男「好意を持っている」 (10)

とても短いです。
投下します。

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2015年、某日。
男はとある女性に好意を持っていた、初恋である。
男と女性は幼馴染であり、すでに「お前」「あいつ」と呼び合う仲である。

昔、男が言った。
「日曜日に遊ぼう」
女性は言った。
「いいよ」
二人は、いつも一緒にいて、二人でどこかで遊んでいた。
そんな日常を過ごしていた二人に、少しづつ亀裂が入っていった。

木曜日。
男が家に帰ると、親達が何かを言い争っていた、それ自体は男にとってはよくあることであったので、男はとくに気にせず夜を過ごした。

女性が家に帰ると、親達が何か話しをしていた。男の家について話していたようなので、「何の話をしているの」と質問したが、「お前が気にすることではない」と言われた。
女性は不思議に思いながら夜を過ごした。

金曜日。
「日曜日は公園で遊ぼう」
「時間は?」
「9時」
二人は遊ぶ約束を決めていっていた、いつも、二人は「遊ぶ」という事を決めてから「場所」と「時間」を決めているのだ、それは、間が1日の時もあるし、それが決まらずにその日を迎えることもあった。
男は言った。
「親が二人で話し合っていたけど、どこの家もそうなのかな」
女性は言った
「私の家でも昨日二人で話していたし、そうだと思うよ」
二人は、小さなすれ違いを残したまま、それぞれ夜を迎えた。

土曜日。
二人は公園で遊んでいた。
それは、ごくごく普通のいつも通りの日常で決して崩れるものではないと、二人は思っていたが、男ばふと思ったので、言葉にしてみた。
「ずっとこんな風に遊んでいたいね」
女性はそれを聞いて微笑んだ。

夕方、男が家に帰ると、母親が言った。
「早く車に乗って」
男は何を言っているのか一瞬だけわからなかったが、母がそう言っているだからと、車に乗った。
家を出るとき、ふと父の方をみると、背中を向けて新聞を読んでいた、それをみた男は、とくに何も思わずに車に乗って出発した
出発してしまった。
外は夜になっていた。

女性は明日を楽しみにしながら親に今日あった事を話した、親達は少し残念そうな顔をしていた。女性は不思議に思ったが、気にしなかった。
気付けなかった。
外は夜になっていた。

日曜日
公園に男の姿はなかった。

公園に男の姿はなかった。


ー完ー

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