」


スタスタスタ……


男友「待て!どこにいくつもりだ!」

ジョデル「どこにいくって、元々私は傍観者だし、ゾンビマスターは一旦失礼するよ」

ジョデル「私を倒したいなら、君たちが今向かおうとしてた地点の途中で待ってる」

男友「そう言えば、お前さっきどこへ向かおうとしてたんだ?」

男「ああ、それは……」

ジョデル「フフ、ブルース、君はさっき気づいたんでしょ?この映画の本当の終わらせ方を?」

男「じゃあ、やっぱり……」

ジョデル「そう、当たりだよ」

男友「?本当の……」

女「終わらせ方?」

ジョデル「二人は知らないみたいだから教えてあげる、さっき私は、私を倒すことでこの映画を完結させられるって言ったよね?」

ジョデル「だけどもうひとつだけ条件があるの」

男友「もうひとつ?」

ジョデル「そう、それは、エンドロールを流すこと」

女「エンドロール?」

男友「映画の終わりに流れるクレジットのことだよ」

ジョデル「『THE END』って書かれたCD、それが車の中にあるの、車の場所は男に聞けばわかるはずだよ」

ジョデル「私を倒せば、そのCDのケースが開くようになってる、まぁつまりどのみち私を倒さないとなんの意味もないんだけどね」

男友「つまり、その中にあるCDの音楽を流せば、俺たちは現実世界へ戻れるってことか」

ジョデル「そ、そゆこと」

女「なんてめんどくさい……」

ジョデル「それじゃあ、私は君たちが生き残れるよう祈ってるよ」


スタスタスタ……


ジョデル「皆頑張ってねー?」ガチャ

男「っておい……待ちやがれ!」


玄関のドア「」ギィィィ…


バタン!


男「待てって!!」


タッタッタッ……

ガチャ!


男「待て……!?」


?「ア"ァァ……」

男「!?」


バタン!


男「はぁ……はぁ……」

女「ど、どうしたの?」

男友「……まさか、いるのか?」

男「ああ、いるよ……」

男「『ゾンビ』が」

女「ゾンビ!?」

男友「歩くゾンビだったか!?」

男「ある……は?歩くゾンビって?」

男友「走ってなかったか!?」

男「あ、ああ」

男友「良かった、ロメロゾンビか……」

男「ロメロゾンビ?」

男友「とりあえずここは危ない、早く別の出口から――」


ガシャアアアアアン!!


女「きゃあ!?窓や壁から手が!?」

男「チッ、仕方ない、一旦地下室へ逃げよう」

女「そうだね」

男友「ダメだ!!」

女「え!?なんで!?」

男友「いいか、地下室に逃げ込んだとして、もし奴等に入り込まれたらどうする?奴等は群れなんだぞ、出口は一つしかないのに、一人また一人って入り込まれたら逃げ場を確保出来ないだろ」

男「た、確かに……」

男友「だからまずは、ここから逃げ出すことを考えろ、このコテージで籠城戦なんて御免だしな、死亡フラグ以外の何者でもない」

男「そうだな……ああ、確かリビングの方に裏口があったはずだ、そこから出よう」

男「そういやゾンビって不死身なんだろ、もし襲われたらどうすりゃいいんだ?」

男友「そうか知らないのか……いいか、ゾンビを倒すときはだな――」

ベンゾンビ「ア"ァァ……」ギュイイイイン

男友「うわあああっ!?」


蛍光灯「」ブンッ


ドガッ!

パリィン!


ベンゾンビ「ア"ァウ……」バタッ

男「……」

女「……」

男友「……」

男友「こ、こうやって頭を攻撃するんだ」

男・女「なるほど」

ベンの死体「」

男友「コイツもゾンビになってたなんて……」

女「じゃあ、この映画にいる人達は……」

男「死んだ奴は全員ゾンビになったってことか、厄介だな……」

男友「でも、そのおかげで蛍光灯がお釈迦になったかわりに、とっておきの武器が手に入った」

チェーンソー「」ギュイイイイン

男友「フゥ……イカすぜ」

女「……ねえ男友、絶対アンタ楽しんでるでしょ?」


「ア"ァァ……」


男友「!?お、おい……あそこ」

男「ん?……え!?」

女「きゃあ!?」


ジェイミーゾンビ「ア"ァァ……」


女「な、なんで裸なの!?しかも腕もげてる!!」

男・男友「わぁ……」ジー

女「……ちょっと」

男「……あ、と、とりあえず裏口へ逃げよう!!」

男友「そ、そうだな!うん、そうしよう!」

女「……」

――リビング


男「あそこだ!」


タッタッタッ……


男「よし、ここから出るぞ」

男友「いや、ちょっと待て」

女「なに?」

男友「ドアを開けるときはな……こうやって開けるんだ!!」キックッッ!!!!


ドガァァァァ!!


男「おわっ!?」


ガシャアアアアアン!!


ゾンビ「ア"ァァゥゥゥ……」 ガクッ


男「お、おお……」

男友「こんな風に、ドアの後ろに隠れてる時があるからな」

女「さすがホラー映画オタク……ちょっと見直した」

男友「はは、どーも、出来れば最後の言葉だけ聞きたかったな」

タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……!」チラッ

イタリアゾンビ「ア"ァァ……」グチャア…

女「はぁ……はぁ……!」チラッ

ドイツゾンビ「ア"ァァ……」

メス「」ブンッブンッ

男友「はぁ……はぁ……!」チラッ

フランスゾンビ「ア"ァァ……」

絵筆「」ブンッブンッ

男「はぁ……はぁ……!」チラッ

インドゾンビ「マハラジャア"ァァ……」フリッフリッ


男「ちくしょう、どこもかしこもゾンビでいっぱいだ」

男友「くそ、こんなんじゃいくら武器があってもこの道は通れそうにないな、迂回しながらいこう、ゾンビ共が……」

女「それやめない?」

男友「……え、何が?」

女「だから、"ゾ"のつくもの、言うのやめない?」

男友「なんで?」

女「なんか緊張感削がれるから」

男友「なんだそれ……じゃあなんて呼べばいいんだ?」

男「……「やつら」?」

女「それで行こう」

男友「このやり取りが一番バカらしいって」

――湖


ザァァァ……


男「天気が荒れてきたな……それに、かなり迂回しちまった」

女「仕方ないよ、あれだけ居たら……」

男友「不本意だけど……やっぱり強行突破が一番かな」ギュイイイイン


ドガァァァァンン!!

ゴロゴロゴロ……


全員「「「!?」」」


ビリビリビリ……


男「な、なんだ!?」

男友「湖に雷が落ちたみたいだ……」

女「……ね、ねぇ」

男「どうした?」

女「……あそこの湖のほとり」


ズズズ……


女「……誰かいる」


ズズズ……


男「なんだ……あれは……」

男友「お、おい、こっちに来るぞ」


ズズズ……


男「……」ゴクリ


?ゾンビ「ア"ァァ……!!」ズズズ…

鉈「」ズリズリ


男「あのゾンビ、鉈を引きずってやがる……しかもホッケーマスクを被ってるぞ……?」

男友「……まさか」

女「え?」

男友「ジェイソ……いや」

男友「"ベン"ソン(ベンの息子)が甦った」

>>280

鉈じゃなく斧の間違いです

ザァァァ……


男友「逃げるぞ!!」

男「あ、ああ!」

女「うん!」


タッタッタッ……

ブンブンブン……

グサッ!


女「きゃあ!?」

男「あ、あいつ、斧投げてきやがった!!」

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」ガサゴソ

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……!」つ鉈

男「今度は鉈だ!!どっから出したんだよあんなの!!」

男友「ゾ……やつらのなかでもアイツはヤバそうだ」

女「ねぇ、あそこに倉庫があるよ!」

男「倉庫!?そこへ行こう!」

男友「バカ!だから籠城は……」

男「違うって……武器の調達だ」

男友「武器!?あそこに武器があるのか!?」

男「ああ……農具や工具ばっかだけどな」

男友「十分だよ、よし、そこへ行こう!」

――倉庫内


ガチャ

バタン!


男友「はぁ……はぁ……おお、スゴいな!」

女「わぁ……」

男「バールも使えなくなってきて、ネイルガンも釘が切れてきたとこだ……ちょうど良かったぜ」ガサゴソ

男友「!?ショットガンまであるじゃないか!!」

男「でもお前使えないだろ、ショットガンなんて」

男友「まぁ……」

女「私使えるよ」

男「は!?なんで!?」

女「ハワイでお父さんに習った」

男友「は、初耳だぞそんなの……」

女「初めて言ったもん、ほら、貸してって」

男友「わかったよ……ほら」つショットガン

女「ありがと……うわ、久しぶりに触ると重た――!?」ガチャ


バンッ!!


男友「おわ!?」

男友「ま、またやったな!?」

男「おいおい、お前本当に銃使えるのか!?」

女「よく見てよ、後ろの割れた窓?」

男・男友「え?」

ゾンビ「ア"ァァゥゥゥ……」バタッ

男「お、おお……」

女「ほらね?」ガチャ

男友「……お見事」

・各自武器


・ネイルガン
・バット

男友
・チェーンソー
・スコップ


・ショットガン
・日本刀


男「おいちょっと待て、日本刀なんてどこにあったんだよ」

女「あそこの壁に掛かってた」

男「いくらなんでも揃いすぎじゃないか、ここ……」

男友「まぁいいだろ、日本のゾンビ映画と言えば日本刀だからな」

男「それで納得するべきなのか」

男「……二人とも、準備はいいか?」

男友「ああ」

女「うん」

男「よし……行くぞ、今度はこっちから襲う番だ」

男「奴等をぶっとばしていこーぜ!!」

男友・女「「オー!!」」

男「やつらめ……待ってろ――」ガチャ


倉庫のドア「」ズガッ


男・男友「「うわっ!?」」

女「きゃあ!?」

男「……」

男「……や、やっぱりそこの割れた窓から出よ――」


倉庫のドア「」ズガッズガッ


男「おわあああ!!」

男友「『シャイニング』だあああ!!!」

男「に、逃げるぞ!!」


タッタッタッ……


倉庫のドア「」ズガッズガッ

ドアの隙間「」

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」キョロキョロ

――森の中


タッタッタッ……


男「おら!!」ブンッブンッ


ドガッバキッ!


女「これでも喰らえ!」ガチャ


バンッバンッ!


男友「どりゃあああ!!」ギュイイイイン


ズバズバズバ!!!


男「はぁ……はぁ……い、いくら武器を手に入れたからと言って、さすがにこの数はきつい……!!」

女「そ、そうだね……きゃあ!?」ズルッ


バタッ!


ショットガン「」ガシャンッ!!!

日本刀「」ガシャンッ!!!


男「女!大丈夫か!?」

女「もう、なんでここ、こんなに濡れてるの……」

男「!?あぶない!!」

女「え!?」バッ


ゾンビ「ア"ァァ……!」

女「ヤ、ヤバ、武器が……!」

男「女……いっ……!?」


ゾンビ『ア"ァァァァ!!』

女『きゃああああ!!』


ガブッ!!


男「!?(な、なんだ……またなにか見えて……!?)」

ゾンビ「ア"ァァァァ!!」

女「きゃああああ!!」

男「女!!」タッタッタッ


ガシッ

ガブッ


男「ぐあっ!?」

女「きゃあ!?」


ズザァァァァ!!


男友「二人とも!?」

男友「うおおおお!!」タッタッタッ


ギュイイイイイン!!

ゾンビ「ア"ァァァァァ!!」ズバズバズバ


ドサッ!


男友「はぁ……はぁ……大丈夫か!?」

女「ど、どうしよう、男が!男が……!」

男友「え……?」

男「ち、ちくしょう……ドジった……」グチャア

男友「!?う、嘘だろ……」

男友「噛まれてる……」

眠くなってきたのでここまでで
それでは

深夜遅くに失礼
とりあえず書き溜めた分だけ投稿します

男「ま、マジかよ……」

男友「で、でも、これくらいの傷なら……」

男「いいよ、気を使うな、いくらホラー映画見たことなくても分かってるって……」

男「噛まれたら、そいつも奴等みたいになる……そうだろ?」

男友「多分……な」

女「ごめんね、私のせいで……!」

男「女のせいじゃないって……俺がむやみやたらに飛び込んだせいだ」

女「ごめん……ホントにごめんね……」

男「泣くなって、俺はまだ死んだわけじゃない、奴等になる前にジョデル……ホラーマンを倒して、エンドロールを迎えれば、生き残れる、そうだろ?」

女「……うん」

男友「そうだな、男が奴等みたいになる前に、この茶番劇を早く終わらせるんだ」

男「ああ――!?」


ブンブンブン……


斧「」グサッ!!!


男「うおっ!?」

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」

男友「な、アイツまだ追ってきてたのか!!」

男「親が親なら子も子だな」

男友「男、そこに落ちてるショットガンでアイツを!」

男「わ、わかった!女、どうやって撃てば!?」ガチャ

女「え、えと、弾は入ってるから、そこを引いたら、あとは撃つだけだよ!」

男「よし!」ガチャ


カチッ


男「……」

女「……安全装置(セーフティ)」

男「なんでそんなものが掛かってんだよ!」ガチャ

女「さっき落ちた衝撃で掛かっちゃったみたい……」

男「今度こそ!」


バンッ!!


男「うおっ」ドタッ

ホッケーマスク「」パリンッ

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」バタッ


男友「おお……」

女「わお……」

男「人生初のショットガンで、ヘッドショット決めちゃったよ」

男友「よ、よし、早いとこ逃げよう、やつらが集まってくる」

男「ああ」

女「うん」


タッタッタッ……


ベンソンゾンビ「……」

ベンソンゾンビ「……」ピクッ

タッタッタッ……


男「はぁ……はぁ……!」

ジョデル「こんばんわー?」

男「うわっ!?」ドテッ

ジョデル「はは、そのリアクションはオーバーでしょ、ブルース?」

男友「お前か……」

ジョデル「どーもー、本日二回目の登場、ジョデルちゃんでーす……て、あっれ~?ブルース噛まれたの~?早くエンドロール流さないと死んじゃうよ~?」

男「うるさい」

女「相変わらずな口調だね……」

ジョデル「あれだけの数のゾンビをよく潜り抜けてきたねー?ま、私が武器を用意してあげたおかげか、アハハ!」

ジョデル「……それとも、君の不思議なフラッシュバックのおかげかな、ブルース?」

男「!?」

女「フラッシュバック?」

男友「なんの話なんだ?」

男「なんでそれを……!?」

ジョデル「実はね、前にも見たんだよ、君みたいな不思議な力を持ってる人……チャーリーもそうだったから」

男「……!一体、この能力はなんだっていうんだ!」

ジョデル「私にもよくわからないよ、だけどざっくり言ってしまうなら、『人の死の瞬間が見える力』、みたいだね」

男「な……俺は霊感ゼロなんだぞ、なんでそんなものが」

ジョデル「霊感があるとかないとかは関係ないんだよ、それにその能力はこの映画の中でしか意味を成さないみたいだし、誰もその力をまともに扱えていなかったしね……まぁ所謂、ちょっとした『主人公補正』みたいなものなのかな」

男「ますます謎だな……」

ジョデル「フフ……でも謎であればあるほど、ホラー映画は面白くなるものだよ」

男友「確かに、それには同調するよ」

女「アンタはどっちの味方なの」

ジョデル「ま、そんな話は置いといて……」

ジョデル「これでエンターテイメントは終わり、今から本当のホラーの始まりだよ」

女「本当のホラー?」

ジョデル「そう……この私が、君たちを襲うモンスターになるんだから」

男「は、お前が俺たちを襲う?そんな華奢な体で?」

ジョデル「フフ……その余裕の態度、いつまで続くかな?」

ジョデル「ところで、『パラサイト』や『スピーシーズ』は見た?SFホラーでは、綺麗な美少女が実は狂暴なエイリアンだったり極悪なモンスターであるものだよ……もちろん、この私もね?」

男「どういう意味だよ」

ジョデル「フフ……ト・シュンボライオン・ディアコネートー・フェイト・ピュエラ・マギア……」

女「ま、また意味不明な呪文を」

ジョデル「エックソーシザマズ・ティー・オミニス・イムンドゥスム・スピリトゥス……」

男「今度はなにを唱える気だ!?」

ジョデル「ルルイエ・ウガフナグル・フタグン・クラトゥ・バラタ・ニクトゥ・エクスペクト・パトローナム……」


ゴゴゴゴゴゴゴ……


男「!?どんどん体がでかく……」


ジョデル「カンダァァァァァァ!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ……


女「な、なにあれ……顔がタコみたいに触手だらけ」

男「やつが……二メートルある化け物に……」

男友「ま、まるであの姿はクトゥルーだな……」

ジョデル「フフフ……『花嫁はエイリアン』ナラヌ、『美少女はエイリアン』ッテトコカナ」ベチャア…

ジョデル「サア、コレデモ私ヲ倒セルカナ?」

********


タッタッタッ……


女「おりゃ!」ズバッズバッ

男友「だぁぁ!!」ドガッ

ゾンビ「ア"ァァ……」バタッ

クトゥルージョデル「ハハハハハ!!ラン、ラビットラーン!ホラホラ逃ゲナイト死ンジャウゾ~!!」

男「はぁ……はぁ……やつが化け物になった上、奴等も襲ってくるなんて、どんな悪夢だよ!」

男友「全くだな……そういえば男、車ってのはどこにある?」

男「ああ、ここをもう少し行けば吊り橋が見える、だからそこを渡って……」

男友「吊り橋!?吊り橋を渡るのか!?」

男「ああ」

男友「まさかその下は川とかじゃないよな」

男「そうだけど」

女「どうかしたの?」

男友「勘弁しろよ……俺はカナヅチなんだぞ……」

男「知るかよ、そこを渡らなきゃ他に道はないんだ……!?」

男友「どうした?」

男「そうだ……吊り橋だ」

女「吊り橋が何って?」

男「何って?」

男「奴等を恐怖のどん底へ突き落としてやるんだ」

男友「……ハハ」

女「なるほどね」

タッタッタッ……


男「よし、もうすぐ吊り橋――」


ガシッ!


男「うわっ!?(足が触手みたいなのに捕まれて……!)」

男友・女「男!!」

クトゥルージョデル「アハハ、ソウ簡単ニ逃ガスワケナイデショ!!」ブンブンッッ


木「」ドガッ!


男「がはっ!!」ドサッ


バット「」ガチャ

ネイルガン「」ガチャ


男友「男!!」

男「来るな!!」

男友「!!」

男「俺のことはいい、早く吊り橋へ向かえ!!」

女「で、でも……」

男「いいから早く、俺に構わず先に行け!!こいつは俺一人でなんとかできる!!」

女「ダメ!男を置いてなんていけないよ!」

男「大丈夫だ、絶対に俺は死なない、後で絶対に追い付くから!!」

クトゥルージョデル「大シタ自信ダネ、ブルース?」ガシッ

男「ぐぅ……!」ジタバタ

女「バケモノ!!男を離して!!」ガチャ


バンッバンッ!

ブシャア、ブシャア……


クトゥルージョデル「痛イ……痛イゾ小娘ェェェ!!」ブンッ


女「きゃあ!!」


ドガッ!


女「うっ……」バタッ

男友「女!!」


タッタッタッ……


男友「良かった……気絶してるだけか」

男友「……お前、よくも女を」

クトゥルージョデル「アノ娘ガ私ニ、オイタヲスルカラダヨ……」

男「……そうか、じゃあ、その傷を治さなきゃな」ガサゴソ

クトゥルージョデル「?」

男「ほら……」

男「薬だ!!」

風邪薬のビン「」ブンッ

クトゥルージョデル「!?」


パリィィィィン!


クトゥルージョデル「グァァァァァ!!」バッ

男「うおっ」ドサッ

男「はは、ごめん、どうやら風邪薬じゃ銃創は治せないらしい」

クトゥルージョデル「ブルースゥゥゥ……!!」

男「男友、今のうちに女を連れて逃げろ!」

男友「ふざけるな!!さっき数秒で死亡フラグ5、6個羅列したヤツを黙って置いていけるか!!」

男「は!?」

男友「なんでもないよ!!」

男「なぁ男友……帰ったら、三人で映画でも見に行こうぜ」

男友「お前わざとやってるだろ!!」

男「いいから早く行け!!」

男友「クソ……絶対死ぬんじゃないぞ!」


タッタッタッ……

めっちゃ中途半端なとこで終わりましたが
ここまでで

おやすみなさい

>>1です

読者の皆様方、一ヶ月もの間何の連絡も無しにこのSSをほったらかしにしてしまい、本当に申し訳ありませんでした

亀更新ではあると思いますが、今後ここまで間を開けることは絶対致しません
必ずこのSS完結させますので、どうかお読みください

今から投稿します

タッタッタッ……


男友「だぁ!!」ブンッ


ドガッ!


男友(く、スコップが曲がって……これじゃあもう使えないな)ポイッ

男友(少し刃が傷んできてるが、チェーンソーで乗り切ろう……っていうか、女重た)


ザッ


ゾンビ「ア"ァァ……」

男友「うわっ!?(ヤバ、いつの間に背後に……!)」ギュイイイイン

ゾンビ「ア"ァァ……」ブルブル…

男友「……ん?(なんだ?このゾンビ、様子がおかしいぞ)」

男友(待った、このゾンビ、どこかで……)

男友(そうだ!あの時TVに映ってた奴だ!名前は確か、チャーリーだったよな)

チャーリーゾンビ「ア"ァァ……」ブルブル…

チャーリーゾンビ「ア"ァウ!!」ガブッ

男友(!?コイツ、突然自分の腕を噛んで……)

チャーリーゾンビ「ア"ァウ"ウウ……」グチャグチャ

男友(まさか、俺たちを食わないようにしてるのか?)

チャーリーゾンビ「ア"ァァ……」ベタ…ベタ…

男友(去っていった……一体、何が起こったんだ?)

男友(まぁいい、とにかく今は逃げることに専念しよう)タッタッタッ…

あと、クトゥルージョデルですがこの名前だとながったらしいのでホラーマンと表記します
ホラーマンのしゃべり方もカタカナでは読みにくいと思うので変えさせて頂きます

ホラーマン「ウゥ……フフ……泣かせるねぇ、仲間の為に自己犠牲か……グス」

男「マジで泣いてるしな、そんなに痛かった?」

ホラーマン「うるさい」

ホラーマン「そんなに調子にのっていいのかな?今すぐ君に『死の地獄行きツアー』のチケットを叩きつけようか、格安で?」

男「……」

男「……え、ごめん、なんだって?」

ホラーマン「いや、チケットを叩きつけるっていうのは比喩で……もういい、とにかく君を殺すってこと!!」ブンッ

男「おわっ!?」サッ

男「だったら、俺はオマエを倒すまでだ!」

ネイルガン「」バシュンッ

グサッ


ホラーマン「グッ……フフ、倒すねぇ?それで君が満足するなら、それでいいよ」

男「……?」

男「ど、どういうことだよ?」

ホラーマン「フフ……その前に、一つだけクイズを出すよ」

ホラーマン「この映画の中で死ぬと、現実世界ヘ二度と戻れなくなる、そして映画の中に閉じ込められる、それはさっき説明したね?」

男「ああ」

ホラーマン「じゃあ、君がもし、ここで死んだ場合、現実世界での君の扱いはどうなると思う?」

男「……行方不明?」

ホラーマン「残念!不正解!」

男「じゃあ、どうなるってんだ」

ホラーマン「君は『ボディスナッチャーズ』を見たことあるかな?」

男「それも知らないな、映画には疎いもんでね」

クトゥルージョデル「ハァ……男友くん以外は教養のない子ばかりで困る」

男「悪かったな」

ホラーマン「つまり……本物と偽物を入れ替えるってことだよ」

男「な……なんだよ、それ」

ホラーマン「そのままの意味だよ、君を私が作り出した偽者とすり替えて世に送るんだ……新たなホラーマンとして」

男「そんな……ま、まさか、ここにいたチャーリー達も……」

ホラーマン「既に現実世界に送ったよ、私が作った偽物を」

男「嘘だろ……」

男「で、でも、何でそんなことする必要がある、さっき言ってた動機とは全く関係ないだろ」

ホラーマン「フフ……ホラー映画に革命を起こすんだよ」

男「革命?」

ホラーマン「そう……最近の腐った映画業界を変え、新たに生まれかわらせるんだ」

ホラーマン「本当にホラー映画を愛するもの達のための、理想郷へとね」

男「そんなこと、許されるはずないだろ!」

ホラーマン「なぜ?いいものを作ることは悪いことじゃない」

男「いやまぁ、映画に関しては正直どうでもいいんだけど」

男「お前の勝手で何の罪もない人を偽者に変えるだなんて、やっていいわけないだろが!」

ホラーマン「そんなこと、私には関係のないことだよ」

男「それにこんなクソみたいなホラー映画が大量に量産される世界になったら、男友は発狂するだろうしな」

ホラーマン「クソ……?クソって言った?」

ホラーマン「安物ならまだしも、私の映画を、クソって?」

男「ああ、言ったね」

ホラーマン「……」


触手「」シュンッ


男「おおっ!?」サッ

男「……」

ホラーマン「……」

男「……いや、サイコー!って言ったかも」

――吊り橋前


男友「クソッ!」


ザァァァ……


男友「はぁ……はぁ……」

男友(橋が……壊されてる)


ザァァァ……


男友「これもホラー映画のパターンってわけか……ちくしょう」

男友(川も浅瀬なら降りてなんとかなかったが、雨で氾濫して水かさが増えたんだろう……かなりの急流だ、これじゃ渡れない)


女「……」ドサッ


男友(はぁ、天気は荒れるわ、ゾンビは出るわ、奴は化物になるわ、吊り橋は壊されるわ、女は重たいわ……ここまで来るとホラー映画が嫌いになりそうだ)

男友(助けは……来るわけないよな……)

男友「なあ女……助けが来ると思うか?」

女「……」

男友「……」

?「おーい!!」

男友「!?」キョロキョロ

?「こっちだ!岸の向こう側!」

男友「え……!?」バッ

トラックの運転手「助けに来たぞー!」

男友「おお……!?」

男友「……誰だ?」

トラックの運転手「で、ブギーマンはどこだ!」

男友(ブギーマンどころじゃないが……)

男友「さっきまで追われて、ここまで逃げてきたところだ!!どうにかそっちへ行きたいけど、どうにもできない、なにかないか!?」

トラックの運転手「すまねぇがこっちの荷物に役に立ちそうなものがない、まさか橋が壊れてるとは思ってなかったんでな……」

トラックの運転手「ん?ちょっと待て、ここの崖にロープが垂れ下がってる!」

男友「ロープ!?」

トラックの運転手「多分吊り橋を支えてたものだろ……だけど、そっちへ渡す手段がない」

男友「く……ダメか」

トラックの運転手「クソ、せっかく助けに来たってのに、どうにもできなくてすまねぇ」

男友(なにか……あのロープをこっちへ渡す手段はないか……?)

トラックの運転手「!?おい、後ろだ!!」

男友「え……?」


斧「」ブンッ


男友「うわっ!!」サッ


グサッ!!


男友「!!(この斧、まさか……)」

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」

男友「まだ生きてたのか……コイツ」

チェーンソー「」ギュイイイイン

男友「おらっ!!」ブンッ


ズバババババ……

ガチッ!!


男友「え!?」ギュンギュンンン…


ガチッ、ガチッ


男友(し、しまった、刃こぼれか!!)

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」つ鉈

男友「ヤバ」

ベンソンゾンビ「ア"ァァァァ!!」ブンッ

男友(嘘だろ、ここで終わりなのか……二人とも、ごめ――)


グサッ!!











男友「……あれ?」

ベンソンゾンビ「ア"ァァ……」ポタポタ…

男友(!!奴の腹から日本刀の刃が……まさか!)

女「あ、あぶなかった……」

男友「女!!」

女「……ほら、ボケッとしてないでそこどいて」

男友「え?あ、ああ……」サッ

女「」スタスタ…


ポイッ


ベンソンゾンビ「ア"ァァァァァ……」ヒュウウウウ…


ボチャッ……


女「ふぅ……これでよし」

男友「わお……」

女「……なにか言うことは?」

男友「あ、あぁ、ありがとう、マジで助かった」

女「赤いの付いてる」

男友「あ?うわ、血だらけ……」

女「マジで感謝してよね、私だって二人が死ぬなんて絶対ごめんだし、特に……」

男友「……?」

女「何でもない///」

男友「顔が赤いぞ」

女「あ、頭に血が上ってるんだよ」

男友「いやそうじゃなくて、顔に血が」

女「え?あ、そういうこと……」ゴシゴシ

トラックの運転手「お前ら大丈夫かー!?」

男友「ああ、大丈夫だー!」

女「ねえ、あの人誰?」

男友「知らない」

男友「っていうか、日本刀ごと捨てて良かったのか?」

女「どのみち刃がボロボロだったし、それにまだ、こっちにはショットガンがあるし」

男友「あ、ああ、そうだったな」


********


男友「とりあえず、一つ困難を乗り越えたけど……」

男友「この崖を飛び越える手段がないな」

女「あのロープをどうにかしてこっちへ渡さないとね……」

男友(どうする……)

女「あんなロープ、こっちへ投げ飛ばしても途中で川に落ちちゃうだろうしね……」

男友「そうだな……ん?」

男友(待てよ、"投げ飛ばす"?)チラッ


斧「」


女「どうかした?」

男友「……これだ」

とりあえず今日はここまでで
お読みくださりありがとうございました

長らくお待たせしたこと、本当にすみません

こんにちは

今から投稿できるだけ投稿します

********


男友「そっちへ斧を投げるから、どこかにそのロープをくくりつけて、そしたらロープで斧を縛って、こっちへ投げてくれ!」

トラックの運転手「ああ、わかった!」

男友「よし、じゃあ投げるぞ!」

トラックの運転手「俺に当てるなよ!」


斧「」ブンッ


ザクッ


トラックの運転手「おわっ!?」サッ

トラックの運転手「当てるなっつっただろうがよ!!」

男友「だ、大丈夫、当たってないだろ?」

トラックの運転手「ったくよ……」ガシッ

斧「」ブンッ


ザクッ


トラックの運転手「届いたか!!」

男友「ああ!」

女「やった!これで渡れる!」

男友「とりあえず、女は先に渡ってろ、俺は男を助けにいく」

女「ちょ、ちょっと待ってよ、だったら私も行く!」

男友「ダメだ、ここを渡れ、その病み上がりの体じゃ危険だ」

女「そんな、だからって二人を置いて先に行けるわけないでしょ!?私も行かせて!」

男友「だから……」

女「だから何!?」

男友「お前を危険な目にあわせたくないんだ!」

女「!!」

男友「……」

女「……わかった、気持ちは嬉しい、けど、私も行かせて」

男友「でも――」

女「私だって同じ、二人を危険な目にあわせたくない」

女「……男友を、危険な目にあわせたくないから」

男友「……!」

女「だから、私も行かせて」

男友「……」

女「……だいたい、武器も無しにどうやって戦うの」

男友「チェーンソーが……」

女「刃こぼれしたでしょ」

男友「ショ、ショットガンが……」

女「使い方知らないでしょ」

男友「……斧が」

女「斧だけでどうやって助けるの」

男友「な、投げるとか?」

女「はぁ……だから男友を置いていきたくないんだよ、しっかりしてるんだか、してないんだか、分からないんだから」

男友「……わかった、一緒に来てくれ」

女「そうこなくちゃ」

男友「悪いけどアンタ、そこで待っててくれるか!友達を助けに行かなきゃならないんだ!」

トラックの運転手「わかった、気を付けろよ!」

男友「そうだ、ゾンビには気を付けろよ!」

トラックの運転手「ゾンビ?」

女「"奴等"」

男友「はぁ……」

男友「……と、とにかくそういうことだ、すぐに戻――じゃなかった、アンタも気を付けてくれ!」

トラックの運転手「わ、わかった、よく分からんが頑張れ!」

男友「ああ!」


タッタッタッ……

タッタッタッ……


男「はぁ……!!」

男(少しだけど時間稼ぎは出来た、このまま吊り橋へ向かえば奴を……!)

触手「」ブンッ

男「くっ……」

ネイルガン「」バシュンッ


グサッ!!


ホラーマン「ぐぅ……!」

触手「」ブンッ


ネイルガン「」カチッ

男(くそ、釘が切れた、よけれない!)


ドガッ!


男「うっ!!」


ズサァァァァ……


男「ガハッ……(腹をやられたせいで、吐き気で立てねぇ……)」


ベタ……ベタ……


ホラーマン「もう終わりだ……男くん」

男「はぁ……はぁ……」

男(こりゃさすがに、アウトか……)

ホラーマン「お前もこれで、晴れて私の仲間入りだ!!」


触手「」ブンッ


ガシッ!!


ホラーマン「!?な、なにが……」

チャーリーゾンビ「ア"ァァ……」

男「チャーリー!!」

ホラーマン「チャーリー!?」

ホラーマン「く、邪魔だァァァァ!!!」


触手「」ブンブンブンッ


チャーリー「ア"ァァ……!!」


ドカッ!!


男「チャーリー!!」

ホラーマン「今度こそお前を――!」

男「くっ!」


バンッ!!


男「!?」


ホラーマン「クソ、今度は誰だ!?」

女「男、助けに来たよ!」

男「女!?」

男友「ったく、何が先に行け!だ、お前が一番危ないじゃないか!」

男「男友!?お前ら逃げてろって行ったろ!?」

男友「生憎橋が壊れてて逃げられなかったんだよ」

男「ま、マジか……じゃああの計画も……」

女「結局無しってこと」

男「はぁ……名案だと思ったんだけどな」

男友「とりあえずこの化け物から逃げるぞ、また倒す方法を考えないと」

男「くそ……ぐっ」ドサッ

男友「大丈夫か!?」

男「あ、ああ、腹をやられただけだ、歩ける」

男友「逃げるんだから走れなきゃダメなんだよ、ほら、俺にもたれろ」

男「す、すまん」

ホラーマン「悪いけどそうはさせな……」


ガシッ!


チャーリー「ア"ァァ……」


ホラーマン「さ、さっきからなんなんだ!?」

男友「あ、あのゾンビ、さっきの!?」

女「まさか、私たちを逃がそうとして……」

男「ああ、そうみたいだな……今の内に逃げよう」

男友「そ、そうだな」


タッタッタッ……

タッタッタッ……


男友「にしてもアイツ、完全にキレてたぞ、なんかしたのか」

男「ま、まぁな……」

男「ってかおい、もしかして吊り橋へ向かってるのか?」

男友「ああ」

男「吊り橋は壊されてたんじゃ?」

男友「まぁ壊されてたけど、何とかして渡れるようにはしといた、運の良いことに、助けも来てくれてたしな」

男(助け?)

女「どうしよう……このまま逃げたとして、倒す方法もないよ」

男友「このまま吊り橋へ逃げたとしても、奴も何とかして俺たちを追ってくるだろうしな……」

男「さっきの殺人鬼みたいにアイツみたいなのを倒す方法はないのか、男友」

男友「うーん……ショットガンをあれだけ食らわせても生きてるような奴だ、俺たちが仕掛けた安易な死亡フラグじゃ奴に多分感づかれるだろうし、何より倒せない……」

男「ち……このまま逃げるしかないのか」

――吊り橋前


女「よし、着いたね!」

男「そうだな……ゲホッゲホッ」

男友「どうした、まだ腹が痛むのか!?」

男「わ、わかんないけど、急に体がだるく……」

男友「ゾンビに噛まれたつけが回ってきたか……」

男「ふ、ふう、とりあえず大丈夫だ」

男友「ほんとか?」

男「ああ、ほんとほんと」

トラックの運転手「待ちくたびれたぞ!」

男「ん……あ、あれって、あの無線の……まさか助けってあのおっさんか!?」

男友「ああ、そうだ」

男(あれだけ悪態ついて来てくれたのか……おっさん万歳!名前知らないけど)

男「……で、ここを渡ればいいんだな?」

男友「ああ、ぶら下がるようにしていけば、あっちまで渡れる、女、先に渡っててくれ」

女「うん、わかった」


ギシギシ……


男「お、俺は一番後でいい」

男友「……ああ、わかった」

********


トラックの運転手「よし、後もうちょっとだお嬢ちゃん、頑張れ!」

女「はぁ……!」


ギシギシ……

スタッ!


トラックの運転手「よし!よく頑張ったな!」

女「お、思ったより何倍も怖かった……」

トラックの運転手「ほら、お前らもあともうちょっとだ!」

男友「お、落ちたら死ぬ……落ちたら死ぬ」


ギシギシ……


男「おいお前どうした!行く前と全然違うぞ!」

男友「俺カナヅチなんだって……忘れてたけど」

男「なんでもいいから早く渡れ!俺も結構限界なんだぞ!」

ギシギシ……

スタッ!


男友「ふ、ふぅ……死ぬかと思った……」

女「よく頑張ったって」

男友「ああ、自分でもそう思う」

トラックの運転手「あとはお前だけだ、頑張れ!」

男「はぁ……はぁ……や、ヤバイな……ダルくなってきた」

ギシギシ……

ブチッ


男「お、おい、なんかあっちから変な音したぞ!」

トラックの運転手「ヤバイぞ、ロープが限界なんじゃないのか!」

女「嘘!?」

男「はぁ!?これ吊り橋のロープじゃないのか!?なんで限界なんだよ!!」

トラックの運転手「いいから急げ!早くしないとロープが切れてお前もお陀仏だぞ!!」

男友「早くこい男!!」

男「ちくしょう……」


ギシギシ……

男友「あともう少しだ男!頑張れ!」

女「頑張って!」

男「はぁ……」


ホラーマン「フフ……見つけた」


男友「……!?おいヤバイ!!奴が来たぞ!!」

男「なんだって!?」


ホラーマン「あれ?このロープ……切ったらどうなることやら……?」サワサワ…


男「て、てめぇ……何もすんなよ……何も……」

ホラーマン「試してみようか!!」ブンッ


ブチィッ!!


男「嘘だろオイ……」


ヒュウウウ……


男「うわああああああ!!!!」

男友・女「男!!」


ヒュウウウ……

ドガッ!


男「ごふっ!!?」


ズザァァァァ……

ダラァン……


男友「男!!大丈夫か!!」

男「大丈夫じゃない……全身むち打ち……超いてぇ」

男友「無事だな」

女「無事だね」

ホラーマン「ちっ……残念……」

男友「男!そのままロープ伝って登ってこい!今なら奴はこっちに来られない!」

男「わ、わかった」


ギシギシ……


ホラーマン「それはどうかな男友くん……それならわざわざロープを切ったりしない」

男友「!?」

ホラーマン「クトゥルーってモンスターのことを理解してないみたいだね……」

ホラーマン「クトゥルーには……」


バサァッ!


ホラーマン「翼があるんだよ!」

男友「し、しまった!」

男「ふ、ふざけんな!!そんなの反則だぞ!!」

ホラーマン「ホラー映画のモンスター達に反則もクソもない!!」バサバサッ

男「く……」


ガシッ!!


ホラーマン「!?」

チャーリーゾンビ「ア"ァァ……」

ホラーマン「し、しつこいやつ……!!」

男「チャーリー!!」


ガシッ!!


ホラーマン「だ、誰だ!?」


シガニー、ジェイミーゾンビ「「ア"ァァ……」」


男「シガニー、ジェイミー!?」


マイケルの頭「」コロコロ…


ガブッ!!


ホラーマン「ぐっ……マイケル……!!」

男「お、おお……」

男「……センキュー、マイケル」

ホラーマン「離して……離せ!!」ブンブンッ


男友「男、掴まれ!」

男「ああ!」ガシッ


スタッ!


男「ふぅ……身体中ズキズキする……」


ホラーマン「離せ!!」ブンブンッ


ドカドカドカッ!!


男「皆!!」

ホラーマン「お前ら全員殺してやる!!」バサバサッ


チャーリー「」ガブッ!!


ホラーマン「がっ……つ、翼が……落ちる!!」

男「チャーリー!!」

チャーリー「ア"ァァ……」(敬礼)ビシッ


男「チャーリィィィィィィ!!!!」

ホラーマン「クソがぁぁぁぁぁ……!!」ヒュウウウウウ…


バシャアアアアアアン!!!!

皆「……」

男「今度こそ、やった――」

男友「おいよせ」

男「?」

男友「そのセリフは死亡フラグだ」

男「そ、そっか」

男「でも、チャーリー達はなんで奴等になっても俺たちを……」

男友「……よく考えたら、当たり前の事かもな」

男「え?」

男友「奴等は俺たち、だから」

男「?」

女「これで……帰れるの?」

男友「ああ、多分な」

女「良かった……!」ダキッ

男友「ああ……そうだな」ダキッ

男「……なあお前ら、いつの間にそんな関係になったわけ?」

トラックの運転手「全く、あんな化け物初めて見たぜ」

男友「ああそうだ、ありがとう、アンタが居なければ、俺たちは死んでた」

男「ああ、ほんとだな」

女「ありがとうございました」

トラックの運転手「へへ、大げさだぜ、いいってことよ」


トラックの無線『ピ――ガガガキュルキュル』


トラックの運転手「おっとすまねぇ、ダチから連絡入った……なんか用か!」

トラックの無線『キャンディ・ケーンを知らないか』

トラックの運転手「あん?なんだそれ、新しいアメか?」スタスタ…

男友「」チラッ

トラックの荷台の文字『Happy Toyz』

男「二人とも、あれ」

男友「ん?」

男「あの車に、例のCDがある」

男友「……71年型マスタング、フォード社か」

女「へえ、車にも詳しいの?」

男友「いや、『デス・プルーフ』で知っただけだ」

男「それって映画?」

男友「ああ」

男「さすが」

ズズズズ……


男「ん?なんか今音がしなかったか?」

男友「ああ……聞こえた」


触手「」シュルルルルル


トラックの運転手「な、なんだ!?」

男友「危ない!」


ガシッ

トラックの運転手「ぐ!?」


触手「」ブンッ


男「おっさん!!!」


トラックの運転手「うわああああああ!!!!」ヒュウウウウウ…

男「おっさあああああん!!!」


バシャアアアアアアン……!!


男「クソ……まだ名前も聞いてなかったのに」


ホラーマン「フフフフフ……ハハハハハ!!」ズズズズ…


男友「こいつ、まだ生きてやがったのか!!」

ホラーマン「残念、クトゥルーは水の神、どこかの誰かさんみたいにカナヅチじゃないんだよ!!」

男友「うるさい!だいたいあの人は関係ないだろ!!」

ホラーマン「知るか!!邪魔する奴は全員殺す!!」


触手「」シュルルルルル


ガシッ


女「きゃあ!!」

男・男友「女!!」

男友「女を離せ!!」

ホラーマン「ククク……例えどんな手を使っても、君たちを逃さない」

女「ぐぅうう……はな……してっ!!」


ショットガン「」グサッ


ホラーマン「ぐあああああ!!」ブンッ


女「きゃあ!!」

男友「女!!」


女「きゃあああああ!!!」ヒュウウウウウ…


男友「そ、そんな、嘘だろ……」

ホラーマン「クク……しくじったが、結果オーライってとこか」

男「てめぇ……!」

ホラーマン「すぐにお前らも同じ目に合わせてやる!!」

男「く……逃げるぞ!」

男友「だ、だけど女が……」

男「今助けようとしたらお前も死ぬことになるぞ、まずはアイツを撒かないと!!」

男友「くそ……わかった」

男「この車で逃げるぞ、俺が運転席に乗る」

男友「でもお前体がヤバイんじゃないのか?」

男「大丈夫だ、まだ体の自由は効く、早く乗るぞ!」

男友「ああ」


バタンッ!


男友「……っておい、運転席逆だぞ!!」

男「しまった忘れてた、これ外車だったな……」

男友「いいから早く鍵を渡せ!!」

男「わ、わかった」ガサゴソ

男「これだ」サッ

男友「よし」パシッ


ガチャ!

キュルルルル、キュルルルル


男友「え、エンジンがかからない!!」

男「はぁ!?なんでかからないんだよ!?」

男友「くそ、かかれ!!かかれよ!!」

男「い、急げ!奴が近づいてきてる!!」


キュルルルル、キュルルルル

ブゥゥゥゥゥンン……!


男友「かかった!!!」

男「やった……」

ホラーマン「ククク……」

男「うわっ!?窓に!窓に!」

男友「いけ!!」ガッ


ブロロロロロロロロ!!!


ホラーマン「ちっ……」

男「よし!!そのままアクセル全開で逃げろ!!」

男友「フォード社め……一生恨んでやる」


ブロロロロロロロロ……




缶ビール「」コロコロ…

ブロロロロロロロロ……


男「このままどうする、奴を撒けたとして……」

男友「……」

男「男友?」

男友「……え?あ、ああ、ごめん」

男「……女の事か」

男友「……ああ」

男「女なら絶対無事だよ、心配するな」

男友「何を根拠にそう言える?気休めはやめてくれ」

男「いや、気休めじゃ……」

男友「やめろって言ってるだろ!!」

男「……」

男友「……ごめん、少し気が動転してて」

男「仕方ないって」

男友「……改めて実感しちゃってな、俺は何も出来ないな、って」

男友「俺は女を危険な目に合わせないって約束したのに、この様だ、お前は女の命を救ってくれたのに」

男「……なにいってんだ、何も出来ないのはこっちの方だって」

男「お前と女がいなきゃ、俺はここまでこられなかった、何回俺と女がお前に救われたと思ってんだ」

男「俺はお前みたいに殺人鬼を倒すアイデアも浮かばなかっただろうし、壊された道を渡れるようにする方法なんて思い付きもしなかったよ」

男「それに、非童貞だから殺人鬼すら倒せなかったしな」

男友「……はは」

男「……俺はお前たちを守る事しか出来ない、いや、それすらもまともに出来てない……だけどお前なら、奴を倒すことが出来る」

男友「……」

男「それに女が生きてるっていうのも気休めで言ってるんじゃない、もし女が死にかけてるんなら、俺はまた妙なフラッシュバックを見たはずだ、でもそれが無かった」

男友「……そう、だな」

男「だから今は、女を信じよう、それでアイツともう一度会うためにも、生き残るんだ、そして……」

男「奴を倒して、皆で帰ろう、もとの世界に」

男友「……ありがとう」

男「それはこっちのセリフだ」


ブロロロロロロロロ……



看板『事故多発地域注意』

男「……そろそろ奴を撒いたか?」

男友「多分……」

男「……!?男友、危ない!!」

男友「!?」

ネコ「ニャー」タッタッタッ…

男友「なんでネコがいるんだ!?」

男「よけろ!!」


キュルルルルルルル!!

ガタンッ!


男「ヤバイ!木にぶつかる!!ブレーキ!!」

男友「あ、ああ!!」


缶ビール「」コロコロ…


カチャ

ブレーキ「」ガッ

男友「!?」

ブレーキ「」ガッガッ

男「なにしてんだ!?」

男友「ブレーキが効かないんだ!!」

男「なんでだ!?」

男友「知るか!!」

男「ヤバイヤバイぶつかるぶつかる!!!」

男友「うわああああああ!!!!」


ガシャアアアアアンンンン!!!


シュウウウウウウ……

男友「ぐ……うぅ……」

男「だ、大丈夫か……?」

男友「あ、ああ……」ガサッ


********


男「ああ……むち打ちだったのにまたぶり返した……」

男友「最悪だな……」

男「……良かった、CDは無事だな」

男友「もしかしてそれがそうなのか?」

男「ああ……」

男友「……とりあえず、一旦車から出るか」

男「そうだな……」ガチャガチャ

男「くそ、ドアが開かない……そっちから出してくれ」

男友「わかった」


********


男「ふぅ……」ポロッ

男友「……?なんか落としたぞ?」

男友「……レシート?」

男「ああ……ガソリンスタンドのだろ……」

男友「ガソリンスタンド……この先にあるのか?」

男「ああ、もうちょっと行った所にな」


コロコロ……


男友「ん?」チラッ


缶ビール「」ピタッ


男友「缶ビール……アルコール……」

男友「ガソリン……?」


缶ビール「」ポタ…ポタ…


男「おい、どうした?事故って思考停止したか?」


ポタ……ポタ……


男友「いや……」


ポタ……ポタ……


男友「むしろぶっ飛んだ」

今日はここまでにします
それでは

どもです
今から投稿します、今日で終わりかもです

********


男「ガソリンスタンド?」

男友「ああ」

男「そんなとこいってどうすんだよ」

男友「奴をぶっ飛ばす」

男「……おお」


ズズズズ……!!


ホラーマン「ミツケタァァァ……」

男「もう追い付いてきたのかコイツ!?」

男友「このままガソリンスタンドへ向かうぞ!!」

男「ああ……うっ」

男友「どうした!?」

男「……い、いや、なんでもない、いこう」

男友「あ、ああ」


タッタッタッ……

━━ガソリンスタンド


男「着いたぞ、あれだ!」

男友「よし!」


ガチャッ

チリンチリン♪


ローブを着た女性「そこのあなた!!」

男「うわっ!?」

ローブを着た女性「あなたは神を信じる?」

男「知るかよ、どいてくれ!」スタスタスタ……

ローブを着た女性「罰が当たるわ、あなた……!」


********


メガネ店員「いらっしゃいませー」

男友「おいあんた!」

メガネ店員「なんでしょう?」

男友「この店内にある燃えそうなもの全部集めてくれ!」

メガネ店員「……え、なんだって?」

男「いいから早く!!」


ガシッ


男「うおっ……ってアンタまだいたのかよ!」

老人「あ?なにを言っとる、わしはここの経営者だ、バカタレめ」

男「あ、そうだったの」

老人「そんなことよりここは火気厳禁だと言っとるじゃろが、貴様らイカれたか!!」

男「まともだよ!!今モンスターに追われててそれどころじゃねーんだよ!!」

老人「は、モンスター?ハロウィンはもう過ぎたぞ」

男「知ってるよ!!」

男「あのな、よく聞け!アンタだって覚えてるはずだ!!だから俺に忠告してくれたんだろ!?」

老人「忠告?何の話だ」

男「これだよ!!」つトランシーバー

男「あんたがこれをくれたんだろ!!覚えてないのか!!」

老人「わしが……これを?」


スタスタスタ……


男友「皆聞いてくれ!!ここは現実じゃない、偽りの世界なんだ!!イカれたホラー映画オタクが作り出した、幻想なんだよ!!男友、お前のことじゃないぞ」

男友「いや、分かってるから」

男友「男の言うとおりだ、ここは映画の中なんだよ、皆洗脳されて、ここが現実世界だと思い込まされてる!」

黒人店員「映画の中だぁ?」

男「ああ、俺達もここに連れてこられて、殺人鬼や化け物に襲われたんだ!」

黒人店員「一体何の話だ、映画の見すぎだぞお前ら」

男「これがその映画の中なんだよ!!」

老人「彼らの言ってることは本当だ」

黒人店員「ちょ、店長、あんたまでなにいってんすか!」

デブ店員「俺、思い出したかも」

黒人店員「ああ!?」

イケメン店員「俺も思い出した、人形に襲われたんだ!!」

黒人店員「人形!?」

マドンナ店員「私も思い出したわ!トマトに襲われて……」

黒人店員「トマト!?」

メガネ店員「俺もだ!コンドームに!」

黒人店員「コンドーム!?」

デブ店員「俺は奴のプッシーで逝った」

黒人店員「……」

老人「黒人店員、彼らのことを信じてやってくれ」

男・男友「……」

店員たち「……」

黒人店員「……わかったわかったよ、お前らが覚えてるんならそうなんだろ、手伝うって」

男友「良かった……」

男「よし、じゃあ早速……」

ローブを着た女性「ダメよ!」

男「……は?」

ローブを着た女性「彼らは悪魔の手先よ、惑わされては駄目、ひょっと出の彼の言葉を貴方たちは信じるというの!?」

男「アンタもそうだろ」

ローブを着た女性「もし化け物がいるのなら、それは彼らの仲間、騙されているのよ!」

男「誰かこの人黙らせてくれ」

黒人店員「俺がやっとく」ガシッ

ローブを着た女性「離しなさい!私は神の代弁者よ、私の言葉は神の言葉なの!」

黒人店員「はいはい、そうやってトイレで一人でほざいてろ」

ローブを着た女性「なんて汚ならしい言葉!黒いわ、あなた黒いわ!!」

黒人店員「黒だぁ!?てめぇ黒人をバカにして……!!」スタスタスタ……

男「……よし、話を戻そう」

男「ただ、これだけは分かってくれ、もしアンタたちと一緒に奴を倒したとしても、現実世界に戻れる保証はない」

老人「何を言っとる、そんなことよりも奴の顔に泥をぶつけてやれない方が死んでも死にきれん」

メガネ店員「俺も」

イケメン店員「ああ」

マドンナ「私も」

デブ店員「奴を逝かせてやろう」

黒人店員「俺は全く思い出せないけど楽しそうだから乗った」

男友「皆……名前知らないけど、ありがとう!」

男「じゃあ今度こそ、始めようぜ!!」

皆「おおーーーー!!」

>>369

なんか男友がいっぱいいますが違和感のあるセリフは男が喋ってると思ってください(笑)

********


男「これで……いいだろ」

男友「ああ……」


荷物の山「」ドォォォォン……!!


黒人店員「へへ、なかなか面白くなってきたじゃねーか」

イケメン店員「だな」

デブ店員「昇天間違いなしだ」


スタスタスタ……


老人「あまり浮かれるなよ、これは遊びじゃないんじゃ」

老人「わしたちは今、重大な事を起こそうとしている、もちろん、恐ろしいモンスターを倒すことじゃ、それによって、多くの被害が出るかもしれん」

老人「わしも戦争で多くの仲間を失った、でもそれは相手にしてやられたからではない、「協力」して戦おうとしなかったからじゃ」

男友「お、おいあんた、今はそういうことは……」

老人「いや聞け、人間は時に繊細じゃ、どれだけ心を乱すかわかったもんじゃない、じゃがな」

老人「協力し、互いを励まし合えば、どんな困難だってきつくとも乗り越えていける、だからこれだけは肝に命じておけ」


ズズズズ……


老人「互いに協力し、勝利を信じて……」


パリィィィィィン!!!


触手「」ガシッ


老人「がっ!?」

マドンナ店員「キャアアアアアア!!!」

メガネ店員「店長!!」

男「くそ!!もうきたか!!」

ホラーマン「フフフ……思い出したようだな……おじいさん?」

老人「憎き化け物め……あまりワシを舐めるなよ!!」

杖「」ズガッ

ホラーマン「ぐああああっ!!?」バッ

老人「ぐっ!」ドサッ

男「爺さん!!!」タッタッタッ……

黒人店員「マジでこりゃ驚いた……本物のモンスターだ……」

メガネ店員「コンドームの時の方が怖かったな」

男「大丈夫か!?」

老人「大丈夫じゃ、年寄りを舐めるな……」

男「はは……ナイス、爺さん」

ホラーマン「なぜだ……なぜ貴様らモブまで私に歯向かう!!」

老人「ふん……もうお前の操り人形なんぞになってたまるか、どうせ戻れないとしても、お前にそれなりの屈辱を与えてから、未練なく逝ってやる」

黒人店員「そうだタコ野郎、俺のケツにキスでもしてろってんだ」

男友「……そういうことだ、ホラーマン」

ホラーマン「うるさい黙れ!!私の映画の邪魔をするな、モブども!!」

男「もうお前の映画じゃない!!俺達の映画だ!!」

ホラーマン「ふざけるな、映画愛の欠片もない貴様らのつまらない映画等、私の映画の前にも及ば……」

男友「……『つまらない映画なんてない』」

ホラーマン「!?」

男友「『どんな映画にも、ひときわ輝くワンシーンが存在する』……誰の言葉か分かるか」

ホラーマン「……」

男友「お前はそうやって他の映画を見下してきたんだろう……自分の映画の方がよっぽど優れてる、素晴らしいって」

男友「……ホラー映画に愛がないのは他の誰でもない、お前だよ、ホラーマン」

ホラーマン「……」

男友「だからそんな偽物の愛で作られたこの映画に、ひときわ輝くワンシーンを俺達で作ってやる」

男友「皆、いくぞ!!」

皆「おお!!」ガチャッ

ホラーマン「やめろ……私の映画を……バカにするなァァァァ!!!」

男友「行けぇぇぇぇぇぇ!!」

ワインのビン「」ブンッ

缶ビール「」ブンッ


ガンッ!!パリィン!ガシャアアアアン!!


ホラーマン「ぐぅぅぅぅ!!やめろ、やめろぉぉぉぉ!!」

触手「」ブンッブンッ


男友「うわっ!!」サッ

男「がはっ!!」ドガッ

男友「男!!」

男「だ、大丈夫だ!!続けるんだ!!」

男友「……わ、わかった!!」

男友「食らえ!!」

ガソリンタンク「」ブンッ


ドガッ!!


ホラーマン「ぐっ!!」

黒人店員「そろそろアルコールもガソリンも切れそうだ!」

男「く……思ったより早いな……」

男(待てよ、ガソリン切れ?)チラッ


ガソリンホース「」


男「……あれだぜ」


********


男「おいホラーマン、こっち向け!!」

ホラーマン「!?」

男「」ニヤッ

ガソリンホース(レギュラー)「」ガシッ

ガソリンホース(ハイオク)「」ガシッ

男「ガソリン満タン入りまぁぁぁぁす!!!」カチャッ


ブシャアアアアアアア!!!


ホラーマン「ぐぁぁぁぁぁぁ!!!目がぁぁぁぁやめろぉぉぉぉ!!」

メガネ店員「一度やった見たかったんだよね、これ!!!」

イケメン店員「俺もだ!!!!」

黒人店員「ヒャアアアアアホオオオオウウウ!!くらえくらえ!!!」

ホラーマン「いい加減に……しろっ!!!」ブンッ

ホラーマン「はぁ……はぁ……」

ホラーマン「!?」

男友「」つライター

男友「もうお前も、終わりだ」カチッ

男友「……あれ」カチッカチッ

男「何やってんだ!」

男友「付かないんだよ!!」

ホラーマン「クク……」ブンッ

ガシッ

男「ぐあ!?」

男友「男!」

ホラーマン「どうだ、これでなにもできまい」

男友「くそ……どこまでも卑劣な奴め」


プオオオオオオオン!!!


ホラーマン「!?」

皆「!?」


トラック「」ブロロロロロロ!!!


トラックの運転手「てめーらどいてろぉぉぉぉ!!!」

女「皆ぁぁぁぁ!!どいてぇぇぇぇ!!!」

男友「女!?ってうわっ!!!?」


ガシャアアアアン!!


ホラーマン「がぁぁぁぁぁ!!!!」ドガァァァァ!!!!

皆「うわぁぁぁぁ!!!!」サッ


トラックのドア「」バタンッ

女「いててて……」

男友「女!!」タッタッタッ……

女「男友!!」ダキッ

男友「良かった……ホントに良かった……無事だったんだな、でもどうやって……?」

トラックの運転手「誰かさんがロープを切ってくれたおかげさ」スタスタスタ……

女「そう、そのおかげで川までロープが垂れ下がってたから助かったの、それでおじさんに助けてもらったってわけ」

男友「ありがとう……」

トラックの運転手「例を言うならあのマヌケな化け物に言ってくれ」

男友「はは」

男「感動の再開に水差して悪いけどさ……」

男友「……あ」

男「お前ら……誰か忘れてない?」ボロ……

女「ご、ごめんね、忘れてた」

男「はっきり言いやがって……チョーいてーぞ……」

ホラーマン「どこまでも邪魔をして……殺してやる……」ズズズズ……

老人「奴が起き上がるぞ!」

男友「やばい、早く火を!!」

男「くそ、どこかに火は……」

ローブを着た女性「あ、悪魔ぁぁぁぁ!!」

男「!?」


ローブを着た女性「」つロウソク


男「あれだ!」

ローブを着た女性「お、おお落ち着くのよ私、落ち着くの……」ボッ

ローブを着た女性「て、てて天にましわす、わわ、我らの神よよよ……」ガクガク


タッタッタッ……


男「アンタ、それ貸せ!!」

ローブを着た女性「きゃあ!?」

男友「またろうそくに目にすることになるとはな……」

女「あはは、そうだね」

男(何のはなしだ?)


ホラーマン「殺してやるぅぅぅぅ!!!」


ガシャアアアアン!!


ホラーマン「!?」

男「よお」

男「これでホントに……おしまいだ!!!」ブンッ

ホラーマン「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」


ボッ






ドガァァァァァァァァァァンンンン!!!!





********


ビチャビチャビチャ……


男「はぁ……はぁ……」


スタスタスタ……


女「すごい爆発だったね……」

男友「マイケルベイも顔負けだな」

男「なんだそれ」

店員たち「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ホラーマン「」


男「うわ、見事に真っ黒だな」

女「元の姿に戻ってる……」

男友「油断するなよ……こういう時、大抵殺人鬼やモンスターは……」


ズズズズ……


ホラーマンゾンビ「ア"ァァァァァァァ……」


男「や、奴が!!!」

男友「やっぱり来たか……!」


バンッ!


男友「!?」

女「ふぅ……」


ショットガン「」ガチャッ


女「私たちの映画じゃこうなるの」

男友「……さすが」

太陽「」ドォォォォォン


男「見ろ、夜明けだ」

男友「どこまでもパターンに縛られた映画だな……」


男「そう、だ……な……」バタッ


女「男!?」

男友「大丈夫か!?」

男「ヤバイかも……さっき轢かれたから……」

男友「冗談言ってる場合か!」

男「割りと冗談じゃないんだけど……がはっ……」

男友「頑張れ、今エンドロールを流して、元の世界に返してやる!!」

女「そうだよ、頑張って!!」

男友「皆、どこかにCDを流せる場所はないか!?」

黒人店員「CD?どうして?」

男友「いいから用意してほしいんだ!!」

トラックの運転手「俺のトラック使うか!?」

男友「ああ!」

男「……」


********


トラックの運転手「くそ、ダメだつかねぇ!」

男友「さっき事故らせたから使えなくなったか……どうする……」


カツカツカツ……


老人「大丈夫じゃ」

男友「あるのか!?」

老人「ああ、わしのラジオがな」

老人「これじゃ!」

CDラジカセ「」

男友「よし!」ガチャガチャ

男「なぁ……二人とも」

男友「な、なんだ!?」

男「俺のことはいい……どうせ俺は助からない」

男友「は!?なにいってるんだ、絶対に助けてやる!」

男「違うんだ……さっき見えたんだよ……ゴホゴホッ……俺がここで死ぬ光景が……」

男友「ま、まさかさっきの頭痛は……」

男「ああ……」

男友「そ、そんなもの、あてにならないだろ!」

女「そうだよ!絶対、絶対に帰れるから!」

男「……とりあえず、これだけは聞いてくれ」

男「ここで俺が死んで、現実世界に戻ったら……俺に気を付けろ」

男友「な、どういう……」

男「奴はここで殺した奴等の偽物を現実世界へ送り出して、映画業界に革命だかなんだかを起こす気だ……」

男友「ぜ、全然意味が分からないぞ!!」

男「大丈夫だ、俺もよくわかってない……とりあえず、現実世界に俺がいたら、偽物だと思ってくれ……ガハッゴホッ」

男友「男!!」

女「もう!まだかからないのこれ!?」

男「あ、あと……」

男友「な、なんだ」

男「二人とも、幸せに……な……」ガクッ

男友「……お、おい、嘘だろ、冗談だよな?」 ユサユサッ

男「……」

女「……!!」

男友「お、男……返事しろって……ふざけるなよ……!」ユサユサッ

女「いや……いや……!」

男「クソッ……クソッ!!」



男友「……ああああああああああ!!!」





********

*****

***



***

*****

********




男友「はっ!?」

男友「はぁ……はぁ……」

男友(なんだろう……いやな夢をみた気がするけど……)


ガチャッ


男「おい」

男友「うわっ!?って、男!?なんで俺の家に!?」

男「は?ここは俺の家だぞ」

男友「……ほ、ほんとだ」

男「ほら、寝ぼけてないで、さっさと誕生日パーティーするぞ」

男友「誕生日?誰の?」

男「はぁ?お前ここに来といて忘れたのかよ」

男友「?」


「俺の誕生日パーティーだよ」


男友「あ、ああ(なんだ?今とてつもない違和感を感じたような……)」

男「早くしないと映画つけちまうぞ」

男友「映画?ああ、レンタルしてきたのか」

男「寝ぼけすぎだよお前……とりあえず、それ女に見られないようにしろよ」

男友「ん?」チラッ

股「」モコッ

男友「うわっ」

男「変態め」

男友「寝てたからだよ!」

男「はいはい」バタンッ

男友(……気のせい、か)

━━男の家、リビング

女 「じゃじゃーん!」つケーキ

男「おお!すげー!!」

男友「感謝しろよ、このホールケーキ限定販売だったんだからな」

男「感謝してるって、早く食べようぜ!」

女「その前に……」

女「ろうそく、ね?」つロウソク


********


女「電気消すよー!」パチッ


パッ……


男「おお、ろうそくが綺麗だな!」

男友「それっぽくなってきたな」

女「じゃあ……」

男友・女「いっせーの……」

男友・女「はっぴばーすでーとぅゆー、はっぴばーすでーとぅゆー」

男友・女「はっぴばーすでーでぃあ、おーとこー!」

男友・女「はっぴばーすでーとぅゆー!イエーイ!!」


クラッカー「」パンパンッ


男「ありがとう、二人とも」

女「ほら、ろうそく消して!」

男「ああ……って、お前なんでビデオカメラ持ってんだよ」

男友「いや、なんかポケットに入ってたから、お前のじゃないのか?」

男「ちげーよ」

男友「あっそ、まぁいいや、カメラ目線で火消せよ」

男「意味わかんねーよ」

男友「いいからこっち向けよ」

男「はいはい」

男「……」

男(ウインク)ニヤッ






フッ……

********


男「じゃ、映画でも見ようぜ」

女「さんせーい!」

男友「結構借りてきたな、それ全部管理人さんにおすすめされた奴?」

男「ああ」


DVDプレイヤー「」ガチャガチャ


女「まずは何から?」

男「まずは……」

男友「『グリーン・マイル』だ」


********


女「映画なんて久々だなぁ」

男友「静かに、予告編が始まる」

女「ただの予告編じゃん」

男友「いい映画があるかもしれないだろ?」

男「さすが映画オタク」


TV『新作映画案内』

TV『全米が震撼した!あまりの恐さに様々な地域で上映が禁止された、いわくつきのショッキングホラームービーが遂にDVD化!!その名も……』

TV『『Shock Horror』!!』

TV『その恐怖に、上映中観客が席を立ち、号泣!!失禁!!』

TV『あなたはこの恐怖を、見ていられるか……?』


********

1週間後……


スタスタスタ……


女子高生1「見てらんないよー」

女子高生1「ちょーつまんないんだもーん全然怖くないし、グロくないし」

女子高生2「は!?めちゃくちゃグロかったじゃん!?」

女子高生1「全然全然」


━━レンタルビデオ店


ウィィィィン……


男「……」スタスタスタ……

店員「ありがとうございましたー」ニコリ


ウィィィィン……


店員「いらっしゃいませー」

女子高生1「私が監督だったらもっとグロい殺し方するよー」

女子高生2「ホラー映画よりあんたの方がよっぽどホラーだよ……」

女子高生1「あはは」


店員「……」


女子高生1「あ、そうだ、ホラー映画っていえば……」





女子高生1「ねぇ、『呪いの映画』って知ってる?」


THE END

というわけで、このssはこれで終わりです。
自分の書きたい場面を詰め込みまくったので
かなりご都合主義でめちゃくちゃな展開が多かったですが、
そこはB級だからだと思ってあげてください(笑)

それでは、このSSを最後まで読んでくれた方々、コメントを下さった方々、ホントにありがとうございましたm(__)m

落ちまでB級臭たっぷりでよかったわ乙

サメ映画でもみたいな

唐突ですが>>1です

>>389さんのコメントを見て
少し思い付いたものがあるので
またこのssとは関係のないものに
なるかもしれませんが、もし大まかなプロットが出来上がったら投稿するかもです。

あと、ちょっとバッドエンドが不評のようなので、男生還エンドも「もうひとつのエンディング」的な感じで今から投稿します

↑間違えました、>>1です(笑)

━━男の家、リビング


男「……はっ!?」バッ

男「ここは……俺の部屋……なのか?」キョロキョロ

男友「……」

女「……」

男(男友!女!)

男「二人とも!起きろ!!」ユサユサッ

男友「んん……?」

女「うぅ……あれ……ここは……?」

男「俺達帰ってこれたんだよ!元の世界に!!」

女「……うそ!?」キョロキョロ

男友「マジなのか!?」キョロキョロ

男「ああ!」

男友「……」

女「……」

男「……」


三人「やったーーーー!!!」


男友「まさか……ホントに帰ってこられるなんて……」

女「良かった……ホントに良かった、皆無事に帰ってこられて」

男「いつも以上に俺の部屋が愛しく感じるぜ、この床、この壁、このテレ……ビ?」


TV『……』


男「おい、なんだこれ」

女「どうしたの?」

男「なんかTVに輪みたいなのが映ってるんだよ」

男友「……ほんとだな」

男「あんなDVD流したもんだからTVがイカれちゃったかな」

男友「かもな……でもあれだな」スタスタ

男友「この輪みたいなの、まるで映画のリン━━」


ガシッ!!


男友「グゥッ!?」

男・女「男友!?」

?「クククク……そう簡単に逃げられるとでも思ったのか……ばかどもめ……!!」

男「お、お前は!?」

ホラーマン「クク……ホラーマンリターンズ、といったところかな」ニヤッ

女「男友を離して!!」

ホラーマン「いいや離さない、君達全員、私がまとめて映画の中へ引きずり込んでやる!!」ズズズズ

男友「くっ……」

男「……」チラッ

リモコン「」

男「そんなことさせてたまるか!!」ガシッ

リモコン「」ブンッ


ドガッ!!


ホラーマン「がっ!!」バッ

男友「うわっ!」ドサッ

女「大丈夫!?」

男友「いてて……だ、大丈夫だよ、女」

男友「ありがとう、男」

ホラーマン「絶対に……絶対に逃がしてたまるか……!!」

男「」チラッ

DVDの山

男「二人とも、そこのDVDを!」

男友・女「わかった!」ガシッ

男「だったらこっちは……絶対に捕まってたまるかよ!」ガシッ

男「皆持ったか!」

女「うん!」ガシッ

男友「ああ!」ガシッ

男「よし……投げろ!!」

男「タイタニック!」ブンッ

ホラーマン「がっ!?」ドカッ

女「スタンドバイミー!」ブンッ

ホラーマン「ぐはっ!?」ドカッ

男友「トップガン!」ブンッ

ホラーマン「ぶふっ!?」ドカッ

男「グリーンマイル!」

ホラーマン「だはっ!?」ドカッ

女「スパイダーマン!」ブンッ

ホラーマン「はぶふっ!?」ドカッ

男友「ホームアローン!」ドカッ

ホラーマン「ぐふっ!?」

男「ボディガード!」ドカッ

ホラーマン「あがっ!?」ドカッ

女「ハングオーバー!」ブンッ

ホラーマン「だっ!?」ドカッ

男友「プリティウーマン!」

ホラーマン「ばふぁっ!?」ドカッ

男「アルマゲドンッッッ!!」ブンッ


ホラーマン「ぐはぁっっ!!!」ドガッ


三人「はぁ……はぁ……」

ホラーマン「調子に乗るな……」

ホラーマン「お前ら全員引きずり込んでや━━!!!」ズズズズ


ポチッ


ホラーマン「」ピタッ


男「……え?」

女「な、なにが起きたの……?」

男友「……二人とも、奴の手の下」

男・女「え?」チラッ


リモコン「」


女「ハ、ハハ 」

男「ハハ、なんじゃそりゃ」ヘナヘナ


ドサッ……


男友「所詮奴も映画の中の人間ってことだな」

女「なんかすごい損した気分なんだけど」

ホラーマン「」チョンチョン

男「やっぱ止まってるわコイツ」

男友「ってことは、だ……」

女「このリモコン巻き戻しボタン押せば……」

男「奴を映画の中へ帰せるってことに……」

男「なるな」ポチッ


キュルキュルキュル……


ホラーマン「」キュルキュルキュル…


男友「あんま戻しすぎるなよ、俺達まで戻るかも」

男「だな」ポチッ

TV『』ピタッ

男「これでよし、で、取り出しボタンっと」ポチッ


ウィィィィン……

ガシャ


男「……」カチャッ

男「このDVDどうする?」

男友「壊すか」

男「だな」パキッ


男「……これで……おしまい?」

男友「……かな」

女「多分」

男「じゃあ……」

男「映画でも見る?」

女「その前に……」チラッ

男友「……だな」ニヤリッ

女 「じゃじゃーん!」つケーキ

男「おお!すげー!!」

男友「感謝しろよ、このホールケーキ限定販売だったんだからな」

男「感謝してるって、早く食べようぜ!」

女「その前に……」

女「ろうそく、ね?」つロウソク


********


女「電気消すよー!」パチッ


パッ……


男「おお、ろうそくが綺麗だな!」

男友「それっぽくなってきたな」

女「じゃあ……」

男友・女「いっせーの……」

男友・女「はっぴばーすでーとぅゆー、はっぴばーすでーとぅゆー」

男友・女「はっぴばーすでーでぃあ、おーとこー!」

男友・女「はっぴばーすでーとぅゆー!イエーイ!!」


クラッカー「」パンパンッ


男「ありがとう、二人とも」

女「ほら、ろうそく消して!」

男「ああ……って、お前そのビデオカメラ持って帰ってきたのかよ」

男友「いや、そのままポケットに入ってたから、別にいいだろ?」

男「……ったく」

男友「まぁいいからさ、カメラ目線で火消せよ」

男「意味わかんねーよ」

男友「いいからこっち向けよ」

男「はいはい」フッ……

********


男「じゃ、映画でも見ようぜ」

女「さんせーい!」


ピンポーン♪


男「はーい……二人とも、ちょっと待っててくれ」タッタッタッ

男友・女「りょうかーい」

男友「……」

女「……」チラッ

男友「……な、なんだよ///」

女「……べ、別に///」

男友「……」

女「……」

男友「……こ、今度さ」

女「え!?あ、な、なに?」

男友「その……い、一緒に映画でもどーかなーって思うんだけど……」

女「……三人で?」

男友「……ああ」

女「……あ、そ、そっか、三人だよね、はは……」

男友「それと……」

男友「あいつに内緒で二人で」

女「……!///」

女「……い、いいよ」

男友「……ホントに?」

女「……ホラー映画じゃなければ」

男友「……はは///」

女「……あはは///」


********


男「」ガチャッ

管理人「やあ」

男「あ、管理人さん!どうしたんですか?」

管理人「男くん、またドア開けっ放しにしただろ?」

男「あ、ハハ、すんません……」

管理人「いいよ、でもホントに気を付けるんだよ、何が起こるか分からないから」

男「はい、反省します……」

管理人「あぁ、それと……」





管理人「映画は面白かったかい?」ニヤッ

1週間後……


女子高生1「全然面白くないよー」

女子高生1「ちょーつまんないんだもーん全然怖くないし、グロくないし」

女子高生2「は!?めちゃくちゃグロかったじゃん!?」

女子高生1「全然全然」


━━レンタルビデオ店


ウィィィィン……


男「ふぁあ……」スタスタスタ……

店員「ありがとうございましたー」ニコリ


ウィィィィン……


店員「いらっしゃいませー」

女子高生1「私が監督だったらもっとグロい殺し方するよー」

女子高生2「ホラー映画よりあんたの方がよっぽどホラーだよ……」

女子高生1「あはは」


店員「……」ジー


ザワザワ……


女子高生1「うわ、ホラー映画のコーナーすごい人だね」

女子高生2「最近ちょいブーム来てるっぽいからねー」

女子高生1「……あ、そうだそうだ、ホラー映画っていえばさ」





女子高生1「ねぇ、『呪いの映画』って知ってる?」


THE END

ということで、ホントにこれで終わります。
ちなみに初期はこちらの終わり方にするつもりでした。

それでは、完結後もコメントを下さった方、これもお読みになってくれた方、ホントにありがとうございました。

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