男「戦争が始まって数年。均衡状態が続いてる」
男「そこでわが国は均衡を破る為、国の技術力と財力を見せつける新たな兵器……ロボットを開発すれば良いと思い至った」
男「ロボットはロボットでもなんかすごいやつを作れっていうのよ。ガンダムとか鉄人みたいなやつ」
男「で、まあ技術者である俺が呼ばれたってわけ」
男「困ったなぁ、どんなの作ればいいんだろ」
男「縛りとしては、材料が地球にあるもの限定ってところかな」
↓1~3【ロボットのコンセプト、特徴】
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447860740
脱出機構などの安全性第一
身長170cm前後
標準体型の人形
安価
>>2「脱出機構などの安全第一」
男「なるほど、確かにパイロットの命は大事だ。ロボットは壊れればまた治せるが、死んだ人間の能力は引き継げない」
男「脱出機構を付けよう。ということは人が乗るタイプの機体だな」
>>3「身長170cm前後。標準体型の人型」
男「なるほど、人型ね。170cm前後、か……」
男「これはパワードスーツタイプになるかな」
>>3「愛玩型エンジェロイド」
男「今の地球の技術じゃあ難しいかな。エンジェロイド作れるならマジンガーZ作れちゃうよ」
>>5「安価」
男「安価か! 確かにコストがかからない方が良いね。戦闘機一機落ちるだけで数千万の損失になるからね」
男「よし、では」
・脱出機構などの安全第一
・身長170cm前後の標準体型人型
・安価
男「これを組み合わせたロボを作ろうね」
男「おっと、その前に」
男「何で動くか決めてなかったね」
男「決めてしまおう」
↓1【何で動くか】
男「人の命、か」
男「さすがに人の命をエネルギーに変換する技術は……」
助手「男さん! テレビ見ましたか?」
男「何?」
助手「我が国の大学院に人の命をエネルギー還元する研究室があるそうです!」
男「えぇっ! ……分かった。その研究室の室長を呼んでくれ。話を聞こう」
…
男「よし、作ろう」
男「できたぞ。このような感じになった」
名前:未定(形式番号1)
全長:1.7~1.8m(搭乗者の身長により変動)
全幅:0.5m
重量:1.0t
燃料:人の命
・脱出機構(即パージ可能)
・内部衝撃吸収ジェル
・安価
男「まずは燃料の説明だ」
男「このロボは人の命を燃料としている」
男「人の命をエネルギーに変換する技術だそうだ。とは言っても人間は元々運動エネルギーを自己から発生させることはできるのだが……まぁ、つまりはその発展だ」
男「まず、搭乗者にはこのアンプルを注射してもらう」
男「内臓、主に心臓と脳の運動を飛躍的に早める効果があるらしい。動きも早くなるし、頭の回転も良くなる」
男「人間の闘争本能に作用し、ロボットの全体重を支える不快感も軽減されるだろう」
男「脳波コントロールもできる」
男「機械義手を使う時などに使われる筋肉から出る僅かな電気信号を強化させ、モーターを駆動する。ロボットの指を複雑に動かすことも可能だ」
男「パワードスーツ型のロボットにはピッタリな技術だな」
男「……麻薬と思う者もいるだろうが、そこは違う。この薬品には中毒作用がない。素晴らしいものなんだ!」
男「問題は……内臓諸器官。特に過活動させる脳と心臓、血管に大きな負担がかかることかな」
男「突然死の確率は高い」
男「継戦限界時間は2時間。それまでに所定の場所に戻り特殊な処置をしなければならない。でないと死んでしまうからね」
男「注射を終えた搭乗者は専用のインナースーツとメット、ブーツを着用した後、ロボットに入る」
男「肢体の操作は搭乗者の動きと連動するから特別な操縦方法はいらない。訓練費用の削減になるね」
男「最新の負担軽減用モーター制御で、搭乗者が感じる重さは100kg程度。薬品投与してるので、それも体感70~60kg程にしか感じないだろう」
男「視界はロボットの頭部、胸部のカメラから得た映像をメットに映して見るので良好」
男「ボタン一つでロボットを破棄し、逃走も可能だ。インナースーツは我が国が発明した防弾なので安心」
男「ボディと搭乗者の身体との間にはクッションになる特殊なジェルを搭載した」
男「内部衝撃にも耐えられるぞ」
男「パイロットの負担を軽減するのが今回のコンセプトだからね」
男「装甲は俺の自家用車のボディをリサイクルした。賄いきれない分は航空隊開発部からもらった装甲用廃材で」
男「モーター類は軍内研究所からいらない物を組み合わせ」
男「コンピューター類は自家用車から。それと情報対策課から捨てるところだったコンピュータをもらってプログラムした」
男「他にも技術部に発注した数点。ロボット工学科学生にも発注した」
男「経費削減できたのはこれぐらいか」
男「カメラはそうも行かなかった。機体頭部と胸部の映像をメットに映す技術は我が国最新のもの」
男「マニピュレータは我が国最新の兵士専用義手技術を転用したもの」
男「これがちょっと高くついたかなぁ」
男「ボディは安価だ。車や廃材を加工したもの。1200万円だ」
男「モーター類は軍内部の貰い物。金はいらないと言われたけど2000万円程上官に渡したよ」
男「コンピュータ系統は機材、技術含め2億円」
男「燃料変換用アンプルに1個につき3000万」
男「脱出機構開発費5000万円。ジェル開発に1000万」
男「専用機械指に6000万。カメラ技術に3000万」
男「パイロットスーツ等に1500万円」
男「占めて4億8700万円」
男「実際かなり安いぞ。外部発注、技術協力を限りなく少なくして軍内部から元々あった技術を組み合わせて作れば安価なロボットも作れるのか」
男「よし、上司に報告だ」
…
上司「ほーん、これがロボット」
男「はい」
上司「ちっちゃいね」
男「ま、まあ。パワードスーツの発展ですから」
上司「ふうん……」
男「どうでしょう?」
上司「……」
上司「いいよ」
男「やった!」
上司「今日からお前がロボット開発部部長だ。我が国の為に働け」
男「えぇっ!」
上司「まだできるだろ?」
男「は、はい(言っちゃった)」
上司「よし。100億やる」
男「はい!?」
上司「お前に初期投資した。国益を上げればもっとやる。私をがっかりさせるなよ」
男「は、はあ」
上司「開発費の約5000億は私が負担してやる。次からはお前の100億から出せよ」
【男は100億円もらった!】
男「ヤバいことになったなぁ。まさか俺がロボット開発部部長だなんて」
男「軍には逆らえないし……まあ、いいか。給料も出るらしいし」
男「開発費も全額軍で持ってくれたし」
男「……何をしようかな」
男「ああ、そうだ。ロボットに名前を付けなきゃな」
男「なんて名前を付けよう」
↓1
エルクアラ
>>23「エルクアラ」
男「エルクアラか……いいな」
男「よし、こいつの名前は今日からエルクアラだ!」
男「頑張ろうかな」
名前:エルクアラ(形式番号1)
全長:1.7~1.8m(搭乗者の身長により変動)
全幅:0.5m
重量:1.0t
燃料:人の命(注射)
・脱出機構(即パージ可能)
・内部衝撃吸収ジェル
・安価(装甲、モーター、制御機能他)
【1回表】
名前:エルクアラ(形式番号1)
全長:1.7~1.8m(搭乗者の身長により変動)
全幅:0.5m
重量:1.0t
燃料:人の命(注射)
・脱出機構(即パージ可能)
・内部衝撃吸収ジェル
・安価(装甲、モーター、制御機能他)
保有数1
残金95億1300万円(ロボット開発費、給料差し引き)
ロボット開発部人数 2人(男、助手)
男「やるからにはちゃんとやらなきゃな」
男「何から始めよう?」
1実戦投入
2機体テスト
3改造
4宣伝
5その他(要技術)
↓1
男「機体テストか」
男「金はかかるが機体をテストすることによって機体が抱える問題をあぶり出せるぞ」
男「この経験を生かして機体改造をするのもいいな」
…
男「まずは動作テストだ。これは基本中の基本。定期テストを行わないと不測の事態に対応できない」
男「初めてのテスト……ワクワクするなあ」
男「テストは人命エネルギー変換発明をした博士立ち会いの下行われる」
陸軍分隊長「男さん、今日はよろしくお願いします」
男「はい。今回のパイロットは?」
陸軍分隊長「パイロットは我が分隊一の馬鹿力を持つ兵士が務めます」
兵士「よろしく」
男「ああ、よろしく」
男「では始めましょう。実弾訓練用の演習場を貸し切り行います!」
男「まずは注射を打ちます。博士、お願いします」
博士「はいはい。チクッとしますからねェ」ブスッ
兵士「あいたっ」
男「アンプルの中には前に説明した作用を発生させる特殊な液体が入ってる」
男「注射後すぐに効果が現れるそうだが……」
兵士「おお……これはすごい。力が漲るとは……このことか」
博士「投与に成功しましたナ」
男「良かった。まずは第一段階はクリアだ。次はロボットに乗ってもらう」
男「開いた背部から身体をスッポリ入れてください」
男「自動で閉まりますので……身体が巻き込まれると危ないですから」
兵士「ああ、分かった」
ガチャ
男「これで搭乗しました」
分隊長「おお! これが最新鋭の」
男「はい。エルクアラ、です」
男「次は電源を付けます」
兵士「……電源? 両手はロボの腕と同化いていて塞がっているが?」
男「大丈夫。少々お待ちください」
兵士「……」
ブブ…
「エルクアラ起動」
兵士「!」
男「薬品投与中の体内エネルギー変換時に発生する電気信号を起動スイッチにしました」
男「つまり薬品投与したパイロットが搭乗すれば電源が付く仕組みになっています」
男「薬品投与したパイロットしかエルクアラに乗れない、ということです」
分隊長「ほお……すごいな」
男「次です。動かせましょう」
男「兵士さん、歩いてください」
兵士「よし」
ウィィ……
ガシャン
分隊長「歩いた……!」
男「はい。二足歩行ロボットは中に入るパイロットの問題があり、巨大なものは非合理的です」
男「エルクアラはパワードスーツの延長。乗るのではなく、着る感覚に近ければ操縦しやすい。自分の身体の一部と同じです」
男「兵士さんもう少し歩いてもらっていいですか?」
兵士「ああ。まだまだいける。薬と聞いてヒいちまったが……これは、アリだな」
ウィィ……
ガシャン
ウィィ……
ガシャン
男「……」
分隊長「……」
分隊長「遅いな」
男「はい。最高時速0.5kmなので」
分隊長「走ることは?」
男「この体重で走行姿勢を取るのは難しいかと」
分隊長「むぅ、今後の課題、ですな」
男「兵士さん、次は右に曲がってください」
兵士「了解」
男「体重移動は歩く時の感覚と同じです。転ばないようにゆっくり動いてください」
兵士「はいよ!」
ウィィ……
ガシャン
分隊長「……何がすごいのですかな?」
男「1tを軽快な動作で方向転換できるのがエルクアラの強みです」
男「兵士さん、エルクアラの重さはどうでしょうか?」
兵士「ん、そこそこだな。ウチの隊じゃ怪我した仲間を背負って基地まで戻る演習があるが……まあそれくらいの辛さだ」
男「成人男性一人を背負い動くような感覚、か。分かりました」
男「……スピードが遅いのはバランサーに気を取られていて分からなかったな」
男「どうしたものか」
兵士「なぁ、男さんよ」
男「ん、はい?」
兵士「もうちょいイケそうなんだが……少し歩くスピードを上げても良いか?」
男「できるんですか?」
兵士「あたぼうよ」
男「……やってみてください」
男(なるほど。人間の力を引き出す薬品が兵士を強化させたか)
…
分隊長「10倍だと!」
男「時速5km……通常歩行速度と同じか。兵士さん、大丈夫ですか?」
兵士「ああ。これくらい軽い」
男「なるほど。これは想定外だな。薬品の力……恐ろしい」
男「兵士さん、ではこのスピードのまま歩き続けてください。くれぐれも無理はなさらないよう」
兵士「分かってる」
男「次、パワーテスト」
分隊長「指定の通り、退役した戦車を用意しましたが」
男「兵士さん、戦車の主砲を掴んで、思い切り引っ張ってください」
兵士「できるのか? ……いや、やってやる!」
ギギ…
メキ、ミシ
グニャア…ッ
兵士「おおっ、簡単に千切れる! こいつぁ粘土細工だな!」
分隊長「ほお……あの力」
男「エルクアラは1000馬力。戦車よりは少ないですが、その分エルクアラには人間のように繊細な動きをすることができます」
男「実験はしていませんが、特殊工作は可能でしょう。例えば特定の場所の破壊工作など、ですかね」
分隊長「ふむ……素晴らしい」
…
男「基本性能はこれくらいでしょうか」
分隊長「ふむ。技術には驚かされたが実用化にはまだ早いな」
男「……」
分隊長「まず機動性に欠ける。これであれば装甲を最小限に留めた歩兵の方がまだ使いようはある」
分隊長「燃料は人の命……俺に倫理観がどうのと言える立場でないことは分かっているが、大事な同志をロボットに乗せて無駄死にさせる訳にはいかない」
分隊長「馬鹿力はいいがそれだけで戦闘はできない。武装はないのか」
男「まだ……です」
分隊長「いかんな」
男(どうしよう。まだ何かテストはできるだろうか?)
↓1【テストを続ける? 続けるとしたら何のテストをする?】
兵士「……」
兵士「!」
兵士「うっ……うぐ……はぁ、はぁ、はぁ……」
男「これで今回のテストを終わります」
分隊長「分かりました」
男「では最後に兵士さん」
兵士「なんだ?」
男「緊急脱出を念じてください。脳波をキャッチしたエルクアラが停止しますので」
兵士「はいはい。停止、っと」
プシュゥ…
分隊長「おお。出てきおった」
男「博士、兵士さんにアレを」
分隊長「あれ?」
男「薬品の中和処置を行います」
博士「ちょっと痛いですヨ」
兵士「あぅ」チクッ
男「投与された薬の働きを止めます。分隊長殿、兵士さんは恐らくかなり疲れています」
男「心臓麻痺を起こす可能性もあるので、ゆっくり休ませてください」
分隊長「分かりました。では、我々はこれで」
男「ご苦労さまです」
分隊長「兵士、行くぞ」
兵士「はい」ヨロ
男(いろいろ改善しないとダメだな)
兵士「なあ男さん」
男「?」
兵士「俺はよ、良いと思うぜ。このエルクアラっての」
男「……ありがとう」
名前:エルクアラ(形式番号1)
全長:1.7~1.8m(搭乗者の身長により変動)
全幅:0.5m
重量:1.0t
最高速度:時速5km
最大出力:1000馬力
燃料:人の命(注射)
・脱出機構(即パージ可能)
・内部衝撃吸収ジェル
・安価(装甲、モーター、制御機能他)
【1回裏】
――敵国
軍人「……で、隣国が怪しげな発明をしていると」
部下「はっ。民間のエンジニアを雇って何かしていると情報がありました。何でもロボットを作っているとか」
軍人「ほう……面白い」
軍人「我が国にもロボット技術があるのではないか。やれ」
部下「?」
軍人「お前、技工専門学校のロボット課卒業だそうではないか。やれ」
部下「う、うわぁ」
軍人「この近郊した戦局を変えれば国からお前に金が降りるぞ。断るのか、貴様」
部下「えぇ……やります。やりますよ! やればいいんでしょう!?」
軍人「それでいい」
部下「もぅ、軍人大佐はいつも強引なんだから困るよなあ」
部下「僕も技術者の端くれなんだけど」
部下「やるしかないかぁ……ああ困った」
部下「一から作るのは大変だな。どんな物を作ろう」
部下「……地球にあるものでなければ。しかも難し過ぎるのはお金がかかる」
部下「下手なもの作れないぞ」
↓1~3【ロボットのコンセプト、特徴】
パワードスーツ型(一度着たら死ぬまで脱げない)
装甲はかなり薄いが超軽量、機動性大
隠密性高い
>>49「パワードスーツ型(一度着たら二度と脱げない)」
部下「一度着たら二度と脱げない、かぁ。これは……困ったな。人間を生態パーツとして組み込むんだね」
>>50「装甲はかなり薄いが超軽量。起動性大」
部下「機動性、かぁ。装甲を薄くするにはどうすれば良いんだろう」
>>51「隠密性高い」
部下「隠密性ね。ロボットの駆動のモーター音、ファン音を少なくすれば良いのかな」
部下「ステルス機能、光学迷彩を組み込もう」
部下「夜間時に行動しやすいように赤外線カメラも搭載しよう」
部下「次に燃料を何にするか、か」
↓1
部下「水分だね」
部下「……」
部下「そうだ。水で動くフリーエネルギー!」
部下「大佐も初期開発費は出してくれるらしいし、頑張って作ってみよう!」
部下「これが僕の考えた最強の……ロボット」
部下「強過ぎ……?」
名前:未定(形式番号α1)
全長:装着者の身長により変動
全幅:上に同じ
重量:90kg
燃料:人間(生体パーツ)、水(専用タンクで摂取)
・人体をパーツとして扱う
・装甲薄
・超軽量
・機動性大(脚部バーニア、特殊人工筋肉)
・排熱機、冷却機の消音化
・ステルス機能
・光学迷彩
・赤外線カメラ搭載
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