八幡「今日から高校生か」 (494)
・このSSは八幡の高校1年時のお話です
・原作からクラスメイトが変わってます
・名無しキャラあり
・八幡×結衣予定です
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入学式当日
八幡(流石にこの時間は早かったか)ギコギコ
八幡(高校生活が始まることに対して浮かれてる自分が少しキモイな)
結衣「サブレ、ちょっと待って!」
八幡「ん?」
結衣「サブレ、待ってってば!!」
八幡(いっ!?)
八幡(なにやってんだあの飼い主は!!)ダダダッ
ドンッ!!
八幡「ぐはっ!」
結衣「う、嘘……」
翌日 病院
八幡「暇だな」
八幡(車に轢かれそうな犬を助けたかわりに自分が轢かれて骨折か)
八幡「三週間も入院なんてなー……」
八幡(上条さんなら一日で退院するんだろうな)
八幡(なんであの時体が動いたんだろうか)
八幡「……わからない」
トントン
八幡(小町か。早いな)
八幡「どうぞ」
結衣「失礼しまーす」ガラガラ
八幡「……………誰?」
結衣「え」
八幡「……」
結衣「あ、そっか。わたしのことわからないよね」
八幡(美人局にしては若いな)
結衣「あたしは由比ヶ浜結衣。比企谷くんが助けてくれたサブレの飼い主です」
八幡「あー」
結衣「サブレを助けてくれてありがとうございました。そしてこんな大怪我させちゃってごめんなさい!」
八幡「別にお前に怪我させられたわけじゃないんだけど」
結衣「ううん。あたしがリードを離さなければサブレが道路に飛び出すことはなかったもん。だからあたしのせい……」
八幡「……犬は元気か?」
結衣「う、うん。凄い元気だよ!」
八幡「そっか。よかったな」
結衣「本当にごめんなさい。……三週間も入院するんだよね」
八幡「もう謝らなくていい。謝罪なら運転手の人に凄い謝られたからな」
結衣「でも……」
八幡「両親に聞いたらけっこうお金も貰えたみたいだしな。お小遣いが増えそうでむしろ嬉しいまである」
結衣「ぷっ。比企谷くん、ポジティブなんだ」
八幡「……それより、お前も総武高校なのか」
結衣「うん。比企谷くんと同じクラスだし」
八幡「…………え?」
結衣「あたし、毎日授業のノートを取ってお見舞いに来るから」
八幡「いや、いいです」
結衣「でも一気に写すのも大変でしょ?」
八幡(その前に写してくれる人がいないまである)
結衣「だから、ね?」
八幡「……わかった。よろしく頼む」
結衣「うん! それじゃ今日はこれで帰るね。また明日来るから!」
八幡「無理しなくていいからな」
結衣「大丈夫。放課後は時間空いてるし!」
八幡(こいつも友達がいないんだろうか)
結衣「あ、忘れてた。メアド交換しよ!」
翌日 病院
結衣「やっはろー」
八幡「………………は?」
結衣「比企谷くんもやっはろー!」
八幡「なにが?」
結衣「なにがって挨拶だし」
八幡「そんな馬鹿みたいな挨拶が流行ってんの?」
結衣「別に馬鹿じゃないし。失礼だから!」
八幡「……」
結衣「あ、それより報告があったんだ。今日ね、委員会決めがあったんだけど」
八幡「委員会か」
結衣「比企谷くんはあたしと一緒で図書委員になったから」
八幡「由比ヶ浜と一緒?」
結衣「うん。男女一人ずつで中々決まらなかったから立候補しちゃった」
八幡「そうか」
結衣「体育委員の方がよかった?」
八幡「いや、なんで体育委員なんだよ」
結衣「だって運動神経よさそうだし。サブレを助けたときだって」
八幡「確かに運動神経は悪くないが体を動かすのは好きじゃない」
結衣「そうなんだ。それじゃ部活も入らないの?」
八幡「入らねぇよ」
結衣「それじゃあたしと一緒で帰宅部だ。帰宅部頑張ろうね」
八幡「なにを頑張るんだよ……」
結衣「え、えっと、放課後の過ごし方とか?」
八幡(やっぱこいつ馬鹿だろ)
一週間後
結衣「ヒッキー、やっはろー!」
八幡「……」
結衣「また挨拶してくれないし」ムスッ
八幡「そのヒッキーってなに?」
結衣「ヒッキーのことじゃん」
八幡「……」
結衣「だからヒッキーのあだ名だってば!」
八幡「その、ヒッキーとは俺のことか?」
結衣「それ以外誰がいると思ってんの?」
八幡(ぐっ。由比ヶ浜に何言ってんの、みたいな言い方されるとプラチナむかつく!!)
八幡「待て。それだと俺が引きこもりみたいに聞こえるだろ」
結衣「大丈夫。その時はあたしがフォローするから」
八幡「由比ヶ浜のフォローはいらないから」
結衣「むー!!」
二週間後
結衣「ごめん、少し遅くなっちゃった!」
八幡「いや、無理して来なくていいって言ってんだろ」
結衣「ううん。来るよ。だってあたしが決めたことだもん」
八幡「そ、そっか」
結衣「うん。それより今日ね、国語の小テストがあったんだけど、あたし、60点も取れたよ!」
八幡「」
結衣「これで中間も余裕かも」
八幡「え。60点で何嬉しそうにしてんだ?」
結衣「だって総武高の小テストで60点だよ。他の高校なら80点くらいの価値あるでしょ」
八幡「いやいや、その考えはおかしい。それに総武より上の高校も沢山あるからな」
結衣「うっ。でも、あたしにしては頑張ったほうだし……」
八幡「お、おう……」
退院前日
結衣「いよいよ退院だね」
八幡「ああ。あと二週間は松葉杖生活だがな」
結衣「学校で困ったことがあったらすぐに言ってね。あたしが手助けするから!」
八幡「…………ああ」
結衣「少し間があったし」
八幡「そ、それよりクラスの雰囲気はどんな感じだ?」
結衣「うーん、もうグループ分けはされてる感じかな。ただみんな仲は良い方だと思うよ」
八幡「そうか」
結衣「ちなみに通学はどうするの?」
八幡「しばらくはバス通学だな」
結衣「そっか。……ねえ、ヒッキー」
八幡「あん?」
結衣「ヒッキーは茶髪と黒髪どっちが好き?」
八幡「急にどうした?」
結衣「いいから」
八幡「まあ、黒髪かな。似合ってればどっちでもいいと思うが」
結衣「そっか。……うん。ありがと」
八幡「どういたしまして?」
三日後 自宅
八幡(とうとう初登校の日が来てしまった)
小町「お兄ちゃん、無理しちゃだめだからね。あ、今の小町的にポイント高い♪」
八幡「あ、ああ。んじゃ行ってくる」
小町「いってらっしゃい」
ギー
八幡「ん?」
結衣「やっはろー」
八幡「」
小町「結衣さん、やっはろーです!」
結衣「小町ちゃん、やっはろー!」
八幡「なんで由比ヶ浜がいるの?」
結衣「一緒に登校するから」
八幡「」
小町「結衣さん、お兄ちゃんのことよろしくお願いします」
結衣「お願いされました!」
八幡「ていうかなんで小町と仲良くなってんの?」
小町「だって毎日メールや電話してるもん」
結衣「うん。言ってなかったっけ?」
八幡「聞いてねぇよ。それより学校くらい一人で行けるから」
結衣「駄目だし。バスだって結構混んでるんだよ?」
八幡「……」
小町「そうだよ。お兄ちゃんは黙って結衣さんに介護されればいいのです!」
八幡「……わかった」
総武高
八幡「それじゃ俺は職員室に寄ってくから」
結衣「うん。またね」
八幡「ああ」
結衣「鞄だけ持ってこうか?」
八幡「筆箱くらいしか入ってないから大丈夫だ」
結衣「そっか。教科書は机とロッカーに入れてあるからね」
八幡「あいよ。お前も早くいかないと遅刻するぞ」
結衣「うん」
八幡(うーん、こうして松葉杖で歩いてると第一位みたいだな)
教室
担任「投稿初日の一時間目がLHRでよかったよ。比企谷の紹介がしやすくなる」
八幡「はぁ」
八幡(俺としては普通の授業が都合よかったんだが)
担任「それじゃ入るぞ」
八幡「うす」
ガラガラ
クラス委員「きりーつ。れい♪☆」
担任「おはよう、みんな」
八幡(ふぇ。視線が集まるよぉ)
担任「今日から事故で入院してた比企谷くんが復学することになった」
八幡(復学も何も今日が初めてなんですけど)
担任「それじゃ挨拶しようか」
八幡(ふぁっ!?)
生徒「」ジー
八幡(うっ)
結衣(ヒッキー、頑張れ!!)
八幡「ひ、比企谷八幡です。よ、よろしく……」
担任「それだけか?」
八幡「……うす」
担任「まあ緊張するから仕方ないか。見てのとおり比企谷の足は完全に治っておらずしばらくは松葉杖が必要だそうだ」
男子「一方通行みたいでかっこいいな」ボソッ
八幡(ん?)
担任「みんな比企谷のサポートよろしくな」
「はーい」
担任「それじゃ比企谷の席はあそこだな」
八幡(あそこって……)
八幡「うす」
結衣「えへへ、隣の席だね」
八幡「みたいだな。出席番号順じゃないみたいだがもう席替えしたのか?」
結衣「うん」
担任「それじゃ特にやることもないから先生は煙草を吸ってくる。適当に自習しててくれ」
「はーい」
八幡「……適当な先生だな」
結衣「だね。でもいい先生だよ」
八幡「そうか」
戸部「比企谷くん、比企谷くん!」
八幡「…………ん?」
戸部「っべーわ。マジ、ヒーローの帰還だわー」
八幡「」
戸部「結衣のペットを身を挺して庇ったんだべ?」
八幡「……まあ、一応……」
戸部「比企谷君、マジやべーわ。ヒーローすぎっしょ?」
八幡(第一位じゃなくて幻想殺しと同じ称号を貰ってしまった)
戸部「おれ、戸部翔。一年間よろしくなー」
八幡「お、おう……」
女子「比企谷くーん、結衣とどこまでいってんのー?」
八幡「」
結衣「」
戸部「あ、それは俺も聞きたかったんだわー」
結衣「な、なに言ってんの!? あたしとヒッキーはそういう仲じゃないしっ///」
八幡「」
女子「でも毎日お見舞いに言ってんでしょ」
戸部「それ怪しすぎっしょ」
女子「だよねー」
結衣「うっ///」
男子「比企谷くん、中に変な柄のシャツ着てたりしないの?」
八幡「…………ふぁ?」
男子「なんか一方通行みたいにかっこいいよね、それ!!」
結衣「アドミニストレータ?」
戸部「おいおい、朝からアニメネタとかマジ勘弁しょ。比企谷くん、わからねーって」
女子「そうだよ。少しは自重しなよー」
八幡「……いや、わかるんだが……」
男子「うほっ☆」
戸部「マジ? 読書好きは結衣から聞いてたけど趣味広すぎだべ」
八幡(なんだこのクラスの雰囲気は?)
戸部「なあなあ、それより比企谷君はなんか部活入らねぇの?」
八幡「入らないな」
戸部「マジかー。サッカー部とか入る気ねー?」
八幡「入らない」
男子「だから言ったじゃん。今の時代はバレーなんだって。なあ比企谷くん」
八幡「いや、バレーもしないから」
男子「俺にトスあげてくれ。持ってこぉぉぉぉぉい!!」
八幡(本当になんなのこのクラス!?)
今日はここまでです
こんな感じで八幡の1年の高校生活をやっていきます
昼休み
結衣「ヒッキー、一緒に食べよう」
八幡「あー、購買行ってくるから先に食べてていいぞ」
戸部「なら俺が行ってくるべ」
八幡「え」
戸部「比企谷くん、その足じゃ大変だべ」
八幡「いや、流石に悪いだろ」
戸部「俺も購買でパン買うし。ついでだし」
八幡「そうか。それじゃ適当に二つくらい頼む。500円で足りるか?」
戸部「十分足りるっしょ。んじゃいってくら!」
結衣「戸部っち、いってらっしゃい!」
八幡「……」
男子「さー、お昼食べよう!」
女子「アンタ、いつもお弁当大きすぎでしょ」
男子「うるさいなー。大きくなるにはこれくらい必要なんだよ」
八幡「いつも四人で食べてるのか?」
結衣「うん。今日からは五人だね」
八幡「そ、そうか……」
結衣「……?」
男子「比企谷くんはお弁当作ってもらえないの?」
八幡「両親が共働きだからな」
男子「そっかー。でもうちの学校パンの種類少ないから飽きるかもよー」
八幡「そん時はコンビニで何か買ってくるさ」
女子「結衣のお弁当は相変わらず美味しそうだよねー」
結衣「そうかなー」
男子「由比ヶ浜さん、俺の卵焼きとから揚げ交換してくんない!?」
結衣「駄目だし。ていうか昨日も交換したじゃん」
男子「うっ」
女子「結衣に迷惑かけないの。アンタはさっさと食べなよ」
八幡「……」
放課後
結衣「やっと一日終わったね。疲れた?」
八幡「そうだな。さすがに初日だからな」
結衣「だよね。それじゃ帰ろっか」
八幡「…………ん?」
結衣「帰んないの?」
八幡「いや、帰るけど。一緒に帰るのか?」
結衣「そうだよ?」
八幡「……」
結衣「ほらバス来ちゃうからいこ」
バス停
八幡「もしかして明日も一緒に帰るのか?」
結衣「そうだよ。どうせ同じバスなんだし」
八幡「それじゃ朝は途中で降りてうちに来たのか?」
結衣「ううん。学校からはあたしんちの方が近いから。歩いて来たけど」
八幡「」
結衣「どうしたの?」
八幡「……な、なんでそこまで……」
結衣「なんだってヒッキーと一緒に登校するために決まってるじゃん」
八幡「いや、だから俺なんかの為にそんな面倒なことを……」
結衣「別に面倒だとは思ってないよ。それに歩くのもいい運動になるじゃん」
八幡「……」
結衣「ほら、あたしって帰宅部でバス通学じゃん。サブレの散歩だけじゃ足りないっていうか」
八幡「……」
自宅 リビング
八幡「……」
小町「ただいまー」
八幡「おう。おかえり」
小町「お兄ちゃん、学校どうだった?」
八幡「……変な感じがした」
小町「変な感じ?」
八幡「何か初めてのことばかりで戸惑う」
小町「つまりどういうこと?」
八幡「えっとだな……」
説明後
小町「なるほど」
八幡「由比ヶ浜が俺に関わるのはわかるんだ。由比ヶ浜は優しいから俺に負い目を感じてるんだろ」
小町「……」
八幡「だが他の奴らがよくわからない」
小町「はぁ。お兄ちゃん、難しく考えすぎ」
八幡「え」
小町「単純に周りにいい人がいた。ただそれだけでしょ」
八幡「」
小町「結衣さんだってそうだよ。負い目を感じてるだけで毎日お見舞いに来てくれたり、登下校まで付き合ってくれると思ってるの?」
八幡「……」
小町「お兄ちゃんは結衣さんのペットを助けたんだよ。自分がいい行いをしたことは理解してるよね?」
八幡「小町達に心配を掛けたがな」
小町「もうこういう時はいいの! 小町が言いたいのは、いいことをすると自分に返ってくるってこと」
八幡「……」
小町「まあ、まだ初日だから時間が経てばお兄ちゃんの面倒な性格に嫌気がさして離れちゃう可能性もあるけどね」
八幡「おい」
小町「とりあえず流れに身を任せて過ごしてみれば?」
八幡「……そうだな。そうしてみるわ」
小町「うん」
小町(とりあえず結衣さんにメールしておこうっと)
三日後 総武高
女子「そういえば結衣さー」
結衣「なに?」
女子「髪染めるのやめたの?」
結衣「え」
女子「前に染めようか迷ってたじゃん」
結衣「……うん。染めるのはやめた」
女子「そっか。まあ、綺麗な黒髪だしそのままでいいと思うよ」
結衣「そ、そうかな?」
女子「うん。結衣が茶髪にしたらなんかビッチに見えそうだし」
結衣「なんで!?」
一週間後 昼休み
戸部「なーなー、GWみんなどうする?」
結衣「あー、来週からだよね」
男子「俺たちは部活」
女子「東京に合宿なんだよね。弱いのに」
男子「弱いから合宿して強くなんだろ」
女子「相手の学校も弱くちゃあんま意味ないでしょ」
八幡「女子さんもバレー部なのか?」
女子「あれ、言ってなかったっけ? マネージャーだよ」
八幡「マネージャーか」
戸部「サッカー部もそうだけどやっぱマネージャーいるといないとじゃやる気が違うっしょ」
男子「確かに!」
結衣「マネージャーか。大変そうだよねー」
女子「うん。ドジっ娘の結衣には無理だね」
結衣「むぅ。あたしはドジじゃないもん!」
八幡「ならその暗黒物質はなんだよ」
結衣「うっ」
男子「由比ヶ浜さん、自分で料理しない方がいいって。食材が勿体ないし可哀相だ」
結衣「酷い!」
戸部「あー、流石にその卵焼きはないわー」
結衣「戸部っちまで!?」
八幡「なんで急に自分で作ろうと思ったんだ?」
結衣「えっと、女子力をあげるため?」
八幡「うわっ」
結衣「なんで引くし! 別に食べれるから問題ないから!」パクッ
結衣「」モグモグ
結衣「うぐっ……」
女子「結衣?」
結衣(やばっ。吐きそう!)タタタッ
女子「……行っちゃった」
戸部「結衣もかなり勇気あるっしょ」
男子「由比ヶ浜さんは相変わらず面白いな」
戸部「だべ。一緒にいても飽きないっつーか」
八幡(一緒にいても飽きない、か)
女子「比企谷くんはどう思う?」
八幡「ふぁ!?」
女子「結衣のこと」
八幡「……あ、ああ。そうだな。面白いんじゃないか」
男子「だよね。ていうか比企谷くんと由比ヶ浜さんっていいコンビじゃん」
八幡「」
戸部「確かに。それあるわー」
八幡「いや、コンビって……」
女子「うん。あたしたちは部活があって放課後は結衣と一緒にいられないから。だから結衣のことよろしくね」
八幡(よろしくされてるのは俺なんだけどな)
女子「足が治ったら色々付き合ってあげてね」
男子「よろしくお願いシャス!」
八幡(噛んだ)
とある放課後
結衣「ヒッキー、明日で松葉杖とさよならなんだよね」
八幡「そうだな。長かった」
結衣「そっか。これでヒッキーと一緒に登校することもなくなっちゃうんだよね……」
八幡「……」
結衣「ちょっと寂しいかも。……あ、ごめん。あたし、何言ってるんだろ……」
八幡「いや、俺と同じバス使ってんだから途中で一緒になるだろ」
結衣「」
八幡「なんだその顔は。忘れてたのか?」
結衣「そうだった」
八幡(やっぱりこいつ馬鹿だ)
結衣「それじゃ来週からも一緒に登下校出来るんだよね?」
八幡「そ、そうだな……」
結衣「えへへ。あ、バスの時間ずらす時は教えてよね」
八幡「何もなければずらさないから」
月曜 昼休み
男子「あー、比企谷くんのチャームポイントがなくなっちゃたよー」
八幡「」
女子「松葉杖がチャームポイントとかないでしょ」
男子「だってカッコいいじゃん」
女子「そう思ってんのアンタだけだから」
男子「比企谷くんもかっこいいと思ってたっしょ?」
女子「そんなわけないでしょ」
八幡(すみません。少し思ってました)
結衣「ヒッキー、今日もパンでしょ。早くいかないとなくなっちゃうよ」
八幡「あ、そうだったな」
八幡(毎日戸部に任せてたからつい忘れてたな)
戸部「んじゃ比企谷くん、一緒に行くべ」
八幡「…………ああ、行くか」
結衣「いってらっしゃーい!」
ここまでです
とりあえず八幡は人の優しさに触れて戸惑ってもらいます
追記
足が治ったら自転車通学じゃないの、については次回で説明するんでよろしくです
もう一つ追記
明日は禁書の新刊読むので明後日の投稿になると思います
月曜 とあるバス
結衣「ヒッキー、やっはろー」
八幡「おう」
結衣「足大丈夫? 松葉杖なくてしんどくない?」
八幡「大丈夫だ」
結衣「ならいいけど。あんま無理しちゃ駄目だからね」
八幡「お前は俺の保護者か」
結衣「小町ちゃんにヒッキーのこと頼まれてるもん」
八幡「……そうか」
結衣「そういえば自転車まだ直ってないの?」
八幡「……いや、直ってるよ」
結衣「……自転車で通学しないの?」
八幡「え、えっとだな。り、両親に危ないからしばらくはバスで通学しろって言われてるんだ……」
結衣「そ、そっか! だよね。危ないもんね!」
八幡「何か嬉しそうだな」
結衣「だってヒッキーと毎日登下校出来るんだもん」
八幡「っ///」
結衣「そうだ。ヒッキーの全快記念に帰りにどっか遊びに行かない?」
八幡「どっかって?」
結衣「場所は後で決めよう。ね、遊びに行こうよ」
八幡「……」
結衣「予定あるかな……?」
八幡「……いや、ない。行くか」
結衣「うん!!」
教室
結衣「やっはろー」ガラガラ
八幡(こいつ誰にもやっはろーって言ってるんだな……)
八幡「……ん?」
葉山「それじゃよろしく頼むな」
戸部「オッケー。任せてよ、隼人くん」
八幡(知らない人が俺の席に座ってる。おめぇの席ねぇから、ってか)
八幡「……」
戸部「お、比企谷くん、おはようーっす」
八幡「おう」
葉山「あ、すまない。君の席だったか」
八幡「まぁな」
葉山「悪い。勝手に座らせてもらってた」
八幡「いや、別に構わないが」
葉山「もう松葉杖取れたんだな」
八幡「俺のこと知ってるのか?」
葉山「まあね。君、けっこう有名人だよ」
八幡「マジか」
戸部「比企谷くんはヒーローだかんな」
八幡(C級の落第ヒーローだな)
葉山「それじゃ戸部。放課後部活でな」
戸部「おーう」
八幡「……部活の仲間か」
戸部「そう。葉山隼人くん。比企谷くん、知らね?」
八幡「知らんな。元ヤンか?」
戸部「ぶはっ。隼人くんを元ヤンとか。比企谷くん、マジうけるわ~」
八幡「いや、だって金髪だし」
戸部「……言われてみれば。部活で聞いてみんわ」
八幡「お、おう……」
八幡(なにも疑問に思ってなかったのか)
八幡「それより戸部の茶髪といい、うちの学校って校則緩いんだな」
戸部「だしょ。確か金髪の可愛い子も他のクラスにいたべ」
八幡「マジか。金髪美少女とかラノベみたいだな」
男子「おはよーっす!」
戸部「おいーっす。今日も朝練なん?」
男子「おう。今日は放課後、体育館使えないから」
八幡「他の部活と共有してるからか」
男子「そう。烏野みたいに二つ体育館があればいいんだけどなー」
八幡「うちの学校は部活動にあまり力を入れてないからな」
男子「だよなー。どの部活も弱いのはそのせいもあるかも」
戸部「確かに。それあるべ」
八幡「進学校なんてそんなもんだろ」
男子「うー、そうなんだけどさー」
結衣「なになに。なんの話してるの?」
八幡「うちの学校の運動部がみんな弱い話だ」
男子「弱いっつーな!」
八幡「いや、さっき自分で言ってたじゃねぇか……」
男子「あっ」
放課後
結衣「ヒッキー、行こう」
八幡「おう」
結衣「それじゃみんなまた明日ね」
八幡「またな」
戸部「おーう」
男子「じゃーね」
女子「またね」
「……」
女子「結衣、楽しそうだね」
戸部「だべ。放課後デートとかマジ羨ましいわー」
女子「比企谷くんのおかげであたしも少し楽になれたし」
男子「なにが楽になったの?」
女子「……結衣を紹介してくれって同中出身の男子が多いの……」
戸部「マジか。やっぱ結衣ってモテんだ」
女子「そりゃあれだけ可愛ければモテるでしょ。アンタは言われなかったの?」
男子「あー、言われたかも」
戸部「どう返してたん?」
男子「自分で直接声掛ければいいじゃん、って」
「」
男子「仲良くなりたいなら自分から声掛けるのが当たり前だろ」
戸部「うわー。マジコミュニケーション能力高いわー」
女子「戸部、結構ビビりだもんね」
戸部「知らない子に話掛けるとか無理っしょ」
カラオケ
八幡(カラオケか。家族以外で来るのは初めてだな)
結衣「ヒッキー、二時間でいいかな」
八幡「いいんじゃねぇの」
結衣「どの機種がいい?」
八幡「よくわからんからお任せする」
結衣「わかった。ドリンクバーつけていい?」
八幡「いいぞ」
結衣「それじゃ……」
八幡(学生多いな。ていうかそこの男子グループ。睨んでくるんじゃねぇよ)
部屋
結衣「ヒッキーってよくカラオケに来るの?」
八幡「あまり。家族以外で来たのは由比ヶ浜が初めてだな」
結衣「え」
八幡(しかし俺が歌う曲は由比ヶ浜が知らないのが多そうだな)
結衣「あ、あたしが初めて……」
八幡(ここはGalileo GalileiやSPYAIRよりユニゾンの方がわかるか)
結衣「そ、そっか。あたしが///」
八幡(待て。もっとメジャーにシドやUVERの方がわかるかもしれん)
結衣「そ、それじゃ先に曲入れちゃうね!」
八幡「うーん」
5分後
結衣「ふぅ。やっぱ歌うの気持ちいいかも」
八幡(結構上手いな。別の世界線でアイドルをしててもおかしくない)
結衣「ヒッキー、曲決まった?」
八幡「いや。よかったら入れていいよ」
結衣「ううん。あたし、ヒッキーの歌声聞きたいし」
八幡「うっ」
結衣「別にあたしに気を使わなくていいよ。ヒッキーの歌いたい曲入れれば?」
八幡「……」
結衣「多分、あたしでもわかる曲を探してくれてたんじゃないの?」
八幡「よくわかったな」
結衣「あたしも結構気を使う方だから。知らない曲歌ったら白けちゃうかなって思ってたりさ」
八幡「……」
結衣「でも今日は二人だし、そんなの気にしないで好きな曲歌おうよ」
八幡「……わかった。ありがとな」
八幡(その後、二人でお互いに知らない曲を歌いまくったが由比ヶ浜は嫌な顔をせず俺の歌を聞いてくれた)
八幡(けれどしめにDT捨テルを熱唱したら引かれてしまった)
八幡(好きな曲歌っていいって言ったのに酷い)
二時間後
結衣「沢山歌ったね」
八幡「ああ」
結衣「ヒッキーが歌った曲、知らないの多かったけどいい曲多かったね」
八幡「だ、だろ」
結衣「最後の曲はアレだったけど」
八幡「い、いや、あれもいい曲だろ。歌詞はアレとして」
結衣「女子の前で歌う曲じゃないし」
八幡「それは作詞した金○さんに言ってください」
結衣「え? あれって金○だったの?」
八幡「元々は違う曲だけどな。歌詞を変えてアニソンにしたんだ」
結衣「そうなんだ。知らなかった。アニソンもいい曲結構あるんだね」
八幡「まぁな」
結衣「ヒッキー、今度CD貸してね」
八幡「……っ。別にいいけど」
結衣「約束ね! ヒッキー、18時だけどまだ時間大丈夫?」
八幡「小町には遅くなると伝えてるから問題ないが。どこか行きたいところあるのか?」
結衣「……今日ね、うち両親遅くまで帰ってこないの。だからあたし家で一人なんだ」
八幡「」
結衣「だからね。今日はあたしと一緒に……」
30分後 サイゼ
結衣「ありがと。一人で外食するの寂しかったんだ」
八幡「いや、別に……」
八幡(ふっ。よかった。由比ヶ浜が家族がいない自宅に男を連れ込むビッチじゃなくて)
八幡(別に期待してなかったし。そんなラノベみたいな展開が俺に起きるはずがないって思ってたし)
結衣「やっぱサイゼだよねー」
八幡「」ピクッ
結衣「どれにしよっかなー」
八幡「由比ヶ浜、サイゼ好きなのか?」
結衣「うん。好きだよ。安いし美味しいし」
八幡「由比ヶ浜」
結衣「ん?」
八幡「ありがとな」
結衣「ふぇ?」
八幡(今日、初めて自分以外のサイゼリストに出逢えた)
八幡(もしかすると由比ヶ浜と俺が出逢ったのは必然だったのかもしれない)
八幡(あの事故も由比ヶ浜と出逢うためのきっかけと考えればポジティブに捉えることが出来る)
八幡「今日は俺が奢ってやんよ」
結衣「ヒッキー、急にどうしたの? なんか目が凄いキラキラしてるし」
ここまでです
八幡が若干中二病に戻りかけてるかもです
同日夜 自宅
小町「お兄ちゃん、どうしたの?」
八幡「なにが?」
小町「目が腐ってないよ!」
八幡「…………は?」
小町「眼球移植でもしてきたの!?」
八幡「してないから。ていうか目が腐ってないって」
小町「いいから手鏡で見てみなよ!」
八幡「どれどれ。…………本当だ」
小町「こんな普通な目をしてるお兄ちゃん見るの中学以来かも」
八幡「そんな長い期間腐ってたのか」
小町「何かいいことでもあったの?」
八幡「仲間を見つけたくらいか」
小町「仲間?」
バス
結衣「ヒッキー、やっはろー、ってあれ!?」
八幡「な、なんだ?」
結衣「」ジー
八幡(そ、そんな見られたら照れちゃうよぉ///)
結衣「何か雰囲気が違う?」
八幡「雰囲気?」
結衣「うん。……あっ、目が綺麗になってる!」
八幡「みたいだな。昨晩、小町にも言われたよ」
結衣「どうして綺麗になったの?」
八幡「……さぁな」
結衣「自分でもわかんないんだ。……でも、前よりカッコいいと思うよ」
八幡「」
結衣「あっ///」
八幡「っ///」
結衣「ご、ごめん」
八幡「いや」
結衣「でもカッコいいのは本当だよ」
八幡「お、お前、よくそういうこと言えるな……」
結衣「だ、だってホントのことだし」
八幡「うっ。……あ、あんまり男子に言わない方がいいぞ。勘違いしちゃうから」
結衣「誰にもは言わないし!」
教室
女子「結衣、昨日はどうだった?」
結衣「うん。カラオケで歌いまくって楽しかったよ」
女子「カラオケか。比企谷くんの歌声に聞き惚れた?」
結衣「べ、別に聞き惚れてないし! う、歌は上手かったけど……」
女子「へー。比企谷くん、歌上手いんだ」
結衣「うん。バンドのヴォーカルでもおかしくないくらい!」
女子「そ、そっか。それで今日は一緒に登校しなかったの?」
結衣「トイレに寄ってくって。そろそろ来ると思うよ」
八幡「」ガラガラ
結衣「あ、来た。ヒッキー、こっち来てー」
八幡「ん?」
女子「」
八幡「女子さん、おはよう。由比ヶ浜。なんか用か」
結衣「昨日のカラオケの話しててね」
八幡「そうか」
女子「比企谷くん、雰囲気変わった?」
結衣「わかる? 目が綺麗になってるでしょ」
女子「本当だ。なんか生気が戻ったような」
八幡(今まではなかったのかよ……)
女子(これは結衣にライバルが出来る可能性もあるかもね)
女子「結衣、他の女に取られないでよ」
結衣「え」
放課後
八幡(今日は色んな人に目のこと言われたな。そんなに違って見えるのか)
八幡(ていうかグループ以外のクラスメイトの名前が、……っ)
八幡(グループか。まさか俺がグループに加わるなんてな)
結衣「ヒッキー、かえろ」
八幡「ああ。今日はどこにも寄らなくていいのか?」
結衣「うん。昨日のカラオケと今日の質問攻めで疲れてるでしょ」
八幡「」
結衣「だから今日はあたしもまっすぐ帰る」
八幡「……俺以外に遊ぶ相手いないのかよ」
結衣「い、いないし。ヒッキーだってあたし以外いないでしょ!」
八幡「そうだな。由比ヶ浜以外はいないな」
結衣「っ///」
八幡(俺のことをよく見てくれる人もな)
担任「お、比企谷。まだいたか」ガラガラ
八幡「先生、どうしたんすか」
担任「お前に言い忘れてたことあってな」
八幡「はぁ」
担任「お前、事故で体力テスト受けてないだろ」
八幡「そうすね」
担任「急で悪いが明日の放課後に行うことにしたから」
八幡「随分急っすね」
担任「明日、体育館が急に半面空いてな。バスケ部が練習試合で他校に行くことになったんだ」
八幡「わかりました」
担任「それじゃ気をつけて帰れよ。由比ヶ浜もな」
結衣「あ、はい!」
八幡「体力テストか。面倒臭いな」
結衣「ヒッキー、運動嫌いだもんね」
八幡「ああ。んじゃ帰るか」
結衣「うん」
翌日 放課後
八幡「由比ヶ浜、先に帰っていいからな」
結衣「ううん。あたしも付き合うよ」
八幡「なぜに」
結衣「ヒッキーが運動してるところ見たいから」
八幡「……っ」
八幡(こいつは本当にストレートに……)
結衣「駄目?」
八幡「見ても面白くないからな」
結衣「大丈夫。ヒッキーが面白くないのは知ってるから!」
八幡「ぐはっ」
八幡(こいつ、飴と鞭が激しすぎるだろ)
体育館
八幡「よろしくお願いします」
担任「おう。由比ヶ浜は付き添いか?」
結衣「はい。駄目ですか?」
担任「いや、いいよ。それにしてもお前らは本当に仲が良いな」
結衣「はい!」
八幡「……」
担任「それじゃまずは身体測定だな」
八幡「うす」
八幡(身体測定か。170超えてるといいな)
男子「お、比企谷くん。体力テスト?」
八幡「ああ。俺のことは気にせずに部活に集中しててくれ」
男子「もちろん。比企谷くんも頑張ってな!」
八幡(なんか眩しい。これが部活動力か)
測定中
八幡(170,5センチか。超えててよかった)ホッ
担任「それじゃ次は体重測るぞ」
八幡「うす」
八幡(体重は55キロくらいか。確か中三の時は53キロだったよな)
担任「49キロか」
八幡「」
担任「比企谷、軽いな」
八幡(50キロねぇのかよ……)
結衣「ヒッキー、痩せすぎだし」
八幡「ぐっ」
担任「まあ、事故で入院してたから筋力が落ちたんだろ」
八幡「そ、そうすよね。いずれ筋力がつけば体重も平均に……」
結衣「ヒッキー、帰宅部じゃん」
八幡「」
30分後
担任「次はシャトルランな」
八幡(持久力使うのは苦手だ)
結衣「ヒッキー、がんばれー!」
男子「ん?」
部員「どうした?」
男子「比企谷くんがシャトルランやるみたい」
部員「比企谷くん? ああ、例のヒーローさんか」
男子「お前、知ってんの?」
部員「ああ。うちのクラスでも有名だぞ」
男子「へー」
部員「ていうか彼女の応援ありとか羨ましすぎんだろ」
男子(彼女? ああ、由比ヶ浜さんのこと。周りから見たらそう見えるんだろうな)
担任「よーいスタート!」
10分後
八幡「ぜぇぜぇ」
担任「折り返し回数69回か」
結衣「ヒッキー、大丈夫?」
八幡「だ、大丈夫、じゃ、なぃ……」
部員「体力はないみたいだな」
男子「うん。事故で入院してたし仕方ないんじゃね?」
担任「それじゃ少し休憩にするか」
八幡「う、うす……」
結衣「あたし、ポカリ買ってくるね!」
1時間後 グラウンド
担任「よし、これで体力テスト終了だ。お疲れさん」
八幡「お、お疲れさました……」
担任「それじゃ俺は職員室に戻るから。由比ヶ浜、比企谷のこと頼んだぞ」
結衣「はい!」
八幡「ひぃひぃ……」
結衣「ヒッキー、ベンチで少し休もっか」
八幡「あ、ああ……」
結衣「ヒッキー、足速いんだね。50M走、6秒2って凄すぎだし!」
八幡「ど、どうも……」
ベンチ
八幡「悪いな。帰り遅くなっちゃうな」
結衣「ううん。あたしが付き合いたいって言ったんだし」
八幡「見てても面白くなかっただろ」
結衣「そんなことないよ。ヒッキーが運動してるところ見れてよかった」
八幡(由比ヶ浜がいなかったら適当に流すつもりだったんだけどな)
結衣「あたしは運動音痴だからちょっと羨ましいかも」
八幡(あんな真剣に応援されたら手抜けないよな)
戸部「お、比企谷くんに結衣じゃん」
結衣「あ、戸部っち。部活終わり?」
戸部「そうそう。比企谷くん、体力テストどうだったん?」
結衣「それがね、50M走、6秒2だったんだよ!」
戸部「マジか。俺より速いわー」
八幡「それ以外は平均だったけどな」
戸部「足が速いだけで十分っしょ。子供は足が速いだけでモテるって聞くし」
八幡「それ小学校だろ」
八幡(俺はモテなかったけどな。逆になんで比企谷なんかが足速いのと引かれたまである)
戸部「んじゃ俺はそろそろ行くわ」
八幡「おう」
結衣「またねー」
帰りのバス
八幡「」ウトウト
結衣「ヒッキー、眠いの?」
八幡「……あぁ、眠くあぃ……」
結衣「何言ってるか聞き取れないし」
八幡「……おぉ……」
結衣「寝ちゃ駄目だよ。乗り過ごしちゃうよ」
八幡「……」
結衣「ヒッキー?」
八幡「」スースー
結衣「」
20分後
結衣「ヒッキー、着いたよ」ユサユサ
八幡「……お、おぅ……」
結衣「降りるよ」
八幡「……そ、そうだな……」
バス停
八幡「それじゃ行く…………ん? なんで由比ヶ浜がここで降りてんだ?」
結衣「だってあたしが先に降りたら、寝過ごしちゃうかと思って」
八幡「え」
結衣「それじゃまた明日ね」
八幡「待て待て。歩いて帰るのか?」
結衣「うん」
八幡「なら送っていく」
結衣「いいよ。ヒッキー、体力テストで疲れてるし」
八幡「けどな」
小町「ありゃ、二人ともこんなところでどしたの?」
八幡「小町?」
結衣「小町ちゃん?」
小町「結衣さん。お兄ちゃんにうちに誘われたりしたんですか?」
結衣「ち、違うよ。あのね……」
説明後
小町「なるほど。愚兄がご迷惑おかけしてすみませんでした」
結衣「あ、謝らなくていいよ。あたしが付き合っただけだし……」
八幡「それより小町は何で遅くなってんだ?」
小町「生徒会の仕事だよ」
結衣「小町ちゃん、生徒会してるの? すごーい!」
小町「内申点稼ぐためです!」
結衣「そ、そうなんだ……」
小町「はい。それじゃお兄ちゃん、結衣さんを送ってきなさい」
結衣「でも歩いて20分もかかるし……。大丈夫だから」
小町「自転車で送ってけばいいんじゃないですか」
結衣「え」
小町「ね、お兄ちゃん」
八幡「そ、そうだな……」
結衣「でもヒッキー、危ないからって自転車は禁止されてるんじゃ」
小町「…………は?」
八幡「」ギクッ
小町(ははーん。そういうことか)
小町「結衣さん、大丈夫です。両親は帰りが遅いので今ならばれません」
結衣「で、でも……」
小町「ね、お兄ちゃん?」
八幡「えっと……」
小町(ワカッテルヨナ)
八幡(って顔してるよ。怖いよぉ……)
八幡「そうだな。任せろ」
小町「うん!」
自宅
八幡「んじゃ行くか」
結衣「う、うん」
小町「結衣さん、しっかり捕まって下さいね。抱きしめるくらい強く」
結衣「ふぇっ!?」
八幡「……行くぞ、由比ヶ浜」
結衣「あ、うん。それじゃまたね」
小町「はい。またです! お兄ちゃん」
八幡「」ビクッ
小町「帰ったらお話してね」
八幡「……はい」
移動中
結衣「ヒッキー、大丈夫?」
八幡「なにが?」
結衣「その、あたし、重たくない?」
八幡「いや、全然」
結衣「ホントに?」
八幡「本当だ。それより小町が変なこと言って悪かったな」
結衣「ううん。あたしの方こそ疲れてるのにごめんね」
八幡「いや、寝てた俺が悪い。だから由比ヶ浜が謝る必要はない」
結衣「……うん」
八幡「今日は色々とありがとな」
結衣「ど、どういたしまして、でいいのかな? えへへ」
今回はここまで
鬱展開はないです
5月中旬
モブ「由比ヶ浜さん、俺と付き合って下さい!」
結衣「え、えっと……」
モブ「お願いします!」
結衣「ご、ごめんなさい。無理です……」
モブ「……やっぱり比企谷と……」
結衣「ごめんね!」タタタッ
モブ「……くそっ」
モブ(なんでアイツなんかと……)
教室
戸部「あー、やべーわ。マジでやべーわ」
八幡「何がやばいんだ?」
戸部「そりゃ中間テストに決まってるっしょ」
八幡「そういえば来週から始まるのか」
男子「やばいよ……」
八幡「勉強苦手なのか? でも総武に入ってるわけだし苦手なわけないよな」
戸部「苦手というより嫌いっつーか。そりゃ中三の時は受験勉強しまくったけど」
男子「俺も俺も。もうあんな勉強したくない」
八幡「でも赤点取ったら補習だろ。お前の好きな部活が出来なくなるぞ」
男子「うっ」
八幡(まあ、俺も数学はやばいんだが)
戸部「んじゃみんなでテスト勉強すんべ!」
男子「おー、それいい! 絶対うちに帰ったらしないだろうし!」
八幡「いや、しろよ……」
戸部「比企谷くん、文系は得意だべ。だから俺たちと教えてくれよ」
男子「お願いシャス!」
八幡「嫌だ面倒くさい」
戸部「そんな冷たいこと言わないでさー」
男子「頼むよー」
女子「アンタ達、比企谷くんが嫌がってるでしょ。自分で勉強しなさいよ」
男子「自分でできねーから言ってんじゃん」
戸部「そうそう。てか女子さん、数学得意だから比企谷くんも教えてもらえばいいんじゃね?」
八幡「……数学得意なのか?」
女子「まあね。数学苦手なの?」
八幡「まー、その……」
女子「へー。意外。それじゃ結衣と三人で勉強する? あたしも国語教えて欲しいし」
八幡「そうだな」
男子「おーい!」
戸部「俺たちを忘れてっから!」
結衣「た、ただいま……」ガラガラ
女子「あ、結衣。どこ行ってたの?」
結衣「うん、ちょっとね」
女子「……そっか」
八幡「具合悪いのか?」
結衣「ううん。大丈夫だよ」
八幡「そうか」
女子「それより結衣、テスト勉強してる?」
結衣「してないよ。テスト勉強って前日にするもんじゃないの?」
「」
女子「結衣、前日だけ勉強するつもりなの?」
結衣「駄目?」
女子「いや、駄目じゃないけど。赤点狙ってるの?」
結衣「狙ってないし。なんでそうなるの?」
女子「だって結衣の小テストの点数見たらねぇ」
八幡「そうだな。馬鹿は人より勉強しないといい点が取れないぞ」
結衣「馬鹿じゃないし!」
八幡「でも小テストで30点以上取ったことないだろ」
結衣「うぐっ」
女子「結衣、よく総武受かったよね」
結衣「い、一応受験勉強頑張ったし?」
女子「そっか。それじゃ比企谷くん、二人でテスト勉強しよっか」
八幡「そうだな」
結衣「え。なにそれ聞いてないし!」
女子「だって結衣は前日しか勉強しないんでしょ。なら誘う必要ないよね?」
結衣「するする。テスト勉強しまくるからあたしも入れてよ!!」
女子「だって。どうしよっか」
八幡「そうだな」
結衣「ヒッキー」ウルウル
八幡「……まあ、いいんじゃないか」
結衣「ヒッキー!」ニパァ
女子「比企谷くん、最近結衣に甘すぎじゃない?」
八幡「そ、そんなことないでしゅ……」
戸部「なあなあ、俺たちは?」
男子「差別はんたーい!!」
放課後 図書室
八幡「昼休み、何かあったのか?」
結衣「え」
八幡「何か元気なかったからな」
結衣「……ヒッキーはよく見てるね」
八幡「嫌だったら話さなくていいぞ」
結衣「ううん。隠すほどのことじゃないから言うよ。……えっと、他のクラスの男子に告られちゃった」
八幡「」
結衣「まあ、断ったんだけどね」
八幡「そ、そうか……」
結衣「告白断るのってあんま気持ちいいものじゃないからさ」
八幡「なるほど。……よく告白されるのか?」
結衣「高校では三回目くらいかな」
結衣(ヒッキーと一緒にいるようになってからは一度もなかったのに)
八幡「三回もか。俺なんか人生で一回も告白されたことないぞ」
結衣「そうなの!?」
八幡「ああ。あ、小学生の時に一度だけあったな」
結衣「」
八幡「隣の席の女子に実は比企谷くんのこと苦手でした、と言われたことがある」
結衣「そっちの告白!?」
八幡「卒業式の日にわざわざ言わなくていいのにな」
結衣「告白するタイミングが酷い!?」
海老名「あ、あの……」
結衣「あ、ごめん。貸出?」
海老名「うん。いいかな」
結衣「うん。期限は一年間だっけ?」
海老名「え」
八幡「一週間だろ。一年間とか借りパクじゃねぇか」
結衣「うっ」
八幡「んじゃ名前とクラス書いてもらっていいすか」
海老名「うん」
結衣「最近の図書室で凄いよね。バーコードで管理してるんだもん」
八幡「そうだな」
海老名「はい。書いたよ」
八幡「どうも。それじゃ」ピッ
結衣「」ジー
八幡「それじゃ○日までに返却して下さい」
海老名「うん。ありがと」
結衣「」ジー
八幡「……なんだよ」
結衣「ううん。なんか仕事してるみたいだなって」
八幡「一応委員会の仕事だからな」
結衣「次はあたしがバーコードでしてみたい」
八幡「別にいいけど。それじゃ俺は裏で本読んできていいか」
結衣「駄目だし!」
八幡「でも受付二人もいるか。テスト勉強してる奴らばかりだろ」
結衣「そうだね。あんま本借りる人って少ないのかな」
八幡「そうだな。本の種類は多い方だと思うんだけど」
結衣「魅力的な本が少ないとか?」
八幡「それはあるかもな。古い本が多いし」
結衣「ヒッキー本好きだもんね。新しいのないの?」
八幡「あんまないな。今のも4年前に発売された本だし」
結衣「さっきの読んだことあるんだ?」
八幡「ああ。でも途中で読むのやめたけどな」
結衣「つまんなかったの?」
八幡「内容は面白かったが男同士の絡みがあってだな……」
結衣「男同士の絡み?」
八幡「ホモみたいな」
結衣「え」
八幡「さっきの女子も読んでショックを受けなければいいんだが」
結衣「そ、そうだね。大人しそうな子だったし。少し心配かも」
八幡「まあ無料で借りてるわけだし嫌だったらすぐに読むのやめるだろ」
結衣「だよね。それよりテスト勉強どこでする? 図書室は一杯みたいだし」
八幡「そうだな。サイゼでいいんじゃねぇか」
結衣「ヒッキー、サイゼ好きすぎだし」
八幡「図書室が空いてなければサイゼしかないだろ」
結衣「あるから!」
三日後 昼休み
八幡「戸部、パン買いにいくか」
戸部「あ、俺は今日弁当あっから」
八幡「そうか。んじゃ行ってくる」
結衣「ヒッキー、あたしも行く」
八幡「由比ヶ浜もパンなのか?」
結衣「ううん。飲み物買いに行くからついてこうかなって」
八幡「そうか。お前ら飲み物どうする?」
男子「それじゃ俺は牛乳お願いシャス!」
女子「いちごミルクで」
戸部「俺は綾鷹で!」
結衣「戸部っちが綾鷹?」
八幡「似合わないな」
戸部「いやいや、俺もお茶くらい飲むから。二人ともマジひでーわー」
八幡「冗談だよ。それじゃ行くか」
結衣「うん。……冗談だったの?」
戸部「」
女子「ぶふっ」
10分後
女子「テスト勉強どこでしよっか。比企谷くんの話だと図書室は人が多いみたいだけど」
男子「適当にファミレスでいいんじゃね?」
戸部「だべ。もしくは誰かの家とか?」
女子「家ねえ」
モブ「お、戸部。いたいた」
男子「……誰?」
戸部「同じサッカー部のやつ。どしたん?」
モブ「いや、戸部に言いたいことがあってよ」
戸部「俺に?」
モブ「そうそう。戸部って比企谷と仲が良いだろ」
戸部「おう。比企谷くんとはよろしくやってるつーか」
モブ「実は俺の従弟が比企谷と同じ中学だったみたいでさ」
戸部「へー。それで?」
結衣「遅くなっちゃったね」
八幡「誰かさんが何を買うか迷ってたからな」
結衣「うー。ごめん」
モブ「比企谷って中学の時に苛められてたみたいじゃん」
八幡「」ピクッ
結衣「……ひ、ヒッキー……?」
モブ「何か色々やらかしたみたいでナルガ谷とかあだ名もつけられてたんだってよ」
八幡「……」
結衣(この声って……)
モブ「しかも三年間ぼっちだったみたいでよ。ありえねーだろ」
女子「……」
男子「……」
戸部「マジかー……」
八幡(終わったな。俺の過去を知ったんだ。これであいつらは俺から離れてくだろう)
結衣「ヒッキー……」
八幡(由比ヶ浜の飼い犬を助けたヒーローが苛められっ子だったなんてな。あいつらも失望しただろ)
戸部「比企谷くん、やっぱすげーわ」
モブ「………………は?」
八幡「」
結衣「」
モブ「戸部、何言ってんだ?」
戸部「何っていじめを三年間耐え抜いたんだべ。俺には無理だわー」
モブ「」
戸部「ていうかいじめとかマジないっしょ。比企谷くんと同じ中学じゃなくてよかったわー」
モブ「おいおい、何言ってんだよ。あいつ、苛められてたんだぞ」
戸部「おー」
モブ「そんな奴とつるむとかありえないだろ!」
男子「……ならさ」
モブ「な、なんだよ……」
男子「お前、仲良い友達が苛められてたら縁切っちゃうの?」
モブ「……っ」ゾクッ
戸部「それはないっしょ」
男子「でもこいつが言ってるのはそういうことだろ。戸部に比企谷くんは苛められてたからつるむなって言いたいんだろ」
戸部「マジで。いやいや、それは俺の自由だべ」
女子「多分、比企谷くんに嫉妬してるんじゃないの」
モブ「……は?」
女子「戸部が比企谷くんとあまりに仲が良いから取られると思ったんじゃないの?」
モブ「」
戸部「え」
男子「そっか。そっち系だったんだ!!」
モブ「ち、ちがっ……」
戸部「ど、どおりでやたらと一緒に着替えたがると思ってたわ……」
モブ「」
女子「それよりそろそろクラスに帰った方がいいんじゃない」
モブ「え」
女子「うちのクラスの雰囲気を壊されて怒ってるのあたしだけじゃないから」
モブ「」ビクッ
男子「早くクラスに戻れば?」
モブ「くっ……!」タタタッ
ガラガラ
八幡「……」
結衣「……」
モブ「あっ」
結衣「……最低」
モブ「」
5分後
八幡「悪い。遅くなった」
結衣「ごめんね。あたしが決めるの遅くって」
女子「いいよ。結衣が優柔不断なのは知ってるし」
結衣「そこまでじゃないし」
男子「それより勉強会どこでしよっか?」
戸部「ファミレスもいいと思うけどうるさくて集中出来なさそうだべ」
結衣「そっか」
八幡「……俺んち来るか」
「」
八幡「両親は帰りが遅いから。リビングが使えるけど」
男子「え? いいの?」
八幡「ああ。可愛い妹がいるから手を出さなければな」
男子「ださねーし! ……可愛いの?」
結衣「可愛いよ」
戸部「比企谷くんちか。マジ楽しみだわー」
女子「比企谷くん、本当にいいの?」
八幡「ああ。……お前たちならいいよ」
戸部「それじゃ帰りにお菓子買ってくべ」
八幡「そうだな。戸部、ゴチになるな」
男子「ゴチになりまーす!」
戸部「俺の奢りとかないわー。マジ財布きつきつだからー」
今回はここまで
八幡に優しすぎる世界です
自宅
「お邪魔しまーす!」
小町「どうぞどうぞ。いつも愚兄がお世話になってまーす」
戸部「お、この子が比企谷くんの妹さん!?」
八幡「そうだよ」
男子「確かに由比ヶ浜さんが言った通り可愛いな!」
小町「いえいえ。そんなことないですよー」
八幡「おい、なにいきなり小町を口説いてんだよ!」
男子「え。別に口説いてないし!」
女子「比企谷くんってシスコン?」
結衣「そうだよ」
女子「そうなんだ……」
リビング
戸部「お、結構広いじゃん」
男子「いいな。俺んちの二倍は広い」
女子「結衣は家に上がったことあるの?」
結衣「ううん。初めてだよ」
女子「そっか。なら比企谷くんの部屋にも入ったことないわけだ」
結衣「え」
女子「今日チャンスじゃん」
結衣「な、なに言ってんの! 今日は勉強するんでしょ!」
女子「冗談冗談」
結衣「むぅ」
台所
八幡「急で悪かったな」
小町「本当だよ。お兄ちゃんの友達が来るならもっといいお菓子とかお父さんに買わせたのに」
八幡「しばらくリビング借りるから」
小町「うん。小町は飲み物用意したら部屋に行ってるから」
八幡「ああ」
小町「お兄ちゃん」
八幡「ん?」
小町「よかったね」
八幡「……ああ」
二時間後
八幡「今日はくれくらいにしておくか」
女子「そうね。……比企谷くん、数学は壊滅的に駄目ね」
八幡「うぐっ」
戸部「んじゃ今から少し遊ばね?」
男子「お、いいな!」
女子「遊ぶっていっても、もう18時過ぎでしょ」
結衣「小町ちゃんに迷惑掛かっちゃうよね。帰る?」
女子「そうだね」
小町「あのー」
結衣「あ、小町ちゃん。今日はお邪魔してごめんね」
女子「こいつらがうるさかったでしょ」
戸部「こいつらって俺らのこと?」
男子「真面目に勉強してただろうが。なー、比企谷くん」
八幡「俺も入ってるのかよ……」
小町「えっと、もしよろしければうちで夕食食べて行きませんか?」
「」
女子「流石にそれは悪いんじゃ……」
小町「いえいえ。夕食といっても昨晩作ったカレーの残りなので」
女子「どうする?」
結衣「あたしは小町ちゃんのカレー食べたい」
戸部「っべー。カレーとか久しく食ってねえから俺も食べたいかも」
男子「俺もカレー食べたい!」
女子「……それじゃお言葉に甘えていいかな?」
小町「はい。それじゃすぐに準備しますね」
女子「わたし、手伝うよ」
小町「ありがとうございまーす」
結衣「あたしも手伝う!」
小町「よろしくでーす」
女子(べつに料理を作るわけじゃないから大丈夫かな。余計なことしないように目を光らせておけば)
戸部「比企谷くん」
八幡「ん?」
戸部「比企谷くんの部屋見てもいい?」
八幡「なにもないぞ」
男子「ラノベとかアニメのDVDくらいあるっしょ」
八幡「ラノベはあるけど」
男子「俺も比企谷くんの部屋見てみたい!」
八幡「……少しだけな」
自室
戸部「結構綺麗にしてんじゃん」
八幡「物が少ないからな」
男子「へー。ラノベ以外にもいろいろ本買ってんだ」
八幡「ああ。男子はラノベ以外は読まないのか?」
男子「まーね。あ、アニメのBDあるじゃん」
戸部「なになに有名なやつ?」
男子「四月は君の嘘。有名なのかな?」
八幡「アニメ好きには有名じゃねぇの」
男子「てか全巻揃えてるのかよ。金あるなー」
八幡「俺じゃなくて妹が親に買ってもらったんだ」
男子「妹さんもアニメ見るの?」
八幡「たまに一緒に見てたりするな」
戸部「これ面白いん?」
男子「面白いし感動する!」
戸部「マジかー。俺も見てみっかなー」
男子「俺も久しぶりに見てみたいから今度借りてもいい?」
八幡「小町に聞いてみてからだが大丈夫だと思う」
戸部「比企谷くん、俺も俺も!」
男子「戸部んちってBD見れんの?」
戸部「あ、見れねーわ。DVDデッキに入れても駄目っしょ?」
八幡「当たり前でしょ……」
1時間後 リビング
八幡「小町」
小町「なに?」
八幡「今度、男子に君嘘のBD貸してもいいか?」
小町「うん。いいよ」
男子「小町ちゃん、ありがとな!」
小町「いえいえ。いいアニメですよねー」
結衣「なになに?」
女子「あ、あたし漫画は読んでたよ」
小町「アニメは見てないんです?」
女子「うん。受験もあったからね。あたしも見てみたいかも」
小町「それなら今度うちで一緒に見ます?」
男子「お、それいいかも」
戸部「さんせーい。俺んちBDなかったから助かるわー」
結衣「ヒッキー、みんなが無視するー」
八幡「今度詳しく教えるから」
結衣「今教えてよ!」
八幡「え。面倒くさい」
結衣「けち!」
小町「……なら一話だけ今見ちゃいます?」
女子「そうしよっか。ご両親まだ帰ってこない?」
小町「22時くらいまで帰ってきませんよ」
女子「みんなは時間は大丈夫?」
結衣「うん。ママにメールしておいたし」
戸部「余裕っしょ」
男子「大丈夫」
小町「それじゃ皆さんで見ちゃいましょー!」
一時間後
女子「今日は遅くまでお邪魔してごめんね。カレーまで頂いちゃって」
小町「いえいえ。また来てくださいね」
男子「来る来る! 続きも見たいし!」
戸部「続き気になるわー」
結衣「ヒッキー、ネタバレしちゃ駄目だかんね!」
八幡「しないから」
結衣「約束だからね」
八幡「はいはい。それじゃまたな」
結衣「うん。小町ちゃんもまたねー」
女子「お邪魔しました」
男子「お邪魔シャス!」
戸部「お邪魔っしたー」
23時 リビング
小町「お兄ちゃん、よかったね」
八幡「なにが?」
小町「テスト終わったらまた遊びに来てくれるんでしょ」
八幡「そうだな」
小町「ていうか少し意外だったかも」
八幡「意外?」
小町「お兄ちゃんが友達を家に連れてくるなんて」
八幡「……」
小町「友達が出来ても、自宅というか自分の領域に踏み込まれたくないタイプかと思ってたから」
八幡「……そうだな。でもいいんだ。あいつらなら……」
小町「そっか。……お兄ちゃん、いい人たちに出逢えてよかったね」
八幡「……ああ」
今回はここまで
2-Fの人達はゲスト的な感じでたまに出てくるかも
一週間後 教室
戸部「いやー、みんなでテスト勉強しておいてよかったわー」
男子「だな」
女子「二人とも、赤点ゼロか。頑張ったじゃん」
結衣「これで補習しなくてすむね」
八幡「頑張ったな。でも40点台が三教科もあるぞ。期末は中間より範囲広がるから今回以上に勉強しないと駄目だな」
戸部「マジか……」
男子「また勉強か……」
結衣「ヒッキー、上げて殺すね」
女子「上げて落とすでしょ。殺してどうすんのよ」
結衣「うっ」
女子「比企谷くん、数学どうだった?」
八幡「ああ。70点だ。女子さんが教えてくれたおかげだな」
女子「大して教えてないけど。あたしも国語90点取れたよ。ありがと」
八幡「俺も大して教えてないけどな」
結衣「そういえば順位どうだった?」
女子「あたしは総合10位だけど」
結衣「すごっ。あたしは総合127位だったよ。ヒッキーは?」
八幡「35位」
結衣「ヒッキーも凄いね!」
八幡「そ、そうか?」
男子「戸部は?」
戸部「この二人のあとに聞く?」
放課後
結衣「三人とも部活だよね」
男子「うん。半日出来るからよかったよ!」
戸部「半日はしんどいっしょ」
女子「サッカー部の練習ってそんなきついの?」
戸部「いんや、全然。ただ練習時間が長いと基礎練が長くなるっつーか」
八幡「一年もボール蹴らせてもらえるのか?」
戸部「もちろん。人も少ないから一年でスタメンもいるし」
結衣「一年でスタメンって凄いね」
戸部「てかサッカー部で一番上手いわ。なんでこんな弱小校に来たのか意味わかんねーし」
女子「それって葉山くん?」
戸部「そう。女子さん、なんでわかったん?」
女子「中学の時にうちの学校と練習試合したんだけど一人で五点取ってたから」
戸部「一人で五点とかやばすぎっしょ。千葉製メッシだべ」
八幡(凄いのかよくわからんな)
女子「結衣と比企谷くんはどこか遊びに行くの?」
結衣「えっと、どうしよっか?」
八幡「任せる」
結衣「それじゃ千葉でも行く?」
八幡「いいけど」
戸部「俺たちは部活だっていうのに放課後デートとか羨ましすぎっしょ」
結衣「で、デートって///」
八幡「デートなの?」
女子「男女で二人で遊びに行くからデートになるんじゃないかな」
八幡「マジか」
八幡(やだ。放課後デートってリア充みたい)
スイーツ店
八幡「」ソワソワ
結衣「ヒッキー、さっきからどうしたの?」
八幡「いや、こういうお店は落ち着かなくてな……」
結衣「なんで?」
八幡「なんだって男の客少ないし」
結衣「今だけだし。ヒッキー、気にしすぎ」
八幡「そう言われてもな」
八幡(なんかチラチラ見らてるような気がする)
結衣「あたしも一緒にいるんだから大丈夫だよ」
八幡「そ、そうか?」
結衣「そうだ」
八幡「……わかった。それじゃさっそく注文するか」
5分後
八幡「美味しいな」
結衣「でしょ。千葉ウォー○ーに載ってたから前から来てみたかったんだー」
八幡「由比ヶ浜はスイーツ好きなんだな」
結衣「うん。ヒッキーは?」
八幡「まあ、好きだな。人生苦いことだらけだったから食べ物と飲み物くらいは甘くなくちゃな」
結衣「なにそれ」クスッ
八幡「これでマッカンがあれば文句ないな」
結衣「スイーツにマッカンはないし。あ、クリームついてるよ」フキフキ
八幡「っ」ドキッ
結衣「はい、取れた」
八幡「す、すまん……」
結衣「ううん。この後どこ行く?」
八幡「えっと、行きたい場所があるんだが」
30分後 本屋
結衣「何買うの?」
八幡「ラノベの新刊」
結衣「ラノベって小説のこと?」
八幡「そうだな。ほら、ここに並んでるのは全部ラノベだ」
結衣「うわ、これ全部!?」
八幡「ああ。沢山あるだろ」
結衣「うん。でも女の子の表紙ばかりで見分けがつかないや」
八幡「」
結衣「なんで女の子ばっかりなの?」
八幡「そ、そりゃ女の方が目について売れるからじゃないのか」
結衣「でも漫画は男の人が表紙も沢山あるじゃん」
八幡「俺に言われても困るんだが。……ラノベだって男のだけの表紙もあるぞ」
結衣「どれどれ?」
八幡「この禁書とかデュラララとかSAOとか」
結衣「少なくない?」
八幡「……なんかすまん」
結衣「なんで謝るの!? ……あたし、漫画見てくるね」
八幡「おう」
結衣「会計終わったら来てねー」クルリ
ドンッ
材木座「ぬおっ!」
結衣「きゃっ」
八幡「お、おい。大丈夫か?」
結衣「うん。ご、ごめんなさい!」
材木座「う、うむ。我の方こそすまぬ」
結衣「我?」
材木座「なんでありません」スタスタ
八幡「……」
結衣「今の人コートと手袋してたけど暑くないのかな?」
八幡「そういうファッションなんだろ」
八幡(確か学校で見たことあるな)
帰り道
八幡(今日は三冊も買ってしまった)
結衣「ヒッキー、本当に本好きだよね」
八幡「まあな」
結衣「本屋で本選んでる時が一番楽しそうだったし」
八幡「……そうか?」
結衣「うん」
八幡(そこまで浮かれていたのか。由比ヶ浜に悪いことしたな)
八幡「悪いな」
結衣「なんで謝るの?」
八幡「え。気分を害したんじゃ?」
結衣「別に害してないし。楽しそうなヒッキー見れて嬉しかっただけだよ?」
八幡「っ///」
結衣「あたしも今度小説に挑戦してみようかな」
八幡「い、いいんじゃねぇの」
結衣「うん。ヒッキー、あたしでも読めそうな本あったら教えてね」
八幡「小説は漢字全部にふりがなついてないけど」
結衣「ヒッキー、あたしのこと馬鹿にしすぎだから!」
今回はここまでです
アニメが始まる前の原作のヒッキーは普通のイケメンでしたね
5月下旬 教室
八幡「球技大会?」
男子「そう」
戸部「確か一年生だけだべ?」
男子「うん。なんかクラスの結束を高めるために開催するらしいよ」
八幡「ほーん。んで?」
男子「来週のLHRで出場する種目を決めるんだけど三人でバレーやろうよ!」
八幡「ちなみにバレー以外は何があるんだ?」
男子「ソフトボール」
戸部「二種目だけなん?」
男子「そうだよ。バレーは八人、ソフトボールは十人で人数も決まってるみたいなんだよね」
戸部「俺はバレーでいいけど比企谷くんはどうする?」
八幡「俺もバレーでいいぞ。けど中学の体育の授業でしたくらいなんだが」
戸部「俺は授業でもなかったけど大丈夫なん?」
男子「大丈夫。放課後に練習する時間もあるみたいだから」
八幡「……そうすると部活で使えなくなるなじゃないのか?」
男子「そうだけど。二人ともバレーしてみたかったし」
八幡「……っ。そ、そうか……」
戸部「あんれ? 比企谷くん。照れてるっしょ」
八幡「照れてないし」
結衣「」クスッ
クラスメイト「結衣ちゃん」
結衣「なに?」
クラスメイト「学校の裏サイトって知ってる?」
結衣「うん。見たことないけど知ってるよ」
クラスメイト「今ね、一年男子の人気投票されてるんだけど」
結衣「男子!?」
クラスメイト「そう。普通は男子が女子の人気投票やってそうなんだけどねー」
結衣「だよねー。それでうちのクラスの男子でも入ってたの?」
クラスメイト「そう。比企谷くんが三位に入ってるんだよね」
結衣「」
クラスメイト「コメント見ると、クール、影がある、わたしも命がけで助けて欲しい、とか」
結衣「そ、そうなんだ……」
クラスメイト「やっぱヒーローさんは違うね」
結衣(ヒッキーが三位。女子に人気あったんだ……)
女子「なになに?」
クラスメイト「あ、女子さん。実はかくかくしかじか」
女子「へー。それで他に誰がランクインしてるの?」
クラスメイト「一位が葉山くん、二位が戸塚くん、四位が本牧くん、五位が戸部くんだよ」
女子「戸部も入ってるの!?」
結衣「戸部っちが!?」
クラスメイト「うん。明るくて場を盛り上げてくれそう、って書いてある」
女子「戸部が五位かぁ」
クラスメイト「四位の本牧くんはエロゲの主人公みたいって書いてあるね」
結衣「どういう意味だし!?」
女子「うちの学校の女子でエロゲしてる人いるんだ……」
クラスメイト「戸塚くんのコメントは狂気に満ち溢れてるから割愛するね」
結衣「凄い気になるんだけど!?」
クラスメイト「葉山くんへのコメントは普通すぎてつまらないかな」
女子「そ、そう……」
クラスメイト「それじゃ投票の集計更新するからまたねー」
女子「アンタが管理してるんだ!?」
放課後
結衣(ヒッキーが三位、ヒッキーが三位)ジー
八幡「な、なんだよ。そんなに見てもなにも奢らないぞ」
結衣「違うから!」
八幡「なら何でガン見してくるんだよ」
結衣「そ、それは、その……」
八幡「もしかしてまた目が腐ってきたか!?」
結衣「だ、大丈夫。ちゃんと目は綺麗なままだよ!」
八幡「よかった」
八幡(目がもとに戻ったおかげで不審者扱いされることもなくなったんだ。また腐らせてたまるか)
結衣「てかヒッキーさ」
八幡「なんだ?」
結衣「なんか肌つやよくなってない?」
八幡「そうか?」
結衣「うん。なんか前よりつるつるになってるような」
八幡「最近、化粧水と乳液をつけてるからかもしれないな」
結衣「うぇっ!?」
八幡「睡眠も七時間たっぷりとってるしな。深夜アニメは録画して朝か夜に見てんだ」
結衣「ヒッキーがビューティー男子になってる!?」
八幡「なんだよそれ」
結衣「急にどうしたの?」
八幡「前に肌のスキンケアは洗顔だけだと言ったら戸部に注意されてな」
結衣「戸部っちに?」
八幡「ああ。若い時にしっかりスキンケアしておかないと将来痛い目に合うっしょ、ってな」
結衣「」
八幡「よくわからんから母親の使ってるんだけどな」
結衣「ふ、ふーん」
八幡「……やっぱ男が化粧水とかキモいか?」
結衣「そんなことないよ! 男子だって肌がきれいな方がいいと思うし!」
八幡「」ホッ
翌日 昼休み
八幡「」テクテク
結衣(ヒッキーが女子に狙われてる。ヒッキーが女子に狙われてる)キョロキョロ
八幡「キョロキョロしすぎだろ」
結衣「そんなことないし!」
八幡「いいから早く飲み物買ってこようぜ」
結衣「……うん」
八幡「はぁ」
八幡(これで三連敗か。俺ってじゃんけん弱いのかな)
八幡『また勝てなかった』
放課後 図書室
結衣(もしかして受付してるからヒッキーのカッコよさに気づいた女子が増えたんじゃ!?)
結衣「」チラッ
八幡「」ウトウト
結衣(絶対そうだ。本借りるときにヒッキーの顔を間近で見れるし)
結衣(……でも本借りる人って少ないよね)
結衣(図書室内は人が多いけど勉強してる人ばかりだし)
結衣「……やっぱりあれかな」
結衣(ヒーローって言われてるんだもん。サブレを助けてくれたことが大きいのかな)
八幡「」ダラー
結衣「ヒッキー、涎垂れてるよ」フキフキ
週明け 月曜
結衣「うーん」
女子「結衣、どうしたの?」
結衣「えっとね、先週にヒッキーが人気投票で三位に入ってるって聞いたでしょ?」
女子「うん」
結衣「ヒッキー、モテるんだって思って先週からヒッキーの周りの様子を伺ってたんだけどね」
女子「うん」
結衣「少し見られるくらいで話しかけてくる女子が全然いなかったんだよね」
女子「」
結衣「三位なら告白されたり、少なくても声を掛けられるくらいはされると思ってたんだけど」
結衣「………………え?」
女子「普通に考えて彼女と一緒にいたら声掛けられないでしょ」
結衣「ちょ、ちょっと待ってよ。あたしとヒッキーはまだ恋人じゃ……」
女子「まだ?」
結衣「うっ///」
女子「それじゃ近いうちに恋人になるんだ?」
結衣「と、トイレに行ってくる!」タタタッ
女子「逃げられちゃった」
今回はここまで
バレーしてきたら突き指しちゃいました
おはようございます
>>291と>>292の間に一行抜けてました
結衣「うーん」
女子「結衣、どうしたの?」
結衣「えっとね、先週にヒッキーが人気投票で三位に入ってるって聞いたでしょ?」
女子「うん」
結衣「ヒッキー、モテるんだって思って先週からヒッキーの周りの様子を伺ってたんだけどね」
女子「うん」
結衣「少し見られるくらいで話しかけてくる女子が全然いなかったんだよね」
女子「」
結衣「三位なら告白されたり、少なくても声を掛けられるくらいはされると思ってたんだけど」
女子「結衣が比企谷くんとずっと一緒にいたから声掛けられなかったんじゃないの?」
結衣「………………え?」
女子「普通に考えて彼女と一緒にいたら声掛けられないでしょ」
結衣「ちょ、ちょっと待ってよ。あたしとヒッキーはまだ恋人じゃ……」
女子「まだ?」
結衣「うっ///」
女子「それじゃ近いうちに恋人になるんだ?」
結衣「と、トイレに行ってくる!」タタタッ
女子「逃げられちゃった」
6月上旬 放課後
結衣「ヒッキー、帰ろ」
八幡「先に帰ってていいぞ」
結衣「なんで?」
八幡「昼休みに男子が言ってただろ。バレーの練習するんだよ」
結衣「忘れてた!」
八幡「女子は練習しないのか?」
結衣「うん。楽しくやれればいいって感じだし」
八幡「俺も楽しくやれればいいんだが、男子がやる気でな」
結衣「負けず嫌いっぽいもんねー。それじゃあたしも付き合っていい?」
八幡「男子に聞いてみるか」
男子「比企谷くん、早く着替えて行こうよ」
八幡「おう。その前に今日の練習に由比ヶ浜も連れてっていいか?」
男子「いいよ。女子がいる方が皆もやる気出るだろうし」
結衣「そうかなー?」
男子「女子も誘ってみれば?」
結衣「うん。誘ってみる!」
10分後 体育館
戸部「っべー。バレーとか新鮮だわー」
八幡「練習って何するんだ?」
男子「球技大会だしレシーブとトスくらいかな」
戸部「マジか。俺、スパイクうってみてーんだけど」
男子「まずはレシーブとトスが出来たらな」
八幡(練習に来てるのは俺たちだけか。他のクラスはあまりやる気はなさそうだな)
男子「んじゃ準備体操しよっか」
結衣「男子くん、なんかやる気だねー」
女子「友達とバレーが出来るのが楽しいんだろうね」
結衣「そっか」
結衣(ヒッキーも嬉しそう)
20分後
八幡「ふぅ。結構楽しいな」
男子「だろ! なんならバレー部に入っても」
八幡「それは無理」
男子「」ガクッ
戸部「でも比企谷くん、運動神経いいのにもったいないべ」
八幡「そう言ってくれるのは嬉しいが……」
女子「アンタ達、比企谷くんが部活に入ったら結衣と一緒にいられる時間が減っちゃうでしょ」
八幡・結衣「なっ///」
戸部「あー、そういうことかー」
男子「なるほど!」
女子「大丈夫だよ。比企谷くんを部活に取られたりしないから」ニヤニヤ
結衣「と、取られるって///」
八幡(くっ。反論したいのに図星だから反論出来ない!!)
葉山「お、他のクラスの人達も練習してるのか」
戸部「あんれ、隼人くんじゃん」
葉山「戸部。戸部も球技大会の練習か?」
戸部「そうそう。隼人くんも?」
葉山「ああ。と言っても三人しかいないけどね」
八幡(確か前に俺の席に座ってた元ヤンキー)
葉山「やあ」
男子「おす!」
八幡「ど、どうも」
葉山「それじゃ俺たちも練習始めようか」
大和「だな」
大岡「おう!」
男子(背が大きい。バレー部に入ってくんないかな)
八幡(とか思ってそうだな)
20分後
男子「少し休憩しよっか」
八幡「そうだな。飲み物買ってくるわ」
結衣「あ、三人分ポカリ買ってきたよ」
戸部「マジか。結衣、超気が利くじゃん」
結衣「えへへ。はい!」
男子「ありがと、由比ヶ浜さん」
八幡「悪いな」
結衣「ううん。ヒッキー、ボールあげるの上手いね!」
八幡「トスか?」
結衣「うん」
男子「確かに。中学の授業以来なんだよね?」
八幡「まあな」
八幡(中学の授業で一人でよくトス上げたからな)
男子「……そうだな。うん。決めた」
八幡「ん?」
男子「比企谷くん、セッターな!」
八幡「……うぇ?」
結衣「セッター?」
女子「簡単に言うとトスを上げる人のこと」
八幡「悪いが俺は王様にも大王様にも慣れないぞ」
男子「全員がスパイク打てるわけじゃないからそう難しく考えなくていいよ」
八幡「……」
男子「比企谷くん、敏捷性もあるからボールの下に素早く潜り込めるみたいだし。な?」
八幡「……そこまで言うなら」
男子「よし! それじゃ戸部の希望通りスパイクの練習してみよっか!」
戸部「マジか!」
男子「女子さん、由比ヶ浜さんも手伝ってくれる?」
結衣「あたしも!?」
男子「ボールを比企谷くんに投げるだけでいいからさ」
女子「だって。やってみれば?」
結衣「あたしはいいよ! 女子だけ方がいいんじゃないかな?」
女子「あたしがやってもいいけど。……あたしが比企谷くんと一緒に練習してもいいの?」
結衣「……やっぱりあたしがやる」
女子「それじゃあたしはボール拾いでもしてるね」
30分後
八幡「はぁ。疲れた……」
戸部「っべー。けっこう足腰に来るわー」
男子「何回も飛ぶときついだろ」
結衣「お疲れさまー」
女子「ちゃんとモップかけておきなよ」
男子「わかってるって」
戸部「てか隼人くんたち、いつのまにいなくなってるし!?」
女子「10分前には上がってたけど。気づいてなかったの?」
戸部「全然。それだけ集中してたってことか。俺の集中力やばいっしょ」
女子「視野が狭いだけじゃないの」
戸部「」
教室
八幡「なあ」
男子「なに?」
八幡「一人でも練習できることってあるか?」
男子「え」
八幡「いや、体育館空いてるの今日だけだからその……」
男子「……」
八幡(あ、引かれたかも。たかが球技大会になにやる気出してんだ俺……)
男子「あるよ。なんならボール貸そうか」
八幡「……いいのか?」
男子「うん。帰りに部室寄ってもいい?」
八幡「ああ」
部室
男子「ほい。球技大会終わるまで持ってていいから」
八幡「悪いな。……怒られたりしないか?」
男子「大丈夫だよ。でもよかったよ」
八幡「なにが?」
男子「球技大会でやる気出してるの俺だけなのかなって思ってたから」
八幡「……」
男子「戸部はノリがいいからわかるけど、比企谷くんは本当は無理して付き合ってくれてるんじゃないかと思ってさ」
八幡「それはちがっ……」
男子「うん。知ってる。だからさっき比企谷くんに相談された時は嬉しかった!」
八幡「お、おう……」
帰り
結衣「ヒッキー、めっちゃやる気じゃん」
八幡「そうだな。自分でもなにしてんだと少し思ってる」
結衣「でもお家でやれることなんてあるの?」
八幡「とりあえずボールに沢山触ることだって言われた」
結衣「裸足でサッカーするみたいな感じ?」
八幡「じゃないか。ハイキューでも書いてあったから間違いないだろ」
結衣「そ、そっか……」
八幡(中学の時の球技大会や運動会は一度もクラスの輪に入れることはなかった)
八幡(一度ぼっちになってしまえば行事でクラスの輪に入るのは難しいのだ)
八幡(それが高校ではクラスメイトに期待されることになるとはな)
結衣「てか戸部っち、ジャージのお尻部分が破れてたけど大丈夫かな?」
八幡(あいつらと関わりを持てたのも由比ヶ浜のおかげだな)
結衣「ヒッキー、聞いてる?」
八幡「ああ。自分なりに頑張ってみる」
結衣「全然聞いてないし!?」
ここまで
とりあえず八幡が入学前に期待していたことなどを消化されてく感じです
球技大会当日 昼休み
戸部「いやー、球技大会のせいで午前中の授業集中出来なかったわー」
女子「いつもしてないでしょ」
八幡「そうだな」
戸部「二人とも酷いわー」
結衣「でも一日全部潰れればよかったのにねー」
男子「確かに」
女子「かりにも進学校なんだから球技大会くらいで一日授業を潰すわけないでしょ」
八幡「そういえば何回勝てば優勝なんだ?」
男子「三回だね。トーナメント方式だから一度負ければおしまい」
戸部「お、比企谷くんやる気じゃーん」
八幡「別に。ただ聞いただけだ」
結衣「本当に?」
八幡「本当だよ。なにニヤニヤしてんだよ」
結衣「別に~」
1時間後 体育館
結衣「すぐ負けちゃった……」
戸部「仕方ないべ。相手バスケ部が二人いたし」
女子「ま、仕方ないね」
男子「女子は淡々としてんなー」
女子「球技大会だしね」
男子「でも俺たちは優勝するぞ。な、比企谷くん!」
八幡「お、おう……」
結衣「ヒッキー、頑張ってね!」
八幡「善処する」
10分後
審判「それでは1-B対1-Fの試合を始めます」
「よろしくお願いしまーす!」
八幡(少し緊張してきた)
結衣「ヒッキー、ファイトー!!」
八幡「」ビクッ
戸部「比企谷くん、結衣に愛され過ぎっしょ」
八幡「な、なに言ってんだよ!?」
敵(比企谷コロス!!)
敵(ぶっ殺す!!)
八幡(凄い殺意を感じるな……)
30分後
男子「よっしゃ。まずは一回戦突破!」
戸部「マジ楽勝だったべ」
男子「だな! 比企谷くんもナイストス!」
八幡「おう」
戸部「これ優勝狙えるんじゃね?」
男子「だから目標は優勝だって言ってんだろ」
八幡「飲み物買ってくるわ」
結衣「あ、あたしも行く」
八幡「ん」
ベストプレイス
八幡「ふぅ」
結衣「ヒッキー、凄かったね。アシストみたいなの沢山してたし」
八幡「トスな。まあ、うまくいってよかった」
結衣「もしかして緊張してたりしてた?」
八幡「少しな。たかが球技大会で馬鹿だと思うだろ」
結衣「ううん。男子くんの期待に応えたかったんでしょ。なら仕方ないんじゃないかな」
八幡「」
結衣「あれ? 違った?」
八幡「……いや、合ってる。よくわかったな」
結衣「そりゃヒッキーのことずっと見てたし」
八幡「」
結衣「あっ///」
八幡「ゆ、ゆ……」
結衣「ごめん。あたし、先に戻ってるね!!」
八幡「あ、ああ……」
八幡(やばいな。中学時代の俺なら今ので告白は三回はしてるな)
葉山「本当に仲良いな」
八幡「」ビクッ
葉山「やあ」
八幡(んだよ。急に背後から話しかけてくんじゃねぇよ)
葉山「由比ヶ浜さんとは付き合ってるのかい?」
八幡「付き合ってないけど」
葉山「……そうなのか。意外だな」
八幡「何がだよ」
葉山「いや、いつも一緒にいるからてっきり付き合ってるのかと思ってね」
八幡「いつも一緒にいるからといって恋人とは限らないだろ」
葉山「そうだな。すまない」
八幡「別に。……何か用か」
葉山「特に用はないよ。比企谷くんを見かけたから話しかけただけさ」
八幡「俺に話しかけても面白くないぞ」
葉山「そうかな。戸部は比企谷くんのこと面白いって言ってたけど」
八幡「過大評価すぎる」
海老名「ぐ腐腐。ぐ腐腐腐腐///」
八幡・葉山「」ゾクッ
八幡(なんだ今の悪寒は……)
葉山(これ以上ここにいるのは危ない気がしてきたな)
葉山「それじゃ俺はこれで。決勝で戦おう」
八幡(やだスポーツ漫画みたいな台詞じゃない)
一時間後 決勝
葉山「お手柔らかに頼むよ」
男子「絶対負けねー!」
戸部「隼人くん、サッカーでは負けるけどバレーでは負けねーから」
葉山「バレーでも負けるつもりはないよ」
八幡(ムカつくくらい爽やかだな。ていうかでけぇなおい)
大和「……」
大岡「隼人くん、頑張ろうぜ!」
八幡(185はあるか。5センチくらいくれねぇかな)
男子(10センチくらいくれねぇかな)
結衣「なんか一人大きい人がいる」
女子「あの身長バレー部に欲しいかも」
大和「ぐっ……」
葉山「大和、どうした?」
大和「……ぉ……」
葉山「お?」
大和「お腹が痛い……」
葉山「」
30分後
男子「なんだかなー」
戸部「少し拍子抜けしたわー」
八幡「ラッキーだったな。まさかあの大きいのが腹痛で欠場すとはな」
結衣「結局、決勝も楽勝だったね」
女子「葉山くんが一人で頑張ってたけどね」
男子「あいつ凄いジャンプ力あんな!」
戸部「隼人くん、運動神経の塊みたいなもんだからなー」
男子「そんなに凄いのか」
八幡「それより早く教室に戻ろうぜ。家に帰りたい」
結衣「ヒッキー、体力の限界だったり?」
八幡「体力は残ってるが腕が痛い……」
教室
結衣「あたしトイレ行ってくるから待っててね!」
八幡「おう」
ガラガラ
八幡(走っていくとは漏れそうだったのか)
女子「比企谷くん、ちょっといい?」
八幡「おう」
八幡(女子さんと二人とは珍しいな)
女子「一応早めに言っておこうと思って」
八幡「なにを?」
女子「結衣の誕生日プレゼントなに買うの? 被らないように聞いておきたいんだけど」
八幡「…………ん?」
ここまで
12巻いつでるんだろ
同日夜 自宅
八幡「なあ、小町」
小町「なーにー?」
八幡「由比ヶ浜の誕生日が今月だって知ってたか?」
小町「うん」
八幡「直接聞いたのか?」
小町「いや、アドレスに日付入ってるから誕生日なんだろうなーって思ってたけど」
八幡「……気づかなかった」
小町「んで結衣さんに誕生日プレゼント買うんでしょ?」
八幡「ああ。ただ何を買うか決まってないんだ。今日初めて知ったからな」
小町「お兄ちゃんはどうやって知ったの?」
八幡「女子さんに教えてもらった。被らないように何をプレゼントするのか教えてくれと言われてな」
小町「そうなんだ。まあ、結衣さんならなんでも喜ぶと思うよ」
八幡「小町も何かプレゼントするのか?」
小町「うん。でもその日は平日で直接渡せないから、お兄ちゃんに託すよ」
八幡「ちなみに何をプレゼントするんだ?」
小町「うーん、まだ決めてないけどシュシュとかバスソルトとか?」
八幡「流石女子だな。俺は何をプレゼントすればいいと思う?」
小町「それはお兄ちゃんが決めないと駄目だよ。結衣さんの為に何がいいのかちゃんと考えてあげてね」
八幡「……」
小町「あ、何気にいいこと言ったかも。小町的にポイント高い♪」
八幡「うーん……」
小町「お兄ちゃん、突っ込んでよ。スルーとか小町的にポイント低いよ」
翌日 教室
八幡「うーん」
結衣「ヒッキー、どうしたの?」
八幡「な、なんでもない!」ビクッ
結衣「ほんと? 今日ずっと何か考えてるようだけど」
八幡「……気のせいだ」
結衣「」ジー
八幡「うっ」
女子「結衣、次体育だからそろそろ更衣室行かないと」
結衣「あ、うん。今行く」
八幡「」ホッ
体育館
八幡「なあ、お前らも由比ヶ浜に誕生日プレゼント渡すのか?」
戸部「もち」
男子「渡すけど」
八幡「お前らはプレゼントするもの決まってるのか?」
戸部「いや、全然。女子に何買えばいいのかよくわかんねーんだわ」
男子「俺も。お小遣いも少ないから高いの買えないし……」
八幡「そうだな」
戸部「まー、大事なのは気持ちっしょ」
男子「だな! なら家に余ってるハンガーでもいいよな!」
八幡「駄目でしょ」
放課後
結衣「それでね、サブレったらあたしの言うこと全然聞いてくれないんだよ!」
八幡「家族全員にか?」
結衣「ううん。ママの言うことは聞くの」
八幡「なら自分より下に見られてるんじゃないのか?」
結衣「」
八幡「サブレに自分より下位の存在だと思わてるんだろ。だから言うことを聞かない」
結衣「あ、あたし、サブレより下なんだ……」
八幡「安心しろ。俺もカマクラに見下されてる」
結衣「そっか。なら同じだね!」
八幡「喜んでいいのかわからないんだが」
結衣「そういえばカマクラで思い出したんだけど学校に野良猫が居ついてるの知ってる?」
八幡「知らん」
結衣「誰かが餌付けしてるみたいなんだけどね。休み時間にたまに猫見るんだ」
八幡「ほーん。どんな猫なんだ?」
結衣「茶色の猫だよ。けっこう可愛かったし」
八幡(野良猫ねぇ。平塚先生あたりが愚痴でも吐いてるんだろうか)
結衣「でもサブレの方が可愛いけどね」
八幡「親ばかだな。……っ!」
八幡(そうだ。由比ヶ浜にプレゼントするからと言って、由比ヶ浜自身が使うものじゃなくてもいいのか)
結衣「だって可愛いし」
八幡(元々女子にプレゼントすること自体が俺には難易度が高すぎたんだ)
翌日 教室
八幡「女子さん。プレゼント決まったぞ」
女子「何渡すの?」
八幡「首輪だ」
女子「」
八幡「リードもつけたほうがいいか?」
女子「え? いつのまに結衣とそんなアブノーマルな関係になってたの?」
八幡「」
女子「他人の性癖に口出すつもりはないけど……」
八幡「いや、待て。誤解だ」
説明後
女子「犬の首輪ね」
八幡「そうだ。俺と由比ヶ浜がそんなアブノーマルな関係なわけないだろ」
女子「ごめんごめん。勘違いしちゃった」
八幡「勘弁してくれ……」
女子「ごめんね。それで当日は昼休みに渡そうと思うんだけど」
八幡「わかった」
女子「その日が土日なら盛大に祝ってあげられたんだけどね」
八幡「仕方ないだろ。逆に学校がある日でよかったんじゃないか」
女子「あ、そっか。比企谷くんの誕生日は夏休み中だもんね」
八幡「……なんで知ってるんだ?」
女子「小町ちゃんから教えてもらったから。家族以外から誕生日を祝ってもらったことがないって聞いたよ」
八幡「あの馬鹿妹……」
女子「比企谷くんの誕生日も祝うからその日は予定空けておいてね」
八幡「え」
女子「それじゃまたね」
八幡「……」
6月18日 昼休み
女子「結衣、誕生日おめでとう。これプレゼント」
結衣「え。嘘。ありがとー!」
戸部「結衣、おめでとさーん!」
男子「おめでとう!」
結衣「二人もありがと!」
八幡「……これ」
結衣「ヒッキーも用意してくれてたんだ」
八幡「まあ。誕生日おめでとさん」
結衣「うん。ありがと。開けてもいいかな?」
女子「もちろん」
結衣「じゃあヒッキーのから開けちゃおうかな。あ、首輪だ!」
男子(なるほど。ペットにか。比企谷くん、考えたな)
結衣「可愛いね。えっと……」
「…………ん?」
女子「結衣、何してるの?」
結衣「なにって首輪をつけようとしてるんだよ」
女子「」
結衣「どう? 似合うかな?」
「」
女子「比企谷くん、やっぱ結衣と……」
ここまで
また今度
終業式当日 教室
戸部「いんやー、やっと夏休みがきたべ!」
男子「勉強から解放されるな!」
戸部「比企谷くん、夏休みどこか行く予定ある感じ?」
八幡「いや、予定はない」
戸部「んじゃみんなで海いかね?」
男子「海、いいな!」
戸部「だべ? 夏といえば海っしょ」
八幡「海か。久しく行ってないな」
戸部「マジで。あんま好きじゃない?」
八幡「違う。一緒に行く人がいなかっただけだ」
男子「んじゃ五人で行こうぜ!」
八幡「ああ」
戸部「海ならやっぱ九十九里?」
男子「近いしそこでいいんじゃね」
八幡(水着も買わないとな)
男子「あとさ、もしよかったらでいいんだけど……」
戸部「どしたん?」
男子「二人とも、俺の兄貴のバレーサークルに参加してみない?」
八幡「サークルって大学のか?」
男子「そうそう。なんか数人辞めちゃって人が足らないみたいでさ」
八幡「でも俺と戸部は初心者だぞ」
男子「大丈夫。半数以上がハイキュー見て始めた人だから」
八幡(その半数の人達はバレーの前にバスケもやってそうだな)
戸部「俺は部活と被らなければ問題ねーけど」
男子「比企谷くんはどう? 週一なんだけど」
八幡「……いいぞ。運動にもなるし」
男子「ありがとー! あ、ちなみにバレー後は焼肉とか色々奢ってくれるみたいだから楽しみにしておいてよ!」
戸部「マジか。それは部活休んでも参加するっきゃないっしょ!」
女子トイレ
女子「結衣、よかったね。赤点回避出来て」
結衣「うん。これで夏休みに学校来なくてすむし」
女子「結衣は夏休み予定結構いれてんの?」
結衣「家族旅行と中学の友達と遊ぶくらいかな。そっちは?」
女子「あたしも同じかな。部活もあるしね」
結衣「真夏に部活とかあたしなら死んじゃうかも」
女子「だね。まあ、サッカー部や野球部はもっとしんどいだろうけど。ところで……」
結衣「ん?」
女子「比企谷くんにいつ告白するの?」
結衣「うぇっ!?」
女子「あたし的には早く付き合ってくれた方が、結衣を紹介するよう頼んでくる男子たちに断りやすくなるんだけど」
結衣「あぅ。ごめん……」
女子「別にいいんだけどね」
結衣「……夏祭り」
女子「え?」
結衣「夏祭りには告白するつもり」
女子「本当に!?」
結衣「うん。本当はもう少しこのままでもいいかなと思ったんだけどね」
女子「意識の変化でもあったの?」
結衣「うん。みんなで四月は君の嘘を全部見たでしょ」
女子「…………ん?」
結衣「かをりちゃんを見てたら、やりたいことは後回しにしちゃいけないんだと思って」
女子「」
結衣「もしかしたらあたしも急に重い病気になる可能性もあるわけだし。そうなったら絶対ヒッキーに想い告げられなくなるから。だからあたし頑張る!」
女子「う、うん……」
結衣「あとね、やっぱ髪染めようと思う」
女子「急にどうしたの?」
結衣「うん。前にヒッキーが黒髪の方が好きって言ったから染めなかったんだけど……」
女子「うん」
結衣「似合ってればどっちでもいいとも言ってたから。だからやっぱり染めようかなって」
女子「そっか。いいんじゃない。結衣、茶髪も似合うと思うよ」
結衣「そうかな?」
女子「大丈夫。それに好きな人に合わせて我慢することもよくないと思うし」
結衣「だよね! それにかをりちゃんやハイキューの新しいマネージャーの子も金髪だもんね!」
女子「いや、あれは染めてるわけじゃないと思うんだけど……」
帰り
結衣「ヒッキー、バレーサークルに参加するの?」
八幡「ああ。男子に誘われてな」
結衣「そっか。よかったね」
八幡「ん?」
結衣「だって球技大会の時凄い楽しそうだったし」
八幡「確かに楽しかったな」
結衣「……あのね、明後日って予定ある?」
八幡「ない。それがどうかしたか?」
結衣「えっと、海に行くことになったじゃん?」
八幡「ああ。水着買わないとな」
結衣「あたしも、その、水着買わないとだから、だから、その一緒に買いに行かない?」
八幡「いいけど」
結衣「本当に!?」
八幡「でも試着室に連れ込んだりしちゃ駄目なんだからね!」
結衣「そんなことしないし! あたし、変態じゃないから!」
八幡「でも首輪つけてたからな」
結衣「あれは勘違いしただけだから!」
八幡「そういうことにしておく。あと明後日じゃなくて明日でもいいんだけど」
結衣「ごめん。明日は予定入れてあるの」
八幡「そうか……」
八幡(やだ。これじゃ俺が早く由比ヶ浜と出掛けたいみたいじゃない)
結衣「あとね、明後日以外でもお互い予定ない日は会えたりする?」
八幡「」
結衣「ど、どうかな?」
八幡「お、おう。いいんじゃないでしょうか……」
結衣「やった。約束だからね?」
八幡「あ、ああ」
夜 自宅
八幡「小町、お願いがあるんだが」
小町「どしたの?」
八幡「明後日、由比ヶ浜と水着を買いにいくことになったんだけど」
小町「わかった。お父さんに二万用意するよう言っておくね」
八幡「二万も必要はないと思うんだけど……」
小町「でも海も行くんでしょ」
八幡「ああ。……あれ? 海のこと言ったか?」
小町「結衣さんと女子さんからメール来たから。小町も誘われたんだー」
八幡「なるほど」
小町「本当は小町もお兄ちゃんと一緒に水着を買いに行きたかったけど、結衣さんに譲らないとだね」
八幡「由比ヶ浜なら三人でも大丈夫だと思うんだが」
小町「だーめ。それにお兄ちゃんも結衣さんとデートしたいんでしょ?」
八幡「なっ!?」
小町「試着室で変なことしちゃ駄目だからね?」
八幡「ぶふっ!」
八幡(こいつ、俺と一緒のこと言ってる。やっぱり兄妹か)
ここまで
これはハイキューステマSSではありません
二日後 自宅
八幡「」ヌリヌリ
小町「お兄ちゃん、なにしてんの?」
八幡「日焼け止め塗ってんだ。今日は紫外線が強そうだしな」
小町「」
八幡「あ、乳液も無くなりそうだから帰りに買ってこないとな」
小町「お兄ちゃんがこんな女子力高くなるとは思わなかったよ」
八幡「俺もだ。ただ将来のことを考えると今のうちにスキンケアはしておこないとな」
小町「まあ、そうだけどさ。でも日焼け止めはしなくてもいいんじゃない?」
八幡「……そうか。日傘を使えってことか」
小町「違うよ! お兄ちゃんが日傘を使ってるところなんて小町見たくないよ!」
八幡「こ、小町的にポイント低いのか?」
小町「低いよ。超低いよ!」
八幡「そうか。なら日傘はやめておくか」
小町「」ホッ
八幡「後は寝ぐせ直さないとな」
小町「お兄ちゃんさ」
八幡「ん?」
小町「スキンケアはばっちりだけど、ワックスはつけないの?」
八幡「つけない。絶対にだ」
小町「なんで?」
八幡「将来ハゲたくないからに決まってるだろ」
小町「ワックスつけてるからってハゲたりしないでしょ」
八幡「小町、それは違うな。間違っているぞ!」
小町「……っ!?」
八幡「ワックスには合成界面活性剤が含まれている。これは髪の主成分のケラチンと呼ばれるタンパク質を破壊してしまうんだ」
小町「く、詳しいね……」
八幡「だから俺は今より未来を取る」
小町「なんかかっこよく見えてきたかも……。あ、そうだ。お母さんから臨時のお小遣い」
八幡「一万も……」
小町「それとお母さんから伝言。八幡、頑張りなさいよ、だって」
八幡「頑張るも何も水着を買うだけなんだが」
小町「本当に?」
八幡「しつこいぞ」
小町「小町はお泊りもありだと思います!」
八幡「ないから」
10時 千葉駅前
八幡(いつからあんな下ネタ言うようになったんだ。俺のラノベの影響か?)
結衣「ヒッキー、お待たせー」
八幡「おう。……っ!?」
結衣「やっはろー。今日も暑いね」
八幡「お前、その髪……」
結衣「うん。昨日染めてきたんだ」
八幡「そ、そうか……」
八幡(由比ヶ浜がいきなりギャルみたいになってしまった。けど……)
結衣「前から染めてみたかったんだ。似合う?」
八幡「似合うんじゃないか」
結衣「本当!?」
八幡「ああ。大分イメージが変わったが」
結衣「ママにも言われた。それじゃいこっか」
お店
八幡(ここに来るまで通りすがりの奴らにけっこう見られてたな)
結衣「なんか沢山あるね」
八幡(俺がいなかったらナンパされまくりだったんじゃないか)
結衣「それじゃヒッキーの水着から見てみようっか」
八幡「……ん?」
結衣「あたしのは後回しでいいから」
八幡「え?」
結衣「ほらあっちだよ」グイッ
八幡「お、おい!」
結衣「なに?」
八幡「自分で決めるんだから別々に見ればいいだろ」
結衣「でもヒッキーの意見も聞きたいし」
八幡「俺の意見って……」
結衣「ほら、あたしって優柔不断じゃん。だからヒッキーの意見も参考にした方が早く決められるかなって」
八幡「……わかった」
10分後
結衣「ヒッキー、それでいいの?」
八幡「いいよ。それより由比ヶ浜のも早く決めようぜ」
結衣「うん。ヒッキーは何色がいい?」
八幡「白にも黒にも染まらないGLAYだ」
結衣「…………は?」
八幡(やっぱり通じないか。歌詞に千葉を出してくれるいいバンドなんだが)
結衣「グレイって灰色? 灰色はちょっと……」
八幡「冗談だ。そうだな。水色とか」
結衣「水色か。それは考えてなかったかも。適当に試着してみるね」
八幡「おう」
八幡(意外と早く決まりそうだな)
結衣「それじゃ行こう!」
八幡「ふぁっ!?」
試着室前
八幡「……」
八幡(落ち着かない。男が俺しかいないからな。ワンサマーとかいないのかよ)
三浦「ちょっといい?」
八幡「はひっ?」ビクッ
三浦「あ、やっぱ」
八幡「…………?」
三浦「あんさー、アンタ、総武高の人っしょ?」
八幡「そ、そうですけど……」
三浦「なんで敬語だし。あたしも総武高で同じ一年なんだけど」
八幡「同級生か」
八幡(そういえば前に戸部が金髪の美少女がいるとか言ってたな)
三浦「あんた、ここで何してんの?」
八幡「いや、友達が試着してるから待ってるんだが」
三浦「そうなんだ。キョロキョロしすぎて面白そうだったから声掛けちゃった」
八幡(そんなにキョロキョロしてたのか)
三浦「んじゃーね」
八幡「お、おう」
八幡(金髪か。自分に自信ないと出来ないよな)
結衣「ヒッキー、いる?」
八幡「いるぞ」
結衣「それじゃ見てもらっていい?」
八幡「ああ」
結衣「開けるね」ガラガラ
八幡(試着室がカーテンじゃなくドアって珍しいな)
結衣「どうかな?」
八幡「」ゴクリ
結衣「水色とか初めて着たんだけど」
八幡「……いい」
結衣「え?」
八幡「凄くいいと思います」
結衣「なんで敬語? でも凄くいいんだ。それじゃこれにしようかな///」
八幡「いや、念のため全部試着した方がいいんじゃないか」
結衣「そう?」
八幡「着ないで後悔より着て後悔だろ」
結衣「よくわかんないし。わかった。他のも試着してみるね」
八幡(やっぱり大きいな)
12時 フードコート
八幡「早く済んだな」
結衣「そだね。あたし、もう少し時間かかると思ってた」
八幡(トレーニングシューズとシャツも買ってしまった。バレー楽しみにしすぎだろ俺)
結衣「ヒッキー、午後も時間ある?」
八幡「ああ」
結衣「それじゃカラオケでも行かない?」
八幡「いいぞ。由比ヶ浜はカラオケ好きだな」
結衣「だってあんまお金掛かんなくて時間も潰せるし」
八幡「そうだな。個室で二人っきりにもなれるしな」
結衣「え」
八幡「あっ」
結衣「ひ、ヒッキー。二人きりって///」
八幡「いや、ほら、俺は人見知りだから、他人の視線を気にしなくてすむというかだな……」
結衣「あたしも二人っきりになれた方がいいかな///」
八幡「お、おう……」
ここまで
次回は千葉の聖地九十九里に八幡が降り立ちます
そういえばこのラノベが凄いで八幡がまた1位らしいですね
そして上条さんは9年連続3位以内とか凄いな
8月某日 とある海岸
戸部「っべー。一年振りの海だわー」
男子「やっぱ人多いな」
女子「それじゃあたし達、着替えてくるから」
男子「おう」
結衣「ヒッキー達は?」
八幡「俺たちはもう水着来てるから」
小町「お兄ちゃん、パンツ持ってくるの忘れたでしょ」
八幡「あっ」
小町「小町が持ってきてるから大丈夫だよ」
八幡「マジか。助かった」
戸部・男子「」ガサガサ
女子「もしかしてアンタ達……」
男子「安心して下さい」
戸部「入ってますよ」
女子「うざ」
結衣「それじゃ待っててね」
八幡「おう」
10分後
小町「お待たせしましたー!」
八幡「おう」
小町「お兄ちゃん、小町の水着姿どう?」
八幡「ああ。世界一カワイイヨ」
小町「うわ、全然気持ちこもってないし」
男子「小町ちゃん、可愛いよ」
小町「ありがとうございます♪」
八幡「」キッ
男子「な、なんだよ!?」ビクッ
戸部「あんれ? 結衣と女子さんは?」
小町「もう来ると思いますよ」
女子「ごめん」
結衣「お待たせー」
八幡(やっぱり大きい。夢が詰まってるな)
男子「よし、さっそく準備体操しようぜ」
女子「ちょっと。少しはあたしたちの水着姿の感想くらいいなさいよ」
戸部「いいんじゃね?」
結衣「ヒッキー、どうかな?」
八幡「どうってこの前見ただろ」
結衣「あ、そうだった」
男子「この前見たって二人でプールでも行ったの?」
小町「違いますよ。デートですよ。デート☆」
八幡・結衣「///」
戸部「マジかー。俺たちが部活で頑張ってる時にデートとかないわー」
女子「羨ましいだけでしょ」
結衣(そうだ。ヒッキーに日焼け止め塗ってもらわないと)
戸部「うぐっ。そ、そうだ。比企谷くん、日焼け止め塗るべ!」
八幡「そうだな」
結衣「え」
戸部「んじゃパーカー脱ぐから背中塗ってくんね?」
八幡「おう」
結衣(あれれ?)
戸部「背中弱いから優しく頼んます!」
八幡「そう言われてもな」ヌリヌリ
戸部「ひゃんっ」ビクッ
結衣「」
男子「何か気分悪くなってきたぞ……」
小町「小町もです……」
女子「戸部、比企谷くん、あたしたちが見えないところでやってくんない?」
10分後
結衣「人が多すぎてなんか窮屈だし」
八幡「遊泳区域が狭いからな。監視員も少ないし仕方ないだろ」
結衣「事故があったら大変だもんね」
八幡「そうだな。それに俺たちはサーフィンやボディーボードするわけじゃないから十分だろ」
結衣「うん。ヒッキー、泳ぎは得意なの?」
八幡「普通じゃないか。由比ヶ浜はカナヅチっぽいな」
結衣「違うし。少しくらいは泳げるし!」
八幡「少しってどれくらいだよ」
結衣「犬かきで10メートルとか?」
八幡(由比ヶ浜の犬かき。なんか想像しやすいな)
結衣「なんか失礼なこと考えたでしょ?」
小町「順調にいってますね」
女子「そうだね」
戸部「ていうかあれで付き合ってないとかないわー」
男子「そうか?」
女子「まあ、そのうち付き合うでしょ」
小町「ですね」
女子「あれ? 小町ちゃんも知ってる感じ?」
小町「はい」
男子「どういうこと?」
女子「男どもには内緒」
男子「なんだよ。気になるじゃねーか」
戸部「だべ」
小町「女子だけの秘密です」
男子「ならしかたないか」
戸部「女子だけの秘密ならしかたないっしょ」
女子「引くの早くない?」
<お知らせです。沖合にサメの目撃情報が入りました。直ちに海から……
戸部「サメ!?」
男子「マジかよ!?」
5分後
戸部「せっかく来たのにサメとかないっしょ……」
女子「仕方ないでしょ」
小町「ニュースで報道されてましたけど千葉にまで出現するなんて」
結衣「はぁ」
男子「落ち込んでても仕方ないじゃん。ビーチバレーでもやろうぜ」
八幡「そうだな」
結衣「……うん」
八幡(こういう時に皆の気持ちを切り替えられるやつってすげぇな)
女子「てかボール持ってきたんだ」
男子「一応な! ずっと泳ぐのも飽きると思ったし!」
戸部「男子、準備良すぎだべ」
お昼 海の家
結衣「なんか海で食べるとお祭りみたいにいつもより美味しく感じるよね」
戸部「それある!」
八幡「」ピクッ
八幡(なんだ今悪寒が)
小町「焼きそば、じゃがバターとかメニューも被ってるの多いですしね」
男子「ラーメンもな!」ズルル
女子「祭りにラーメンとかないし」
八幡「確かに。暑苦しい」
男子「だって美味しそうだったし!」
戸部「それよりこの後どうする?」
女子「もう今日は遊泳禁止だろうし帰る?」
八幡「そうだな」
結衣「え」
小町「九十九里って海しか遊ぶところないですしね」
戸部「てか駅から遠すぎっしょ」
八幡「だな。……まあ、時間もあるし千葉で遊ぶことも出来るが」
結衣「」ニパァ
女子(本当に結衣に甘いんだから)クスッ
男子「それじゃみんなで比企谷くんの誕生日プレゼント買いに行く?」
女子「それいいかも」
八幡「え」
小町「いいですね。小町がお兄ちゃんが喜ぶものどんどん教えますよ」
八幡「ちょっと。そういうのって本人がいないときに買ったりするんじゃないの?」
ここまで
ぬらりひょんの孫見てたら投稿遅くなりました
雪女可愛いですね
8月8日 カラオケ
「比企谷くん、誕生日おめでとー!」
八幡「お、おう」
結衣「ヒッキー、おめでとう」
八幡(なんか照れるな)
八幡「悪いな。ケーキまで用意してもらって」
戸部「いやいや、誕生日ケーキは必要っしょ」
男子「そうそう。気にしなくていいって」
女子「あたしが買ってきたんだけどね」
戸部・男子「うっ」
女子「本当は結衣の時は用意したかったんだけど」
結衣「学校だし無理だよね」
戸部「てか小町ちゃんも来れたらよかったのに夏風邪とかついてないっしょ」
八幡「まあ、微熱だから大丈夫だろ。今日は母親が家にいるし」
結衣「ヒッキーのお母さんか。今度見てみたいな」
女子「そろそろ誕生日プレゼント渡さない?」
戸部「んじゃまずは俺から。ほい、比企谷くん!」
八幡「ああ」
結衣「戸部っち、何にしたの?」
戸部「ヘアピン。髪型もそろそろおしゃれしなきゃじゃねと思って」
八幡「へ、ヘアピンか……」
男子「まあ、絶園のテンペストの主人公もしてたしいいんじゃないかな!」
八幡「そ、そうだな……」
女子「あたしからはブックカバー。比企谷くん、本好きだから」
八幡「ど、どうも」
男子「俺からはこれだ!」
八幡「」
結衣「マスク?」
男子「そう。金木くんの眼帯マスクだ!」
「」
男子「カッコいいだろ!」
女子「金木くんって誰?」
結衣「C組に金木さんならいるけど」
戸部「てかこわっ! 歯むき出し!」
女子「あー、これはない」
結衣「怖いよ」
男子「え」
八幡「……カッコいいな」
「え」
男子「だ、だろ! YJの懸賞で当たったんだ!」
八幡「これで白いウィッグをつけたら完璧か」
男子「それ買ってくればよかったか! 忘却探偵からもらってくる?」
八幡「あれは髪型が違うだろ」
女子「比企谷くんって趣味アレなの?」ヒソヒソ
結衣「ど、どうだろ。あはは……」
戸部「てか比企谷くん、一番うれしそうじゃね?」
八幡「そ、そんなことないぞ……」
結衣「えっと、最後にあたしから」
八幡「お、おう」
結衣「はい。ハッピーバースデイ、ヒッキー」
八幡「ありがとな」
男子「小さい布団?」
八幡「もしかして猫用のか?」
結衣「うん。ヒッキーもサブレの使うものプレゼントくれたから、あたしもカマクラに使えるものがいいかなって」
戸部「今、こんなもんもあんだ」
女子「ペット買ってないからよくわからないわ」
八幡「みんな、ありがとな」
女子「ううん。あたしの誕生日も期待してるから」
戸部「俺はプレステ4でお願いしゃす!」
男子「俺は円盤でいいや」
八幡「高くて買えないから」
30分後
八幡「ちょっとトイレに行ってくる」
戸部「いってら!」
結衣「あっ」
女子「結衣、ほら行きなよ」
結衣「う、うん」
男子「どうしたの?」
女子「何でもない」
男子「気になるなー」
女子「いいからアンタはアニソン歌ってなさいよ」
トイレ前
八幡(ふぅ。すっきりした)
結衣「ヒッキー」
八幡「由比ヶ浜もトイレか?」
結衣「ううん。ヒッキーに話があって」
八幡「なんだ?」
結衣「えっとね、もうすぐ夏祭りじゃん」
八幡「ああ」
結衣「それでね。あたし、ヒッキーのことが好きだから夏祭りで告白しようと思うの」
八幡「」
結衣「だからね、夏祭りにあたしと一緒に来てほしいの」
八幡「」
結衣「……………………あれ?」
八幡「……」
結衣(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!)
八幡「ゆ、由比ヶ浜。今のは……」
結衣(告白するのを告白しちゃったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
八幡「お、おでのことが好きって……」
結衣(うぁ。浴衣姿で花火をバックに告白しようとしたのにまさかトイレ前でなんて……)
結衣「あぅ///」
八幡「告白と受け取っていいのか……?」
結衣「……///」コクリ
八幡「」ゴクリ
結衣「ちょっと予定変わっちゃったけど。……返事もらってもいい?」
八幡「……俺も由比ヶ浜のことが好きだと思う」
結衣「……思う?」
八幡「葉山に言われたことがあるんだ。俺は本当に人を好きになったことがないんだって。……夢の中で」
結衣「夢!?」
八幡「由比ヶ浜のことが好きで間違いはないと思うんだが」
結衣「……だったらいいよ」
八幡「……え?」
結衣「好きだと思ってくれてるってことはあたしと付き合ってくれるんだよね?」
八幡「そ、そうだな。おう」
結衣「ならあたしが頑張ってヒッキーが自分の気持ちに確信が持てるようにするから」
八幡(やだこの子カッコいい)
結衣「……これであたしとヒッキーっで恋人同士でいいんだよね?」
八幡「そういうことになるな。……よろしく?」
結衣「うん。改めてよろしくね、ヒッキー!」
今回はここまで
期間空いちゃってごめんなさい
ぬら孫と禁書読んでたら遅くなっちゃた
ゆらのロングも可愛いですな
カナは顔はいい
このSSまとめへのコメント
八幡にはこんな幸せな世界があってもいい
↑同意
そして期待
↑全くの同意
良ssの予感、期待大
ホイッスル思い出した
そういや原作のガハマさんはなんでお見舞いに行かなかったんだろうな
この先に期待大!!
戸部の日焼け止めの件でワロタwww
>1に禿げ上がるほど同意
なぜかここの戸部はゴールデンカムイの白石に見える・・・
続きがきになるーー
続き期待
二人には幸せになってもらいたい
はよ続きはよ!!
続きはよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン
あと戸部の日焼け止めはwww