「お誕生日おめでとう!」
かな子「ありがとう……みんな……」
未央「プレゼントも持って来たよ! はい! コート!」
凛「私と卯月と未央で選んだよ」
卯月「きっと似合いますよ」
智絵里「私も……フォトフレームを持ってきました……」
美波「私はペンダントを買って来たよ」
かな子「嬉しいです!」
アーニャ「私は……かな子が前に欲しいと言っていた物です」
かな子「え~? なんだろう?」
アーニャ「マカロフです」
かな子「あ、マカロンですか! 私の大好物ですよ」
アーニャ「北方ルートから仕入れたロシア製です」
かな子「北方ルート? ロシア製?」
アーニャ「最近は中国製や北朝鮮製も多いですけど、これは上物です」
かな子「え? どういうこと? マカロンだよね?」
ゴトリ
かな子「ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピストル!」
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アーニャ「手に入れるのに苦労しました」
かな子「ちょっと! アーニャちゃん! どういうことなの!」
アーニャ「かな子……前に言っていました。マカロフが欲しいと」
かな子「それはマカロンだよ!」
アーニャ「え? マカロフ……違いますか?」
美波「アーニャちゃん。そんなのどうやって手に入れたの?」
アーニャ「お父さんの友達から買いました」
未央「ど、どんな友達なの?」
アーニャ「元スペツナズでロシアンマフィアの人です」
卯月「ほ、本物ですか? これ」
アーニャ「ダー。 プーリァ……弾丸もありますよ」
智絵里「どこから持って来たの……」
アーニャ「北海道でパパが買った物を送って貰いました」
凛「アーニャのお父さん……何者なの……」
アーニャ「パパは良い人ですよ」
かな子「こんなの受け取れないよ!」
アーニャ「ルゥジヨー……ライフルのほうが良かったですか?」
未央「そんなのもあるの?」
アーニャ「ダー。AK-74やクリンコフもあると言っていました」
未央「そんなのゲームでしか見た事ないよ!」
アーニャ「結構高いから買えませんでした」
かな子「そういう問題じゃないよ~!」
アーニャ「ピスタリエート……拳銃は嫌いですか?」
かな子「好きとか嫌いの問題じゃないよ!」
美波「アーニャちゃん……日本だと拳銃所持は違法なんだよ」
アーニャ「そうなんですか!」
卯月「知らなかったんですか?」
アーニャ「ダー。パパの周りの人、みんな持っているので」
美波「ばれたら逮捕されちゃうよ」
アーニャ「あー……だからですか。秘密にしろとパパは言っています」
凛「アーニャのお父さんって一体……」
アーニャ「パパは優しい人ですよ」
智絵里「これ……危ないよね」
卯月「暴発したら大変ですよ」
アーニャ「ニェ・ボーイシャ……大丈夫。弾は装填していません」
未央「今は撃てない状態なんだね」
アーニャ「マガジンには弾が入っています」
凛「どうやって撃つの?」
アーニャ「まず、スライドを引いてチャンバーに弾を送ります」
チャキ
未央「ちょっと! 今、装填したよね! それ!」
アーニャ「デコッキングすれば大丈夫です」
凛「デコッキング?」
アーニャ「セフティを操作して撃たずにハンマーを落とします」
カチャ
未央「たしか、ハンマーが起きてないと撃てないんだよね?」
アーニャ「ダー! 未央、銃を知っていますね?」
未央「お兄ちゃんのエアガンとゲームで知っている位だけどね」
卯月「ついていけませ~ん」
凛「その後ろについている出っ張りがハンマーなの?」
アーニャ「そうです」
凛「セフティっていうのは何?」
アーニャ「安全装置です」
凛「つまり、今は安全装置が掛かっているんだ」
アーニャ「そうです。だから撃てません」
かな子「引金を引いても平気なの?」
アーニャ「撃てませんが、それはダメです」
かな子「なんで?」
アーニャ「撃つとき以外は引金に指をかけません」
未央「それ、大切だよね」
アーニャ「トリガーコンシャスといいます」
凛「徹底しているんだね」
未央「銃口も人に向けないんだよね?」
アーニャ「ダー。それはマズルコンシャスといいます」
智絵里「鉄砲の話で盛り上がってきた……」
凛「安全装置を外したら引金を引いただけで撃てるの?」
アーニャ「マカロフはダブルアクションだから撃てますね」
凛「ダブルアクション?」
アーニャ「引金とハンマーが連動する銃のことです」
凛「そうじゃない銃もあるの?」
アーニャ「シングルアクションの銃です」
凛「シングルアクション?」
アーニャ「引金とハンマーが連動しない銃のことです」
未央「指でハンマーを起こす銃だっけ?」
アーニャ「リボルバーの場合はそうですね」
凛「マカロフはリボルバーじゃないんだ」
アーニャ「マカロフはリボルバーではなくオートマチックです」
未央「リボルバーはレンコンみたいな銃だよ」
卯月「たしか、西部劇に出てくるような銃ですよね」
かな子「オートマチックの場合はどうなの?」
アーニャ「スライドを引いたときにハンマーが起きます」
凛「つまり、弾を装填すると撃てるようになるんだ」
アーニャ「その通り!」
美波「どこでそういうの覚えてくるの?」
アーニャ「パパから教わりました」
凛「アーニャのお父さん凄いんだね」
アーニャ「皆さんのパパは教えてくれないんですか?」
美波「普通はそんなの教えないよ」
未央「アーニャはオルガ・ゴルルコビッチみたいだね」
アーニャ「そうなんですか……私、変わっていますね」
智絵里「だ、大丈夫……アーニャちゃん怖くないから……」
卯月「そ、そういう環境で育った人もいるものですよ」
未央「硝煙の匂いと共に育ったんだね~」
アーニャ「小さい頃から銃のこと教わりました」
美波「ロシアだとよくあるのかな?」
アーニャ「どうでしょう?」
凛「たぶん、よくある環境ではないと思うよ」
未央「まあ、アーニャはアーニャだよ!」
アーニャ「そう言ってくれると嬉しいです」
美波「さて、問題は……これをどうするかね」
卯月「警察に届けるとか」
美波「アーニャちゃんがパパと一緒に逮捕されちゃうよ」
智絵里「捕まっちゃうの?」
アーニャ「それは困りますね」
未央「ゴミ箱に捨てる?」
凛「見つかったら大騒ぎだよ」
かな子「川に捨てるのはどうかな?」
美波「それ、事件になっちゃうよ」
凛「そう簡単に捨てられるものじゃないよね」
美波「パパに送り返したらどう?」
卯月「一番無難かもしれませんね」
凛「そうだね。元の持主に返してくれるだろうし」
未央「ロシアに送り返して貰おう!」
アーニャ「そのほうが良いみたいですね」
未央「返す前にさ、一発くらい撃ってもいいかな?」
美波「未央ちゃん!」
未央「じ、冗談だよ」
やまなし・おちなしですが 完
軍曹「懐かしい重みですね!」
都「ハワイでお父さんに習いました!」
志希「ロシアモノは初めてかなあ」
とか言わなくてよかった
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