未央「そうそう。きらりんが、杏ちゃんの家の合鍵持ってて、仲いいなーって話」

凛「それなら、私も持ってるよ。プロデューサーの合鍵」

未央「えっ？」

凛「これ」ｺﾞﾄｯ

未央「どう見てもピッキング道具的な何かだよね、これ」

凛「プロデューサーが最近、『誰かにずっと見られてる気がする』って言っててさ」

未央「お、おう」

凛「家に入るときも、毎回キョロキョロしてるし、夜もあまり寝れてないし。だから心配で合鍵を作ったんだ」

未央「ソウナンダー」

凛「なんで棒読みなの？」

アーニャ「私も、ミナミの家の合鍵、持ってます」

美波「え!？渡した覚えないよ？」

アーニャ「これです」ｽﾁｬ

美波「アーニャちゃん、その猟銃どっから出したの」

アーニャ「パパのお古です。これならどんな鍵も、扉も開けられます」

美波「それは合鍵とは言わないと思うんだけど」

アーニャ「これがあれば、もし弟さんとマチガイが起こりそうになっても、ミナミの家に入れます」

美波「弟とは何もないよ！」

アーニャ「でもミナミ、弟さん、ミナミのセクシーな写真集、いくつも持ってます」

美波「知りたくなかった事実が判明しちゃった……」

アーニャ「大丈夫です、ミナミの『可愛い』は、私が守ります」

美波「アーニャちゃん」

アーニャ「はい」

美波「私達には、合鍵なんて必要ないの」

アーニャ「そう、ですか？」

美波「私達は、どんなに離れていても、何枚扉を隔てていても、心は絆で結ばれている。そうでしょ？」

アーニャ「……ミナミ！」

未央（みなみん、上手く丸めこんだ）

未央「だってさ、しぶりん。大事なの物理的な距離じゃないんだって」

凛「そうだね。今度からは家に行くんじゃなくて、プロデューサーのYシャツを嗅ぐ程度にしておくよ」

未央「どうしよう、私としぶりんの間に心の距離ができちゃったよ」

菜々「お待たせしました！お茶が入りました」

未央「ありがとう、ウサミン。いつも悪いねー」

菜々「いえいえ、それより、何の話をしてたんですか？」

未央「合鍵の話―」

凛「菜々…さんは誰かに合鍵を渡したりしてる？」

菜々「あー、合鍵は持っていかれたままですねー。前に居たヒモの―――」

凛「紐？」

菜々「いえいえいえ！違います！ナナはウサミン星からやってきたアイドルで、メイドさんですから、元カレなんていませんから！」

美波「ほ、ほら！きっと、ウサミン星の特注品だから合鍵が作れない、とか？」

菜々「そ、そうなんです！　ナナのお城の鍵は特別製なんです！」

アーニャ「ウサミン星のお城……素敵、ですね。地球からどのくらい離れていますか？望遠鏡で、見れますか？」

未央「ウサミン星はね、ウチの最寄り駅から電車で」

「未央ちゃんストォォォップ！」



おわり