女狩人「今日からお前達は狩人だ」(17)
女狩人「それぞれのコードネームは確認しているな?」
狼「はい、女狩人さん!」
熊「…………」
猫「にゃははは、私にぴったりにゃー」
鷹「…………」コクリ
女狩人「よし、それと狼」
女狩人「今は女狩人さんではなく、『隊長』と呼べ」
狼「うっ、すみません……」
女狩人「お前はこの部隊の班長だ、期待しているぞ」
狼「は、はい!」
熊(なんでコイツが……)ギリッ
猫(にゃは、熊ちゃん殺気だってるにゃ)
鷹「…………」
女狩人「では、今回の作戦を確認するぞ」
女狩人「今回のターゲットは『大猿』、最近になって名前が上がってる獲物だ」
女狩人「最大の特徴は多くの『子猿』とグループを作り動くこと」
女狩人「奴等の連携は厄介だ、こちらも必ずグループで動くように」
狼「はい!」
女狩人「今回は私も同行する」
猫「にゃ?隊長さんも来るにゃ?」
女狩人「途中から別ルートを捜索するが、お前達がピンチになったら直ぐに駆けつけるさ」
狼「心強いです」
熊(……ちっ)
女狩人「最優先は『大猿』の討伐だ」
女狩人「初任務にBランクは厳しいかもしれんが…」
女狩人「お前達ならやれると信じてる」
女狩人「必ず生きて帰ってこい」
狼「期待に応えられるよう頑張ります!」バッ
熊(最初から死ぬつもりはない)
猫「にゃふ、早く狩りたいにゃー」
鷹「…………」
───
──
─
D地区
狼「静かですね……」タッタッ
女狩人「この辺りは『大猿』の縄張りだ」
女狩人「恐らく『大猿』のグループに殺られたんだろう」タッタッ
猫「鷹ちゃん、何か見えるかにゃ?」
鷹「……まだ何も」
女狩人「ここからは私は別ルートに行く」
女狩人「お前達はこのまま直進して捜索を行え」
女狩人「『大猿』が現れたら直ぐに私に連絡しろ、いいな?」
狼「わかりました」
女狩人「慎重に行動するように」タッタッ
猫「にゃは、またねー」
熊「さっさと行くぞ」タッタッ
狼「あっ、熊くん待って!」タッタッ
───
──
─
D地区 中央
猫「だいぶ来たけど、まだお猿さんいないにゃ…」タッタッ
狼「そうだね、一体どこに───」
鷹「……見つけた」
ダンッ
子猿「ウキィィィ!!」
熊(数は6人か…)ジャキン
猫「やっと暴れられるにゃー!」ダンッ
狼「ちょっ、猫ちゃん突っ込んじゃダメだって!」チャキン
鷹「……援護する」スッ
子猿「弱そうな狩人、新米かぁ?」タン
子猿「俺達の連携見せてやるぜ!」タン
猫「にゃは、楽しみにゃ♪」バッ
子猿「おらっ!!」ブン
猫「にゃにゃにゃ!」ヒュンヒュン
子猿「後ろががら空きだせ」ブン
ザシュ ザシュ
子猿「なっ…に……?!」ドサッ
猫「猫の短剣さばき、どうかにゃ?」ペロ
子猿「野郎!殺して─────」
ザン! ブシャー
熊「…雑魚が」ブン
猫「胴体真っ二つ…すごい力にゃ」
狼(ほんとあの細腕で、よくあんな大剣振り回せるなぁ)ダンッ
子猿「ウキィ?!」
ザシュ ボトッ
狼「腕、いただきました」
子猿「ガァァァ!」ブン
狼「…………」ヒュン
ザシュ ドサッ
狼「ふぅ…」
子猿「スキありっ!」バッ
鷹「…………」ギリギリ
ビュン ドスッ
子猿「弓……矢??」ドサッ
子猿「ヒィィ?!」バッ
熊「逃がすかっ…!」ダンッ
ブォン!
子猿「がはっ……?!」ブシュッ
子猿「ぐふっ……!」ドサッ
狼「二人同時に…」
猫「猫も大剣使いたいにゃー」
熊「お前じゃ無理だ」
狼「みんな怪我は無さそうだね」
鷹「…………」コクリ
狼「隊長、『子猿』達を確認」ピッ
狼「殲滅しました」
女狩人『そうか、こっちも今対処したところだ』ザザッ
狼「お怪我はありませんか?」
女狩人『馬鹿者、自分の身を心配しろ』
女狩人『そのまま捜索を続けろ』
狼「はい」ピッ
女狩人「さて、当たりはどっちにくるかな」
子猿「──────」ドサッ
───
──
─
D地区 『大猿』拠点
猫「ここに来るまで結構倒したにゃー」
熊「ターゲットは恐らくここにいる」
狼「そうだね、ここからはより慎重に行こう」
狼「じゃあ、入るよ」
ギィィ
狼「…………」スタスタ
鷹「……奥に誰かいる」
熊「……ターゲットか?」
鷹「…………」コクリ
猫「にゃは♪猫ちゃんが一番──」
狼「ダメだ、慎重に」
ダンッ
鷹「……飛んだ」
狼「えっ?」
ドスンッ!
熊「ちっ……!」ザッ
猫「にゃー?!」ザザッ
狼「これが、『大猿』?」
大猿「………………」ゴア
狼(何て殺気だ!)ビリビリ
猫「にゃは、ボスさんいただきにゃー」ダンッ
熊「俺が斬る」ダンッ
狼「二人とも待って!」
大猿「…………」
ヒュンヒュン ザシュ
猫「にゃ……に?」
熊(刃がほとんど入らない…強固な皮膚か)
大猿「狩人と言っても…新米かよ」
大猿「こりゃ、1分もかからねぇな?」ブォン!
ドゴッ
猫「がっ…ぎっ…?!」メキメキ
ビュォン ドォン!!
熊「はぁぁぁ!!」ブン
大猿「ふん、当たらねーよ」ヒュン
大猿「ほら、よっと!」ブォン
ガキィン
熊「ちぃぃ…!!」ザザザ
大猿「……………」ノシノシ
狼「熊くん下がって!鷹ちゃん!」ダンッ
鷹「………」ビュン
大猿「おっと、あぶね…目狙ってくんなよ」ヒュン
大猿「オラッ!」ブォンブォン
狼「くっ…」ヒュンヒュン
大猿「へぇ、やるじゃねぇか!」ビュォン
狼(ここだ!!)ヒュン
ザシュ
大猿「おっ?」ブシュッ
狼「はぁはぁ…」タン
大猿「今時、日本刀とは珍しいが…結構な切れ味だな」ポタポタ
狼(浅い…もっと深く!)ダンッ
大猿「少しは楽しめそうだ」スッ
狼(構えた?…相手の動きをみ───)
大猿「ふんっ!!」ドゴッ!!
狼(なっ?!地面を叩き割った?!)グラッ
大猿「予想外だったろ?」ニヤッ
狼「くっ…はっ!!」ヒュン
大猿「おせぇ、よっ!!」ガッ
メキッ!ビュォン ドォン!
狼「がはっ!」ブシャ
大猿「ふん…もう少しまとも──」ドスッ
鷹「………」ギリギリ
大猿「あぁん?」ギロ
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