絵里「真夜中のキッチンで」 (16)
微グロ注意
ほんのり雰囲気を楽しんでいただけたら幸いです
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あ、それと。誰も死にません
亜里沙「ーーお姉ちゃんのバカ!」
絵里(あれから、亜里沙は帰ってこなくなった)
絵里(と、言っても。別に誘拐されたわけでも、失踪したわけでもない。)
絵里(ちょっと喧嘩になって、出て行ってしまって…今は穂乃果の家ーーつまり雪穂ちゃんのところでお世話になっている)
絵里「迷惑、よね。早く仲直りしないと…」
絵里(喧嘩の理由は…今までみたいに、軽いことじゃない)
絵里(私がーー暫く留守にしてしまったのよね。何故か。亜里沙にも伝えず、丸々2日。)
絵里(そのときの記憶は無くて、気づけば2日経っていて…亜里沙は最初こそ心配してくれたわ。でも、本当に最初だけ。分からない、分からないを繰り返して、私は逆に亜里沙を責めてしまった)
絵里(責められるべきは自己の管理を徹底できなかった私なのにね。特に外傷も無く、かといって男に連れ去られて強姦、というわけでもなく…だからこのことを私は甘く見ていた)
絵里(怒られた亜里沙はーー本当に私のことを心配してくれたんだと思う。それに、怖かったのでしょうね。姉が帰って来ずに、丸々2日ひとりぼっち。だからこそ、私が許せなかったのかしら)
絵里(家を飛び出して行ったわ。そして、穂乃果の家へずっと泊まってーーかれこれ一週間かな?)
絵里「…亜里沙も強情よね。メール、見てるのかな」
絵里「…最初はくらがりも怖かったけど…慣れちゃったわね。亜里沙もこんな思いをしてたんだ、って考えると…」
絵里(…はぁ)
絵里(今日は早く寝ましょう。また、メールとボイスメッセージを亜里沙のところにいれて、と)
絵里「亜里沙?お姉ちゃんです。ごめんなさい、私すっごく反省してるの。帰ってきて欲しいわ」
絵里「…お願い、帰ってきて…お願い…」
ピッ
絵里「…寝よう」
絵里(かしこいかわいいエリーチカの朝は早いのよーーなんてね)
時刻:???
トントントン
絵里(ーーん?)
トントントン
絵里(キッチンからーー包丁の音ね)
トントントントントントン
絵里「きっと夢の中ね。誰もいるはずないんだから…ふぁあ」
絵里「ふふ、なんだか気分がいいわ。確かめに行きましょ」
トントントン
亜里沙?「………」
絵里「あら、亜里沙。帰ってたのね。寂しかったわ」
亜里沙?「………」
絵里「ふふ、夢の中なのにキッチンははっきり再現されるのね…不思議」
絵里「亜里沙がだーいすきだから、亜里沙のことは完全再現できるのね。ハラショー」
亜里沙?「………」
絵里「…でも、変ね。私は亜里沙の声は忘れたのかしら」
絵里「ね、亜里沙」
亜里沙?「…切って」
絵里「あら、何を?」
亜里沙?「これ、切って欲しいの」
絵里「お安い御用ね。ーーよっと」
かたいわ。
絵里「…ねぇ亜里沙、貴女どうして帰ってこないの」
絵里「…私は…」
ゴッ ゴッゴッガッ
朝
亜里沙「おねえちゃーん!」
亜里沙「ごめんなさい、亜里沙怒りすぎたよねーー海未さんにも、怒られたの…それで亜里沙、お姉ちゃんになんて酷いことをーー」
亜里沙「お姉ちゃん、希さんがいなくなってから弱ってたのにーーきっと居なくなったのもそれが原因だよね?」
亜里沙「希さん、失踪でも誘拐でもないって!ちょっと海外に行ってるみたいだよ!ねえお姉ちゃん!返事してよ!」
亜里沙「ーー希さんが死んじゃったなんて、フキツなこと言ってごめんなさい!でも、お姉ちゃんが構ってくれないからーー」
亜里沙「…あれ、部屋にいない…?」
亜里沙「なにこのヘンな臭い…くさい」
亜里沙「おねえちゃん?」
亜里沙「悪かったってば、怒ってるの?はらしょ」
亜里沙「……キッチン?髪の毛…」
亜里沙「お姉ちゃん?倒れてるのっ!?」
ピチャ
亜里沙「ひ、ひぃっ」
亜里沙(そこにあったのはーー手首から大量の血を流して、床に倒れ伏してるお姉ちゃんでした)
ピチャ
ピチャ
絵里「あり……さ…いたい…いたいの…」
亜里沙「おねえちゃん!?まってて、今救急車をーー」
絵里「亜里沙の言うように……きったのに…いたいの…」
絵里「いたいわ…」
違うわ亜里沙 希は関係ないの
あの海辺で聞こえたの、もう
ーーかしこい、かわいい、エリーチカじゃなくていいよってーー聞こえたのよ
もうかしこいかわいいエリーチカじゃないの
おわり
絵里が輝ける舞台には幕がおろされてーー海辺でエリーチカは何を聞く。
精神が衰弱してる絵里ちゃんが見たいだけのssでした。絵里ファンの皆様申し訳ありません。
それでは。ダスビダーニャ
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