夜
天使「………………」スースー
男「取り敢えず息はあるみたいだな」ピト
男「それにしても…」
バサッ
天使「…………」スースー
男「ほんとに白い翼何だな」スッ
ガチッ
男「ん…?翼に鎖が絡まってるな」
男「これのせいで落ちてきたのか?」
男「このままじゃまずいし、取り敢えず家まで運ぶか」グイッ
フワッ
男「軽いな…羽みたいだ」
天使「……………」スースー
男「やっぱり人間とは違うのか」スタスタ
─
──
───
───
──
─
天使「んっ……」パチ
天使「ここは……?」ムク
男「おっ、起きたか…意外に早かったな」
天使「貴方は…?」
男「倒れてたから俺の家まで運んだぞ、ほら水」スッ
天使「……これは聖なる水ですか?」
男「ただの、水道水だ」
天使「すいどうすい…?」
男「とにかく、飲め」
天使「……いただきます」ゴク
天使「…………」
男「どうだ?」
天使「美味しくないですね」
男「それで、お前は何者なんだ」ギシ
天使「私は、天使です」
男「………やっぱりか」
天使「貴方は…地上の方なのですね」
男「あぁ、見ての通り翼もなければ光輪もない」
男「俺は、男っていう名前だ」
天使「男、さん…ですか」
天使「まずは助けて下さりありがとうございます」ペコリ
男「助けたわけじゃないんだが…」
天使「そうだとしても助かりました」
男「お前は、どこから来て何故ここにいるんだ?」
天使「…私は、ここより遥か上空の天界、聖都に住むものです」
天使「わけあって、翼を鎖で封印され地上に落ちてまいりました」
男「わけ…?」
天使「………………」
男「まぁ、いい」
男「お前、これからどうするつもりなんだ?」
天使「………わかりません」
男「だろうな…なら、わかるまでここにいるといい」
天使「いいんですか?」
男「別に構わない」
天使「どうして、そこまで…」
男「………………」スッ
天使「これは、本ですか?」
男「天使には優しくしろってさ」ニッ
『堕ちた天使の育て方』
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