女提督「甘い時間は溶けるように」 (1000)

女提督「甘えさせたり甘えたり」
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ー加賀に指輪を渡すちょっと前のお話ー

ガチャ

キィ…

バタン

提督「うぅ……」ブルッ

提督「寒い……」

パタパタ

提督「まだ二月……しかも陽も昇ってないし、凍えそう……」ブルブル

提督「……前にヲ級ちゃんと会ったのはこの辺だっけ……」

提督「う〜…来てくれるかな〜……」

提督「……………」

提督「……………」

提督「…………ううぅ」ブルッ

提督「コート着て来ればよかった…」ガタガタ

提督「………っくしゅ!!」

提督「はぁ……来ないなぁ…」ズズ

提督「………やっぱり、深海棲艦との交流なんて無理だったのかな…」

提督「……………」

提督「………ダメか……」

提督「……戻ろう…」

提督「ただ、私が変に希望を持ってただけ…か…」トボトボ

ザバッ
ピチャ…

提督「………!」バッ

ヲ級「……………」

提督「あ……!き、君は……前に、ここに…来た子……だよね?」

ヲ級「……………」コク

提督「! じゃ、じゃあ、あの時の約束、覚えててくれたの!?」

ヲ級「……………」コク

提督「うわあ、嬉しい!!ほんとに来てくれるなんて!!」ギュ

ヲ級「……………」

提督「っうわ、冷た!?そういえばそんなに濡れて寒くないの?大丈夫?」

ヲ級「……………」コク

提督「あー…それもそうか、海にいるから…」

提督「はっ、くしゅ!」

ヲ級「…………!」

提督「うう…ごめんね、このままだと風邪引いちゃうから…とりあえず中に入ろう?」ギュ グイ

ヲ級「…………」グウウ

提督「…………?」

ヲ級「……………?」

提督「……もしかして君、お腹空いてる?」

ヲ級「……………」コク

提督「あ、なら何か作ってあげる!ちょうどいいから食堂に案内するね!」

ヲ級「……………」

提督「よいしょっと…」

ガチャ

木曾「ん、戻ったか」

提督「あれ、木曾!?起きてたの?」

ヲ級「………!」サッ

木曾「そう身構えるなよ、何もしないさ。お前が何もしない限りはな」

提督「あ…大丈夫だよ、木曾は優しい子だから」

ヲ級「……………」スッ

木曾「警戒は解いてくれたか…まあ、艤装も何も着けていないもんな」

提督「ところで木曾、どうしてここにいるの?」

木曾「ああ、今日は例の約束の日だったのを思い出してな。心配で見に来たんだが…杞憂だったよ」

提督「そうなんだ…ごめんね、わざわざこんな朝早くから」

木曾「いいさ、俺が好きでやってることなんだ」

ヲ級「……………」グゥゥ

提督「おっと、お腹空いてたんだっけ。食堂、こっちだよ」グイ

木曾「俺も行く。何かあったら大変だからな」

提督「木曾もお腹空いてるんじゃないの?」

木曾「……まあな」

提督「ふふっ、素直でいいね」

ガチャ

提督「はーあったかい…あ、適当なところに座っていいよ」

ヲ級「……………」ストン

提督「……床じゃなくて、この椅子に座るんだよ」ゴゴ

ヲ級「…………」ガタ

木曾「深海に椅子はないのか…」

提督「それじゃ私、ササっとなにか作ってくるね」

木曾「ああ、俺はこの子を見張ってるよ」

提督「うん、何もしないとは思うけど…よろしくね」

パタパタ…

ヲ級「……………」ジッ

木曾「……なんだ?俺のことが嫌いか?」

ヲ級「……………」

木曾「…まあ無理もないだろうな。俺たちは、お前の仲間達を何人も沈めてきたんだから…」

ヲ級「……………」フルフル

木曾「……?憎いとは思わないのか?」

ヲ級「……………」コク

木曾「…………そうか。詳しいことは分からないが…そう言ってくれるのなら、少し気は和らぐよ」

木曾「……そういえばお前、さっきから喋らないが…」

ヲ級「……………?」

木曾「もしかして、無口なタチなのか?」

ヲ級「……………」フルフル

木曾「…?ならなんで…」

パタパタ

提督「お待たせ、とりあえず適当にベーコンエッグともう少しでクロワッサンが……ってあれ?どうかしたの?」

木曾「いや、この子、ずっと喋らないから…無口なやつだと思ってな」

提督「………ん?ちょっと待って、私たちさっきからずっと普通に話しかけてるけど…まさか言葉が分からないんじゃ…?」

木曾「それは…でも、質問したらちゃんと首で返事してるぞ?」

提督「だよね…ならなんで喋らないんだろう………あ」

ヲ級「……………」

提督「ねえ、君」

ヲ級「…………?」

提督「私たちの言葉は、分かるんだよね?」

ヲ級「……………」コク

提督「じゃあ、えっと…その言葉は話せる?」

ヲ級「……………」フルフル

提督「ああ、やっぱり…」

木曾「どういうことだ?」

提督「えっとね、恐らくだけど、ヒアリングはできるけど喋ることはできないんだと思う。犬とか猫みたいな状態かな」

木曾「ふむ……なるほどな」

ヲ級「……コトバ……」

提督「!」

木曾「喋った…!」

ヲ級「コトバ、ムズカシイ…」

提督「難しい……もしかして私たちが喋りかけるのも、あんまり理解できてないことってある?」

ヲ級「……………」コク

提督「そっか……なら、これからゆっくり覚えていけばいいよ。今はとりあえず、腹ごしらえをしよう?」コト

木曾「ん、ありがとう」

ヲ級「……………!」

スッ

提督「あ、待って!手で食べちゃダメだよ!」

ヲ級「……………?」ピタ

提督「洋食だから…はいこれ、フォーク」

ヲ級「…………??」

木曾「こうやってな、先を刺して食べるんだ」ザク

ヲ級「……………」グサ

提督「そうそう、上手上手」

パク

ヲ級「…………!?〜〜〜ッ!??」ガタッ

提督「ああっ!?熱かった!?」

ヲ級「ヲッ…………」

提督「ごめんね…ちゃんとこうやって、ふーふーってすれば熱くないはずだから」

ヲ級「……………」フーッ フーッ

パクッ

ヲ級「…………!」モグモグ

提督「どう?」

ヲ級「……………!!」グサ パクパク

提督「ふふ…そういう時は美味しい、って言うんだよ」

ヲ級「オイシイ……」モグモグ

ヲ級「……………」ゲフ

提督「お腹いっぱいになった?」

ヲ級「オイシイ……」

提督「そっかそっか、ならよかった」

木曾「すごい勢いだったな…俺なんてまだ半分も食べていないぞ」

提督「まだクロワッサンもあるんだけど…この様子だといらないかな?」

木曾「ああ、俺が食べるよ」

ガチャ

鳳翔「あら、もう食堂に人が………あ、提督でしたか」

提督「あ、鳳翔さん、おはよー」

木曾「おはよう、鳳翔さん」

鳳翔「はい、提督、木曾さん、おはようございます………って、え…?」

ヲ級「……………?」

鳳翔「…えっ!?そ、その子、深海棲艦の…!?」

提督「あー………あのね、これには事情があって……」

〜〜〜かくかくしかじか〜〜〜

鳳翔「そ、そうだったんですか……へえぇ…」

提督「混乱させちゃったみたいで…ごめんね」

鳳翔「い、いえ、それは良いのですが……この子、本当に敵意はないのでしょうか…」

提督「今のところはまだ…ね」

鳳翔「…大丈夫なのですか?」

提督「艤装も着けていないし、ここだけなら持ち帰られて困る情報もないから大丈夫だよ。ただ、問題はこれからの交流だけど…」

ヲ級「……………」シュル

提督「ん、お…?どうしたの?」

ヲ級「……………」クイクイ

提督「手を…出してほしいの?というかその触手みたいなの動かせるんだ…」

提督「これでいいのかな…?」

スッ

ヲ級「……………」シュルシュル ギュ

提督「お、おお…?」

ヲ級「……………」スリ

提督「……?えと、これは何を表してるんだろう…?」

木曾「ご飯作ってくれたのに感謝してるんじゃないか?」

鳳翔「こんなコミュニケーションの方法があるのですね…」

提督「なるほど……なら」ギュ

ヲ級「…………!」

提督「こちらこそ、どういたしまして」ニコ

ヲ級「……………」ギュ ギュッ

提督「あはは、そういう時はありがとうって言うんだよ」

ヲ級「アリガトウ……テイトク…」

提督「ん、私のこと?」

ヲ級「テイトク……ソウヨンデタ……」

提督「…うん、私は提督。君はヲ級ちゃんでいい?のかな?」

ヲ級「……………」コクコク

提督「ふふ、ならこれからよろしくね、ヲ級ちゃん」

ヲ級「………ヨロシクネ……?」

提督「あ、よろしくっていうのはね…」

木曾「……………」

鳳翔「……………」

木曾「……あの分だと、心配はいらなさそうだな」

鳳翔「はい…私たちのことも少なからず好意的に思ってくれているみたいです」

木曾「ここからどうなっていくのか…楽しみだな」

鳳翔「ええ…ちゃんと、見守ってあげましょう」

前回書けなかった部分の回想でした
次からいつも通りだらだらと書いていきます

龍田「ねえ、提督?」

提督「ん、なに?」

龍田「前々から気になっていたんだけど…」

提督「うん」

龍田「天龍ちゃんって、入渠ドックに入れようとすると暴れるじゃない?」

提督「あー、よく文句言うね」

龍田「あれ、いつもどうやって言い聞かせてるの?」

提督「ん?私が無理やり入れてるよ」

龍田「無理やり!?暴れる天龍ちゃんを押さえつけてるの…?」

提督「うん、そうでもしないと修復できないし…」

龍田「でも、天龍ちゃんを押さえつけるのってすごく大変なんじゃ…」

提督「そうでもないよ」

龍田「え〜…?」

龍田「……そういえば、提督はものすごく強いって天龍ちゃんが言ってたような…」

提督「あんまり自分のことを強いとか思ってはいないんだけど…まあ、仮にも私は軍人だからね」

龍田「強くないと軍人にはなれないの?」

提督「もちろん。元々軍人志望だったわけじゃなかったんだけど、小さい頃からおじいちゃんに剣術も柔術も一通り教えられたからこの仕事が向いてるかなって思って」

龍田「でも、提督が戦うことなんてないじゃない?」

提督「あはは、それなんだよね…何のための試験だったのやら…」

龍田「剣術…もしかして、この薙刀も使えたりする〜?」

提督「うん、できるよ」

龍田「やってみて?」スッ

提督「よーし…」

ギュンッ

ヒュッ ヒュンヒュン
ブオッ

提督「………ふぅ」

龍田「おお〜」パチパチ

提督「どうだった?」

龍田「と〜っても綺麗よ、弱い敵なら一瞬で首を刈れるわ〜」ニコニコ

提督「そ、そっか…ありがと」スッ

龍田「もういいの?」

提督「うん、あんまり振り回すと危ないからね」

龍田「それもそうね〜、うふふ」

龍田「あ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」

提督「うん?」

龍田「天龍ちゃんとは、どこまで行ったのかしら〜?」

提督「ぶっっ」

龍田「うふふ、その反応はビンゴね?」

提督「い、いや…うん、まあ…」

龍田「で?どこまで?」

提督「………あ、あの…Bまで……です……」

龍田「へぇ〜」ニコニコ

提督(すごい威圧感…!!)

龍田「そっかそっか、天龍ちゃんとはそこまで行ったのね〜」

提督(この笑顔が恐ろしい…)

龍田「…で?私とはどこまで行ってくれるのかしら?」

提督「え?」

龍田「天龍ちゃんだけ抜け駆けなんて、ずるいでしょう?」

提督「え?あ、え…?ああ、うん、そうだね…?」

龍田「私だって提督のことは好きなんだから…ね?」

提督「面と向かってそう言われると照れるなぁ…///」

龍田「…お返事は?」

提督「…天龍と同じところまでね」

龍田「……!うふふ…嬉しいわ〜…///」

提督(また加賀に謝らなきゃなぁ…でも、この笑顔が見られるなら…まあ、いいか…)

短いのおわり
提督が女だと龍田はガチレズになる風潮

時間は経過して………

飛龍「夏ッッ」

蒼龍「夏ー!!提督、夏だよ!!夏!!」

提督「……………」

加賀「……………」

蒼龍「提督?」

提督「………ああ、うん…そうだね…」

蒼龍「もう、提督!どうしてそんなにテンション低いの!?」

提督「逆に聞くけど、なんでそんなにテンション高いの…?」

蒼龍「だって、夏だよ夏!!生きてるって実感が湧くじゃない!?」

提督「そうかな……」

飛龍「蒼龍、前は夏に沈んじゃったから……」

提督「ああ…そういうこと……」

ガチャ

大淀「提督、失礼しま……なんですか、これ…」

提督「家具の有効活用…」

大淀「は、はぁ……だからと言って執務室にそのままビニールプールを置くのはどうかと思いますが…」

提督「だって、足だけでも冷やさないと暑さで死にそうだもん…」

加賀「そうね……」グデー

大淀「冷房を点ければいいのでは…」

提督「鳳翔さんが節電してくださいって…」

大淀「そ、そうですか…」

提督「……暑い……」グデー

加賀「そうね……」グデー

大淀(大丈夫でしょうか、この人たち…)

提督「……それで、何か用?」

大淀「え?ああ…こほん、提督宛に書類が届いています」サッ

提督「ああ、どうも……どれどれ…」

ピラッ

提督「………ふむふむ……」

蒼龍「なになに、何の書類?」パタパタ

飛龍「見せて見せて!」

提督「ん…いつものあれだよ」スッ

飛龍「いつものあれ?」

蒼龍「いつものあれ……ああ、あれって!」

大淀「はい、そうです」



「特別海域攻略!」

ドッドッドッドッ……

時雨「それじゃ提督、行ってくるね」

夕立「夕立、頑張るっぽい!」フンス

提督「うん、信じてるよ!」

天龍「うっしゃあ!!オレについて来い!!」

夕立「はーい!」

ザザザザ

提督「気を付けてねー!」

加賀「……この程度なら私たちが出るまでもないわね」

蒼龍「でも、さっきまでやる気なんてまるでなさそうだったのにどうしていきなり出撃命令を出したの?」

飛龍「蒼龍、新しく出会える艦娘の写真見た?」

蒼龍「え?まあ、一応…」

飛龍「その中にリベッチオって子がいたでしょ?」

蒼龍「ああ、いたね」

飛龍「それを見た途端目の色変えちゃって…」

〜〜〜

提督「特別海域ねえ……資材の消費も激しいしみんなの負担もすごいからやりたくないんだけど…」ペラッ

大淀「ですが、新しく戦力になってくれる子もいますよ?」

提督「それはわかってる……けど……」ペラッ

提督「…………!!」

大淀「どうかしましたか?」

提督「行こう」

大淀「え?」

提督「特別海域!行こう!!」

〜〜〜

飛龍「ということがあったの」

蒼龍「ああ、なるほど…」

飛龍「提督がロリコンなのは言うまでもないよね」

蒼龍「うん、みんな知ってる」

提督「二人とも何か言った?」

飛龍「いや、なんでも!」

蒼龍「ねー!」

提督「ふーん…そっか」

加賀「そんなことより早く戻りましょう、暑くて仕方がないわ」

提督「そうだね、プールに足浸けよう」

飛龍「涼みたいなら脱げばいいのにね」

蒼龍「脱ぐ?シャイ魔王の提督が?」

飛龍「…それもそうか」

提督「何か言った?」

飛龍「んーん、なんでも!」

〜〜〜

提督「時雨達、上手くやってるかなー」パチャパチャ

加賀「あの子達ならきっと大丈夫よ」

提督「そうだよね、まだE-1だし…」

ダダダダ

バンッ

夕立「てーーーとくさーーーーーん!!」ピョーン

提督「うわっ!?」

ドサッ

夕立「えへへへ、提督さん、ただいま!」ギュゥゥ

提督「おかえり…って、もう終わったの?」

夕立「うん!夕立、頑張ったっぽい!」

提督「そうなんだ、よくやってくれたね」ワシャワシャ

夕立「きゃ〜♪」パタパタ

時雨「ただいま、提督」

提督「あ、時雨もおかえり」

時雨「…その様子だと、また夕立が褒めてってごねたのかな?」

提督「ふふ、まあそんなところ」

時雨「本当は北上さんの雷撃が上手く当たったからすぐに終わったんだけどね…」

提督「そっか、ならあとで北上も褒めてあげないとね」

時雨「うん。はい、報告書」スッ

提督「ありがと…時雨、もう少しこっちに来て?」

時雨「? こう?」

ナデ

時雨「!」

提督「時雨も、よく頑張ってくれたね」ナデナデ

時雨「……提督は優しいね……///」

提督「…はい、今はここまで。二人とも中破してるみたいだし、修復に入ってゆっくりしておいで」

時雨「うん、そうさせてもらうね。ほら、夕立も行くよ」

夕立「ん〜、もうちょっと…」

提督「あとでいっぱいかまってあげるから、ね?」

夕立「むぅ…提督さんがそう言うなら仕方ないっぽい!じゃ、またあとでね!」パタパタ

時雨「それじゃ、失礼するよ」

提督「うん、しっかり補給してね」

バタン

加賀「……私が見ている前で他の子に手を出すのね」

提督「うっ」ギクッ

ガチャ

天龍「よう、何回も悪いな」

提督「天龍?どうしたの?もしかして天龍も褒めてもらいたいの?」

天龍「そんなんじゃねえよ!ほら、忘れもんだ!」サッ

提督「……?これ、なに?」

天龍「あいつらブッ倒したら落としたぞ」

提督「どう見てもおにぎり……だよね…」

天龍「大本営からの報告書になんか書いてないのか?」

提督「ちょっと待ってね……あ、これかな?」ピラッ

加賀「………戦闘糧食。見た目はただの握り飯だが、その成分は激しい強壮効果を有しており艦娘の戦意を高揚させる」

提督「へー、そんなにすごいものなんだ……」

提督「あと、それは?」

加賀「これも報告書があるわ」

提督「読んでみて?」

加賀「補強増設。艤装の接合部を増設し装備の拡張を行える…」

天龍「増設っつっても、この大きさじゃせいぜいダメコンとかこの戦闘糧食しか積めないんじゃねえのか?」

加賀「そうね、艦載機をより多く積めるわけでもないから今はまだ使う機会ではないみたい」

提督「それにしてもこのおにぎり、艦娘への激しい強壮効果って書いてあったけど…私が食べたらどうなるんだろう?」

天龍「そりゃあ……あ、アレが止まらなくなるんだろ…」

提督「アレ?」

加賀「…止まらなくなるでしょうね」

天龍「一晩中……だろうな……」

加賀「ええ……」

提督「え?え?」

翌日

ドッドッドッドッ……

提督「さて、みんな準備はいい?」

隼鷹「おー、いつでもいいよ」

龍驤「もっちろん!」

飛鷹「しかし、なんでまた私たちを機動部隊に?」

提督「あー……今回の作戦、かなり長いみたいでね…深部に行くまでに少しでも資材を温存しておきたいんだ」

隼鷹「それで正規空母に比べて消費の少ないあたし達を選んだわけねぇ」

提督「うん、そういうこと。正規空母なしでも上手くやれそう?」

飛鷹「当たり前よ!すぐにやっつけちゃうんだから!」

提督「よーし、じゃあ連合艦隊出撃開始!」

金剛「イエース!フォローミー!」バッ

龍驤「って、旗艦はうちやろ!!なんで戦闘におるんや!こらー!!」ザザザ

加古「ふぁ〜ぁ…ねみー…」ザザ

古鷹(大丈夫かな、これ…)ザザザ

『ひゃっはー!!ガンガン行くよー!!』

提督「隼鷹、あまり気張りすぎると危ないよ」

『分かってる分かってる、これでもちゃんと敵は見えてるからねぇ!』

『隼鷹、最後の一隻よ!』

『任せて!』

提督「……この分だと道中は心配ないかな」

大淀「それにしても珍しいですね、提督が直接指揮を執られるなんて」

提督「今回の特別海域はかなり厳しいって報告が挙がってるからね、さすがにちゃんとした指揮じゃないと危険そうだし」

大淀「はい、皆さんも提督の指揮を頼りにしていますよ」

提督「うん、頑張るね」

『あ、いた!軽巡棲鬼!』

提督「! それがこの作戦のターゲットだよ、注意して!」

『了解!砲雷撃戦、用意!』

軽巡棲鬼「ニドトフジョウデキナイ……シンカイヘ……シズメッ!」

金剛「それはこっちの台詞ネー!Fire!!」ドドンッ

ボゴォッ

軽巡棲鬼「グウッ…!?」

飛鷹「チャンスよ!続いて!」ビュン

龍驤「よっし、一気に決めるでぇ!」ビュン

隼鷹「いっけぇー!!」ビュン

軽巡棲鬼「チョッ……」

ドドドオォン

軽巡棲鬼「ク……コノ……」

隼鷹「へへっ、こっちこっち!」ザザザ

軽巡棲鬼「オノレ…!」ザザッ

『……ヒトキューマルマル!隼鷹、もういいよ!』

隼鷹「オッケー!時雨、決めちゃって!」

「了解」

軽巡棲鬼「ナニッ……!?」バッ

時雨「残念だったね」ガシャン



ドォン!!

〜〜〜

隼鷹「はーつっかれたぁ…」

提督「お疲れ様…ごめんね、ずっと陽動に走らせて」

隼鷹「いーよいーよ、あたしらが昼のうちに倒せなかったのが悪いんだから」

提督「お詫びとして入渠ドックに熱燗があるから、それ飲んでね」

隼鷹「マジ!?やーりぃ!!」ダッ

飛鷹「こら、隼鷹!報告書!」

「あー悪い!飛鷹、渡しといて!」

飛鷹「もう…ごめんなさい、報告は私からするわね」

提督「あとでいいよ、作戦は成功だったんでしょ?ほら、飛鷹も小破してるんだから早く入渠しておいで」グイグイ

飛鷹「ちょっ………分かった、分かったから押さないで」

提督「行く?」

飛鷹「はいはい…またあとで来るわ」

提督「うん、飛鷹もお疲れ様」

飛鷹「ええ」

バタン

提督「ふぅ……順調、かな…」ギシッ

コンコン

「提督、時雨だよ」

提督「ん、入っていいよ」

時雨「失礼するね」

提督「おかえり、時雨……そして、初めまして、江風!」

江風「おっ、ちゃんと名前覚えてくれてンだな!じゃあ改めて自己紹介するぞ!」

提督「白露型九番艦、改白露型駆逐艦の江風…だね」

江風「ありゃ、もう知られてるのか。まあいいや、名前はかわかぜだからな!間違えンなよ!」

提督「うん、よろしくね」

江風「おう、よろしくな!」

提督「時雨、部屋の案内頼める?」

時雨「うん、任せて。江風、こっちだよ」

提督「また明日改めてこの鎮守府を案内するから、今日はご飯食べて、お風呂入って、ゆっくり休んでね」

江風「わかった、ありがとな!それじゃ!」

バタン

江風「それにしても、あの人が江風らの提督かぁ」

時雨「第一印象はどう?」

江風「んー、ちょっと頼りなさそうな感じだけど…姉貴たちの信頼っぷりを見てると結構すごい人なンだってのは分かるよ」

時雨「そっか、好印象でよかったよ」

江風「あんな優しそうな人嫌う方が珍しいンじゃねえの?」

時雨「…そう言われてみれば、提督はここの人みんなに好かれてるね」

江風「え、マジ?ここ、全員で百人ぐらいいるぞ?」

時雨「その全員が提督を好いてるんだよ」

江風「…マジかよ…どんな人間なんだ……」

時雨「まあ、一緒にいれば分かるんじゃないかな…」

翌日

コンコン

提督「時雨ー、いるー?」

「提督?ちょっと待ってね」

パタパタ

ガチャ

時雨「どうかしたの?」

提督「次の作戦のことなんだけど…」

時雨「……?相談か何かかい?」

提督「え?いや、指示の話」

時雨「指示?僕に出してもしょうがないと思うんだけど…」

提督「えっ、どうして?」

時雨「いや、次の作戦、僕たちは参加できないし…」

提督「………えっ!?」

提督「な、なんで?もしかして怒ってる…?」

時雨「ち、違うよ!ただ…ほら」

提督「……?これ…」

時雨「お札だよ。今回の攻略海域はお札が付いてる艦娘は出撃できないって報告書に書いてあったけど」

提督「…………あっ」

時雨「……忘れてたの?」

提督「ハイ……」

時雨「もう……提督なんだからしっかりしないと」

提督「ご、ごめん…」

提督「ごめんね、休んでるのに邪魔しちゃって」

時雨「いいよ、気にしないで。何か困ったことがあったら相談してよ」

提督「うん、そうさせてもらうね。それじゃ」

バタン

提督「そうか、札が付くんだったか…まずい、色々と計画が狂った…」

提督「………とりあえずご飯食べよう…」

提督「…………」

加賀「……どうかしたの?箸が止まっているけれど」

提督「うーん……今回の海域、一度出撃した子には札が付いて出撃できなくなるんだよね」

加賀「前にもあったわね」

提督「そう、それで編成をどうしようかなーって…」

加賀「…難しいものね」

提督「うん……一度決めたら他の子と入れ替えるわけにもいかないし……」

加賀「攻略、できそう?」

提督「………どうだろう。たぶん、かなり厳しくなるかな…」

〜〜〜

提督「……とは言ったものの」

加賀「南太平洋海域は難なく制圧したわね」

提督「うん…結構厳しくなると思ったんだけど、ただの思い過ごしかなあ」

加賀「きっとそうよ、私たちならやれるでしょう?」

提督「…そうだね。じゃあ次の海域は……」ピラッ

加賀「どこ?」

提督「………遠っ!?」

加賀「これは……最深部到達までかなり時間がかかりそうね…」

提督「うん、夜戦は避けて通れないかも…」

加賀「…なら空母の出番はないみたいね」

提督「ごめんね、ずっとお留守番で…」

加賀「いいわ、今は目先のことを考えるべきよ」

提督「うん…」

〜〜〜

提督「………というわけで、この海域は基本的に夜戦強い組で挑みます」

川内「うおっしゃああああああああああああ!!!夜戦じゃあああああああああああ!!!!!」

ヒュドッ

川内「う゛っ」

ドサッ

神通「すみません提督、姉さんが騒がしくて…」

提督「う、うん…慣れたものだから…」

木曾「六人で行くのか?」

提督「うん、今回は通常通りの編成で」

霧島「戦艦2、軽巡2、雷巡1に駆逐が1ですね」

榛名「あの、榛名達が選ばれた理由は…」

提督「ターゲットが飛行場姫だから、三式弾を積める戦艦が有効なの。それと秋月、防空をお願い」

秋月「はい、頑張ります!」

榛名「なるほど…火力の底上げですね」

霧島「………ん?ちょっと待ってください、ターゲットは飛行場姫と言いました?」

提督「え?うん、言ったよ」

霧島「飛行場姫って、陸上型深海棲艦だから雷巡は無意味なのでは…?」

提督「…………」

木曾「…………」

提督「………あっ」

木曾「おいっ」

提督「ごめん!木曾、ほんとごめん!」

木曾「いや…いいさ、札が付く前に気付けてよかった」

霧島「しかし、空いた枠はどうするのですか?」

提督「そうだね、そこが迷うね……うーん……」

榛名「戦艦だけだと露払いは厳しいのでは…夜戦になっても狙いが逸れることもありますし」

提督「確かに…相手の装甲も硬いだろうしね…」

神通「かと言って私たちの火力ではブチ抜けませんし……」

提督「だからって空母を入れると夜戦の時に置物になるしなぁ……」

川内「置物になっても私たちが守れば済む話でしょ?」

提督「………それしかないかぁ…」

提督「……というわけで蒼龍、よろしくね」

蒼龍「う、うん……でも、本当に大丈夫なの?」

提督「大丈夫だよ、蒼龍はみんなを信じられないの?」

蒼龍「………ううん、信じる」

提督「よし、ならいける!川内、よろしくね」

川内「りょーかい!それじゃあみんな、ついて来て!」ザザザッ

提督「頑張ってねー!」ブンブン

道中

蒼龍「あ、え……?みんな、どこ…?」

スッ

榛名「静かに……敵の探照灯に照らされると危険です」ボソ

蒼龍「っ……」コクコク

ザッ

霧島「もし見つかっても、私たちが守りますから…今はあの子達に任せましょう」

蒼龍「う、うん……」

ドォン!!

蒼龍「! 今の音…」

霧島「大丈夫、上手くやってくれています」

トプンッ…

リ級「…………?」

ガカカッ

リ級「ガ……」

ブクブク…

川内「まずは一隻…」

スゥ…

神通(すごい……姉さん、音も立てずに仕留めてる……)

神通(あ…もう、闇に溶けて…どこにいるのか分からなくなった……)

神通「………私も、負けられない…」ガシャン

ドゴォッ

蒼龍「また音が……」

シーン…

榛名「………?静まった…」

ザザッ

神通「ふぅ……終わりました」

霧島「よかった、無事だったのね…」

神通「はい…ところで姉さんは…?」

川内「ん、呼んだ?」ヒョコ

蒼龍「きゃあ!?いつの間に後ろに…」

川内「ごめんごめん、まだ残りがいると思って気配消しちゃった」

蒼龍「もう……ってあれ、一人足りなくない?」

神通「秋月ちゃんがいない……ライトを点けてみれば目印になるでしょうか」

カチッ

秋月「……あ、いた!」

川内「おっ、こっちこっちー!」ブンブン

秋月「すみません、なんとかお二人の影を追ってはいたんですが…敵を発見したと思ったらすでに残骸ばかりで、見失ってしまって…」

神通「姉さん、やりすぎなのでは…」

川内「えー、神通だってすごい動いてたじゃん」

蒼龍「私には何も見えなかったんだけど…」

榛名「それが普通です、ましてや空母なのに…夜戦慣れしていてもあの動きを捉えるのは無理がありますから」

川内「ねー、そろそろ行こうよー」

霧島「そうね、増援が来ると厄介だし…それじゃ引き続きよろしくね」

川内「任せて!」

秋月「…………」

秋月「…………」

秋月(私は……私には、見えていた…)

秋月(暗闇の中で光る、赤い眼…あれは深海棲艦なんかのものじゃない…)

秋月(もっと活き活きとしていて、強くて…無慈悲なもの)

秋月(それに睨まれた瞬間、私は…恐怖で動けなかった…)

秋月(殺される。本気でそう思った…すぐに私を敵じゃないと認識して、殺意が消えても…私はその場から動くことさえ……)

秋月(あれが、本当の川内さんの……)

秋月「……………」

川内「秋月ー?はぐれたら会えなくなるよー?」

秋月「あ……は、はいっ!」

秋月(私も………もっと、強くならなきゃ……)

秋月「……もう陽が昇り始めましたね」

霧島「そろそろ目的地ね…みんな、気を引き締めて行きましょう」

川内「さすがに一晩明かすと眠いな…」

神通「姉さんは夜に張り切りすぎです…」

川内「まあ大丈夫でしょ、ここまでほとんど被害はないし」

蒼龍「うん、私もまだ艦載機は飛ばせる」

榛名「準備は万端、ですね…」

ブゥン

秋月「……!敵艦載機、来ます!」

飛行場姫「ウフフッ……キタ…ノネ……?」

川内「秋月、空は任せた!」ザッ

秋月「はいっ!」

ボン ボボンッ

秋月「くっ……」

ビュン

秋月(まずい、撃ち漏らしが……!)

ボンッ

蒼龍「私だってやるんだから!」

秋月「蒼龍さん…!」

川内「えっ!?ちょまっ、蒼龍さんがそっち行ったら…!」

ル級「」ガシャン

榛名「あっ」

ドゴォッ

蒼龍「いたたた…」

提督「蒼龍、大丈夫?」

蒼龍「うん、なんとか平気……でもごめんなさい、私の不注意で作戦が…」

霧島「私も、もっと早く敵戦艦を撃沈させていればこんなことには…」

提督「いいよいいよ、そんなこと気にしなくていいから。それよりみんな、損傷もあるし早く修復に入ってきて」

川内「やー、さすがにあれだけ数が残ってるとね…狙いが絞れないや…」

蒼龍「うー…私があの時中破せずにちゃんと他の敵艦を沈めてたらよかったんだ…」

神通「そんなに自分を責めないでください、まだチャンスはありますから」

蒼龍「うん…」

ゾロゾロ

バタン

提督「……やっぱり一筋縄じゃいかないか…」

ガチャ

提督「んー……」カリカリ

加賀「……忙しそうね」

提督「うん……」カリカリ

加賀「少し休んだら?」

提督「うん……」カリカリ

加賀「…………」

提督「…………」カリカリ

加賀「…お茶でも淹れて来ましょうか?」

提督「うん……」カリカリ

加賀「……………」

提督「……………」カリカリ

加賀「……………」スッ

チュッ

提督「ひゃっ!?」ビクン

加賀「あまり根を詰め過ぎないようにね」スタスタ

提督「え?え、あ…え…?」

ガチャ

バタン

提督「………な、なんだったの…?」サスサス

提督「……根を詰め過ぎないで、か…」

翌日

川内「よっし、リベンジだー!!」

神通「今日こそは必ず…!」

提督「頑張ってね、応援してるよ」

蒼龍「昨日の借りを返してやるんだから!」フンス

提督「気合い十分だね…これならやれそう?」

蒼龍「もっちろん!!」

提督「よし、なら行ってらっしゃい」

蒼龍「はーい!」

川内「行くよー!」

蒼龍「ふふ〜ん♪もう夜も慣れてきたな〜」

霧島「ちょ、だからと言ってあまり動きすぎると…」

蒼龍「大丈夫大丈夫!これくらいじゃバレな

ガシャン

ドゴォッ

蒼龍「っっぶ」

榛名「あっ」

蒼龍「…………」プスプス

提督「…………」

蒼龍「……あ、あの……」

提督「うん」

蒼龍「ご、ごめんなさい…慢心してました……」

提督「うん」

蒼龍「次は必ず成功させるので…」

提督「いいよ、別に怒ってるわけじゃないから。でも慢心したら死ぬよ?」

蒼龍「痛感しました…」

提督「今度からは気を付けてね?それじゃ修復に入ってきて」

蒼龍「はい……」

バタン

ギシッ

提督「はぁ………」

提督(まずいなぁ…こんなところで足止めされてるなんて……)

提督(時間も資材もまだまだたくさんあるけど、ここから先でどれだけ消費するかも分からない…)

提督(下手したら全海域制圧もできないかも……)

提督「…………」

キィ…

提督「…………?」

ヲ級「…………」ジー

提督「…ヲ級ちゃん?入っていいよ?」

ヲ級「…………」パタン

提督「どうかしたの?お腹でも空いた?」

ヲ級「……悩ミ事カ?」

提督「え?」

ヲ級「イツモミタイナ顔ジャナイ……トテモ、迷ッテル……」

提督「あ、ああ…今ちょっと、色々とやらなきゃいけないことがあってね…」

ヲ級「…………」シュルシュル

ギュ

提督「う、ん……?」

ヲ級「…ユックリデイイ」

提督「え?」

ヲ級「焦ッテモ、イイ結果ニハナラナイ……ッテ、テイトクガ言ッテタ…」

提督「………そういえば、そんなことも言ったっけ……」

提督「…そうだ、焦らなくてもいいんだよね。ゆっくり行けばいいんだ」

ヲ級「……テイトク、イツモノ顔ニナッタ」

提督「そう?ヲ級ちゃんのおかげかな」

ヲ級「ソノ顔……優シクテ、好キ……」ギュム

提督「う、うん……その触手を巻きつけてくるのは愛情表現だって最近気付いたけどさ、これされてると仕事ができないから離してもらっていい?」

ヲ級「コウシテルト、安心スル…?」

提督「するけど、今はいいかな」

ヲ級「ソウカ…」シュン

提督「あー………これが片付いたら一緒に遊んであげるから、そこで待ってて?」

ヲ級「……分カッタ」パァッ

提督(可愛いなこの子…)

これで出来てますかね

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おお、そういうことでしたか
レス付けてきます

翌日

提督「……………」ペラッ

コンコン

「提督、いるー?」

提督「川内?うん、いるよー」

ガチャ

川内「おじゃまー」

提督「どうかしたの?」

川内「いや、今日も作戦あるんだよね?」

提督「うん、あるよ」

川内「もうお昼前になるけど、行かなくていいの?」

提督「ああ、今日は夕方から」

川内「夕方?なんで?」

提督「ちょっと時間を遅らせようかなって」

川内「遅らせる…?」

提督「うん、前までの時間だったら昼ぐらいにターゲットに到達してたでしょ?」

川内「んー…そうだね」

提督「だから、夕方に出たら目的地に着く頃には夕方になってるから、すぐ夜戦に入れるってこと。これなら敵艦載機も無力化できるでしょ?」

川内「なるほど……こっちの空母が先手を取れば済む話だし、狙いも絞れるね」

提督「だから、今度こそ蒼龍には頑張ってもらわないとね」

川内「いい作戦……だけど、いいの?」

提督「何が?」

川内「勝手にこんなことしたら大本営に怒られない?」

提督「それくらい大丈夫だよ、道中で座礁して時間食ったとか言えばごまかせるし」

川内「…意外と狡い手使うね」

提督「楽な方がいいでしょ?」

川内「まあ、そりゃそうだけど」

提督「それに、もし川内たちが怒られても私が全面的に責任を負うから。心配はいらないよ」

川内「むう…それだと提督に悪いんだけど」

提督「ふふっ、なら揉み消しちゃう?」

川内「え?」

提督「私もそれなりに偉い立場だからね。ちょちょいっと顔を利かせればこの程度どうにでもなるよ…くくく」

川内「…………」

提督「……冗談だよ冗談。交戦記録なんて映像があるわけじゃないんだから、バレやしないって」

川内(割と汚いところがあるなこの人)

提督「それじゃ、また夕方に招集かけるからその時までに準備は済ませておいてね」

川内「はーい」

バタン

カチッ

提督「………ヒトハチマルマル。準備はいい?」

川内「もちろん!」

神通「ええ、いつでも」

秋月「私もやれます!」

蒼龍「みんな、気合い入ってるね…」

提督「蒼龍も頑張らなきゃダメだよ、向こうに着いたら夜が来る前に随伴艦を潰さなきゃいけないからね」

蒼龍「………うん、わかった。やってみせる!」

提督「よーし、いい意気込み!それじゃ川内、任せたよ!」

川内「了解!みんな、行くよー!」

「「「おー!!」」」

道中

蒼龍「………入道雲、綺麗…」ポー

榛名「あまりぼーっとしていると危ないですよ?」

川内「そうそう、昨日までと違って昼だから普通に敵襲はあるからね」

蒼龍「うん、ちゃんと警戒はしてる」

霧島「しかし、アレね……」

秋月「はい…暑いですね…」

神通「帰ったら、アイスでも食べたいですね」

川内「ふふん、きっと提督がご馳走してくれるよ」

霧島「そうね、そのためにも必ず成功させましょう」

榛名「はいっ!」

霧島「……現在時刻、ヒトキューマルマル。そろそろね」

秋月「どうします?」

蒼龍「陽が沈むまでに、全力で私が攻撃するから。夜になって、飛行場姫が無力化したら叩いてもらえる?」

霧島「隙も与えずに潰す、というわけね」

蒼龍「うん、奇襲に近いかな」

秋月「それなら敵艦載機も楽に捌けますね。みなさんは自分の役割に従事してください、空は私が守ります」

川内「頼りになるねえ」

神通「では、作戦の合図を」

川内「んー…当てなくてもいいから、榛名さんが主砲を撃って注意を引き付けて、蒼龍さんが爆撃するって感じで」

榛名「了解、それでは行きますよ?」ガシャン

川内「うん」

榛名「3、2、1…」

霧島「撃てっ!!」

ドォン!!

飛行場姫「………!」

ドゴォッ

へ級「ギッ……!?」

蒼龍「今よ!全艦載機、発進!」

ロ級「…………!!」ガシャン

蒼龍「! まずい、撃ち落とされ…」

ドォン!!

ロ級「ガ…グ……」

霧島「こっちを見なさい!この腐れ共!!」ドンドン

ル級「………!」ガシャン

蒼龍「霧島ちゃん…!」

榛名(霧島、怖っ…)

飛行場姫「行ケ……!」ブゥン

ドドド ボボンッ

飛行場姫「………!?」

秋月「ここから先は一機も通しません!」

飛行場姫「クッ……アイツヲ狙イナサイ…!」ビッ

ル級「…………」ガシャン

秋月「! まずっ……」

ドオッ

川内「秋月!?」

秋月「げほっ……大丈夫、損傷は軽いです!」

ドドドドドンッドンッ

ル級「グッ……!?」メシャッ

霧島「こっちを見ろって言ってんだよオ!!さもなくば死ね!!今すぐ死ねっ!!骨まで砕けろォ!!!」ドン ドォン

ル級「ウ………ゴ…」ブクブク

榛名(妹が怖い…)

ボンッ

飛行場姫「キャアッ!?」

蒼龍「いけるいける!もう随伴艦は全滅させたもんねー!」

飛行場姫「ウ、ク…」

霧島「オラァ!!」

ガスッ

飛行場姫「ッ!?」バシャア

榛名「え…き、霧島、なぜ今素手で…?」

霧島「ムカついてたので」

榛名「えぇ…」

蒼龍「川内ちゃん、あとは任せたよ!」

川内「りょーかい!待ちに待った夜戦だー!!」ザザザ ギュンッ

飛行場姫「………!」バッ

バッ

飛行場姫「……!?消エ……」

「夜の海って怖いよねえ、敵どころか自分の足元すら見えないんだもん」

飛行場姫「ッ!」サッ

「仲間にすら存在を知られずに、ただ敵の息の根を止める…でもその感覚が癖になるんだよね」

トプンッ…

飛行場姫「…後ロカ…!」

「無駄無駄、艦載機を飛ばしてるようなヤツじゃ夜の私には勝てないよ」

飛行場姫「違ウ………ッ!?」

バシャッ

「夜は、私だけの時間だから」

飛行場姫「上、カッ……!」

ザンッ

蒼龍「………音がしなくなった……」

榛名「うまくやれたのでしょうか…?」

「おーーい!終わったよー!」

神通「姉さんの声ですね。ライトを点けましょう」

カチッ

川内「うおっ、まぶし」

秋月「ふぎゃあ!??」ビクッ

蒼龍「ひぃい!?な、なんでそんなに血塗れになってるの!?」

霧島「もしかして、怪我でもしたんじゃ…」

川内「え?あー、これ?これね、上から首刈ったらすっごい血が出てさ」

榛名「く、首を…?」

川内「たぶんまだ向こうに浮かんでるよ。見る?」

神通「け、結構です!」

蒼龍「というか、首を刈ったって…どうやったの?」

川内「これ。提督にもらったくない」

神通「いつの間にこんなものを…」

川内「他にも……ほら、手裏剣とか、短刀とか…」ゴソゴソ

霧島「連装砲や魚雷は…?」

川内「音が鳴るからナンセンス。って提督に抗議したらくれた」

神通「姉さんが夜戦で音を立てずに仕留めていたのはこれのおかげだったんですね…」

榛名「しかし、なぜ提督はこんなものを持っているのでしょうか…」

川内「さあ…?なんか、渡される時に『ジョナサンみたいでカッコいい』とは言われたけど」

秋月「は、はぁ…」

川内「まあそんなことより、さっさと帰って提督に報告しようよ。血も洗い流したいし」

榛名「そうですね、ちょっと臭いますし」

川内「うぇ、ほんと?帰り私後ろの方がいい?」

蒼龍「正直…」

神通「あの、報告は私たちが済ませておきますので…姉さんは先にお風呂へ…」

川内「……勝ったのにすごく居た堪れない気持ちなんだけど」

執務室

ガチャ

蒼龍「ただいま帰投しましたー」

提督「おっかえりー!!」ガバッ

蒼龍「わっ、ちょ!?」

ギュ

提督「作戦、上手くいったみたいだね!お疲れ様!」ギュー

蒼龍「わかったわかった、嬉しいけど苦しいってばぁ!」

霧島「司令、そのあたりで勘弁してあげては…」

提督「あ、霧島もお疲れ様!よく頑張ったね!」 ギュー

霧島「……もう……///」

榛名「てっ、提督!榛名も頑張りました!」

提督「榛名〜!榛名も偉いよぉ〜!」ギュー

榛名「は、はいっ…ありがとうございます…///」

秋月「司令!秋月、やりました!」ソワソワ

提督「秋月、よく一人で空を守ってくれたね!助かったよ!」ギュウ ナデナデ

秋月「えへへ……司令…///」テレテレ

川内「おおっと提督!夜戦で大活躍だった私を忘れてもらっちゃ困るね!」

提督「おっ、川内!川内は頑張っ………」

川内「…………」ベトー

提督「…………」

神通「姉さん!先にお風呂に入ってきてくださいと言ったじゃないですか!」グイグイ

川内「くそぉー!!」

バタン

蒼龍「あはは…こ、これ、今回の報告書ね…」

提督「あ、ああ…うん…」

「あ、あのー……」

提督「ん?えっと、君は………あっ!そうだ、君が速吸ちゃん!だよね?」

速吸「あ、はい!そうです、給油艦の速吸と申します!みなさんのサポート、頑張りますね!」

提督「これからよろしくね、速吸ちゃん!それにしても、なんですぐ入って来なかったの?」

速吸「えっと、提督さんがみなさんと楽しそうにされてたので…入るタイミングを見失ったというか…」

提督「ああ…ごめんね、ここはいつもこんな感じだから…」

速吸「あ、いえ!そんな、嫌だなんて思ってはいません。むしろ、暖かくていい雰囲気だなと…」

提督「そう?ふふっ、ありがとうね」

速吸「それに…その、提督さんも優しそうな方なので…少し、安心しました」

提督「あはは、緊張しなくていいよ、ここの人はみんな優しいから」ギュ

速吸「は、はい!よろしくお願いします!」

蒼龍(相変わらず打ち解けるのが早い…)

霧島(落ちるのも時間の問題ね…)

速吸「あ、そうだ!ここに来たのは私だけじゃないんです!」

提督「へ?」

速吸「海風ちゃん、入ってきて!」

ガチャ

海風「失礼、します…」

提督「えっと、君は…」

海風「白露型駆逐艦七番艦、そして改白露型一番艦でもある、海風です」

提督「改白露型…ということは、江風のお姉さんになるんだ」

海風「はい、そういうことです。江風もここに来ていたのですね」

提督「うん、ちょっと前にね」

海風「妹が…江風が、何かご迷惑をかけたりしてはいませんか?少し心配で…」

提督「大丈夫だよ、いい子にしてる」

海風「そうですか、ならよかった…では改めて、これからよろしくお願いします」ペコリ

提督「うん、よろしくね。それじゃ海風は白露型の部屋で、速吸ちゃんは特殊艦の部屋があるからそこで休んでおいで」

海風「はい、失礼します」

速吸「ありがとうございます、それではまた明日!」

提督「うん、おやすみ」

バタン

提督「よーし……次の海域でリベッチオが…」

翌日

大淀「さて、今回で本作戦は終わりです。みなさん、気を引き締めて行きましょう」

瑞鶴「それは分かってるけど……提督さんは?」

大淀「ええと…やることがあると言って私室に戻りましたが、出撃の時には間に合わせると」

武蔵「それで、指示は?」

大淀「全力でぶっ潰せ、とのことです」

武蔵「分かりやすくていいな」

最上「ボク、すごい場違い感があるんだけど…」

大淀「ルート固定のため、だそうです」

最上「そっか……まあ、やるからには本気出さないとね」

潮「響ちゃん、よろしくね」

響「ああ、よろしく」

木曾「よーし、やっと出番だな」

ドッドッドッドッ……

瑞鶴「それじゃ、私が旗艦ね」

武蔵「ああ、しっかり頼むぜ?」

瑞鶴「もちろん!作戦通り、全力でぶっ潰してやるわ!」

最上「それにしても提督、遅いなー」

潮「どうしましょう、もう作戦開始時間ですが…」

パタパタ…

「お〜い!みんな〜!」

響「あ、司令官の声だ」

木曾「………え?」

提督(チアガール服)「ふぅ…ふぅ…ごめんね、遅れちゃって…」

瑞鶴「提督さん!?どうしたのその服!?」

響(すごい…屈んでるせいで胸元が丸見えだ…)

提督「これ?前に明石が作ってくれたんだけど、なかなか着る機会がなかったから…応援するのにちょうどいいかなって思って」

瑞鶴(天才明石博士)

武蔵(あとで礼を言っておこう)

提督「結構ひらひらしてるし、お腹も見えてるからちょっと恥ずかしいんだけど…ど、どう?似合ってる…?」ピラッ

最上「」ブシュッ

木曾「最高だ」

武蔵「可愛いぞ」

瑞鶴「マジ愛してる」

提督「ほんと?えへへ、よかった…//」

潮(かわいい…)

響(揉みたい…)

木曾(結婚したい…)

武蔵(犯したい…)

瑞鶴(罵ってほしい…)

提督「えーっと…こう…だよね」スッ

木曾「……?」

提督「よーし………」

シャカシャカ

提督「みんな、応援してるよ!私はここにいるから、すぐに帰って来てね!………なんて、どうかな?えへへ」

一同「」プツッ

ザザザザ

戦艦棲姫「………?」クル

武蔵「」ガシャン

瑞鶴「」ブゥン

戦艦棲姫「!?」

ドドドドド

戦艦棲姫「グアッ!?」バシャア

ネ級「……!」ガシャン

最上「」ブゥン

ボゴォッ

ネ級「ギッ…!」ブクブク

ロ級「」オロオロ

響「」ガッ

ロ級「」

響「」ビキッ メキメキ

メシャッ

ガチャ

武蔵「ふぅ」

提督「…え、あれ?もう終わったの?」

木曾「ああ、さすがにやる気が出すぎた」

提督「……?アイスでも食べたの?」

武蔵(無自覚とは罪なものだな…)

瑞鶴「というか提督さん、まだその服だったんだ…」

提督「え?ああうん、せっかくだから今日一日はこのままでいようかなって」

瑞鶴「今の提督さん見てると正直ムラムラしてくる」

提督「えっ」

瑞鶴「冗談よ、アハハハハ」

提督(目どころか顔も笑ってない…)

提督「そうだ!それで、リベッチオは?ちゃんと連れてきてくれた?」

武蔵「もちろん。ほら、入ってきてくれ」

「はーい!」

ガチャ

リベッチオ「ブォンジョルノー!!」

提督「ブォンジョルノー!!」

リベッチオ「Oops!ブォンジョルノー!?」

提督「ブォンジョルノー!!!」

リベッチオ「bravi!ブォンジョルノー!!!」

提督「ブォンジョルノー!!!」

リベッチオ「わーーい!!」ガバッ ギュウー

提督「わー!あははは!あははは!」ギュム クルクル

木曾(なんだこれ…)

リベッチオ「あ!リベはマエストラーレ級駆逐艦、リベッチオだよ!提督さん、よろしくね!」

提督「Sapere.Ero stato fermamente studiare!」

リベッチオ「Impressionante!?Ammiraglio, stai parlando italiano!」

提督「S・, mi ・ stato insegnato a Roma e Littorio」

リベッチオ「Wow! grazie per lavorare duro per Libe! Ammiraglio, mi piace!」ギュッ

提督(生きててよかった……)スウゥ

木曾「……二人とも、なんて言ってるんだ?」

瑞鶴「さあ…」

武蔵「一昨日あたりからローマとリットリオが相棒に何か教えていたが…たぶんイタリア語じゃないか?」

木曾「ああ、なるほど…」

響(ロリコンとしてのレベルが高すぎる…)

リベッチオ「でもね提督さん、リベのことは気にしなくていいよ!ニホンゴでも大丈夫だし、その方がいいの!」

提督「うん?どうして?」

リベッチオ「もっと早くニホンゴに慣れて、色んな人と仲良くなりたいの!もちろん提督さんともね!」ニー

提督(天使だ……)

リベッチオ「提督さん?」

提督「ああうん、リベッチオはいい子だね」ナデナデ

リベッチオ「えへへ、そう?あと、リベでいいよ」

提督「そっかそっか、これからよろしくね、リベ」

リベッチオ「うん、よろしくね!」ギュ

提督「ああ………」ボタボタ

武蔵(鼻血…)

その日は親睦を深めるという名目でリベッチオとお風呂に入って一緒に寝ましたとさ
ちょっとイベント触ってきます

翌日

提督「…………」グデー

加賀「…………」グデー

提督「……暑いね……」

加賀「……そうね……」

提督「…………」グデー

加賀「…………」グデー

飛龍(この暑いの苦手族二人、だらしなさすぎる…)

コンコン

「司令、秋月です!」

提督「んぁ……いいよ、入って…」

ガチャ

秋月「失礼します!」

提督「うん…どうかしたの?」

秋月「その、次の作戦は…」

提督「やらない」

秋月「えっ!?ど、どうしてですか!?」

提督「だって、リベッチオはもう来てくれたし…資材の消費もすごいだろうし、あんまり無理はしたくないというか…」

秋月「で、でもっ、最終海域には照月が…」

提督「あー……確かにそうだけど、出撃に回せる子が少ないからなあ…秋月ももう札ついちゃってるし…」

秋月「そ、そうですか……なら、諦め…まずっ……」グスッ

提督「うわわわ!?ごっ、ごめん!ちゃんと照月も迎え入れるから泣かないで!お願いだから!」

秋月「ほ、ほんとですか…?」ウルウル

提督「ほんとほんと!全海域制覇するからね!」

秋月「ううっ…よがっだぁ…」グシグシ

提督(言ってしまった……!)

〜〜〜

提督「えーということで、一度言ってしまったからにはやらないわけにはいかないので攻略しまーす」

飛龍「やる気なさすぎでしょ…」

提督「いやだって報告書にはここ簡単だって書いてるし?特に目ぼしいものもないしさ、パパッとやっちゃってよ、うん」

雲龍「適当に編成してもいいの?」

提督「空母機動部隊の方がいいらしいよ」

大鳳「そんな無責任な…」

提督「ルート固定に雷巡が一人いるから、空母3戦艦2と北上でいいんじゃない?」

北上「ん、わかったー」

ローマ「なら、戦艦枠は私たちが出るわ」

リットリオ「ええ、やりましょう」

雲龍「水雷戦隊は?旗艦、誰にするの?」

球磨「どうせ暇だし球磨が行くクマ」

飛龍「あとの編成は?」

提督「んー……駆逐3、航巡2で…」

鈴谷「はいはーい!なら鈴谷が出まーす!」

熊野「あら、鈴谷が出るのなら私も行きますわ」

提督「航巡決まり。駆逐は?」

時津風「はーーーい!!あたしいきたーーーーーい!!!!」バタバタ

島風「じゃあ私も行きまーす!!」

卯月「じゃあうーちゃんも行くぴょーーーん!!!」

大鳳「決まりね」

飛龍「少し精神年齢が幼すぎる気がするんだけど…大丈夫なのこれ…」

提督「大丈夫だよ、うん。やっぱり」

飛龍「…………」

道中

飛龍「………適当にやってこいとは言われたものの…」

雲龍「ええ…」

大鳳「結構楽というか……」

時津風「うぉー!?クジラがいるー!!」

島風「どこどこ!?あっち!?」

卯月「こっちこっち!ここにいるぴょん!!」

ザパァン
ブシューッ

三人「「「うおおおおぉーーーっ!!!」」」

球磨「こらーお前たち、あんまり離れると危ないクマー」

飛龍「…………」

雲龍「…………」

大鳳「…………」

北上「………暇だねぇ…」

「「「ねー…」」」

ブゥン

球磨「……ん、敵襲クマ」

飛龍「あーはいはい、敵襲敵襲」

空母棲姫「ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!」

北上「あー、うん…」

雲龍「そうね…」

大鳳「はぁ…」

空母棲姫「……エ?オ前タチ、戦ワナイノカ?」

飛龍「そりゃあ、まあ…」

大鳳「できれば戦いたくは…」

空母棲姫「エェ…」

鈴谷「んまー、正直なところねえ」

熊野「私たちの鎮守府で空母ヲ級を匿ってからというもの、みんな深海棲艦との交戦に抵抗を感じているようですの」

空母棲姫「ソ、ソウナノカ……」

空母棲姫「ダ、ダガ!私タチニハ戦ウ意志ガアル!」

飛龍「それは分かってるけど…無駄だと思わない?」

空母棲姫「エ?」

雲龍「そうね、どうせ私たちには勝てないでしょうし…」

大鳳「無駄に生命を落とすだけになるのよ?」

空母棲姫「…………」

球磨「自分の生命が大切だと思うなら、考え直してみるクマ」

空母棲姫「………ソレモソウダナ」

鈴谷「戦いたくないのはお互い様なんだよね、どっちも生きてる方が楽しいことあるっしょ」

熊野「そうですの、あの子たちを見てみなさい」スッ

空母棲姫「…………?」チラッ

時津風「ぎゃー!食べられるー!!」キャッキャ

卯月「逃げるぴょーん!」キャッキャ

空母棲姫「……楽シソウダナ」

熊野「ええ、戦いなんで忘れて、一緒にホエールウォッチングでもしましょう?」

空母棲姫「…アア」

〜〜〜

ザパァン ブモー

時津風「クジラさん、ばいばーい!」ブンブン

卯月「また遊ぶぴょーん!」

飛龍「…あ、そうそう」

空母棲姫「ナンダ?」

飛龍「戦いたくないとは言ってもさ、私たちも作戦で来てるからそのまま帰るわけにもいかないんだ」

空母棲姫「…ヤルノカ?」

飛龍「本気でやらなくていいよ、ちょちょいっと演技してくれればいいから」

空母棲姫「ナルホド……」

飛龍「じゃあ、よろしくね」

空母棲姫「アア、ワカッタ」

北上「そんじゃ、行くよー」

空母棲姫「来イ」

北上「食らえー!」カシュン

ペチッ

空母棲姫「グワァッ!ヤラレテシマッタ…」

飛龍「はい、お疲れ様ー」

飛龍「よーし、これで報告書も完成っと」

空母棲姫「帰ルノカ?」

飛龍「うん、もう空母棲姫も撃沈しちゃったし。やることがなくなったから、ここに留まるわけにもいかないの」

空母棲姫「ソウカ……」

飛龍「まあまあ、そんな顔しないでよ。今度は私たちのところに遊びにおいで」

空母棲姫「………!」

飛龍「その時はきっと提督も待ってるから。美味しいご飯作ってくれるよ」

空母棲姫「……アア」

飛龍「それじゃ、またね!」

空母棲姫「アア…元気デナ」

時津風「ばいばーい!」フリフリ

卯月「今度来た時は歓迎するぴょん!」フリフリ

空母棲姫「…………」フリフリ

飛龍「ただいま帰投しましたー」

提督「おかえり、早かったね」

飛龍「ん?まあ、目的地より早くターゲットが出てきてくれたからね」

提督「そう?ふふ、ここに来た時はご馳走を用意すればいいのかな?」

飛龍「うっ…バレてた?」

提督「全部聞いてたよ、その報告書が嘘だってことも知ってる」

飛龍「……ごめんなさい、責任は私のものだから」

提督「あ、いや、別に怒ってるわけじゃないよ。むしろ感謝してる」

飛龍「そうなの?」

提督「うん、資材の消費も燃料だけで済むし、修復もしなくていいし、何より誰も死ななくてよかった」

飛龍「……提督、ずいぶん価値観変わったね?」

提督「言わなかっただけでずっと変わってないよ」

飛龍「…そっか。平和が一番だもんね」

提督「その通り。それより、補給に入った方がいいんじゃない?他の子達に楽してきたなって思われるよ」

飛龍「おっと、失礼しまーす」パタパタ

バタン

提督「………次で最後か……」

ちょっとの間更新できないのでレスで聞かれた設定に答えます
提督が夜のお相手にされたのは加賀を筆頭に天龍や龍田、陸奥に描写外では武蔵と足柄あたりですかね

逆に提督から手を出したのはかなり少ないです

提督から手を出したのは木曾を除けば天津風と望月の二人だけですね
ろーちゃんのは事故です(頑な)

基本的に小さい子にはよく目移りしますね
どこがとは言いませんが

翌日

提督「最終海域!!!攻略していくよー!!!」

飛龍「うわ、うるさっ」

加賀「元気ね…」

提督「今回の海域は死ぬほど厳しいらしいよ!!みんな気合い入れて行ってね!!!」

金剛「それはいいデスケド、どういう感じにハードなんデスカ?」

提督「えっとね、ターゲットが頭おかしいんじゃないかってぐらい硬いんだって」

飛龍「硬い?装甲が?」

提督「うん、報告書によると装甲というよりは別の何かで制御されたバリアみたいなもので、それを先に叩かないと爆撃も戦艦の砲撃もまともに通らないそうだよ」

榛名「そこまでですか…」

提督「その特定の場所に行くためにあきちゃん、よろしくね」

あきつ丸「了解であります」

提督「じゃああきちゃんがいる以外は、空母機動部隊でよろしくね」

加賀「空母は?」

飛龍「私と蒼龍と加賀さんの三隻でいいんじゃないですか?」

榛名「戦艦は榛名と金剛お姉様ですね」

あきつ丸「そして、もう一枠は自分でありますな」

提督「水雷戦隊は、誰か行きたい人いる?」

天龍「オレ!!旗艦!!」バッ

提督「旗艦は天龍、あとは?できれば駆逐3重巡2がいいんだけど」

暁「暁が出るわ!」バッ

雷「なら私も出るわ!」バッ

電「い、電も行くのです!」バッ

響「えっ、と…」

提督「響はお留守番ね、途中の作戦参加しちゃったから」ポンポン

響「うん…」

古鷹「じゃあ、重巡枠は私たちが出ようか」

加古「うえぇ、マジ?寝たいんだけど…」

古鷹「…ちゃんと戦果を挙げたら、提督が一緒に寝てくれるって」

加古「………んぁ〜……なら行く」

提督「なんか、約束取り付けられたみたいだけど…まあいいか」

加古「うひひ、期待してるよ」

提督「ん〜、私も加古の活躍に期待してるよ?」

加古「わー、こんなこと言われたら本気出すしかないねえ」

古鷹「提督、勝手なことを言ってすみません」

提督「いいよいいよ、これもスキンシップの一環だから」

古鷹「本当にすみません、加古と一緒に頑張りますね」

提督「うん、それより古鷹も帰ってきたら何かしたいこととかある?」

古鷹「え?ええと…その、私のことは気になさらずとも…」

提督「そんなこと言わずに、なんでも好きなこと言っていいよ」

古鷹「で、では…あの…く、駆逐艦の子達にするみたいに、ぎゅっとして、頭を撫でてください…///」カァ

提督「うん、わかった!約束ね!」キュ

古鷹「は、はい!///」

加賀(こういうことをしているからすぐにみんな落ちていくのね…)

加賀「もういいかしら」

提督「あ、うん、その前にちょっと待ってね」ゴソゴソ

加賀「?」

ゴトッ

提督「はいこれ、持って行って!」

加賀「? これは何?」

提督「お弁当!中身は戦闘糧食だけど、おかずは私が作っておいたからね」

暁「司令官が作ってくれたの!?」キラキラ

提督「うん、道中でお腹が空いたら食べてね」

加賀「……ありがとう、これで張り切れるわ」

飛龍「海の上で提督のご飯が食べられるのかあ…くぅ、やる気出てきたぁ!」

加賀「それでは行きましょうか」

提督「頑張ってねー!」

飛龍「……いた!」

防空棲姫「フフ……キタンダァ……」

金剛「Fire!!!」ドォォン

榛名「ちょっ、そんないきなり…」

ギィン

防空棲姫「フフ…ナァニ、ソレェ…?」

ボボンッ

防空棲姫「ソノ程度ォ…?」

金剛「ンー…ダメみたいデスネー…」

加賀「ええ、爆撃も効いていないみたい」

古鷹「どうします?」

加賀「そうね、このままだと埒が開かないから先に制御装置を探しに行きましょう」

飛龍「了解!」

ザザザ

防空棲姫「アレ…逃ゲルノォ…?」

榛名「……ありました!あれです!」

港湾棲姫「……!マタ貴様ラカ…!」

加賀「港湾棲姫……あなたがここを守っているというわけね」グッ

港湾棲姫「ソウダ…ダガ、私ハモウ戦イタクナイ…」

飛龍「戦いたくない?どうして?」

港湾棲姫「……貴様ラノ鎮守府ニ、ヨク出入リシテイル異端ノ子ガイルダロウ?」

天龍「ヲ級のことか?それがどうかしたのか?」

港湾棲姫「アノ子カラ聞イタ……貴様ラノ司令官ガ、ドウニカシテ私タチト和解シヨウトシテイルト…」

加古「はあ、それであんたは和解を選ぶわけか」

港湾棲姫「アア………モウ、戦イナドウンザリダ…私ガ傷付クノモ、誰カガ沈ンデ行クノモ…見タクナイ…」

加賀「………そう。あなたは優しいのね」

港湾棲姫「優シイ…私ガカ…?」

飛龍「うん、たぶん他の誰よりもね」

港湾棲姫「…………」

バキャッ

飛龍「!」

ジジ…プスプス

港湾棲姫「……制御装置ハ破壊シタ。貴様ラノ……勝利ヲ願ッテイル」

加賀「…ありがとう」

港湾棲姫「アア……アイツハ、和解シヨウナドトハ考エテイナイ。気ヲツケロ」

蒼龍「うん、分かってる」

港湾棲姫「アト…憎シミニ囚ワレタアイツヲ、救ッテヤッテクレ……頼ム…」

加賀「任せなさい、最初からそのつもりよ」

港湾棲姫「スマナイ…」

飛龍「……あ、そうだ!」ゴソゴソ

港湾棲姫「……?」

飛龍「これ、食べる?」

港湾棲姫「…ナンダソレハ?」

飛龍「うちの提督が作ってくれたお弁当。ソーセージも卵焼きも、深海にはないでしょ?」

港湾棲姫「ア、アア…」

飛龍「それともお腹、空いてない?」

港湾棲姫「イヤ……イタダコウ」スッ

パクッ

港湾棲姫「……………」モグモグ

飛龍「どう?」

港湾棲姫「……美味イ……深海ニハ、ナイモノダ…」

天龍「普段何食べてるんだ?」

港湾棲姫「魚…トカ…」

加賀「それは質素ね。私たちのところに来たら温かいご飯も食べられるわ」

港湾棲姫「ソ、ソウナノカ…ホウ…」ゴクリ

加賀「けど、提督は渡さないから」

港湾棲姫「ア、アア…?」

暁「それよりほら!おにぎりもあるわ!」

港湾棲姫「オニギリ…?」

暁「その手じゃ持てないでしょ?暁が食べさせてあげるわ!」

港湾棲姫「ド、ドウモ…」

古鷹「なんだか、私たちもお腹が空いてきましたね」

加賀「そうね、ここで補給して決戦に臨みましょう」

加古「昼寝していい?」

古鷹「ダメ」

加古「ぶぅ…」

港湾棲姫「コレハ…ナンダ?」

電「それはハンバーグと言うのです」

港湾棲姫「ハンバーグ…」モグモグ

雷「こっちにはフライドチキンもあるわ!司令官のはとっても美味しいのよ!」

港湾棲姫「ム……コレモ美味イ…」モグモグ

暁「お気に召したようで何よりね」

港湾棲姫「……オ前達モ、食エ。私ダケデハ食ベキレナイカラナ」

雷「そうね、私たちも食べましょう!」

ワイワイ

加賀「たのひほうね」モグモグ

飛龍「そ、そうですね…」

蒼龍「んー、おいひい」モグモグ

飛龍(二人ともこんなに食い意地張るっけ…)

提督「…………」ソワソワ

ヲ級「………テイトク?」

提督「ん?」

ヲ級「落チ着カナイノカ?」

提督「え?な、なんで?」

ヲ級「サッキカラ、ズットゾワゾワ?シテル」

提督「そ、そうかな…あとぞわぞわじゃなくてそわそわね」

ヲ級「……コトバ、難シイ…」

提督「まあ、会ったばかりの頃に比べればかなり上手になったよ」

ヲ級「ソウカ…」

提督「そういえばヲ級ちゃん」

ヲ級「?」

提督「ヲ級ちゃんって、深海にいた頃はなんて呼ばれてたの?」

ヲ級「私…ノ、名前…?」

提督「うん。言葉を話せる個体もいるんだよね?」

ヲ級「アア、ソウダガ……私ノ名前…」

提督「…もしかして、分からない?」

ヲ級「……ソノ、ヲ級トイウノモ…人間ガ私タチを識別スルタメニ付ケタ名ダロウ?」

提督「…そうだったっけ」

ヲ級「私タチニ名前ナンテナイ……私タチハ…」

提督「名前なんてなくたって、ヲ級ちゃんはヲ級ちゃんだよ。月並みなことしか言えないけど」

ヲ級「………テイトクハ、タマタマヨクワカラナイコトヲ言ウ…」

提督「う、うん…たまに、と時々、が混ざったのかな?」

提督「そうだ、この機会に色々と聞きたいことがあるんだけど…」

ヲ級「ナンダ?」

提督「深海棲艦は、どうして攻撃してくるの?」

ヲ級「………?」

提督「……あれ?」

ヲ級「コウゲキ……?違ウ、私タチハ…」

ザザッ

『提督、障壁は破壊したわ。そろそろターゲットに辿り着くから、指示をお願い』

提督「あ、うん!」ガチャッ

ヲ級「…………」

提督「ごめんね、今は忙しいみたい…また今度聞いてもいい?」

ヲ級「……アア」

防空棲姫「アラァ……?フフッ、マタキタンダァ…」

加賀「ええ、今度は戦ってあげるわ」

『障壁を破壊したから攻撃は通るはずだよ!まさに闇の衣を剥がれたゾーマだね!』

飛龍「は、はぁ…それはよく分からないけど…指示は?」

『………ガンガンいこうぜ、で』

金剛「roger!全力で行くネー!」

榛名「とは言っても…」

戦艦棲姫「…………」

戦艦棲姫「…………」

蒼龍「…一筋縄ではいかなさそうね」

天龍「上等!やってやらァ!!」ガシャン

響「Ураaaaa!!!」ガシャン

ボボンッ

飛龍「くっ……艦載機が…」

蒼龍「あいつの対空性能、どうなってるの!?」

加賀「無理に浪費をする必要はないわ、牽制だけに留めておいて機を伺いましょう」

飛龍「了解!」


金剛「全砲門!Fire!」ドォン

榛名「榛名、全力で参ります!」ドォン

戦艦棲姫「………!」

ガンッ

戦艦棲姫「……………ッ」

榛名「硬い…!」

金剛「ノープロブレムネー!あの損傷ではもう火力はないデース!」


ネ級「ガ……グ…」

ブクブク…

古鷹「こっちは終わったみたい!向こうを!」

加古「まっかせてー!」

ん?順番間違えたな?

>>156>>157の間に

暁「あれっ、響!?」

電「どうしてここにいるのです!?」

響「みんなが心配で来た」

雷「ちょっ、司令官!?どういうこと!?」

『あぇ!?響、いないと思ったらそっちにいるの!?』

響「ごめんね司令官、どうしてもみんなと一緒に戦いたかったんだ」

『う〜…色々と違反してるけど…今はいい!私は何も聞いていないし、あとでこの記録も手違いで消える!それでいいから、とにかく頑張って!』

響「……スパスィーバ、司令官」

雷「そうね、今はとやかく言ってられないわ!」

暁「第六駆逐隊の力を見せるのよ!」

加古「そりゃあ!」ドォン

ガンッ

防空棲姫「イッ……タイナァ…!」ドォン

古鷹「加古!」

加古「うおっと!」サッ

戦艦棲姫「………!」ドォン ドドンッ

榛名「く……避けきれない…!」メシャッ

ゴッ

榛名「…………!」

ドゴォッ

榛名「…え………?」

天龍「げっほ……ちっ、ガラにもねえことしちまった…!」ボロッ

金剛「榛名!今デース!」

榛名「……あ!は、はい!」ガシャン

ドォン!!

ゴシャアッ

戦艦棲姫「ウ…ガ……」

ブクブク…

榛名「まずは一隻!」

天龍「次来るぞ!気ぃ抜くな!」

雷「電!やるわよ!」ガシャン

電「なのです!」ガシャン

バシュッ

ドゴォッ

戦艦棲姫「ッ!?」

天龍「今だ!やれ!」

榛名「はいっ!」ガシャン ドドドド

戦艦棲姫「グッ……ア……」バシャッ

金剛「Wow!すごい火力ネー!」

榛名「すみません…私をかばって、こんな…」

天龍「気にするなよ、戦艦が食らっちまったらまともに火力も出せねえからな。これくらい安いもんだよ」

古鷹「それより、加賀さん達は…」

蒼龍「……ここだ!」ブゥン

防空棲姫「!」

ボボンッ

蒼龍「嘘ぉ!?」

加賀「ダメね、まるで隙がないわ」

あきつ丸「最大練度の艦載機も次々と撃ち落とされるであります…」

飛龍「そもそも私たちがこいつの相手するのが間違いだったんじゃ…」

加古「んお、結構余裕そうだね」

加賀「それほど攻撃は激しくないから」

暁「でも、どうするの?暁たちの砲撃じゃまともなダメージは…」

飛龍「魚雷を撃って撹乱してくれる?」

雷「任せて!」

ボボン ボボボボンッ

防空棲姫「アハハッ!落チロ…落チテ行ケ…!」

響「こっちだ」ガァン!

防空棲姫「フフ…全然痛クナイワヨォ…?」

暁「ならこれを食らいなさい!」バシュン

ゴシャッ

防空棲姫「アグッ……!?イタイ…イタイ……!!」ギッ

暁「!」ピク

防空棲姫「フ、フフフ……!オカエシヲアゲル……!」バシュン

響「暁、下がれ!」バッ

暁「あっ!?響!」

ドゴォッ

響「ぐっ……!」ブシュウ

暁「響!大丈夫!?」

響「ああ…これでいい…」

防空棲姫「アハハハ!マダマダアルノヨォ!」ガシャン

ブゥン

ドドドド

防空棲姫「キャアッ!?」

飛龍「よし!」

防空棲姫「グ……コノッ……!」

蒼龍「うわ、お怒りっぽい」

飛龍「逃げろー!」ザザザ

防空棲姫「待テ………ッ!?」

加賀「ようやく気付いたようね。もう陽は沈んだわ」

天龍「一人でこの人数に勝てると思うか?」

防空棲姫「ッ……!黙レ!黙レェッ!!」

加古「もーらいっ!」

ドォン

防空棲姫「グアッ!?」

古鷹「私も、やるんだから!」ドォン

防空棲姫「ギッ…!貴様ラ…!」

パッ

暁「こっちよ!来なさい!」

防空棲姫「許サナイ…許サナイッ!!」ザザッ

暁「……!電、今よ!」

「電のぉっ!本気を!!」

防空棲姫「………!?」バッ

電「見るのですっ!!」

ゴッ

メシャッ

提督「………で、錨に大量の血がついたと」

電「はい、もう弾薬がなかったので…」

提督「まあ、殺傷力はあるよね…あとで私が洗っておくから、今は早く入渠しておいで」

電「はい、失礼するのです」ペコリ

響「司令官…勝手なことをしてすまない…」

提督「いいからいいから、修復に入って」

響「ありがとう…」フラフラ

暁「もう、ボロボロじゃない!」ガシ

雷「入渠ドックまでついて行ってあげるわ」

響「ああ…」

提督(仲良しだなぁ…)

ガチャ

加賀「ただいま帰投しました」

提督「あ!おかえり、加賀!」

加賀「これ、報告書」

提督「うん、ありがと」ペラッ

加賀「作戦は成功したわ。小破が三人、中破が一人、大破が一人よ」

提督「うん……わかった、損傷のある子は入渠、それ以外は先に補給を済ませてきて」

飛龍「了解!」

蒼龍「はー、お腹空いたー」

天龍「ぐうう、いってぇ……やっぱ戦艦の火力はやべえな…」

古鷹「大丈夫?肩貸そうか?」

天龍「ああ、悪い…」

加賀「あ…言い忘れていたけど」

提督「?」

加賀「あと少しでここに照月が来るから」

提督「……あ、そうだった!」

提督「…というわけで、ご飯作ろう?」

秋月「は、はぁ…でも、なぜご飯を…?」

提督「秋月がここに来た時もご飯食べたでしょ?新しくここに来た子にはご飯を振る舞うのがもはや様式美みたいなものになってるんだよ」

秋月「そ、そうですか…」

提督「それに、末期の子達って満足に美味しいものも食べられなかったみたいだから…かわいそうで」

秋月「はい…照月も、きっと喜んでくれます」

提督「うん、肉じゃがでいい?」

秋月「肉じゃがですか!?はい!!」

提督(肉じゃが、好きになったんだ…)

秋月「司令、早く作りましょう!」

提督「はいはい…」

〜〜〜

秋月「…………」ソワソワ

ガチャ

秋月「!」

提督「秋月、連れてきたよー」

照月「あーっ!秋月姉!」

秋月「照月!よかった、やっと会えたぁ…!」

照月「照月も会えて嬉しいわ!」ガバッ

秋月「わあああん!照月いいぃ!」ギュー

照月「秋月姉ぇー!」ギュー

提督(どうしよ、入り込む隙がないや)

提督(落ち着いてからでいいか…)

提督「……えっと、もういいかな?」

秋月「あ、はい!大丈夫です!」

提督「こほん…まあ、特に言うこともないんだけど…秋月、おめでとう」

秋月「いえ!司令が力を尽くしてくれたおかげです!本当に、ありがとうございます!」

提督「いいよいいよ、私にできる仕事はこれくらいだから」

照月「提督が秋月姉と合わせてくれたんですね。ありがとうございます」

提督「うん…そして、これからよろしくね」

照月「はい!秋月姉共々、よろしくお願いします!」

提督「ささやかだけど…食堂で歓迎の準備をしてるから、先に向かっておいて」

照月「本当ですか!?嬉しいです!」

秋月「照月、司令のご飯はとっても美味しいんだよ」

照月「そうなの?楽しみ〜!」

提督「あはは…あまり期待は…」

食堂

提督「……ということで、みんなの頑張りもあって無事!特別海域を制覇できました!」

「「「ワアアアアアア!!!」」」

提督「新入りの子達の歓迎会兼、祝勝会ということで…みんな、盛り上がって行こう!」

「「「ワアアアアアア!!!」」」

提督「もっと豪華なもの作りたかったんだけど、急だったからこんなものしか作れなくて…ごめんね」

「「「ワアアアアアア!!!」」」

提督「…それはどっちのわー、なの?」

「「「ワアアアアアア!!!」」」

提督「……………」

提督「まあそれはいいとして、今回は個別の練度の高さもあったけど……隼鷹、まだお酒開けちゃダメ!」

「分かってるって!早く済ませちゃって!」

提督「はぁ…えーと、個別の練度の高さもあったけど、やっぱり大事なのは艦隊のコンビネーションであって……赤城!みんなが食べるまで待ってて!」

「はーい…」

提督「えっと…そう、大事なのは艦隊のコンビネーションであって、今回はそれを最大限に……青葉!まだインタビューしちゃダメだってば!」

「すみません司令官!きょーしゅくです!」

提督「んっと、何言おうとしたんだっけ…そうだ!今回は、それぞれのコンビネーションが輝いて……って」

ザワザワ

ハハハ

キャー

提督「なんで誰も私の話聞いてくれないの〜!?」

「提督ー!お腹空いたー!」

「みんな早く提督のご飯が食べたいから落ち着かないんだよ」

提督「う〜……ならいいや、もうみんな食べていいよ…」

「「「ワアアアアア!!!」」」

提督「はぁ……」ガタッ

蒼龍「おかえり」

飛龍「提督も大変だねえ」

提督「慣れないことはするものじゃないね…」

加賀「…………」

スッ

提督「ん?」

加賀「飲む?」

提督「ああ…ごめんね、今日はまだお仕事があるから…」

加賀「そう……」

提督「また今度二人で飲もうね」

加賀「…ええ」

提督「何はともあれ…今日はお疲れ様。乾杯っ」スッ

加賀「…乾杯」

チンッ

ーーーーー
ーーーー
ーー

提督「特別海域攻略、長かったように思えたけど……日数にしてみれば、一週間ちょっとかぁ…」

加賀「そうね……」

提督「うん……」

加賀「…………」グデー

提督「…………」グデー

蒼龍「もー!なんで二人ともそんなに無気力なの!?」

提督「だって暑いし…」

蒼龍「暑いのが夏だよ!!身体動かそうよ!!」

提督「えぇ…なんでさ…」

蒼龍「なんでって……」



「まだまだ、夏はこれからだよ!」

イベント攻略編おわり
瑞穂って誰だよ(哲学)

ありますあります(食い気味)

食堂

提督「……………」クイッ

「提督、独り酒ですか?」

提督「ん?…あ、鳳翔さん」

鳳翔「ふふ、飲み過ぎは身体に毒ですよ」

提督「うん、分かってる…けど、たまに飲みたくなるから…」

鳳翔「その気持ち、分かります…あの、提督?」

提督「なに?」

鳳翔「その、私もご一緒してもよろしいでしょうか…」

提督「ああうん、いいよ」

鳳翔「ふふ…ありがとうございます」

鳳翔「お酌、させていただきますね」スッ

提督「おっ、ありがとうね」

鳳翔「いえいえ」

提督「鳳翔さんは?飲まないの?」

鳳翔「あ、私は…お酒を飲むとすぐに寝てしまうので、一杯だけ…」

提督「そっか、そういえば鳳翔さん、よく正規空母のみんなとお酒飲んでは加賀に部屋まで運ばれてたもんね」

鳳翔「お恥ずかしい限りで…あの子達が楽しそうにしているのを見ると、私も混ざりたくなってしまって…」

提督「うんうん、加賀も鳳翔さんと飲むのは楽しいって言ってたよ」

鳳翔「そ、そうなのですか?それは嬉しいですね…」

鳳翔「でも…私は、こうして提督の隣で飲むお酒が一番好きです…」

提督「……鳳翔さんにそんなこと言われたら照れるなあ」ポリポリ

鳳翔「すみません、変なことを口走ってしまって…もう酔ってきたのでしょうか、うふふ…」

提督「ここで寝てもいいよ、ちゃんと部屋までおぶってあげるから」

鳳翔「まあ、お優しいのですね…」クス

提督「鳳翔さんにはいつもお世話になってるからね、私にできることならなんでもするよ」

鳳翔「……な、なんでも……?」

提督「うん、鳳翔さんのしたいことでもいいよ」

鳳翔(……い、いける……)ゴクリ

鳳翔「え、えーっと…あ、提督、あれは…」ピッ

提督「え?」クルッ

鳳翔(い、今…!)スッ

サッー

提督「………??何もないけど…」

鳳翔「い、いえ…すみません、私の見間違いでした…」

提督「そう?ならいいけど…」

鳳翔「そ、それより、何かおつまみでも作りましょうか?簡単なものならすぐにできますので」ガタ

提督「いいの?じゃあお願いしようかな」

鳳翔「は、はい!提督は、ゆっくりお酒を飲んで待っていてくださいね」

提督「わかったー」

提督「………ふぅ」コト

鳳翔「も、もう結構飲みましたね…そろそろ…」

提督「ん…?そろそろ、なに…?」

鳳翔「あ、い、いえ!そろそろ、お布団に入った方がいいのではと…」

提督「んぁ…ああ、うん…そうするね…」

ガタッ

提督「……うぁ」フラッ

鳳翔「あっ…と…大丈夫ですか?」

提督「あ…ごめん、ちょっと…飲みすぎちゃったのかな、ふらふらする…」

鳳翔「そ、それでは私のお部屋で、少し休んで行きませんか…?」

提督「うぅ…うん、ごめんね…」

鳳翔「いえ、お気になさらずに…肩、お貸しします」グイ

提督「う〜…いつもならこんなに…」

鳳翔「……はい、着きましたよ。大丈夫ですか?」

提督「うん………でも、ねむい……」

鳳翔「あら…なら、このままお布団でお休みしても構いませんよ?」

提督「でも……鳳翔さんに迷惑かけちゃう……」ウトウト

鳳翔「そんな…私のことは気にしないでください、提督のお隣で…すぐそばで眠るので…」ナデナデ

提督「そっか……ならいいや……」スゥ

鳳翔「はい……おやすみなさい」ポンポン

提督「おやすみ……」

鳳翔「…………」

提督「………すぅ……」

鳳翔「…………」スクッ

スタスタ…

鳳翔「…………」カチャン

鳳翔(……や、やった……上手くいった……)

鳳翔(こ、これで明日には……明日には……!)ドキドキ

〜〜〜

提督「……ん…うぅ…」パチ

提督「ふあぁ……あれ…?」

提督「ここ、私の部屋じゃ…」

ガチッ

提督「……ん?」

ガチガチ

提督「…………」チラッ

鳳翔「すー……すー……」

提督「……なに、この状況…」

提督「私は手錠をかけられてて……」ガチッ

鳳翔「すー……」

提督「鳳翔さんは私の隣で寝てる…」

提督「………どうしてこうなったんだっけ?」

提督「あれ?というかそもそも昨日の夜は、えっと…確か…」

鳳翔「んっ…んん…」

提督「あ…起こしちゃった?」

鳳翔「あぇ…?ていとく、どうしてわたしのおへやに…?」ボケー

提督(かわいい)

鳳翔「………あっ!す、すみません!私、寝ぼけてしまって…」

提督「う、うん、それはいいけど…昨日の夜何があったの?」

鳳翔「覚えていないのですか?」

提督「えっと……鳳翔さんと一緒にお酒飲んでて、色々お話して…そしたら急に眠くなって……それから…どうなったんだっけ…?」

鳳翔「提督が一人で歩くのも無理そうだったので、私が介抱したのですが…お部屋に着いた途端眠ってしまったので、そのまま起こすわけにもいきませんでしたから…」

提督「そうだったんだ…ごめんね、迷惑かけて…」

鳳翔「い、いえ!提督のせいでは…むしろ、私の…」

提督「へ?」

鳳翔「……あの、提督…怒らないで、聞いてくれますか…?」

提督「え?う、うん」

鳳翔「その……昨日の夜、提督が急に眠くなったのは…私が睡眠薬を盛ったせいなんです…」

提督「えっ!?」

鳳翔「私のお部屋に提督を運んだのも、その手錠をかけたのも、全部私で…ほ、本当にごめんなさい!」バッ

提督「え、えっと…まだあんまり状況が飲み込めないけど、とにかく鳳翔さんを責める気はないから、頭を上げて?」

鳳翔「はい…」

提督「で…どうしてこの手錠を?」

鳳翔「その、暴れられたら困るので…」

提督「あ、暴れる?何かするの?」

鳳翔「はい……い…今から、て、提督の…」

提督「私の……なに?」

鳳翔「お…お尻の方を、開発します…」

提督「………へっ!??」

提督「ちょっ、ちょっと待ってよ!?そんないきなり…」

鳳翔「すでに加賀さんに許可はもらっていますので…」

提督「あ、そうなんだ……って、違う違う!ほ、ほんとにやるの!?」

鳳翔「はい、本気です」キリッ

提督「うぇぁ…うぅ〜……で、でも、こんなところじゃ、誰かに見られるかもしれないし…」

鳳翔「大丈夫です、今日は軽空寮のみなさんは出払っていますし、念のために鍵もかけています」

提督「あぅ…でも、なんでまた、こんな…」

鳳翔「前に提督が、私の趣味を聞こうとした時に私は答えられませんでしたよね?」

提督「ああ、あれね」

鳳翔「その時に、提督が『私にしたいことしてもいいよ』と言っていたので…」

提督「……そういえばそんなこと言ったっけ…」

鳳翔「口約束だけではいけませんか…?」

提督「あ、いや!そんなことないよ!」

提督「ただ、鳳翔さんがそういうことするって…なんだか意外っていうか…」

鳳翔「私にも提督にしたいことの一つや二つはありますよ…?」

提督「…そう、だよね……うん、分かった…腹をくくるよ」

鳳翔「ほ、本当ですか?」

提督「うん、言っちゃったことはしょうがないし…鳳翔さんなら安心して身を任せられるから」

鳳翔「提督……」

提督「えっと…手錠は付けたままの方が好都合なのかな?あとで外せるんだよね?」

鳳翔「あ、はい、大丈夫ですよ」

提督「そっか、ならこのままでいいかな」

鳳翔「はい、そちらの方が私も興奮しますので…」

提督「ん?」

鳳翔「あっ…///」

鳳翔「さて……それでは始めましょうか」

提督「う、うん」

鳳翔「ふふ、そんなに緊張しなくても大丈夫です。優しくしますので」

提督「そ、そうだよね…リラックスリラックス…」

鳳翔「では、下を……失礼しますね」スッ

スリ

提督「んっ…」

鳳翔「こうして軍服越しに触る感触もいいですね…」サスサス

提督「あっ…な、なんか触り方が…似てる…」

鳳翔「似てる?」

提督「う、うん…加賀がたまにちょっかいかけてくるときみたい…」

鳳翔「加賀さん、そんなことを…」

提督「執務中とかも結構、服の中に手入れてきたりとか、耳にふーってしてきたりとか…んっ」

鳳翔「そ、そうなのですか…大変ですね…」

提督「ケッコンしてから頻度が増えた気がして…嫌じゃないけどみんなが見てる前とかでするのはちょっと…」

鳳翔「は、はぁ…そ、そろそろ脱がしますね」スッ

提督「あ、うん…」

スルスル

提督「う…や、やっぱり脱がされるのって恥ずかしいな…///」

鳳翔「……いい」

提督「え?」

鳳翔「その恥じらいの表情、とてもいいです…」ニヤァ

提督「………!」

提督(鳳翔さん、絶対サディストだ…!)

鳳翔「…………」ジーッ

提督「う……///」カアッ

鳳翔「綺麗な足…」ナデ

提督「ひっ…う、内腿は、ダメ…」ピクッ

鳳翔「提督はくすぐったがりですね、ふふ…」ナデ

提督「うぁっ…」

鳳翔「……少し汗をかいてきましたね。上も脱ぎますか?」

提督「…う、うん…」

鳳翔「とは言っても、手錠があるのではだけさせる程度ですが…少しはマシになりますよね」プチ ゴソゴソ

提督「………あ…」

提督(そうだ、軍服のまま寝ちゃったから…下着も昨日と同じのだ……)

鳳翔「…………」ジーッ

提督(み、見られてる…)///

鳳翔「…少女的な趣味なのですね?ふふ、可愛らしい…」

提督「い、言わないで…」

鳳翔「お腹も、細くて綺麗……ほら、うっすらと一本筋が」ツツー

提督「あっ、あ…」ピクッ

鳳翔「結構、筋肉ありますよね?鍛えてらっしゃるのですか?」サスサス

提督「う、うん…時々、腹筋とか、スクワットとか…汗流すのって、気持ちいいから…」

鳳翔「活発ですね…それでいて、ここも…」フニョン

提督「ひゃっ!」

鳳翔「大きい…」フニフニ

提督「あ、ぅ…」ビクッ

鳳翔「いくつくらいなのでしょうか…」フニフニ

提督「えっ、と……最後に測ったのが去年の、ぉっ…健康診断のとき、で…」ピクッ

鳳翔「はい」フニフニ

提督「た…確か、そのときはっ、んっ…きゅうじゅう…二か、三だっ……た、あんっ…」ビクン

鳳翔「すごい…ふくよかなものをお持ちですね…」フニフニ

提督「で、でも、最近きつくなってきたから、また大きくなってきっ……!た、かも…」

鳳翔「まだ成長するのですか…」フニフニ

提督「んぅ…っ、ふ…」フルフル

鳳翔「はぁ…これ、触ってる方も気持ちいいですね…」フニフニ

提督「そ、それは嬉しいけど…その、当初の目的と違うんじゃ…」

鳳翔「あ……そうでしたね、すみません…」スッ

提督「はぁ…はぁ…」

鳳翔「普段はあまり身体の線が出ない服を着てるせいか気付きにくいかもしれませんが、とても綺麗でいい身体をしていますよ」

提督「ど、どうも…」

鳳翔「では、お尻の方を…失礼します」スッ

サス

提督「やっ…あ…」

鳳翔「ふふ、こちらはきゅっとしていて、慎ましいですね」スリスリ

提督「んぁ…そ、その撫で方、だめ…」ビクッ

鳳翔「健康的な脚と相俟って、活発な感じがします…」スリスリ

提督「やぁ…」

鳳翔「さて…では、そろそろ本命に…」

提督「あ…ま、待って」

鳳翔「はい?」

提督「あの、本で読んだ知識なんだけどさ、その…お尻弄る時って腸内洗浄?とかしないといけないんじゃ…」

鳳翔「ああ、それなら提督が寝ているうちに済ませておきましたので心配はいりませんよ」

提督「ね、寝てるうちに!?」

鳳翔「はい、割と強力な睡眠薬だったそうで…明石さんが作ったものですから大丈夫とは思います」

提督「そ、そうなんだ…全然気付かなかった…」

鳳翔「提督はお通じがいいのですね、ほとんど水しか出ていませんでしたよ」

提督「いやぁー!!恥ずかしいから言わないでええええ!!」

鳳翔「ふふ、程よく緊張が解れたところでいきましょうか」スルスル

提督「っうわ、ちょ、脱がすの早い」

鳳翔「事前に頭の中で工程を考えていたので…」

提督「へ、へえ…」

提督(鳳翔さんって変にかわいいところあるよねえ…)

鳳翔「…………」マジマジ

提督「うぅ…そ、そんなに見ないで…」

鳳翔「提督、ちゃんとお手入れを欠かさないのですね…」

提督「言わなくていいからぁ…///」

鳳翔「ふふ…」

鳳翔「では…始めますね」スッ ゴシゴシ

提督「……?それ、なに?」

鳳翔「これはワセリンですね」チョン

提督「ワセリン?こういうのって、ローションとか使うんじゃ…?」

鳳翔「そうですね、ローションもいいのですが…腸壁というのは吸収効率が非常に良くて、すぐに乾いてしまうのです」ヌリヌリ

提督「へー…知らなかった…」

鳳翔「ワセリンも乾いてしまうのは同じことですが、時間の効率を考えるとこちらの方が有用ということですね」

提督「なるほどー…」

鳳翔「ふふ、本で読んだ知識ですか?」

提督「うん、まあ……あれ?ちょっと待って」

鳳翔「どうしました?」

提督「鳳翔さんってあんまり本とか読まないんだよね?」

鳳翔「はい」

提督「でも、こういうことの知識があるってことは自分で

ズニュ

提督「にゃあ゛ぁ゛っ!??」ビクゥ

鳳翔「始めますね?」

提督「は、はいぃ…!」

提督「はーっ…はーっ…」

鳳翔「どうですか?指が入った感想は」

提督「う、くぅ…なんだか、すごい変な感じ…///」

鳳翔「普段は出す穴ですからね、何かが侵入してきたらそれを押し戻そうとするので違和感があるのでしょう」

提督「あぁ…うー…」フルフル

鳳翔「大丈夫ですか?まだ指先しか挿れていませんが…」

提督「ふぅ、ふぅ…うん、だいじょぶ…」

鳳翔「では奥まで挿れ進めますが…力は抜かないでくださいね、変に力を抜いてしまうとお尻の筋肉がダメになって便が我慢できなくなるので」

提督「っ!?」

鳳翔「ふふっ、お尻がきゅっとなりましたね」クス

提督「うぅ…///」

鳳翔「しっかりと息を吐いてくださいね…」ヌププ

提督「んううぅ……!」ビクッ

鳳翔「……はい、根元まで入りましたよ。見えますか?」

提督「わかんない…けど、すごい、圧迫感っ…」

鳳翔「いきなり人差し指からですので…普通は小指からでもいいのですが…」

提督「…………?」

鳳翔「提督……初めてではありませんよね?」

提督「!??」ギクッ

鳳翔「思っていたよりすんなり入りましたので、すぐに分かりました。提督、正直に答えてくださいね?」

提督「う、うん…」

鳳翔「いつ、しました?」

提督「う…あ、ぁぅ…」

提督「えっ、と……あ、あの…」

鳳翔「答えてください」クイッ

提督「やっ…!こ、高校生の頃…だったと思う…」

鳳翔「詳しく聞かせてもらえますか?」

提督「そ、その…普通の……に物足りなくなって、本で読んだ時にお尻でするのは気持ちいいって書いてたからちょっと試してみようって、何回か…」

鳳翔「そのときはどうでしたか?」

提督「そのときはうまくできなくて、気持ちよくなれなかったから…違和感がすごいだけで、すぐにやめたかな…」

鳳翔「発散できなかった欲求はどう埋めましたか?」

提督「お、お…お、玩具で…そのときに間違えて、自分で破っちゃって…」

鳳翔「そうですか……それは災難でしたね」クイ

提督「ぁっ……!」ピクッ

鳳翔「こっちで気持ちよくなれなかった欲求不満で純潔を失ってしまったのですね…」クニ

提督「あ、っ…う…」

鳳翔「…でも大丈夫です、こちらは私が気持ちよくしてあげますからね」ツン

提督「っあぁ!?」ビクン

提督「なっ…い、今の、なに…?」プルプル

鳳翔「お尻は腸壁を擦って気持ちよくなるのではなく、前立腺というところを刺激して気持ちよくなるんですよ」

提督「あ…それ、本で見た…」

鳳翔「今はまだ慣らす段階なので変な感覚に捉えられることもあると思いますが…どうですか?」

提督「えっと…よくわかんないけど、なんだか鋭いような…背筋がぞくぞくってするみたいな…」

鳳翔「あ、なら大丈夫ですね。適性はあるみたいです」

提督「そ、そうなの?」

鳳翔「はい、これならすぐに出し入れするだけでも気持ちよくなれますよ」

提督「へぇ〜…」

鳳翔「でも、先ほど言った通り今は慣らす段階なので…ゆっくりいきますね」ズチュ

提督「んんっ…」

鳳翔「提督の中、すごく熱い…」ヌププ

提督「うっ、あぁ…」

鳳翔「少し滑りが悪くなってきましたね…ワセリン、一旦塗り直しますね」スッ

提督「あっ…はぁ…はぁ…」

鳳翔「ふふ、もう少し我慢すれば気持ちよくなれますからね」ヌリヌリ

提督「ううん…この異物感、なんだか癖になってきちゃった…」

鳳翔「……提督は順応性が高いですね」ズプッ

提督「きゃうっ!?」

鳳翔「いい反応です、続けましょうか」

(え?あるって記事を見たことが…)

(企画倒れだと…?)

鳳翔「……………」

提督「う……?ほ、鳳翔さん……?」

鳳翔「………すみません、提督」

提督「え?」

鳳翔「私、重大な失敗を犯しました……」ポロポロ

提督「えっ!?」

鳳翔「女性に…女性に前立腺はありません…」ポロポロ

提督「えっ、じゃ、じゃあさっきの変な感覚は…」

鳳翔「思い込みの力ってすごいですね……」ポロポロ

提督「えぇー…というかそんな泣くほどのことでも…」

鳳翔「あるんです!」バッ

提督「は、はぁ」

提督「ということは私が読んだ本って、男の人向けの…?」

鳳翔「その本の題名は…?」

提督「確か、メスイキの悦び…?」

鳳翔「ああ……男性用ですね…」

提督「メスイキって女の人がするものじゃなかったんだ…メスって入ってるから勘違いしちゃってた…」

鳳翔「……でも安心してください、絶対にお尻で気持ちよくなれないわけではありません。現に提督は先ほど反応していました」

提督「う、うん」

鳳翔「女性がお尻で気持ちよくなるのは、内部での振動を子宮に伝えるのが主、です」

提督「へー…」

鳳翔「つまり…どちらにせよ慣れは必要ということです」クニ

提督「んうっ!?」ビクン

鳳翔「お尻も、前と同じで明確に感覚の違う箇所はあります。たとえば……ここなんてどうでしょう」ズリ

提督「うあぁっ!?」ビクン

鳳翔「ん、当たりみたいですね…じゃあ、ここを刺激しながら慣らしていきましょうか」ヌプヌプ

提督「あっ…!や、はっ、んんぅ…!」

鳳翔「ふふ…もう出し入れするだけでも声が出ていますよ?」グリッ

提督「……!っ……ふ、ん…!」

鳳翔「声…抑えなくても大丈夫ですよ、誰にも聞かれませんので」グイ

提督「あ…!まっ、やあっ…!」ピクッ

鳳翔「ふふ、可愛い…」ナデ

提督「うぅ…///」

鳳翔「さて…このまま、少し休憩しましょうか」

提督「はー…はー…」

鳳翔「ずいぶん汗が出てきましたね…さすがに空調がないと暑いでしょうか」

提督「ううん、いい…大丈夫…」

鳳翔「では、せめて拭うだけでもさせてもらいますね…」スッ

フキフキ

鳳翔「こうしていると、提督が風邪で寝込んだ時のことを思い出します…」

提督「ああ…二月ぐらいのだっけ…」

鳳翔「はい、あのときも提督の汗を拭いて服を替えたのも私だったのですよ」

提督「そ、そうなの…?」

鳳翔「さすがに服を替えるのは私一人では難しかったので、加賀さんに手伝ってもらいましたが…覚えていないのですね」

提督「うん、寝てるというか気絶してたみたいで…」

鳳翔「加賀さん、あのときは深夜になってもずっと提督のそばで見守っていて…さすがに丑満時を過ぎてからは寝るように言いましたけど…」

提督「へえ…加賀が…」

鳳翔「次の日も…よほど心配だったのでしょうね、出先で何度もこちらに通信を送ってきて…大淀さんが指令室に駆け込むところをよく見ました」

提督「そうだったんだ…」

鳳翔「提督は大切に想われていますね…そんな提督を今、私の自由にできる……ふふふ…」

提督「台無しだよ…」

鳳翔「そういえば、提督は被虐趣味があるそうですね?」

提督「えっ!?な、なんでそれを…」

鳳翔「加賀さんが教えてくれました」

提督「加賀ァ…!!」

鳳翔「つまり、多少乱暴にしても問題はない…と」ニヤ

提督「…!」ビク

鳳翔「もうかなり馴染んできたみたいですよ、根元まですんなり入ります」ズヌヌ

提督「ううあぁ…!」

鳳翔「いい反応ですね…」ズッ ズチュ

提督「あっ、ひっ……!」ピクッ

鳳翔「あら…?」

提督「う…?」

鳳翔「…………」カリッ

提督「っぐう!?」ビクン

鳳翔「ふふ…ここが弱いのですか?」グリグリ

提督「やあっ!?そっ、そこ、ダメっ…!」ビクッ ビクン

鳳翔「驚いてしまいましたか?」ピタ

提督「はっ…はっ……変な、感じ…」

提督「なんか…さっきのところ擦られたら、背中に電気が走るみたいな…びりっとするみたいな感じ…」

鳳翔「ちゃんと身体は反応していますよ、ほら」ツン

提督「んっ!?」ビク

鳳翔「前はもうこんなになっていますから…」ネト

提督「うそ…私、お尻で…」

鳳翔「あとひと踏ん張りです、がんばりましょう!」グッ

提督「う、うん…」

鳳翔「怖いのなら、手を握っておきましょう」ギュ

提督「あ、ありがと…」

提督(鳳翔さんの手、小さいな…)

提督(…それにこの体勢、手錠で両手が上にあるのを鳳翔さんに握られてるから……)

提督(無理矢理されてるみたいで…ちょっと、興奮する……)ゾクゾク

鳳翔「えいっ」グリッ

提督「んうぅっ!?」ビクゥ

鳳翔「もう、大事な時にぼーっとしてはいけませんよ?」

提督「ご、ごめん」

鳳翔「先ほども言いましたが、ここは大切な筋肉ですから。下手に気を抜いて切れでもしたらオムツを履かなければならなくなりますよ?」

提督「そ、それはやだ!」

鳳翔「ではしっかりと集中してくださいね、もう少しで終わりますから」

提督「う、うん…」

鳳翔「…………」ジュプ

提督「んっ……!」ピクッ

鳳翔「…速く動かしますね」グッ

提督「あっ…は、うっ…」

鳳翔「ゆっくり息を吐いて…」

提督「すーっ……はぁー……」

鳳翔「よし…いきますよ」ズッ

提督「うぁ…あ…!」

鳳翔「力を入れて…そう、そのまま…」グリッ グプッ

提督「やっ、ひっ、んくっ…!あ、すごっ、い…!」ビクッ ブルッ

鳳翔「提督……!」ギュ グチュッ

提督「ーーーっ……!!ぁっ……!!」ビク ビンッ

提督「っはぁ………はぁ……」グッタリ

鳳翔「…………」ニュプ

提督「あうっ…」ピク

鳳翔「…お疲れ様でした、提督」カチャン

提督「あ…これ、もういいの…?」

鳳翔「はい、一度達しましたよね?」

提督「え、あ…う、うん…//」

鳳翔「慣れないうちからあまり弄りすぎると大変なことになるので、今日はここまでです」

提督「そっか…」

鳳翔「すみません、私のためにこんな朝から」

提督「あ、ううん、気にしないで。鳳翔さんの趣味を知られて嬉しかったし」

鳳翔「…はい、私も嬉しいです」

提督「それにしても…うぅ、まだお尻に違和感が…」サスサス

鳳翔「無理に動かない方がいいですよ、少し休んでいってください」

提督「うん、そうさせてもらうよ…」

鳳翔「お茶をお持ちしますね」

提督「ありがと…」

提督「そうだ、服着直しておこうっと…」

ゴソゴソ

提督「……暑いし、まだ上着はいいや…出るときに着よう」

パタパタ

鳳翔「どうぞ、冷茶です」スッ

提督「あ、ありがとう」

提督「…………」ジーッ

鳳翔「どうしました?」

提督「睡眠薬とか、入ってないよね?」

鳳翔「い、入れてません!もうっ!」

提督「あはは、冗談冗談」

提督「ふぅ……」

鳳翔「……あの、提督…」

提督「ん?」

鳳翔「その…本当によかったのでしょうか…」

提督「なにが?」

鳳翔「提督には加賀さんがいるのに、こんなことを…いくら許可をとったとはいえまずいのでは…」

提督「今さら言う?」

鳳翔「う…すみません、勢いで…」

提督「まあ…断らなかった私も悪いというか、そもそもの話なんだけどさ」

鳳翔「…?はい」

提督「私のことを好きでいてくれる人を拒むなんて、私にはできないからさ…うん、鳳翔さんは悪くないよ」

鳳翔「なんですか、その理論…」

提督「断らなかった私が悪い、ってこと!だから鳳翔さんは悪くないの!」

鳳翔「……ぷっ、ふふふ…そうですね、そういうことにしましょう」クスクス

提督「ふぅ……さてと、そろそろ行くね」

鳳翔「はい、先にお風呂で汗を流してきてくださいね。今日はゆっくりでいいですから」

提督「うん、わかった」

鳳翔「朝ご飯は大鯨さんに頼んでいますので、食堂で食べてください」

提督「うん」

鳳翔「あと、使ったタオルはカゴの中に入れておいてかまいません、あとで私が洗いますので」

提督「う、うん…」

鳳翔「あ、あとお皿もそのままにしておいてかまいません」

提督(長くなりそうだなぁ…)

鳳翔「あとは…」

提督「も、もうわかったから!ほら、鳳翔さんも一休みしてて!」グイグイ

鳳翔「え?私は…」

提督「いいからいいから!」グイグイ

鳳翔「は、はぁ…」

提督「ふー……それじゃあ、私は戻るね」

鳳翔「はい、加賀さんによろしくお願いします」

提督「うん…あ、そうだ」

鳳翔「?」

提督「その〜……なんだか、こっちの方も癖になっちゃいそう、っていうか……また、お願いしてもいいかな…?」

鳳翔「…!は、はい!」

提督「そっか、ならよかった…えへへ」

鳳翔「こ、今度は私の方からちゃんとお誘いしますので…よ、宜しくお願いします」ペコリ

提督「うん、それじゃまたあとでね」パタパタ

バタン



鳳翔「……やった……!!」グッ

おわり
クッソ紛らわしい書き方をした記事にシェルブリットぶち込んできます

提督「んー………」カリカリ

響「司令官、お茶だよ」コト

提督「ん、ありがと…」カリカリ

暁「司令官、もうちょっとで終わる?」

提督「んー…この書類で最後…」カリカリ

雷「しれいかーん、お腹空いたわー」

提督「……よし、終わったよ。電、これ向こうに置いといて」

電「はい、なのです……あれ?」ペラッ

提督「どうしたの?」

電「これ、あんまり見ない書類なのです」

提督「ああ、それ健康診断の控え」

雷「健康診断?」

提督「そう、今年まだ一回もやってなかったでしょ?なかなか暇がなかったからさ」

暁「そう言われてみればそうね」

電「あ…確かに全員分あるのです」ペラペラ

提督「まあ、近いうちにやっておこうかなーって」

雷「む〜、それは分かったけどお腹空いたわ!早く食堂に行きましょ!」グイグイ

提督「はいはい、引っ張らなくてもすぐ行くって」パタパタ

電「あ、電も行くのです!」パタパタ

響(健康診断か……どれどれ…)ペラッ

響「…………!!」サーッ

暁「響?どうしたのよ、そんな顔して」

響「………予防接種もある」

暁「え゛っ」

〜〜〜

食堂

加賀「はい、これ」ピラッ

瑞鶴「ん?なにこれ?」

加賀「向こうまで回して、一枚ずつね」

瑞鶴「だってさ、翔鶴姉」ピラッ

翔鶴「ええ、どうぞ」ピラッ

雲龍「健康診断…」

蒼龍「あー、毎年やってるやつかぁ」

飛龍「蒼龍、また大きくなってるんじゃないの?」ニヤニヤ

蒼龍「やだ、セクハラ!」ペシペシ

江風「ケンコーシンダン?なんだそれ?」

白露「この鎮守府、っていうかどこの鎮守府もそうだと思うけど毎年やってること!身長とか体重とか測ったり、ビョーキがないか調べるんだよ!」

海風「なるほど、確かに体調が優れない状態で戦うのは危険ですね」

江風「へー、白露の姉貴が珍しく姉貴らしいこと言ってンな!」ケラケラ

白露「普段からあたしが長女らしくないみたいな言い方でしょそれ!」プンスカ

夕立「うえぇ…予防接種もあるっぽい…」

村雨「まあまあ、これが終わったら提督からちょっといいご褒美があるみたいだからちゃんと受けましょう?」

夕立「ほんと!?なら頑張れるっぽい!」

時雨「あはは…相変わらず現金だね…」

提督「よいしょっ、と…」

パタパタ

白露「あ、提督が壇上に上がってる」

コンコン

提督「あーあー、テステス」

霧島「マイクチェックですか?バッチリですよ?」ガタッ

提督「う、うん、席についててね」

霧島「はい!」

提督(なんでテンション上がってるんだろ…)

「なになにー?提督歌うのー?」

提督「歌わない歌わない…はい、みんな手元の紙を見てねー」

提督「そこに書いてある通り、今日の10時から健康診断するからねー」

ザワザワ

ケンコウシンダンダッテー

シンチョウノビテルカナー

提督「はーい、静かにしてねー」

提督「えーっと、とにかく人数が多いから先に身体測定をしまーす。そのあとご飯食べて、内科検診に移るって行程ね」

エー?

ナンデサキナノー?

提督「体重増えた状態で量るの嫌でしょー?」

アーナルホドー

提督「そういうことだから、10時までに専用の服に着替えてもう一度食堂に集まってねー」

ハーイ

ザワザワ

キノウタベスギチャッター

アハハハ

提督「さてと、私も準備しないと…」

飛龍「お疲れ様ー」

蒼龍「健康診断ってことは今日一日みんな休み?」

提督「うん、そうなるね」

飛龍「なら午後は自由にしてていいの?」

提督「二時くらいになると思うけどね」

蒼龍「やったぁ!」

提督「あ、冬に向けて予防接種もあるからちゃんと受けなきゃダメだよ」

蒼龍「えっ………」

提督「それじゃ、またあとでね」

スタスタ

蒼龍「」

飛龍「うわあ、燃え尽きてる…」

加賀「ねえ」

提督「ん、なに?」

加賀「予防接種とあるけれど」

提督「うん」

加賀「その…注射をするの?」

提督「そうだよ」

加賀「…………」ガーン

提督「嫌なの?」

加賀「……いえ、大丈夫よ」

提督「あはは、私が子供の頃に比べたら今のはだいぶマシな方だよ」

加賀「そうなの?」

提督「うん、だから安心して」

加賀「……その言葉、信じるわ」

提督「そんなに気にすることかな…」

〜〜〜

提督「……これでよし、と」

暁「しれいかーん!この服動きづらいわ!」パタパタ

響「ひんやりする…」

提督「そういえばみんなは去年まで体操服だっけ、着心地はどう?」

暁「やだ!」

提督「そ、そう…」

武蔵「…………」

提督「もしかして武蔵も?」

武蔵「いや…少し違和感があると思ってな」

提督「違和感?」

武蔵「ああ、いつもより厚着だ」

提督「ぶふっ……」

雷「ねえ司令官、今年はいつもの係員の人っていないの?」

提督「うん、今回は大本営から下りた資金が少ないから機関に機材だけ借りてあとは自分で、って感じ。お昼の内科検診からはちゃんと来るけどね」

雷「へー、割とケチなのね」

提督「最近色々と厳しいらしいからねえ、少しでも経費削減したいんでしょ」

暁「司令官!身長測るから手伝って!」

提督「はいはい、じゃあしっかり背筋伸ばしてね」カチャ

暁「んっ」ピーン

提督「……………」

暁「〜〜〜〜っ……」プルプル

提督「てーい」コチョコチョ

暁「はにゃあ!?」ビクン

提督「背伸びしないの、ちゃんとぴったりかかとつけなさい」

暁「はーい…」

暁「…………」ソワソワ

提督「えーと……143.8、と…」カキカキ

暁「えーっ!?全然伸びてないじゃない!」

提督「ここに来たばっかりのときに比べたらだいぶ伸びたじゃない、あの頃は140もなかったし」

暁「二年でたったの7センチよ!?」

提督「十分だよ、きっとこれから伸びるでしょ」ナデナデ

暁「また子供扱いしてー!!」プンスカ

雷「電、測ってあげるわ!」

電「はい、お願いするのです」

カチャ

雷「えーっと……電、去年より伸びたわね!143.5よ!」

電「わあっ、6センチも伸びてるのです!」

暁「ふ…ふぅん、なかなかやるじゃない」

提督「電も大きくなったねー」カキカキ

電「えへへ…」

雷「電、次測ってー」

電「はい、なのです」

カチャ

雷「どう?」ソワソワ

電「143.6…電よりほんのちょっとだけ大きいのです」

雷「まっ、姉として当然ね!」フフン

暁「……………」

提督「雷、身長追い抜かれそうなんじゃない?」カキカキ

雷「まだまだ、私はもーっと大きくなっちゃうんだから!」

響「もういいかな」

提督「おっと、響がまだだったね」

電「じゃあ、響お姉ちゃん、どうぞ」

響「助かるよ」

カチャ

電「……あっ」

雷「んっ、なになに?」

提督「おっ?」

暁「どれどれ…んなっ!?146ぅ!??」

提督「すごーい!響、大きくなったね〜!」

響「フフ、照れるな」

暁「姉である暁を差し置いて145突破なんてぇー!どういうことなのぉ!?」プンプン

提督「まあまあ、すぐ追いつくよ」

暁「響のバカー!」

響「気のせいじゃないかな」

暁「んなわけあるかー!!!」

提督「じゃあ次私測るねー」

武蔵「ん、なら私が見てやろう」

提督「うん、よろしくね」

武蔵「これを頭に当てればいいんだったか?」メキキ

提督「いだだだだ!めり込んでる!めり込んでる!!」

武蔵「おっと、すまない」

提督「もー…ちゃんとやってよね」

武蔵「はは、慣れないものでな」

カチャ

提督「どう?」

武蔵「166.2、だな」

提督「んー、やっぱりもう変わらないかぁ」

電「でも、司令官さんは大きいと思うのです」

提督「あはは、そうかも」

武蔵「さて、最後は私だな。相棒、頼むぞ」

提督「はーい」

カチャ

雷「武蔵さん、ほんとにおっきいわよねえ…」

電「牛乳を飲めばちゃんと大きくなれる…はずなのです」

暁「暁もあれぐらい成長するかしら…」

響「さあ…」

暁「ちょっと、そこはそうだねとか言うところでしょ!?」

提督「………183.1、女の子でここまで身長高いってすごいねえ」

武蔵「ふっ、伊達に戦艦を名乗っちゃいないさ」

提督「んー…武蔵、この鎮守府で一番身長高いんじゃない?」カキカキ

武蔵「どうだろうな、大和とはどっこいどっこいだが」

提督「あとは霧島も180台だっけ、すごいなぁ」

武蔵「相棒も小さくはないはずだそうだが、私から見ると小さいな」グリグリ

提督「あっ、こら!髪が乱れるでしょ!」ペシ

武蔵「はは、お堅いな」

提督「触るならもっと優しくしてよね…」

武蔵「ほう、ならあの夜みたいに触ればいいのか?」

提督「………っ!!武蔵のバカ!!/////」スッパーン

武蔵「ぐあぁ!!」

提督「そういえばね」

武蔵「ああ?」

提督「身長が高い人って、頭を撫でられる機会が少ないから頭を撫でるとすごい懐かれるらしいよ」

武蔵「ほう、そうなのか」

提督「ちょっと試してみる?」

武蔵「はは、構わんが…この私がそう簡単に落ちるかな?」

提督「では失礼して…」

スッ

提督「いつも頑張ってくれてありがとうね、よしよし」ナデナデ

武蔵「……………」

提督「……どう?」

武蔵「なんともないが」

提督「そっか、ならただの迷信なのかなあ」スッ

武蔵「もうやめるのか?」

提督「嫌だった?ならもう少しだけ」ナデナデ

武蔵「……………」ニヘラ

提督「……………」スッ

武蔵「……………」

提督「……………」ナデ

武蔵「……………」ニヘ

提督「……………」ナデナデ

武蔵「……………」ニヘラ

提督(かわいい…)ナデナデ

提督「足が疲れてきた…」スッ

武蔵「む、なら私が屈もう」

提督「それはいいけど…そろそろ体重量ろうよ」クル

武蔵「待て、あと少しだけ」

提督「ダメ」

武蔵「ほんの少しでいいから!頼む!!」ヒシッ

提督「あとでやってあげるから」

武蔵「今がいいんだ!!」ガシッ

提督「今は身体測定の時間なの!!」グググ

武蔵「嫌だあああああああ!!!」ギュウウウウウ

提督「はなせぇええええええ!!!」ギシシ

武蔵「なでなでしてくれええええええ!!!!」グググ



暁「なにあれ」

響「さあ…」

スコーン

武蔵「うっっ」

ドサッ

提督「あ」

武蔵「」

大井「提督、大丈夫ですか?」

提督「お、大井…いや、私は大丈夫だけど武蔵は…」チラッ

大井「少し気絶させただけですよ、いくら戦艦といえど油断していればこれくらい造作もありませんウフフ」

提督「そ、そう…」

大井「ところで提督、バストサイズは測りましたか?」

提督「え?」

大井「その豊満なお胸は数値にするとどれほどのものなのでしょうか?バストだけではなく綺麗なお腹も小ぶりで可愛らしいお尻もぉ」ハァハァ

提督「い、いや、私はまだ測ってないから…」

大井「あっ、まだでしたか!では私がじっくり調べ上げさせていただきますね、さあっ、向こうのお部屋でふふっ、うふふふふ」ハァハァ

提督「うわぁ…」

球磨「……………」

ゲシッ

大井「ぐほぉ!?」ドザァ

球磨「大井から目を離したのが間違いだったクマ。提督、すまんクマ」

提督「う、うん、怒ってないから大丈夫だよ」

球磨「立て!向こう行くクマ!」グイ

大井「いたたたた!耳を引っ張らないでぇ!?」ズルズル

北上「ごめんねー、また大井っちがセクハラしてねー」

提督「あはは…慣れたものだよ」

木曾「今度キツく言っておくよ」

提督「まあ、治らないだろうけどね…」

北上「ふーちゃん、まだ身長しか測ってないの?」

提督「うん、今から体重量るところ」

多摩「なら多摩たちとは逆にゃ」

提督「多摩たちは先にスリーサイズ測ったんだ?」

多摩「そうにゃ」

提督「へー、成長してた?」

北上「あたしは……別に…」フッ

多摩「……………」

提督「うわっ、もしかして地雷踏んじゃった?」

木曾「俺は一応大きくなってたぞ」

提督「見せてくれる?」

木曾「ああ。ほら」ピラッ

提督「どれどれ………80-56-79……あ、80台に乗ってる!」

木曾「ふっ、成長しただろう?」

提督「改装してから一気に大きくなったねえ、身長も160突破して…だんだん大人の女性に近付いてきたね」

木曾「まだまだ、程遠いがな」

提督「ちなみに大井はいくつだったの?」

木曾「確か……85、55、82くらいだったか?」

多摩「ん、たぶんそれで合ってるにゃ」

提督「相変わらずのナイスバディだねえ」

多摩「多摩の方がお姉ちゃんなのに…」ズーン

北上「なんでだろうね…」ズーン

提督「ま、まだ成長の見込みはあるよ…うん…」

雷「しれいかーん、体重量らないのー?」

提督「え?ああ、先に量ってていいよ」

暁「もう量ったわよ?」

提督「えっ、ほんと?電は?」

電「電も量ったのです」

響「私もだ」ピラッ

提督「うわ、ほんとだ…」

木曾「どうやらお邪魔みたいだな」

北上「うん、あたし達もそろそろ行こっか」

多摩「それじゃ提督、また」

提督「あ、うん」

提督「電、ちょっと紙見せて」

電「はい、どうぞ」

提督「ありがと………ふむふむ、41キロかぁ」

暁「暁もそれくらいなんだけど…もしかして、太ってる?」

提督「ん?ううん、全然そんなことないよ。むしろ今はどんどん食べなきゃ立派な大人になれない時期だからね」

暁「! なら、いっぱい食べたら司令官みたいになれる?」

提督「うん、よく食べてよく寝て、よく遊ぶのが大事だよ」

暁「分かったわ!今日から、たくさんおかわりしちゃうんだから!」

提督「太りすぎない範囲でね」

武蔵「うぐ……」ムクリ

雷「あ、起きた」

提督「おはよう武蔵、気分はどう?」

武蔵「………よくわからん」フラフラ

提督「そっか、まあ大丈夫でしょ」

電(すごい適当なのです…)

提督「ほら、ここに立って」

武蔵「ん…?おお…そうだ、体重を量るんだったな…」

提督「動かないでねー………76.8、と…」カキカキ

武蔵「む、少し増えたな」

提督「割と筋肉質だからねえ、あと脂肪」

武蔵「脂肪?筋肉質なのに脂肪?」タユン

提督「そうそう、脂肪」

武蔵「さて、次は相棒だな」

雷「司令官、私が書いてあげるわ!」

提督「いいよ、私が書くから」

雷「そう?ならいいけど」

ガコン

提督「…………………」カキカキ

響「…………」ソッ

提督「なに?」バッ

響「な、なんでも」

響(くっ、ガードが固いな…)

暁「司令官、何キロだった?」

響(ナイス暁…!)

提督「ん?さあ、何キロでしょう?」ジロ

暁「うっ…?」タジ

響(な、なんて濁った目をしているんだ…)

提督「さて、次は胸囲その他もろもろを測りに行こうか」

響(結局聞けず終いか…)

雷「司令官、体重どれくらいあるのかしらねえ」

暁「身長高いからそれなりにはあると思うんだけど」

響(……そうだ、電は前に司令官の歳も知っていると言っていた…あれは言わないように司令官に口止めされたいるらしいが、去年の体重なら覚えてるかもしれない…!)

響「電、ちょっといいかな」

電「はい?」

グイ

響「司令官の体重、覚えてるかな?」ボソボソ

電「へ?は、はい、去年のなら…」

響(ビンゴ…!)

響「特に司令官に口止めされてるわけじゃないんだよね?」

電「えっと、はい」

響「なら教えてくれるかな?」

電「はい、確か……」

ガシッ

提督「二人ともなんの話してるの?」

響「!」

電「お姉ちゃんが司令官さんの体重を教えてほしいって…」

響「ばっ、電…!」

提督「へぇ〜、そうなんだ〜」

響「ち、ちがっ……司令官、やましい気持ちがあったわけじゃなくて、ただ興味があっただけで…」

提督「ふーん、なら私に聞けばいいのに」

響「う…」

提督「ふふっ、別にとって食べようってわけじゃないんだからそう怯えなくてもいいじゃない」

響「…………」ジリ

提督「でも、人に知られたくないことっていうのは女にはたくさんあるんだよね」

響「そ、そうだね」

提督「それをコソコソとバレないようにするのは……悪いことだよねえ?」スッ

響「……!」

クニ

響「ひゃっ!?」ビクン

提督「おしおき完了、と」スタスタ

響(な……今、何をされた…!?)

響(触られた…?それよりなんだ…この、下腹部の疼く感じは…)

響「…………//////」キュン

提督「はい、ばんざーいして」チキチキ

雷「ばんざーい!」バッ

提督「はい、腕下ろしてー」チキチキ

雷「はーい!」

提督「元気だねえ……」

雷「どう?測れた?」

提督「……うん、72.1。健康的だよ」

雷「やったわ!」

電「次、電も測ってもらっていいですか?」

提督「うん、お腹とお尻が終わってからね」

響「…………///」ボー

暁「……響?」

響「…………///」ボー

暁(どうしたのかしら…)

クニったのは下半身のどこかです
そういえばレーベくんをまだ持ってないことに気付いてそろそろ迎え入れようと思ってWiki見たんですけど最初からやろうとすると丸々二週間以上かかるんですね絶望しましたおつかれさまです

前スレから読んでくれてるのウレシイ…ウレシイ…
ここ最近まるでまとまった睡眠がとれていないので頭が回らず更新の手がカタツムリ並になってますが許してくださいうーちゃんがなんでもしますから

提督「お腹が56.4で…お尻が77.2と……うん、どれもいい感じ」

雷「ほんと?やった!」

電「司令官さん、次は電をお願いするのです」

提督「うん、じゃあ服の上から測る?それとも脱ぐ?」

電「えぇっと…」

提督「恥ずかしいなら服の上からでもいいけど、正確な数値は出ないよ」

電「な、なら脱ぐのです…///」グッ

提督「あ、全部脱がなくてもいいよ。じっとしててね」スル

電「ひゃっ!?」

提督「こうやって手を入れて測るだけでも大丈夫だからね」チキチキ

電「は、はい…//」

武蔵「なんだ、脱がなくても測れるのか」

提督「そうだけど…なんで?」

武蔵「いや、相棒は私が脱がせてやろうと思ってな」

提督「…………」

武蔵「じょ、冗談だ」

提督「もう……それに私は自分で測るから」

武蔵「なんだ、残念だな」

電「司令官さん?」

提督「ん…ああ、ごめんね。えっと…胸は74.6!一番大きいんじゃない?」

電「ほ、本当ですか?」

雷「えー!?私負けてるの!?」

提督「雷もこれから成長するって、大丈夫大丈夫」

提督「んしょ…」スルスル

電「んっ……」

提督「…い、電?その変な声は…」

電「あっ…ご、ごめんなさい、ちょっとくすぐったくて…」

提督「そ、そっか、すぐ終わるから我慢してね」

電「はい…」

提督(…なんだか、一度意識してしまうと…)チキチキ

電「あっ…」

提督(これって……すごく背徳的なんじゃ…)スッ

電「ん…」モゾ

提督(少しだけはだけさせて、服の中に手入れて色んなところまさぐってるなんて……)

電「やっ…///」ピク

提督(………興奮する!!)

提督(いやいや…何を考えてるの私、電はまだ子供、ろーちゃんと違ってまだお酒も飲めないようないたいけな子供)

電「ん…くすぐったい、のです…」プルプル

提督(あのときと違って見てる子もいるし、手を出すなんて大人として……そう、幼女に手を出してはいけない)

電「はっ……」ビク

提督「YESロリータ、NOタッチ!」

電「へっ?」

提督「お腹が56.9、お尻が78.7、全体的にふっくらして健康的だね」

電「あ、は、はい」

提督「さて、次は暁ー、おいでー」

暁「はーい」パタパタ

電「…………?」

提督(電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は違法電は)ドキドキドキドキドキドキ

提督「はぁ………」チキチキ

暁「司令官、どうしたの?疲れてるみたいだけど」

提督「いや……ちょっとね、短時間ですごい悩んじゃって」

暁「悩み?悩みがあるのなら相談に乗るわよ?」

提督「ああうん、そのことならもう解決したから大丈夫だよ」スルスル

暁「そうなの?」

提督「うん、ちょっと動かないでね」

暁「ええ」

提督「…………」

暁「ねえ、司令官」

提督「うん?」

暁「もしまた悩むようなことがあったら、遠慮なく言ってね?大人とかそういうのじゃなくて、単純に暁も司令官を助けてあげたい、って思ってるの」

提督「…………」

暁「ね?」

提督「……え?あ、ああ、うん、覚えておくね」

提督(天使だ…)

暁「どうだった?」

提督「んー、胸が73.5、お腹が55.5でお尻が76.4だったよ」カキカキ スッ

暁「あ、ほんと…むう、妹に負けてるなんてなんだか悔しいわ…」

提督「女の子の胸とかが本格的に成長してくるのは初潮が来てからだからねえ。ぶっちゃけた話、今の暁たちは比較してもそんなに意味はないと思うよ」

暁「そうなの?」

提督「うん、だから電が成長してるんじゃなくて、ただ暁がちょっと痩せ型なんだと思う」

暁「なるほど…」

提督「暁、体重とか気にしてあんまり食べないこととかあるでしょ?」

暁「えっ…そ、そんなこと…」

提督「本当は?」

暁「……ある」

提督「それはいいことじゃないよ、むしろ今は大事な時期なんだから。さっきも言ったけど、いっぱい食べて丈夫な身体を作っておかないと、立派な大人になれないよ?」

暁「そ、それは嫌!」

提督「ん、ならこれからは節制せずにちゃんと食べること。わかった?」

暁「わかった!」

提督「ピーマンもね?」

暁「う…わ、わかったわ!」

提督「よしよし、えらいえらい」ナデナデ

暁「あっ…も、もう…ちょっとだけなんだからね…///」テレテレ

木曾の大掃除ボイスいいですねこれ
次スレかこのスレの終盤あたりで冬の話と本筋の終わりが書けたらいいなと思ってます

ズイホウノハレギダァ…

響「……………」

提督「さてさて、次は響だねえ」

響「ん…あ、ああ…」

提督「ふふ、向こうの仕切りに行こっか」クイ

響「…うん……」

スタスタ

電「………?」

響「……………」

提督「はい、腕上げて」

響「ん…」

提督「ふふふ、元気ないみたいだねえ」チキチキ

響「そうかな…」

提督「さっきからずっと暗いよ?」

響「私は……いつも通りだ…」

提督「そう?んふふ」スルスル

響「ああ……」

響「………司令官」

提督「なあに?」

響「さっきの………その、あれは…」

提督「ん?ああ、あれはまだ知らなくていいよ」

響「え?そ、そうなのか…」

提督「うん、もっと大きくなってから教えてあげる」

響「そう、か……でも、司令官…」

提督「うん?」

響「なんだか…さっきから、変な感じがして…」

提督「へ?」

響「お腹のあたりが熱くて……疼くような…頭もぴりぴりして、痺れるみたいなんだ……」サスサス

提督「……………」

提督(ま、まずい…)

提督(ほんの少し遊ぶってつもりだったのに、ほ、本気で反応しちゃってる…)

提督(いくら小さいからといって、さすがにあんなところ触るのはまずかったかなぁ…)

提督(そうだよね…子供とはいえ女の子だもんね…)

提督(女の子………)

提督「はぁ〜……」モンモン

響「……司令官?」

提督「いや……私、つくづくダメな大人だなぁって…」

響「どうして?」

提督「まだ何も知らない女の子を弄ぶようなことをして…ごめんね?」

響「いや、それはいいけど……司令官がロリコンなのは今に始まったことじゃないし」

提督「うっ」

響「それで、この変な感じは…」

提督「ああ…しばらくしたら治るから、何か別のことを考えてるといいよ」

響「そうか…わかった」

提督「……………」

提督「……どうしても知りたいなら、教えてあげる」

響「…本当?」

提督「うん、でも、子供じゃいられなくなるよ」

響「え?ど、どうして?」

提督「犯罪だもん」

響「は、犯罪…」

提督「将来、大変なことになるかも…」

響「そ、それは嫌だ!」ブンブン

提督「ん、なら今のままね」

響「うん…まだ子供がいい…司令官に甘える側でいたい…」ギュ

提督「はいはい…」ナデナデ

響「……………」

提督(うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ断ってくれてよかったあああああああああああああああああああああああああああああああああああ)ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

提督最年少説浮上

提督「上から72.9、54.7、78.5ね…はい、戻っていいよ」スッ

響「司令官は?」

提督「私は自分で測っていくから、ちょっとだけ待ってて」

響「わかった…暁たちにも伝えておくよ」

提督「うん」

パタパタ

提督「………はぁ…」

提督「背徳とは、かくも人を狂わせるものなのだろうか……」

提督「…何言ってんだろ私」スル チキチキ

〜〜〜

提督「ふぅ…」スタスタ

暁「あ、戻ってきた」

提督「ごめんね、待たせちゃって」

武蔵「私ももう終わったぞ」

提督「…見せてもらってもいい?」

武蔵「なんだ、気になるのか?」

提督「まあ、ちょっとね」

武蔵「フフ、身体の隅々まで知られるのも悪くはないな」スッ

提督「そこまで意味深なものではないけど…ありがと」パラッ

提督「………………」

武蔵「どうだ?」

提督「……これ、間違ってないよね?」

武蔵「ああ、三回も測り直したぞ」

提督「一番上が3桁なんだけど…」

武蔵「そうだな」

提督「……ほんとに間違ってない?」

武蔵「卑怯な真似はしないぞ」

提督「むむ……去年からは千代田と雲龍が3桁台だったけど、今年からは武蔵もかぁ……」

暁「ちなみに司令官は?」

提督「私は九十………って、さりげなく言わせようとしないの」

暁「ぶー、ケチ」

雷「でも司令官もおっきいわよねえ」

電「3桁に乗っててもおかしくないのです」

提督「あはは…さすがにそこまでは…」

提督(このままだと乗りそうな気もするけど…)

照月「秋月姉、次これ?」

秋月「うん、私が測ってあげるから」

響「秋月型の二人だ」

提督「あの子たちも駆逐艦にしてはスタイルいいよねえ…」

秋月「えっと………あ、司令!この器具の使い方、これで合ってます?」

提督「ん?ああ、ちょっと待ってね」

提督「……はい、こうやって測るんだよ」

照月「おお〜」

秋月「なるほど、ありがとうございます!」ペコリ

提督「しかしあれだね…やっぱり二人ともスタイルいいね」

照月「そうですか?」

提督「うん、特に照月は出るとこ出てるし…駆逐艦とは思えないくらい」

照月「えへへ、照れちゃいますね」

提督「でも、照月と秋月で差があるのはなんでなんだろう?」

秋月「さあ…」

照月「さあじゃなくて、いつも照月にばっかり食べさせてるからでしょ?」

提督「食べさせてる?」

照月「はい、秋月姉ったら、いつも自分のご飯まで照月に分けてくれるんです」

提督「そうだったんだ…」

秋月「私はここに来てからたくさん美味しいものをいただいたので、照月にも食べさせてあげたくて…」

提督「そんなに遠慮しなくても、おかわりならあるのに」

照月「そうそう、秋月姉は遠慮しすぎなの!」

秋月「でも、照月がお腹を空かせたりしてたら大変だから…」

照月「照月はもっと秋月姉と一緒に食べたいの!少しでも二人で、ね?」

秋月「照月…」

照月「あ、今度は提督も一緒に……ってあれ?提督?」

提督「ごめん、あまりに美しい姉妹愛にまともな表情じゃいられないの」ササッ

照月「は、はぁ」

提督「……………」チラッ

照月「秋月姉もちゃんと食べなきゃダメなんだからね?」

秋月「うん、分かってる」

提督(しかし……二人ともほんとにいいスタイルしてるなぁ……)

提督(身長も160台だし…秋月も照月もあの安産型のお尻……誘われてるみたいで……)

提督「……………」

照月「提督?どうかしましたか?」

提督「……え?あ、ああ、なんでもないよ、うん」

照月「あ…もしかして、ご迷惑でした?」

提督「い、いや!そんなことはないよ!」

秋月「私たちみたいな子供と一緒に食べるのは恥ずかしいんじゃ…」

照月「えっと、じゃあどうしよう…」

照月「あ、そうだ!お酌くらいならできますよ!」

提督「え?」

照月「提督、夜になると時々一人でお酒を嗜んでいるので…たまにはどうですか?なんなら、照月も付き合います!」

提督「あ、ああ、うん…」

提督(ちょっと待って、お酒…お酒?二人ってお酒飲めるんだっけ?)

提督(ということはつまり…ご、合法?)

提督(酔ったら………お、お持ち帰り…できるのでは……)ドキドキ

照月「ね、秋月姉も飲めるでしょ?」

秋月「え?ええ、私は少しですが…司令にお付き合いできるのなら光栄です//」モジ

提督(姉妹丼…!?)ピクッ

照月「提督、それでどうですか?」

提督「いい、よ……うぐぅぅぅ……」モンモン

照月「……??」

電「司令官さん、何をしてるのでしょう」

武蔵「さあ…彼女なりに苦悩することもあるんじゃないか?」

雷「司令官も大変ねえ」

夕張「はーい、測定が終わった人はこちらで用紙を回収しますよー」

響「あ、夕張さん」

夕張「あなたたちも測定終わった?」

暁「ええ、ばっちりよ」

武蔵「ほら、これで相棒以外の全員分だ」スッ

夕張「ああ、ありがとうございます」トントン

雷「そういえば、去年も夕張さんがシート回収してたわね」

夕張「ええ、データ統計をとるのは私の仕事だから」

暁「ねえ、ということは司令官のもあるの?」

夕張「もちろん!」

響「!」

武蔵「ほう、興味深いな」

雷「私も聞きたいわ!」

夕張「じゃあ読み上げていくわね。えーっと……あ、大淀さんから今年のデータも届いたからそれと比較してみましょうか」

夕張「身長が…去年のもので166.1、今年が166.2ね」

暁「全然変わってないのね」

電「もう大人って感じがするのです」

夕張「で…体重が62.7から64.8と」

雷「太った?」

武蔵「筋肉の分なんじゃないか?」

響「なんだ、別に隠すほどのものではないな…」

暁「まあ司令官も女の子だから、隠したいこともあるんでしょうね」

夕張「スリーサイズも見る?」パラパラ

暁「見る!」

響「一番気になる項目だ」

夕張「んっと………うわ、やっぱり大きいのねえ…羨ましい…」

武蔵「いくつなんだ?」

夕張「まず上ね。去年は93.8」

響「93!?」

雷「お、およそ94…」

夕張「ほんとにふくよかよね…でも、驚くべきはそこではないのよ」

暁「へ?」

夕張「なんと、今年は96.9!去年より3センチ以上大きくなってるのよ!?」

響「なんだって!??」

武蔵「まだ成長するのか…」

夕張「一昨年から比較すると8センチも成長してるわ!このままいけば蒼龍さんと並ぶんじゃない!?」

響「最高だ………」

提督「………………」

武蔵「あっ…」

夕張「ちなみに提督のは加賀さんよりちょっと大k

タンッ

ビュッ

夕張「」

ミシッ……

暁「」

響「」

雷「」

電「」

武蔵「」

夕張「ぐぼほぉああ!?」

ズゴガガシャアン

バッ

提督「んー!?夕張ィ、誰のが大きいってえ!!??」ユッサユッサ

夕張「うっうっうっ」ガクガク

提督「答えたらどうなのさぁ!!ほらぁ!!!」ユッサユッサ

夕張「あっあっあっ」ガクガク

暁「アレ、もう意識ないんじゃ…」

響「ああ、完全にグロッキーだ…」

雷「すごかったわね…」

電「は、はい…」

武蔵「シャイニングウィザード…あそこまで綺麗に決まるものなのか…」

夕張「」チーン

提督「………さて」クルッ

響「」ビクッ

提督「みんなは今夕張から何か聞いたっけ?」

武蔵「え?」

提督「何も聞いてないよね?」

暁「い、いえ…司令官の胸の大きさを」

提督「…………」スッ

カツン☆

暁「うっ?」

提督「暁、今ここで聞いたことは?」

暁「え?なんのこと?」

響「!?」

提督「で?他は?」

響「ひいっ!!」

電「な、なにも聞いてないのです!」ブンブン

提督「そう、ならいいけど。じゃあご飯食べに行こっか」

スタスタ

武蔵「……………」

雷「司令官って…ほんとに怒らせちゃいけないのね…」

響「ああ……」

暁「え?え??」

青葉「よっと!」ヒョイ

青葉「ふぅ、ここなら安心かな」

カチ

青葉「おー、撮れてる撮れてる♪」ピッピッ

青葉「ふむふむ……今年は166.2、体重が64.8と」

青葉「お待ちかねのスリーサイズは………」ピッ

青葉「………ほー、96.9!やっぱり大きくなってるんだ!」

青葉「司令官、普段は厚着だから気付きにくいけど脱いだらすごいからなぁ…」

青葉「お腹が66.5でお尻が78.4…いい身体してるなあ」

青葉「さて、これはメモしておいて…」ゴソゴソ

パシュンッ

青葉「!?」

青葉(う、撃たれ……)クルッ

加賀「……………」ブゥン

青葉「ひっ…!」

加賀「消せ」

青葉「へっ!?」

加賀「消すか消えるか、選びなさい」

青葉「ひぃ!?にっ、逃げ

加賀「是非もないわね」ブゥン

ドドドドド

\ギャアアアアアアアアア!!!!!/

雷「ん?」

武蔵「今、誰かの悲鳴が聞こえたな」

提督「……………」ボー

暁「司令官?」

電「食べないのですか?」

提督「…え?あ、ああ、食べるよ」

響「考え事?」

提督「うん…」

武蔵「そんなに大きい悩みなのか?」

提督「いや、大したことじゃないんだけど…」

暁「なになに?なんで悩んでるの?」

提督「んとね…今年の夏休み、もらえるかなーって」

雷「え?毎年もらえるんじゃないの?」

提督「それはまあそうなんだけど…向こうからくれるんじゃなくて、こっちから申請しないといけないんだよね」

響「へえ、そうだったのか」

電「でも、一昨年も去年もあったのに…どうして今年は?」

提督「今年だけじゃなくて一昨年からもそうだったんだけどさ…日本って、とにかく働くことを是とする風潮があるんだよ」

武蔵「そんなことをしたら身体を壊すんじゃないのか?」

提督「実際過労で倒れる人も多いからねえ…」

提督「それで、同調圧力っていうのかな…みんな働いてるんだからお前だけ休むのはどうなんだ、みたいな無言のプレッシャーをかけてくるんだよ」

武蔵「世間は冷たいな」

提督「そうなんだよねぇ…」

暁「でも、司令官も結構偉い立場なんじゃないの?ちょっと顔を利かせれば休みなんていくらでも…」

提督「別にできないことはないんだけどさ…私、ほぼ成り上がりで今の階級になったから昔から軍にいる人にはあんまり良く思われてないんだ」

雷「そんなの、別に気にすることないじゃない」

提督「でもねえ…毎年やってるから、さすがにそろそろ受理してくれなくなるんじゃないかな…」

暁「えぇー!?夏休み、なくなっちゃうの!?」

提督「まあ、一応かけあってみるけど…たぶん大丈夫だよ、なんとかする」

暁「ほんと!?やったぁ!」

〜〜〜

提督「さてと、次は内科検診だね」

役員「はーい、用紙の記入はこちらで行いますので順番に並んでくださいねー」

暁「これは視力検査よね?」

役員「はい、所定の位置に立ってあの記号の形を答えてくださいね」

響「確かこのスプーンを目に当てるんだったかな」

提督「ふふ、それは遮眼子っていうんだよ」

雷「へぇー、知らなかったわ」

提督「ちなみにあの記号はランドルト環って名前だよ」

暁「司令官、物知りねえ」

役員「あら、ずいぶんとお詳しいのですね」

提督「ふふ…昔、医療の分野を学んでいたもので」

役員「うふふ、素敵です」

役員「4番目の記号は?」

暁「下!」

役員「5番目は?」

暁「んー…上ね!」

役員「………はい、お疲れ様でした。すごいですね、よく見えています」

暁「ふふん、当然よ!」

提督「やっぱり若い子は目がいいねえ」

電「電もすごいって言われたのです」

提督「ふふ、よかったね」

役員「提督さん、次どうぞー」

提督「あ、はーい」

役員「眼鏡は外してくださいね、まずは裸眼で検査しますので」

提督「あ、はい」

カチャ

役員「では、1番目は?」

提督「えーっと……右?」

役員「はい、2番目は?」

提督「んん…上…かな?」

役員「…3番目は?」

提督「うー………し、下…」

役員「………はい、お疲れ様でした。裸眼だとほとんど見えていないようですね」

提督「う、やっぱり…」

役員「では、眼鏡をお掛けください」

提督「はい」

カチャ

役員「1番目は?」

提督「下」

役員「2番目を」

提督「左」

役員「はい、3番目」

提督「下」

役員「4番目をどうぞ」

提督「上」

役員「5番目は?」

提督「右」

役員「…はい、お疲れ様でした。眼鏡はよく見えていますね」

提督「えへへ、ありがとうございます」

役員「その眼鏡……いつ頃から掛けられているのですか?」

提督「これは…確か、中学生の頃ですかね」

役員「フレームもつるも、何度も修繕されているようですが…大切なものなのでしょうか」

提督「はい、親友にもらったもので」

役員「うふふ…素敵だと思います、この眼鏡も、持ち主であるあなたも」

提督「え?は、はあ」

武蔵(また目をつけられたのか…)

役員「あなたのこと、もっと知りたくなりました。どうですか?この後お食事にでも…共に眼鏡について語らいましょう」

提督「え、えーっと…」

武蔵「おっと、そういう話はこれが終わってからにしてくれよ」ズイ

役員「ああ…すみません、少し熱くなってしまいました」

提督(この人も眼鏡好きなのかな?)

役員「はい、1番目を」

武蔵「右」

役員「2番目」

武蔵「上」

役員「3番目は?」

武蔵「右」

提督「すごーい…」

電「全部当たってるのです…」

役員「4番目をどうぞ」

武蔵「下」

役員「最後に5番目」

武蔵「下」

役員「………はい、お疲れ様でした。眼鏡がないのによく見えていますね。伊達眼鏡ですか?」

武蔵「いや、私のは電探だ」

役員「で、電探?」

武蔵「ああ、それも特注の物でな。敵の生体反応を検知したら直接私の脳に特殊な信号が…」ペラペラ

役員「は、はぁ…」

提督「ああ…ほら武蔵、係の人が困ってるから」グイ

武蔵「うお」

提督「すみません、この子達、あんまり外の世界の知識がなくて…」

役員「いえいえ、そんな便利な眼鏡もあるのだなと…関心を惹かれました」

武蔵「いや、眼鏡ではなくて…」

提督「もう!次行くよ!」グイグイ

武蔵「わかったわかった、押すなって」

提督「それでは、失礼しますね」

役員「ええ」フリフリ

パタパタ…

役員「……ちぇっ、素敵な眼鏡さんだったのに…」

役員「………あとで連絡先聞いてみようかしら」

提督「うーん………」

武蔵「どうかしたのか?」

提督「いや……眼鏡好きな人って結構いるもんだなって」

武蔵「結構?」

提督「ああうん、今ちょうど思い出したことがあって」

武蔵「ほう」

提督「中学の頃に付き合いがあった後輩の話なんだけどさ、その子が芸能事務所のプロデューサーになったらしくてね」

武蔵「よくわからんが、いいことなんじゃないのか」

提督「うん、やっと定職に就けたって喜んでた。で、その子が担当してるアイドルの一人に、眼鏡大好きな子がいるんだって」

武蔵「はぁ」

提督「一度お話してみたいよねえ…」

武蔵「そ、そうか…?」

提督「ところで武蔵は眼鏡にこだわりってある?」

武蔵「え?いや、私は…」

提督「え?」

武蔵「うっ…!」

武蔵(な、なんだこの…鉛筆でぐりぐりと塗りつぶしたような真っ黒な目は…!?)

いつか出そうと思ってたネタを先読みされた(小声)

役員「ピーという音が聞こえたら手元のボタンを押してくださいね」

暁「……………」

響「……………」

雷「……………」

電「……………」

提督「……………」

武蔵「……………」

ピー

暁「やー!!」カチッ

雷「あー!!負けたー!!」

武蔵「くっ、出遅れたか…!」

提督「私も押した!今押したよね!?」

役員「え、えぇ…皆さん、よく聞こえているようで…」

暁「ふふん、暁が一番なんだから」

電「こ、今度は負けないのです!」

雷「もう一回よ!もう一回!」

役員「は、はぁ…」

武蔵「ぐう……まさか相棒がここまで鋭い反応をするとはな…」

提督「ふふん、軍人たるものこれくらいはね」

武蔵「目は悪いが耳は良いか…」

武蔵「……………」

武蔵「相棒」

提督「なに?」

武蔵「愛してるぞ!」

提督「え?何か言った?」

武蔵「……!?」

役員「あ、望月さん」

望月「んあ、なに?」

役員「少し耳垢が溜まっているようですね。音が聞こえづらかったりとか、呼びかけられたとき反応が遅いと言われたりしませんか?」

望月「あー……あるかも」

役員「体質的に、よく溜まる人は定期的に耳掃除をしないとすぐに聞こえづらくなりますからね。この検診が終わってから、ちゃんと掃除してください」

望月「あーい」

提督「ほら、いつもイヤホンしてるからすぐ溜まるんだよ」

望月「そうかもなぁ」

提督「たまには耳を休めないと、ほんとに聞こえなくなっちゃうかもしれないよ?」

望月「んー…それは嫌だな…司令官の声が聞こえなくなるし」

提督「なんなら私が耳かきしてあげようか?」

望月「マジ?頼むわ」

提督(望月もまだ子供だなぁ…)

〜〜〜

提督「…………さて、予防接種だけど……」

役員「……来ませんね、駆逐艦の子達…」

提督「あはは…まあ、例年通りというか…」

武蔵「どうするんだ?」

提督「んー…とりあえずすぐ呼べる子だけ呼ぼうかな」

飛龍「何か方法があるの?」

提督「うん、まあ見てて」

提督「すぅ………時津風ー!!お菓子あるよー!!」

バァーン!!

時津風「なになに!?お菓子!??どこ!?」

提督「はい確保ぉ!!」ガッシィ

時津風「ふぎゃー!?」

役員「はーい、動かないでくださいねー」

時津風「ひぃっ!?いやっ、やだやだ!!」バタバタ

提督「今のうちにやっちゃってください」ガッチリ

時津風「あーーっ!!??あーーっ!!!!」

役員「あはは…すぐ終わりますから…」

チクリ

時津風「っーーーー………!!!」

役員「………よし、と。もう終わりましたよー」

時津風「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!しれぇが嘘ついたあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」ビエエエ

提督「はいはい、騙してごめんね…ほら、黄金糖あげるから」

時津風「ほんと!?食べる!!」

武蔵(それでいいのか…)

提督「さて、次を呼ぼうか」

時雨「っ………ふぅ」

提督「お疲れ様、時雨」

時雨「やっぱり、注射は慣れないな…」

提督「まあ、身体に異物が入るのは怖いよね…ちょっと痛いし」

夕立「提督さんは平気っぽい?」

提督「ん?うん、私はあんまり怖くないよ」

夕立「う〜…なら、夕立も頑張るっぽい!」

提督「ふふ、頑張ってね」

飛龍「………健気だねえ」

提督「ねー」

飛龍「子供みたいな大人もいるけどね」

役員「じっとしてなきゃ刺せませんよ?」

蒼龍「ひいぃ!やだやだやだぁ!!」ブンブン

提督「あはは…」

飛龍「しかしあれだよねえ、提督って注射も怖くないし怪談話も平気だし、怖いもの知らずって感じするよね」

提督「んー…そうだね、恥ずかしがりだけど物怖じはしない子って昔から言われてたよ」

飛龍「へえ…それはそうと、加賀さんって怖い話とか苦手だよね?」

提督「ああ…本人は隠してるつもりだけど…」

飛龍「加賀さん、演習中にあくびしたりとか…意外と可愛らしいところあるんだよ」

提督「うん、執務中とかでも退屈になったら足をぱたぱたさせたり…暇なら赤城のところ行ってもいいよ、って言ったらあなたのそばにいたいのって言ってきたり…」

飛龍「そ、そう」

飛龍(やば、惚気話始まっちゃった…)

飛龍(素面じゃとても聞く気にはならないなぁ…)

提督「あとね、書斎でペンギン大百科読んだりとか…」

飛龍「あ、あー、ねえ、提督?」

提督「ん、なに?」

飛龍「えーっと………そう、前にやった怪談話でさ、書斎の奥から変な声がするっていうのあったでしょ?」

提督「うん、あったね」

飛龍「それで、瑞鶴があの書斎の奥に地下に続く道がある…っていう夢を見たって言ってたんだけど、もしかしてほんとにあったりする?」

提督「……飛龍も知っちゃったか」

飛龍「え?」

提督「…ふふ、冗談だよ。どうだろうね、気になるんなら今度調べてみる?」

飛龍「え、あ、ああ…うん…?」

提督「ねえ、飛龍」

飛龍「…え?な、なに?」

提督「もし………もしだけどさ」

飛龍「う、うん」

提督「その書斎の奥に、なにかあったらどうする?」

飛龍「なにか、って…」

提督「そこで、誰かが人に言えないようなとんでもないことをしてたらどうする?みんなに言いふらしたりとか…」

飛龍「えっ、と……私は黙っておいた方がいいと思うよ…?」

提督「………そっか、そうだよね…」

飛龍「………?」

提督「……………」

卯月「わああああん!ふーちゃああああん!」ガバッ

提督「うわっと」

卯月「お注射怖かったぴょ〜ん!慰めてほしいぴょん…」ギュー

提督「はいはい…」ナデナデ

卯月「んふふ〜♪」

文月「あ〜!お姉ちゃんばっかりずるい〜!」タタタ

提督「よしよし、文月も頑張ったね」ナデナデ

文月「えへへぇ」

加賀「はいこれ、この子達の診断書」

提督「ああ、ありがと…うん、どの子も異常なしだね」

飛龍「……………」

加賀「……?どうかしたの?」

飛龍「……え?ああ、いえ…今日の夕飯、なんだったかなって」

加賀「珍しいわね、あなたがそんなことを言うなんて」

飛龍「あはは、ちょっとお昼の量が少なかったかなー…なんて…」

加賀「そう…なら夜はしっかり食べることね」

飛龍「はい…」

提督「さてと、これでだいたいの行程は終わったかな。加賀、まだ終わってない子は執務室にシート持ってくるように言っておいて」

加賀「ええ」

提督「それじゃ、私は先にまとめておくから」

パタパタ

〜〜〜

電「司令官さん、これ、ファイルにまとめておいたのです」

提督「ああ、ありがとう。もう戻ってていいよ」

電「はい、失礼するのです」ペコリ

パタパタ

バタン

提督「……うん、これで全員分かな」パラパラ

提督「ふぅ………」ギシッ

提督「…………さてと」





「夏休み、もらえるかなぁ……」

健康診断編おわり
大きさ的には提督>加賀>赤城になります

提督「………ということで、夏期休暇の申請をしたいのですが」

『夏期休暇ねえ……構わないが、他の艦隊が深海棲艦の撃滅に精を出しているというのに、君の艦隊はその時期に休暇を取りたいと?』

提督「ええ、何か問題でも?」

『…他の艦隊を率いている提督たちに申し訳ないとは思わないのかね?』

提督「確かにそうは思いますが…先日の大規模作戦、甚大な戦果を挙げたのは我が艦隊ですが?」

『む……』

提督「それに、この疲弊した状態で出撃を重ねれば艦隊の損害が必要以上になる可能性もあります。そうなったときの責任は誰が負っていただけるのでしょうか」

『それは……』

提督「我々には休暇が必要なのですよ。夏期休暇の申請、受理していただけますよね?」

『ぐ………。……許可証を刷っておく…』

提督「ふふっ、三割増しでお願いしますよ」

『……………』

プツッ

提督「ふぅ……」

暁「どうだった?」ソワソワ

提督「うん、食堂にみんなを集めて」

電「!」ピコーン

雷「ということは…!」

提督「ふふ、そういうことだよ」




「「「夏休みだー!!!」」」

〜〜〜

加賀「ということで…」

提督「今日から約50日間、夏休みだけど…」

電「はい………」

加賀「…………」ダラダラ

提督「…………」ダラダラ

電「…………」ダラダラ



「「「暑い……」」」

加賀「前まで置いていたビニールプールはないの…?」

提督「睦月型に貸し出し中…」

電「エアコンは…?」

提督「節電中…」

響「…………」

提督「響…大丈夫…?」

響「………暑い……」

提督「すごい汗だね…」スッ フキフキ

響「……どうして日本の夏はこんなに暑いんだ……」

提督「ああ…ロシアはこんなに暑くなかったもんね…」

響「………何もする気がおきない…」

加賀「暑い………」

提督「………暑いならみんなくっつくのやめようよ…」

バタバタバタ……

バァン!

夕立「提督さん!あたし達、海に行ってくるっぽい!」

提督「…海?泳ぎに行くの?」

村雨「ええ、水着なのを見れば分かるでしょう?」

提督「それもそうか…」

夕立「それじゃ、行ってくるっぽい!」バッ

白露「あー!!待ってよ、あたしが一番乗りなんだからー!!」

時雨「あ、浮き輪!」

バタバタバタ……

加賀「…白露型の子達はみんな行ったみたいね…」

提督「うん…子供だけで行くのは危ないし、私たちも行こうか…」

響「………外に、出るのか………」

提督「テント建てるから…そこでじっとしてるといいよ」ポン

響「…ああ…」

蒼龍「夏だ!!」

飛龍「海だ!!」

二人「「水着だあああああああ!!!!!」」

ドドドドド

アハハハハ

ツメターイ

提督「はぁ……」

加賀「元気ね…」

響「…………」

提督「ほら響、テント建てるから…向こうで待ってて」グイ

響「ああ……」

提督「よいしょ…」

ガタンッ

加賀「ふぅ…」

提督「これで日陰は確保だね…響ー」

響「…………」ダラダラ

提督「よく頑張ったね、歩ける?」

響「…………」フルフル

提督「そっか…じゃあほら、ちゃんと日陰まで運んであげるね」グイ ギュ

響「ああ……」

文月「しれいか〜ん、喉渇いた〜!」パタパタ

提督「ああうん…お茶でいい?」

文月「うん、ありがと〜!」

提督「水分補給はこまめにしてね、危ないからね」

文月「は〜い!」

パタパタ

深雪「司令官、ゴーグルある?」

提督「はいはい、あるよ」ゴソゴソ スッ

深雪「サンキュー!ちょっと潜ってくる!」

提督「あんまり遠くまで行っちゃダメだよ?みんなの目の届くところで遊ぶんだよ」

深雪「分かってるって!それじゃ!」

響「うう…」

提督「響、暑い?バケツに水入れてくるね」

パタパタ

加賀(忙しそうね…)

チャプン…

響「はぁ……」

提督「どう?冷たい?」

響「ああ…ひんやりして気持ちいいよ……ありがとう、司令官…」

提督「響、髪濡らしたくないもんね…泳いで涼むのは嫌かな」

響「すまない…私のために…」

提督「いいよいいよ、もし倒れたら大変だし…はい、タオル」ペタ

響「ありがとう…」

提督「ほら、加賀も」スッ

加賀「助かるわ……」

提督「はぁ…この暑い中みんな元気だなぁ…」

バタバタ

蒼龍「こらー!そこの暑いの苦手族ー!海に来て泳がないとはどういうことだー!!」ブンブン

飛龍「そうだそうだー!!」ブンブン

提督(二人ともすごい揺れてるなぁ…)

暁「司令官は泳がないの?」

提督(暁の水着……というか雷も電も可愛らしいなぁ…)

雷「そうよ、もしかして司令官、泳げないの?」

提督「いや、泳げないわけじゃないけど…」

電「水着がないのですか?」

提督「ううん、一応去年のがあるよ」

暁「じゃあなんで泳がないの?涼しいわよ?」

提督「あー…私は、みんなが溺れたりしないか見てるから…」

蒼龍「ははーん…提督、さては恥ずかしがってるなぁ〜?」

提督「う……」

飛龍「水着で人前に出るのがそんなに恥ずかしいんだ?」

提督「………まあ、そうだけど…」

雷「大丈夫よ、ちょっと肌を見せるぐらい!それに裸なんてお風呂入る時たまに見られてるじゃない!」

提督「それとこれとは話が…」

暁「水着あるのに着ないのはもったいないでしょ?」

提督「むぅ……でも、やっぱり恥ずかしいし…」

蒼龍「あー、提督の水着姿見てみたいなぁー」

飛龍「あっそうだ、加賀さんはどうですか?提督の水着姿、見てみたくないですか?」

加賀「…私は……」

蒼龍(言え…!)

飛龍(言え…!)

そんなこと言ったら霧島だって出撃する時も眼鏡かけてるじゃないですか!!!眼鏡っ子にだってこだわりはあるんですよ!??

加賀「………そうね、私も見てみたいわ」

提督「うー…」

加賀「駄目かしら」

提督「……まあ、加賀がそう言うなら…いいけど…」

蒼龍(やった…!)

飛龍(やっぱり提督は加賀さんに甘い…!)

提督「それじゃあ、ちょっと着替えてくるから…加賀、響が倒れたりしないか見ておいてね」

加賀「ええ」

スタスタ…

蒼龍「…………〜〜!!」ガッシィ ポンポン

飛龍「ッ!ッ!!」ギュ ブンブン

加賀「え…え……??」

加賀「……………」

響「…みんな、元気だな…」

加賀「ええ……この暑さの中とても遊ぶ気になれないわ…」

響「……加賀さんは水着にならないのか?」

加賀「私は別に…あるにはあるけれど」

響「そうか……」

加賀「あなたは?」

響「私もあるけど…髪を濡らしたくないから…」

加賀「そう…」

蒼龍「う〜ん」

飛龍「提督、まだかな〜」

「お待たせ〜」

提督「ごめんね、サンダルどこにしまったか忘れちゃって…ちょっと時間かかっちゃった」パタパタ

蒼龍「!!!」ズキューン

飛龍「!!!」ズキューン

加賀「」ズキューン

提督「一人で選んだから似合ってるかどうか分からないけど……ど、どう?」モジ

蒼龍「うああ……あああああぁぁぁ………」ガクッ

飛龍「可愛い………可愛すぎるぅぅうう……」ガクッ

加賀「綺麗よ、とても」

提督「そ、そう?ふふ、よかった//」

蒼龍「何が可愛いってさあ!!!」グアッ

提督「うわっ」ビクッ

蒼龍「まずその花柄のパレオ!!せめて脚だけでも隠したいっていう提督の照れ屋なところが表れてて可愛い!!!」

飛龍「薄緑と白のカラーリングが爽やかで!清純で!!可愛い!!!」

提督「へっ//」

蒼龍「でも全部隠しきれてないのが可愛い!!スリットがあるみたいでちらりと見えてる太腿が健康的でまぶしい!!!」

飛龍「きめ細かくて艶のある肌が美しい!!白い肌が羨ましい!!」

提督「ちょ……///」カアアア

蒼龍「きゅっと締まったお腹!形のいいおへそ!そしてフリルとかで隠せないくらい大きい胸とシンプルなビキニがあああああああ!!!!」

飛龍「あああああああ!!!!」

二航戦「「可愛い!!!!!」」

提督「あぅ………/////」ブシュウ

蒼龍「ぜぇ…ぜぇ…」

飛龍「はぁ…はぁ…」

提督「…………」

蒼龍「……でさ」

提督「う、うん」

蒼龍「水着になっても外さないその眼鏡がさ」

提督「うん」

蒼龍「提督らしくて好きです。ありがとうございます」ペコリ

提督「ど、どうも…」

足柄「あら、提督も着替えてるじゃない!」

提督「ん、足柄…」

足柄「どうしたの?ついに今年は遊ぶ気になった?」

提督「まあ、そんなところかな」

足柄「なら、オイル塗ってあげるわ!せっかくなんだから肌焼きましょう!」グイ

提督「えぇっと…」

雷「たまにはいいじゃない、司令官も日焼けした方が可愛くなるわ」

電「はい、きっといいイメージチェンジになるのです」

提督「まあ…みんながそう言うなら…」

足柄「そうと決まれば、ほらっ!向こうにパラソル立てておいたから!」グイグイ

提督「あー、塗り終わったらまた来るね」

暁「待ってるわ!」

足柄「ほら、そこに寝転がって?」

提督「こう?」ゴロン

足柄「あー、そっちじゃなくてうつ伏せね。正面も私に塗って欲しいの?」ニヤ

提督「そ、それは自分でやるかな…」クル

足柄「ふふ、素直ね」ピュッ スリスリ

ペタ

提督「ひゃっ!?」ビク

足柄「あら、冷たかった?」

提督「う、うん…それもあるけど、いきなりだったから…」

足柄「ごめんなさい、気を付けるわ」

足柄「塗るわよー?」スッ

提督「うん」

足柄「…………」ピタ

足柄(提督のお肌、すごい綺麗ね……雪みたいに真っ白…)

足柄(…ん?こ、この状況ってもしかして…合意の上で身体を触ることになるんじゃ……)

足柄「………………」ゴクリ

提督「……足柄?」

足柄「へっ!?あ、ああ、ちょっと珍しい鳥が飛んでたものだからね!思わず見つめちゃってたわぁ!あははは!」

提督「そ、そう…」

足柄「じゃ、じゃあ塗っていくからね、おほほほ」

提督(急にどうしたんだろ…)

足柄「まず背中からね…」ペタ

提督「こういうの、初めてなんだけど…結構冷たいものなんだね…」

足柄「そうね、でも暑い時には気持ちいいでしょ?」ヌリヌリ

提督「うん、ひんやりしてる…」

足柄「よいしょっと」グイッ

提督「あ、ちょっ!?」

足柄「なに?」

提督「そ、そんなに引っ張ったらズレちゃう…」

足柄「でもそうしないと全体に塗れないでしょ?変な焼け方になるわよ?」

提督「う…なら、仕方ないか…」

足柄「安心しなさいって、変なことはしないから」

提督「うん…」

足柄「というか、紐なのね。提督にしてはなかなか攻めてるじゃない」ヌリヌリ

提督「これしかなかったから…」

足柄「へぇー」

足柄「パレオ、ずらすわよ?」

提督「うん」

スッ

足柄「ちゃんと足も塗らないとね…って」

ヌリヌリ…

提督「…………」

足柄「足、綺麗ね〜…結構筋肉もあるし、憧れちゃうわ…」ツー

提督「……んっ」ピク

足柄「!?」ピタ

提督「あ、ごめん…ちょっとくすぐったくて…」

足柄「あ、ああ…ごめんなさい、弱すぎたかしら」

提督「いいよ、続けて…」

足柄「え、ええ…」スッ

ピト

足柄「…………」ドキドキ

足柄(さ、さっきの力加減じゃダメなのよね…じゃあもっと強く?いや、それじゃ痛いかもしれないし…)ヌリ…

提督「っふ……」ビク

足柄「!!??」

足柄(い…いや、違うわ!提督がくすぐったがりなのは知っているわ!こんなのいつも通りよ!)スリスリ

提督「あっ…ん、ぅ……」

足柄「もうちょっと我慢してねー、すぐ終わらせるからねー」ドキドキ

足柄(次は内腿………ッ!?)

足柄(え……!?こ、これ…ぬ、濡れ……)

足柄(そ、そんなはず………でも…いや、えっ…!?)

提督「んん……」

足柄「!!」ドキッ

足柄(こ、この反応…ビンゴなの……!?)ドキドキドキドキ

提督(人に身体触られるってくすぐったいし、緊張するし…汗かいてきちゃったなぁ…)

足柄(ど…どうすればいいの…?こ、このままヤっちゃってもいいの…!?で、でも、提督には加賀さんがいるし…)

提督(なんだろう、足柄の動きが止まったけど…オイル切れちゃったのかな…)

足柄(いや………い、一度くらい…私は、私は!ひと夏の過ちをおおお〜〜〜〜っ!!!)ドキドキドキドキドキドキドキドキ

那智「むっ?どうした足柄、こんなところで」

足柄「………姉さん、私…」

那智「あ、ああ」

足柄「狼になれなかったわ……」

那智「はぁ?」

足柄「…………」ボー

那智「…………」

那智(そっとしておこう…)

パチャ

提督「うわ、冷たい…」

提督「水着なんて何年ぶりだろう…中学生の頃以来かなぁ…」

提督「はぁ……こうして砂浜から見る海…やっぱり綺麗だなー…」

提督「…………」パチャパチャ





パシャッ

青葉「うーん………いい画になりますねぇ…」

加賀「何を撮っているのかしら」

青葉「ひえぇ!?かっ、加賀さん!!」

加賀「見せなさい」

青葉「は、はいぃ…!」スッ

加賀「…………」

青葉(あぁ…また消されるのかなぁ…)

加賀「………よく撮れているのね」

青葉「へっ?」

加賀「芸術的だわ…一枚の絵みたい」

青葉「え、あ、ああ、ど、どうもありがとうございます、恐縮です…でへへ」

加賀「その写真、あとで焼き増して私にももらえる?」

青葉「え?はぁ、構いませんが…」

加賀「いい写真よ。ありがとう」

青葉「えへへ、そんな…きっとモデルがいいからですよ」

加賀「それもそうね」

青葉「…………」

青葉「うーん、せっかくだからもう一枚…あ」



提督「潜水艦の子達も元気だなあ…」

バシュ

提督「わっぷ!?」

卯月「あははは!しれーかんに命中ぴょん!」

文月「攻撃開始ぃ〜!」バシュバシュ

提督「あはっ、ちょ!このぉ、やったな〜!」ザブザブ

皐月「うわっ、司令官が攻めてきた!」

卯月「きゃー!逃げるぴょーん!」バシャバシャ

雷「司令官、加勢するわ!」

暁「逃がさないんだから!」



青葉「………楽しそうですねえ」

パシャッ

アハハ

コノォー

マテマテー

蒼龍「うーん、やっぱり駆逐艦の子達がいると提督は活発になるねえ」ズズズ

飛龍「本人は否定してるけどどう考えてもロリコンだからねえ」モグモグ

蒼龍「というか提督の水着、紐なんだ」ズルズル

飛龍「ほんとだ……ということは…結び方が緩いと……」パクッ モグモグ

蒼龍「ポロリもあるのでは……」

飛龍「可能性は…ある…」

蒼龍「…………ふぅ」

飛龍「…………ふぅ」

蒼龍「……腹ごしらえも済んだし、行きますか!」

飛龍「応ッ!」

望月「はぁ〜……」プカプカ

提督「望月…気楽そうだね」

望月「んあ?あー、司令官か…」

提督「望月は遊ばないの?」

望月「あたしはいーよ…避暑のために来たようなもんだから…」

提督「そう…浮き輪ごと沖まで流されないようにみんなの近くにいるんだよ?」

望月「あーい」

望月「というか、司令官も水着なんだ」

提督「え?ああうん、私も遊びたくなっちゃって」

望月「ふーん……」マジマジ

望月(やっぱり大人の身体って感じだな…)

提督「……?望月?」

卯月「てぇーい!!」バシュバシュ

提督「ぷわっ!?」

望月「ぬおっ!ちょっ、向こうでやってよ!」

提督「このぉ…そりゃあ!!」ガバッ

卯月「ひょ!?」

バシャアン

提督「はい、捕まえたー!」ガッシリ

卯月「ぎゃーっ!?助けてぴょーん!!」バタバタ

文月「あ〜!お姉ちゃんが!」

提督「このまま向こうへー………」グググ

卯月「はっ!?えっ!?ふーちゃん!?」

提督「そーれぇ!!」ポーイ

卯月「にょわああああああああああ!!?」

ドボォン

提督「あはは!結構飛んだね!」

ザバッ

卯月「いっ、今のすごい面白かったぴょん!ふーちゃん、もっかいお願いっぴょん!!」キラキラ

皐月「ボクも!ボクも!」ピョンピョン

文月「あたしもやる〜!」バシャバシャ

電「電もやりたいのです!」ザブザブ

提督「はいはい、順番ね」

提督「そぉい!!」ポーイ

皐月「わぁー!」ヒューン

ドボォン

提督「ふぅ、子供は軽いなあ」

ボスッ

提督「いたっ!?」

提督「え…あ、ボール?どこから…」

天龍「おー、わりぃ!ボール取ってくれー!」

提督「ん?ああ、うん」

天龍「ってあれ、提督も遊んでるのか!珍しいな!」

提督「まあ、夏休みだからね」ポイッ

天龍「サンキュー!提督もどうだ?ビーチバレー」

提督「ビーチバレー?みんなやってるの?」

天龍「おう!せっかくだ、一緒にやろうぜ!」

提督「んー…そうだね、私もやろうかな」

天龍「っしゃあ!そうこなくっちゃな!」

龍驤「どりゃあ!!」バチィン

白露「うわぁ!?」

バンッ

龍驤「いよっしゃあー!また決めたでぇー!」

隼鷹「ひゅー!やーるぅ!」パチパチ

飛鷹「いいわー!その調子よー!」

白露「くっそぉ…やるなぁ…」

時雨「さすがに軽空母は身軽だね…」

村雨「うん、すばしっこいわ…」

龍驤「……………」

瑞鳳「……………」

天龍「おーいチビ共!追加メンバーだぜ!」

提督「おー、結構人いるねー」

白露「あー、提督!」

提督「白露型四人と…軽空母四人で試合してるの?」

時雨「うん、でも僕たちピンチなんだ」

夕立「提督さん、助けてほしいっぽい!」

提督「私?力になれるか分からないけど…いいよ」

白露「ほんと!?」

村雨「なら私と交代ね」

提督「うん、わかった」

天龍「よし、メンバーチェンジだ!一人抜けて代わりに提督が入るぞー!」

ザワザワ…

雷「あら、司令官だわ」ズルズル

電「え?あ、ほんとなのです」モグモグ

暁「司令官、ビーチバレーなんてできるのかしら」シャクシャク

雷「さあ…でも運動神経はいいし大丈夫なんじゃない?」

電「雪合戦のときもすごかったのです」

暁「それもそうね…」

加賀「あの子なら心配はいらないわ」

響「……………」

暁「ほら響、早く食べないとかき氷溶けるわよ」

響「ああ……」シャク

暁「加賀さんもかき氷食べる?」

加賀「…ええ、いただくわ」

ワァー

テイトクダー

テイトクガヌイデルー!!

キレイダヨー!!

那珂「さーあピンチの白露型チームに助っ人が現れました!ゆらゆらと揺れる長い黒髪!その対比とも言わんばかりの白いビキニが眩しい!」

時雨「相変わらず喧しい実況だな…」

那珂「水着になっても外さない眼鏡!チャームポイントもバッチリ!そして、自己主張の激しい豊満なアレ!我らが提督でーす!」

ワー パチパチパチ

提督「ど、どうも〜…」

提督「えっと、今はどういう状況?」

時雨「4ポイント先取で1セット、先に2セット取った方が勝ちで…」

夕立「両方とも1セット取ってるけど、点数では負けてるっぽい!」

白露「つまりピンチってこと!」

提督「なるほど…」

時雨「ところで提督」

提督「なに?」

時雨「ビーチバレー、やったことはあるの?」

提督「ないよ?」

夕立「えっ」

提督「まあなんとかなるでしょ、たぶん大丈夫だよ」

白露「ホントかなあ…」

明石「では、試合再開しまーす」

龍驤「ふふん…なんやキミ、ビーチバレーやったことないんか」

提督「まあ、水着で遊ぶことなんてあんまりなかったからね」

龍驤「そんなちんまい成りでうちに挑むとはいい度胸しとるなぁ!あっはっはっは!」

時雨「小さいのは自分の方だろうに…」

龍驤「よっしゃ、行くでぇ!」ヒョイッ

バチィン!

白露「ほっ!」ボンッ

龍驤「ん、相変わらずレシーブが上手いな…」

夕立「提督さん!」

提督「よっ」ピョンッ

龍驤「え?」

バッチィイイン!!

大鯨「きゃあっ!?」

バンッ

ピーッ

明石「白露型チーム、1ポイントでーす」

白露「おぉー!提督、やるぅ!」スッ

提督「いぇーい」パチン

龍驤「なんやアレ…」

瑞鳳「スマッシュ、よね…」

大鯨「は、反応できませんでした…」

祥鳳「油断はできないみたい…」

<しれいかーん!その調子よー!

提督「よーし、このまま押し切りますか」

瑞鳳「決めるっ!」バッ

提督「甘ぁい!」サッ

瑞鳳「!?」

ボスン

白露「やー!いいねー!」

時雨「ナイスブロック、提督」

提督「えへへ、どうも」

明石「3-2でーす」

那珂「目覚ましい提督の活躍によって、白露型チームが逆転だー!!このまま勝利をもぎ取れるかー!?」

祥鳳「強い…」

龍驤「くっそぉ……」

夕立「提督さん、さすがっぽい〜!」ガバッ

提督「おおっと…夕立もちゃんとレシーブしてくれてすごいよ」ナデナデ

白露「あたしが一番頑張ってるよ!」

提督「うんうん、白露はなんでもこなしてくれるね」

白露「でっしょー!?でへへへ」プルン

夕立「きゃ〜♪」ポヨン

提督「ふふ、これなら勝てるよ」ボイーン

龍驤「あんの…デカパイ共がァ…!!」ビキビキ

ピーッ

白露「よーっし!勝つぞー!」

夕立「おー!」

龍驤「いっつもそうやって………」

トンッ

龍驤「やれると思うなあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」ゴッ

ドヒュゥン

提督「うわ!?」

バチィン

ピーッ

明石「軽空母チーム、1ポイント追加でーす」

龍驤「っしゃアアアアア!!!見たかこの牛共がああああああ!!!!」グッ

提督「いたた…」

時雨「提督、大丈夫?」グイ

提督「うん、平気……くそぉ、やられたなぁ…」

夕立「デュースまで持ち込まれたっぽい…」

提督「デュース?」

明石「簡単に説明すると、どちらかが2ポイント連続で取らないとセットが終わらないんです」

提督「へー、そんなルールがあるんだ…」

白露「向こうも本気みたい」

提督「…大丈夫、きっと勝てるよ」

時雨「あ……て、提督」

提督「よーし!いくよー!」トンッ

龍驤「来ぉい!」

白露「時雨、よそ見禁止!」

時雨「う、うん」

時雨(紐が緩んでるって言おうとしたんだけどな…)

白露「いっくよー!」

夕立「はーい!」ピョンッ

ボスン

夕立「あっ」

瑞鳳「はい!」ポーン

祥鳳「チャンス!」

龍驤「どりゃあ!」バシィン

提督「くっ……!」バッ

ドザァッ

ピーッ

提督「間に合わないか…」

明石「軽空母チームに1ポイント、アドバンテージでーす」

白露「まずいね、これは…」

提督「やっぱり、このままじゃダメか……」グッ シュル

那珂「おおっと、ここで提督がパレオを外しました!動くのに邪魔だと感じたのでしょうか?それにしても健康的な太腿が綺麗だ!」

提督「ちょっとこれ、持っておいて」

村雨「ええ」

龍驤「ほぉ〜ん…リミッター解除っちゅうことか?」

提督「まあそんなところだよ。ここから何点取ればいいの?」

明石「ええと、3ポイントで逆転ですね」

提督「よし……」

提督「……………」グッ

提督(うん…これで動きやすくなった…)

提督「………ほっ!」

瑞鳳「上から来る…!」

提督「食らえぇー!!」

ドッ

ヒュオン

大鯨「速っ…!」

バンッ

ピーッ

明石「白露型チームに1ポイント、デュースアゲインでーす」

提督「よし!」

白露「あと2点!勝てる勝てる!」

龍驤「くそっ、サーブならうちだって……」トンッ

龍驤「後ろがガラ空きやぁ!!」

バシン

時雨「うっ…!しまった、向こうは…!」

ダダッ ズザァッ

提督「もらった!」パァン

白露「提督!」

龍驤「アホな…あの一瞬で!?」

提督「夕立!決めて!」

夕立「っぽおおおおーーーーーいっ!!!」

ドォン

ピーッ

明石「白露型チームに1ポイント、アドバンテージでーす」

ワアアアアアア!!!

那珂「強烈なスマッシュゥウ!!逆転勝利は目の前だあああああああ!!!」

瑞鳳「ど、どうしよう…」

龍驤「どうするもこうするもあらへん!本気でやらないと負ける!」

白露「みんな、いい?あと1点で一番だよ!」

提督「うん、ここまで来たら勝とう!」

夕立「団結すればできるっぽい!」

白露「そーれ!」バシン

龍驤「来たで!」

大鯨「えいっ!」トンッ

龍驤「よーやった!とおおおっ!!」ピョンッ

提督(ブロック…!)タンッ

龍驤「………ふっ」スカッ

提督「!」

龍驤「今や!」

瑞鳳「はあっ!!」

バンッ

龍驤「まだや、まだ負けるわけには…」

提督「………時雨!」

龍驤「なっ!?」

ズザッ

時雨「残念だったね」ボスンッ

龍驤「読まれっ……」

白露「浮いた!」

夕立「提督さん!」

提督「これで……!」

ドッ

提督「終わりだあああああああああっ!!!」

ヒュゴオオッ

龍驤「うわああああああっ……!!」

ストン

提督「…………」

ピーッ!!

明石「白露型チームに1ポイント!ゲームセット!」

那珂「きた!きたきたきたきたぁ!!白露型チーム、熱血の逆転勝利だーーーーーー!!!!」

ワアアアアアアアアアア!!!

ヒューッ!

ヨクヤッター!

白露「わああああ!!やった!やったあああ!!」

夕立「提督さーーん!!」ガバッ

提督「うわおっ…やったね、私たちの勝ちだよ」

時雨「提督…」

提督「時雨も、最後のトスすごかったよ」

時雨「あ、ああ…うん、ありがとう」

那珂「栄光の勝利を飾った白露型チームと、健闘の軽空母チームにみなさん盛大な拍手をー!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ…

龍驤「いやぁ〜負けたな〜…」

提督「龍驤……」

龍驤「めっちゃ悔しいわ…けど、次やるときは負けんからな!」

提督「…うん、何度でも相手になるよ」

龍驤「必ずな!」スッ

提督「もちろん」ギュ







村雨「試合も終わったし……五月雨、このパレオ、提督に返してあげて?」スッ

五月雨「あ、はい!」

パタパタ

白露「一番!あたし達がいっちばーーーーん!!!」

夕立「ぽーい!!」

ワハハハ パチパチパチ



五月雨「提督〜!これ、お返ししま〜す!」パタパタ

提督「あ、私のパレオ…」

時雨「…………あの、提督?」

提督「ん、どうしたの?」クル

時雨「さっきからずっと言おうと思ってたんだけど…」

提督「うん?」

時雨「その………水着の紐が……」

五月雨「ていと……あっ」ツルーン

ガッ

シュルッ

時雨「あっ……」

提督「………え?」

パサ……

五月雨「」

提督「……………」

提督「………ーーーーっっ」










「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!???」





青葉「後日、そのときの写真は青葉広報最高の売り上げが出ました!!」




〜〜〜

提督「はぁ……みんなに見られた……」パチャパチャ…

提督「これじゃもうお嫁に行けない……」

提督「はぁぁぁ〜………思い出しただけで恥ずかしい……///」

チャプ…

提督「………ん…?」

ヲ級「……………」

提督「ヲ級ちゃん…ヲ級ちゃんはみんなと遊ばないの?」

ヲ級「………外、暑イ…」

提督「ああ、そっか…海に住んでるから暑いのは苦手なんだね」

ヲ級「……………」コク

ヲ級「テイトクハ、何ヲシテル…?」

提督「私?あー、私は……ちょっとみんなの前に顔出し辛くなっちゃって…」

ヲ級「……?ケンカ?」

提督「いやいや、そういうのじゃないよ!ただ、恥ずかしくて…」

ヲ級「ソウカ……テイトクハ、ハズカシガーリーダナ…」

提督「恥ずかしがり、かな…また日本語の勉強しようね」

ヲ級「アア…」

提督「そういえばヲ級ちゃん、私たち今夏休みなんだけどさ」

ヲ級「ナツヤスミ…?」

提督「うん、まあ簡単に言えば何もしなくていい忙しくない期間のことなんだけど」

ヲ級「エンセイ?トカモ、シテイナイノカ?」

提督「そうそう、ほんとに何もないの」

ヲ級「ソウナノカ…」

提督「で、明日って暇?」

提督(そもそも普段ヲ級ちゃんが何をしてるのかよく知らないけど…)

ヲ級「明日………ハ、暇ダナ…」

提督「ほんと?なら、今みたいにこの鎮守府に来てくれないかな?」

ヲ級「……?私ト遊ブ…?」

提督「ふふ、そんな感じかな。色々聞いてみたいことがあるから」

ヲ級「……ワカッタ、暑イケド…我慢スル…」

提督「食堂はちゃんと冷房効かせてあるから、そこでアイスでも食べながらお話しよ?」

ヲ級「アイス………美味シイ…?」

提督「うん、冷たくて甘いよ」

ヲ級「冷タイ…フフ、楽シミダ…」

提督(可愛らしいなぁ…)

ヲ級「………テイトクハ海ニ潜ラナイノカ?」

提督「え…潜る?」

ヲ級「アア、サッキマデアノ潜水艦タチト共ニ魚ヲ見テイタンダ」

提督「へぇ、仲良くなったんだ」

ザパァ

58「ぷはぁ!」

168「ヲ級ちゃん、どこに………って、あ!」

19「提督と一緒にいるのね」

提督「あ、みんな」

8「提督も、お魚見ます?とっても綺麗ですよ?」

提督「あはは…楽しそうだけど、ゴーグルも何もないから無理そうかな…」

19「そう言うと思って……ほら、シュノーケル持ってきてるの!」ジャーン

提督「どこに隠し持ってたの、それ…」

提督「それに、髪が傷んじゃうかもしれないし…」

19「そんなのちゃんとアフターケアすればいいの!ほら、一緒に潜るのね!」グイグイ

提督「あー…はいはい、分かったからちょっと待って」カチャ

58「てーとく、潜れるの?」

提督「どうだろ…シュノーケルしかないしそんなに遠くまでは行けないんじゃないかな」

168「なら浅いところまでね」

提督「よし……準備できたよー」

8「さて、では行きましょうか」

提督「ま、待って…潜るのなんて久しぶりだから、ちょっと怖いんだけど…」

シュル

提督「んっ?」

ヒョイ

提督「ひゃあ!?」

ヲ級「ミンナ居ルカラ大丈夫ダ…何モ怖クナイ」スタスタ

提督「そういう問題じゃなくて…というかなにこれ!?お、下ろしてー!!」バタバタ

ザブーン

ブクブク……

提督「…………っ」パチ

提督「…………!」

提督(すごい…色んな色の魚が…)

19「提督ー!こっちにおっきいのがいるのー!」ブンブン

ヲ級「行コウ…」シュル ギュ グイ

提督「…………」コクコク

提督(というかなんでみんな普通に喋れるんだろう…)

提督(海に潜るって初めてかも……プールと違って、どこまでも続いてるみたい…)

提督(浅いところって言ってたけど、もう足がつかない…)

提督(飲み込まれそうでちょっと……怖い……)

8「提督、この岩の隙間」

提督「…………?」ソッ

提督「…………!」

提督(カニだ…大きい…)

168「ほら、下にはウニとかも落ちてるのよ」

提督(本当だ…ときどき持って帰ってくるのはこれか…)

19「うーん、この辺は特に面白いものもないのね」

168「そうね、もっと奥に行ってみましょうか」

提督(ちょっ………というか、みんないつまで息続くの?そろそろ苦しくなってきたんだけど…)

提督(ヲ級ちゃん…)クイクイ

ヲ級「? 何カアルノカ?」

提督(違う、そうじゃなくて…)

58「きっとてーとくもウニとかホタテとか採ってみたいんでち」

提督「!?」

ヲ級「ソウカ……ナラ、モット深ク…」グイ

提督「ごぼぼがぐぁ!??」ブクブク

19「あー!??」

ザバァ

提督「」

19「わー!!わー!!まずいの!!まずいの!!」

58「えっ、えっと、こういうときはどうすれば〜!?」

8「と、とりあえず寝かせて!心臓は動いてる!?」

ペタ

ヲ級「………動イテル」

提督「」

8「呼吸は!?」

スッ

58「………し、してないでち!」

8「なら人工呼吸ね、じゃあ私が」

19「ちょっと待ったああああ!!!」

8「この緊急事態になに!?」

19「提督の唇は譲らないのね!」

168「はぁ!?そういうことならイムヤだって負けないもん!」

58「ゴーヤだっててーとくとキスしたいでち!!」

8「別に私はそういうつもりで言ったんじゃ…」

19「イクが人工呼吸するの!」ガバッ

8「ダメ!やましいこと考えてる子には譲りません!」

19「イクはやましい気持ちなんてないの!!そこをどくのね!!」

168「いーや!司令官とキスするのは私!!」

58「ゴーヤ!!」

19「イク!!」

8「はっちゃん!!」

168「イムヤ!!」

ギャーギャー

ヲ級「…………」スッ

ズボッ

提督「う」

ヲ級「…………」スー… プシュー…

提督「うっ」

ヲ級「…………」シュル

チュク

提督「う゛っ」ビクン

ヲ級「…………」グッ

ヴィイイイイン

提督「あっあっあっあっあっ」

ヲ級「…………」ツン

提督「………ぶはぁっ!?げほっ、がっはぁ!!」ガバッ

潜水艦一同「「「「あっ」」」」

提督「げほ、かはっ…うあ…な、なに…?」

ヲ級「目ガ覚メタミタイ…」

提督「え?あ、あれ?私、どうなったの?さっき川の向こうでおばあちゃんが手を振ってたような…」

ヲ級「…マダ水ガ残ッテル」ズボッ

提督「ねう゛っ」

ヴウウゥゥン

提督「ぐぶぶううええええ」ビチャビチャ

168「うわあ…」

提督「かはっ………はぁ、はぁ、はぁ…う〜…」

58「てーとく、大丈夫?」サスサス

提督「う…うん、平気…うぷぇ…」

168「何その触手、身体の機能を操作できたりするの?」

ヲ級「アル程度ダケド…」

19「本っ当にごめんなさいなの!イク達みたいにもっと潜ってられると思って…」

提督「あはは…いいよ、気にしてないから…ちゃんと言わなかった私も悪いし」

8「で、これからどうします?」

提督「また潜る?」

168「えー、私お腹空いちゃった」

提督「んー、なら一旦ご飯食べに戻ろっか」

ザフザフ

提督「あれ、鳳翔さん」

鳳翔「あ、提督…と、潜水艦の子達も…ご飯ですか?それとも喉が渇きましたか?」

提督「ああ、みんなお腹空いてるんだけど何かないかな?」

鳳翔「はい、カレーに焼きそばにラーメンやかき氷もありますが…どれにしますか?」

提督「んー…じゃあ、私はカレーで」

8「私もカレーを」

58「ゴーヤ、かき氷がいい!」

ヲ級「私モ、カキゴーリ…」

168「私は焼きそばでお願いするわ」

19「イクはラーメンにするの!」

鳳翔「分かりました、少しだけ待っててくださいね」

提督「私も手伝うー」パタパタ

提督「ほぉ……」ジー

鳳翔「ど、どうしました?」

提督「いや、鳳翔さんがシャツ着てるって珍しいなーって」

鳳翔「あ…こ、これは、その…」

提督「他の子達に水着で来てって頼まれたの?」

鳳翔「…はい、そういうことです…」

提督「わざわざこの暑い中ごめんね…」

鳳翔「いえ、気になさらないでください。私もみなさんが遊んでいるのを見るだけで楽しいですから」

提督「そっか…ところで、水着はその下に着てるの?」

鳳翔「え?は、はい、一応…」

提督「へー」ピラッ

鳳翔「きゃあ!?///」バッ

提督「わあお、可愛らしいの着てるんだね」

鳳翔「もう、提督!そういうのは困ります!///」

提督「ふふふ、ごめんごめん」

鳳翔「私は構いませんが…他の子にはやっちゃいけませんよ?」

提督「はーい。でも、すごく似合ってるよ?鳳翔さん、身体の線細くて綺麗だしみんなに見劣りもしないと思うよ」

鳳翔「そ、そんな…褒めすぎです、私なんて…」

提督「謙遜しすぎだよ、もっと自分の身体に自信持った方がいいよ」

鳳翔「そ、そう言う提督こそ…すごく恵まれた体型をされているのに、いつも恥ずかしがって肌を見せないじゃないですか…提督の水着だって、とても綺麗で…そのぉ……」

提督「へっ」

鳳翔「提督が…羨ましいです…」

提督「…………///」カァッ

鳳翔「…………///」

提督「も、もうこの話は終わろっか!みんなお腹空かせてるだろうし、ね!」

鳳翔「そ、そうですね、早く持って行ってあげましょう」

パタパタ

8「あ、来た」

提督「お待たせ〜」

ゴト

168「司令官、隣座ってもいい?」

提督「うん、いいよ」

19「ならこっちの隣はイクがいただくの!」バッ

58「あー!ずるいー!!」

鳳翔「ふふ、大人気ですね」

提督「あはは…ちょっと、肩が狭いけどね…」

〜〜〜

提督「ふぅ……」

鳳翔「提督、休憩ですか?」

提督「あ、鳳翔さん…まあ、そんなところ」

鳳翔「ふふ、では私もご一緒させてもらいますね」ストン

提督「ん…みんな、ちゃんとご飯食べてる?」

鳳翔「ええ、おかわりもしていました」

提督「そっか、ならよかった」

鳳翔「提督はもういいのですか?」

提督「うん、お腹いっぱいだから」

提督「…………」ボー

鳳翔「……加賀さんとの仲はどうですか?」

提督「うぇ?急にどうしたの?」

鳳翔「いえ、少し気になってしまって」

提督「どうもなにも……んー、割と普通だけど…」

鳳翔「そうですか………加賀さん、お酒が入るとよく提督の話をするんです」

提督「へぇ、どんなの?」

鳳翔「普段は真面目な顔してるのに笑うと可愛い…や、たまに執務室の窓から猫に餌をあげているのを見る…など」

提督「うわ、餌あげてるのバレてる…」

鳳翔「ときどき、私を選んでくれて本当によかったと泣き出すこともありますね」

提督「そ、そうなんだ…そこまで想われてるって、なんだか照れるな…」

鳳翔「本当に、溺愛されているようで」クス

提督「あー…えへへへ…」ポリポリ

鳳翔「でも、だからこそあまり他の子には目移りしないでほしいとも言っていましたよ」

提督「う……自重します…」

鳳翔「たまにならいいですけど、少しは弁えてくださいね?」

提督「はい…」

鳳翔「とは言っても、他の子達から積極的に提督に手を出しているみたいですけど」

提督「まあ、ほぼそうだけど…鳳翔さんもそうだったし」

鳳翔「あ、あれは…加賀さんに許可はもらっていたので…」

提督「ふふ、分かってるって」

提督「……………」ボー

鳳翔「……提督?」

提督「んぁ…なに?」

鳳翔「何か考え事ですか?」

提督「あー……ううん、ただぼーっとしてるだけ」

鳳翔「はあ…」

提督「……………」

鳳翔「……………」

提督「……………」

鳳翔「………確かに、こうしてのんびりするのもいいかもしれませんね……」

提督「うん……」

提督(みんな、ご飯食べてまた元気になってるなぁ…)

鳳翔「……………」

提督(長門、駆逐艦の子達と一緒だとすごくはしゃいでるなぁ…)

鳳翔「……………」ウトウト

提督(もしかしてロリコンなのかなぁ…だとしたら危険だし、駆逐艦の子達は私がちゃんと見守ってあげないと…)

ポスン

提督「!」ビク

鳳翔「すー……すー……」

提督「あれ…」

鳳翔「すー……すー……」

提督「………寝てる」

提督「よいしょっと…」グイ

鳳翔「んぅ……」

ポフ

提督(膝枕の方が体勢的に辛くないよね…)

鳳翔「んん……ふふ…」

提督「……………」ナデ

ザフ

加賀「鳳翔さん…寝ているの?」

提督「あ、加賀…そうみたい、今朝も早起きしてたっぽいから…」

加賀「そう…珍しいのね」ストン

提督「鳳翔さんも疲れてるんだろうね…明日からはちゃんと休んでもらわなきゃ」

加賀「ええ、家事なら手伝うわ」

加賀「それにしても、さっきは災難だったわね」

提督「う……あ、あれは…事故だから、まあ…」

加賀「見られていたけど…大丈夫?」

提督「あー…できるだけ早く忘れてほしいかな…」

加賀「そう…」

加賀(無理でしょうけど…)

提督「…………」ボー

加賀「……入道雲、綺麗ね」

提督「そうだね…みんなも、楽しそう…」

加賀「…………」

提督「……いつもこれくらい平和ならいいんだけどなあ…」

加賀「そうね…」

提督「…………」

加賀「…………」

加賀「……私、紙飛行機を飛ばしてみたいわ」

提督「紙飛行機?」

加賀「ええ…烈風や、震電よりも…ずっと優しくて、甲板も必要のない飛行機を飛ばしてみたいの」

提督「………そっか」

加賀「…上手く飛ばせるかしら」

提督「………飛べるよ。飛ばせてみせるから、きっと」

加賀「ふふ…信じてるわ」グイ

提督「えへへ…」ポスン

〜〜〜

提督「……………」

加賀「……………」

ザフザフ

暁「二人とも、なにやってるの?」

提督「………え?ああ、暁?」

暁「もうみんな鎮守府に戻ってってるわよ?」

提督「へ?あ、ほ、ほんとだ…」

暁「もしかしてずっとここでぼーっとしてたの?結構日焼けしてるけど」

提督「あはは…そうみたい…」

提督「そっか、もう夕方か…なら戻らないと…って、あれ?」

加賀「zzz……」カクン

暁「寝ちゃってるじゃない」

提督「いつの間に…ほら加賀、起きて」ユサユサ

加賀「んぁ……あぁぅ…?」パチ

提督「もうすぐ夜だよ、そろそろ戻るよ」

加賀「……ああ、寝ていたのね…ごめんなさい」

提督「歩ける?」

加賀「ええ…大丈夫よ」

暁「司令官、髪がカピカピじゃない」

提督「え?うわ、ほんとだ」ザワ

暁「潜ったんでしょ?ちゃんとシャワーで流したの?」

提督「いや…そのままだったよ」

暁「せっかく綺麗なんだから、そんな状態でほっといたら髪が傷んじゃうわよ?すぐお風呂に入った方がいいわ」

提督「あー…まあ、そこまで言うなら…」

加賀「私も、どうせ触るのなら気持ちいい方を触りたいわ」

提督「……それ、みんなの前で言っちゃダメだからね?今は暁しかいないからいいけど」

加賀「そうね、ふふ」

暁「え?え??」

提督がぼーっとしてる間に鎮守府に戻りました(小声)

暁「他の人たちは先に流してるから、たぶんお風呂には誰もいないと思うわ」

提督「そっか、ありがとう。それじゃ、またあとでね」

暁「ご飯の用意もしないといけないから、加賀さんも手伝ってね?」

加賀「ええ」

パタパタ…

提督「さてと…着替え取りに行かないと…」

提督「………あれ?ヲ級ちゃん?」

ヲ級「ン……テイトク…」

提督「こんなところでどうしたの?」

ヲ級「暑イノ、ナクナッテキタカラ…歩イテタ…」

提督「散歩してたってこと?」

ヲ級「アア…コノ鎮守府ノコト、マダ分カラナイカラ…」

提督「ああ…まあ、まだほとんど食堂しか行ってないもんね…あとは私の部屋ぐらいか」

ヲ級「……テイトクハ、ドコニ行ク?」

提督「私は今からお風呂に入ろうと思ってるよ」

ヲ級「……??オフロ……??」

提督「あれ、知らない?」

ヲ級「初メテ聞ク…」

提督「言われてみれば、深海にお風呂がないのは当然だよね…よかったら一緒にどう?気持ちいいよ」

ヲ級「ソウナノカ…ナラ、私モ行ク…」

提督「うん、じゃあとりあえず着替え取りに行こうか」

提督「う〜ん………」ゴソゴソ

ヲ級「……………」

提督「浴衣……は、ちょっと堅苦しいし…ジャージも味気ないし…そもそも、深海に服っていう概念はあるの?」

ヲ級「服…?一応コレハ服ダガ…」

提督「だよね…じゃあやっぱりパジャマがいいかな…はい」スッ

ヲ級「……?」

提督「あとタオルと石鹸と、シャンプーとか色々…」ヒョイヒョイ

ヲ級「ア、アア…」

提督「…よし、これぐらいかな。一応備え付けのがあるから、そのシャンプーとか気に入らなかったらそれ使っていいからね」

ヲ級「ン…ヨク分カラナイケド、分カッタ…」

提督「まあ詳しいことは向こうで説明するから、お風呂に案内するよ」

ヲ級「…………」ワクワク

バタン

ガラ

提督「あ、やっぱり誰もいないか」スタスタ

ヲ級「…………」キョロキョロ

提督「ヲ級ちゃん、こっちだよ」

ヲ級「…………」パタパタ

提督「このカゴの中に服を入れておくの、あとで当番の子が洗濯するときに取りに来るから」

ヲ級「センタク…?」

提督「えっと、なんて言えばいいんだろ…まあ、深海と違って地上だと色んなことで服が汚れるから、それを洗って綺麗にすることだよ」

ヲ級「ソンナモノモアルンダナ…」

提督「よいしょっと…」スル

ヲ級「…………」ジー

提督「う…ど、どうしたの?」ササッ

ヲ級「何モ着ナイノカ?」

提督「あ、うん…お風呂はそういう場所ではだから」

ヲ級「ソウカ…」スッ フワ…

パチン

提督(!? 服にジッパーが出てきた…!?)

ヲ級「…………」スルスル

提督「ねえ、それ、どうやったの?」

ヲ級「……?何ガ…?」

提督「えっと…その、ジッパーみたいなのはどこから出したの?」

ヲ級「コレカ…?元々裏ニアッタノヲ表ニ戻シタダケ…」

提督「へ、へぇ…」

提督(どういう構造になってるんだろう…?)

ヲ級「コレデイイノカ?」

提督「ああうん、ちょっと待っててね、タオル巻くから」

ヲ級「アア…」

提督「…………」

ヲ級「…………?」

提督「………あの、後ろ向いててもらいたいんだけど…」

ヲ級「ドウシテ…?」

提督「どうしてって…恥ずかしいから…」

ヲ級「……??」

提督「あー…と、とにかく後ろ向いてて!すぐ終わるから!」グイ

ヲ級「テイトクガソウ言ウナラ…」

提督(そっか、この子はまだ羞恥心っていう概念を知らないんだ…)シュル

提督(そもそも深海棲艦ってみんなそうなのかな…?気になることは色々あるけど、まあいいか…)キュッ

提督「ごめんね、待たせちゃって」

ヲ級「ン…気ニシテナイ…」

提督「………ほぁ…」ジー

ヲ級「…………?」

提督(やっぱり身体は女体と瓜二つというか…胸も性器もあるし、女の子そのものだよね…)

提督(それでも形が浮き出ないってことは、あの服は厚手のラバースーツみたいなものなのかな…?深海で活動するならそっちの方が動きやすいだろうし…)

提督(……それにしても、肌白いなあ…あきつ丸みたいなのじゃなくて、ほんとに青白いというか…結構不健康そうな印象…)

提督(で…服を脱いでって言ったのに上のユニット?を外さないのはこれが艤装の一部ってことなのかな…)

提督「ふぅむ……」マジマジ

ヲ級「…私ハタオル、イラナイノカ?」

提督「…え?ああ、うん、ほんとはダメだからね」

ヲ級「ソウナノカ…ナラ、テイトクは悪イ子ダナ…」

提督「ぶふ…それ、誰から教わったの?」

ヲ級「確カ…カ、カトリ…?」

提督「ああ、香取かぁ…あんまり変なこと教えられないように気をつけなきゃダメだよ?」

ヲ級「カシコマリマシタ…」

提督「ふふふ、それはこんなところで使う日本語じゃないよ」

ガララ

ヲ級「……ヲォ…」

提督「はい、まずはこれで身体を流すんだよ」スッ

ヲ級「…ドウヤッテ使ウ…?」

提督「こうやってお湯を掬って、肩からかけるの」バシャ

ヲ級「コウ、カ…?」チャプ

提督「そうそう…あ、熱いかもしれないから気をつけてね」

ヲ級「ン……」

バシャ

提督「……大丈夫?」

ヲ級「アア……熱イケド、気持チイイ…」バシャ

提督「そっか、よかった」

提督「身体を流し終わったら次はこっち」グイ

ヲ級「コレハ…水ガ貯マッテルノカ…」

提督「正確には水じゃないけどね。この白いもやもやが湯気で、温かい水をお湯っていうの」

ヲ級「オユ…」

提督「で、そのお湯にこうして浸かって、身体を温めたりする場所をお風呂っていうんだよ」チャプン

ヲ級「ナルホド…オフロ、覚エタ…」

提督「ほら、ヲ級ちゃんもこっちおいで」

ヲ級「アア…」

チャプン

提督「結構熱いお湯だけど…大丈夫そうだね。気分はどう?」

ヲ級「気持チ…イイ……///」フニャ

提督(すごいリラックスした表情になった…空気が熱いのと水が熱いのは人と同じで違う感覚に思えるんだなぁ…)

ヲ級「……海ノ底ニモ、コンナ風ニ温カイ水ガ出テル場所ガアル…」

提督「へー…」

提督(熱水が噴出してる穴があるんだっけ…硫化水素とかが含まれてるって聞いたけど)

ヲ級「同胞タチモ、トキドキソコニ集マッテクル…温カイノ、好キダカラ…」

提督「深海は冷たいだろうからねえ…」

ヲ級「アア…」

提督「…………」

ヲ級「…………」

提督「………気持ちいいねぇ…」

ヲ級「アア……」

提督「……あ、そうだ」

ヲ級「?」

提督「今は私たちしかいないからいいけど、気になるようならちゃんと髪がお湯に浸からないようにまとめておかなきゃいけないからね」

ヲ級「ナゼダ…?」

提督「ここはみんなが入るお風呂だから、当然汗とか日常の汚れがお湯に溶けるんだよ。だから少しでも髪を汚したくないならまとめた方がいいかな」

ヲ級「ソウカ、汚イモノナノカ…」

提督「衛生的にもあんまり良くないからね、周りのイメージもだけど」

ヲ級「…分カッタ、気ヲツケル…」

提督「………そろそろ身体洗おっか」ザバ

ヲ級「洗ウ…?センタクカ…?」

提督「あはは、それとはまた別だよ。ほら、ついてきて」

ヲ級「…………」バシャ

パチャパチャ

提督「こっちこっち、ここに座って」

ストン

ヲ級「…………何ヲスレバイイ?」

提督「そのままじっとしてていいよ、まだ何も分からないでしょ?」

ヲ級「アア…」

提督「ふふ、髪を洗うのも気持ちいいものだからね」

提督「さてと…」カシュカシュ

提督(洗ってあげるとは言ったものの…これ、触手も洗った方がいいのかな…)ゴシゴシ

提督「ねえ、ヲ級ちゃん?」

ヲ級「ン?」

提督「その、頭のそれも洗った方がいいの?」

ヲ級「アア…綺麗ニシテホシイ…」

提督「そっか…分かった」

ペタ

ヲ級「…………ッ!??」ビクゥ

提督「うわっ!?ど、どうしたの!?」

ヲ級「苦イ…!ソレ、苦イッ…」フルフル

提督「えっ!?あ、え、えっと、ご、ごめん…?」

ヲ級「ウ……モウ、大丈夫…苦イノ、感ジナクシタ…」

提督「そ、そうなの…?えと…ごめんね、その触手に味覚があるなんて思わなくて…」

ヲ級「イイ…テイトクハ、悪クナイ…」

提督「あー…その、続ける?」

ヲ級「アア…頼ム…」

提督「うん、分かった…」

提督(びっくりした…まさか味覚も感じられるなんて…)ペタ

提督(でも、感覚を遮断することもできるんだ…結構便利そう…)

提督(もしかして、大事な感覚器官か何かだったりするのかな…?)ワシャワシャ

ヲ級「…………」

提督「どう?痛くない?」

ヲ級「アア……気持チイイ…」

提督「ふーむ…」ゴシゴシ

提督(触覚と味覚は別なのかな…結構動くけど、もしかして無意識…?)スー

ヲ級「ンッ」ビク

提督「あ、痛かった?」

ヲ級「違ウ…先、気持チイイカラ…」

提督「はぁ…先が気持ちいいと…」クニクニ

ヲ級「アッ…ンン…」ピクッ

提督(可愛い…猫の尻尾の付け根を触ったときみたい…)

提督「よし…じゃあ流すよ、熱かったら言ってね」

ヲ級「アア…」

バシャア

提督(結構大きい触手だなぁ…毎回洗うのはちょっと辛いし、ちゃんと自分で洗えるように覚えてもらわなきゃ)

ヲ級「ハァ……」

提督(それにしても気持ちよさそう…この触手、敏感なのかな…?)バシャ

ヲ級「…………」

提督「ふぅ…こうやって、洗い終わったところの泡はちゃんとお湯で流すんだよ。そうしないと苦いのはなくならないからね」

ヲ級「分カッタ…覚エル…」

提督「で…次は、髪を洗いたいんだけど…」

ヲ級「?」

提督「……その帽子みたいなのが邪魔で全部洗えないかも」

ヲ級「ナラ、外ス…」カポッ

提督「えっ!?それ外せたの!?」

ヲ級「コレ、艤装ノ一部ダカラ…」

提督「へ、へぇー…そうだったんだ…」

ヲ級「…背中ニ付ケテテモイイ?」

提督「え?あ、ああ、うん」

ヲ級「…………」ガション

提督(せ、背中にも付けられるんだ…)

提督(神経とかどうなってるんだろ…艤装の一部ってことは基本的に艦娘と同じなのかな…?)

提督(それにしても……綺麗な銀髪だなぁ…ずっと海水にさらされてるはずなのに艶もあるし…)スッ

ヲ級「…………」

提督(指が引っかからない…触り心地は女の子の髪と変わらないのに、どうやって海水から守ってるんだろ…?)ワシャワシャ

提督(まだまだ分からないことだらけだなあ…)ワシャワシャ

ヲ級「泡…ツルツルシテル…」

提督「滑ると危ないから、ちゃんと流し終わるまで立ち歩いちゃいけないからね」

ヲ級「ワカッタ…」

提督「よし、と…それじゃ流すけど、泡が目に入ったら痛いから閉じててね」

ヲ級「アア…」パチ

提督(ふふ…なんだか、子供ができたみたい…)ジャー ワシャワシャ

ヲ級「…………」

キュッ

提督「ふぅ…特に何も持ってきてないし、あとは身体を洗うだけかな」

ヲ級「ドウヤル…?」

提督「手でやってもいいけど、基本的にはこのボディタオルにボディソープをつけて、泡立てて…はい」

ヲ級「コレデ洗エバイイノカ?」

提督「うん、身体の隅々までしっかりね」

ヲ級「ワカッタ…」

提督「さて、私も髪流さなきゃ…」

ヲ級「……………」ゴシゴシ

提督「んー…」スッ

提督(砂も結構ついてる…今度からはちゃんと準備しないといけないなぁ…)

カシュッ

提督「ヲ級ちゃん、そこの蛇口捻ったらシャワーが出るからね」スー ワシャワシャ

ヲ級「ン……」ゴシゴシ

提督(ヲ級ちゃんも楽しそうだし、お風呂は正解かな…)

ヲ級「……………」

ヲ級「……………」プシュ ヌリヌリ

提督(ふぅ…しっかり洗うと手が疲れてくる…)

ヲ級「テイトク」

提督「ん?どうs…

シュルッ

提督「ひょわあっ!?」ビクゥ

ヲ級「私ハ終ワッタカラ、身体洗ッテアゲル…」ヌルル

提督「ひんっ!?ちょっ、それ背中に付けてても動かせ……あ、こら!変なところ…あはっ、く、くすぐったいってばぁっ!」バタバタ

ヲ級「暴レルト危ナイ…」シュルル ニュル

提督「んあっ、わ、腋はダメ!ふくくっ、あはははは!ははははは!」ケラケラ

ヲ級「テイトク、楽シソウ…」ギュ スルスル

提督「楽しくて笑ってるわけじゃ…んふふふ、は、離しなさいってば!ひゃっ、あは、ふふふはははは!」

ヲ級「フフ…」

〜〜〜

カチッ

ブォー

ヲ級「ヲォ……」

提督「熱くない?」サラサラ

ヲ級「大丈夫ダ…」

提督「お風呂のあとはちゃんとこうして髪を乾かさないといけないからね」

ヲ級「ドウシテ…?」

提督「濡れた髪が服に張り付いて気持ち悪かったり、そのまま寝たりすると匂いが布に付いちゃうんだよ」

ヲ級「ホォ…」

提督「とは言ってもヲ級ちゃんは海に戻るからあんまり意味はないだろうけど…まあ、私たちは普段こうしてるからね」

ヲ級「……………」

提督「……よし、これくらいでいいかな」カチッ

ヲ級「終ワッタ…?」

提督「うん…あ、そうそう、まだあの艤装はかぶっちゃダメだからね。完全に髪が乾くまで背中に付けてて」

ヲ級「了解…」ガチャ

提督「…ところでそのパジャマ、着心地はどう?」

ヲ級「……イツモノト違ッテ、張リ付イテクル感ジガナイ…ユッタリシテテ、気持チイイ…」

提督「そっか、ならよかった」

ヲ級「………アト……」

提督「?」

ヲ級「テイトクノ匂イガスル…」スンスン

提督「それは言わなくていいから!」

提督「はい、これ」スッ

ヲ級「……?コレハ……」

提督「牛乳、っていう飲み物だよ」

ヲ級「冷タイ…」

提督「お風呂上がりはこれが美味しいんだよ。こうやって、蓋を開けるの」キュポッ

ヲ級「ム……」キュポッ

提督「そうそう、一気に飲んだら頭が痛くなるからちょっとずつね」

ヲ級「…………」グイ

ゴク

ヲ級「…………!美味シイ…」

提督「ふふ、他にも色んな味の牛乳があるからまた今度飲んでみるといいよ」

ヲ級「ギューニュー…ナルホド…」ゴク

提督(だんだん人間味が生まれてきたなぁ…)

提督(もう7時…色々教えてるうちに結構時間経ってる…)

ヲ級「…………」ジーッ

提督「……ん?どうかしたの?」

ヲ級「テイトクノギューニュー、私ノト違ウ…」

提督「ああ、これはコーヒー牛乳っていう牛乳だよ」

ヲ級「…………」ゴクリ

提督「………飲む?」スッ

ヲ級「………!アア…」シュル

グイ

ヲ級「…………!!」ゴクゴク

提督「そ、そんなに気に入った?」

ヲ級「美味シイ……」

提督「そ、そっか…でも、私の分は…」

ヲ級「…代ワリニ私ノヲアゲル」スッ

提督「え、ど、どうも…」

提督(お互いに間接キスなんだけど…)

ヲ級「…………♪」ゴクゴク

提督(……気にしてないみたいだし、まあいっか…)

ヲ級「ニンゲンハ…コンナモノヲイツデモ楽シメルンダナ…」

提督「あー…そうだね、ヲ級ちゃんにとっては深海にはないものばかりだもんね…」

ヲ級「……ギューニューハ深海ニハナイノカ?」

提督「私たちが飲んでる牛乳は牛っていう地上に生息してる動物から採れるのが一般的だからね。一応イルカとかクジラが哺乳類だから乳汁の採取はできないことはないけど…難しいだろうし、そもそも美味しくないんじゃないかな」

ヲ級「ソウカ…美味シイギューニューハウシカラシカ採レナイノカ…」

提督「うーん…確か、人の母乳は甘くて美味しいらしいけど…」

ヲ級「ヒトカラモ出ル、ノカ…!?」

提督「うん、牛と同じ…というかどの哺乳類もそうだけど、こう、胸をぎゅーっとするとね」

ヲ級「…………」

ヲ級「ナラ、テイトクカラモ出ル…?」

提督「え、私?あはは、私は出ないよ、妊娠してないもん」クス

ヲ級「ニン、シン…?」

提督「女の人のお腹に子供ができることだよ、妊娠してないと母乳は出ないの」

ヲ級「ソウナノカ……胸、大キイカラギューニューガ詰マッテルト思ッタ…」

提督「これはただの脂肪だよ、ふふ」

ヲ級「…ドウヤッタラニンシン、スル?」

提督「えっと…男の人の…せ、精子と卵子が結びついたら…かな//」

ヲ級「男ノ…人…私ダト、デキナイ…」

提督(ヲ級ちゃんが自分を女性だと認識してるってことは、深海棲艦にも男女の概念ってあるのかな…?今のところ雌型しか確認されてない…けど)

提督「……あ、そうそう」

ヲ級「………?」

提督「うろ覚えだけど、想像妊娠っていうのがあって…そうなると妊娠してなくても母乳が出たりすることがあるみたいだよ」

ヲ級「ソウゾウニンシン…」

提督「まあ相当病んでないとならないみたいだけど…ヲ級ちゃん?」

ヲ級「………ツマリ、ニンシンシテルトイウコトニスレバイイノカ?」

提督「え?り、理屈ではそうなんじゃないかな」

ヲ級「…………ナルホド」

提督(何のなるほどなんだろう…)

ヲ級「………デモ、マダ人ノ身体ノコト、ヨク分カラナイカラ…モット勉強シテカラニスル…」

提督「う、うん?何の話かは分からないけど、いいんじゃないかな?」

ヲ級「フフ…楽シミ…」

フフの流れは天龍ちゃんが泣くからやめて差し上げろ
触手搾乳フラグ建設完了、提督が溺れたときに触手を突っ込んだ穴は耳であってアレではないです

提督「さてと……他の子も来るかもしれないし、そろそろ出ようか」

ヲ級「アア…」

ガララ

ピシャッ

提督「んー…7時とはいえ、まだ明るい…」

ヲ級「ソウダナ…」

提督「ヲ級ちゃんはまだ帰らなくていいの?」

ヲ級「……今日ハ、泊マッテイッテモイイカ?」

提督「え?うん、いいけど…どうして?」

ヲ級「テイトクガ洗ッテクレタノ、スグニ汚シタクナイカラ…」

提督「…そっか…」

提督「他の子に心配とかされてないの?」

ヲ級「……港湾水鬼ガ、アマリ人ト関ワルナト言ッテイタ…」

提督「港湾水鬼って……えっと、確か顔が怖い子だよね?」

ヲ級「ソウダ」

提督「あの子に面倒見てもらってるの?」

ヲ級「面倒カドウカハワカラナイガ…ヨク、私ニ悩ミガナイカトカ…辛イコトハナイカ、ト聞イテクル…」

提督「な、なんだかお母さんみたいだね…」

ヲ級「今日モソウダッタ…人間ニ、変ナコトヲ吹キ込マレルナト…」

提督「はあ…やっぱり、快くは思われてないんだね…」

ヲ級「アア…」

ヲ級「ケド……私ハ、人間ガ羨マシイ…」

提督「え?」

ヲ級「私モ、人間ノヨウニ…テイトクノヨウニ、楽シイコトヲタクサンシタイ…私モ、同胞タチト…」

提督「……………」

ヲ級「ドウシテ私ハ深海ニ住ンデイルンダ…?戦ウヨリ、コウシテテイトクタチト共ニ居ル方ガ楽シイノニ…ドウシテ、私ハ人間ニナレナインダ…」

提督「……………」

ギュ

ヲ級「…………」

提督「大丈夫だよ。そう思ったなら、もうヲ級ちゃんは人間と同じ一つの存在だよ」

ヲ級「人間……私ガ……?」

提督「うん、立派な人間。誰かを愛したいと願う心があるのならね」

ヲ級「……ソウカ……コレガ、愛情カ…」

提督「私だって、戦いよりみんなと一緒に楽しいことをしていたいよ。ヲ級ちゃんもそうでしょ?」

ヲ級「アア…」

提督「…なら、私たちの目指す道は同じだね」

ヲ級「………?」

提督「人間も深海棲艦も、争うべきじゃない…私とヲ級ちゃんみたいに和解できるってことを、世界に伝えなくちゃいけないの」

ヲ級「和解…」

提督「協力してくれる?」スッ

ヲ級「……モチロンダ、テイトクノタメナラ…」ギュ

提督「ふふ、ありがとう…」

ヲ級「私ノ方コソ……ありがとう」

提督「………?」

ヲ級「……?ドウシタ?」

提督「い、いや…なんでも…」

提督(気のせいかな…?今、何か、変な感覚が…)

「しれいかーん!!」

提督「ん…暁」

暁「司令官、外に出ましょ!みんなも集まってるわ!」

提督「外?どうかしたの?」

暁「花火よ花火!ほら、司令官も!」グイグイ

提督「ああはいはい、分かったから引っ張らないで…ヲ級ちゃんも、行こ?」スッ

ヲ級「アア…」

キュ

シュボッ

提督「それっ」ポイッ

ヒュルルルル

暁「ぎゃー!?」

雷「ちょっ司令官!こっちに投げないでよ!」

電「はわわわわ!?こ、来ないでぇ!!」バタバタ

提督「あはは、ごめんごめん」



シュボッ

ズルズル…

時雨「…………」

夕立「………ヘビ花火、地味っぽい」

江風「ほー、うンこみたいだなー」

長波「どう見てもうんこだなー」

若葉「ああ、うんこだ」

白露「女の子がうんこうんこ言うな!!」

天龍「オラオラァ!天龍様の御通りだー!!」シュボオオオ ドドドドド

電「あー!聖火ランナーなのです!」

雷「火をもらいに行くのよ!」

夕立「ファイアパーティーするっぽーい!」

天龍「わはは!オレに追いついてみやがれ!」ドドドドド

島風「待てぇええー!!!」

白露「あたしが一番だぁー!!!」

ドドドドド…

提督「はぁ、昼間あれだけはしゃいでたのに元気だねえ…」

加賀「なら打ち上げ花火でも見ましょうか」

提督「そうだね、火つけてくる」

ザフザフ

提督「んっと、マッチマッチ…」ゴソゴソ

ヲ級「何ヲスルンダ?」

提督「まあ見てて、こうやって火をつけると…」

ガッ シュボ

提督「はい、少し離れて」ザッ

ヲ級「………?」ザッ

シュワアアアア パチパチッ

ヲ級「」ビクッ ギュ

提督「ふふ、思ったより勢いが強かったね」

ヲ級「ビックリシタ…」

加賀「あなた、くっつきすぎよ。離れなさい」グイグイ

ヲ級「ン、スマナイ…」

提督「あれ、もしかしてやきもち妬いてるの?」

加賀「そんなことはないわ」

提督「ならいいでしょ、ねっヲ級ちゃん」

ヲ級「ヲッ、ソウダナ…」

加賀「良くない」グイグイ

飛龍(妬いてる妬いてる)

蒼龍(分かりやすい人だなあ)

蒼龍「連続点火いっくよー…それ!」ダッ

シュボボボ

飛龍「あはは!すごいすごい!」

蒼龍「はぁ、はぁ…」

ヒュポポポポンッ

提督「おぉー」

パァン…

提督「わぁ…」

ヲ級「キレイ…」

提督「……どう?楽しい?」

ヲ級「アア…テイトクト居ルト、楽シイコトバカリダ…」

提督「ふふ、私もだよ」ニコ

ヲ級「…………!」キュン

ヲ級(ナンダ…コノ、気持チハ…)

ヲ級「…………」

提督「ふぅ……これで全部かな?」

加賀「そうね、もう残りはないわ」

ヲ級(不思議ナ気持チダ…暖カイヨウナ、苦シイヨウナ…)

提督「じゃあお開きかな………おーい、みんなー!そろそろ戻るから、片付けしてねー!」

ヲ級(デモ…ドウシテ、コンナ…?)

提督「ふぁ…ねむ…」

加賀「今日は遊んでいたから疲れたのよ、戻って寝ましょう」ナデ

提督「うん…あ、今日はヲ級ちゃんも一緒だよ」

加賀「えっ」

ヲ級(……テイトクト一緒ニ居レバ、分カルカモシレナイ…コノ気持チノ正体…)

提督「ヲ級ちゃん、行くよー」

ヲ級「……アア」

夏の長いのおわり
次はたぶんR-18になると思います

提督「すー…すー…」

ガチャ

スタスタ

金剛「テイトクぅー、もう10時デース。早く起きるネー」ギシ

提督「んぁ……あぁ…?」パチ

金剛「目が覚めマシタ?」

提督「んん………まだねむい…」ゴロン

金剛「No!ちゃんと起きるデース!」ユサユサ

提督「ん〜…すぐ起きるから…」

金剛「むぅー…」

金剛「………!」ピコーン

提督「ぐう……」

金剛「フフーン、テイトクが起きないのならこっちにだってplanがありマース」

提督「はいはぃ…」

金剛「よーし……」

スッ

提督「むにゃ……すぅ…」

金剛「ンー……」

チュッ

提督「………へぁっ!?」ガバッ

金剛「Good morning!」

提督「え…え、えっ?あ、え?」

金剛「まだsleepyデスカー?ならOne More…」スッ

提督「わっ、わー!!だ、大丈夫だから!もう起きたから!」アセアセ

金剛「ちゃんと目が覚めたみたいネー」

提督「う、うん…えっと、あの…金剛?」

金剛「?」

提督「その…な、なんでキスしたの…?」

金剛「英国式の挨拶デース!」

提督「あ、挨拶ぅ?」

金剛「Yes!ワタシとテイトクは親しい仲デス、だからこれが当たり前ネ」

提督「は、はぁ…そっか、イギリスではそうなんだ…」

提督(ほっぺとはいえ、恥ずかしいことには変わりないんだけど…)

ガチャ

比叡「あー!!お姉様、また司令の部屋に入り込んで!」

金剛「うっ、見つかったデース…」

提督「あ…お、おはよう、比叡…」

比叡「あ!司令、おはようございます!ほらお姉様、司令の邪魔になりますから、行きますよ!」グイグイ

金剛「ノオォー!!ワタシはテイトクとbreakfast……あっ、ああー!!」バタバタ

バタン

提督「…………」

提督「……そうだ、金剛はイギリス生まれだった…」

提督「………顔、洗おう…」

パタパタ

提督「はぁ…朝からなんなんだろう…」ゴシゴシ

望月「んぁ?お、ふーちゃんじゃん」

提督「あ、望月…おはよう…」

望月「髪結ってるってことは寝起き?」

提督「うん、まあ…それにしても望月が早起きしてるなんて珍しいね」

望月「10時なのに早起きも何もないだろ…」

提督「…言われてみれば」

提督「う〜…」

望月「はー、相変わらず寝起きは頭回ってないなー」

提督「だってまだ眠いし……望月は?」

望月「んぁ?あたしは今から寝るとこ」

提督「今から?…また徹夜でもしたの?」

望月「そうそう」

提督「もう…夏休みだからって徹夜ばっかりしてたら身体壊すよ?」

望月「あーはいはい、分かってるって」

提督「だいたい普段から不摂生でろくにご飯食べたり寝もしないんだから、ほんとに病気かなにかに〜〜……」ガミガミ

望月「あー………ところでふーちゃん、ほっぺのそれ、何?」

提督「へ?」

望月「鏡見てみなよ、ほら」

提督「ほっぺ……うわっ、何これ!?」

望月「それ、口紅の痕?もしかして朝から加賀さんと…」

提督「ち、違う違う!そういうのじゃないの!これには訳が…」アセアセ

望月「あー…うん、まあ、とりあえずそれ落としたら?」

提督「あっ…う、うん」

ジャー

キュッ

提督「はぁ……」

望月「はい、タオル」スッ

提督「ああ、ありがと…」ゴシゴシ

望月「…で?何があったの?」

提督「えっとね…まあ、簡単に言うと金剛が英国式の挨拶だーって言って私が寝てるところにキスしてきて…」

望月「はーなるほどねえ、納得したわ」

提督「あはは…誤解が解けたみたいでよかったよ…」

望月「英国式の挨拶…キス、か…」

提督「実は私が起きたのもそれが原因で……」

望月「………ふーちゃん」

提督「ん?なn…

グイッ

チュッ

提督「っ!??」

望月「……っはあ」スッ

提督「ぷはっ……も、も、望月!?いっ、いきなり何を…///」

望月「挨拶だよ挨拶」

提督「向こうの人も挨拶で口同士はしないって!……多分!」

望月「まあいーじゃん、減るもんでもないし、前にだって何回もしてたし」

提督「あ、あの時とはまた別でしょ!?あれは、私からだったし…いきなりじゃなかったし…///」カァ

望月(可愛いな…)

提督「と、とにかく!口同士でする時はもっとムードとかそういうのが」

望月「あー、眠いからもう戻るわ。んじゃ」スタスタ

提督「あ、こら!………もう!」

提督「まったく、望月ってば…あんな、いきなり口でするなんて…///」ポッ

武蔵「よう」ヌッ

提督「うわぁっ!?」ビクゥ

武蔵「そんなに驚かなくてもいいだろう」

提督「び、びっくりした…いきなり出てこないでよ…」

武蔵「そう言われても、赤くなっている相棒になんて声をかければいいのか分からなくてな」

提督「えっ!?あ、も、もしかして見られ…」

武蔵「いや、私はついさっき来たばかりだからな。何も見ていない」

提督「そ…そっか…」

武蔵「ただ、さっき外で睦月型のお嬢さんと会ってな」

提督「」ピク

武蔵「なんでも、『挨拶』をしていたそうじゃあないか?」ニヤ

提督(望月いぃ…!!)プルプル

武蔵「………なあ、相棒?」

提督「ひっ」ビク

武蔵「私はまだ、相棒には『よう』としか言っていなかったな」スッ…

提督「ま、待っ……!」

武蔵「じゃあ……改めて、挨拶をしようか……」ギュ グイッ

提督「…………!!」

武蔵「ふぅ」ツヤツヤ

提督「」チーン

武蔵「…さて、私は満足したのでな。またな」

スタスタ

提督「うううう……がっつり蹂躙されたよおぉ…」

提督「もう…これじゃお嫁に行けない…」

提督「……しかも、こんな朝からされたら…っ」ピクッ

提督「ぅ……だ、ダメダメ…落ち着かなきゃ…」フルフル

提督「すー…はぁ…」

提督「…………よし、大丈夫…」

提督「うー…ひどい目に遭った…」

電「あ!」

提督「あ。電、おはよう」

電「お、おは……っ!」バッ

提督「……?どうしたの、急に口押さえて」

電「………あ、あの、司令官さん」

提督「うん」

電「そっ、その…ちょ、ちょっと屈んでもらってもいいですか…?」

提督「………もしかして、挨拶のこと?」

電「!」ギクッ

提督「…ほら」スッ

電「え?い、いいのですか?」

提督「うん、いいよ」

電「! じゃ、じゃあ…ほっぺたに…」

提督「ん」

電「………っ…」ソーッ

チュッ

電「……はわわわわ///」カァアア

提督(自分でやっておいて恥ずかしがるなんて…)

提督(かわいいなあ!!!)

提督「ところで電、このことは誰から聞いたの?」

電「え?ええっと、食堂で金剛さんが…」

提督「はぁ……やっぱり…」

電「あ、あの…ご迷惑でしたか…?」

提督「ああ、そんなことはないよ…ただ、電の他にもう二人に口同士でされて…」

電「く、口で…//」ドキドキ

提督「みんな電みたいな子だったらいいんだけどね…さすがに口同士は恥ずかしいから…」

提督(しかも片方は舌入れてきたし…)

電「このことが鎮守府全体に知れ渡ったら、大変なことになるんじゃ…」

提督「それもそうだね…食堂、行こうか」

キィ…

提督「…………」ソッ

電「……結構集まってるのです…」


金剛「……というのが英国では一般的なcultureネー!」

霧島「もう…あまり大声で騒ぐのはやめてください」

隼鷹「ほー、キスで挨拶かあ。英国の文化はよく分かんないねえ」

飛鷹「英国だけじゃなくて、外国では割とよくあることらしいわよ?」

隼鷹「ふーん…お、ちょうどいいところに。おーい、ローマぁー!」

ローマ「何か用?」

隼鷹「うちら日本生まれにはないんだけどさあ、イタリアって挨拶でキスしたりとかはあんのかい?」

ローマ「あることにはあるけど…誰彼構わずやるものではないわ」

飛鷹「へー、そうなの?」

ローマ「他の国はどうか知らないけど、基本的に親しい真柄でするものね。同性同士でもするけど、厳密に言えばキスではないわ」

隼鷹「どゆこと?」

ローマ「挨拶のキスはお互いに頬を触れさせるものであって、口が触れるわけではないのよ。けど、キスの仕草だからチュッと音を立てるの」

隼鷹「ほほー」

飛鷹「…隼鷹、それ面白くないわよ」

ローマ「あとは…そうね、恋人や夫婦なんかは日常のどこでも頬や唇にキスをしたりするわね」

飛鷹「なんて大胆な…」

ローマ「そういう文化だから気になんてならないわ、挨拶だもの」

隼鷹「はえー…じゃああそこにいる提督ともしたりするわけ?」ビッ

ローマ「え?」



提督「!?」

アー!テイトクダ!

ワタシモテイトクトアイサツスルー!

ア、コラ!ヌケガケズルイゾ!

ドドドドド

提督「ひえぇぇ!??」

電「お、押し寄せてきたのです!」

大井「げへへへへ…て、提督ゥ…私と熱い挨拶を交わしましょう!さあ!さあ!!」ダダダ

提督「にっ、逃げるよ!!」ダッ

電「は、はいぃ!」

ドドドドド…

ドドドドド…

ズザッ

大井「ぜぇ…ぜぇ…ねえ、若葉ちゃん?」

若葉「ん…なんだ」

大井「このあたりに提督がいなかった?」

若葉「提督か。あいつなら演習場の方に行ったぞ」

大井「そう、恩に切るわ!」ダッ

ドドドドド…

「「…………」」

若葉「……もういいんじゃないか」

ガサッ

電「なんとかやり過ごせたのです…」

提督「ふぅ…ありがとうね、若葉」

若葉「気にするな」

若葉「しかし、なぜあそこまで追われていたんだ?」

提督「あー…まあ…」

〜〜〜

若葉「………なるほど、キスか…」

提督「ということがあってね…」

若葉「………ん?キス…キスカ……?」

提督「あっ…」

若葉「…………」

提督「ご、ごめんね!別にそういうつもりで言ったわけじゃ…」

若葉「……いや、いい」

若葉「ん」スッ

提督「え?」

若葉「やる」

提督「やるって…このココアシガレット、食べかけなんだけど…」

若葉「間接でもキスはキスだ」

提督「……ああ、そういうこと」カプ ポリポリ

若葉「…………」スッ カプ

電(なんでココアシガレットを常備してるんだろう…)

提督「若葉は今何をしてるの?」

若葉「花に水をやっている」

提督「……?ああ、ほんとだ。これ、全部若葉が?」

若葉「そうだ。他にも何人かいるがな」

提督「そっか、みんな食堂にいるから…」

若葉「…せっかくだから…そうだな、季節の花をやろう」プチ スッ

提督「わ、綺麗…これ、なんていうの?」

若葉「タマスダレ、だ。別名はゼフィランサス」

提督「試作1号機…?」

若葉「え?」

提督「あ、いや、なんでもないよ」

提督「これは夏にしか咲かない花なの?」

若葉「夏の初めから秋の中旬くらいだ」

提督「へー、物知りだねえ」

若葉「花言葉は……確か、清い愛だったか」

提督「清い愛…ふふっ、ありがとう」

若葉「気に入ってくれたか」

提督「うん、嬉しいよ」

電(若葉ちゃん…とぼけてるフリしてるけど、絶対知っててやってるのです…)

提督「さてと……そろそろ食堂に戻ってもいい頃かな」

電「はい、人も少なくなってると思うのです」

若葉「行くのか」

提督「うん、またお花のこと聞かせてね」

若葉「ああ」

提督「それじゃ!」

若葉「またな」

パタパタ…

若葉「……種、植えるか」

ガチャ

提督「……よし、ほとんどいなくなってる」

飛鷹「あ、提督」

隼鷹「おーい、お二人さーん」ブンブン



電「呼ばれてるみたいなのです」

提督「そうだね、行こうか」

スタスタ

隼鷹「やー、さっきは悪いねえ、なんだか大変な目に遭わせたみたいで」

提督「あはは…まあ、慣れたものだから…」

提督「そうだ、金剛は?」

飛鷹「末っ子に怒られて退散したわよ」

提督「そっか、ならいいんだけど」

隼鷹「でさ、結局挨拶でキスとかすんの?」

ローマ「親しい人にはね」

隼鷹「んじゃ提督ともできるんじゃない?」

ローマ「え?」

提督「? イタリアにも挨拶でキスする文化があるの?」

隼鷹「おー、さっき聞いた」

ローマ「どうしてそんなことしなきゃいけないのよ、見たいのなら姉さんに頼めばいいでしょう」

隼鷹「え?なら提督とは親しくない関係ってこと?」

ローマ「なっ、そ、そうは言っていないでしょ!」

隼鷹「んじゃあキスできるじゃん?」

ローマ「く……」

提督「そっか…仲良しと思ってたのは私だけだったんだ…」

ローマ「ま、待って!」

ローマ(どうすればいいの…このまま何もしないと提督が悲しむし、キスすればこの酔っぱらいが喜ぶし…ああもう!)

ローマ(背に腹は代えられぬってやつ、か…)

ローマ「わ…わかったわよ…やればいいんでしょ、やれば…」

隼鷹「おー!さっすがぁ!」

ローマ(何を緊張しているの…これは挨拶…これはただの挨拶だから…)スス

提督「…………」

チュッ

ローマ「っ……はい、これでいい?」

隼鷹「ひゅー!やーるぅ!」パチパチ

ローマ「くそ…なんて屈辱…///」

提督「えへへ、やっぱり恥ずかしいけど…ちゃんと証明してくれて嬉しいよ、ローマ」

ローマ「と、友として!友としてだから!///」

飛鷹(珍しく顔赤くなってる)

隼鷹「んじゃあたしも失礼してっと」ガタ チュッ

提督「ひゃんっ!?」ビクン

隼鷹「あっはは、可愛らしい声!」

提督「もう…うなじはくすぐったいよ…」

飛鷹「なら私もしておこうかしら。提督、いい?」

提督「ん?うん、いいよ」

飛鷹「じゃ…」

チュッ

提督「んっ」

飛鷹「…これ、やる側も結構恥ずかしいわね、ふふ」

提督「ねー」

電「…………あ」グウ

提督「ん…電、お腹空いちゃった?」

電「はい、朝は食べていなかったので…」

提督「それじゃちょっと早いけど、みんな集まり始める前に食べようか」

電「はい」

隼鷹「ついでにあたしらの分も作ってくれよー、頼むよー」

提督「はいはい…ローマは?」

ローマ「私はあとでいいわ、それより姉さんを起こしてくるから」

提督「割とぐうたらしてるんだ…」

飛鷹「私もお腹空いちゃったわ」

提督「ああうん、すぐ作るね」

初期艦だとそうなるかな

まさか>>1の初期艦って……

……君のような勘のいい>>627は(ry

〜〜〜

電「ふぅ……」

提督「お腹いっぱいになった?」

電「はい、美味しかったのです」

提督「そう、ふふ」

電「……そろそろ食堂も騒がしくなり始めるのです」

提督「だね…そろそろ出ようか」ガタ

電「はい」

パタパタ

ガチャ

バタン

提督「んんーっ…今日も暑いね…」

電「司令官さん、暑いのは苦手なのです?」

提督「うん…電は長袖なのに平気そうだね…」

電「今日は大丈夫ですけど、暑い日は腕まくりもしてるのです」

提督「そうだね…あんまり暑いようなら薄着にしてもいいからね」

電「はい、司令官さんも熱中症には気をつけるのです」

提督「はーい…」

提督「暑いのに駆逐艦の子達は元気だねえ…」

電「やっぱり身体を動かすのは気持ちいいのです」

提督「そうだけど…暑いのは嫌かなぁ…」

ドン

電「あたっ!?」ドサッ

陸奥「あら」

長門「おっと…大丈夫か?」グイ

電「あ、ありがとう、なのです…ごめんなさい、よそ見してて…」

長門「いや、こちらこそすまない。私もよそ見をしていたところでな」

提督「二人とも、これからご飯?」

長門「ああ、食堂のうるさいのがいなくなったみたいだからな」

提督「……えっと、それ知ってるってことは…」

陸奥「挨拶のことも聞いたわ」

提督「だよね…」

長門「フフ、その分だと苦労したようだな」

提督「あー…うん、まあ…」

長門「ふむ…なら、私は控えめに…失礼、手を」ストン

提督「へ?」

ギュ

長門「敬愛を込めて……ん」

チュッ

提督「わ……//」

陸奥「あら、紳士的ねえ」

長門「なかなかこういうことをするタイミングはないからな、少し決めてみたくなったんだ」

提督「ううん…ちょっとくすぐったいけど…ふふ、嬉しいな…///」テレテレ

長門「そうだ電、君にも…ん」

チュッ

電「はわっ」

長門「額へのキスは祝福、という意味があるそうだ。幸運に恵まれることを願うよ」

電「は、はい…///」カァ

陸奥(長門、なかなかの攻略王ね…)

陸奥「…………」

長門「さてと…それじゃ、腹も空いたのでまたな」

提督「うん、ゆっくりしてきてね」

電「司令官さんの作り置きがあるから、それを食べるといいのです」

長門「ああ、了解だ」

スタスタ

陸奥「提督」

提督「ん?なに

チュッ

提督「っ……!!」ドクン

陸奥「ふふっ…それじゃあね」

電(……?陸奥さん、なんだか嬉しそうだったような…)

提督「はっ……ぁ、あ…」パクパク

提督(まずい……まずい、まずい、まずいまずいまずいまずい)ドクンドクン

電「……あれ?司令官さん?」

提督(ダメ…陸奥にキスされたら、あのときの、思い出して…ダメっ、こんなところで……!収まれ、収まれ、収まれ、収まれっ……)ギュウウッ

電「司令官さん?お腹でも痛いのですか?」

提督「っ………大丈夫だよ…ありがとうね……」フルフル

電「そ、そう…ですか…?」

提督「うん…食べたあとにすぐ歩いたから、ちょっとお腹が痛くなっただけ…ほんとに、大丈夫だから…」カタカタ

電「でも、身体が震えてるのです…」

提督「…そんなことないよ、ほら…いつも通り」パッ

電「あ…は、はい」

電「………一応、休んだ方がいいのです…暑くて体調を崩したかもしれませんし…」

提督「ううん、ほんとに大丈夫だから…」

電「でも、顔が赤いのです!お部屋で休むべきなのです!」

提督(熱があって赤くなってるわけじゃないんだけど…)

電「何かあってからじゃ遅いのです…お薬を飲みに行きましょう」グイ

提督(電の好意を無下にするわけにもいかないし…)

提督「う、うん…ありがとう」

電「夏風邪じゃないといいですけど…」

提督(ここは素直に従っておこう…)

ゴクン

提督「ふぅ…これで大丈夫だよ」

電「あ…ダメなのです、しばらくはじっとしていないと」

提督「あはは、心配しすぎだよ」

電「でも…」

提督「……はいはい、分かったよ…元気になったら出るから、遊んできていいよ」

電「…はい、お大事に」

パタパタ

バタン

提督「はぁ…」

提督(頃合いを見て抜け出すかぁ…)

提督(……退屈だし、本でも読もうかな)

ペタペタ

提督(何か読んでないもの、あったかなぁ…)

提督(それにしても、忘れてたなあ…こういう時に危惧すべき存在、陸奥がいたことを…)

提督(たぶんここに来るだろうな…)

提督(…うん、来たらちゃんと断ろう…さすがにみんな起きてるし…)

ガチャ

陸奥「失礼するわね」

提督(早速来た…)ズーン

提督「……何か用?」

陸奥「あら、どうしてそんなに冷たいの?」

カチャン

提督「……なんで今鍵閉めたの?」

陸奥「ふふ、どうしてかしら?」

提督「…一応言っておくけど、そんな気分じゃないから今は…」

陸奥「さっきは満足できてなさそうだったけど」クス

提督「っ……そ、そんなことは…」

陸奥「………ふふっ」

ツカツカ

提督「……!ま、待っ………」

スッ…

提督「………あ……」

導入が長い(半ギレ)
というわけでキス編その2です
(書き溜めはまだできて)ないです。

望月と天津風は本編では書いてない部分で手を出してますねえ、また回想という形でそのことについて書きたいと思ってます
初月可愛い(遺言)

本棚を背に追い詰められたまま、身体が動かない。まるで見えない拘束具でもあるみたいで、身体に未知の毒が回ったみたいで。指の先すら動かせないほどに凍りついてる。
ダメ、こんな時間からなんて!まだみんな起きてるから!
って、出そうとした言葉は喉につっかえたまま息ができない。色んなことがこんがらがって、頭の中でぐるぐると回って、思考回路がショート寸前………ううん、もう働いてないや。突き飛ばしてでも断らないといけないのに、その意思に反して身体は言うことを聞いてくれない。
なんで?どうして?

「ふふ……抵抗、しないの?」

本当は分かってる。自分が一番よく理解してる。
あの夜陸奥にしてもらったこと、刻みつけてくれたこと。その味を…禁断の快楽を、身体が覚えてるから。
だから、こうしてだんだんと陸奥が唇を寄せてきている今でも私は何もできない。いや…むしろ、待ってるのかな。ダメだって分かってても、本能がそれを拒んでる。

ほら。あと3cm、2cm、1cm………

「んっ……!」

唇が重なる。たったそれだけなのに、自我の効かない身体は急激に熱を帯び始める。
一度のキスであのときの記憶が呼び覚まされて、どうしようもないくらいに心が疼いてる。もう歯止めなんて……利かないよね。

「………ん…」

小さく声を漏らして、陸奥が離れた。
一瞬?それとも、数十秒?どれくらい私たちの唇は触れ合ってたんだろう?それすらも分からないほど、思考が蕩け出してる。

「…すっかりオンナのコの顔になっちゃって」

逃げられないように壁に手をついて、私を包み込むようにしながらくすりと笑う陸奥。女の子の顔ってなんだろう。詰まる所、エッチな顔ってことかな。だとしたら今の私ってどんな表情なのかな?陸奥もその私を見て、興奮してるのかな?
…そんなピンク色のことばかり浮かんできちゃう。もう我慢できない…

「もう我慢できない?」

嘘、エスパー?それとも、無意識に声に出てたりとか?そんなことどうだっていい、嘘をつく必要もない。素直に首を縦に振って、明確に意思を示す。

「ふふ、そう……なら、ちゃあんと可愛がってあげる…♪」

また、陸奥の唇が近付いてくる。私はそれを待ってるだけ。……期待という、文字通りに。

………違う。
私はただ、陸奥に迫られているだけ。私が断り切れない弱みに付け込んで、こんなことをしてる……

って、考えると余計に欲情してしまうのはやっぱり加賀に言われた通り、私にマゾヒスト的な嗜好があるからなのかな。
本当はしたらまずいこと、いけないことをする。その背徳感や焦燥、肉体的、精神的な痛み、その先にある快楽を味わうことを是とする人種であり、理不尽な暴力や責任を受けても『全部自分が悪い』『自分が我慢すればいい』等自罰的な傾向のある人間はかえって他者からの肉体的、精神的加虐によって心の安定を得る面がある。

………と本に書いてあったけど、これが当てはまるあたり私がマゾヒストなのは、うん、確定してるんだと思う。
だってほら、今こういう状況にも興奮して乳首が痛いくらいに腫れてるし、それを陸奥に指摘されてるし。

キスされただけでこんなにも発情してしまうのは六割がた陸奥のせい。あとは私の嗜好と人間性の問題。

「んっ…、はっ、ん、ん…」

こんなふうに、短いキスを何度も繰り返すのをバードキスって言うみたい。唇が重なるたびに小さな幸福感と欲求が身体に募っていくような…変な感覚に捕らわれる。でも、気持ちいいということは確かに分かる。

「ふぁ………」

顔が少し離れたあと、壁についていた手が背中と鎖骨のあたりに添えられる。

「欲しい?」

その問いかけの意味はよく理解してる。さっきので私がもう我慢できないことは知ってるはずなのに、いじらしくこういうことを聞いてくるのは陸奥が意地悪なんじゃなくて、ただ私の性格を分かっていて焦らそうとしてるから。
ほんと…私、分かりやすいのかな…

うん…って頷いたらくすっと笑って、右手の指先で私の顎をくいっと持ち上げる。
陸奥と私にはちょっとだけ身長差があるから、こうするとちょうどいい体勢でキスしやすいみたい。それに、上から征服するみたいに押し付けられるのはなんだか……その、興奮する。

「………ん」

するり、と。陸奥の舌が侵入してくる。自分の口の中に異物が入ってくるって気持ち悪いはずなのに、どうしてキスされてるとこうも気持ちよく感じるんだろう。
ああ、やっぱりキスするの、好き。理由は自分でもよく分からないけど、たぶん、愛されてるって実感できるから。
まるで獣みたいに私を捉えて、口腔を這い回って、舌根にまで舌先を伸ばしてくる。

「ん、んぁ……ふ、ぅ…んんっ……」

密着すると胸同士が潰れて少しだけ痛いけど、それすらも心地よくって…快感のあまり崩れ落ちそうになった身体を支えるように、腋から背中に腕を回してより抱き寄せられる。

舌を伝って流れ込んでくる唾液を、こくこくと飲み干していく。味なんてないはずなのに、ひどく甘いように思えるのはやっぱり雰囲気のせいなのかな。
飲み切れなかった分は口の端から涎みたいに零れ落ちて、私の胸元を濡らしている。

私は上を向いているのに、陸奥はどうやって私の唾液を啜ってるんだろう。じゅるるって音がするということは、吸い上げてる?ふやけた思考じゃ分からないな…

「んっ……舌、出して…」

ああ、いつも通りのやつだ。指示に従って舌を出すと、柔らかい唇でそれを包まれる。私の舌をすっぽりと覆ったまま上下に動くと、アイスキャンデーをしゃぶってるみたい。
ちゅぱちゅぱと味わうように舐られるのは理性ごと溶かされる快楽で…何も考えられなくなっちゃう。

「はぁ、っ…ん、はぁ…」

息苦しい。長い間求められてたせいか酸欠になって、頭がぼーっとしてる。さっきから後頭部に手を回して逃げられないようにしてるのも、それに一役買ってるのかも。

長く唇を合わせたあと、ふっと顔を離す。
唇と唇の間にかかった透明な糸が、重力に従ってぷつりと切れた。
じっと瞳を見つめたまま、陸奥は動こうとしない。私の呼吸が整うのを待っているみたいで、これが前と同じ通りならそろそろ終わり。

肩が上下するのが収まって、指を絡めて、また唇を重ねて。私が動かなくても、陸奥の方から動いてくれる。
歯に舌を這わせ、厭らしく音を立てながら頬肉や舌先を舐め私の味を確かめる。
最後は、軟口蓋を舌先で刺激してくれる。息が止まるような、脳が痺れるような…そんな鋭い快感が全身を駆け巡った。

あまりの気持ちよさに絶頂し、ずるずると壁を伝いながら沈んでいく私。それと同じ位置に来るようにしゃがみ込みながら、額にキスをしてくれる陸奥。
それは純粋な愛を感じるもので、前の何よりも暖かくて優しく思えた。

提督「はぁ……はぁ……」

陸奥「大丈夫?」

提督「うん……だいじょぶ…」

陸奥「ごめんなさい、我慢できなくて」

提督「あはは…いいよ、それは私も同じだし…」

陸奥「ならいいけど…気持ちよかった?」

提督「……うん、すごく…///」

陸奥「そう…ね、これだけ濡れてたらそうでしょうね」

提督「…着替えないといけないね」

陸奥「ええ、外で待ってるわ」

スタスタ

提督「あ…ねえ、陸奥」

陸奥「なあに?」

提督「その…今度は夜に、ちゃんと……ね?」

陸奥「………ええ、ふふっ」

バタン

提督「はぁ………」

提督「………立てないや」

キス編おわり
グラーフ出ぬぇ…

響「……………」グデー

提督「……………」パタパタ

加賀「……………」ダラー

蒼龍「提督、元気ないねー」

提督「だって……暑いんだもん…」

飛龍「そんなに暑いの苦手?」

提督「……………」

飛龍「ありゃ、言葉も発さなくなった」

響「……司令官」

提督「ああ…はいはい、お茶ね……」スッ

響「……………」ゴクゴク

蒼龍(暑いなら離れればいいのに)

飛龍「しかし、いつ見ても執務室にビニールプールが置いてあるのは奇妙だなあ…」

提督「これがないと溶ける…」

加賀「……………」パチャ

響「……………」

飛龍(もう溶けてるような気もするけど…)

蒼龍「というか提督、珍しく薄着だね」

提督「……そうだね…」

蒼龍「前に肌を見せるのは恥ずかしいって言ってなかった?」

提督「そうだけど…恥ずかしいのより、暑い方が嫌だから…」

蒼龍「ふーん」

蒼龍(それにしても綺麗な日焼け痕…セクシー)

飛龍「でも、それだと短すぎるんじゃない?ちょっと動いただけで見えそうだけど」

提督「ん?ああ…それなら大丈夫だよ、ほら…」ピラッ

飛龍「!!」

蒼龍「!!」

提督「ちゃんと中にスパッツ履いてるからね、見られないよ…」

加賀「……あまりそういうことをするのはやめなさい」

提督「ええ、なんで?」

加賀「はしたないわ」

提督「そうかなあ…」

飛龍((…ね、やっぱり提督ってああいうフェチズム的な認識は薄いよね…))ヒソヒソ

蒼龍((ねー…しかも普通にラインくっきりだったし…))ヒソヒソ

バタバタバタ…

バンッ!!

大鯨「提督、大変です!隼鷹さんが二日酔いで倒れてしまいました!」

提督「ええ…また?」

大鯨「はい、昨日の夜飲みすぎたみたいで…」

提督「もう…夏休みだからって飲みすぎちゃダメって言ってるのに…」

大鯨「今は医務室にいるので、来てくれませんか?」

提督「うん…一応容態を見ておかないと…」

大鯨「ありがとうございます、では行きましょう」

提督「それじゃ、ちょっと行ってくるね…」

加賀「ええ」

バタン

飛龍「よくもまああんなに毎日お酒が飲めるもんだねえ」

蒼龍「ねー、そのうち病気になりそう」

飛龍「……それにしてもさ」

蒼龍「ん?」

飛龍「提督って時々色んな子とお酒飲んでるでしょ?加賀さんもそうだし」

加賀「……そうね」

蒼龍「うん」

飛龍「私たちもたまに呑むけどさ、提督が酔ってるところって見たことなくない?」

蒼龍「………言われてみれば、確かに」

飛龍「加賀さんは?」

加賀「……私も見たことがないわ」

蒼龍「一番一緒に呑んでるはずの加賀さんでも見たことがない、か…」

飛龍「それっておかしくない?いくら強いといっても、全く酔わないなんてありえないと思うんだけど」

蒼龍「うーん…これだけ鎮守府にお酒呑む子がいるのに目撃例がないのはどういうことなんだろ…」

飛龍「青葉広報にも載っていないということは、本当に提督が全く酔わない体質としか…」

蒼龍「まさか、一人くらい見た人はいるでしょ」

飛龍「誰かから聞いたの?」

蒼龍「そういうわけじゃないけど…」

飛龍「謎は深まる一方、か…」

ピピピピ ピピピピ

飛龍「ん?」

蒼龍「提督の携帯?」

スッ

加賀「……そうみたいね」

飛龍「誰からです?」

加賀「………雪菜さん」

蒼龍「前に鎮守府に来てた人?」

飛龍「そうそう、提督の幼馴染」

ピッ

加賀「もしもし」

『もしも〜し……って、もしかしてその声、加賀さん?』

加賀「そう、お久しぶりね」

『わお、久しぶり!元気してた?』

加賀「ええ、そちらも元気そうで何より」

『あっはは!まあほぼデスクワークみたいなもんだからね、成人病の方が心配だよ!』

加賀「そうね……それで、どうかしたの?」

『ああそうだった、すぐ本題を忘れそうになるからな〜…昔っからこうなんだよねえ』

加賀「…もう忘れかけているみたいだけど」

『あ、ごめんごめん!』

『あたし、近いうちに休みが取れるみたいでさあ、そっちに行けそうなんだよねー。なにか予定とかある?』

加賀「いえ、こちらもちょうど夏休みよ」

『ほんと!?いやー、実は前に来たとき、そっちにライター忘れちゃってさあ!郵送してもらおうかと思ったんだけど、風花も忙しいだろうしやっぱりな〜って思ってて』

加賀「そう…」

飛龍「…ん?提督の幼馴染ってことは、何か知ってるんじゃ!?」

蒼龍「ほんとだ!加賀さん、聞いてみて!」

加賀「え、ええ…」

『なに、どしたの?もしかして敵襲とか?』

加賀「あ、いえ…そうではなくて、少し聞きたいことが…」

『ん?うん、あたしに答えられることならいいけど』

加賀「あの子……風花が酔ったところ、見たことはある?」

『え?あるけど』

飛龍「嘘!?」

加賀「それは本当なの?」

『本当もなにも、むしろあたしの知り合いの中で一番お酒弱いし…』

加賀「え?」

蒼龍「ど、どういうこと…?」

加賀「それは…あなたたちが尋常じゃないほど飲めるだけで、あの子がその中でも飲まない方というわけではないの?」

『えっと…確認したいんだけど、もしかして艦娘さんってみんなお酒弱かったりする?』

加賀「…どうなのかしら」

飛龍「さ、さあ…」

加賀「人の基準はどれくらいなの?」

『ん〜そうだねえ…風花は缶ビール二本も飲んだら酔ってたけど…』

加賀「缶…?缶を二本なら、あまり酔いはしないはずだけれど…」

蒼龍「飛龍、ビール飲めたよね?」

飛龍「うん、缶二本なんて余裕だよ」

『ああ、じゃあやっぱり艦娘さんも別段アルコールに耐性がないわけじゃないんだ』

加賀「そうみたい」

『で…風花の酔ったところだっけ?ほんとに見たことないの?』

加賀「ええ、何度も一緒に呑んでいるけど今のところは」

『まさかぁ…そんなはずは…』

『……………』

加賀「…どうかしたの?」

『………あ!わかった!』

加賀「え?」

『もしかして、みんなの前じゃ日本酒しか………え?あ、ちょっと待って!』

加賀「……?」

『ああ、もう!今電話中なのに…ちょっと対応してて、すぐ行くから!』

加賀「…………」

『もしもし?ごめーん、お客さん来ちゃった!すぐ出ないといけないから、もう切るね!あ、風花には夜にかけ直すように言っておいて!』

加賀「え、ええ」

『わかったわかった、今行くって!それじゃ、またね!』

加賀「あの…」

ブツッ

ツーッ ツーッ

加賀「…………」

飛龍「切れた?」

加賀「ええ」

蒼龍「最後、なんて言ってました?」

加賀「みんなの前じゃ日本酒しか…と」

蒼龍「日本酒ぅ?」

飛龍「どういう意味?」

加賀「分からないわ…」

蒼龍「みんなの前じゃ、日本酒しか………ん?」

飛龍「何か分かったの?」

蒼龍「いや、私の記憶違いじゃなければいいんだけど…」

蒼龍「……提督って、日本酒しか飲んでなくない?」

飛龍「………そんなことある?」

蒼龍「少なくとも私は提督がビールとか飲んでるところ見たことないんだけど…」

飛龍「…まさか。さすがにそれはないでしょ」

響「………司令官…何度かウィスキーを勧めたけど…一度も飲んでくれなかった…」

飛龍「…………」

蒼龍「………もしかして提督…洋酒はダメとか…?」

飛龍「いや……そんな変な体質、存在するの?」

加賀「でも、あの子よ?」

飛龍「……なんだろう、すごい説得力……」ムムム

蒼龍「じゃあ他の子に聞いてみる?」

飛龍「だね、そうしよう」

〜〜〜

木曾「……で」

天津風「ここに呼び出されたのはどういう理由かしら」

青葉「何か面白いニュースでもあったんですか?」

飛龍「えっと、いきなりで悪いんだけどみんな普段どのお酒飲んでる?」

木曾「日本酒が好きだが…たまにビールも飲むな」

天津風「お酒?私はワインね」

青葉「青葉はビールですけど…」

蒼龍「ふんふん、なるほど」

飛龍「で、そのお酒、提督と一緒に飲んだことはある?」

木曾「その質問の意図はよく分からないが……確か、なかったと思うな」

天津風「私もないわ」

青葉「あー…そうですねえ、青葉もありません」

蒼龍「むう、やっぱりか」

木曾「んん?つまり、どういうことだ?」

飛龍「実はね、提督は洋酒だと酔うんじゃないかって説が浮かび上がってきたの」

青葉「おっ、それは興味あります!青葉も見てみたいです!」

蒼龍「でしょ?今からその計画を立てようと思ってるんだ」

飛龍「で、どうする?提督、洋酒は飲もうとしないし」

木曾「鳳翔さんに頼めばいいんじゃないか?」

蒼龍「まあそれでいいだろうね」

青葉「即決ですねえ」

蒼龍「だって提督、鳳翔さんに頼まれたら断れないし…」

加賀「決まりね」

飛龍「じゃああとは私たちに任せて解散ってことで」

木曾「ああ」

バタン

ガチャ

提督「ただいま」

飛龍「あ、おかえり」

提督「さっき外で木曾たちとすれ違ったんだけど何か話してたの?」

飛龍「えっ?え、えっと…」

提督「?」

蒼龍「あ、あー!暑いからどこか涼しいところはないかって、探してたんだって!結局食堂に行っちゃったけど!」

提督「そうなんだ。せっかくビニールプールあるんだから浸かっていけばいいのに、ねえ響」

響「………そうだね……」

飛龍(……あ、危なかった……)

〜〜〜

提督「……………」ボー

鳳翔「あの、提督?」

提督「ん…どうしたの?」

鳳翔「その、今夜一緒にどうですか?正規空母のみなさんもいます」

提督「呑むの?うん、いいけど…」

鳳翔「本当ですか?ふふ、ありがとうございます」

提督「ほどほどにしなきゃダメだよ?」

鳳翔「はい、心得ています。では、食堂の方へ」

ガチャ

提督「…わ、なんだか今日は賑やかだね」

鳳翔「はい、子供達以外は呑まれるそうで」

提督「へー…というか那珂ちゃん、ライブしてるんだ…」

鳳翔「ふふ、それもあって盛り上がってるのかもしれませんね」

蒼龍「おーい!二人とも、こっちこっち!」ブンブン

加賀「来たみたいね」

提督「あ、加賀もいるんだ!」パタパタ

瑞鶴(嬉しそうな顔しおってぇ…)

提督「あー、みんなもう始めちゃってるんだね」ストン

飛龍(うーん、ごく自然に加賀さんの隣に座るなあ)

加賀「…これ、美味しいから」スッ

提督「わあお…アスパラとチーズのベーコン巻き?」

鳳翔「はい、ビールと一緒にどうぞ」

提督「ビール……えっと、日本酒はないの?」

翔鶴「あるにはありますけど…ビールの方がいけますよ?」

鳳翔「一応、ビールに合うように作ってみたのですが…提督は日本酒の方がお好みでしょうか…」シュン

提督「あ、い、いや、そういうわけじゃなくて…うん、鳳翔さんが作ってくれたのならビールと一緒にいただこうかな…うん…」

鳳翔「あ…そう言っていただけると、嬉しいです…ふふ」ニコ

蒼龍(……なんか、罪悪感がすごい……)

パク

提督「……あー、美味しい!」モグモグ

鳳翔「ふふ、お口に合ったみたいで何よりです」

瑞鶴「ほらほら、一緒にビールもいっちゃって!」

提督「あー…うん…」

飛龍(飲むか…?)

蒼龍(飲むか…?)

提督「……………」

グイ

蒼龍「!」

飛龍「!」

提督「………っはぁ…うん、たまにはビールもいいね」

鳳翔「まだ他にもおつまみはありますので、どんどん食べてくださいね」

提督「うん、ありがと」

加賀「口元に泡、ついてるわ」

提督「ああ、ほんとだ…えへへ」ゴシゴシ

飛龍((……今のところ変化はないね))ヒソヒソ

蒼龍((いくら弱いと言っても、さすがにあれだけじゃ酔わないでしょ))ヒソヒソ

瑞鶴((もう少し様子を見た方が良さそうね))

翔鶴「んん…美味しい…」

瑞鶴「…翔鶴姉、目的忘れてない?」

十数分後……

提督「……………////」ポー

飛龍「……ねえ、これってさ」

蒼龍「うん、完全に酔ってる」

翔鶴「提督、オイルサーディンもありますよ」スッ

提督「たべりゅ…」

蒼龍「提督?」

提督「んん?」

蒼龍「ビール美味しい?」

提督「んふふ、おいしい」

飛龍(かわいい)

蒼龍(かわいい)

提督「ほーしょーさん、一味とってー」

鳳翔「はい、どうぞ」

提督「でへへ、ありがとぉ」

飛龍「それにしても、まさかジョッキ二杯くらいで酔うとは」

加賀「本当に酔いやすかったのね…」

蒼龍「やっぱり洋酒はダメだったんだ」

瑞鶴「でも、どうして飲もうとしなかったのかしら」

飛龍「それが謎だよね、今のところ普通だけど」

蒼龍「ね、普段より喋り方が子供みたいになってるくらい」

提督「ううー…あはぁ……」ドシャ

翔鶴「あら提督、どうしました?」

提督「……このお仕事、つらい……」

赤城「珍しいですね、提督が弱音を吐くなんて」

提督「給料はいいけどさあ…上の人には好かれないし、夏休みでも毎日仕事はあるし、私はただ戦うみんなを見てるだけだし…私、ほんとは役に立ってないんじゃないかなぁ……」

加賀「…そんなことはないわ」ポン

鳳翔「はい、提督は頑張っています」

翔鶴「そうですよ。提督はいつも私たちのことを気遣ってくれますし、優秀な指揮も執ってくれているじゃないですか」

加賀「あなたが待ってくれているから、私たちも安心してここに帰って来られるのよ」

提督「ううぅ…みんなありがとおぉぉ…うっ…うっ…大好きだよぉ……」グスッ

提督「うう〜……ひぐっ、うええええん……」グスグス

加賀「…………」ポンポン

飛龍(…提督は泣き上戸かなあ)

提督「………なーやんでもしーかたない」ボソッ

蒼龍「え?」

提督「歌おう!!!」ガタッ

一同「!??」ビクッ

提督「那珂ちゃーーん!!私も歌うーーー!!!」バタバタ

瑞鶴「あっ、ちょっと!?提督さん!?」

那珂「わお!提督が壇上に上がってくれました!」

提督「えへへへへ、どーもどーもー」

エー、テイトクー?

ナンデー?

メズラシー

那珂「えーっと、詳しい事情は分かりませんがたぶん提督、酔ってまーす!」

提督「酔ってない酔ってない!」

那珂「えー、でも顔赤いしテンションもいつもと違うよー?」

提督「酔ってないったら酔ってないー!なーいー!!」

那珂「じゃあ、歌う?」

提督「歌うーー!!!」

ワハハハ

提督「ブ・リ・ザ〜ドブリザ〜ド♪」

那珂「包め〜世界を〜♪」



飛龍「な、なにこれ!?どうなってるの!?」

瑞鶴「提督さんが歌うなんて…明日雪でも降るんじゃ…」

鳳翔「まだ夏ですよ?」

瑞鶴「そんなわかりきってること言わなくていいから!」

赤城「泣き上戸かと思ったのですが…どうやら違うようですね」

蒼龍「なんていうか…こう、普段より喜怒哀楽の振れ幅が大きいっていうか、感情の抑制ができなくなってるというか」

飛龍「うん、オールラウンダー…っていうのかな?」

翔鶴「尾根も谷間も〜♪」シャンシャン

加賀「…………」シャンシャン

瑞鶴(ダメだこの二人、もう完全にできあがってる…)

那珂「ブリザードブリザ〜ド♪」

提督「閉ざせ〜二人を〜♪流れぇ〜る距離と〜時間ん〜を消してぇ〜♪」


翔鶴「うふふ、提督、なかなか歌もお上手ですねぇ」

加賀「そうね…」ゴク



<あっはっはっはっは!!提督、そんな歌知ってるってほんとは30代なんじゃないのぉ!?

提督「なにおぉ!?私はまだ27ですぅー!!アラサーですぅー!!」プンスカ


飛龍(27だったんだ…)

蒼龍(人の年齢に換算すると確実に私たちより歳上だ…)

提督「はぁ〜……」ヘニャ

那珂「おっ?提督、ガス欠?」

提督「……酒だー!お酒持ってこぉーい!!」


隼鷹「おっ、酒ならあるぞ!そーら!」ポーイ

飛鷹「ちょっと!?瓶投げるのやめなさい!」


提督「ありがとじゅんよー!愛してるぅー!」チュッ フーッ

隼鷹「あたしもだよぉー!!」チュッ フーッ

飛鷹「なんで投げキッス交換してるのよ…」

提督「んぐ……」ゴクゴク

那珂「提督、そんなに飲んで大丈夫?」

提督「……っぷはぁ!でぇへへ、らいじょぶだよぉ!たまにはワインもいいねぇ、えへへへへ」

那珂「あー…完全に酔っちゃってる」

提督「そんなことないって!ほらぁ、那珂ちゃんも飲みなよ!」グイグイ

那珂「うえぇ!?ちょ、那珂ちゃん、ワインは……むぐぅ!」

提督「美味しいから大丈夫だよぉ、あははは!」

那珂「ぐっ…ごっ、ぐぐ……」

ゴクン

那珂「……ほへぇ」バタン

提督「あれぇ!?」

提督「那珂ちゃん!那珂ちゃーん!!」ユッサユッサ

那珂「はらほろひろはれ…」グワングワン

提督「…ダメだこりゃ」パッ

ドサッ

提督「うーん…しょうがないし、私が代わりにライブ続行しますかー!」

ハハハハ

イイゾー

ウタエウタエー

飛龍「なにこれ…」

蒼龍「さあ…」

提督「みっつぼっしっパッてはーじけてとーびのって!りゅーせー!!」

\りゅーせー!!/

翔鶴「りゅーせー!」フリフリ

加賀「りゅーせー」フリフリ


飛龍「……まあ、楽しそうだしいいんじゃない?」

蒼龍「だね…提督のはっちゃけてるところ見られたし、満足かも」

赤城(加賀さん…お酒が入ったらコールもするのね…)

鳳翔(みなさん、なぜ探照灯を振っているのでしょうか…)

提督「出逢ったこーろはぁ〜♪こーんなー日がぁ〜♪来るとは思わずにいたぁ〜…♪」


飛龍「いやー、しかし意外だねえ」

蒼龍「うん、まさか提督がここまで豹変するとは」

鳳翔「普段落ち着いているだけに、驚きもひとしおですね…」

瑞鶴「やっぱり、頑なに洋酒を飲もうとしなかったのはこんなところを見られたくなかったからなのかしら」

赤城「そうかもしれませんね、提督は恥ずかしがりですから」

瑞鶴「なーんだ…思ったより面白くないわね」

提督「あぁーーいのぉ〜……ためにふぅ〜たーりぃ〜♪できる〜こーとをー♪教えーてーほーしいー♪」



飛龍「それにしてもノリノリだねえ…」

蒼龍「ねー、提督の歌なんて初めて聞いたかも」

飛龍「……で、あれ、なんの曲なの?」

蒼龍「さあ…」

提督「はぁ………つかれた、おわり」スタスタ

エー!?

モットウタッテヨー

テイトクー

提督「はいはいはいはい、また今度ねー!」パタパタ

羽黒「あっ、あの、司令官さん!お疲れ様です!タオル、どうぞ!」スッ

提督「あらー羽黒!気が利くねえ!」

羽黒「はい…あの、司令官さん、とてもいい歌でしたね!」

提督「そーお?えへへへ、ありがとー!おかえししてあげちゃう♪」グイ

羽黒「へっ」

チュッ

羽黒「むぐぅ!??」

チュウウウウウウウッ

羽黒「〜〜〜〜〜〜〜!!?!!?!???!?」

提督「……ぷはー」パッ

羽黒「はっ…は、はぁ……/////」プシュウウウ ドサッ

提督「羽黒、撃沈ッ!!!」バッ

足柄「羽黒ーーー!!?」

提督「あっはっはっは!!」

飛龍「!??」

蒼龍「!??」

提督「ほらほら、あーちゃんもちゅー♪」

足柄「あーちゃんってなに!?ていうか、しないって言ってるじゃない!」

那智「そう言うな足柄!愛しの提督とキスできるぞ!」ガッシィ

足柄「ちょっと!?離しなさいこの酔っぱらい共!」バタバタ



瑞鶴「うえぇぇなにこれ!?提督さんが暴走してる!?」

飛龍「ちょっ、こ、これって止めないとまずいんじゃ…!」

加賀「ビールもなかなかいけるのね…//」ゴク

翔鶴「うふふふ、加賀さんもいい飲みっぷりですねぇ〜//」

蒼龍「ダメだこの人たち…」

鳳翔「私が行きます!」ガタッ

飛龍「ほ、鳳翔さん!いやでも、近付いたら巻き込まれるかもしれないし…」

鳳翔「大丈夫です、お水を飲ませるだけですから!」パタパタ

蒼龍「あっ、鳳翔さん!?」



提督「あーちゃん♪」ギュー

足柄「ひっ、ひいい!こんな形でなんて嫌ぁ!」

那智「わははは!いいぞーやれー!」

鳳翔「てっ、提督!」

提督「んん?ああ、鳳翔さん!」パッ

足柄「っ、や、やった!」ダッ

那智「あ!こら、待てあーちゃん!」ダッ

足柄「あーちゃん言うな!!」ドドド

バタバタ…

提督「えへへへ、どうしたの?鳳翔さんもわたしと」

鳳翔「こ、これを」スッ

提督「あ、お水!ちょうど喉渇いてたんだー、ありがとねぇ!」ゴクゴク

鳳翔「よ、よし…!」グッ

提督「んん〜……えっへっへ、鳳翔さんも飲むぅ?」

鳳翔「え?」

提督「遠慮しなくていいよ〜、飲ませてあげる!」グビッ ガッ

鳳翔「はっ、え!?提っ……」

チュウッ

鳳翔「っっっ!??」ビクゥ


飛龍「!??!?」

蒼龍「!??!?」

提督「……ぷはぁ」

鳳翔「はぁ…はぁ…て、提督…///」

提督「んふふふ、鳳翔さんかわいーねー」スル

鳳翔「あっ!?だ、ダメです!」パシ

提督「えー、なんでー?」

鳳翔「その……み、みなさん、見ていますし…//」

提督「ふ〜〜〜ん…散々人のお尻弄んでおいて、そんなこと言うんだ〜?」

鳳翔「う…そ、それは…」

提督「大丈夫だよ…優しくするから…」グイ

鳳翔「あっ……」

ドサ

瑞鶴「うわぁ!!ほ、鳳翔さんが押し倒されてる!??」

蒼龍「こ、これ、止めないと本格的にまずいって!」ダッ

飛龍「待った!」ガシッ

蒼龍「こんなときになに!?」

飛龍「下手に行ったら巻き込まれるって!」

蒼龍「みんなで行けば大丈夫だってば!」

飛龍「でも、相手は提督だよ!?」

蒼龍「……………」ピタ

飛龍「……………」

蒼龍「………大人しくしてようか」

飛龍「そだね……」

瑞鶴「ちょっと!?」

赤城「加賀さん、加賀さんってば」

加賀「少し待って赤城さん、この海老とにんにくが美味しくて…」モグモグ

翔鶴「加賀さん、こっちのピザパンもいけますよ」スッ

加賀「なるほど……」パク モグモグ

瑞鶴「ちょっと!加賀さん、なんとかしてよ!」ユサユサ

加賀「むう……翔鶴、あなたなかなかいいものを勧めてくれるわね…」モグモグ

翔鶴「でしょう?ふふふふ」

瑞鶴「もー!なんなのこの酔っぱらい二人はー!!」

提督「はむっ」カプ

鳳翔「ひゃっ!?」ビクン

提督「あはは、可愛い声!首、弱いの?」ペロッ

鳳翔「あうっ…く、くすぐったい、です…」

提督「鳳翔さん、小柄だねえ…」スルスル

鳳翔「あ…む、胸は…その、提督みたいに、大きくないので……」

提督「……可愛いよ」ツン

鳳翔「ひっ!」ピクッ

提督「んふふ…硬くなってる」クニ

鳳翔「あっ…ん、ぁ…」ビクッ フルフル

〜〜〜

鳳翔「っ……!っ…!!」ビクッ ピクン

提督「はぁ……気持ちよかった?」

鳳翔「はっ……はっ…はい………すご、かった…です……///」カァアア



飛龍「うわあ…とても駆逐艦の子達には見せられないような行為を堂々と…」

蒼龍「深夜にやってよかったね…」

瑞鶴「って、そうじゃないでしょ!鳳翔さん助けに行かないと!」

赤城「そうですよ、ほら、加賀さん」

瑞鶴「さっさと行きなさいよこの焼き鳥!」スパーン

加賀「んん、はいはい」スクッ

スタスタ

翔鶴「zzz……」

提督「鳳翔さん、ちゅー♪」

鳳翔「あ……んっ」

チュッ

提督「えへへぇ、鳳翔さんは素直だねえ」

鳳翔「…………///」

ザッ

加賀「……………」

提督「んぉ?おー、加賀!加賀もわたしとちゅ

チュッ

提督「むぐっ!?」

加賀「はむ……っちゅ、じゅる……」

提督「んーっ…!?ん、んんっ…!」

加賀「…………っふう」

提督「ぇあ…はぁ……加賀ぁ……」トロン…

加賀「…続きは部屋でしましょうか」ギュ グイ

提督「うん……///」ギュー

スタスタ

バタン



瑞鶴「」

飛龍「」

蒼龍「」

赤城「あれが……正妻の余裕……」

提督の酒癖編おわり
提督が歌ってた曲は上から
BLIZZARD、ミツボシ☆☆★、オリビアを聴きながら、秘密く・だ・さ・い、です

提督「………はっ…!」ガバッ

提督「あれ…私、昨日は……?」

ズキッ

提督「うっ…!?」

提督「〜〜〜………!!」ズキズキ

提督(……なにこの、すごい頭痛と吐き気…)

提督(もしかして、二日酔い……)

「うぅん…」

提督「!」ビクッ

加賀「zzz……」ゴロン

提督「…………」

提督(加賀がいるってことは…)

提督(あれ……というかなんで私裸なんだろう…)

提督(それにこの縄の痕……昨日は、確か……)

提督「……………」ムムム

提督(……ダメだ、頭痛が邪魔で思い出せない…)

提督(………とりあえず、服着て食堂行こう…)

ガチャ

提督「ううぅ……くらくらする…」

提督(こんなに酔うなんて……もしかして洋酒でも飲んだのかな……)

提督「おぇ…きもちわる…」

提督「はぁ…」

提督(………というか、まだみんな寝てるんだ…今何時くらいだろ…)

提督「………う〜…」

ガチャ

提督「……………」

提督(やっぱり誰もいないか…)

提督(……確か、冷蔵庫に…)

パタパタ

ガチャ

提督「えーっと……」ガサゴソ

提督「………あった」

提督(昨日隼鷹の二日酔いを良くするのに作った蜂蜜レモン…まさか私が食べることになるなんて…)パク

提督(……甘酸っぱい……)モグモグ

提督「…………」トントン パキッ

提督(卵黄……塩胡椒、レモン汁……)サッサッ ポタ

提督「………んっ」ゴクッ

提督「…………うええ…まずい……」

提督「はぁ……」

スタスタ

提督「でもこれがよく効くんだなぁ…良薬は口に苦しって……」モグモグ

提督「……………」モグモグ

ガチャ…

提督「ん……?」

ヲ級「…………」

提督「あれ、ヲ級ちゃん…」

ヲ級「ン……テイトク…」

提督「えっと…とりあえず、そんなところじゃ聞こえづらいだろうからこっち来なよ」

ヲ級「アア……」

提督「珍しいね、こんなに朝早くから来るなんて」

ヲ級「……ソウカ、誰モイナイノハ朝ダカラカ…」

提督「うん、まだ寝てるみたい」

ヲ級「テイトクハ、早起キ?」

提督「あー……まあ、目が覚めたというか…うん、そんなところかな…」

ヲ級「テイトク…何ヲ食ベテル?」

提督「ん?ああ、これ?これは蜂蜜レモン。食べる?」スッ

ヲ級「…………」パク

提督(この子、勧めたら割となんでも食べるなぁ)

ヲ級「……美味シイ」モグモグ

提督「そっか、よかった」

提督(空母が食いしん坊なのは深海でも変わらないのかな…)

ヲ級「…………」モグモグ

提督(……せっかくだから、色々聞いてみようかな…)

提督「ねえ、ヲ級ちゃん」

ヲ級「……?」

提督「前にも聞いたけど、どうして深海棲艦は私たち人間を攻撃するの?」

ヲ級「……コウゲキ?ソンナコトハ、シテイナイ…」

提督「え?」

ヲ級「私タチハ、コウゲキナンテシテイナイ…ズット、対話ヲシテイタ…」

提督「対話…?」

ヲ級「ソウ、私タチハ…ズット前カラ、海ノ底デ暮ラシテキタ…」

提督「う、うん…」

ヲ級「アル日ノコトダ…私ノヨウニ、意思ヲ持ッタ同胞タチガ海カラ出タ」

提督(ずっと前って、いつ…?戦争が始まる前?)

ヲ級「人間ハ、ソノ同胞タチニ呼ビカケタンダ…」

提督「…勧告したってこと?」

ヲ級「ソウダ。言葉ヲ持タナイ私タチニハ、届キモシナカッタガ…」

提督「そこにヲ級ちゃんはいたの?」

ヲ級「イヤ…聞イタ話ダ。私ハ海ノ底ニイタ」

ヲ級「言葉ヲ持タナイ私タチニトッテ、ソレハ無意味ダ。人間ハ私タチニ攻撃ヲ始メ、ソレガ人間ノコミュニケーションノ手段ト曲解シタ私タチモマタ、人間ニ攻撃ヲ始メタ」

提督「そうだったんだ…」

提督(というか、なんだか日本語上手くなってる…?)

ヲ級「ヤガテ同胞ガ傷付クコトニ、憎シミヲ抱キ力ヲ持ツ者モ現レタ…ソレガ、人間ニ鬼ヤ姫ト呼バレル者ダ」

提督「! つまり、ただの勘違いから憎み合いになったってこと!?」

ヲ級「……ソウダ」

提督「そんな…そんな馬鹿らしい理由で戦争なんて…」

提督「………?待って、じゃあ後から生まれた子達はみんなその話を知ってるの?」

ヲ級「イヤ…鬼ヤ姫ガ生マレタ後ハ、同胞タチハ皆感情ヲ奪ワレ、戦ウダケノ兵器ニナッタ…」

提督「そっか……って、あれ?でも、ヲ級ちゃんに自我があるのはなんで?」

ヲ級「…………ナゼダロウ」

提督「や、やっぱり分からないか…」

ヲ級「多分……テイトクノオカゲ」

提督「私?」

ヲ級「アア…」

提督「えっと…ごめん、よく分からないんだけど…」

ヲ級「テイトクト私ハ、元々同ジダッタカラ…」

提督「ん、んん?え、え??」

提督「よくわからないけど…まあいいか。で、今は何をしてるの?」

ヲ級「皆、基地ニシテイル海底洞窟デ大人シクシテル…テイトクノコトヲ話シタラ、会ッテ話シテミタイト…」

提督「港湾棲鬼が?」

ヲ級「ソウ…他ノ鬼ト姫モ」

提督「へ、へえ〜…」

ヲ級「来テクレル…?」

提督「えっ、私が行くの!?」

ヲ級「私タチガ外ニ出タラ、大変ニナル…」

提督「あっ…そ、それもそうか…いや、でも…わ、罠とか…じゃないよね?」

ヲ級「私ガ保証スル…」

提督「うーん………まあ、話はしたいと思ってたし…うん、わかった!また都合のいい時を言うよ」

ヲ級「アリガトウ…」

提督「でも、海底洞窟って海の中にあるんでしょ?どうやって行くの?そもそも陸はあるの?」

ヲ級「ア……」

提督「…………」

ヲ級「…………」

提督「………ないんだ?」

ヲ級「……作レバイイ」

提督「う、うん…脳筋的な考えだね…」

ヲ級ちゃんのお話おわり
グラーフ出ぬぇ…

ゴソゴソ…

提督「うーん…どこにやったっけ…」

提督(深海棲艦との交戦記録なんて、どうして今さら…)ゴソゴソ

提督「……お?」

ガサッ

提督「…これって……」

ペラッ


ガチャ

電「司令官さん、あったのです!司令官さんのお部屋に保管されて……あれ?司令官さん?」

提督「………ん?ああ、電…」

電「どうぞ、書類なのです」

提督「あ!よかった、見つかったんだ」

電「はい、司令官さんのお部屋にありました」

提督「そっか、ご苦労様」

電「…ところで司令官さん、何を見てるのです?」

提督「ん?ああ、ほら」スッ

電「これは……アルバム?」

提督「そう、私たちが出会った頃から今までの写真が入ってるよ」

電「ほあぁ…」パラパラ

電「あ……これ、懐かしいのです」

提督「ほんとだ、私がこの鎮守府に来た時の写真だね」

電「ふふ…あの頃の司令官さん、電にも敬語だったのです」

提督「あはは…あの時はまだ引っ込み思案気味だったから…」

電「でも、ちゃんと良い方向に変わっていきました」ペラッ

提督「…うん、そうだね」クス

提督(それにしても、こうして写真を見てると…あの頃を思い出すなあ…)

ーーー
ーーーーー
ーーーーーー

ーーーーーー
ーーーーー
ーーー

ザッ

提督「えっと……」

提督「…………」ヒョコ

提督「ここ……で、合ってるのかな…」ピラッ

提督「……うん、メモ帳に書いてある通り…ここが私の配属される鎮守府…」

提督「…………」

提督「いくら人類の危機とはいえ、おじいちゃんのコネでいきなり軍人なんて…大丈夫なのかな…」

提督「………ううん、小さい頃からおじいちゃんには色々仕込まれてたし…問題はないよね、きっと…」

提督「すーっ……はぁー……」

提督「………よし」

ガチャ…

提督「うわ…玄関がすでに広い…」

提督「小さい鎮守府だって聞いたけど、私の家より断然大きいな…」

提督「えっと、執務室は……向こうか」

スタスタ

ガチャ

提督「失礼します…って、誰もいないか…」

ピョコン

提督「ん…?」

妖精「ヘェイ!」

提督「うわっ!?あ…え、えっと…あなたが、妖精さん…?」

妖精「イェア!」

提督「そ、そうなんだ…話には聞いてたけど、まさか実在するなんて…」

妖精「」フフン

提督「あの…初期艦の子がいるって聞いてるんだけど、どこにいるかわかる?」

妖精「」コクコク

提督「それじゃ、どこにいるのか教えてもらっても…」

妖精「アー…」

提督「……?」

妖精「………」

提督「あ……もしかして君、言葉が話せないの?」

妖精「イェア」

提督「そっか、簡単な返事ぐらい…なのかな」

妖精「」コクコク

提督「じゃあ、どうしよう…あ、これで書くのはできる?」スッ

妖精「オゥケー!」

妖精「〜♪」キュッ キュ

提督(小さいのに器用だなあ…)

妖精「ンッ」ピラッ

提督「ああ、ありがとう……工廠、ね…外から見えてた別棟の方かな」カタ

妖精「ヤー」

提督「よし、行ってみよう」

スタスタ

妖精「!」 ピョコン

提督「君も一緒に行くの?」

妖精「イエース」

提督「はいはい、じゃあ、ついてきてね」

提督(初期艦の子…どんな子なんだろう…)スタスタ

妖精「」パタパタ

提督(そもそも、艦娘ってどういう存在なのかな…普通の人間とは何が違うんだろ…?)

妖精「」パタパタ

提督(そんな女の子たちが、人類の存亡を懸けて戦ってる…大変な世の中だなあ…)

妖精「ゼェ…ゼェ…」ペタン

提督(大変な世の中だなあって、他人事じゃないんだった…私もこれから…うう…)

妖精「ヘェイ!ヘールプ!」

提督「え?」

妖精「ゼェ…ゼェ…」

提督「あ…ご、ごめん!そっか、小さいから歩幅が合わないんだ…ごめんね、何も考えてなくて…」

提督「じっとしててね…」スッ ヒョイ

妖精「!」

チョコン

提督「これでいいかな?落ちないように気を付けてね」

妖精「♪」スリスリ

提督(くすぐったい…)

ガゴン ゴゴゴ

提督「ここかぁ…広いなぁ…」

提督「…………」キョロキョロ

提督「あれ…初期艦の子は…?」

ガタッ

提督「ん……?」

電「あ…!」

提督「あ、え、えっと…君が、初期艦の……」

電「はっ、はいぃ!あ、ま、待ってください!今、これを片付けてそっちに…」ガシャン

パタパタ

提督「あ、そんなに走ったら危な…」

ガッ

電「あっ!?」

提督「えっ」

ドンガラガッシャーン

電「うう……」

提督「いたた…大丈夫…?」

電「へ…?あ…ごっ、ごめんなさい!あの、お怪我は…」アセアセ

提督「あ、ああ…私のことなら、心配はいりませんので…」

電「あ…な、なら、よかった…のです」

提督「それより、名前は…」

電「あっ、は、はい!暁型四番艦の、電と言うのです!ど、どうかよろしくお願いします!」ペコリ

提督「こ、こちらこそ、よろしく…」ペコリ

電「その…あなたが司令官さん、なのですよね?」

提督「え?ああ、はい、今日付けでこの鎮守府に配属されて…ええと、伝令だけ下されたので正直まだ何も分からないのですが…」

電「電も、さっきここに来たばかりで…ひと通り回ってみたのですが、本当にここと執務室と、あとは空き部屋くらいしかないのです…」

提督「はあ…まあ、とりあえず…そうですね、先に装備の開発をしましょうか」

電「あ、はい…」

ガシャン

電「んしょ…」ギギ

提督(この子が、艦娘の…電…)

提督(どこからどう見ても、普通の人間と変わらないように見える…)

電「えいっ」カーン

提督(……うん、どこにでもいる可愛らしい女の子だ…本当にこの子が海に出て戦うの…?)

電「……司令官さん?」

提督「…えっ?あ、は、はい、どうしました?」

電「ぼーっとしてるみたいですけど、大丈夫ですか?」

提督「あ…す、すみません、色々と気になることがあって…」

電「気になること?」

提督「はい…その…えと、あなたは艦娘という存在…なんですよね」

電「電でいいのです」

提督「え、でも…まだ、会ったばかりですし…」

電「その敬語も、電だけが使うべきなのです。司令官さんは、電と違って大人ですから…それに、司令官さんともっと早く、仲良くなりたくて…」

提督「………!」

電「ダメ…ですか?」

提督「いえ、そんなことは………じゃなくて、そんなことはない…よ、うん…」

電「あ…えへへ…」

提督「…ぷっ…ふふふふ、あははは!」

電「ふふ…それで、電に聞きたかったことってなんなのです?」

提督「ああ…電は艦娘なのに、人間と変わらないように色んなことができるんだなって…」

電「はい、そうですね」

提督「でも…こんなに小さい子が戦うなんて、なんだかちょっと心配で…」

電「……電も、ほんとは怖いのです…」

提督「うん…」

電「けど…これからは司令官さんが一緒ですから、たぶん安心、なのです」

提督「………うん。私も、電の期待に応えられるように頑張る」スッ

電「はい…改めてよろしくお願いします、なのです!」

ギュ

カーン

電「できたのです!」

提督「おお…何回かやり直したけど、とりあえずはこれでいいのかな」

電「はい、あまり資材も無駄にできないのです」

提督「で…これはいいものなの?」

電「えっと……たぶん、この機銃だとあまり威力は期待できないと思います…」

提督「そうなんだ…まあ、私たちも初めてやったから、仕方ないよ」

電「はい…あの、次はもっと上手くやります」

提督「あ…あんまり気にしなくていいよ、ちょっとずつ慣れればいいから…」

提督「…それじゃ、今日はもう休もうか。初日から張り切り過ぎるのもなんだし、任務も下ってないみたいだから…」

電「はい…」

提督「あー…どこか、空いてる部屋を適当に使ってくれればいいよ」

電「司令官さんはどこで寝るのですか?」

提督「私?私は、えっと…執務室に布団ってあったっけ…」

電「その隣にはありましたけど…」

提督「あ、ならそこで寝ようかな…」

電「どうせなら、そこを私室にすればいいのです」

提督「え?でも、いいのかな…勝手にやって」

電「勝手もなにも、この鎮守府を管理するのは今日から司令官さんの役目なのです」

提督「あ…そ、そっか…私が…」

提督「それじゃ、先に食堂の方に行ってて。後から私も行くから」

電「はい、では」ペコリ

パタパタ

提督(そうだ…今日から、私がこの鎮守府を…艦隊を率いて行かなきゃダメなんだ…)

提督(……大丈夫、なのかな…私なんかが…)

提督「うう……」

提督(不安…だなぁ…)

ガチャ

提督「…………」

電「よいしょ…」ガチャガチャ

提督「……?電、何を作るの?」

電「あ、司令官さん…えっと、とりあえずカレーを作ろうと思って…」

提督「作れるの?」

電「…正直、よく分からないのです…」

提督「なら、一緒に作ろうか」

電「料理、できるのですか?」

提督「一応…」

電「じゃあ、司令官さんのを見て覚えるのです」

提督「わかった…材料は?」

電「あ、もう準備してるのです」

提督「ああ、助かるよ…」

提督(ご飯作るのも久しぶりだな…上手くできるかな…)

〜〜〜

提督「いただきます…」

電「いただきます、なのです」

パク

提督「一応甘めにしたんだけど…どうかな」

電「……美味しいのです!」パアア

提督「そう?よかった…」

電「実は電、大本営からここに派遣されてきたので、向こうにいた頃はおにぎりやパンみたいな簡単なものしか食べさせてもらえなくて…こんな、しっかりしたものを食べるのは初めてなのです」

提督「そうだったんだ…」

電「だからちょっと、感動しちゃったのです…初めてのご飯が、司令官さんでよかった…」ニッコリ

提督(あ、可愛い…)

電「ふぅ……ごちそうさま、なのです」

提督「早いね」

電「美味しくて…すぐに食べちゃったのです」

提督「そっか…なら先にお風呂入っておいで」

電「はい、お先にいただくのです」ペコリ

パタパタ…

提督(お風呂、か…さっきちらっと見えたけど、お風呂も広いんだろうなあ…)

提督(この食堂も…)

提督(私たち二人には…広すぎる…)

〜〜〜

提督(ここが、私の部屋…)

提督(とりあえず服とかの整理は済んだけど…まだ殺風景というか…何もない…)

提督「…………」

ピピピピ ピピピピ

提督「!」ピクッ

ピッ

提督「もしもし!」

『あ、風花!どう?無事についた?』

提督「うん、大丈夫だよ」

『よかった〜…ごめんねー、早めに電話できなくてさあ』

提督「あはは…いいよ、雪菜も忙しいんだから…」

『で、どうなの?提督業ってのは、ちゃんとできてる?』

提督「そんな…まだ来たばっかりなんだから何も分からないよ」

『まあそれもそうか。なんか悩みとかあるならあたしに相談するんだぞぉ?』

提督「……うん…」

『…いきなり悩んでるみたいだねえ』

提督「分かっちゃう?」

『そりゃそうでしょ、何年付き合ってると思ってんのさ』

提督「ふふ、そうだね…」

『なになに、何のお悩み?もう敵が攻めてきたー!とか?』

提督「そういうのじゃなくて……」

『……初期艦の子と仲良くなりたいぃ?』

提督「うん…」

『なに、嫌われてんの?』

提督「いや、それはないと思うんだけど…その、私の方から…なかなか踏み出せなくて…」

『はー、なるほど…で、その艦娘さん?っていうのはどんな子なの?』

提督「えっと……まだ、子供なんだけど…」

『はぁ!?子供ぉ!?艦娘さんって子供なの!?』

提督「みんながみんなそういうわけじゃないけど…子供もいるみたい」

『はえぇ〜……子供が戦うなんて、難儀な話だねえ』

提督「うん…また脱線してるね」

『あ、わり』

『それにしても、子供ねえ…ロリコンのあんたが踏み出せないってなんかあったの?』

提督「ろ、ロリコンじゃないってば!それは置いといて、小さい子は見るだけならいいけど…その、実際に話したりするのは苦手で…」

『ふーん……まあ、昔から人見知りだったからねえ…』

提督「うん…」

『……でも、相手は子供なんでしょ?なら、大人が子供にしてあげるようなことをすればいいんじゃない?』

提督「大人が、子供にすること…?」

『そうそう、風花が昔妹達にしてたこととか』

提督「風音達に…」

ガチャ

電「司令官さん、お風呂空いたのです」

提督「あ、うん…ありがとう」

バタン

『戦うって言っても、子供なんだからさ。頼れる人がそばにいると安心して懐いてくれるもんだよ』

提督「……………」

『……実感、湧かないか。ごめん、お母さんがああなってたのに、変なこと言って…』

提督「あ…ううん、いいよ。あのことはもう気にしてないし…それに、すごく分かりやすかったから…うん、ありがとう」

『その…あんまり焦らないようにね?時間が解決してくれる問題ってのもあるんだからさ』

提督「うん…相談、のってくれてありがとうね」

『おー、あたしでよかったらいつでも相談してくれていいからね』

提督「うん、ありがと…それじゃ、おやすみ」

『ん、おやすみー』

ピッ

提督「お母さんが……私にしてくれたこと…」

提督「……………」

提督「私が……風音達にしてあげたこと…」

提督「……………」

翌日

提督(母さんにしてもらったことなんて…覚えてない…)

電「司令官さん?」

提督「え……あ、ああ…ごめんね、ちょっとぼーっとしてて…」

電「大丈夫ですか?」

提督「うん、平気…それで、今日やることなんだけど…」

電「あ、はい」

提督「えっと…鎮守府近海の哨戒、だって」

電「哨戒…ですか」

提督「そう…短い時間だけど、いけるかな」

電「は、はい…やってみるのです」

提督「事前の哨戒だと敵影はなかったみたいだから…警戒するくらいでいいと思う」

電「はい…」

提督「…一応、装備は積んでおいてね」

電「…はい。では、行ってくるのです」クル

提督「あ…い、電…」

電「……?」

提督「その…気を付けてね」

電「……はい」

電「……………」

ザザッ

『電、どう?変わった様子はない?』

電「あ、司令官さん…はい、今のところは…」

『そう…何かあったらすぐに連絡してね』

電「はい」

ブツッ

提督「報告通り、大丈夫そうかな…」

提督「……あ、そうだ…」

提督「もう一つ任務が下ってるんだった…」

ガチャ




提督「よし、と……これでいいのかな?」

妖精「イェア」

提督「それじゃ、お願いね」

妖精「ヤー!」

〜〜〜

提督「……………」カリカリ

ザザッ

『し、司令官さん!』

提督「ん…電?どうしたの?」

『て、敵です!敵影発見なのです!』

提督「えっ…!?」

『ど…どうしよう…!電、まだ実戦なんて…』

提督「落ち着いて!ええと…数は!?」

『あ…た、たぶん…一隻で、相手も駆逐艦…まだ、こちらには気付いてないかも…』

『なら…電、魚雷は積んでたよね?狙える?』

電「は、はい!」

『まだ気付かれてないなら、一発で仕留められるはず!電、やってみて!』

電「で、でも…!もし外したら、電…また、沈められる…かも…」フルフル

『……!』

電「う…うう…」

『………い、電!よく聞いて!』

電「……?」

『その身体になって戸惑うのも分かるし、正直私も混乱してる…電が怖いのだって分かってる…無理に戦えなんて、言いたくない…』

電「…はい…」

『…けど、もう電を昔のようなことにはさせない。そのために私がいるから!』

電「………!」

『だから電…私を信じて!私は、電が無事に帰ってきてくれるって信じてるから!』

電「………はい!や、やってみるのです!」ガシャン

ザザッ

イ級「」フヨフヨ

電(潮の流れは弱い…なら、この角度で撃てば…!)ジーッ

イ級「………?」クルッ

電(バレっ……ううん、この距離なら間に合う!)

電「電の本気を…見るのです!!」ドシュウン

ドドオォン

イ級「ガ……」ブクブク…

電「や…やっ、た…」

バタンッ

ダッ

タタタ…

提督「はぁ…はぁ…電ー!」

電「あ…司令官さん!」ドッドッドッドッ

ギシッ ガチャン

提督「大丈夫?怪我とかは…」

電「それなら心配ないのです、何も…被害は……あ、あれ…?」ヘナヘナ ペタン

提督「い、電?」

電「あ…ご、ごめんなさい、なんだか…あ、安心したら腰が抜けちゃって…」

電「は……はは、あはは…ああぁ、怖かったのです!あはっ、ははは…!怖かった……怖かったよぉ……」グスッ

提督「あ…」

提督(ど、どうしよう…こういう時は…えっと、えっと…!)

電「うっ…うっ、うう…」フルフル

提督「……電っ!」

ギュ

電「はわ……」

提督(あ、あれ…体が勝手に…)

提督「電…頑張ったね、ありがとう…」ギュウウ

電「ふぇ…し、司令官さん…」

提督「無事に帰ってきてくれてよかった…本当に、よかった……」ナデナデ

電「うう…司令官さぁん…!」ギュ ポロポロ

提督「……よしよし…」ポンポン

電「ふっ、ぐ…わああああん!怖かったよおぉぉ……!!」グスッ ポロポロ

提督(これでいいのかどうかは分からないけど…電が安心したのなら、大丈夫だよね……)

〜〜〜

提督「んしょ…」

トサ

電「すぅ……」

提督(泣き疲れて寝ちゃった、か…)

電「んう…しれいか……ん…」

提督(……こうして見ると本当に子供だなぁ…)

提督「…………」ツン

電「んん…にゃあ…」ゴソ

提督(ふふ…かわいい…)

提督(お昼頃に起こしてあげよう…)

ガチャ

バタン

提督「ふぅ……」

提督「……あ、そうだ」

提督(もうそろそろ終わってるかな…あれ)

スタスタ

ギィ…

提督「よい、しょっと…はぁ、工廠の扉、重いなぁ…」

「あ!」

提督「え?……あ!」

パタパタ

「こんにちは!あなたが司令官?」

提督「う、うん、そう…えっと、ここにいるってことはあなたが…」

雷「そうよ、さっき建造が完了したばかり。暁型三番艦の雷よ!」

提督「雷…え?暁型ってことは、電と同型?」

雷「電もいるの?」

提督「うん、今は寝てるけど…」

雷「そう、ならちょっと心強いわね!」

提督(電と違って、ハキハキして活発な子だなあ…やっぱりどの姉妹も性格は変わるものなんだ)

雷「それにしても、ねえ…ふーん……」マジマジ

提督「な、なに?」

雷「司令官が女の人だから、ちょっとびっくりしちゃったけど…よく見たらなかなか可愛いじゃない!」

提督「え?ど、どうも…//」

雷「少しだけ頼りなさそうでもあるけどね」

提督「あはは…そ、そうだね…」

雷「まっ、頼りたい時はどんどん私に頼ってくれていいからね!」

提督「はあ…」

雷「というわけでこれからよろしくね、司令官!」スッ

提督「あ、こちらこそ…どうぞよろしくお願いいたします…」スッ ギュ

雷「どうして敬語なの?」

提督「なんとなく…」

雷「それで、私は何をすればいいの?」

提督「えーと………」

雷「……………」ワクワク

提督「………何もないや」

雷「えー!?」

提督「だって、今日やることはもうないし…ご飯の準備するくらいだから…」

雷「それでもいいわ!もう動きたくて動きたくて仕方ないの!」

提督「元気なのはいいけど…できるの?」

雷「もちろん!」

提督「…そこまで言うなら、まあ…やってみようか」

雷「やったー!」

ダンッ

雷「はい司令官!野菜切っておいたわ!」

提督「あ、もう終わったの?」

雷「ええ!入れるタイミングになったら言ってね!」

提督(ほんとだ…大きさも均等だし、食べやすいように小さく切られてる…)

雷「司令官、お昼は何を作るの?」

提督「ん?んー…何も考えてないから、とりあえず適当に炒め物でもしようかなって」

雷「ふーん、難儀なものねえ」

提督「あー…夜はちゃんとしたもの作るから、買い出し手伝ってくれるかな」

雷「ええ、いいわよ!」フンス

提督(いい子だなあ…)

【0:806】 女提督「甘い時間は溶けるように」

おっヲ級ちゃんvsようこそ画面黒い【全アイテムカンスト】要求ンゴ【アンチスレ】

アンチョビ様の6スレ目

痣出来ましたね紫痣切除ビーム

【0:807】 女提督「甘い時間は溶けるように」

あっ艦これ370万人プリキュア

弘世菫様だ

友チョコ

煎餅

前段階で媚びるスレだ

雷「ねえ司令官、この鎮守府に他の子はいないの?」

提督「うん、まだ電と雷だけだよ」

雷「え、そうなの?」

提督「だって、私もつい昨日ここに配属されたばかりだし…資材もないから、建造もできなくて…」

雷「そう…なら、もっと頑張らなきゃね」

提督「…うん、頑張ろう」

雷「…で、もうそろそろできるんじゃない?」

提督「え?あ、ほんとだ。じゃあ電起こしてきてくれる?執務室の札が下がってる部屋の隣にいるから」

雷「はーい!」

パタパタ

バンッ

雷「電ーーーー!!!」

電「はわぁ!??なっ、なんですか!?敵襲ですかぁ!?」ガバッ

雷「ご飯よご飯!起きなさい!」

電「へ??あ、え!?お姉ちゃん!?」

雷「そうよ、雷よ!また会えたわね!」

電「あ、え、あ、ええ、っと、あの…その、あの…」

雷「まあまあ、積もる話はご飯食べながらでいいでしょ!司令官が待ってるわ!」

電「あ、司令官さんが…」

雷「ほら、立ちなさい!」

電「は、はい!」シャキッ

〜〜〜

提督「へー……大変だったんだね…」

雷「そうね、あの時は…」

電「電も、いっぱい頑張ったけど…やっぱり、最後は沈んじゃったのです…」

提督「……………」

雷「………まっ、今は今よね!せっかく人の身になったんだから、今度こそ負けはしないわ!」

電「はい、電も頑張るのです」

提督(お、思いの外ポジティブ…)

雷「それにしても、司令官のご飯美味しいわねえ」

提督「そうかな…ただ野菜を炒めただけなんだけど」

電「でも、味がしっかりとしていて美味しいのです」

雷「ねー、私ちょっと自信なくしちゃうかも」

提督「そんな…たまたまだよ、たまたま」

雷「そこまで謙遜しなくてもいいじゃない、ねえ?」

電「はい、せっかくの腕前がもったいないのです」

提督「…………///」

電(あ、赤くなった…)

雷(なるほど、褒め殺されるとこうなるのね)

〜〜〜

電「〜〜♪」キュッ キュッ

提督「……ご機嫌だね、電」

電「えへへ、嬉しいことがあったのです」

提督「嬉しいこと?」

電「はい、まずはお姉ちゃんと会えたこと…いつかは会えると思ってたけど、こんなに早く会えるとは思ってなかったので、ちょっと嬉しいのです」

提督「雷のことか…ふふ、よかったね」

電「あと一つは……その、さっき司令官さんが…ぎゅってしてくれたこと…です…//」

提督「…え?あ、ああ、あれか…そ、そんなに嬉しかった?」

電「はい…電、ほんとはずっと不安で…正直、司令官さんの態度を見てると、電の方から頑張っても仲良くなれそうに思えなくて…」

提督「うっ…」

電「…でも、電が不安な時に抱き締めてくれたから…なんていうか、すごく安心できて…暖かい気持ちになれたのです」

提督「う、うん…」

電「その、司令官さんが電のことをよく思ってなくても…あれは電にとって、とても嬉しいことだったのです」

提督「あ、あれは体が勝手に動いただけなんだけど…いや、でも、電のことは頼りにしてるっていうか、嫌いじゃないっていうか…その、うん…す、好き…だよ…」

電「…………」

電「じゃあ……」

提督「?」

電「もう一度…抱き締めて、くれますか?」スッ

提督「…………!??」

電「電のことが好きなら、抱き締めてくれますよね…?」

提督「……は、はい……」スッ

提督(何を言ってるの私!?何をやってるの私!?)

ギュ

電「んっ…」

提督「ぁっ…」

提督「……………」ドキドキドキドキ

電「えへへ…あったかくて、柔らかいのです…」スリスリ

提督(うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい)ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

電「………あの、司令官さん?」

提督「…………なんでしょうか」

電「その……時々…いや、たまにでいいので…こうして、甘えさせてもらってもいいですか…?」

提督「はい喜んで」

電「えへへ…司令官さんは優しいのです」

提督「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」クンックンッ

電「あの、司令官さん」

提督「はい」

電「電、司令官さんのおかげで自信がついたのです」

提督「大変喜ばしゅうございます」

電「司令官さんとなら…もっともっと頑張って、活躍できると思うのです」

提督「私もそう思います」

電「だから………これからも、よろしくお願いします、なのです!」ギュッ

提督「どうぞよろしくお願いいたします」ダラダラ

電「えへへぇ…」

時には昔の話を、おわり
元ロリコンが覚醒しました

提督「……………」パチン

加賀「……ねえ」

提督「なに?」

加賀「あなた、睦月型の末っ子に手を出したことがあるそうね」パチ

提督「へっ!??」ビックゥ

加賀「その反応を見るに事実ということでいいのかしら」

提督「えっ、あ、あ、いいいいいや?そっそそそそんなことはないですよ??」ダラダラ

加賀「嘘が下手すぎるでしょう…」

加賀「あなたが手を出されるのはまだいいけれど、自分から手出しするのはどうかと思うわ…しかも、まだ幼い子に」

提督「ち、違うんだよ!」

加賀「何が違うというのかしら」

提督「あれは…あのー……えっと、あれ…あれだよ、ほら…」

加賀「言い訳を考えるのはいいけれど、あなたの番よ」

提督「あ、は、はい…」パチン

加賀「それで?言い訳は思いついた?」

提督「そ、その言い方やめてよ…あれは、望月から誘ってきたっていうか…」

加賀「誘われたからといって少女に手を出すの?」

提督「うっ…!!」

加賀「まあいいわ、とりあえず話を聞かせてもらいおうかしら」パチ

提督「はい…」

加賀「いつ頃の話なの?」

提督「えっと、今年の春先…三月の中旬あたりです…」

加賀「私に指輪を渡してすぐね」

提督「は、はい」

加賀「私という人がいながら申し訳ないと思わないの?」

提督「本当に申し訳ございません」

加賀「…いいわ、続けて」

提督「はい…」

「まだ肌寒い頃の話だったんだけどさあ…」

〜〜〜〜〜

提督「うー…夜は冷えるなあ…」

望月「…………」ボー

提督「……ん?望月?」

望月「……んあ?あー、ふーちゃんじゃん」

提督「こんなところで何してるの?」

望月「知らん、ぼーっとしてた」

提督「なにその徘徊老人みたいな…」

望月「ふーちゃんは何してたの?」

提督「私は寝る前にトイレに行ってただけだけど…」

望月「ふーん…んじゃ、おやすみ」

提督「う、うん…」

望月「…………」

提督「…………」

望月「……なに?行かないの?」

提督「いや、いくら暖かくなってきたとはいえずっとこんなところに居たら風邪引くよ?」

望月「だって眠れないし」

提督「夜更かししてゲームして朝に寝てるからそうなるんでしょ」

望月「まーそりゃそうだけど」

提督「ちゃんと夜に寝ないと生活リズム崩れて病気になるよ?人間はそういう生き物なんだから」

望月「あーはいはい、分かってるって」

提督「聞き流そうとしないの、私は望月が心配で…」

望月「だったら寝かせてよ」クル

提督「寝かせてって……なに?子守唄でも歌ってほしいの?」

望月「それ、わざと言ってる?」

提督「え?」

望月「あたしは一応本気で言ってるんだけどな」

提督「………!??」

提督「えっ…!?ちょ、それってつまり…その、夜戦…ってことでいいんだよね…?」

望月「そだよ」

提督「ええぇ…でも望月、まだ子供だし…」

望月「ロリコン的にはそっちの方がいいんじゃないの?」

提督「ロリコンじゃないってば!」

望月「ああそう、じゃあ大人にしてよ」

提督「大人にしてよって…そんな軽いノリで言われても…」

望月「…そんなに軽く見える?」

提督「…うん、まあ」

望月「…はぁ」

ガシ グイッ

フニ

提督「!?」

望月「どう?あたしの胸、ドキドキしてるでしょ?」

提督「え…あ、あ、ああ…う、うん…すごい…」

望月「あたしだって女の子なんだからさ。好きでもない人に抱いて欲しいなんて言わないよ」

提督「………本気、なの?」

望月「うん、本気」

提督「……私、加賀がいるんだよ?」

望月「構わないよ」

望月(むしろそれ言うのあたしだと思うんだけど)

提督「…それでも私でいいの?」

望月「ふーちゃんがいいんだよ」

提督「そ、そっか…///」

望月(あ、デレた…)

提督「それじゃ…えと、どうしようか…」

望月「ふーちゃんの部屋がいい」

提督「そ、そうしようか…」

望月「あ、待って」

提督「ん?」

望月「どうせならお姫様抱っこがいい」スッ

提督「……はぁ」ギュ グイ

望月「おー、力もち」

提督「望月が軽いんだよ…ちゃんと食べなきゃダメだよ?」

望月「はいはい…お説教は終わってから聞くからさ………しっかりリードしてよ」

提督「……うん」

〜〜〜〜〜

提督「っていうことがあって」パチン

加賀「憲兵さんに見つかれば即連行ね…」

提督「いや…ほんと、一時の気の迷いということにしておいて…」

加賀「へえ、なら天津風の時もその一時の気の迷いを起こしたのね。王手」パチ

提督「なんで知ってるのぉーーー!??!」

加賀「最低ね…」

提督「ち、違うんだって!」

加賀「さっきも聞いたわ」

提督「そうだけど!これも向こうから誘ってきたから!」

加賀「それも二回目よ」

提督「とにかく話を聞いて!」

加賀「聞いて?」

提督「……聞いてください」

加賀「よろしい」

提督「その……天津風が前の鎮守府で虐待されてたのは知ってるでしょ?」パチン

加賀「ええ、聞いているわ」

提督「で、それがトラウマになって眠れないことが一時期あったみたいで…」

加賀「ええ」

提督「それを見かねて私が相談に乗ってあげて、一緒に寝ることになったんだけど」

加賀「ええ」

提督「その夜に……足を擦り寄せたり……指を絡めたり…抱き付いてくるから……そういうことかと思って……」

加賀「…………」

提督「まんざらでもなさそうだったから…いいかなと思いまして……」ダラダラ

加賀「……王手」パチ

提督「で、でもね!その一件からは天津風も落ち着いて、よく眠れるようになったから!」パチンッ

加賀「私は無罪だ、と」

提督「そうです!」

加賀「………詰まる所、病める少女の弱みに付け込んで」

提督「うっ」

加賀「その純情を卑劣にも弄んだということね。王手」パチ

提督「うっっ」

加賀「大人として恥ずかしいと思わないの?」

提督「ど、どっちも合意の上だったから…!」

加賀「……これはお仕置きが必要みたいね」

提督「え゛っ」

加賀「今夜は覚悟なさい」

提督(ヤバイ)

ロリコン疑惑、おわり
このあとめちゃくちゃ躾けられた

その後………



加賀「はい、これ」

提督「え…な、なにこれ…」

加賀「何って、首輪よ。見て分からない?」

提督「いや、分かるけど…これを私に渡すってことは…」

加賀「着けなさい」

提督「はっ?」

加賀「勝手に他の子に手を出す悪い子にはお仕置きが要るでしょう?」

提督「いや、でも…」

加賀「着けろ」

提督「は、はいぃ!」ビクゥ

提督「え………ま、待って……そんな、いきなり…ぃいぎゃあっ!?」

加賀「大人しくなさい」ガッ

提督「ひぐぅ!?あ゛っ、い、痛あぁ…!?」

加賀「痛い?これがいいんでしょう?」グリグリ

提督「あがああぁぁ!??がっ、はあぁ!!」

加賀「ほら、もっとイイ声で啼きなさい」スパァン

提督「んあぁ…!はっ、はっ、はっ、はぐぁ…」ガクッ

加賀「誰が休んでいいと言ったの?」グイッ ギリギリ

提督「げはっ…!?かふっ、ひゅっ、げほ、がはぁ!!」

加賀「ほら、尻尾もあげるわ」ズブブ

提督「にゃ゛あああぁぁ!?」ビクビク

加賀「ふふ…いい格好ね」

提督「はーっ…はーっ…・」ピクピク

加賀「もうしないと誓える?」

提督「し…しま、せぇん…」

加賀「ん?聞こえないわ」グッ ヌプヌプ

提督「あ゛っ…!し、しません!もうしませんからゆるしてぇ!あひぃっ・」

加賀「そう、いい子ね」ズブッ ナデナデ

提督「にゃふ……えへ、あはぁ……」ガクガク

お仕置きおわり
もう次スレまで真面目パートはないと思います

そういえば超今さらですけど、提督の声のイメージは福圓美里さんです

青葉「ん〜……」

提督「…………」ペラッ

青葉「……退屈ですねえ」

提督「……そうだね」

青葉「……何か面白いことでもないですかねえ?」チラッ

提督「…………」フッ

青葉「ちょ、なんで目を反らすんですか!」

提督「青葉の言う面白いことってだいたい厄介ごとだし…」

青葉「むー、そんなことありませんよ!」プンスカ

提督「なんにせよここに居ても面白いことなんてないし…他を当たった方がいいよ」ペラッ

青葉「ぐぬぬ……」

青葉「…あ、そうだ!」

提督「今度はなに?」

青葉「司令官にコスプレしてもらいましょう!コスプレ!」

提督「はっ?な、なんで私?」

青葉「コスプレと言っても艦娘のみなさんの服を着るだけですから!大丈夫ですよヘーキヘーキ!」

提督「えぇ…」

青葉「みんな喜ぶと思うんだけどなぁー、楽しいだろうなぁー!」

提督「はぁ……まあ、いいけどさ…」

青葉「やったー!さすが司令官!」パチパチ

〜〜〜

青葉「というわけで、まずは睦月型の制服からですねー」

「もう着替え終わったんだけど、出ていいの?」

青葉「あ、はいどうぞー」

シャッ

提督「制服といっても、睦月と如月以外のは入らなかったんだけど…」

睦月「おぉー」

如月「あら、思ったより似合ってるじゃない♪」

皐月「あはっ!司令官、かわいいね!」

提督「そうかな、えへへ」

青葉「ふむふむ、意外とサイズは大丈夫そうですねえ」

提督「そうだね、パーカーだから割とゆったりしてる」

望月「やっぱりあたしらのはきつかった?」

提督「うん、とてもじゃないけど着られなさそう」

菊月「まあ、体格差があるからな」

如月「このパーカー、睦月ちゃんのを借りてるのね」

提督「うん、置いてた」

睦月「ならば睦月が提督の上着を着るにゃしぃ!」バサッ

提督「あはは、だぼだぼだね」

青葉「はーい、ではみなさん集まってくださーい!撮りますよー!」

如月「うふふ、なら司令官の隣はいただいちゃおうかしら」スリ

卯月「あー!ずるいぴょん!ふーちゃんの隣はうーちゃんのものっぴょん!」バタバタ

提督「こ、こら!卯月、そんなに暴れたらダメだって!あ、ご、ごめん弥生!」

弥生「………いえ、怒ってません…怒ってませんから…」

文月「文月は膝の上に乗るぅ〜」

皐月「じゃーボクは背中だー!」ドシン

長月「ふっ、面白い…私も乗った!」バッ

提督「うわ!?お、重い…!」ググ

望月「なー、なんでもいいから早く決めろよなー」

ギャーギャー

青葉「元気ですねえ…」

パシャッ

青葉「はい、次は吹雪型ですね。司令官、準備はできてますかー?」

「ちょっと待ってね…よいしょっと」

シャッ

提督「ふう、お待たせ」

吹雪「わあ!司令官、可愛いですね!」

白雪「あ、髪も吹雪ちゃんとお揃いなんですね」

提督「ふふ、せっかくだからね」

吹雪「えへへ、なんだか照れますね//」

提督「しかしセーラー服も懐かしいなあ…思い出すなあ、あの頃を…」ポワワ

深雪「へー、司令官にも若かりし日はあったんだなあ」

叢雲「いや、そりゃそうでしょ…」

提督(なぜか女の子ばかりに告白されてたあの頃を思い出すなあ……)シミジミ

叢雲「いつまで思い出に浸ってんのよ。ほら、撮るわよ」ペシ

提督「あっ、はい」

青葉「はーい、撮りますよー」

青葉「笑って笑ってー………1+1はー?」

提督「にー!」

叢雲「にー」

吹雪「田んぼの田ー!」

深雪「チーズ!!」

初雪「2になるとは限らない…」

白雪「え?えっと…あっ」

磯波(噛み合わない…!)

パシャ

叢雲「それにしても、私の服はなかったわけ?」

提督「うん…でも、代わりにこれがあったよ」

叢雲「あ、私の槍じゃない。なんであるのよ」

提督「さあ…」

深雪「おっ!?司令官、いい武器持ってるじゃん!深雪さまと勝負しようぜえ!」

提督「いいね、負けないよ!でええい!!」バッ

深雪「うおおおおっ!!」バッ

叢雲「ちょっと!?危ないからやめなさい!」

提督「はああああ!!」ガッ

深雪「お前にできるのか!選択が!破壊が!」キィーン

叢雲「こらー!!」

吹雪「あはは…」

深雪「その覚悟、試させてもらうぞ!」キンキンキン

提督「うう……うおおおお〜〜〜〜!!」

叢雲「いつまでやってんのよ!さっさと戻んなさい!」スパァン

深雪「いってぇ!!ちぇっ、分かったよ…」

提督「えー、もう終わり?」

深雪「おー、次はみんなも呼んで血まみれルートもやろうな!」

提督「えっ、私一人で戦うの」

深雪「まー司令官なら大丈夫だろ!んじゃー!」パタパタ

叢雲「はぁ……」

提督「苦労してるね、叢雲」

叢雲「あんたもその一因でしょうが…」

提督「そうかな、えへへ」

叢雲「褒めてない!」

青葉「お次は司令官大好き駆逐艦筆頭の暁型ですねー」

響「司令官大好きなのは暁なんじゃないかな」

暁「な、なんで暁だけなのよ!というか響も司令官のこと好きでしょ!//」

青葉(これ普通に司令官にも聞こえてるだろうなあ)

「(色々聞こえてるんだけど暁のために黙っておこう…)」

雷「それにしても、司令官に私たちの服なんて入るのかしら」

電「今の電でも割と大きいけど、司令官さんが着たらきついと思うのです」

「もう出ていいー?」

青葉「あ、はいどうぞー」

シャッ

提督「じゃーん!」

雷「あら、意外と合ってる…?」

提督「えへへ、そうでしょ?」

暁「そんなサイズの制服、どこにあったの?」

提督「ふふふ、実はこれは特注品でね」

電「特注品?」

提督「みんなの成長を見越して、前々から妖精さんと一緒に作ってたんだよ、うふふふ」

雷「まさかそれを司令官が一番に着ることになるなんてね」

提督「それもそうだね、あははは!」

青葉(スペックの高さとロリコンとしての純度って比例するものなのかなあ…)

提督「そしてなんといってもこの帽子、ちょうどいいサイズ」スポッ

暁「それ、暁たちと同じね」

提督「うん…やっぱり、帽子はしっくりくるなあ…身が入るよ」

電「なんだか、きりっとした雰囲気なのです」

提督「どう?かっこいい?」

電「うーん…」

提督「ちょっ、そこで悩まないでよ!」

響「司令官、こっち向いて」

提督「ん?はいはい」クル

ムンズ

提督「う」

響「うん………やっぱり普段より薄着だからか感触がまるで違うな……」ムニムニ

提督「それはどうも」ギュムム

響「ふぁがが」

青葉「あー…えっと、撮りますよー?」

提督「はいはい、じゃあ並ぼうか」パッ

響「いたた…」サスサス

提督「ほら電、隣座って」

電「はい、失礼するのです」ストン

青葉「そういえば電ちゃんは一番の古株ですもんねえ、まさに相棒って感じです」

電「そうでしょうか、えへへ…」

雷「私だって二番目なんだからね、司令官!」ストン

提督「はいはい…響と暁はちょっと後ろね」

電「あ…どうせなら…」パタパタ

提督「?」

電「電が司令官さんの帽子をかぶるのです、えへへ」

提督「ふふ、よく似合ってるよ」

青葉(微笑ましいなあ…)

暁「司令官、ちょっと屈んでくれない?」

提督「ん、はいはい」

青葉「では撮りますよー…はーい、笑って笑ってー」

響(ん……この体勢…)

青葉「はい、チーズ!」カチッ

響「…………」スッ

パシャッ

提督「!?」

雷「暁、実は映り切れてないんじゃないの?」ププ

暁「そんなことないわよ!ねえ青葉さん、ちゃんと映ってるわよね?」

青葉「えっと、どれどれ…お?」

青葉「…………」

提督「? どうかしたの?」

青葉「あ、いえ!綺麗に撮れてますよ!」

暁「ほんと?暁も映ってる?」

青葉「ええ、もちろん!あとで現像して渡しますね」

提督(さっきの…響、だよね…?)サスサス

青葉(響ちゃんも大胆だなあ…キスしてるの、バッチリ映ってる…)

響「…………」クス

青葉「さて!お次は白露型ですね!」

時雨「これ、前々から企画してたんだっけ」

村雨「そうね、話は挙がってたけどなかなかやる機会が取れなかったって」

「着替え終わったよー」

青葉「では出てきてもらいましょうか、どうぞー」

シャッ

提督「よいしょっと」

春雨「おぉー…」

白露「さすがに黒はよく似合うねー」

夕立「ほわあ…提督さん、時雨と雰囲気似てるっぽい!」

提督「あー…やっぱり、他のと比べると着心地がいいね」

村雨「そうね、セーラー服とかって結構堅苦しい感じがするし」

提督「それもあるけど……主に胸が、ね…?」

時雨「あぁ…」

白露「あたしらの型、みんな発育いいらしいからねえ」

提督「特に村雨と夕立はね…駆逐艦とは思えないスタイルだよね」

夕立「っぽい?」

村雨「うふふ、村雨のちょっといい身体…もっと見せてあげようかしら?」

提督「いや、興味ないからいいよ」

村雨「!??」ガーン

青葉「いや……しかし、すごいですね。ネクタイになりたいですよ」

提督「へ?何が?」

青葉「いえ、なんでもありません」

村雨(ああ…ネクタイが乗っかるぐらいすごいってことね…)

時雨(エロいな…)

白露(なんか気付いてしまうとすごいフェチズムを感じる)

青葉「ではそろそろ撮影に移りましょうかー」

提督「はーい」

青葉「はーい、並んでくださーい」

時雨「提督」スッ

提督「ん、時雨が隣でいいの?」

夕立「もう片方は夕立がもらうっぽい!」

村雨「ちょっと待ってよ、私だって提督の隣がいいわ」

時雨「もう決まったことだよ」

村雨「いいえ、譲らないわ」

時雨「姉の言うことを聞けないのかな?」

村雨「そっちこそ妹に威厳を見せたらどう?」

時雨「あ?」

村雨「は?」

提督「ちょっ」

時雨「…………」ズズズ

村雨「…………」ゴゴゴ

提督「ふ、二人ともちょっと待った!」

時雨「なにかな、提督」

村雨「うふふ、どうしたの?」

提督「えっと…と、隣なら夕立が変わってくれるから!村雨もそれでいいでしょ?」アセアセ

夕立「えー!?」

村雨「あら、いいの?」

提督「ごめん、夕立…その代わり背中から抱き付いてていいから…」

夕立「むー…まあ、いいけど…」

村雨「ふふ、悪いわね」

時雨「ちっ…」

提督(この二人…特に時雨、割と腹黒いところがあるからたまにギスギスしてて怖い…)キリキリ

青葉「さーんにーいーち!はいっ!」

時雨「…………」ギュ

村雨「…………」ギュ

提督「へっ」

パシャ

青葉「はーいお疲れ様でしたー!あとで現像したものを渡しますので、解散して結構ですよー」

時雨「それじゃあね、提督」

村雨「またあとでね、ふふ」

提督「う、うん」

青葉(上手く撮れt………うわあ、司令官も苦労人だなぁ…)ポチポチ

青葉「さて、次は」

陽炎「陽炎型ぁ!!」

青葉「うわっ、元気ですねえ」

黒潮「不知火が楽しみにしてたからなあ」

不知火「そんなこと一言も言ってない」

陽炎「司令ーー!!まだぁー!!?」

シャッ

提督「呼ばれて飛び出て陽炎型ぁ!!」

陽炎「ヒャアアアアアアア!!!」

黒潮「イェアアアアアアア!!!」

不知火(なんなの、このテンションは…)

陽炎「へー、なかなか似合ってるじゃない!」

提督「でしょ?自分でもそう思うよ」

黒潮「着心地はどうや?」

提督「んー、やっぱり動きやすいね。スタイリッシュな感じ」

青葉「元がいいおかげですかねえ、手袋着けてるとすごくイケメンに見えますよ」

黒潮「一回男装でもしてみたら?出る子には人気出るんちゃう?」

提督「あはは、機会があればね」

不知火「……………」

不知火「司令、下を失礼します」スッ

提督「ん?」

ピラッ

提督「スパッツならちゃんと履いてるよ?」

不知火「そうですね、ありがとうございます」クル

提督「………??」

不知火(司令が不知火のスパッツを履いてる司令が不知火のスパッツを履いてる司令が不知火の司令が不知火の司令が不知火の司令が司令が司令が)ハァハァハァハァハァハァ

陽炎(あちゃー…ありゃぬいぬいだなあ…)

黒潮(またなんか変なこと考えとるんやろなあ…)

青葉「それでは恒例の撮影タイムいきますよー」

陽炎「はーい!ねっ司令、肩組もう肩!」

提督「おっ、いいねえ。ほら、黒潮も」

黒潮「はいな!」

ガッシィ

不知火「不知火もやるのですか?」

陽炎「合点!」

不知火(なんなのこのノリは…)

不知火「…………」

陽炎「不知火ぃー、あんたせっかく写真撮るんだからもうちょっといい表情しなさいよー」

不知火「…努力はするわ」

青葉「ではいきますよー…はい、チーズ!」

黒潮「チャリで来た」

不知火「フッフフwww」

パシャッ

青葉「はーい、上手く撮れましたよー」

陽炎「見せてもらってもいい?」

青葉「ええ、どうぞ」

陽炎「どれどれ……うわっ!?不知火、あんたすごい笑顔じゃない!どうしたの!?」

不知火「フフフ…www」プルプル スッ

陽炎「え?黒潮?」

黒潮「チャリで来た」ザッ

陽炎「なにやってんのあんた…」

提督「楽しそうで何よりだよ」

青葉「さて、次は島風g」

島風「おっそーーーーい!!!」

青葉「…まあ、今着替えに入ったところですから…少し待ちましょう」

島風「てーとくー、まだー?」

「ちょ、ちょっと待って……青葉ー!」

青葉「はいはい、なんでしょう?」

「これ…ほんとに着るの…?」

青葉「もちろん!」

「……スパッツとか履いちゃダメ?」

青葉「ダメです」

「うう…ただの拷問でしかない…」

青葉「くっくっく、楽しみですねえ」

青葉「しれいかーん、着替えましたかー?」

「き、着替えたけど……ほんとにこれで撮るの…?」

青葉「当然です!ほら、出てきてください!」

「……う、うん…」

シャッ

提督「………っっ……!!/////」カァアアア

島風「おぅ、お揃い!」

パシャッ

提督「なんで今撮るの!?」

青葉「個人用です」

提督「というか…なんなのこの服…そもそも服なのこれ…」

島風「服だよ!」

提督「どこが!?こんなのただのフーゾク嬢の格好でしょ!!スカートなんてもはや穿いてる意味も分からないくらい短いし!ハイレグはほぼ紐だしお腹も露出してるし!なんなのもう!!」

青葉「なんでキレてるんですか…」

島風「えー、でも可愛いよ?」

提督「そういう問題じゃない!!」クワッ

青葉(あまりに恥ずかしいとキレるのかぁ…)

提督「まあ、確かにこのカチューシャは可愛いと思うけどさ…」

島風「ウサギさんみたいでしょ?」

提督「…そうだね」

青葉「あー…それじゃ、そろそろ撮りましょうか」

提督「はーい…」

島風「ほらてーとく、ピース!」

提督「ぴーす…」

青葉(うわあ、露骨にテンション下がってる…)

パシャッ

青葉「はーい、終わりましたよー」

提督「着替えてくる」

パタパタ

島風「…この格好、そんなにおかしいかなあ」

青葉「さあ…青葉は割と普通らしいですけど、どうなんですかねえ」

「(今度倫理観の座学開こう…)」

青葉「えっと……お次は迅鯨型ですね」

提督「迅鯨型?ってことは…」

大鯨「はい、私です」

提督「ああ、やっぱり…一人しかいないもんね」

大鯨「あはは…まあ、仕方ないことですので…」

青葉「さてさて、お話はその辺にして」

提督「そうだね、着替えてくるね」

大鯨「ええ、お待ちしていますね」

シャッ

提督「お待たせー」

大鯨「あ、私と同じエプロンですね」

提督「えへへ…この鯨のマーク、可愛らしいね」

大鯨「ふふ、よければ一着差し上げましょうか?」

提督「いいの?じゃあもらおうかな」

大鯨「はい、代わりはありますので」

提督「それにしても、このセーラー服とエプロンの色彩バランスが絶妙だね。タイツもあったかいし」

青葉「はい…すごい、暖かい印象というか…あの、司令官…」

提督「ん、どうしたの?」

青葉「…抱き付いてもいいですか」

提督「えっ」

提督「別にいいけど…ほら」スッ

青葉「では失礼して…えい」ギュ

提督「ネクタイ、邪魔じゃない?」

青葉「大丈夫です……」

提督「そう…」

青葉「…………」

提督「…………」

青葉「……うわあっ!!」バッ

提督「うわっ!?ど、どうしたの!?」

青葉「なんなんですかその包容力!!」

提督「えっ!?」

青葉「危うくダメ人間になるところでしたよ!青葉を骨抜きにするつもりですか!」

提督「えぇ…なんで逆ギレされてるの私…」

大鯨「さ、さあ…」

青葉「はー…はー…母性の塊みたいな身体しやがって…」

提督「何を言ってるの青葉は…」

青葉「……ふぅ。気をとり直して、撮影に移りましょうか」

大鯨「は、はあ」

提督「情緒不安定だなあ…」

パシャッ

青葉「はーい、お疲れ様でしたー」

提督「そういえば、さっき控え室に潜水艦の子達の水着があったんだけど…」

青葉「ああ、また今度着てもらいますよ」

提督「えっ」

青葉「今日は予定が合わない子もいますので、別の日に改めて撮る予定です」

提督「複数回やるのこれ…」

青葉「もちろん!」

青葉「さてさて、お次は飛鷹型ですねえ」

隼鷹「帰っていい?」

飛鷹「いきなりなんてこと言うのよ…」

隼鷹「いやー、だって撮影あるって言うからさあ…昨日からずっと酒飲んでないんだぜえ?」

飛鷹「そんな中毒みたいなこと言わないの」

隼鷹「ほら、アルコールがないと手が震えてさあ…苦しいんだよお…酒くれよォ…」プルプル

飛鷹「そういう危なげなネタはやめなさい」バシ

隼鷹「あたっ、はいはい」

提督「隼鷹、大丈夫?」

隼鷹「うお、もう出てきてたんだ」

飛鷹「ふーん…やっぱり隼鷹の服選んだのね」

提督「どっちにしようか迷ったんだけど、こっちの方が楽かなって思って。ごめんね」

飛鷹「…別にいいけどね」

隼鷹「ふんふん、サイズはぴったりだなー」

提督「そうだね、私と隼鷹たちってほぼ身長差ないし…何より駆逐艦の子達のと違って胸がきつくないから違和感がないかな」

飛鷹(…ボタンがはち切れそうになってるのは気のせいよね)

隼鷹「やー、しかし自分の服を提督に着てもらうってなんだか照れるねえ」

提督「ふふ、似合ってる?」

隼鷹「ぶっちゃけ飛鷹の服の方が合うと思う」

提督「…………」

提督「…でも、この真っ赤なのは華やかですごく上品なイメージだね。お嬢様って感じ」

隼鷹「まー、普段着てる本人はお嬢様とは程遠いけどねえ」

提督「そんなことないよ、隼鷹だって器用だし真面目だし…それに美人なんだから、ちゃんとおめかしすればもっと綺麗になるよ」

隼鷹「………ぇ、あ…」

飛鷹「ああー、ショートしたわ」

隼鷹「ちょっと……待って、いやほんと…不意打ちでそういうこと言うのズルいってぇ…///」カァアア

提督「ふふふ、かわいい」

隼鷹「やめてよぉ…」

飛鷹「そうね、隼鷹も女の子なんだから」

提督「飛鷹も女の子だよ、ドレスとか着たらきっとこの鎮守府じゃ誰も敵わないくらい煌びやかになるよ」

飛鷹「ふふ、そこまで露骨に褒められると冗談みたいに聞こえるわ」

提督「まさか。本心で言ってるよ」

飛鷹「はいはい…口説き文句として受け取るわね」

提督「そんなに謙遜しなくてもいいのに…せっかくの美人がもったいない」

飛鷹「それ、そっくりそのままお返しするわ」クス

青葉(天然たらしっぷりが遺憾なく発揮されている…しかし飛鷹さんも上手く躱すなあ…)

青葉「それでは、撮りますよー」

隼鷹「なー提督、今日は一緒に呑もうか」

提督「またお酒?体壊すよ?」

隼鷹「やー…素面じゃ言えないことだらけだからさ…」

提督「……はいはい、今日だけね」

飛鷹「ふふ、私もお邪魔していいかしら」

隼鷹「えー、今日は提督独り占めしようと思ってたのに」

提督「まあまあ、また今度にすればいいから…」

隼鷹「お、二回目があるってこと?へへへ、ラッキー♪」

飛鷹「まんまと嵌められたわね」

提督「あはは…」

青葉(楽しそうだなあ…)スッ

パシャッ

青葉「さて、お次は」

武蔵「この武蔵だな」

青葉「はい、大和さんは別件でいないので今回は武蔵さんだけということで。それでは着替えてもらいましょうか」

提督「やだ」

武蔵「何?」

提督「絶対やだ」

青葉「どうしてです?」

提督「痴女とかそういうレベルじゃないもん」

武蔵「前も言われたが、私の服はそんなにおかしいのか?」

青葉「別に普通だと思いますけどねえ」

提督「いや、そもそも服じゃないもん!スカート以外ほとんどサラシでしょ?」

武蔵「格好いいだろ?」

提督「よくない!!」

提督「だいたいねえ、女の子がそんな格好でいちゃいけません!日本の女子ならもっと肌を見せることを惜しみなさい!」

武蔵「と言われてもなあ」

青葉「薄着の方が動きやすいですし」

提督「いやーっ!!なんでそんなに意識してないの!?悪い大人に変なことされても知らないよ!?」

武蔵「私も大人だが」

提督「そうだけど!」

青葉「なんでもいいので早くしてくれませんかねえ」

提督「やだ!絶対やだ!!」

青葉「………別に断ってもいいですけど」

提督「ほんと!?」パアア

武蔵「おい」

青葉「まあ、もし断ったら司令官の恥ずかしい写真売りに出しますからね」

提督「えっ」

青葉「加賀さんと外で【自主規制】してる写真とか、一人で極太【自主規制】使って慰めてる写真とか」

提督「…………………」

青葉「着てくれますよね?」

提督「ハイ…」

シャッ

武蔵「……お前、意外と鬼畜な真似をするんだな…」

青葉「まあどっちも噂を聞いただけでカマをかけたんですけどね。どうやら事実だったみたいです」

武蔵「……………」

武蔵「相棒、着替え終わったか?」

「……う、うん…」

青葉「それじゃ出てきてくださーい」

「…………」

青葉「写真」

「わ、分かってるって!出るから!」

シャッ

提督「ッッ………!!!//////」

武蔵「ほお」

パシャッ

提督「だからなんで撮るの!?」

青葉「いえ、表情にそそられるものがあったので」

武蔵「はは、お揃いだな」

提督「こんなお揃いやだ…」

武蔵「私の一張羅だぞ?」

提督「6割サラシじゃない…」

武蔵「上手く巻けているぞ」

青葉「結構厚手ですからねえ、寒くはないんじゃないですか?」

提督「そうだけど…こんなの恥ずかしすぎる…」

武蔵「ははは、相棒は本当に可愛いな」

提督「……くそが……」

青葉「!?」

武蔵「失礼」ピラッ

提督「……………っっ!!??」

武蔵「む、下もちゃんと私と同じ巻き方だな」

提督「バカーーーー!!!」ゲシィ

武蔵「ぐはぁ!?」

青葉「うわあ…」

提督「いきなり人のスカートめくるなんて何考えてるの!?えっち!スケベ!ヘンタイ!!」ゲシゲシ

武蔵「ぶがっ、げふっ」

青葉(罵倒の仕方が古い…)

青葉「はーい、撮りますねー」

提督「はぁ……」

ガシ

武蔵「ほら、肩を組んで撮ろうぜ」

提督「…うん」

武蔵「あ。悪い、相棒の身長だと少し辛いか?腹のあたりに手を回してもいいぞ」

提督「ふふ、ありがとう」スッ ギュ

青葉(なんだかんだで仲はいいんだなぁ…)

パシャッ

武蔵「それにしても、あれだな」

提督「?」

武蔵「相棒も剃ってるのだな!ははは!」

提督「」カァッ

ボッゴォ

武蔵「ごはぁ!!?」ガクッ

青葉(綺麗な肝臓打ちだ…)

青葉「さてと、今日はこれで終わりですね。お疲れ様でした」

提督「……その写真、どうするの?」

青葉「ん?アルバムに載せますよ、これも大切な思い出ですから」

提督「………いい事言ってるみたいだけど、私にとっては辱めでしかないんだけど…」

青葉「まあまあ、後で見返したらああこんなこともあったなーって懐かしくなるものですよ!」

提督「そうかなぁ…」

青葉「あ。司令官、せっかくですからツーショット撮りましょう!」スッ

提督「え?う、うん、いいけど」

青葉「ピースしてくださいねー」

提督「うん」

青葉「笑って笑ってー……はい、チーズ!」

パシャッ

提督「撮れた?」

青葉「んー……司令官、いい笑顔ですねえ」

提督「ふふ、青葉も可愛らしく撮れてるね」

青葉「そんな、褒められても困りますよぉ」

提督「それもアルバムに載せるの?」

青葉「ん?いえ、これは載せません」

提督「え、どうして?」

青葉「これは青葉と司令官の思い出ですから。青葉の手帳に貼り付けます」

提督「……………」ワシャワシャ

青葉「わっ、な、なんですかいきなり!」

提督「青葉は不意に可愛らしいところ見せるからなぁ…」ワシャワシャ

青葉「だからなんなんですか、も〜!」

艦娘制服コスプレ会おわり
大和はあんまりやましいことを考えてないので来ません

望月「思ったんだけどさ」

秋雲「うん」

望月「司令官をさ」

秋雲「うん」

望月「攻略する恋愛シミュレーションやりたい」

秋雲「わかる」

望月「作れないの?」

秋雲「やろうと思えばできるんじゃない?」

望月「じゃ任せた」

秋雲「任せたって言われても、秋雲絵ぐらいしか描けないし」

望月「グラフィック用意するんなら描けるでしょ」

秋雲「んー、じゃ青葉に写真もらっていくつか表情パターンとか描いてそれ入れるか」

望月「お、いいね」

秋雲「まあ作るにしても時間かかるだろうし、経過はまた報告するってことで」

望月「あい」

秋雲「で、次なにする?」

望月「バイオ5」ピッ

秋雲「いいね」

後日………

秋雲「体験版ができました」

望月「やるじゃん」

秋雲「それでは早速起動してと」

ピッ

ウィーン…

望月「おー、なんかわくわくする」

秋雲「いやー結構大変だったわぁ…三徹した時はさすがにぶっ倒れるかと思った」

望月「体験版ってことは製品版も作るの?」

秋雲「もちろん」

望月「何徹の予定?」

秋雲「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

ガチャ

深雪「お?なになに、ゲームすんの?」

望月「そだよ」

深雪「あたしもやる!」

秋雲「ほい、クッション」

深雪「さんきゅー!」ボフ

パッ

『おはよう、今日も頑張ろうね』

深雪「おぉ!?司令官だ!?」

望月「いきなりゲーム画面になったけど」

秋雲「だってまだタイトルも考えてないし」

深雪「なにこれ!?どうなってんの!?」キラキラ

秋雲「提督を攻略する恋愛シミュレーションゲームだよ」

深雪「何それチョー面白そう!!」

望月「タイトル先に決めといた方がいいんじゃないの?」

秋雲「そーだなぁ…」

深雪「司令官これくしょん、官これ!」

秋雲「採用」

望月「はやっ」

深雪「よっしゃー!」

望月「……で?どういうシステムなの?」

秋雲「今のところは朝昼夜のスリーフェイズで行動、好感度を上げるって感じ」

望月「ふーん…で、コマンドは?」

秋雲「なんかボタン押したらウィンドウ出るでしょ」

望月「どれどれ…お、出た」

・おしゃべり

望月「…一つしかないけど」

秋雲「そりゃそうでしょ、まだ体験版なんだから」

望月「それもそうか…」

深雪「なー、なんでもいいから試してみようぜ」

望月「そだね…」ポチ

何について話す?
・任務のこと
・提督のこと
・自分のこと

深雪「へー、結構あるなー」

望月「ちなみに今はどのフェイズなの?」

秋雲「今は朝だね」

望月「ふーん…とりあえずどれ選ぼうか…」

深雪「司令官のこと!」

望月「じゃあそれで」ポチ

『え、私?うーん……特にないかな……』

望月「って言ってるけど」

深雪「なんか思ったより無愛想だなー」

秋雲「まだ好感度が普通程度だから仕方ない」

望月「好感度上がったら自分から喋ったりしてくれるの?」

秋雲「そんな感じ」

望月「ほー、なるほど」

深雪「じゃ好感度下がったらその逆もあるってこと?」

秋雲「ある。見てて辛いレベルで」

深雪「うわあ…」

・今日も頑張ろう
・提督も頑張ってね
・ちょっと疲れ気味かも……

望月「また選択肢出た」

深雪「やっぱりどれか一つで好感度上がったりとかすんの?」

秋雲「基本的にどれ選んでも上がるけどね」

望月「んー、じゃあこれで…」ピッ

→ちょっと疲れ気味かも……

深雪「なんで疲れてんの」

望月「なんとなく」

『大丈夫?……あんまり無理はしないでね』

深雪「優しいなー」

望月「好感度普通でも心配してくれるあたり司令官らしいね」

秋雲「ちなみに好感度が高いともっと気にかけてくれます」

望月「その指標はどこで見るの?」

秋雲「数値では表示されないけど、だいたいは提督の反応と表情を見れば分かるくらい」

深雪「今常に真顔なのは好感度普通だから?」

秋雲「そだね、評価としては『他の子と同じ』って感じ」

望月「なるほど……それにしても、この真面目そうな顔…」

深雪「なー、カッコいいよな」

望月「まだデレてもないのに司令官のこと好きすぎでしょ」

深雪「人のこと言えないだろ」

望月「……………」

『それじゃ、演習…頑張ってね』

望月「…暗転した」

秋雲「朝フェイズ終わり」

深雪「えー、もう終わりなの?」

秋雲「だーかーらー、まだ体験版だってば!製品版はもっと色々できるようにするからさ!」

望月「なんか、あんまりデレてくれない司令官も新鮮でいいな…」

深雪「そうかなー、ノリ悪くてちょっとやだな」

望月「それを攻略していくのが恋愛ゲーの楽しみなんだよ」

深雪「ふーん…」

ーー昼ーー

『あ、お疲れ様。演習、終わったみたいだね』

望月「ん、もう昼か」

秋雲「そうそう、朝昼夜で選択肢は変わるからね」

望月「ほー…おしゃべり、と」ポチ

何について話す?
・ご飯のこと
・演習のこと
・他の子のこと

望月「………………」ピッ

→他の子のこと

深雪「はやっ!」

『他の子?うーん………そうだね、戦艦や空母が活躍してるだろうけど…負けないように頑張ってね』

望月「…………」

秋雲「嫉妬心丸出しですねぇ」

望月「うるさい」

望月「……あれ?もう一回選べるの?」

秋雲「昼はね」

望月「ふーん…じゃこれで」ピッ

→ご飯のこと

『ご飯?……そういえば、お昼まだだっけ…』

・お腹空いてないの?
・一緒に食べる?

望月「…………」ピッ

→一緒に食べる?

深雪「迷わずいったなー」

秋雲「デレてほしいんでしょ」

『一緒に……うん、いいけど…あの、私まだ仕事が残ってて……待ってもらってもいいかな?できるだけ早く終わらせるから』

・もちろん
・ならいいや

望月「…………」ピッ

→もちろん

『ふふ…ありがとう』

深雪「おー、笑った」

望月「あーーーくっそ可愛い………」

秋雲「よかったね」

ーーー

『メニュー、色々あるね。何食べる?』

・提督と同じの
・提督オススメの
・提督の手料理

望月「……これさ、いきなり踏み込みすぎるのはダメなやつだよね」

秋雲「そだね」

望月「じゃあこれで…」ピッ

→提督オススメの

『わ、私がオススメするもの?えっと……オススメっていうか、好物になるんだけど…その、コロッケはサクサクで美味しいよ……って、子供っぽかったかな…』

・そんなことない
・可愛らしいよ

望月「……」ピッ

→可愛らしいよ

『そ、そうかな…えへへ…///』

望月「あぁぁーーー!!可愛いよ司令官!!!」ゴロゴロ

深雪「うおっ、発狂した」

秋雲「楽しそうで何よりだよ」

深雪「というかこれ、ちゃんと声も入ってんだなー」

秋雲「声を入れてるというか、サンプルがあれば繋ぎ合わせて違和感なく台詞作れるからね。一応提督の声から作ってるけど」

深雪「へー、すげー技術…」

望月「…これ絶対製品版作ってよ」

秋雲「そりゃもう」

深雪「あたしも買う!」

秋雲「へへへ、予約が二つも入った」

ーー提督とお昼を過ごしたーー

ーー夜ーー

『ふぅ………あ、今日も一日お疲れ様』

何について話す?
・夜のこと
・提督のこと
・明日のこと

深雪「夜のことだって」

望月「なんかエロいな…」ピッ

→夜のこと

『夜?今日はもうやることはないけど…』

望月「……気になったんだけどさ、これってR-18とかあるの?」

秋雲「んなわけないでしょ、一応全年齢対象なんだから」

望月「なんでさ、パワプロだって弾道上がるじゃん」

秋雲「そんなこと秋雲に言われても」

深雪「お、追加選択肢出てるぜ」

望月「ちぇっ、じゃあこれでいいや」ピッ

→提督のこと

『私?あはは、私は仕事かな…まだ今日の分が終わってなくて…』

・手伝おうか?
・頑張ってね
・寝た方がいい

ピッ

→手伝おうか?

『え?そんな、悪いよ…それに、これは元々私の仕事だから…明日、君に支障が出てもいけないし』

『……でも、気持ちは嬉しいよ。ふふ、ありがとう』

望月「これいつ発売なの?死ぬほど可愛いんだけど』

秋雲「未定です」

秋雲「と、こんな感じで一日が進んでいきます」

望月「なんなのマジで…司令官可愛すぎなんだけど…」

深雪「司令官と一緒にいる時はそっけないのに司令官がいないと感情出しすぎでしょ」

秋雲「なー、ツンデレの逆だな」

望月「いつになったらデレてくれるの司令官…」

秋雲「待てないみたいだし、高好感度状態にしてやってみる?」

望月「そんなのできんの!?」

秋雲「体験版のみね」

深雪「てか、そろそろ操作変わってくれよなー、あたしもやりたいんだよー」

望月「……しゃーない、ほれ」

深雪「やーりぃ!」

ーー朝ーー

『…あ、おはよう!今朝も早いね。もしかして、一番に会いに来てくれたとか……なんて、冗談だよ。今日も頑張ろうね!』

望月「もうあからさまにデレてるじゃん」

深雪「表情も違うもんな」

・おはよう
・今日も可愛いね
・寝癖ついてるよ

深雪「何がいい?」

望月「自分で決めなよ」

ピッ

→おはよう

望月「なんでそんな普通のなんだよ!」

深雪「いーだろ別に、好感度高いならなんか面白い返しくれるって!」

『ふふっ、なあに?それ、さっきも言ったよ?』

深雪「なんだこれ、めっちゃイチャイチャしてるぞ」

望月「どこのバカップルだ」

秋雲「提督と加賀さんはいつもこんな感じなのかねえ」

深雪「…………」

望月「…………」

秋雲「ご、ごめん」

『今日は出撃だよね……その、あんまり無茶はしないでね?怪我とかしたら大変だから…』

・心配してくれてる?
・大丈夫だよ

望月「だってさ」

深雪「んー」ピッ

→大丈夫だよ

『……そうだよね。ふふ、ちょっと心配しすぎだったかな』

『うん、信じてるから…無事に帰ってきてね』

望月「これ死亡フラグ建ってない?」

秋雲「一応轟沈とかはないのでご安心を…まあ製品版は確率で小破から大破までのシステムを実装する予定」

深雪「イベントが発生するってこと?」

秋雲「そそ」

『それじゃ、私もお仕事しようかな…またあとでね、えへへ』

深雪「いやー、それにしてもデレデレだなー」

望月「現実の司令官もこれぐらいデレデレになってほしい…もっと甘やかしてほしい…」

秋雲「今も大概だろうに…」

深雪「そう?割と普通に司令官もこれくらいデレてくれるけど」

望月「マジで?ちょっとあたしと中身代わってよ」

深雪「無茶言うなよ」

ーー昼ーー

『あ、おかえり!大丈夫だった?怪我とかは……してないみたいだね。よかった…』

・ありがとう
・疲れたよ

望月「ところでこれ、好感度の度合いとしてはどれくらいなのさ」

秋雲「今は『他の子よりちょっと特別』って感じ」

望月「まだ恋愛感情はないの?」

秋雲「確実に気持ちは生まれつつあるけど、本人は気付いてないみたいな…そういうイメージ」

深雪「甘酸っぱいなー」ピッ

→ありがとう

『ふふ、なにもなくてよかったよ…あ、お腹空いたでしょ?報告は後でいいから、補給に行っていいよ』

望月「うーん可愛い…」

・行ってくる
・一緒に食べよう
・まだお腹空いてない

望月「一緒に食べよう選んで」

深雪「えー…いいけど…」ピッ

→一緒に食べよう

『もう、また?たまには他の子と食べてもいいんだよ?』

深雪「司令官がいいんだけどなあ」

望月「司令官がいいんだけど…」

『……え、私がいいの?そ、そっか…えと、ありがと…』

望月「シンクロした…」

深雪「すげえ…」

『でも、私、まだお仕事があるんだけど……待っててくれるの?』

深雪「前も見たなこんなくだり」

秋雲「まーまー、続きがあるから」

『いつもごめんね、待たせちゃって…ほんと、遠慮しなくていいから先に食べてても…』

『あ………う、うん……優しいん、だね…ふふ』

望月「あがああぁぁ!!しれいかああああああああああん!!!!」ゴロゴロ

深雪「うるせー…」

秋雲「気持ちはわかるけどね」

望月「しれいかああああああん!!一緒にご飯食べようねぇー!!あたしは待ってるからねぇー!!」バタバタ

深雪「ちょーやかましいな…」

秋雲「なー…」

望月「司令官が可愛すぎて生きるのがつらい」

秋雲「じゃ死ねばいいだろ…」

望月「あたしが死んだら司令官が悲しむじゃん」

深雪「うわあ超めんどくせえ…」

秋雲「なんでこんな暴走してんの今日」

深雪「あたしに聞かれても…」

望月「司令官…司令官…」ビクンビクン

秋雲「きめえ…」

望月「司令官のために生きよう」

秋雲「さいですか…」

『ん…やっぱりここのカレーは美味しいね』

・おかわり
・たまには別の味も食べたい

深雪「お、まだ昼が続くぞ」

秋雲「ほら、やっぱり好感度高いとお話したくなるもんでしょ」

ピッ

→たまには別の味も食べたい

『あー…そうだね、美味しいのはいいことだけどずっと同じ味じゃ飽きちゃうね』

『……じゃあ、今度は外に出て食べよっか。カレーじゃなくても、何か他のものでもいいよ』

深雪「おー、直々にお誘いが」

秋雲「順調にデレてきてるってことさ」

『どうかな?』

・他の子も誘って行こう
・二人で?

深雪「…これさ」

秋雲「うん」

深雪「もっと好感度高い状態で上の選んだら嫉妬する司令官が見られたりする?」

秋雲「おー、よく分かったね」

深雪「へへへ」

望月「いーから早く選べよー」

深雪「へいへい」ピッ

→二人で?

『え?うん、それでもいいけど……な、なんだかそう考えると照れるね…なんでだろ…』

深雪「うわー…甘酸っぱい…」

秋雲「本人はもう二十七なのにな」

望月「グゲッゴゴゴゴンギェギガガガ」ガタガタ

深雪「うわっ、ぶっ壊れてる」

秋雲「ゲームでここまでなるのに普段どうやって抑えてるんだ…」

望月「はぁ…」

秋雲「お、戻った」

望月「…落ち着いたらお腹空いてきた」

深雪「深夜にそういうこと言うのやめろよ」

望月「……おにぎり、卵焼き、ウインナー」

深雪「やめろよー!」

秋雲「罪深いぞそれ…」

望月「あーダメだ、食堂行ってくる」

深雪「なんかあんの?」

望月「この時間帯は金曜カレーの仕込みでいつも司令官がいる」スタスタ

深雪「マジで!?あたしも行く!」ガタッ

秋雲「ちょっ、置いてくなよ!」ガタッ

ギィ

望月「しれーかーん」

提督「ん…望月、また来た……って、あれ?」

深雪「おーっす!」

秋雲「うお、ほんとにいるんだ」

望月「だから言ったっしょ」

提督「三人揃ってどうしたの?またゲームでもしてたの?」

深雪「へへへ、そんなとこ」

提督「ふーん…でも珍しいね、深雪がこんな時間まで起きてるなんて」

深雪「いやー、面白いゲームを見つけちゃってさあ」

提督「へえ、どんなの?」

深雪「司令官とむぐぐぐ」

望月「バカ!」ググ

提督「……??」

深雪「あー…司令官とも今度やりたいなーって言おうとしたんだよ」

提督「へー、一緒にできるんだ」

深雪「そ、そだな…ハハハ」

秋雲(危ない危ない…)

望月「そんなことよりさ、お腹空いちゃったんだよお腹」

提督「もう、また?」

望月「ゲームしてたらお腹空くんだよ」

提督「それは分かるけど、あんまり夜中に食べすぎると太るよ?」

望月「これから控えるから」

提督「前も言ってたでしょ…」

深雪「適当でいいからさ、なんか作ってよ」

秋雲「頼むよ〜」

提督「……はいはい」

提督「適当でいいとは言っても…ほんとに今から作るんだったらおにぎりぐらいしかできないんだけど…」

望月「それでいいよ」

秋雲「やー、むしろそれくらいじゃないとマジで太るからねえ」

提督「わかった、具は何がいい?」

望月「たらこ」

秋雲「梅」

深雪「シーチキン!」

提督「はいはい、ちょっと待っててね」

提督「〜♪」ニギニギ



望月「はー…しかし、ああやってると完全におかんだねえ…」

深雪「さすがにまだそんな歳じゃないでしょ」

秋雲「じゃあ同棲中の彼女」

深雪「それもそれで歳行きすぎじゃない?」

望月「なら新婚」

深雪「それだ!」

秋雲「二十七で新婚か…」

望月「やめろよ…司令官かわいそうだろ…」

望月「どうせなら脇で握ってほしいんだけどなあ」

秋雲「何その上半身裸のおやじがやりそうなこと」

深雪「大井さんならマジで頼みそうだけどなー」

望月「あれさ、熱々の米でやったら普通に危険らしいね」

秋雲「そりゃ脇は皮膚薄いし…」

提督「お待たせー…ところで何の話?」

望月「脇おにぎりの話」

提督「グルグル?」

望月「そうグルグル」

望月「あむ」パク

提督「一人二個ずつね」

望月「ん」モグモグ

深雪「いやー、やっぱ司令官の作るおにぎりが一番だなー」

秋雲「なー」

提督「ふふ、どうも」

望月「司令官も食べる?」スッ

提督「…じゃあ一口だけ」

パク

深雪「なんだ、司令官もお腹空いてたんじゃん」

提督「この時間まで起きてるとさすがにね…」クス

望月(たらこほとんど持って行かれた…)

望月「…………」ジー

提督「……どうしたの?」

望月「いや、いつも通りに可愛いなって思っただけだよ」

提督「ふふふ、褒めても何も出ないよ?」

望月「知ってる」モグモグ

提督「ほら、ほっぺに付いてる」スッ

望月「んあ、ありがと」

秋雲(望月も何気にラノベ主人公タイプだよなあ…)

深雪(こんだけイチャラブしてるのになんで司令官の前じゃ暴走しないんだろ…)

提督「部屋に戻ったらまたゲームするの?」

望月「うん」

提督「程々にしなきゃダメだよ?」

望月「分かってるって」

提督「それじゃ、私はそろそろ寝るから」ガタ

秋雲「おやすみー」

望月「また明日」

深雪「司令官、今度一緒にスマブラやろうなー」

提督「時間がある時にね」

バタン

望月「はぁ……」

秋雲「おっ、どうした?」

深雪「また恋煩い?」

望月「いや…やっぱ、ゲームよりリアルの司令官が一番だなって…」

秋雲「ならゲーム作らなくていい?」

望月「無理。作って」

秋雲「ちぇっ、ダメか」

望月「よーし、じゃあ再開しますか」ピッ

秋雲「とは言っても、体験版だからもう終わりだけど」

望月「え、マジで?」

秋雲「うん」

プチッ

秋雲「ほら、切れた」

望月「なんだ…マジで短いな…」

深雪「えー、つまんねーの」

秋雲「まあまあ、製品版はちゃんと作るからさ!今は悪魔城HDでもやろーよ!」

望月「しゃーない、やるか」

秋雲「ところでさー」

望月「んあ?」

秋雲「提督と二人っきりになるとふーちゃんって呼ぶのに、他の人がいると司令官って呼ぶんだねえ」

望月「……いーじゃん別に」

秋雲「ツンデレ?」

望月「違う」

秋雲「またまたぁ」

望月「……深雪、スト4入れて」

深雪「おう!」

望月「お前クナイ起き攻めでボコるわ…」

秋雲「えっ」

こうしてゲーマー達の夜は更けていきましたとさ
近いうちに次スレを建てるのでどうぞよろしくお願いいたします
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