――大浴場――
高森藍子「~~~♪ ~~~~♪」(加蓮の髪の毛を洗ってる)
北条加蓮「…………」(洗われてる)
藍子「~~~~♪ 加蓮ちゃんの髪ってすっごく綺麗ですよね。いつもお手入れしてるからかなっ」アライアライ
加蓮「…………」ボー
藍子「~~~♪ 流しますよ~」ザバー
加蓮「…………」ボー
藍子「えいっ」ザバー
加蓮「…………」ボー
藍子「これでよしっ♪ 加蓮ちゃん、今度は私の――あれ? 加蓮ちゃん……?」
加蓮「…………」zzz
藍子「寝てるーっ!?」
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――まえがき――
レンアイカフェテラスシリーズ第15話です。今回は温泉よりお届け。
以下の作品の続編です。こちらを読んでいただけると、さらに楽しんでいただける……筈です。
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
~中略~
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「涼しいカフェテラスで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「10月下旬のカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「11月のカフェで」
加蓮「はっ!」ガバッ
加蓮「え、……もしかして寝てた?」
藍子「はい……座ったまま、こっくりこっくりって」
加蓮「ま、マジ? うわぁ、すごっ」
藍子「す、すごい?」
加蓮「座ったまま、しかも髪の毛を洗われながら寝るとか普通ありえないでしょ。しかも今ってまだ夕方だし……」
加蓮「ちょっと疲れが溜まってたのかな……。ごめんね? もしかして何か話しかけてたりしてた?」
藍子「ううん、それはないですけれど……あの、無理しちゃってたり……?」
加蓮「あ、違う違うっ。無理はしてないよ。ほら、ここんとこ撮影続きだったし……お風呂に来て、気が緩んじゃったのかも」
藍子「そうですか……。あの、本当に大丈夫なんですよね?」
加蓮「大丈夫大丈夫。ホントだってば」
藍子「本当に?」
加蓮「うんうん」
藍子「じゃあ――」
藍子「加蓮ちゃんっ、起きてくださいーっ!」(シャワーを思いっきり顔にかける)
加蓮「わぷーっ!?」
藍子「ふふっ♪」
加蓮「しつこく確認したのはこのためかー!」
藍子「次は私の髪の毛を洗ってください。ほらほらっ」グイグイ
加蓮「わっ。分かった分かった! ほら、ここ座って」スクッ
藍子「わくわく」スタッ
<ジャー
加蓮「わしゃわしゃ」
藍子「きゃっ! 加蓮ちゃん、もっと丁寧に~っ」
加蓮「はーい。わしゃわしゃー」
藍子「あははっ。やっぱりくすぐったいです!」
加蓮「んー」アライアライ
加蓮「あはは、なんか変な感じっ」シャンプーナジマセル
藍子「何がですかー?」
加蓮「分かんないー」アライアライ
藍子「変なのーっ」
加蓮「藍子の髪だって綺麗じゃん。ちゃんと手入れしてる感じ」アライアライ
藍子「これでもアイドルですから――わっ、泡が口に入りそうっ」ゴシゴシ
加蓮「おっと。…………~~~♪ ~~~~♪」アライアライ
藍子「加蓮ちゃんも鼻歌を歌ってるっ」
加蓮「~~~♪ ん? あはは、ついね」アライアライ
藍子「私もさっきそうでしたから。なんだか、歌いたくなっちゃいますよねっ」
加蓮「分かる分かる。……こーんどはいっしょに、ろじうーらーのおきにいりーのー♪」アライアライ
藍子「かふぇへ~いこうね~♪」
加蓮「流すよー」ザバー
藍子「わぷぷっ」
加蓮「リンス入りだしこれでよしっと。コンディショナーは? 使う?」
藍子「うーん、今日はいいですっ。明日、帰る時に!」
加蓮「アイドルだもんね、髪型はビシっと決めなきゃ。あ、そうだ」イジリイジリ
藍子「加蓮ちゃん?」イジラレイジラレ
加蓮「できたっ。トンガリ頭っ」
藍子「トンガリ頭!? ち、ちょっと確認……」カガミヲミル
藍子「……なんだか絶妙に可愛くないです~~~っ!」
加蓮「あはははっ」
藍子「よいしょ、よいしょっと」(加蓮の背中を洗ってる)
加蓮「ぁー……また寝ちゃいそうかも……」コックリコックリ
藍子「じゃあ、何かお話しましょうか」
加蓮「うんー……てきとーに、なんか振ってぇ……」
藍子「…………」アライアライ
藍子「…………」アライ...
加蓮「…………」ボケー
加蓮「……? 藍子ぉ?」チラッ
藍子「……世の中って不思議ですよねー」
加蓮「……?」
藍子「私と加蓮ちゃん、同じ体重のはずなのに」
藍子「わたしと加蓮ちゃん、同じ身長のはずなのに」
藍子「どうしてすりーさいずこんなにちがうんでしょうかー」ハイライトオフ
加蓮「え、あの……藍子……さん…………?」ヒキツリエガオ
藍子「ねーどうしてでしょーかーおしえてかれんちゃーん」ハイライトオフ
加蓮「しっ、知らないわよ! 私に言うな!」
藍子「えい」ワシズカミ
加蓮「ぎゃー!?」
藍子「へこめ」ムギュムギュ
加蓮「凹んでるのアンタでしょうが!」(桶を振りかぶり)
<ゴン!
藍子「あたぁっ!」
藍子「え、え、あれ? 私は今、何をしていたんでしょうか……?」
加蓮「はーっ、はーっ、あ、あんまり気にしてないとか言ってなかったっけ!?」
藍子「……?? あの、何のお話ですか?」
加蓮「交代! 身の危険を感じるから交代ーっ!」
藍子「……???」
――結局、お互いに背中を洗い合って温泉に浸かりました――
藍子「はぁーっ……」
加蓮「はふーっ……」
藍子「……あはは。加蓮ちゃんじゃありませんけれど、なんだか疲れが湧いて出てきて、ぜんぶ取れていくようです……♪」
加蓮「だよねぇ……。ふぁ……眠……」
藍子「ここで寝ちゃったら溺れちゃいますよ?」
加蓮「じんこーこきゅー。モバP(以下「P」)さんにー」
藍子「今日はいませんっ。いやいても駄目ですけどーっ」
加蓮「じゃあ藍子でいいよー……あふぅ…………」
藍子「ええぇ…………」
加蓮「ん~……」メヲコスル
藍子「加蓮ちゃん加蓮ちゃん。上がったらちょっと外を歩きましょう。温泉街には人がいっぱいいましたから、きっと寒くないですよっ」
藍子「食べ歩きですっ。温泉卵とか、天ぷらとか、あと有名なチーズケーキがあるって!」
藍子「夜までやってる人気のカフェもあるって、テレビでやっていました。それも、行ってみたくて」
藍子「だから……その、もうちょっとだけ起きててくださいっ」
加蓮「んー…………」ボー
加蓮「うん……行く……」ボー
藍子「はいっ♪」
加蓮「眠ぅ…………」
藍子「……うぅ」
藍子(まだ5時過ぎだから、加蓮ちゃんといろんなところに行ってみたいけれど……あんまり無理させちゃ、駄目だよね……?)
藍子(うーん……)
――温泉街――
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
加蓮「よしっ藍子、行くよ!」
藍子「は、はいっ! …………あれ??」
加蓮「まずはどっから行こっか。温泉卵があるんだっけ? それ行ってみようよっ。温泉の温泉卵ってすっごく美味しそうじゃん!」グイグイ
藍子「あっ、ま、待ってください加蓮ちゃん~~~!」
<テクテク
<テクテク
加蓮「あむっ」
藍子「あむっ」
加蓮「…………」
藍子「…………」
加蓮「なにこれ美味しい!」
藍子「なにこれ美味しい!」
加蓮「…………」ミアワセ
藍子「…………」ミアワセ
加蓮「あはっ」
藍子「ふふっ」
加蓮「へー、温泉卵ってこんな味にもなるんだね……いやむしろこっちが本物って感じ?」
加蓮「うわっどうしよ。もし帰ってお母さんがご飯に温泉卵を出して来たら嫌な顔しちゃうかも」
藍子「あっ、すみませーん! もう1つ、お願いしますっ」
加蓮「もう食べたの!?」
藍子「一口でちゅるって食べちゃいました♪」
加蓮「珍しー。卵1つに1時間とかそういうんじゃないんだ」
藍子「今日は色んな物をいっぱい食べるって決めて来ましたからっ。てきぱき行くんです!」
加蓮「お、おお? いつになくハイテンションだねー」
藍子「今日はその……ち、ちょっぴり振り回しても大丈夫ですか!? ですよね!?」
加蓮「う、うん、大丈夫だけどどしたの? 茜でもインストールした?」
藍子「それが、外に出て、温泉街の……楽しそうな人たちとか、美味しそうな匂いとか、そういうのがあって、つい……」アハハ
加蓮「そっかー。分かった、今日はとことん付き合ってあげよう」
藍子「はいっ! 加蓮ちゃんも、目が覚めたみたいでよかったですっ」
加蓮「外に出て冷たい風を浴びた瞬間にね。ヤバイ、何を寝るなんて勿体無いことしてんだ私は! ってなっちゃった」
藍子「あ、分かります。ちょっとまどろんでいたのが、急にバッてなりましたよね」
藍子「あっ、おかわりありがとうございますっ。あむっ……ん~~~♪」
加蓮「幸せそうな顔しちゃって。それにしてもホント……温泉街、ぜんぜん寒くないね」
藍子「ちゅるっ……」
藍子「~~~~♪♪♪」
藍子「ごちそうさまでした」フカブカ
藍子「そうですね……。人がいっぱいいて、みなさん楽しそう」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
加蓮「温泉ってこう、もっとPさんくらいの人……ううん、下手するとお母さんくらいの人? が来るってイメージあったけどさ」
加蓮「ここは私らくらいの人もけっこういるんだね。ほらあっち、同じユニフォームの人がいる。部活帰りかな?」
藍子「家族連れもいっぱいで。私たちみたいに子供だけっていうのはいないのかな?」
加蓮「さすがにあんまりいないかな。ほら、部活帰りのとこだって顧問がいるっぽいし」
加蓮「まあほら、私たちは社会人ってことでいいんじゃない?」
藍子「あはっ。じゃあ、加蓮ちゃんが私の保護者で!」
加蓮「えー、逆じゃない?」
藍子「え~? 加蓮ちゃんの方がしっかりしてるのに?」
加蓮「いやいや藍子の方こそ。ポジパのまとめ役とか前に言ってたのは?」
藍子「だって私、パッションアイドルですもん!」
加蓮「パッションならしょうがないっか。…………しょうがないの?」
藍子「さあ……?」アハハ
加蓮「じゃあ今のは」
藍子「えへっ♪」
加蓮「よし分かった。私が保護者だね」
藍子「あ、でも加蓮ちゃんがいろいろと……その、もし必要な時は私が保護者になってあげますねっ」
加蓮「私、保護されるのって大っ嫌いなんだよねー」
藍子「もうっ。なら友達ってことでいいじゃないですか!」
加蓮「最初に言い出したの藍子だよ?」
藍子「加蓮ちゃんが大人っぽいのが悪いんですっ」
加蓮「藍子だってパッションっぽくないくらい大人っぽくない?」
藍子「じゃあ、もっと弾けちゃいますねーっ!」
加蓮「わ、藍子がマジでパッションやってる」
藍子「あ……私達、アイドルだってことバレてませんよね……? けっこう騒いじゃったけれど」
加蓮「帽子に三つ編み、化粧は温泉で取っちゃったけど……こんだけ人がいるんだから逆に大丈夫じゃない?」
加蓮「ほら、みんな騒いでるし。誰も気にしてないよ。それにアイドルだーって叫んでもすぐに収まりそう」
藍子「……なら大丈夫ですねっ」
加蓮「っと、温泉卵ごちそうさまでした。今日は私がのんびり食べる番になっちゃってるや」
藍子「いつもの逆ですね。じゃ、行きましょう加蓮ちゃん! 次はあっちですっ」グイグイ
加蓮「わ、ちょっ」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
藍子「射的……」
加蓮「おじさーん、1回やらせてー。よしっ」
藍子「早速始めてるっ。がんばれー、加蓮ちゃーん♪」
加蓮「そいやっ」パンパンパン
加蓮「…………」
藍子「あ、あは……」
加蓮「…………も、もっかい!」
藍子「おじさんがニヤニヤしてる……。加蓮ちゃん、思う壺になっちゃってますっ」
加蓮「えやーっ」パンパンパン
加蓮「…………」
加蓮「つ、次こそ!」
藍子「あはは……♪」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
藍子「はむはむ……わたがしにフランクフルトなんて、まるで夏祭りみたいですね」(わたがし所持)
加蓮「あ、それだ! なんか何かに近いな~って思ってたんだけどたぶんそれだ、うん、夏祭り夏祭り」(フランクフルト所持)
藍子「そのうち、花火とか上がっちゃったり?」アムアム
加蓮「バンドグループが演奏してたり」モグモグ
加蓮「…………」
加蓮「乱入」
藍子「そ、それはさすがに心の準備が」
加蓮「今の藍子ならいける」
藍子「どういう意味ですかっ。やるなら私は客席から見てますから、加蓮ちゃん行って来てくださいよ」
加蓮「ごめん、ソロで殴りこみに行く度胸はちょっとないかも。藍子を道連れにするならともかく」
藍子「道連れ!?」
加蓮「まあ、今日はやめとこっか」
藍子「じゃあ、今日は普通の女の子ってことで♪」
加蓮「普通」
加蓮「…………普通?」
藍子「変だって言いたいんですか!?」
加蓮「あはは」
藍子「否定してくださいよ!?」
<ワイワイ
<...
<ガヤガヤ
<...
藍子「外にも温泉があるんですね。加蓮ちゃん加蓮ちゃん、ここ足湯があるみたいです!」
加蓮「足湯? 足湯ってあの、足だけ突っ込むヤツ?」
藍子「だと思いますよ。せっかくだから入っていきませんか? 今なら、あまり人もいないみたいですから」
加蓮「この辺、急に静かになったよね。休憩所とかも多いみたいだし」
藍子「…………♪」クイクイクイクイ
加蓮「あーもー分かった分かった子供みたいなことしないでよ、ホントに保護者になった気分じゃん」
藍子「加蓮お姉ちゃんっ♪」
加蓮「…………」ビシッ
藍子「いたっ。もー、ちょっとおどけてみただけじゃないですか」ジトー
加蓮「で、足湯だよね……温泉ならまだしも正直なにが面白いのか分かんないけど……行くなら行こ?」
藍子「はいっ」
<チャプ...
藍子「あったかい……♪」
加蓮「…………あー……これ、いい感じ……♪」
藍子「歩き疲れた時のために、カフェにも足湯があればいいのにっ。ん~~~」ノビ
藍子「あ、でも私、聞いたことがあります。足湯で癒されるカフェって、前にテレビで……ねえ加蓮ちゃん、今度、一緒に探してみませ――」
加蓮「…………」ウツラウツラ
藍子「んか……って、加蓮ちゃん? あの、まさか」
加蓮「…………」zzz
藍子「また寝てる~っ!? あ、足湯でも寝ちゃうんですか!?」
加蓮「ハッ!」ガバッ
加蓮「や、やばいね温泉って。足だけ浸かってる時でも、こう、じわりじわりと疲れが抜けていって、それが気持ちよくて…………」ウツラウツラ
加蓮「…………んん……」zzz
藍子「え、ええぇ…………?」
藍子「…………」
藍子「…………ふふっ」(頭を抱き寄せて膝の上に乗せる)
加蓮「んに…………」
藍子「…………」ナデナデ
加蓮「うみゅ………………」
――15分後――
加蓮「ハッ!」バッ
加蓮「え、あ、あれ? 暖かい……」チラ
藍子「あ……起きましたか、加蓮ちゃん?」
加蓮「藍子……?」オキアガリ
藍子「おはようございます、加蓮ちゃん。ぐっすり眠っちゃってましたよ♪」
加蓮「あー……足湯に入って、暖かくなって、そしたら急に、こう、じわって来て……」
加蓮「!!」(足を思いっきりお湯から出す)
藍子「きゃっ」(ちょっと飛び散る)
加蓮「足湯ナメてた。駄目だこれ。だめになる」
藍子「だめになっちゃうって言えば、ちょっぴりこたつみたいな感じですよね」フキフキ
加蓮「あ、それそれ、そんな感じ」
藍子「……今日は温泉宿に戻って、寝ちゃいますか?」
加蓮「ううん、大丈夫……。チーズケーキもカフェもまだだし……えっと、今何時?」
藍子「えっと、6時を回った頃です。人が増えてきてざわついてきたから、加蓮ちゃん、起きちゃったのかな」
加蓮「かもね……。ん~~~!」ノビ
加蓮「あ、ごめんね藍子。膝、借りちゃってたみたい」
藍子「ううん。私が抱き寄せただけですから。でも加蓮ちゃんの寝顔、今日も
可愛かったですっ」
加蓮「え゛」
藍子「ふふっ♪」
加蓮「…………スマホを出せ」
藍子「へ?」
加蓮「スマホを出せ。お湯に沈めてやる」
藍子「い、いえいえっ、写真は撮っていませんから!」
加蓮「今の藍子ならやりかねん。出せ。どこだ、ここか」ゴソゴソ
藍子「わーっポケットに手を突っ込まないでくださいあははっくすぐったっスマホならハンドバッグの中に、」
藍子「ってハンドバッグごとお湯に沈めようとしないで~~~!」
藍子「疑うなら確認していいですから! 撮ってませんから、ホントに!」ハイスマフォ!
加蓮「…………ぐぬぅ…………またやらかした……」
藍子「いいじゃないですかそれくらいっ。加蓮ちゃんの家に行った時なんてだいたい加蓮ちゃんが先に寝てますしっ、事務所でもよくお昼寝してるじゃないですか!」
加蓮「それはー……言われてみたらそっか」
藍子「でしょ?」
加蓮「でもムカつくから鞄を貸せ」バッ
藍子「だめですってば~~~~!」グイグイ
――ちょっと上品そうなカフェ――
藍子「はぁ~っ…………」ゴクゴク
加蓮「はふぅ…………」ゴクゴク
加蓮「……あれ? 私達、温泉に来てたんだよね?」
藍子「もうすっかりいつも通りですね……」
加蓮「藍子も、いつの間にかゆるふわモードになってるし」
藍子「あはは……さっきまではテンションが、つい」
加蓮「にしても同じレモンティーなのに、いつものカフェとぜんぜん違うなぁ」
藍子「ミルクティーも、こっちの方がもっと甘くて、ゆっくり飲みたくなっちゃって……」
加蓮「……閉店時間まで居座ったら残り回れなくなるよ? 天ぷら食べるんでしょ? あとチーズケーキ」
藍子「さ、さすがに気付いたら閉店時間だなんてそんなことある訳……」
加蓮「…………」ジー
藍子「……じ、じゃあ加蓮ちゃん! 1時間くらい経ったら教えてくださいっ」
加蓮「なるほど。よし、私もゆるふわ時空に巻き込まれないようにしなきゃ」
藍子「い、いつもごめんなさ――」
加蓮「えい」ベチ
藍子「きゃうっ」
加蓮「気にしないの。……それにしてもホント、同じカフェって言っても別物なんだね。こう、雰囲気っていうか……レモンティーもそうだけどさ」
藍子「そうなんですよ。カフェごとに、いろんな特徴があって」
加蓮「へー、他にはどんなとこがあるの?」
藍子「そうですね……例えば、窓際にいっぱい猫さんの彫刻が飾ってあったり♪」
加蓮「猫カフェかな?」
藍子「他には、入り口に力士像がでんって置いてあったり」
加蓮「り、りきしぞう?」
藍子「あと、庭みたいな場所が作ってあってそこに……ええと、ほら、なんでしたっけ。竹に水を入れて音がする……あれ?」
加蓮「……こけおどし?」
藍子「微妙に違いますっ。……そう、ししおどし! すっごく和風なカフェで、窓も竹窓になっていてっ」
加蓮「へえ……ホントにいろんなところがあるんだね。さすがカフェマスター」
藍子「ふふっ♪ 加蓮ちゃんもそのうち、いろんなところを招待したいな……って思うんですけれど」
藍子「加蓮ちゃんを誘おうって思ったら、ついいつものカフェにしちゃうんですよっ」
加蓮「分かる分かる」
藍子「今度、一緒にお散歩しましょう! 加蓮ちゃんなら、私が見つけられないことも見つけちゃいそうっ♪」
藍子「…………でも、加蓮ちゃんを疲れさせちゃダメ、だよね……。ううん…………」
加蓮「……ぷぷっ」
藍子「?」
加蓮「ううん、また1人で悩んでる。しかも私のことをさ。見ててつい笑えちゃったっ」
藍子「あ、あはは。実はその、加蓮ちゃんを誘う時にも、加蓮ちゃんの予定は大丈夫かな、疲れてないかな、っていつも考えちゃって」
加蓮「ふーん。藍子は優しいもんね、しょうがないっか」
藍子「そんなことないですよ……」
加蓮「でも変なとこ気にするんだね。今日なんて、眠たそうにしてる私を振り回してるのに」
藍子「あれはそのっ……だって加蓮ちゃんが目が覚めたって言うから!」
藍子「それにその、私だってたまには弾けてみたいですっ」
加蓮「そっかー」
藍子「…………やっぱり、加蓮ちゃんにはそういうところで遠慮しちゃいます。その、加蓮ちゃんが遠いとかじゃなくて、どうしても――」
加蓮「へ?」
藍子「え?」
加蓮「いや、別に遠慮するなとか言うつもりないよ?」
藍子「……あれっ?」
加蓮「だってさ、多少はしょうがないとこあるじゃん。私がさせてることを私がするなって言うのもなんか変だし……あとさ」
加蓮「どっちかっていうと私、ああするなこうするなって言う方があんまり好きじゃないんだ」
加蓮「そういうの、昔からずっと言われてきてたから……言われて嫌なことって、あんまり言いたくないじゃん」
藍子「…………」
加蓮「もちろん藍子には、その、あんまり遠慮してほしくないっていうか、普通に接して欲しいけど……どうしても、ってくらいじゃなくて」
加蓮「もし藍子に何かをするなって言うならたった1つだけだよ。"自分をアイドルらしくないなんて言うな"。ホントにそれだけ。あれだけはホントにねー……」
加蓮「……って、まあ勢いでいろいろ言っちゃうけどね。ほら、いつだったっけ。怒鳴りあった時とか――」
加蓮「なんだかんだ、私もけっこう言ってんのかな。あれやるなこれやるな、って」
加蓮「そういうこと、できるだけ言いたくないんだけどなー……うーん…………」
藍子「……もうっ。加蓮ちゃんだって、1人で悩んじゃってるじゃないですか!」
加蓮「へ? ……あはは、ホントだ!」
藍子「もー」
加蓮「じゃあ、せーのっ、で言おうか! 思いついたことをさっ」
藍子「いいですよ。じゃあ、せーのっ」
「「1人で悩まないでください。私が、いますから」」
藍子「…………」
加蓮「…………ふふっ」
藍子「分かってるのに~」
加蓮「そっちこそっ」
藍子「それに今、加蓮ちゃん敬語だったっ」
加蓮「藍子と合わせてみたんだけどどう? こう、息ぴったり! ってのがやりたかった的な」
藍子「加蓮ちゃん、変なところでこだわりますよねっ」
加蓮「え~、ヘン?」
藍子「でも私も、そういうの、けっこう好きです♪」
加蓮「よかったー」
加蓮「藍子もたまには敬語抜きで――――ごめんなさいやっぱりいいです」
藍子「また敬語……?」
加蓮「いや、ずっと前に藍子から呼び捨てに敬語抜きで話しかけられて死にそうになったこと思い出して……」
※第2話でそういうことがありました
加蓮「け、敬語とかそうじゃないとかどうでもいいよね! うん!」
藍子「はあ……」
藍子「…………」ウーン
藍子「…………」アッ!
加蓮「やれってフリじゃないからね!?」
藍子「あれ? 違いました?」
加蓮「当たり前でしょあれホントに嫌だったんだからね!」
藍子「そうなんですか~…………」
藍子「…………」
藍子「ふふっ。"加蓮"、そんなに怒鳴ったら周りの人がびっくりしちゃうよ?」
加蓮「ギャアアアア! はっ、はっ、話を聞けー! そのモードやめろ、今すぐやめろ!」
藍子「ほら、しーっ。ここはいつものカフェじゃないんです――ないんだから。ね? しーっ♪」
加蓮「やめろ、背中ぞわぞわするからやめろこの貧乳!」
藍子「」ブチッ
藍子「あーそうですかそういうこと言うんですね加蓮ちゃん。今ので静かになったらやめようって思ったのに」
加蓮「……あ、あっれー? なんかスイッチ入った感じ……??」コワゴワ
藍子「今日はずっと加蓮って呼んでやりますからっ。かーれーんー」
加蓮「」ゾワゾワ
加蓮「や、やめて、ホントやめて。誰。アンタ誰。藍子を返して」
藍子「えー? 私はいっつもこんな感じです……感じだよー? 変なこと言うんだね、加蓮」ニッコリ
加蓮「」ゾワゾワゾワゾワ
藍子「あれ? どうしたの加蓮? 自分で自分をぎゅーってしちゃって。そんなにここ寒いの? ねえ、加蓮」ニコニコ
加蓮「やめええええええええええーーーーっい!!!」
――店の外――
<ピシャン!
藍子「…………追い出されちゃいました」
加蓮「…………1時間のカウント、いらなかったね」
藍子「…………」
加蓮「…………」
藍子「加蓮ちゃんが過剰に反応するから」
加蓮「藍子がネジをどっかに取っ払うから」
藍子「…………」ジトー
加蓮「…………」ジトー
藍子「…………」
加蓮「…………」
藍子「……あははっ♪」
加蓮「ふふっ♪ ま、温泉テンションってことにしとこっか」
藍子「はいっ。でもそんなに不自然ですか? 私が加蓮ちゃんを呼び捨てにして、敬語抜きで喋るのって」
加蓮「無理。マジで無理」
藍子「そうですか……」
加蓮「じゃあ私が藍子を様付けしてずっとかたっくるしい敬語になってお姫様扱いし始めたらどう思う?」
藍子「…………」ウーン
藍子「…………そういうのも面白そう?」
加蓮「無敵かっ!」
藍子「でも、それはまたいつか楽しみにしておくということで。今日は、いつも通りにしましょうっ」
藍子「ほら、せっかくの温泉街ですから!」
加蓮「そだね。こういうのは、演技力レッスンの時にでもってことで」
藍子「はいっ。じゃ、行きましょう!」グイ
加蓮「うんっ」
――温泉街――
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
加蓮「天ぷらっ」
藍子「ちくわの天ぷら……衣がこんなにさくさくなのに中がふんわりしてて、美味しいっ!」
加蓮「ポテトある? え、ない? 売り切れ!? 今日はもうなくなったの!?」
藍子「えっと……ふんふん、そうなんですかっ。加蓮ちゃん。ここのポテトはすっごく人気で、いつも暗くなる前から売り切れちゃうみたいですよ」
加蓮「うっそぉ!?」
加蓮「く、くそぉ。私も下調べするべきだったかー…………」
藍子「ドンマイです、加蓮ちゃん。次に来た時は食べましょうっ」
加蓮「次に来た時……?」
藍子「はいっ♪」
加蓮「次に、来た時…………」
加蓮「……次に来た時、かぁ。そだね、じゃあ、その……次のお楽しみにしよう!」
藍子「はい、そうしちゃいましょう!」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
藍子「お団子っ」
加蓮「あーんっ……あま゛!? うぇぇ……」ゴクゴク
藍子「ああっ、せっかくの抹茶を一気に……もう、加蓮ちゃん。こういうのは、ゆっくり、ゆっくり飲むのが美味しいんですよ」
加蓮「おばあちゃんかっ。あ~……私タレはやめとく。団子だけなら、うん、いけるいける」
藍子「はーい。あーんっ♪ どうして甘い物ってこんなに美味しいんでしょうか……♪」
加蓮「そんなタレたっぷりつけてよく食べれるね……」
藍子「私は、これくらいの方が。あ、でもさっぱりした味も好きですよ? 例えば、プレーンクッキーとかっ」
加蓮「プレーンっていえばワッフルとかもあるよね。あ、いつものカフェのワッフルが恋しくなっちゃった」
藍子「ふふっ。加蓮ちゃん、もうすっかりあのカフェの虜になっちゃってますね」
加蓮「しょうがないじゃん、だって――」
藍子「?」
加蓮「なんでもない。うん、たまにはお団子もいいな」モグモグ
藍子「…………」パクッ
藍子「~~~~~♪」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
藍子「チーズケーキ!」
藍子「ここのお店の、テレビでも何度も特集されるくらい有名で、いつか食べてみたいってずっと思ってたんです……!」
藍子「いただきますっ!」パクッ
加蓮「ねえ藍子。ちょっと気になったんだけど、アンタ今日だいぶ食べてるよね……体重とか大丈夫なの?」
藍子「…………」カタマル
加蓮「……あ、ごめん」
藍子「……………………」
藍子「……………………」モグ
藍子「…………!!!!!!!」
藍子「…………」モグモグモグモグ
加蓮「成程」
藍子「はっ。つ、つい一気に……! 加蓮ちゃん加蓮ちゃんっ、今日、ここに来られてよかったです!」
加蓮「そ、そう……。相変わらずテンションすごいね」
藍子「おかわりお願いしま」
加蓮「体重」
藍子「………………」
藍子「………………おかわりお願いします!」
加蓮「成程」
藍子「~~~~~~~~♪♪♪」
加蓮「ふふっ、幸せそーな顔。……あ、そうだ」スマフォトリダシ
加蓮「えい」パシャッ
加蓮「帰ったら藍子に見せてやろ」
藍子「~~~~~~~~~~♪♪♪」
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
藍子「ええと、温泉卵に、カフェに、天ぷらに、お団子に、チーズケーキ……」ユビオリカゾエ
藍子「だいたい回ったかな……? 加蓮ちゃん、他に何か食べたい物はありますか?」
加蓮「えーだってポテトないんでしょー? じゃーいいよー」
藍子「まだ拗ねてる……」アハハ
藍子「今、食べられるものでっ」
加蓮「ん…………ごめん、ちょっと思い付かないや。なんか藍子を見てたら自分が食べた気になって、お腹いっぱいかも」
藍子「そうですか。じゃあ、宿に戻ります?」
加蓮「んー、もうちょっとブラブラしてこ」
藍子「はいっ。温泉街をお散歩ですね」
加蓮「お散歩お散歩」
<テクテク
<テクテク
<ワイワイ
<ガヤガヤ
<ワイワイ
<ガヤガヤ
加蓮「すごい今更なんだけどさ。宿、泊まるだけにしたけどご飯はいらなかったの?」
加蓮「ほら、地元の名産品があったらー、とか言ってなかったっけ?」
藍子「はい。言っちゃいましたけれど……温泉街を調べたら、食べてみたい物がいっぱいあってっ」
加蓮「リストアップするくらいだもんね」フフッ
藍子「それにもし、次に来ることがあったら、今度はそっちにしようかなって」
藍子「なんて、加蓮ちゃんを誘いたかったんですけれど……加蓮ちゃんに先越されちゃいました」
加蓮「ポテトね。……ぽーてーとー」
藍子「また拗ねだしちゃった……」
加蓮「でも次にさ、ほら……次に、来た時にさ」
加蓮「ポテト買いに行くじゃん。食べるじゃん。で、宿に戻ろうとして」
加蓮「あ、そうだ、ちょっとこれ食べよう、あれも! ……ってなってお腹いっぱいになる未来しか見えないだけど、私」
藍子「あ、あははは…………」
藍子「それなら、その次に挑戦ですっ」
加蓮「その次?」
藍子「はい。2回目はポテトで、3回目が宿のご飯!」
藍子「私も加蓮ちゃんも忙しくて、なかなか予定は合わせづらいかもしれないけれど……そういうのはどうですか?」
加蓮「…………次の、その次、か」
加蓮「……………………その時までに、私……藍子に……」
藍子「…………」
加蓮「…………なんでもない」
<テクテク
<テクテク
加蓮「…………手、繋いでいい?」
藍子「はい。どうぞ」スッ
加蓮「うん」ギュ
加蓮「…………」
藍子「…………」
<テクテク
<テクテク
――温泉宿の部屋――
藍子「ふうっ。お疲れ様です、加蓮ちゃん♪」
加蓮「うんー……お疲れー……」ウツラウツラ
加蓮「ばたん」zzz
藍子「あっ……も、もう少しおしゃべりしていたかったのに……」
藍子「……でも、今日はいっぱい振り回しちゃいましたから……あっ、そうだ」ガサゴソ
藍子「ばれたら、怒られちゃうかな? ふふっ」
ぱしゃっ
藍子「……♪ どうせなら待受にも――」
加蓮「こらぁ……あいこ…………」
藍子「!? 起きてたんですか!? こここれは違うんですっ、その、魔が差したというかっ誰かに見せたくなったとかそういうんじゃなくて~~~~!」
加蓮「…………すぅ……」
藍子「あ、あれ?」
藍子「……あの、加蓮ちゃん? それは寝ているのでしょうか、起きているのでしょうか……?」
加蓮「あたし……あいこのこと、だいすきだから……だから……」
加蓮「あいこのこと…………もっと、しんじたくて……」
加蓮「だから…………」
加蓮「…………すぅ」
藍子「…………」
藍子「大丈夫ですよ、加蓮ちゃん。加蓮ちゃんが信じられるようになるまで……ううん、信じられるようになってからも、私はずっとここにいますから……」ナデナデ
藍子「だから、なんにも心配しないで……不安になったりしないで……頑張ってくださいね」
藍子「あはっ……頑張ってくださいね、はちょっと変かな?」
加蓮「むにゃ………………ふふっ…………♪」
藍子「ふわ……私も眠たく……。おやすみなさい、加蓮ちゃん……」
藍子「…………すぅ」zzz
――翌朝――
藍子「ぅん…………」ガサゴソ
藍子「あさ……? そっか、かれんちゃんと、おん泉に来てたんだっけ……」
藍子「ふわぁぁぁぁ~~~~~」ノビ
<ギュ
藍子「ふわ?」
加蓮「すぅ……すぅ……」ガシッ
藍子「加蓮ちゃん……あはは、いつの間にこっちのお布団に入っちゃったんだろ?」
藍子「…………」
藍子「大丈夫。私はここにいますよ。ずっと、ここにいますから……」ナデ
藍子「……幸せそうに寝ちゃってる……。じゃあ、もうちょっとだけゆっくりしちゃいましょうっ」
藍子「んっ……」ノビ
加蓮「…………すぅ……あいこ…………」zzz
藍子「加蓮ちゃん?」
加蓮「……………………あれ……?」ムクッ
加蓮「ここ……?」
藍子「おはようございます、加蓮ちゃん。ここは温泉宿ですよ。ほら、昨日、一緒に来たじゃないですか! お風呂に入ったり、お団子を食べたりっ♪」
藍子「そうだ! 帰る前に、もう1回お風呂に入りませんか? そうしたら加蓮ちゃんも目が覚めるかもしれませんっ」
加蓮「おふろ……おふろ……?」
加蓮「ええと……」
加蓮「んっと……」
加蓮「…………あ、そっか。そうだ、あ、うん、藍子だ」
藍子「はい、藍子ですよ」
加蓮「おはよ。大丈夫、目は覚めたから……そーそー、温泉に来てたんだよね。……ちっくしょー、ポテトー」
藍子「それまだ覚えてるんですか!?」
加蓮「ねえ藍子。ポテトが並ぶまでここに居座ろうよ。そして一番に買うんだっ」
藍子「無理ですよっ。加蓮ちゃん、今日はお昼からお仕事で、それまでに事務所に戻らないといけないって昨日言ってましたっ」
加蓮「むー……ポテト……」
加蓮「……しょうがないかー。あ、そういえばさ藍子。私、ここの部屋に戻ってきてから記憶がさっぱりっていうか……たぶんすぐに寝たと思うんだけど、なんか変なこと言ったりしてない?」
加蓮「なーんか、藍子が笑ってた覚えがあるっていうかさ。すっごくぼやけてるんだけど」
藍子「そうですね……ちょっとだけ、何かを言ってた気がします♪」
加蓮「え? ……そ、その顔は覚えてる顔でしょ! こらっ、隠すな! 私のことなんだから教えなさいよ! こらーっ!」
藍子「ないしょですっ♪」
加蓮「私のことでしょーがー!」ノシカカリ
藍子「きゃーっ」
加蓮「もおっ。……よく分かんないけど、うーん……あんまり言わないでよ? 誰にも、Pさんにも」
加蓮「たぶんそれ、藍子にだから言ったことなんだと思うし……」
藍子「加蓮ちゃん……」
加蓮「……あーっ、やっぱり不覚。これはもうポテトを食べて帰るしかないね。ってことでもうちょっと居座ろう」
藍子「それはだめです! だめったらだめーっ!」
藍子「ポテトは次に来た時なんですからっ。次のお楽しみです。ねっ」
加蓮「……はーい。しょうがない、藍子がそう言うならそうしちゃおっか」
藍子「はいっ」
加蓮「次のお楽しみ、ね。……うん、次のお楽しみだっ」
藍子「はい。次のお楽しみ、ですっ♪」
おしまい。読んでくださり、ありがとうございました。
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