八幡「川崎と同じ大学になった」 (47)
某大学
川崎「今更だけど驚いた」
八幡「まさか、川なんとかさんと同じ大学なんてな」
川崎「それまだ言うわけ?いい加減怒ってもいい?」
八幡「…すみません」
川崎「謝るの早いって、話終わっちゃったし」
八幡「川崎は、三浦さんとは違った怖さがあるからね」
川崎「あんたがあたしをどう見てるかわかった…あと一緒にしないでよ」
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八幡「俺は、川崎のことは弟大好きな女の子としか見てないぞ」
川崎「…あんたは妹大好きな単なるシスコンでしょ」
八幡「それがなにか悪いか」
川崎「あ、やっぱり認めるんだ」
八幡「お前だって認めてるだろ」
川崎「む…」
八幡「今更だけど、変な共通点だな」
川崎「ほんとにね」
八幡(大学通ってから、川崎と話すようになったのもそういうのが原因かな)
八幡(大志やけーちゃんの話題とかで盛り上がったこともあったしな)
川崎「比企谷ってさ」
八幡「ん~?」
川崎「なんていうか、ちょっと社交的になった?」
八幡「そうか?一人でいるの大好きなインドアだぞ」
川崎「飲み会行く姿とか見かけるしさ」
八幡「そんなとこ見てんの?」
川崎「あ…べ、別に見てないけど…たまたま」
八幡「?…この学校で最初に知り合った人間が飲み会大好きでな…」
八幡「芋づる式に呼ばれるのが多くなった」
川崎「けっこう人気者?もしかして」
八幡「ただの割り勘要員な気もする」
川崎「ああ、それは嫌かも…」
八幡「まあ、飲み会自体は楽しいけどな」
八幡「で、それがどうかしたか?」
川崎「やっぱり、ちょっと変わった?比企谷」
八幡「そうか?」
川崎「飲み会で楽しいって言わなそうだったしさ」
八幡「わかんねぇよ、自分でなんて…川崎が言うならそうかもね」
川崎「あたし任せにしないでよっ」
八幡「自分から言ったんだろ…」
川崎「実はね」
八幡「なんだ?」
川崎「今度合コン?って言えばいいのかな…行くことになって」
八幡「…マジか?」
川崎「……まじ」
八幡「意外だな…」
川崎「まあ、あたしが行くっていうか…由比ヶ浜が」
八幡「由比ヶ浜が?どうした?」
川崎「知り合いに誘われたらしくて、行くことになったみたいで」
八幡「まあ、由比ヶ浜の性格的に断らないか」
川崎「相手方がちょっとチャラいのもいるとかで…」
川崎「由比ヶ浜もちょっと不安らしくて、この前会った時に言われたんだ」
八幡「なんとなく想像できるな、由比ヶ浜らしいというか」
川崎「…」チラ
八幡「……?」
川崎「それで……比企谷、どう思う?」
八幡「どうって……?」
川崎「なんか言いたいこととかない?」
八幡「言いたいことか…?気を付けてな…とかか?」
川崎「……」
八幡「川崎って彼氏いたっけ?」
川崎「いないけど」
八幡「そうか…なら」
川崎「合コンだし?これを機会に出会いとかあるかもね」
八幡「……」
川崎「なに?なにか言うことある?」
八幡「知り合いからの情報だが…」
川崎「うん」
八幡「合コンは性質が悪い奴だと身体目当てとか色々いるらしいからな」
川崎「ああ、由比ヶ浜も似たようなこと言ってたね、そういえば」
川崎「ま、あたしなんかには関係ないよ」
八幡(本気で言ってるのかね、こんな身体してて…)
八幡(美人だしな、これで黒の下着なんかつけて行ってたら…)
川崎「そろそろ次の講義始まるから」
八幡「おう、またな」
八幡「合コンか…合コンね」
………
その夜
プルルルルル
葉山「もしもし、比企谷か?」
八幡「おう…」
葉山「めずらしいな、君からかけてくるとは」
八幡「その海老名さんが喜ぶ感じの雰囲気はやめろ…」
八幡(卒業してから、葉山とも距離は縮まってるなそういえば)
八幡(別にこれといって何かがあったわけじゃないけど…)
八幡「葉山に聞きたいことがある」
葉山「なんだい?」
八幡「合コンて危険なのか?」
葉山「…?質問の意図がわからないが…」
八幡「合コンは危険か?危険じゃないのかどっちなんだ?」
葉山「危険なものだったら、今日まではやってないと思うよ」
八幡「まあ、それはそうだが…」
葉山「基本的に男女が彼氏彼女を作る場でもあるからな」
葉山「大部分は節度を持ってると思うが…」
葉山「中には度を越したことをする者もいるかもしれないな」
八幡「度を越した者か」
葉山「なんだ?合コンに誘われてるのかい?」
八幡「俺じゃないけどな」
葉山「じゃあ、他の人の為かい?相変わらずなことしてるな、君も」
八幡「別に奉仕部のようなことするつもりはないぞ」
葉山「そうか、ならいいんだが」
八幡「参考になった、それじゃあな」
葉山「つれないな、せっかく電話してるのに」
八幡「だから海老名さんが喜ぶ発言はやめろ…」
プルルルルル
結衣「は~い、ヒッキーじゃんっ、やっはろ~」
八幡「この時間でもやっはろ~なのか…」
結衣「まあいいじゃん、細かいことはさ」
結衣「それで、どうしたの?」
八幡「おう…あの、合コン行くとか…聞いてな…」
結衣「えっ?…ああ、サキサキに聞いたんだ」
八幡「そうだけど」
結衣「うん、ついて来てくれるって言ったからさ」
八幡「そうか、まあその…気を付けてな」
結衣「…気にしてくれてるんだ?」
八幡「そりゃ…まあな」
結衣「あはは、ありがとヒッキーっ」
八幡「いや、いいけど」
結衣「でも、今時合コンなんか普通じゃん」
八幡「お前、高校の時もやってたっけ?」
結衣「してないけど、大学に入ったらさ」
八幡「なるほど、由比ヶ浜は合コンを毎回してると」
結衣「ちょっと、人を尻軽みたいに言わないでよ~全部付き合いですっ!」
八幡「さいですか、まあ由比ヶ浜ならそうだとは思ってたぞ」
結衣「もう…ヒッキーのバカ、鈍感…」
八幡「?…じゃあ、特に心配ないのか?」
結衣「う~ん、そうなんだけど、今回はメンバーがね」
八幡「ん?メンバーが?」
結衣「ちょっと、よくない感じの人もいるらしくて」
結衣「具体的には、彼女づくりに躍起ていうか…その、したいだけというか…」
八幡「…なるほどな」
結衣「だからさ、この前会った時にサキサキにお願いしてみたの」
八幡「それ、見た目で決めてないか?」
結衣「う……それは…」
八幡「川崎は家庭的だしな…そういうもめ事強いのか…?」
結衣「でも心強いしさっ」
八幡「まあ、あーしさん泣かせたからね」
結衣「あ~、優美子が聞いたら怒るよっ」
八幡「言わないでね、まだ死にたくないから」
次の日
川崎「おはよう、比企谷」
八幡「おう、講義は?」
川崎「1限目はなし、あんたも?」
八幡「ああ」
川崎「まあ、そうじゃないと朝から学食なんかにいないかっ」
八幡「元々ぼっちの俺には学食はいい時間つぶしなんだよ」
川崎「あたしも同じかもそれ。別に学食に来ようとは思わないけど」
一応ここまで
川崎「今度の合コンさ…駅前の飲み屋でするって」
八幡「俺に言ってどうすんの?」
川崎「別に、ちょっとは気にしてるのかなって思ってさ」
八幡「それは…」
川崎「なに?」
八幡「なんでもねぇよ…」
川崎「わかった、この話はここまで」
八幡「なにか食べるか?」
川崎「そうだね、何にしようかな」
川崎「あ、あとさ…」
八幡「なんだ?」
川崎「今日、服とか見ようと思ってるんだけど」
八幡「はあ…」
川崎「合コンも付き合いで行かなきゃ駄目だし」
八幡「合コンに着ていく服買うのか?」
川崎「なんか誤解してない?」
八幡「そうか?」
川崎「合コンがきっかけだから、他意はないから」
川崎「い、一緒にどう…?」
八幡「……おいおい」
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