水族館から帰って、少しベッドの上で変なポーズでスマホをいじっていたら急に部屋が光って気づいたら変な子供に囲まれていた。
八幡(おいおい、なんだよこれ、誰だよ、てかなんだよこれ。)
八幡(周りとか見覚えないし…というか俺、部屋にいたよな…)
フロン「エ、エトナさんっ!なんかゾンビが呼び出されちゃいましたよっ!」
シシリー「わぁい!目とかすっごい怖いよ!」
エトナ「あー…まぁ殿下は新しい下僕を呼べって言ったわけだし、こんなのでもいいでしょ別に」
ジェニファー「ねぇゴードン、ラハールちゃんは超魔王バール級の有能な部下が欲しいって言ってなかったっけ?」ヒソヒソ
ゴードン「HAHAHA!!バールはラハールくんでも勝てないくらい強い魔王なのだろう?そんなの無理に決まっているだろうジェニファー!」ヒソヒソ
エトナ「どこにもいないような部下を連れてこいじゃなかったっけ?まぁいいでしょこれで」
シシリー「お兄ちゃん、褒めてくれるかな?」
フロン「ゾ、ゾンビじゃあお城に何人かいますからどうですかねえ」
エトナ「まっ、とにかく殿下のとこに連れてこ、行くよアンタ」
八幡「え、あー、まぁその…なんだ」
エトナ「何よ、ぶっ殺すわよ」
八幡「…なんでもない」
八幡(なんでこんなに怖え目できんだよ、声は可愛いのに。一瞬体が動かなくなったぞ…恐怖で)
八幡(話出来そうなまともなやつ…いないな…)
八幡(まぁどうせ夢…だろうし、ついていけばいいか)
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魔王城、玉座の間
ラハール「貴様ら…!俺様をおいて何をしていた!」
エトナ「殿下が新しい下僕欲しいって言ったじゃないですかー、召喚してきましたー」
シシリー「すっごく目が怖いんだよ!召喚に疲れちゃって私少しへろへろだけど…」
ラハール「う、うむ、なら少し休んでいていい、よくやった。…してその召喚されたのはどんな奴だ?目が怖いとなるとドラゴンか…魔人か…それとも…」
エトナ
「そいつです」
ラハール「魔人か!?」
フロン「いえいえラハールさん、今の「そいつ」はラハールさんの言葉に言ったわけじゃないんですよ、ズバリ!この方です!」ユビサシ!!
ラハール「んなっ!?なんだこいつは…こんな貧弱そうな雑魚を召喚してどうする、これならプリニーの方がマシだ!」
エトナ「いやー確かに何もできなそうですし、いわし一匹も払いたくないですねー」
フロン「エトナさん、ラハールさん、駄目ですよ?見かけだけで判断しちゃあ、ラハールさんだって魔王なのに良い人じゃないですか!」
ラハール「だ・れ・が!良い人だ馬鹿者!…とにかくそんなゾンビは別魔界にでも捨てて来い!!」
八幡「…さんざんな言われようだが、ここはどこなんだ?」
ラハール「っ!?こいつしゃべるのか!?」
エトナ「やだなー殿下、うちの者もしゃべるじゃないですかー」
ラハール「いやしかし俺様の下僕に比べて少し目が違うのでな…おい貴様!」
八幡「はい」
フロン「ぐぉおーとかじゃないです!すごいです!」
八幡(こいつらの下僕とやらは会話も出来ないのか・・・?)
ラハール「貴様はどんな力を持つ?その目の濁り方からしてさぞや悪行を重ねてきたのだろう?」
八幡「いや、何もしていない、この目は生まれつきだ、気にしないでくれ」
シシリー「お兄ちゃん!魔本に書いてあったんだけど、それって魔眼の事じゃないかな?確か相手を操れる魔眼とか痺れさせる魔眼とかあるって読んだよ!」
エトナ「あー、もしかしたらあの巨乳セレブ女の家系ってことですかねー、これは掘り出し物ですよ、殿下!」
フロン「あぁ~、セラフィーヌさんのご家族の方でしたか、ラハールさん、エトナさん、失礼な事しちゃだめですよ?」
ラハール「関係ない!むしろあの女魔王の血筋ならばなおの事俺様の下僕にしてやる!」
八幡「なんのことだかわからんが本当に俺は何もわからん」
八幡「ここはどこなんだ?なんで俺はここに来た?」
シシリー「ここはねー、魔王城だよ!」
ラハール「俺様の城だ!」
エトナ「クリチェフスコイ様の…いやー今は殿下の城で良いかー」
八幡「あー…魔王城ですか。」(すごい何言ってるかわかんね。)
八幡「それで、俺はどうしてここに…?」
フロン「それはですねー、ラハールさんがすごい部下が欲しいってわがままを言ったので…」
ラハール「わがままではない!!」
シシリー「私とフロンさんで魔法陣組んでー」
エトナ「あたしが条件を言って召喚したのよ」
ラハール「どんな条件を言えばこんな何も出来ない奴が召喚されるのだ!」
エトナ「やだなー殿下、寝る前に変なかっこして脳内ポエム垂れ流してる奴を探しただけですよー」
ラハール「馬鹿者!!そんな下僕誰も求めておらぬわ!」
エトナ「部下が欲しいっていうのは叶いましたね、殿下!」
ラハール「うるさいっ!!もうお前は黙っていろ!」
ラハール「こいつを元の場所へ戻すぞ、俺様には必要ない下僕だ。」
シシリー「ええーっ!せっかく頑張って召喚したのに…」
ラハール「ふんっ、俺様の下僕にそんな貧層で弱そうな奴はいらんっ!早く戻してやれ!」
フロン「でもラハールさん?私とシシリーさんはもうさっきの召喚で疲れてしまっていてですね…」
フロン「還す魔法陣を組めなそうなんですよね!」
ラハール「なんでそんな自慢気に言うのだ!!」
ラハール「ならプレネールの所に連れて行け!地球への転送ゲートに投げ捨ててこい!」
ゴードン「HAHAHA!!ラハールくん!それは無理だよ」
ジェニファー「そうねゴードン、私達がこちら側についてから地球側のゲートは閉じられたものね!」
カーチス「当たり前だ。地球勇者が魔王側に寝返ったんだ、地球からしたら脅威だからな、地球側のゲートは破壊された。」
ゴードン「HAHAHA!!僕らが悪以外に手を出すわけないのにねぇ!!HAHAHA!!」
ラハール「ならこやつはどうすればいいのだ!!」
エトナ「もう下僕でいいんじゃないですかー、探してみれば何か変な能力とかあるんじゃないですかー?」
ラハール「ふ、ふむ、そうだな、貴様の本当の力を見せてみろ、何かあれば下僕にしてやる」
八幡「いや、普通に何もねぇよ…。」
ラハール「隠す必要はない、下僕は主に隠し事をするな!」
フロン「まあまあラハールさん、こっちの不手際で召喚しちゃったんですから責任もって元の場所に戻してあげましょうよ」
エトナ「そうですよ殿下、元はと言えば殿下のせいですからね」
ラハール「き・さ・ま・ら・のせいだろうが!!ふん、俺様は知らん!」
エトナ「あーあー、クリチェフスコイ様ならこういう時なんとかしてくるんですけどねー、殿下じゃあまだ無理かぁー」
シシリー「お父さん優しいんだね!」
フロン「ラハールさんも優しいんですけど、なんていうかおおらかさが足りないんですよね」
ゴードン「HAHAHA!!ラハールくん!もうちょっと大人になった方がいいぞ!」
ジェニファー「そうねゴードン!あなたのようにねー!!!」
ラハール「貴様らうるさいぞ!!わかった!俺様がなんとかしてやる。何も出来ない貴様はトイレ掃除でもしていろ!」
ラハール「この魔王城では俺様以外全員俺様の下僕なのだ!はーっはっはっは!!」
エトナ「あのー、殿下…?」
シシリー「行っちゃった…」
八幡「行ったな…」
フロン「愛ですね」
エトナ/八幡「はぁ?」
フロン「ゾンビさんにとりあえずですがここにいても良いって言ってるんですよ。素直じゃないラハールさんらしい言い方ですけど」
シシリー「お兄ちゃん優しいね」
エトナ「とりあえずあんたは自由にしてていいわよ魔界のこと何もわかんないだろうし、魔王城の奴と話しでもしてきな」
八幡「はいよ」
広間へ
八幡「話してこいったって人がいねぇ…」
フロン「人ならいるじゃないですか!天使でも悪魔でも!」
八幡「魔界では天使も悪魔も"人"って言うのか?」
エトナ「まあ場合によるけどねぇ、まああんたは言葉が通じるんだから通じる奴は人として扱っていいんじゃない?」
八幡「お前も人で良いのか?」
エトナ「まあおっけーね、フロンちゃんも今は大天使だけど昔は…」
フロン「ちょ、ちょーっとストップですよエトナさん!!そういうのは言わなくてもいいんです!」
フロン「それと八幡さん?お前、では誰を指しているのかわかりにくいです!なので私の事はフロンと呼んでください」
エトナ「そうね、私もエトナでいいわ、殿下の事は魔王様とでも呼べばいいんじゃないかしら?」
エトナ「いきなり名前で呼んだらきっと切り殺されちゃうわよ」
八幡「すげぇ物騒だが魔王のイメージ通りだな」
フロン「天界でも魔王はすごい物騒な悪魔だって伝わってましたけど実際は違いましたよ」
フロン「エトナさんもラハールさんもみんな良い人でした!見た目だけで判断しきれないのは人も天使も悪魔も一緒です!」
フロン「きちんと話合えば、ラハールさんの良い所も見つかると思いますよ」
八幡(見かけだけで判断するな、人も同じ…か。)
八幡(傷つくのが怖くて深く関われなくて、相手の内面までは見きれない。)
八幡(関われたら…それが壊れるのが怖い…)
八幡(どうせ夢だ、夢なら、傷ついてもいい。)
八幡(起きたら全てが元通り、あくまでも俺の空想なんだから…)
フロン「あのー?何か落ち込んでます?」
八幡「いや、なんでもない。お、赤い髪したあいつ、人じゃないか?」
エトナ「あー、あの娘ね、行ってきたら?」
八幡「お前らは一緒に来ないのか?」
フロン「八幡さんが魔王城の人に慣れる第一歩ですからここで見守っていますよ」
エトナ「私は面白そうだからここで見とくわ」
八幡「そ、そうか」(女相手に一人で話しかけるとかナンパじゃね?これ?)
八幡「な、なぁそこに人」
???「やきぶた!!びっくりした、急に話かけないでよもう!!」
八幡「す、すまん。俺は今日この魔王城に来た八幡って言います、よろしくお願いします。」
プリエ「ああ、これはこれはご丁寧に、私はプリエ。」
八幡「服装から見るとシスターとかそういう職の方ですか?」
プリエ「あー、今はそうだね、悪魔祓いに来たんだけど手ごわくてな、諦めてここに住むこにしたんだ」
プリエ「ここにいりゃあ馬鹿な悪魔達が攻めてきてね、ラハール達が弱らせたとこでとどめだけもらうってわけよ」
プリエ「そうすると私の悪魔祓いポイントが増えていずれは聖女に…」
八幡(あくどい聖女だな…てか口悪い…)
プリエ「あんたは悪魔の気配しないね、人かい?呪われてたりすんのか?浄化なら得意だけどしようか」
八幡「目の事なら生まれつきです。」
プリエ「そうかい、それとあんた、ここではかたっくるしい話方してると舐められるか敵と疑われるかしちゃうぞ」
八幡「そ、そうか、気を付ける」
プリエ「まあ同じ人として困ったことがあったら手を貸してやるよ」
八幡「ああ、すまんな」
フロン「八幡さん、大丈夫でしたか?」
八幡「何も問題はなかったな、普通の人もいるって事に安心したまである」
エトナ「あの子、今は人だけど魔王だけどねー」
八幡「…は?」
エトナ「あの子が悲しんだり苦しんだり負の方向に心が揺らいだら魔王に変身すんのよ」
フロン「変身しすぎて今では自由に変身し放題らしいですよ!」
八幡「まじかよ…」
エトナ「変身して騒ぎになったら面白いと思って一人で行かせたけど何もなくてつまらなかったわー」
フロン「ち、ちがいますよ八幡さん、私は決して八幡さんが魔王プリエさんを見たときの反応がちょっと面白そうとかそんな事を
思ってたわけではなく…」
八幡「…次に行くか…」
転移ゲート前
八幡(青い髪に赤いリボン…少し露出が高い…)
八幡「は、話かけにくいな…」
フロン「ではでは行ってらっしゃい!」
八幡「またついて来ないのか」
エトナ「あんたが魔王城の人に慣れるためだって、いつ地球に戻れるかもわかんないんだから」
八幡「それはそうだけどな、やっぱりいきなり話しかけるのは…」
エトナ「冷やし中華ッ!!」
八幡(蹴られッ!!って俺空飛んでるよ、八幡空飛んでる)
プレネール「……大丈夫?」
八幡「…擦りむいたが大丈夫だ」
八幡「今日魔王城に来た八幡だ、能力は無い、よろしく」
プレネール「そう、私はプレネール。ここでゲート番と暗黒議会の議長をしているの」
八幡「ゲート番と議長?」
プレネール「あなたはきっと使わない事だから気にしないで」
八幡「そ、そうか。このゲートからは地球に行けないんだよな」
プレネール「あちら側のゲートが無くなってしまっているので不可能です」
プレネール「こちらから地球に向けて飛ばすのは可能ですが、それに必要な魔翌力が足りないです」
八幡「魔翌力…」
プレネール「これにたくさんの魔翌力を注げば1度だけ自由な世界に飛ぶことができます」
八幡「水晶玉か」
プレネール「あなたに必要な物だから…持ってて」
八幡「ああ、ありがとう」
プレネール「別の魔界に飛びたいなら言ってくれればゲートを開く」
プレネール「……またね」
エトナ「なんか普通よねー」
八幡「何言ってんだ、普通が一番だろ」
エトナ「プレネールには”さん”をつけたくなるのよねー」
フロン「あ、わかります、わかりますよその感覚!」
八幡「なんだそりゃ…次行くか…」
広間角
八幡「な、なあ、あそこの目立つ格好で3人で体育座りしてる奴らはなんだ…?」
フロン「ああ、あれはですね、虹レンジャーさん達ですよ!」
八幡「虹…?3人しかいないぞ」
エトナ「いいのよ別に。面倒だから話さない方がいいと思うわよ」
八幡「いや、魔王城は変な奴が多いんだろ?なら慣れておくためにも行ってくる」
赤「おや、君は…」
青「虹ブラック!生きていたのか!?」
八幡「ブラックって虹の中にねぇだろ、というか3人しかいないのに虹か…?」
赤「一時は7人いたのだが4人は就職してしまったのだ!!」
黄「本当にヒーローを目指していたのは僕らだけだったってわけさ」
青「就活に失敗したわけじゃないぞ!!」
八幡(同じグループの人が就職でバラバラになる。大人になるってのはそういうもんだ。)
八幡(きっと奉仕部もそうなる、大学が違えば連絡もしなくなっていく)
赤「だが彼らは戻ってくると信じているさ!彼らの心にはヒーローの4文字が輝いていたからね!」
八幡「…なんでそう言い切れるんだよ、そいつらはヒーローという夢じゃなくて安定した就職に、現実に行っただけだ」
八幡「あんたらはいつまでもここで待つのか…?待てるのか…?」
赤「…待てるさ」
八幡「どうしてだ…」
青「僕らは命をかけて悪と戦ったからさ!」
赤「全員が本気で敵にぶつかっていた、仲間同士喧嘩もあった、そうしてたらお互いの事を本当に理解できたんだ」
八幡「出来た気がしただけだろ、完璧な理解なんてできっこない」
黄「それでもいいんだよ、完璧なんてなくていいんだ。…もし彼らが戻ってこなくても僕たちは恨んだりしないしね」
赤「彼らが戻ってこなければ迎えに行けばいいのだ、誰かが行動しなければ何も起こらないものだからな!」
青「僕らが何もしてないのに悪が生まれるけどね」
赤青黄「「「まったく、ヒーローは忙しいぜ!!」」」
八幡「行動…か」
赤「して、君は誰だい?」
八幡「あ、ああすまん、俺は八幡、今日ここに飛ばされてきた者だ」
赤「そうか、困ったことがあればいつでも来るといい!ヒーローが力を貸してやる!」
八幡「ああ、よろしく頼む」
フロン「どうでしたかどうでしたか!かぁっこいいですよね!」
エトナ「なわけないでしょあのぼっち軍団」
八幡「ぼっち…?」
エトナ「あいつら虹レンジャーっつっても人数足りないでしょ」
エトナ「最初に会った時に足りない理由聞いたら友達がいなくて足りなかったらしいのよ」
フロン「後々お金で雇った人を数合わせで連れて来たこともありましたねぇ…」
八幡「でも一時は7人揃ったって聞いたぞ」
エトナ「3人から5人になって、7人揃って1人になって3人になったのよ」
八幡「よくわからんがあいつらも苦労してんだな…」
フロン「ヒーローに苦労は付き物なんですよ!」
フロン「私も一応ヒーローになれますからわかります!!」
八幡「日曜9時前のヒーローにもなれそうもない見た目してるけどな」
フロン「八幡さんも観てるのですか!?」
エトナ「はいはいフロンちゃん、今はその話はよそうねー」
フロン「あぁん、せっかくの同士との対談なのにー」
エトナ「ほら、とっとと行くよ」
八幡「あぁ…次行くか」
広間歩きつつ階段下へ
エトナ「私達と地球勇者組はもういいでしょ」
フロン「となれば後はあの3人ですね」
八幡「あの3人?というか他にはいいのか?」
フロン「今日いるのがこれだけなんですよ、みなさん色々と忙しいので」
エトナ「今残ってるのは後3馬鹿よ3馬鹿、会えばわかると思うわ、面倒だから私は遠くで見てるけど」
フロン「私も遠慮しておきますね」
八幡「なんかすごい不安なんだが」
エトナ「あ、あいつらよ、行ってらっしゃい」
ゼニスキー「なんだあお前、貧乏そうなツラして」
マデラス「やめなさい、きっと私達と同じようにラハール殿下の下僕にされた者でしょう」
アントワール「かわいそうに…」
八幡「ああ、まぁそうだ、八幡っていう、よろしく」
ゼニスキー「わしはゼニスキー、昔この城の宝を持ち逃げしたらラハール殿下にくだらない理由で奪われて下僕になった者じゃ」
八幡「お前が悪いじゃねぇか」
アントワール「なんて口のきき方を!」
八幡「…すまん」
八幡(意外と魔族に対する恐怖が薄れてきてるな、人の方が怖いまである)
マデラス「わたしはラハール殿下の前の魔王様の好物を盗み食いして追放された者だ。気づいたら殿下に下僕にされていた」
アントワール「あたくしはアントワール、エトナに喧嘩売ったら油断して負けてしまいまして、魔王城で捕虜にされました」
八幡「悪魔っぽい理由がアントワールさんにしかないのがなんとも言えないな」
ゼニスキー「お前さんはどうして下僕に?」
八幡「ラハールとやらが下僕を欲しがって(ry
マデラス「はっはっはっは!貴様のも馬鹿らしいではないか」
ゼニスキー「ベッドで変なかっこうで、ポエム。。。」
八幡「こいつらに馬鹿にされるのはおかしいと思うんだが」
アントワール「ま、まぁお互い不本意な下僕仲間ってことで何かあったら手を貸してあげるわ」
ゼニスキー「金は出さんがな!」
八幡「お、おう、ありがとな」
八幡(勝手に仲間にされたが悪い奴じゃなさそう…か?なんていうか…戸部みたいな感じ)
フロン「おかえりなさい!」
エトナ「なんか楽しそうだったじゃん」
八幡「まあ悪い気はしなかったな」
フロン「お友達もどんどん増えますね!」
エトナ「そろそろ殿下の所に行きましょ、さすがにあんたを戻す方法を何か思いついたっしょ」
八幡「意外と優秀なんだな」
フロン「優秀と言いますか…えーと」
エトナ「思いついただけで成功はしないと思うわよ、退屈もしないからいいけど」
八幡「すんごい不安なんだが…」
エトナ「ほら、早く行くわよ」
見てるぞ
ラハール「遅いぞ貴様ら!俺様を待たせるとはいい度胸だな」
フロン「私達何時に戻ってこいとか言われてましたっけ?」
八幡「いや、言われてないと思うぞ」
ラハール「何っ!?さっきプリニーに命令したんだが何をしてるんだあいつらぁ!」
エトナ「まあまあ殿下、あたしが後でたーっぷりお仕置きしておくんで。で、何かあったんですか?」
ラハール「ふん、よろこべ八幡、貴様を地球に帰してやる」
八幡「あ、ああ、悪いな。で、どうやるんだ?」
ラハール「貴様を隕石にくくりつけてだな…」
八幡「ま、まてまて、無理だ!魔族と一緒にするな、死んでしまう!」
ラハール「うるさいぞ!俺様に命令するな!!そうだ、ゴードンで試してやろう、あいつが無事地球に辿り着ければ問題なかろう」
ゴードン「い、いやーラハールくん、地球勇者といえどさすがに…」
ラハール「何ぃっ!貴様、それでも勇者か!」
エトナ「魔界の勇者とは違いますからねー、人間って貧弱なんですよ」
ラハール「ふむ、ならば俺様の話は終わりだ!メシにしろ!!」
エトナ「はいはい殿下、今すぐプリニーに作らせますねー」
八幡「待て待て、話を終わらせるな、まだこれがある」
ラハール「なんだ貴様、口の聞き方がなってないぞ、大魔王ラハール様、と呼べ!!」
フロン「いけませんよラハールさん、八幡さんがここにいるのはラハールさんのわがままのせいなんですから仲良くしてください!」
ラハール「いやしかし魔王としての威厳がだな…」
エトナ「今更威厳とか言われましてもー」
フロン「ラハールさんはもっと寛大さをですね…」
八幡「地球に伝わる魔王は心が広く、おおらかで何でも受け止めてくれる優しさととんでもない強さを持つと聞いていたから」
八幡「ラハールもそうだと思って接してしまった。すまない。」
ラハール「む、むむ、そ、そうか」
八幡「それで大魔王ラハール様、わたくしに提案が…」
ラハール「いや、ラハールでいい、それとその堅苦しい話し方はよせ」
八幡「良いのですか?」
ラハール「俺様が良いと言っているのだ!!普通にしろ!!」
八幡「あ、ああ。」
エトナ「ちょろいねー殿下」
フロン「ちょろいですねぇ」
ゴードン「HAHAHA!!それがラハールくんの良い所でもあるのだ」
ジェニファー「魔王さえも褒める勇者、素敵よゴードン」
ラハール「して、何か思いついたことがあるのだったな?」
八幡「ああ、プレネール…さんからこれをもらった」
ラハール「それは…ガラス玉か?」
八幡「ああ、なんでも魔翌力を貯めると1度だけ好きな場所に飛ばせるらしい」
ラハール「貸してみろ、俺様の魔翌力で終わりにしてやる!!」
エトナ「殿下の魔翌力なら余裕ね」
フロン「よかったですね八幡さん!これで帰れますよ!!」
ラハール「ふんっ!!…む、むむ…はぁ…!!」
フロン「す、すごい光ってます!」
ラハール「うらああ!!…ふむ、まぁ今日はここまでだな」
八幡「は?え、今日はって時間かかりそうなのか?」
エトナ「ちょっと貸してくださいよ殿下」
エトナ「あー、こりゃ私達じゃ無理そうね」
フロン「そんなにたくさん魔翌力が必要なんですか?」
エトナ「この玉に今数字が出てるでしょ?」
フロン「1%って出てますね」
エトナ「殿下が全力で魔翌力を注いでも必要な数値の1%しか集まらなかったってことでしょうね」
ラハール「そのガラス玉が壊れておるのだ!!」
フロン「ラハールさんですらそれだけって事は私達の魔翌力じゃあ1%も貯まらないかもですね!八幡さん、詰みました!!」
八幡「なんで嬉しそうなんだよ…」
エトナ「でも殿下が100日間毎日魔翌力をこめればいいって話だから詰んでもないわねー、ま、殿下ー、頑張ってくださいねー」
ラハール「100日もやる暇など俺様にはない!!」
八幡「だがラハールみたいな魔王でも1%となると他に頼れるのは…」
ラハール「奪えばいいのだ」
八幡「…え、と、言うと?」
ラハール「決まりだな八幡、明日から魔界を巡るぞ!!貴様らもついてこい!!」
エトナ「はいはい殿下ー、楽しませてくださいねー」
フロン「わあ、旅行ですか!久しぶりですね!!」
シシリー「んぅ、おにい・・・ちゃん・・・」
ラハール「起きろシシリー!明日から別魔界に行くぞ!!」
八幡「別魔界…っていうとここ以外の魔界に行くのか」
ラハール「そこでその魔界の魔王を下僕にしてそのガラス玉に魔翌力をこめる役割を与えてやるのだ!!」
エトナ「魔王でなくても魔王級の奴を99人集めればいいわけだから意外と早く済みそうね」
八幡「明日ラハールがこめれば98人ですむな」
ラハール「俺様が何故そんなことをせねばならんのだ、まぁ安心しろ、すぐに終わらせてやるからな!!安心しろ!!」
八幡「…期待しておくとするよ」
夕飯後、寄宿室
八幡(夕飯美味かった…)
八幡(魔界だからもっと変な食べ物くるかと思ったら意外にも和食だったな)
八幡(ラハールが気を使ったのか…?)
八幡(意外と良い奴…なんだな)
八幡(ほんの少しだけど、ああいう大人数で食べるのも悪くないと思えた)
八幡(騒がしいのは苦手だけど、嫌な心地ではなかった)
八幡「なんだろうな、この感じ…はぁ、寝るか」
突拍子もない展開、魔界の人たち
”変に”隠し事をしてる気配もない魔界の人たち
ここには俺を知る人もいない
少しだけ、少しだけだ、魔界も悪くないと思ってしまった
地球に戻りたくないわけではないが、戻って苦しむくらいなら…
馬鹿な事を考えるな、苦しい現実だって、俺の本物だ
だからこんな偽物に、魔界にすがっていい訳がない
でもこの魔界も現実なら、俺はどっちを取るだろうか。
そんな事を考えながら、魔界での初めての眠りについた。
ラハール「遅いぞ馬鹿者!!」
エトナ「殿下ー、朝から大声出さないでくださいよ」
シシリー「ピクニックだよピクニック!」
八幡「お、おう、遅れてすまない。それで、どんな魔界に行くんだ?」
フロン「それはですねー、最初ですし愛魔界のヴェルダイムにしましょう!」
八幡「愛…魔界?」
エトナ「あー、いいのいいの、フロンちゃんが勝手に言ってるだけだから」
シシリー「魔王ゼノンが治めていた国だね!天界でも有名な魔界だよ」
ラハール「あのバカップルの所か、まぁいい、魔王級な奴が数人いるからな、手こずるだろうが問題なかろう」
フロン「け、喧嘩は駄目ですよ!まずは話合いを…」
ラハール「そんな事してる暇はないっ!!」
フロン「な、なら多数決にしましょう!話し合いが良い人!」
フロン「私とシシリーさんと八幡さんですね、はい、話し合い決定です」
八幡「まぁ戦いになったら俺が足手まといだから」
ラハール「貴様一人くらいのハンデ、俺様にはどうってことないのだがな」
エトナ「でも話し合いでどうにもならなければぶっとばしていいんでしょ?」
フロン「それはもちろんおっけーです!」
シシリー「おっけーなんだ!!」
フロン「人の助けを理由もなしに面倒だからという輩には愛の鉄拳が必要ですから!」
フロン「でもまずは話し合いですよ?助けてくれない時にも1度理由を聞いてから…」
ラハール「面倒だ、断られたら理由なんぞ聞かずにぶっとばす、これでいい」
八幡「なんか心強いけど、…当人である俺が頼んでみるよ」
ラハール「危険だが貴様がやるというなら見ててやろう」
ラハール「では皆の者!行くぞ!!」
プレネール「…おはよう」
八幡「おはよう。…眠いのか?」
プレネール「……別に普通。そこに飛び込んで」
ラハール「うむ、ごくろう!では行くぞ!!」
八幡(光に入ると一瞬で空気が変わった)
八幡「ここが…ヴェルダイムか」
エトナ「そうね、久しぶりに弟子に会えるわ」
八幡「弟子?」
ラハール「ふん、今から行く村にエトナの弟子がいる」
フロン「村ですけど魔王級の人たちが集まってるんですよ」
八幡「それは期待できそうだが恐ろしい村だな」
ラハール「平和すぎてつまらん村だ」
エトナ「ロザリンなら殿下よりも多い魔翌力こめれそうだから期待していいと思うわ」
シシリー「お兄ちゃんより強いの?すごーい!」
ラハール「魔翌力が多いだけだ!!俺様より強いはずがないだろう!!」
アデル「お前ら…久しぶりだな」
ラハール「ふん、貴様らは相変わらずバカップルしているのか?」
アデル「っっ!?お前、いきなり聞くことがそれか…」
フロン「愛ですね!良い愛の波動を感じます!」
アデル「そんでどうしたよ、お前らが揃ってここに来るなんてよ」
ラハール「うむ、貴様らを俺様の下僕にしてやろうと…」
フロン「違いますよ!この方を見て下さい」
アデル「ゾンビか!?…なるほど、お前らが手におえないゾンビを俺に倒して欲しいって事か…!」
エトナ「あー、こいつも基本馬鹿だったわー」
八幡「まてまて待ってくれ、俺は人だ、人間だ!」
アデル「人間…?そんな奴がなんでこいつらと一緒に…」
八幡「えーと、説明すると長くなるんだが…」
アデル「長くなるなら中で話そう、お前らもついてこい」
ラハール「俺様に命令するな!!…相変わらず失礼な奴め」
ロザリンド「アデルぅ!おかえりなさい!」
アデル「ああ、ただいまロザリンド」
エトナ「あー、あたしハナコと遊んでくるわー」
ラハール「待て、俺様も一緒に行くぞ!!」
八幡「どうしたんだあいつら」
フロン「ラハールさん達は愛に慣れてないんですよ」
八幡「俺も慣れてないんだが」
フロン「愛は認められるかどうかですからね!否定してしまってはいつまでも慣れませんよ?」
八幡(認める…)
八幡(わかっていても、2つは取れない。どちらかの愛に答えたらどちらかは…)
ロザリンド「して、懐かしい顔ぶれじゃが、新顔もいるようじゃな、誰じゃ?」
八幡「っえっと、八幡って言います、それで、その」
ママ「あらあら、慌てなくていいのよ」
ママ「何かあって来たんでしょうけど大抵の事はロザリンドちゃんとアデルちゃんがなんとかしてくれるから」
ママ「安心して話ちゃうといいわぁ~」
八幡「それでだな、…少し長くなるんだが」
フロン「かくかくうまうまです!!」
ロザリンド「まるまるしかしかってわけじゃな!!」
八幡(それで伝わるのか…)
ロザリンド「ならばアデル、力を貸してやろうではないか」
アデル「そうだな、でもロザリンド、そんなにたくさん魔翌力を注ぐのは駄目だ」
ロザリンド「何故じゃ?」
アデル「村に何かあった時に俺とお前しか守れる力を持っている奴はいないんだ、だからこめる魔翌力は半分くらいにしておこう」
八幡「すまん、ありがとう」
アデル「いいさ、半分こめるけど必要な量が足りなかったら泊まって行けよ、ハナコやタロウの遊び相手にでもなってくれ」
ロザリンド「そんな目をしていてもこの村なら大丈夫じゃろうしな、くく、楽しんでまいれ」
シシリー「私は二人の話聞きたいなぁ!」
ロザリンド「そ、そうかえ?なら私とアデルのなれ初めの話をだな…」
フロン「私もまた聞きたいところですけど、遊びに行きましょう、八幡さん、行きますよ!」
八幡「ここで見てなくていいのか」
アデル「気にすんなよ、行って来い」
八幡「あ、ああ」
フロン「八幡さん、よかったですね、3人分の力が集まりましたね!」
八幡「3人?ああ、ラハールとアデルとロザリンドの魔翌力って事か」
フロン「違いますよ!アデルさんとロザリンドさんとママさんの分です」
八幡「あの人そんなに強いのか、意外だ」
フロン「昔エトナさんが召喚された事もありますからね」
八幡「そんなことが…お、ラハール達だ、何やってんだ?」
ラハール「ふんっ!はっ!…当たらん」
雪丸「力任せでは当てる事はできませんよ、必要なのは予測です」
斧雪「それに広い範囲に技を撃つのもよかろう」
雪兄妹「「最強魔王を目指すなら色々な力の使い方を覚えるとよい!!」」
エトナ「殿下ー、あたしの槍も当たらないですよー、セクシービームも無駄だし、あんのムッツリめぇ…!」
フロン「組手ですかねー」
八幡「あれで組手なのか…魔族ってのはわからねぇな」
フロン「木を足場に上手く戦ってますねー」
フロン「あそこ一帯で起こった出来事は全て元通りになる結界が組んであるってロザリンドさんが昔言ってましたから」
八幡「すげぇ技術だな、それ」
八幡「さっきからプリニー飛ばしたり隕石飛ばしてるけど全然当たってないな」
フロン「お二人は忍者ですからねぇ、あのお二人も魔王級に強いですし」
八幡「ならあいつらにも魔翌力を貯める為に手を貸してもらいたいな」
フロン「今は無理じゃないですかね、夢中になってますし」
ハナコ「うん、ずっとたたかってるよー」
タロウ「僕達ほったらかしだね」
フロン「あらら…まぁお二人とも戦うのが好きなんですよねぇ…」
ハナコ「もう遊ぶのはいいけど暗くなる前に帰りたいよ」
八幡「帰ればいいんじゃないのか?」
タロウ「雪丸さんと斧雪さん連れて帰らないと迷子になっちゃうから」
八幡「そうか…ならこの戦いが終わればいいんだな」
フロン「邪魔したらラハールさん怒りますよ、それにエトナさんはもっと怒りますよ」
八幡「邪魔はしねぇよ、勝たせるんだ、魔王様をな」
ラハール「エトナ、そっち行ったぞ!」
エトナ「え、あ、あー!」
八幡(お互い協力する気はあるみたいだがかみ合っていない)
八幡(2人相手に戦う事自体は問題なさそうだが協力するとなると頭が戦況整理できないのだろう)
八幡「エトナ!プリニーで地面を覆いつくせ、降りてきたらそいつら捕まえさせろ!」
雪丸「降りなきゃいいだけの話っ、まるで的外れ」
エトナ「どうせ他に出来そうな事ないし…いってきなープリニーども!」
ラハール「……」
八幡(戦闘中によそ見かよ魔王様、大丈夫、ラハールにも見せ場は作ってある)
八幡「ラハール!エトナと一緒にさっきよりでかい隕石呼んでぶつけろ!」
八幡(一人でも結構な大きさの隕石を呼べるんだから、二人なら…どうだ)
ラハール「俺様に命令するな馬鹿者!!!」
斧雪「これはっ!?」
雪丸「避けられるサイズではないっ・・・地面に潜ることも出来ない…なるほど、これは…」
雪兄妹「「ナイスコンビネーション…」」
八幡(大きな音、地面のゆれ、俺の初めての体験がまた増えてしまった、が)
ラハール「まったく、余計な事をしおって!!……だが感謝する」
エトナ「殿下との協力技かー、悪くなかったかな」
八幡(こういう体験は悪いとは思わない・・・な)
フロン「エトナさんエトナさん!技名はなんですか!」
エトナ「なんでもいいわよ、そんなの」
フロン「じゃあ極炎インパクトでどうです!!かぁっこいいでしょう!そうでしょう!?」
エトナ「あーはいはい、それでいいわよもう」
ラハール「何をしている、行くぞ!」
八幡「ああ」
アデル「おかえり、ほらよ」
八幡「あ、ああ、ありがとう」
ロザリンド「しかしすごい燃費の悪い玉じゃのう、3人分こめても6%にしかならんかった」
八幡「6%…ってことは5%も貯めてくれたのか」
アデル「俺は1%しかためらんなかったけどな、むきになってたくさんこめたってのに全然駄目だった」
八幡「いや、十分だ、ありがとう」
ラハール「もう用はすんだな、なら次の魔界へ行くとするぞ!!」
アデル「まてまて、もう夜も遅いし泊まっていけよ」
雪丸「話は察しました。私達の魔翌力もこめましょう」
斧雪「そうだな、面白い技を見せてくれた礼だ」
ラハール「ふん、なら今夜だけ泊まってやろう、美味い飯もセットでな!!」
ママ「はいはいまかせてね」
ハナコ「わ~い、みんなでお夕飯~、お風呂~」
シシリー「わぁい!お夕飯づくり手伝いますー!」
八幡(2日目も濃い1日だった)
八幡(魔物だらけの村でのラハールとエトナの協力、忍者…)
八幡(愛を認める…どうすればいいんだろうか)
八幡(現実に…地球に戻る…)
八幡(正しいことだよな…うん)
八幡(この日俺は魔界で初めての夢を見た)
八幡(デビルバスターのアデルがロザリンドを殺そうとし、気付いたら愛し、それでも運命的に殺さなければならなくなってしまう夢)
八幡(運命に遊ばれたアデルとロザリンド…それでも最後はハッピーエンドだった)
八幡(こんな結末な物語ならなんて幸せだろう)
八幡(俺の人生もハッピーエンドを迎える事ができるだろうか、なんて柄にもないことを思って…)
八幡(目が覚めたら、泣いていた)
アデル「おはよう、朝飯は食ってくよな」
八幡「あ、ああ」
アデル「どうした?顔色悪いぞ」
八幡「な、なあ、お前とロザリンド、昔戦ったこと、あるか?」
アデル「…なぜそれを聞く?何か聞いたのか」
八幡「いや、夢を見た、すごくリアルな夢でな、お前とロザリンドが争って」
八幡「色々あったが最後はハッピーエンドだったよ」
アデル「…そうか。きっとお前のガラス玉に貯めた俺とロザリンドの魔翌力がそういうのを見せたんだろうな」
アデル「強い魔翌力には強い想いも宿るからな」
八幡「そうか、なんか悪いな、見ちまって」
アデル「かまわねぇよ!ハッピーエンドだったんだろ?」
八幡「ああ、二人ともすげぇ…笑ってた」
アデル「そうか、なら問題ないな、みんなが起きるまで適当に過ごしてろよ、俺は朝飯作ってくっから」
八幡(愛とは何かを知った気がする)
八幡(でもこの愛は俺のとは違う)
八幡(一人からの愛にもう一人が答えただけだ)
八幡(それなら問題ないんだ、でも俺はきっとどちらも…)
八幡(いや、やめておこう。二人とも好きなんて、そんな事許されるわけがない。思うだけならまだしもそれを口にしてしまえば、俺は…)
八幡「自分が許せなくなる」
ラハール「何が許せないのだ」
八幡「ラハール!?いつから」
ラハール「貴様が下ばかり見ていたのでな、気になって俺様がわざわざ声をかけてやったのだ、感謝しろ」
ラハール「それでどうしたというのだ、自分が許せなくなるとはなんだ」
八幡「すまん…いつか話す……」
八幡(俺様に隠し事するなっ!!…あれ…?)
ラハール「そうか、ならいつまでも待っていてやる、話したくなったら話すといい」
八幡「あ、ああ」
ラハール「だがな、自分が壊れる前に話せ、それだけは約束しろ、八幡」
ハナコ「いってらっしゃいー」
アデル「また遊びに来いよ!」
ラハール「貴様らが俺様の魔王城に来るのだ!俺様の足を煩わせるな」
ロザリンド「くっく、気が向いたらアデルと行くとしよう、新婚旅行にな…!」
エトナ「あーウザいんで早く転送してくださーい」
シシリー「すごい、結婚だって!結婚!」
フロン「すさまじい愛パワーです!!」
八幡「色々世話になった、ありがとう」
八幡(ロザリンドとアデルとママさんの描く△の魔翌力線)
八幡(それに囲まれ、俺達は…ヴェルダイムを後にした)
おもしろい
ディスガイア+俺ガイルとか俺得
ラハールはなんだかんだお人好しだしな
エトナ「さーて面倒な世界に来たわね」
フロン「そうですねぇ…」
ラハール「ふんっ!とっとと終わらせるぞ」
シシリー「何が面倒なのー?」
エトナ「そうねー、シシリーちゃんは不良ね」
シシリー「へ?」
フロン「ここはそういう所なんです…私も大天使なのに不良ですよ!」
ラハール「俺様は最強の優等生らしいがな!!」
シシリー「へ?え?」
八幡「なるほど、そういう世界か、俺は…不良になるな多分」
エトナ「ま、どっちでもいいでしょ、入学するわけでもないしね」
フロン「ではみなさん、行きますよ、魔翌立邪悪学園へ」
>>17 >>36ありがとう
>>37ディスガイルです
>>38後日談があるから優しさがきわだつのがディスガイアの良い所
付け忘れ過ぎてトリップ忘れたので新しくつけました。
たまに本人確認用につけますが基本つけないです。
ラハール「ほう、見覚えのある不良がいるな」
八幡「校門掃除したら不良扱いとかひどい学園だな」
フロン「そういう所なんですよ…ゴミを拾ったら懲罰を受けます」
シシリー「何それひどいっ!?」
エトナ「正直フロンちゃんとシシリーちゃんは足を引っ張っちゃうわねー」
ラハール「問題ない、俺様が貴様らの何倍も優等生をすればいいだけだからな!」
ラズベリル「あんた達!ひっさしぶりじゃないっ!」
フロン「お久しぶりです!ラズベリルさん」
ラズベリル「不良娘が学園に顔を出すなんて珍しいねぇ」
ラハール「今日は貴様らに用があって来たのだ、魔王級の力を持つ奴を全員集めろ」
ラズベリル「なんだい、何か優等生的なことしようってんなら手は貸せないよ」
ラハール「こいつが助けて欲しいそうなのだ、困ってる人を助けるのは不良のやることだろう?」
ラズベリル「そうだよ!あたいは助けるけど優等生の奴らなら困ってる人を見たらツバを吐きかけるね!」
ラズベリル「この学園を裏からささえる凶師に任せな!すぐにでも魔王級の奴らを集めてやるよ!!」
体育館
八幡「ずいぶんと人が多いな」
ラハール「暑苦しくてかなわんぞ」
ラズベリル「で、何をすればいいんだい?」
シシリー「知らないのに集めちゃったんだ!すごいカリスマ!!」
フロン「えーと、かくかくしかじかです」
ラズベリル「まるまるうまうまってわけね、まかせな!」
ラズベリル「おい、お前ら!暑いか!暑いよなぁ!この玉に魔翌力をこめて%を増やせた奴から帰っていいぞ!」
ラズベリル「増やせない奴は勉凶だあ!」
八幡(言うと共に数人が並んだ)
八幡(並ぶとは律儀だな)
八幡(いやしかし…)
八幡(個性的な奴が多い…)
ラズベリル「変な奴が多いって顔してんね、まぁそのとおりなんだけどね
ラズベリル「十紳士っつーアタイ達の敵だった変態どもを捕虜にしてるから変な奴が多いんだ」
チャンプル「食堂の方が夏のカレー鍋みたいだから蒸しパンですがああああぁんむ!」
チャンプル「元生屠のラズベリータルトゥちゃんのお願いだから聞いてあげますぅううんむ!」
ラズベリル「あいよー、昼食が間に合わないと暴動になるからすぐもどってねー」
ラズベリル「そういや魔人学園の方は行かないのかい?」
八幡「もう一つ学園があるのか」
エトナ「いくつかあるわよー、出番欲しさにいくつか襲った覚えがあるわ」
八幡「出番って…」
ラハール「こんな魔界に何日もいられるか!!」
フロン「これだけ人がいたら大丈夫だと思いますよ、わたしもここに長居するのは少し…」
シシリー「すっごい見られてたもんね!!」
ラズベリル「そうかい、なら魔王級は後6人ってとこかね、アタイの子分どもには寝る前にやってもらうよ」
八幡「すまない、助かる」
ラズベリル「良いんだよ!アタイはこの学園を唯一卒業した不良だからね!」
八幡「退学の間違いじゃないのか…」
ラズベリル「そんじゃあんたら、アタイについてきな!」
エトナ「あたしたちはここでバスケでもしてるからいってきなー」
ラハール「ふん、あの網に玉を入れればいいのだろう?やってやろう」
フロン「エトナさん、空飛んじゃ駄目ですよ?」
シシリー「お兄ちゃんがジャンプしたら届いちゃうからジャンプも禁止にしよう?」
ラズベリル「ついてくる気があるのはあんただけみたいだね」
八幡「ああ…、よろしく頼む」
理事長室
ラズベリル「マオー、いるー?」
マオ「なんだベリル、俺は今ドラク○10のレベル解放と土曜の週課で忙しいのだが」
ラズベリル「週課なら週の始めにやっときなよ、まー邪魔はしないさ、このガラス玉に魔翌力をこめて欲しいんだ」
マオ「ほお、めずらしい物を持っているな、少し改造させてくれるならやってやる」
ラズベリル「借り物だから駄目だよ!!」
八幡「あー、改造されても効果が変わらないなら別にいいが」
マオ「それは保障できんな」
八幡「なら無理だ」
マオ「ならば何故ここに来たのだ!存在の改造のお願いか!!」
八幡「違う、この玉に魔翌力をこめて欲しいだけだ」
ラズベリル「理由はかくかくうまうまさっ!」
マオ「まるまるとなかいとなかいか、なら改造は良い、だが少し研究材料として見せてくれ」
八幡「まあそれなら良いが、だが今からこの学園の魔王級にも声をかけるつもりなんだが」
マオ「なら呼べばいいじゃないか、わざわざ出向くなんてあ・り・えん!!」
アルマース「それでボクらが呼ばれたと」
マオ「ああ、ついでにサファイアも呼んだぞ」
サファイア「ワシを呼び出すとはついに殺し合いかと思ったが…」
サファイア「逢引の手伝いとは気がきくではないかぁ!」
マオ「馬鹿はほっといて要件だけ言う、この玉に魔翌力をこめろ」
アルマース「何か困り事かい?」
マオ「ああ、困っている、助けてくれ」
アルマース「おっけーわかったよ」
サファイア「アルマースや、そちが手を貸すと言うならワシも手を貸そう」
八幡「そんな簡単に引き受けるのか、理由も聞かずに?」
アルマース「当たり前だろ、友達が困ってるんだ」
八幡「いやしかしそいつは困ってないぞ、困ってるのは俺だ」
アルマース「…マオが困ってない事くらいわかってたけどね、お願いされたから手を貸すんだ」
サファイア「不服そうな顔じゃな?」
八幡「ああ、友達いたことなくてな」
サファイア「アルマースの昔はとても自己中心的で見てられない横暴な人間だった」
サファイア「マオは罠にかけられた人生を送りながらココロを閉ざしておった」
サファイア「でもな、長い時間ぶつかりあった結果、お互いがお互いを知ったのじゃ」
アルマース「マオのココロが閉じていた理由も最初は理解できなかったけど、気付いたらわかってた」
アルマース「上手く言えないな…時間が理解させてくれた…みたいな」
マオ「長い時間付き合えば、言動や行動からある程度の理解は出来る、だが本質はそこだけではないのだ」
ラズベリル「なんだいみんな、アタイみたいな真面目な会話しちゃって」
マオ「理解できないからとすぐに眉間にシワがよるようではわからないかもしれんがな…」
マオ「無駄話はもういいな、すぐに魔翌力をこめてくぞ」
八幡「…ありがとう……」
八幡(長い時間一緒にいれば…)
八幡(言動や行動からの理解なら俺にもできた…出来たが…)
八幡(本質が何か教えないのは意地悪なのだろうか)
八幡(マオが答えをわかってないから教えないだけだと思ってしまう俺は…)
八幡(きっと間違っているだろう)
八幡(このお互いを本当に理解しているであろう光景が…)
八幡(俺の望んでいる理想に近いからこそ……)
八幡(とても嫉妬した)
マオ「終わったぞ…少し調べた結果、この玉は1度しか使用できない他に1つ制約があった」
八幡「なんだ?」
マオ「同じ魔翌力は注げない、だ」
ラズベリル「1度でも魔翌力をこめた奴はもうこめられないってことだね、まあ疲れるからそんなにやろうと思わないだろうけどね」
サファイア「あー、ワシはもう帰っていいかえ?アルマースとの子供のことが心配で心配で…」
アルマース「ボ、ボクの!?勇者だけどそんなにおいしい事なかったのに!?」
マオ「処女懐胎ならぬ童貞懐胎か、恐れ入るぞ勇者、はっはっは!!」
アルマース「ちょっとマオ!ボボボ、ボクが、その初めてがまだってなんでわかるのさ!!」
マオ「わからんが地球では草食男子が流行っているらしいのでな、流行りに乗るのが好きなお前はきっと草食男子しているのだろう」
アルマース「流行ってないよ別に!」
サファイア「気にしているならワシと一緒に宿屋に泊って、夜明けに店主に「ゆうべはおた…」」
アルマース「そういうのいいから!!ボ、ボクはもう帰るよ、またね!!」
サファイア「あ、ああ!ワシも一緒に~!」
マオ「ふぅ、行ったか」
ラズベリル「やっぱり少しは寂しいのかい?」
マオ「まさか…たまにだがあいつから連絡が来る」
ラズベリル「へぇ、わざわざなんかあるのかい」
マオ「いや、俺に似合う服が売っていたとか、ゲームに手を出したいがおすすめは、とかだ」
ラズベリル「ふぅ~ん、いいねぇ…」
マオ「ふん、用が終わったならもう行け」
ラズベリル「あいよっ!ありがとね、マオ!」
八幡「マオのおかげですごい貯まった、本当にありがとう」
マオ「ふん、本質がわからず停滞したらまた来い、思考の停滞は死と同じだからな」
八幡「…ああ」
ラズベリル「後はアタイの部下と極上のサルバトーレにでも声をかけとくよ、この玉は借りてくよ」
八幡「ああ、よろしく頼む」
マオ「待て」
ラズベリル「マオ!!あんた部屋から出るとは何する気だい!?」
マオ「オーラムの所で命令してくる」
ラズベリル「あ、ああ、アタイらは会えないからマオに任せる事になるけど…いいのかい?」
マオ「問題ない、俺の心はもう…開いているからな」
八幡(心を開く…)
八幡(難しいことだけど、自分にそれが出来たらどんなに楽だろうか)
八幡(相手に開いてもらえたら、どんなに楽だろうか)
八幡(どうすればいいのかを考えるのではなく)
八幡(今夜の夢でどうやってこんな関係になれるかの答えが見られる事を希望している俺は…)
八幡(優等生だな、まったく)
体育館
ラハール「ぜぇ…はぁ…入らん!!」
エトナ「殿下ー、ジャンプしてもいいですよーもう」
フロン「そうですよ、1球入れたら終わりって言ってからもう100球はうってますよ」
フロン「シシリーさんは寝ちゃってますし」
八幡「戻ったぞー、何やってんだ?」
ラハール「バスケだ」
エトナ「シュートね」
フロン「ジャンプ禁止です!」
八幡「ジャンプって宙に浮いてることを言うんだよな?」
フロン「え、ええ、まあそうなりますね」
八幡「ならこの足元の床ごとジャンプすれば地に足ついてる扱いなんじゃないか?」
ラハール「何っ!?そうなのか!」
エトナ「いやー、それはどうかと思うけど」
ラハール「ふんっ!…はぁっ!!」
ラハール「入った!入ったぞ!!どうだ見たことか!!」
八幡「よかったなラハール」
八幡(まじかよやっぱすげぇな魔王)
ラズベリル「あーあー!何やってんだい!あんたら全員優等生みたいなことして!!」
フロン「優等生!優等生ですって!」
ラハール「もともと俺様は優等生だ!」
エトナ「あたしもですー」
ラズベリル「まー体育なんてアタイ以外誰も参加してなかったくらいだからいいけどさ!」
ラズベリル「今日は泊まってくだろう?ここで寝てもらうつもりだったんだけど」
ラハール「問題ないが美味い飯だけは用意しろ」
ラズベリル「床の穴に落ちないようにな!夕飯は悪いけど食堂まで来てくれよな!」
八幡「おう、色々と迷惑かけてすまんな」
ラズベリル「迷惑だなんてそんなこと思っちゃいないよ、楽しいじゃないか!」
八幡「そ、そうか」
八幡(3日目の夜は少し遅く寝ることにした)
八幡(マオ達の過去を覗くような真似をするのはやはり悪い気がしたからだ)
八幡(なんだかんだアルマース達も夕飯にいたしな、賑やかだったな)
八幡(魔界に来てから静かに飯を食った覚えないな)
八幡(俺の理想に近い関係だと思って見ていたら)
八幡(こいつらの…ラハール達の関係も…理想的なんだ)
八幡(エトナが雪ノ下で、フロンが由比ヶ浜で、シシリーが…小町に見せかけて一色か)
八幡(そうなると俺がラハール…ならシシリー役は小町だな)
八幡(そんなことを考えて、気付いたらまた…)
八幡(夢の中)
八幡(マオは一番身近な人に裏切られた)
八幡(人生そのものが仕組まれた物だった)
八幡(アルマースは勇者に憧れて、自分は勇者だと嘘をついた)
八幡(自己中心的でマオに対しても魔王だからという理由で敵意むき出し)
八幡(でもマオの本心を最初に理解したのはアルマースだった)
八幡(内心ではマオを馬鹿にしていたのに、アルマースが一番早くマオを理解した)
八幡(本質は…)
八幡(ラズベリルは良い事をするのが大好きな娘だ)
八幡(周りの空気を読んで行動しながら自分の好きな事もやれる、なんて素敵な生き方だろう)
八幡(普通はどちらかしか出来ないのに、どうして彼女はこうも輝いた生き方が出来るのだろう)
八幡(わかってきた…本質)
八幡(サファイアもアルマースと同じように魔物というだけで喧嘩を吹っ掛けるお姫様)
八幡(自分勝手に見れるが自分を高める為にガマンしてきた結果が条件反射での先手必勝)
八幡(悲しい時に泣けない彼女はどんなにつらい想いをしてきたのか、その気持ちに気づいたアルマースは偽物の勇者とは思えない)
八幡(本質は…)
八幡「ココロを理解しようとすること…か」
八幡(俺も葉山に敵意を向けられて…俺からも向けて…)
八幡(それじゃ駄目なんだ…あいつらとは違う)
八幡(敵意に敵意をぶつけながら、直接的な交戦を避けている俺たちはきっと…違う)
八幡(マオが心を開けたのも、アルマースがいまだに胸を張っていられるのも)
八幡(ラズベリルがやりたいことして楽しく生きているのも、サファイアが今笑っていられるのも)
八幡(”仲間”がいるからなんだ)
八幡(俺が今仲間と言えるのは奉仕部の関係者達だけだ…)
八幡(でももう少し、もう少しだけ視野を広げれば)
八幡(俺の関わった人はたくさんいる)
八幡(理解した気になって壊した関係も遠ざけている関係も…)
八幡(しっかり理解すれば、相手の言葉や行動だけで判断せずに…もっと、その、なんだ)
八幡「ココロを理解すれば…良い結果が…」
ラハール「何を言っている、ココロの理解に良い結果のみを求めるな馬鹿者!」
八幡「っ!?聞いていたのか」
ラハール「俺様は早起きなのだ。…それでな八幡よ、ココロの理解は難しい」
八幡「ああ、俺も今それで悩んでいる」
ラハール「それでいいのだ、俺様も悩んだことがある」
八幡「ラハールがか!?」
ラハール「怒るぞ貴様!…まあ悩みに悩んで上手くいかずにフロンもエトナも危険な目に合わせてしまってな」
八幡「そうか…それでラハールはどうしたんだ」
ラハール「何もしておらん、俺様の気持ちとやらをぶつけたのだ、拳と一緒にあのクソ大天使の奴にな」
ラハール「俺様の本気にあやつも慈悲をかけやがってな、フロンは1度堕天してしまったが今は元気だ」
ラハール「ココロの理解は俺様も完璧にはわかっておらん」
ラハール「だがな、言いたいことは言う、これだけで大分変わるものだ」
ラハール「八幡よ、貴様が何で悩んでいるかは知らん、だがココロの理解を求めているならば、良い結果だけを想像してはだめなのだ」
ラハール「ココロを理解して傷つき、そして良い結果になる」
ラハール「この”傷つき”を蔑ろにしてしまっては見せかけの良い結果にしかならんぞ」
ラハール「ふんっ、らしくない話をしたな、朝食を取ったら出発だ」
ラハール「その腑抜けた顔を洗ってすぐに来るがいい、はーっはっはっは!」
八幡「ラハール…俺は……俺に・・・・出来るか…な」
ラハール「出来るさ馬鹿者、貴様は俺様の下僕なのだぞ…」
ラハール(ふん、聞こえていないだろうがな)
ラズベリル「そんじゃーまた遊びに来いよ!」
ラハール「ふんっ、誰がこんな面倒なとこに来るか!貴様らが俺様の城に来い!」
フロン「修学旅行におすすめですよー」
ラズベリル「おおいいねぇ!邪魔しにいくよ!」
エトナ「プリニーは自前ので頼むわね」
シシリー「優等生さんがいっぱい来たら後のお掃除大変そうだよお」
ラズベリル「アタイがちゃんと指揮するから問題ないさ!それじゃね!」
八幡「ありがとう、色々と、助かった」
マオ「ふん、ずいぶんと早い理解だことだ」
八幡「わかっちまうか」
マオ「ああ、少しだけ下向きな姿勢が直ったな」
フロン「ほ、本当です!いつもより体がまっすぐです!」
八幡「マオ、またここに来てもいいか?」
マオ「ゲームの相手か漫画の話相手ならいいだろう、面倒な事は嫌だがな」
八幡「ああ、また来るよ、ありがとな」
八幡(マオとラズベリルとアルマースとサファイアの作る□の魔翌力線が俺達の周りを回り、光と共に俺たちは消え去った)
八幡(少しズルだけど、マオ達の事を理解できた)
八幡(マオもきっと俺の事見透かしてんだろうな)
八幡(心を見透かされたってのに嫌な気分じゃない)
八幡(これが、よくわからないけど…友達って奴なのか?)
八幡(俺は戸塚に対しても少し壁を作っていたがそれを壊せれば)
八幡(こんなにすっきりした心で生きれるだろうか)
八幡(地球に戻ったらやることが増えたな、まったく)
八幡(柄でもないが…学校に行くのが楽しみだ)
魔界下層区
ラハール「ふむ、次はここか」
八幡「少し汗臭いな」
エトナ「ここはプリニーの教育施設だからねー、さっきまで何かやらせてたんでしょ」
シシリー「プリちゃんかわいそう」
フロン「ここの主のヴァルバトーゼさんは優しい方ですからプリニーさんにもとても良い待遇をしてますよ」
シシリー「なんだぁよかったあ!!」
フェンリッヒ「なんだお前らあ、また来たのか」
ラハール「”来てやった”のだ、感謝しろ犬」
フェンリッヒ「なんだと貴様ぁあ!!」
フロン「ちょちょちょーっと喧嘩はやめましょうよ!」
シシリー「犬?わんちゃんなの?」
八幡「スリッパ履いてるのはギャグなのか?」
フェンリッヒ「スリッパの何が悪いのだ、貴様もスリッパ詐欺とか言うのか!」
八幡「言わねぇよ…てかなんだよその詐欺、新しい手口の詐欺かよ、魔界怖い」
エトナ「まーちゃっちゃとあんたの飼い主呼んでくれるかしら」
エトナ「あんまり待たされるとこの辺とかその辺とかあっちとか”ぶっっこわして遊びたくなるんだけどー」
フェンリッヒ「ッチッ!!ここで待っていろ」
ヴァルバトーゼ「呼ばれて来てみればなんとやらだな」
ラハール「久しいな暴君、吸血魔王よ」
ヴァルバトーゼ「ラハールか、ずいぶんと久しぶりに見る、お前の所のプリニーは元気か?サボり等があるならぜひ1度うちにあず」
ラハール「そんなことのためにここに来たりするか!」
ヴァルバトーゼ「ならなんのようだと言うのだ!イワシならやらんぞ!!」
ラハール「いらんわっ!!もうお前の相手は疲れる、八幡任せたぞ」
八幡「えーと、初めまして八幡です」
ヴァルバトーゼ「おお、これはご丁寧にどうも」
ヴァルバトーゼ「ここのプリニー教育係をしているヴァルバトーゼだ、よろしく」
フロン「ヴァルバトーゼさんは腐った政治活動をしていた政腐を壊して」
フロン「そこのトップになったのにわざわざプリニー教育係になった変わり者さんです」
八幡「給料でも良かったのか」
エトナ「数万倍違うわよ、プリニー教育係なんて給料無い事だってあるし」
八幡「わざわざ安い給料の方を選んだってのか!?」
ヴァルバトーゼ「こっちの方が俺には合っている、人をアゴで使うような者にはなりたくないしな」
フェンリッヒ「いえ、ヴァルバトーゼ様こそこの魔界を支配しうる器があります」
ヴァルバトーゼ「自分が動かずに民はついてこん、それに俺はもう血は吸わんから目立つ行動をとる訳にもいかんだろう」
フェンリッヒ「それはそうですが…」
ヴァルバトーゼ「それでお前たちの用事はなんだ?」
八幡「あ、この玉に魔力を入れて欲しいんだ」
ヴァルバトーゼ「何故だ?」
八幡「えーと、それは…かくかくしかじかです」
フェンリッヒ「貴様は馬鹿にしているのか…?」
八幡「あ、あれ…?」
シシリー「かくかく鰯鰯だよ!」
ヴァルバトーゼ「なにっ!まるまる魚強魚強だと!!」
八幡「なんだそのパターン」
ヴァルバトーゼ「ならば拠点の広間に今全員揃っている、ちょうどいいな、来い」
ラハール「俺様達はプリニーで遊んでいるぞ」
エトナ「串刺しにしましょうよ殿下ー」
フロン「巨大ロボにしちゃいましょうよー!」
シシリー「空も飛べちゃうかな!」
八幡「俺だけ行く…」
ヴァルバトーゼ「うちのプリニーを大切にしろよ!」
フェンリッヒ「俺が監視につきましょうか」
ヴァルバトーゼ「それがいいだろうな、その前にその玉に魔力をこめてやれ」
フェンリッヒ「ヴァルバトーゼ様がそれをお望みならば…」
フェンリッヒ「ふんっ…!はああぁあっ!」
八幡「おい、全然貯まってないぞ」
フェンリッヒ「う、うるさいぞ貴様!今日は真月だから仕方ないのだ」
八幡「犬ってのはオオカミ男ってことだったのか、なら仕方ないな」
ヴェルバトーゼ「フェンリッヒ、ラハール達の所に行っていいぞ。俺は八幡とともに広間へ行こう」
風祭フーカ「あ、ヴァルっちどこ行ってたのよ!1週間後のアルティナちゃんとのデート服選んであげるって言ったでしょ!」
アルティナ「デ、デートではなく資材の買い出しです!!」
デスコ「デデ、デートとはこれまた大人デス!」
風祭フーカ「あら?そっちのアンタ誰よ」
ヴァルバトーゼ「彼は八幡、地球から召喚されてきた人間だ」
風祭フーカ「人間っ、まあ珍しい、人間とかアルマース以来だわ!」
八幡「アルマースを知ってるのか」
デスコ「おねえさまと一緒に魔人学園を襲い…いえ、遊びに行った時に知り合ったデス」
ヴァルバトーゼ「まあ与太話なら後にしろ、本題はこのガラス玉に魔力をこめることだ」
アルティナ「何故です?」
エミーゼル「疲れるからやだよー!」
ヴァルバトーゼ「八幡が地球に戻るためだそうだ」
ヴァルバトーゼ「わざわざラハール達も付き添いで来た」
風祭フーカ「あいつらが一緒に…それは一大事ね」
アルティナ「早く帰って頂かないとめちゃくちゃにされてしまいますわ」
デスコ「は、早くガラス玉を貸すデス!」
風祭フーカ「ん・・・これは…ちょっ…とぉ…」
デスコ「お姉さまがんばるデス!」
ヴァルバトーゼ「フーカでも1%分しか貯まらんか、今日のフェンリッヒでは無理だったのもうなずける」
風祭フーカ「え?フェンリっち貯められなかったの~。プークスクス、後で馬鹿にしてやろーっと」
デスコ「お姉さま、次はデスコデス!」
八幡(彼らは順にガラス玉に魔力を貯めてくれた)
八幡(フーカに地球の事聞かれて答えたら乙女のアドバイスとやらをもらった)
八幡「いや、どちらかを選ぶとどちらかが悲しむだろ」
風祭フーカ「あんたねぇ!どっちか選んだんならもう片っぽの事気にすんじゃないわよ!浮気と一緒よそんなの!」
アルティナ「選択というのは片方を切り捨てるということです」
エミーゼル「でも八幡はどっちも嫌いじゃないんだろ?ならどっちとも付き合っちゃえばいいんじゃないのか?」
風祭フーカ「それよ!あんたの事二人とも好きであんたもまんざらじゃないならいいじゃない!解決ね!」
アルティナ「それは良いとは言い切れませんがどちらかを無理して選ぶなら選ばないという選択もありですわね」
八幡「現状維持だと卒業後にばらばらになっちまう」
デスコ「別に学校が違っても会えば良いデス?」
八幡「だんだんと連絡がなくなるもんなんだよ」
風祭フーカ「よーし、ならエミーゼルが全員の魂を刈り取って地獄か天界でみんな永遠に一緒で良いんじゃない?」
エミーゼル「悪人でもないのにそんなこと出来るかっ!!」
風祭フーカ「三角関係は難しいわね、1日考えさせて頂戴、絶対に良い解決法を教えるわ!」
八幡「あ、ああ…期待しないで待ってる」
八幡(さんざんプリニーで遊んだであろうラハール達とヴァルバトーゼ達と一緒に食べる夕食はイワシばかりだった)
八幡(イワシプリンは初めてだったが悪くなかったな)
八幡(アルティナとヴァルバトーゼの愛の話を飯食いながらフーカに聞かされたが)
八幡(俺の関係とはほど遠い物だった、でもこいつらと話していると)
八幡(俺が避けてきた事がどれだけおろかだったのかと痛感する)
八幡(やっぱり、心を蔑ろにしちゃダメだ)
八幡(夕食の途中にショータイムだというアクターレを見ていて思った)
八幡(演技ばかりだと本当の自分を忘れる)
八幡(ヴァルバトーゼいわく、アクターレは"目的"を忘れたらしいが地球でも似たような人がいる)
八幡(雪ノ下陽乃…アクターレとは似ても似つかないが、演技ばかりで”自分”を忘れているんだと思う)
八幡(ヴァルバトーゼの話を聞きながら、俺はそんな事を考えていた)
ラハール「…寝るのか」
八幡「ああ、今日もきっと泣くだろうな」
ラハール「起きて話したければ話せ、俺様はもう寝る」
八幡「ありがとうラハール…」
八幡(4日目の夢、すでに70%貯まったガラス玉が見せる、ヴァルバトーゼ達の物語)
八幡(たった数時間の睡眠に対して見せられる、何か月分もの物語)
八幡(ヴァルバトーゼは暴君だった、だが人を愛して変わった)
八幡(それでもヴァルバトーゼの根幹は変わっていない)
八幡(悪魔としての生き方やあり方、それを大切にし、間違いに対して真っ向から挑んだ)
八幡(俺ではなく、雪ノ下雪乃のやりかたと同じだ、魔界に住む者ごと世界を変えたのだ)
八幡(雪ノ下と違うのは仲間がたくさんいることか)
八幡(1度交わした約束は絶対に守る所も似てる、絆を重んじる所も…)
八幡(他人の目を気にしない所は俺に似てるな)
八幡(フェンリッヒはヴァルバトーゼを影から支える下僕)
八幡(”下僕”でなければ雪ノ下陽乃さんかな、目的がわからないのが少し厄介なんだよな)
八幡(魔界のはちゃめちゃに慣れた今の俺なら雪ノ下さんの相手も楽に出来そうだ)
八幡(エミーゼルは臆病で見栄っ張り、勇気や行動力の無さに自己嫌悪していた男の子だ)
八幡(俺に当てはまりそうだが俺は一応行動している、ならば…)
八幡(こいつは葉山に似てるな、今度話でもしてやろう)
八幡(まず俺があいつを呼び出すことが1つの騒ぎになりそうだな)
八幡(風祭フーカは一言で言うとわがまま、だがこんな奴が一人くらいいても良い)
八幡(世界征服をたくらんだだけで地獄に落とされたかわいそうな女の子)
八幡(死んだ事が夢だと思い込むことで力を持つ少女だ)
八幡(思い込むだけで悪魔と同等の力を使えるなんて、これまでの魔界でも学んだが思いの力ってのはすごいと思う)
八幡(デスコは作られた存在なのに心から笑えている)
八幡(慕う人がいる、頼れる人がいる、仲間がいる)
八幡(そうだ、生まれ方も存在理由も人に決められるものじゃなく自分で決めるんだ)
八幡(デスコはまだ生まれたばかりなのに自分の存在理由はおねえさまにつくすことだと決めている)
八幡(そのおねえさまに必要ないと言われたらまた別の理由を見つけることができている)
八幡(自分で決めるんだ、自分で)
八幡(アルティナは……)
八幡(敵も味方も種族も貧富も関係なく優しくして、敵を助けたという罪に問われて味方に殺された…)
八幡(ヴァルバトーゼに自分の血以外を吸わないように約束した3日後に殺された)
八幡(自分が殺された悲しみよりもヴァルバトーゼに呪いのような約束をさせてしまったことを)
八幡(死してなお悔いていた)
八幡(自分のことを蔑ろにして…優しすぎて危ない女の子…)
八幡(これは…由比ヶ浜に似てると言いたかったが…もしかして…)
八幡(俺に似てる…のか)
八幡(…はは…!自分を蔑ろにして人を気にする)
八幡(今、俺はアルティナの事を見てすごい悔しい想いをしたんだ)
八幡(もうよせ、と。敵を治療し続ける彼女に、届かない声を上げていたんだ)
八幡(優しくしたのに傷つくなんておかしい、と。)
八幡(もっと自分を大切にしろよ、と)
八幡(これが…今までの俺を見てあいつらが感じていた感情なのか…?)
八幡(もしそうなら…俺は…俺のやり方は…)
八幡(ヴァルバトーゼのように自分の根幹を曲げずにいれば…)
八幡(アルティナのように自分が傷ついてしまう)
八幡(い、今のアルティナは自分が傷ついたりしていない、なんでだ)
八幡(昔のアルティナと今のアルティナ、何が違う)
八幡(………)
八幡(守ってくれる人…仲間…か)
八幡(俺の馬鹿にしてきた仲間や友達の大切さは、悪魔に教えられてばっかりだ)
八幡(帰りたい)
八幡(帰って、戸塚にちゃんと友達になろうって言って、材木座にも話をして)
八幡(奉仕部にも今までの事を謝って…違うな、俺がどんな思いでその行動をしたのかを理解してもらって)
八幡(それと葉山達とも少し話をしよう、今の俺には面白話がたくさんある)
八幡(帰りたい)
八幡(…でも……)
八幡(そしたら俺は…)
八幡(ラハール達とは…もう…)
八幡「………」
ラハール「また泣いているのか」
八幡「今日のは…そのだな…帰りたいのに帰りたくないジレンマで泣いてんだ」
ラハール「よくわからんな、わかるように話せ」
八幡「地球には帰りたい、でもそうすると魔界にはもう来れないだろう?」
八幡「それが嫌なんだ…お前たちともまだ一緒にいたいと…思っている」
ラハール「きちんと選べ、と言いたい所だが運命に流されるのも面白いだろうな」
八幡「どうするんだ?」
ラハール「隕石アンカーというのがあってな、八幡が魔界に来た話を見て面白がってるやからに選ばせるのだ」
八幡「2chの安価ってことか…怖いな、俺が選んじゃダメか…?」
ラハール「俺様がアンカーすると決めたのだ、だが俺様は気まぐれだからな!面倒事になりそうなら俺様が決めてやる!」
八幡「ラハールが選ぶなら自分で決める」
ラハール「なんだと!!」
八幡「朝飯食ったら次の世界行くんだろ、みんな起こしてくるよ」
ラハール「うむ」
ラハール「………俺様も…貴様に会えなくなるのは……」
ヴァルバトーゼ「では転送を開始するぞ」
八幡「魔力70%まで貯まったよ、ありがとな」
フェンリッヒ「2度と来るなよゴミ虫」
ラハール「ふん、よく吠える犬っころだ」
フロン「また遊びに来ますね」
風祭フーカ「あんたへの答えが思い浮かばなかったから思いついたら伝えに行くわ!覚悟しなさい」
八幡「あ、ああ、期待して待ってる」
エトナ「おやー、期待せず待ってるの間違いじゃないのー?」
八幡「夢見る少女は強いんだよ」
風祭フーカ「っぷっくく!わかってるじゃないあんた!」
アルティナ「ではみなさん、またお会いしましょうね」
エミーゼル「暇だから絶対遊びに行くからな!鍵しめるなよ!」
デスコ「またねデス」
シシリー「ばいばーい!」
八幡(ヴァルバトーゼが一人で組んだであろう魔法陣が光の柱を立てると)
八幡(俺たちは消えた)
八幡(自分を貫く力、信じられる仲間を作る力)
八幡(地球か魔界かを選ばなければならないこと)
八幡(全部欲しくなっている)
八幡(俺が魔王なら…全てを手に入れることが出来るのだろうか)
フロン「ここはセラフィーヌさんの姫魔界ですね」
シシリー「久しぶりだけどやっぱりキラキラしてるね!」
エトナ「絢爛魔界と同じくらいキラキラさせちゃって、殿下ー壁1枚もらっていきましょーよー」
ラハール「帰りにそうするか、今やると荷物が増えるしな」
八幡「突っ込む気になれねぇ」
フロン「ミニ魔界って言って持ち運びの出来る魔界なのです!すごいですねぇ」
ラハール「ふん、こんな小さいので満足できるか!!」
エトナ「まーとりあえずあっちの広間行きましょ、カレーの良い匂いするし」
八幡「ほんとだな、カレーの匂いしかしねぇ」
フロン「お昼ご飯を作っているんでしょうか?」
ラハール「うむ!カレーが食いたくなった!行くぞ!!」
八幡「お、おい!」
キリア「ん、また来たのかお前たち、半年くらい振りだな」
ラハール「ふははは!そのカレーをよこせ!」
エトナ「あちゃー完全に目的を見失ってるわこれ」
ウサリア「だ、だめですピョン!このカレーは後2時間煮込むことで完成するですピョン!」
ラハール「うるさい!!今食いたいのだ!!」
フロン「まあまあラハールさん、おいしいカレーが食べたいじゃないですか、2時間待ちましょうよ」
ラハール「待てない!食べる!!」
セラフィーヌ「まったくやかましいですわね、なんですの一体…ってあなた方は!!」
キリア「久しい顔ぶれだろ?」
レッドマグナス「どうしたセラ、大きな声なんて出して、クソでも漏れたか?」バンバンバン!!
セラフィーヌ「撃ちますわよ!!」
レッドマグナス「もう撃ってるじゃねえか!!」
クリスト「まあまあレッドマグナス君にデリカシーがないのが悪いですよ」
ゼロッケン「まったくだぜ、姉御がガサツで短気なのはわかってるんだからもう少し言い方を」バンバンバン!!
セラフィーヌ「撃ちますわよ!!」
ゼロッケン「もう撃ってるじゃんか!!」
八幡「あー、もういいか?ラハール、カレーならあっちで売ってるぞ」
ラハール「何、ならばそっちでいい、このぴょんぴょんうるさい奴の相手は疲れた!」
エトナ「殿下ーあたしも食べますー」
シシリー「お兄ちゃんあたしもたべるー」
フロン「ずるいですよみなさん!私は中辛を希望です~」
キリア「行ったな…」
ウサリア「なんだったんですかピョン?」
八幡「あー、と初めまして、八幡だ」
セラフィーヌ「あらあら、初めて見る顔ですけど貧層ですわね、とりあえずわたくしの奴隷にして差し上げますわ」
セラフィーヌ「魔真眼のブリューナクッ!!」
八幡「…何それ?」
レッドマグナス「セラの魔奥義がきかねぇだと!」
キリア「見ていなかったからだろう」
キリア「魔真眼のブリューナクはセラフィーヌを目でとらえていないと効果はない」
セラフィーヌ「あなた、どのような感性をお持ちですの!?私に見とれないなんて!!」
ゼロッケン「見た目しか取り柄がないのにそれが意味ないなんて」
セラフィーヌ「お金もありますわよ!」
クリスト「それは見苦しいですよ…」
キリア「それで、ラハール達の要件はなんだ」
八幡「あー、それは俺の事なんだが、えーと、この魔界では「かくかく」なんていえばいいんだ?」
セラフィーヌ「あなたおバカですの?かくかくの後にはしかじか、常識ですわ」
レッドマグナス「そうなのか!知らんかったぞ!!」
クリスト「まあ僕はよく使いますよ、便利ですもん」
八幡「じゃあ…かくかくしかじかだ」
セラフィーヌ「セラセラ美人美人ですのね」
八幡「それはおかしい!」
セラフィーヌ「何も間違ってませんわ、話も理解できましたし問題ないでしょう」
八幡「うーわぁ…」
キリア「なるほど、その玉に魔力をな」
ゼロッケン「おっさん!どっちが多く貯められるか勝負な!」
レッドマグナス「負けたら灼嵐魔界でただ働き100時間ならいいぞお!!」
ゼロッケン「お、おお、おお!やってやろうじゃん!!おっさんが負けたら道場でわざと負けてくれな!」
キリア「俺も全力とはいかないが手を貸そう」
セラフィーヌ「キリア様がやるならわたくしもやりますわ!」
ウサリア「ウサリアにまかせるピョン!」
クリスト「僕は自分の力を無闇に使うのは…」
レッドマグナス「あんれ~、もしかして0%だったらどうしようとかびびっちゃってるわけぇ~?」
クリスト「いえ、そういうわけではなく」
ゼロッケン「まあオイラ達と違って実力が違うからなぁ~」
クリスト「その安い挑発に乗ってあげましょう、負けたらカレーおかわり3回までです!」
レッドマグナス「何ぃ~!!まけられねぇ!!」
ゼロッケン「やべぇ!全力全力ーー~!!」
ラハール「ふむ、腹は膨れたぞ、用は済んだか」
八幡「ああ、これで80%だ、次の魔界へ行こう」
ラハール「次はないぞ」
八幡「…は?」
エトナ「平和的に力を貸してくれる魔界なんて少ないのよ」
フロン「他の魔界だとこちらが力で屈服させてもガラス玉を割るとか嫌がらせされちゃう可能性があるんです」
八幡「まじか、ならどうすれば…」
キリア「まあ昼飯まで待つといい」
セラフィーヌ「運が良かったですわね」
八幡「何かあるのか?」
ウサリア「今日はカレーパーティーなんですピョン!」
クリスト「簡単に言うと一度は戦争した相手とも仲良くしましょう会を開く日なんです」
レッドマグナス「物ぶっこわすのと喧嘩ふっかけるの禁止のな」
キリア「ここで待っていればヴォイドやゴルディオンも来る」
ウサリア「マジョリタも来るですピョン!」
セラフィーヌ「ウサリアさん…いいんですの?」
ウサリア「いいんですピョン!いつまでも暗い気持ちじゃいけないですピョン!」
セラフィーヌ「そう、もう大丈夫ですのね、よかった」
ゼロッケン「よかったとか姉御も良い所あるじゃん!」
セラフィーヌ「私には良い所しかありませんわよ!」
キリア「まあ誰か来たら俺から話をつける、お前たちはゆっくりカレーでも食べてるといい」
キリア「ほら、さっき食いたがっていたカレーだ、本当は後1時間煮込むんだが…」
ラハール「美味い!!」
キリア「早いな…」
八幡「おお、これは確かに美味い」
八幡(そんなこんなで昼食からぶっ続けで夜中までカレーを食べながら話をした)
八幡(もし文化祭とかに参加していたらこんな感じだったんだろうな)
八幡(相手を許す事、そんなに疑わなくて良い事)
八幡(また教わってしまった)
八幡(ただ今夜見る夢は少し怖そうだ)
八幡(戦争をしていたという事実はきっと寝覚めの悪くなる夢になることだろう)
八幡(でも見る、相手を理解することの大切さを学んだから、俺は…こいつらを……)
八幡(覗き見みたいでやはり良い気はしないけど)
八幡(そしてすぐに…)
八幡(夢の中)
八幡(キリアは仲間づくりの嫌いな俺みたいな奴だった)
八幡(かつて傷つけ、傷つけられ、人を避けるようになった)
八幡(それでも今は立派に仲間とともに魔界を治めている)
八幡(過去の自分を捨てる事なく、受け入れて変わった)
八幡(ヴァルバトーゼの根幹の変らない変化と同じだ)
八幡(そうだな…俺もそうあるべきだ)
八幡(セラフィーヌは自分に絶対の自信を持っている)
八幡(だから貧乏になった、というそれだけの事で自分が壊れてしまいそうになった)
八幡(だが今はどうだ、貧乏だった時なんか簡単に乗り越えてまた一段と自分に自信を持っている)
八幡(勝ち続けるより1度負けた方がいい、これは雪ノ下に言うべきか…)
八幡(陽乃さんと比べられはしても直接対決はしていないだろうし、”負けた”ことはないはず…だよな)
八幡(ウサリアは本当に強い子だ)
八幡(国民と親を殺され、さらにその死体を使って襲われたのに)
八幡(自らがその死体にお別れをする選択をした)
八幡(死んだ事を受け入れ、前に進むために自分からつらい選択をした)
八幡(そのつらい選択をした結果が幸福なハッピーエンドをもたらした)
八幡(俺はつらい選択と楽な選択の2つが目の前にぶらさがっていたらつらい方を選べるだろうか)
八幡(さらにウサリアはその国民と親を殺した張本人とともに昼飯を食べる選択さえ選ぶ)
八幡(どうしてそこまで強くなれるのか、理解しきれないが、いつか理解したいと思う)
八幡(レッドマグナスは少し抜けている所がある魔王だ)
八幡(自分が昼寝している間に自身の魔界を滅ぼされたが、それを謝ることができなかった)
八幡(だが自分の非を認め謝り、今はまた魔王に返り咲いている)
八幡(そんな大きく悪いことをしてしまったら、俺はきっと何も言えないだろう)
八幡(何も言えないまま、悪意のある言葉を受けて、自分を傷つけ、周りに心配をかけてしまう)
八幡(レッドマグナスは野蛮でデリカシー0で、おつむのレベルはオーク以下でも男らしさは一級品な魔王様だ)
八幡(クリストは天界で裏切られた男)
八幡(キリア達には魔王だといい、その嘘を最後まで通し続けた)
八幡(他人を見下し、蹴落とす、そんな性格だったが)
八幡(自分の…天使の醜さとキリア達悪魔の純粋さの間で揺れ、キリア達の味方になった)
八幡(魔王だという嘘はまだ続いているがみんなもう気づいているだろうな)
八幡(ゼロッケンは戦いから逃げた兵士だ)
八幡(逃げた理由は優しいから)
八幡(ゴルディオンの治療をして、技を教わり、戦う者に憧れたが)
八幡(それでもまだ怖い気持ちがあった)
八幡(傷つけるのが怖かったのだ、でも)
八幡(守るために相手を傷つけるのなら良いのだと自分の中でラインを引いたことで戦えるようになった)
八幡(何もせず死ぬよりも正しい力の使い方だ)
八幡(そうだな、俺も自分一人でやるかどうかのラインを決めるのはどうだろう)
八幡(あいつらが悲しまず、俺も傷つかない、そういう場合だけ一人で解決する)
八幡(良いかもしれない)
八幡(今回は序盤悲しい話があったが)
八幡(後日談がすべてをハッピーエンドにしていた)
八幡(最後の魔界でこういう夢を見れたのは良い気分だ)
八幡(これで90%)
八幡(後はプリエとプレネールにも頼んでみるか)
八幡(泣かずに目が覚めれば)
八幡(ラハールにあんな不安そうな顔させないで済むかな)
ラハール「うむ!今日は泣いておらんのだな」
八幡「ああ、目覚めは最高だ」
ラハール「今日は俺様の魔王城に戻るぞ!」
八幡「ああ、プリエとプレネールと…」
ラハール「3馬鹿は魔力波長が同じだからな、セットで1%くらいは貯まるだろう、虹レンジャーも同じだ」
八幡「それで4%、後6%か」
エトナ「しょうがないわねー、あたしもやってやるわよ」
フロン「もちろん私もですね!」
シシリー「わたしは貯められるかなあ」
ラハール「これで残り3%だな」
エトナ「殿下ー、あたし2%貯めちゃいますよ?」
ラハール「俺様に出来なかったのだ!貴様に出来る訳あるか!!」
エトナ「でも殿下あの時手抜いてましたよね」
ラハール「いや、それは…すまん八幡」
八幡「いや、いいよ別に、あの時は1人1回までなんて知らなかったしな」
八幡「とりあえず朝飯食って行くか」
キリア「朝ご飯がカレーの残りで済まなかった」
ラハール「いや!美味かったぞ!!」
フロン「ええ、とっても美味しかったです!」
エトナ「寝かしたカレーが美味しいってほんとだったのね」
シシリー「朝からいっぱい食べちゃったよ」
セラフィーヌ「ま、まあたまになら食べに来てくださってもいいですわよ?」
レッドマグナス「セラは暇なんだな」
セラフィーヌ「何か言いまして?」
ゼロッケン「朝から銃ぶっぱなすのは勘弁してくれよ姉御~」
ウサリア「また来るピョン!というか遊びに行くピョン!」
クリスト「そうですね、クリチェフスコイの治めていた魔界は興味があります」
キリア「それじゃあまたな!」
八幡「ああ、世話になった」
八幡(彼ら6人が手を繋ぎ出来た円の中で急激な浮遊感と共に)
八幡(俺たちはミニ魔界から姿を消した)
八幡「すまんプリエ、かくかくしかじかで」
プリエ「まるまるうまうまね。わかったわ」
八幡「プレネールさん…!」
プレネール「…わかってる」
虹レンジャー「僕も手伝おう!」
八幡「誰かわからんが助かる!」
ゼニスキー「ほう、まあ我らも仮にも上位魔族だからな」
アントワール「まあ下僕のよしみで少しだけだよ」
マデラス「3人の力を合わせて玉へーーー!」
八幡「ありがとう、今度何かあったら手を貸す!」
エトナ「あたしたちの分を合わせても後2%かー」
フロン「でも魔王級の力を持つ人なんてもういませんよ」
シシリー「大天使様はどうかな?」
フロン「今は天界と魔界が喧嘩中なので無理ですよぉ」
ラハール「打つ手なし、か」
八幡「ま、まあ落ち込んでても仕方ねぇよ、しばらくはまだ魔界で過ごす、探し物出来るところあるか?」
ラハール「図書館がある、調べ物なら行くといい」
シシリー「ご飯までにかえってくるんだよー!」
図書館
八幡「あと2%で終わりだ」
八幡「ん…?これは・・・?」
八幡「ラハール…女の姿…?」
八幡「裏には…ラハールちゃんライブ…?」
八幡「なるほど、なるほど」
八幡「これだ!」
魔王城玉座
八幡「ラハール、女になってくれ」
ラハール「な、ななな何を言うか貴様は!?」
フロン「それはつまりラハールさんが八幡さんの妻に!?ビビビビーエルという奴ですか!?」
エトナ「いーわけないでしょそんなの」
八幡「違う、そういうのじゃなくてこれだ」
フロン「ラハールちゃん…」
エトナ「ライブ…」
シシリー「生写真ー?」
ラハール「なんでそんなものがあるのだ!!」
八幡「今はそんな事より女の子になれるなら魔力の質も変わるんじゃないか?」
ラハール「た、確かに変わるが…しかし…」
八幡「最初にやった時の1%だったのは手を抜いたからだろ?なら全力でやれば2%は貯まるんじゃないのか」
ラハール「たしかに100%になるだろう、だがそうしたら貴様は…帰ってしまうのだろう…」
八幡「………ああ」
ラハール「そうか、もう決めたのだな」
八幡「ああ、俺は地球に帰る、ただな、絶対にまたここに遊びに来る!」
ラハール「はーっはっはっは!期待して待っているぞ!!」
フロン「そうです!地球でゲート作れればここまで来れますよ!」
エトナ「難しいだろうけど時間かければ出来るっしょー」
シシリー「お別れじゃないの?さよならじゃなくてまたねでいいの?」
八幡「ああ、また会おう、だ」
シシリー「わぁい!やったー!」
ラハール「そうと決まればいますぐやってやる、だが実際に帰るのは明日の朝でいいか?」
八幡「なんでだ?」
ラハール「城の者みなで見送りしてやる、戻ってこないと、この軍勢で襲いに行くという意味も込めてな」
八幡「わかったよ、帰るのは明日にする、じゃあ、頼むぞ」
ラハール「み、見られたくないから俺様の部屋でやる!覗きにくるなよ!」
八幡「ああよろしくな」
ラハール「自分がムチムチになるのはやはりきついな…」
八幡「悪いなラハール」
ラハール「いやいい、だが今日はもう休むぞ、貴様らも休んでおけ」
フロン「明日のお別れ会の準備で徹夜になりそうですよう」
シシリー「わたしもてつだうー!」
エトナ「まあ最後くらいはちゃんと手伝うわよ」
八幡(6日目…になるのか)
八幡(もしかしたら俺は帰らない選択をするかもしれない)
八幡(この魔界での魔王級メンバーの魔力がこの玉にこめられたという事は)
八幡(この魔界で起きたことを夢に見てしまうからだ)
八幡(ラハールの強さと優しさ)
八幡(エトナのラハールに対する態度)
八幡(フロンが堕天した話)
八幡(シシリーが妹だとして親はどうしたのか)
八幡(その全てを俺は…)
八幡(悲しみ、憎しみ、後悔、嫌悪、隠し事…)
八幡(そうか…)
八幡(お互いが違う意見を持ちながら進んだ結果が…)
八幡(これか…)
八幡(なんであいつらはこんな状態から仲良くなれたんだろう)
八幡(考察するのもためらってしまう)
八幡(そうか、これが…)
八幡(理解を超えた想いって奴なのか)
八幡(お互い妥協点を作ったわけじゃない、お互いがお互いを貫いて、ぶつかり続けて、それでなんで…)
八幡(わからない、理解できない。が)
八幡(まぶしすぎた)
八幡(涙を流していることにきづくのに時間がかかった)
八幡(これが本物、なんだ、言葉に出来ない、かけがえのない、大切なもの)
八幡(もしこんなゲームや本があったら何度もやり直す、そんな物語)
八幡(最後に学んだのは…なんでも考えれば答えが出るわけじゃないということ)
八幡(わかっていた、答えが出ない問題もあることなんて)
八幡(でも今まではそれがとても気味の悪いものに感じて)
八幡(答えが出ないから答えないのではなく、問題を見ないことにするを選んできただけだ)
八幡(でもどうだろう、彼らの関係がどういう経緯でそうなったかは答えられない)
八幡(それなのにまったく気味悪くもない、むしろ一生見ていたいまである)
八幡(俺もこんな関係を築けるのか、不安だけど、あいつならきっとこういうだろう)
八幡「俺様の下僕なら出来ないなどと口にするなっ!とかな」
ドォオオオオンッ!! ドォオオオオンッ!! ドォオオオオンッ!!
八幡「なんだこの音っ!?」
プレネール「城内のみなさん!避難してください!超魔王バールが現れました!!」
八幡「超魔王…バール…?」
ラハール「八幡、無事か!?」
八幡「あ、あぁ、それで超魔王バールってのはあれだよな、お前のお父さんが」
ラハール「ああ、親父が封印した魔王だ。俺様も昔戦ったが…」
八幡「ラハール達でも勝てなかったのか…」
ラハール「ふん、今なら勝てる!!エトナとフロンはもう向かっている!」
八幡「お、おれも」
ラハール「貴様は避難しておれ!……足手まといはいらんのだ」
八幡「ラハール、勝てる見込みはあるのか」
ラハール「魔王城には戦える者が数多くいる、おそらく被害は出るだろうが撃退することは出来るだろう」
八幡「死なない…よな」
ラハール「馬鹿者!俺様は"大"魔王なのだ、超魔王を倒して”超大魔王”になってやる!!はーっはっはっは!!」
八幡「お、おい…!……ほんとに大丈夫なのかよ…さっきからすごい音が聞こえるんだが……」
八幡「ずっと揺れてる…音もすごい」
八幡「遠くから見に行くだけ…そう、ラハール達じゃ連携もとれないだろうし」
魔王城広間
八幡(…なんだこれ、昨日までキレイだったのに…)
八幡「壁も床もぼろぼろじゃねぇか…!」
ラハール「極炎ナックルッ!!」
フロン「ラハールさん!効いてません!」
ラハール「わかっておるわ!ならば!魔王の力!!とくと味わえ!!」
八幡(すげぇ…分身して…)
ラハール「魔王ディメンジョン!!」
八幡「おお・・・すげえ…!」
エトナ「駄目です殿下!!効いてるけどまだ生きてます!!」
ラハール「ぬぅ…とにかく攻めて攻めるのだ、守りに回ればやられるぞ!!」
八幡(駄目だ、同じ攻撃が通じないように見えるが…)
八幡(もうこちら側は全ての手を見せてしまっている)
八幡(同じ攻撃が通用しないなら…もう勝ち目なんて…)
八幡(俺には魔王みたいな力はない)
八幡(バールとは会話が出来そうもないし俺に出来ることはない…)
八幡「今…この場所を…ラハール達を守る方法…」
八幡「どうすればいいか…」
八幡「…このままじゃ倒すのは出来ない…倒す以外の方法は…」
八幡「あるじゃねぇか…」
八幡(でも…そうすると…)
八幡(他に手はねえんだ、やるしかない)
八幡(…この玉で…バールを遠い魔界に転送する!!)
ラハール「む!八幡!何をしている!!戦えない奴がここにいては邪魔だ!!下がっていろ!!」
八幡「ラハール、大丈夫だ、これで終わらせる」
ラハール「貴様…何を…」
フロン「!?それを使っちゃうともう地球には帰れなくなっちゃいますよ!?」
ラハール「無駄な事をするな八幡!!」
エトナ「そーよ、あんたは帰りたいって昨日言ってたじゃない!」
シシリー「そうだよ!帰らなきゃみんな心配してるよ!」
八幡「心配か…されてたら嬉しいな、でも今は帰ることはどうでもいいんだ」
八幡「お前たちを見捨ててまで帰りたいなんて思えねえよ!」
八幡「大丈夫だ、きっと他に帰る方法があると思うぞ、思いの力ってのはすげえんだ、5つの魔界全てでそれを思い知った」
八幡「思いが奇跡を生む、そうだろ、ラハール!!」
八幡(言うと同時に俺は全力でバールに向かって玉を投げた)
八幡「これで終わりだろ、超魔王っ…!!」
ラハール「こっの!ばあっかものがあ!!」
八幡「!?」
八幡(バールに向かって一直線に飛んだガラス玉は…ラハールの手の中に収まった)
ラハール「そもそも使い方が違うわ!!この玉を手に持って行きたい場所を願う、それで初めて効果が発動するのだ」
ラハール「投げつけたら割れておしまいだ!馬鹿者!!」
八幡「そ、それじゃバールを倒す方法は…もう…」
ラハール「貴様は何を言っているのだ、俺様は勝つと言っただろう?」
八幡「だがあいつには同じ攻撃は効いてない!手札を使い切ったこちら側に勝ち目なんて!」
ラハール「貴様もさっき言っていただろう、思いの力というのはすごいものなのだ」
ラハール「俺様は今、勝てると思っている、だから勝つ、それだけだ」
八幡「だが!」
ラハール「うるさいぞ!!貴様は俺様を信じられないのか!!お前は魔界を巡って、成長したのだろう!」
ラハール「初めに見た時より大分良い顔になったと思ったがまだまだだったようだな!」
ゴゴゴゴッゴゴオゴゴ!!
エトナ「な、なにこの揺れ」
フロン「魔力反応体がたくさん来ます!!」
シシリー「な、なに、なに!?」
ラハール「思いの力が奇跡を呼ぶ!!これが魔王の天性の素質なのだ!!」
ラハール「しかとみよ八幡!!そして反省しろ!!思いの力を信じきれずに諦めたおろかな自分自身を!!」
アデル「おー、このバールはすげえな!!」
ロザリンド「まあわらわ達は5体同時に対処したことがあるがな!!」
ママ「来ちゃいましたー」
ハナコ/タロウ「僕/あたしもいるよー」
八幡「ど、どうして…」
アデル「知ってる魔界に超巨大な魔力反応があったんだ、野次馬に来るだろ普通」
ロザリンド「新婚旅行には早いが下見のついでに手を貸してやろう!!」
ラハール「感謝するぞ貴様ら!」
ラズベリル「おーおーおー!掃除しがいがあるお城だねぇ!」
フロン「ラズベリルさん!」
ラズベリル「うちの生屠達が面白い魔力の反応がする魔界があるから行きたいって騒いでてね」
ラズベリル「見てみたらこの魔界だったから引率してきたってわけさ」
マオ「ふむ、ふむ!超魔王プロテクトはないバールか!!面白い!改造してやる!!」
八幡「マオ…!」
マオ「何をしょげているのだ?こんな面白い奴を相手にしてする顔ではないぞ!!」
アルマース「それはマオだけだと思うよ」
サファイア「ワシも久しぶりの全力戦闘じゃ!」
エトナ「もうお城もめちゃくちゃだし大暴れしておっけーよん」
フェンリッヒ「情けない姿だなゴミ虫」
八幡「うるせっ…」
風祭フーカ「まあ明らかに勝てない敵に向かっていく男ってかっこいいと思うけどね」
デスコ「乙女のロマンデス!」
エミーゼル「無駄死は魂の回収しにくいから嫌いだー!」
ヴァルバトーゼ「超魔王リバイバルされるとこの人数でも少し厳しそうだが…」
アルティナ「無いみたいですわ、超魔王アナライズというのがあるみたいですけど」
ヴァルバトーゼ「なら各自自由に攻めるとするか!同じ攻撃はしないように一気にたたみかけるぞ!」
シシリー「わぁい!ありがとー!」
セラフィーヌ「あらあらあら、まあまあ、ボロボロじゃありませんの」
ウサリア「めちゃくちゃですピョン!」
キリア「超魔王バールか…!これは厄介だな」
レッドマグナス「なんだありゃあ超でけぇじゃねえか!!」
ゼロッケン「オイラ達が戦った奴よりもでけえぞ!!」
クリスト「大きいという事はそれだけ隙があるということです、一応ミニ魔界に連絡したので応援は来ますよ」
セラフィーヌ「あら?その前に倒してしまってもいいのでしょう?」
キリア「ああ、これ以上ここを破壊させない」
八幡「キリア達まで…」
ラハール「これが思いの力が生んだ奇跡だ」
八幡「俺はラハールを信じ切れなかった…それに自分が思いの力の大切さを口にして…それすらも信じきれず…」
八幡「自分の帰りたい気持ちを押し殺して…また自分を傷つけるような事を…何を学んだってんだ俺は…」
ラハール「ふん、一度の失敗でそう嘆くな、失敗した時こそ前を見ろ」
ラハール「下を向いて何もしないなどという役にたたん奴は俺様の魔王城にはいらんぞ!」
八幡「……ああ…!」
エトナ「いけそうですね」
フロン「ええ、ばっちりです!」
シシリー「一時はどうなるかと思ったけど倒せそうだね」
ラハール「八幡よ、俺様に手を貸せ」
八幡「な、なんだよ急に」
ラハール「人にもほんの少しは魔力が流れている……俺様と八幡での合体技だ…とどめを刺すぞ」
八幡「で、できるのかそんなこと!」
ラハール「貴様の魔王を信じろ」
八幡「…了解!!」
ラハール「超…」
八幡「メテオ…」
ラハール/八幡「インパクト!!」
八幡(俺をかかえたラハールがジャンプし、空中で俺達が手を合わせると惑星が降ってきた)
シシリー「わあ!すごーい!」
エトナ「バールよりもでかい惑星で押しつぶすって」
フロン「一撃必殺!!って奴ですね!!」
ラハール「ほらな八幡!!勝利したぞ!!どうだ、はーっはっはっは!!」
八幡「ああ…お前はやっぱり…すげえ魔王だよ……」
フロン「八幡さんっ!?」
ラハール「お、おい八幡!?」
エトナ「気絶してるだけみたいですねー。まあ無理もないですよ、あんな惑星降らせる魔力を使ったんですから」
ラハール「99%俺様の力だったんだがな、なんともまぁ弱いな」
ラハール「まあ、眠っているこいつが悪いのだ、お別れ会の食事を用意しろ!!」
フロン「え!?始めちゃうんですか!?」
シシリー「かわいそうだよ!」
ラハール「祝勝会だ!!」
エトナ「まあ客人に何もおもてなしなしってのもね」
ゴードン「ほら、ブルーシートだ」
シシリー「ゴードンさんっ!?いつからここに?」
ゴードン「ずっとバールと戦っていたよ!ダメージは与えられなかったけどね!HAHAHA!!」
八幡(目が覚めると見知った顔ぶれが宴会をしていた)
ラハール「む、起きたか八幡!貴様も腹が減っているだろう、食え食え!」
八幡「いや…床とか壊れたままだけど片づけなくていいのか」
フロン「そんなの後ですよー!」
エトナ「祝勝会兼お別れ会なんだから主役が眠ったままじゃ退屈だったのよ」
八幡「あ、そういえばそんな話だったな、バールのせいで帰ることすっかり忘れてた」
ラハール「みなのもの!注目しろ!今から我が下僕が超選択をする!」
八幡「ちょ、超選択ってなんだ!?」
ラハール「貴様は選択をするのだ、俺様の用意した選択をな!」
八幡「いやいや、特に何かを選択する気は今はないんだが…」
ラハール「貴様は思いの力を信じきれぬ未熟者だったからな、きっとこれからつらい選択を迫られたときにまた悩んでしまうだろう」
ラハール「悩むのはいいがそこで立ち止まってはいかんのだ」
マオ「思考の停滞は死を意味するからな」
ウサリア「どんなにつらくても逃げちゃいけない場面もありますですピョン」
ラハール「だからそういう場面でどうしようもならなくなってしまうことへの免疫として俺様が練習問題を作ってやったのだ」
八幡「ラハール…ありがとう…」
八幡「それで、その選択ってのは…?」
ラハール「うむ、以下の3つから選べ」
①地球級の俺ガイル的結末
②魔界級のディスガイア的結末
③超!!全魔界級のディスガイル的結末
八幡「俺は…」
安価下
八幡「俺は…地球級の俺ガイル的結末を選ぶ」
ラハール「そうか、地球でやるべきことをやったら遊びに来い、いいな!これは命令だからな!!」
八幡「ああ、わかったよ、魔王様」
フロン「なんか1週間だけでしたけど濃い1週間でした、また一緒に旅行しましょう!」
エトナ「まー、退屈はしなかったわねー、100年以内に来なさいよ?」
シシリー「次に会う時は私大人になってるかなあ!」
アデル「おう、もう行くのか」
ヴァルバトーゼ「なんだ!みやげのイワシを持って行け!!」
八幡(土産ならとあれもこれも持たされた、ありがとう。でも土産にはこの世界での話でも十分だったんだ)
八幡(土産は土産話と俺の成長、なんて材木座もわらっちまうくらいくさいセリフだな)
八幡「みんな!絶対また来るからな!1週間だったけどありがとう!」
八幡(俺の言葉に各々が声を上げる、ったく、そんなに同時にしゃべられたら何言ってるかわかんねぇって)
八幡(小学校も中学校も卒業式は悲しくなかった、別れと言われてもピンとこなかったからだ)
八幡(だが今はその気持ちがわかる、悲しい、寂しい、そんな気持ちを抱きながら光に包まれ…俺は…)
八幡(無音…見慣れた光景…ベッドの上)
八幡「夢…?いやでも」
小町「おっにいちゃーん!今日は結衣さんと雪乃さんと水族館に行ってきたんでしょー!ってお兄ちゃんなんで泣いてんの!?」
八幡「ああ、小町か…今日って徹夜しても大丈夫な日か…?」
小町「う、うん、小町は大丈夫だけど…お兄ちゃん大丈夫?」
八幡「ああ、最高に大丈夫だ、気分が爽快すぎて学校が楽しみでもある」
小町「もう登校日も少ないでしょ…って学校が楽しみ!?」
八幡「ああ、それとそうだ、小町。雪ノ下のアドレス、教えてもらえないか?」
小町「ど、どどどどうしたのお兄ちゃん、なんかおかしいよ!ほんとに大丈夫?」
八幡「そうだな…まずは小町に聞いてもらうか、俺の過ごしたすごい1週間の話を…」
小町「泣いてる姿となんか発言がお兄ちゃんらしくなくなってるから信じるけど」
小町「お兄ちゃんが妄想癖でもあるんじゃないかと小町は心配です」
八幡「心配かけてすまん、困らせるつもりはまったく…」
小町「もうっ!謝るなんてお兄ちゃんらしくないよ!」
小町「それでお兄ちゃんは二人のどっちを選ぶか決めたの?」
八幡「いや、決まってはいない、だが俺のやり方だとあいつらが悲しむことが多かったからな」
八幡「どちらかを選ぶにしてももっとあいつらを良く知ってからにしたいと思う」
小町「あー、それに気付けたのはえらいえらい、小町的に超ポイント高いよ」
小町「じゃあ友達ちゃんと作って、なおかつ結衣さんと雪乃さんとも今までの恋人でもない関係をしばらく続けたいと」
小町「まあすぐに理解してもらうのは無理だろうけどお兄ちゃんの気持ちをちゃんと口にすれば大丈夫だと思うよ」
八幡「そうだな、俺からココロを開いて、あいつらも開いてくれれば良い方向に進めそうだ」
小町「もう結衣さんも雪乃さんも結構心開いてたと思うけどなー」
八幡「そうだな…見て見ぬふりしてきたことも謝らなきゃいけねぇな」
小町「もう朝だけどお兄ちゃん学校大丈夫?」
八幡「そ、そうだな…。悪いなこんな朝まで付きあわせちまって」
小町「いいよ、小町はまだまだ若いからね!徹夜くらいお手のモノなのです!」
八幡「そうか、また何かあったら付きあわせちまうかもしれんが…その時は」
小町「まかせて!お兄ちゃんに頼られるのは小町的に超ポイント高いよ」
奉仕部
結衣「ゆきのん、ヒッキーのメール見た?」
雪乃「ええ、今日は絶対に奉仕部に来てくれ、なんて何かあったのかしら」
八幡「お、早いな…」
雪乃「あら、呼び出しておいて遅れてくるなんて」
雪乃「ついに時間さえ理解できないほどの地球外生物化が進んでしまったのかしら?遅刻企谷くん?」
八幡「まだ人間だよ、少し平塚先生と話ししてただけだ。・・・待たせてすまん」
結衣「い、いいんだよヒッキー、それで、その、話って・・?」
雪乃「そうね、わざわざ絶対来てくれ、なんて言うのだから重要な話がありそうだけれど」
八幡「これから話す話は色々と突っ込みたい所もあり得ないと馬鹿にしたい所もあるだろうけど、最後まで聞いてくれ」
雪乃「長くなりそうだから紅茶を入れるわね」
八幡「ありがとう」
八幡(そう言うと雪ノ下は紅茶を入れに、由比ヶ浜は雪ノ下のイスを近づけ、俺のイスを対面に置いた)
結衣「この方が話しやすいでしょ?」
八幡「ああ、ありがとう」
八幡「俺は一週間ほど魔界に行っていた」
結衣「…へ?」
雪乃「由比ヶ浜さん、最後まで聞きましょう」
八幡「そこでいろんな人にあった、いや、人ではないのが多かったけど、俺達人よりも感情が豊かで、メチャクチャな奴らだった」
八幡「最初に目を覚ました時はゾンビ扱いされたよ」
八幡「しかも俺が魔界に呼ばれたのは手違いらしくてさ、帰る方法も特にはないみたいで」
八幡「それでも召喚したのは魔界側の不手際だからと俺が地球に帰るための手伝いをしてくれた」
八幡「魔界を巡って人と関わる事で帰れる、簡単に言うとこんな事だ、俺には難しいと思ったよ」
八幡「でもあいつら距離感が近えんだ、2、3言葉を交わしただけでもう仲間、みたいに輪に入れてきてさ」
八幡「不思議とそれが嫌じゃなくてさ」
八幡「なんでかわかんなかったが、嫌じゃなかった、帰りたくないとまで思ったこともある」
八幡「そして俺がその魔界で関わった奴らがどうやってそんなに強く結びついたのかを毎晩夢に見るんだ」
八幡「最初の魔界ではアデルとロザリンドって言うデビルバスターという職の男と魔王の娘の話を夢に見た」
八幡「アデルは敵であるロザリンドと敵対していたが気づいたら愛してしまっていた」
八幡「それでも…運命のいたずらという奴で殺さなくてはならなくなってしまった」
八幡「でもあいつら、運命ごとぶち壊して、今は立派に夫婦をしてる」
八幡「愛の力がどれだけ凄い物なのか、それを目の当りにして、俺は泣いた」
八幡「愛という目に見えないモノがどれだけ強いのかを学んだんだ」
八幡「2番目に行った魔界では善悪が反転してて、少し面白かったな」
八幡「ここではココロを閉じた魔王とその仲間たちの夢を見た」
八幡「産まれてからの全てが決められた、作られた人生だった魔王の話とその魔王を倒しに来た自称勇者の話」
八幡「お互い敵対してぶつかり合っていたのに、お互いを理解していくんだ」
八幡「長い時間付き合えば、言動や行動からある程度の理解は出来る、でも本質はそこじゃないと知った」
八幡「本質は…ココロだったんだ」
八幡「ココロを開いて理解してもらうこと」
八幡「そして…ココロを開いてもらって、理解すること」
八幡「難しいことだけど、俺はココロを開いていきたいと思う」
八幡「少しずつ…だけど、受け入れてくれたら嬉しいし…お前たちも開いてくれたら…俺は…その、なんだ…嬉しい…」
八幡「ココロの理解に良い結果だけを求めるなって俺の魔王様に言われたし、喧嘩になっちまうこともあるかもしれないがそれでもいい」
八幡「喧嘩もなしに顔色をうかがってばかりの関係なら、俺はもういらない」
八幡「そんな関係で得た良い結果は、見せかけの良い結果なんだとわかったから」
八幡「ココロを開くこと、大切な事をまた1つ学んだんだ」
八幡「3つ目の魔界では吸血鬼にあったな」
八幡「全てに優しくしすぎて傷付いた天使、それを嘆いた悪魔の話」
八幡「そこの主であるヴァルバトーゼは自分が行動をおこして、人ごと世界を変えた人物だ」
八幡「ヴァルバトーゼは一人ではそれが出来なかったと言っていた」
八幡「臆病な死神もいた、少しのきっかけで今ややり手の死神になっている、彼もまた一人では出来なかったと言っている」
八幡「自分が魔界にいることを夢だと思い込んでる女の子もいた」
八幡「思いこむだけで悪魔達と同じ力を扱っていた、俺も夢だと思っていたけど途中から現実だと受け入れちまったから出来なかったな」
八幡「作られた兵器である奴もいたが、何故か笑ってんだ」
八幡「自分の境遇に嘆かず、自分でどうすればいいかを決め、そして今笑っていられる、凄い事だと思った」
八幡「仲間の大切さをここで学んだんだ」
八幡「4つ目の魔界はミニ魔界っていう持ち運びできる魔界でさ」
八幡「カレーが美味い魔界だったな」
八幡「ここはみんなが1度大きく間違えた魔界だった」
八幡「過去の自分を受け入れること、勝つことよりも負けることで得られる教訓」
八幡「自分で選択すること、謝る事と許す事」
八幡「自分の中で越えてはいけないラインを引くこと」
八幡「彼らもまた仲間の存在が大切だと教えてくれたが…」
八幡「俺にはウサリアのつらい選択を選んで今も笑っていられる事の方が心に残った」
八幡「俺は目の前に楽な選択とつらい選択があったらきっと楽な選択を選んでしまうだろう」
結衣「それが間違ってる選択ならあたしがとめるから!」
雪乃「由比ヶ浜さん、最後まで聞きましょう」
結衣「うん……」
八幡「ありがとう……そうなんだよ、俺が間違えそうになったら仲間に…由比ヶ浜と雪ノ下に……助けて欲しい…」
八幡「そして最後に夢を見た魔界は俺の魔王、ラハールの魔界の夢だった」
八幡「悲しみや憎しみなどを持ちながらも隠し続け、そのまま進んだ結果、ばらばらになってしまった魔王様の話だ」
八幡「…すまん、うまく…言えん…」
八幡「あれを見た気持ちを…思いをうまく言葉に出来ない」
八幡「ここで俺はなんでも考えれば答えが出るわけじゃないということを学んだ」
八幡「答えが出ないから答えないではなく、問題を見なかったことにするを選んできた俺は面食らったよ」
八幡「あいつらの関係がどうやってそうなったのか答えられないが」
八幡「全然気味悪くもなく、ずっと見ていたいと、いつか理解したいと思ってしまったんだ」
八幡「俺も、こんな関係を築きたいと思った…」
八幡「お前たちと…」
八幡「いざ地球に帰るって時に超魔王ってのが襲って来て、ラハール達の魔王城がめちゃくちゃにされてさ」
八幡「ラハールが絶対に勝てるって言ったのに、戦いの光景を見て、俺は余計なことをしてしまった」
八幡「地球に帰るために必要な道具を使って、倒せないであろうバールを遠い場所に飛ばそう、って考えたんだ」
八幡「俺が間違えた選択をしたことと、ラハールを信じなかったことを反省した」
八幡「それと少しだけ、今だから言えることだけど嬉しかった…」
八幡「俺が間違えた選択をした時に正してくれて…仲間ってこういう関係なんだと…思った」
八幡「1度の失敗で嘆くな、失敗した時こそ前を見ろと言われた」
八幡「最後には俺との合体技で超魔王を倒して終わらせた」
八幡「きっとラハールも…俺の事を仲間だと思ってくれたんだと…思う」
八幡「そして最後にラハールは俺に選択をさせたんだ」
八幡「俺が難しい選択を迫られた時の免疫をつけるためだー、だと」
①地球級の俺ガイル的結末
②魔界級のディスガイア的結末
③超!!全魔界級のディスガイル的結末
八幡「だとさ、地球に帰ってお前たちと一緒に過ごして、またどうにか魔界に行く方法を模索する、と約束してきた」
八幡「約束だからな、守りたいと思う」
八幡「エトナに100年以内には来いって言われたしな」
八幡「以上が俺が魔界で経験してきたことだ…」
八幡「わかりにくいと思うが…俺は…変わりたい…」
雪乃「あなたはもう十分変わっているわよ」
結衣「そうだよ、ヒッキー、変わった」
八幡「そ、そうか?…そうか、俺は、変われたか…」
八幡「それでだな、これを聞いてもらって、俺が言いたいことは」
八幡「お前たちの気持ちには答えたい…が、待って欲しいって事だ」
雪乃「…いいわ、待ちましょう」
結衣「いつかは答えてくれるんだもんね」
八幡「ああ、それと、葉山達とも少しずつだが仲良くしたいと思う…」
雪乃「見せかけの仲間はいらないのではないの?」
八幡「あいつとはアルマースとマオみたいな関係になれそうな気がするんだ…」
八幡「…それに、あいつが俺を嫌っていた理由も今ならわかるからな」
結衣「ならカラオケいこーよ、隼人くんたちと!」
八幡「いきなりグループはちょっと…2人で話でもしてくる」
八幡「それと戸塚と材木座にもちゃんと友達になってくれと話して」
雪乃「そういうのは言わなくても相手はもう友達だと思ってそうだけれど」
八幡「不安だと思うんだよ、俺がそうだったからな、自分がそう思っていても相手はどうだろうってな」
八幡「平塚先生には来る前に話したし…後は一色にも…」
雪乃「焦らなくても大丈夫よ、あなたは一人じゃないんだから」
結衣「そうだよ!私達も手伝うから順番に解決していこ!」
八幡「ありがとう。…あ、それとそうだ、雪ノ下」
雪乃「何かしら」
八幡「お前、起業する気はないか?」
雪乃「…えーと、話が見えないのだけれど」
八幡「俺達3人が一緒にいる方法を授業中に考えてたんだが、大学が別でも会社が一緒ならいいんじゃないかと思ってな」
八幡「大学行きながら少しずつ起業準備を進めれば卒業後すぐにでも会社起こせるだろうし、卒業前でももしかしたらな」
雪乃「自分ではなく人任せなのがあなたらしいわ、変わったんじゃないのかしら」
八幡「根幹を変えないことも大切らしいぜ」
雪乃「家の事もあるし難しいと思うわ……そうね、姉さんの手を借りれば…なんとかなりそうではあるけれど」
八幡「なら雪ノ下さんとの話は俺がなんとかつける」
結衣「今日はもう遅いし解散でいいんじゃない?」
八幡「そうだな、明日から大変だけど、頑張ろう!」
結衣「頑張ろう!…ってヒッキーらしくないね」
雪乃「そうね、ふふ、でもこういうのも悪くないわ」
それから
八幡「地球に魔界対策本部があったなんてな、ゴードンの奴、自称勇者だと思ってたわ」
陽乃「ふふん、対策本部っていうか地球の魔王城だけどね、お姉さんに感謝しなさい」
雪乃「まさか姉さんが地球の魔王だなんてね…」
陽乃「雪乃ちゃんが起業したのは驚いたけどその理由にも驚いたわ」
八幡(地球のゲートが閉じていた本当の理由は、地球魔王である陽乃さんが、雪乃に被害が及ぶことを恐れて閉じたんだと)
八幡(陽乃さんでも魔界の魔王は怖いということか)
陽乃「私が怖いのは超魔王バールくらいよ?」
八幡「…でも思っていたより早く魔界に行けそうで良かったです」
陽乃「そうね、それでも話を聞いてから5年もかかってしまったわ」
雪乃「ゲートを開くのがこんなに時間がかかるなんて思わなかったわ」
陽乃「地球人は魔力が少ないからね、多く持っている人がほとんどいなくて」
八幡(俺の玉の時と同じように100%まで貯めることが第一目標だった)
八幡(だが1度貯めきってしまえば何度でも使える、そんなゲートだ)
結衣「ヒッキー!後2%だって!」
八幡「おう」
八幡(そして陽乃さんに見てもらったら俺にも今、魔力が大量にあるらしい)
八幡(陽乃さんいわく、ラハールとの合体技の時に俺の素質が覚醒してしまったらしい)
八幡(地球の次の魔王は俺だとも言われてしまった)
八幡(それを言われた時に俺は、魔王なら妻がたくさんいても良いですかねーと口走ってしまい)
八幡(魔王ならいいんじゃない?となり…)
結衣「ゆきのんがおっけーするなんて思わなかったよ」
雪乃「二股や浮気が一般的に駄目なわけであって、それが常識だと言うのなら問題ないと思っただけよ」
陽乃「それもまずは魔王だってここの者達に認めさせなきゃね、他の魔王と仲良さげにすれば大丈夫だから」
雪乃「そうね、他の魔王と友好的に過ごせば、地球が襲われる心配も抑えられるでしょう」
結衣「強い魔王がいるって思わせることができるのと、えと、なんだっけ」
雪乃「ここを襲ったら他の魔王に狙われると思わせることができるのよ」
八幡「バールだけはどうしようもねぇだろうけどな」
陽乃「あら?倒したことあるんでしょ?」
八幡「超魔王アナライズがですね…っと準備できたみたいです、行ってきます」
八幡(ゲートに振れ、魔力をこめる)
八幡(…くぅ…ラハール達こんなに疲れる事してくれてたのかよ…)
八幡(俺の為に…だよな、ありがとう…)
八幡(俺はまだお前たちに何も返せてないから…絶対に…)
結衣「100%貯まったよ!」
雪乃「行きましょう」
陽乃「私はこっちで待ってるわ、そうね、長居するにしても1か月くらいで帰ってきなさい…心配だからね」
雪乃「……ありがとう、姉さん」
結衣「とりあえずは3人で!」
雪乃「そうね、もしあなたが忘れられていたら危ないものね」
八幡「忘れる訳ないさ、ラハールは俺の魔王なんだぞ、下僕の顔を忘れたり……ありえるな…」
雪乃「特徴的な目をしてるから大丈夫よ」
結衣「きっとヒッキーがずっと思い続けて来たんだから大丈夫だって!思いの力は」
八幡「奇跡を起こすからな、行くぞ!」
八幡(3人手を繋いで通る輝く光のゲートは狭かったが落ち着いた)
八幡(そして光を抜けるとそこは…)
ラハール「ふん!遅いぞ八幡!迎えに行ってやろうかと思っていたぞ!!」
ラハール「だが…よく戻ってきてきれた」
八幡「命令されたからな」
八幡「それとなラハール」
ラハール「なんだ?」
八幡「ただいま」
ラハール「うむ!よくぞ戻った!!おかえりだ!!」
エンディング ~地球級の俺ガイル的結末~ 終
両方とも過度なネタバレにならない用にするために変に違和感が残る場所もあると思いますがここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
文章の句読点は読みやすくするための物で書き方としてはあまり良くなかったと思いました。
ディスガイアが少しでも気になった方はやってみて下さい、やりこまなくても面白いです。
以上で終わりになります。
八幡「そういえばラハール、あの選択肢って選び直せないのか?」
ラハール「選択肢?なんのことだ」
八幡「あれだよ、俺が地球に戻る前にお前に選ばされた奴」
ラハール「ああ、あれか、あれは読み手と貴様をリンクさせるための物だったのだがな」
八幡「SSじゃなくてまともな地の文ありの小説でやれよ」
ラハール「小説は仕事で書いておるだろう!小説だとああいうのは編集に怒られるのだ」
八幡「息抜きだからこそやったって事か、だが気になるんだよ」
エトナ「殿下ー、あたしも気になって仕事に集中できません」
フロン「わたしもです!」
シシリー「お兄ちゃんわたしもー!」
ラハール「貴様らもともと仕事しておらんではないか!!」
八幡「起承転結の練習で忙しいとかいわずに頼むよラハール」
ラハール「仕方ないな、だが選ばせてなどやらんぞ」
エトナ「全部見せてくれるんですよね?」
ラハール「なにっ!?」
フロン「さあっすがラハールさん!魔王らしいです!ふとっぱらです!」
シシリー「お兄ちゃんさすがだよ!」
ラハール「ふ、ふはは!いいだろう、ならば八幡、貴様の人生をローディングしてやる!!」
ラハール「だが一度見たエンディングの記憶は忘れることになるぞ、2週目ではなくロードなのでな、ではいくぞ!」
八幡「俺は…魔界級のディスガイア的結末を選ぶ」
ラハール「そうか…本当にいいのだな」
八幡「俺は地球に戻って伝えたい事がある…だがお前たちに、魔界のみんなにまだ何も返せていない」
八幡「迷惑をかけるだけかけて何もお返し出来ないなんて俺には出来ない」
ラハール「迷惑などとこれっぽっちも感じておらんわ!…だが貴様の選択がそれなら少し問題があるな」
八幡「な、なんだ…?」
ラハール「その玉は行きたい場所を願う事でそこへと飛ぶことが出来るモノなのだ」
フロン「なるほどー、八幡さんは今魔界に残りたいって思っちゃってますからねえ」
ラハール「うむ、心の力はもう理解していると思うが、貴様が心の底から地球に帰りたいと思えていない今の状況では帰ることができんのだ、おそらくな」
シシリー「お別れ会の意味なくなっちゃうんだ!」
エトナ「いいんじゃない?お別れ会兼祝勝会だけどもうみんな騒いでるだけだしねー」
フロン「大事なのはそういうことじゃないですよっ、もうっ!」
八幡「試してみてもいいか…?」
ラハール「勝手にしろ、どうせ上手くはいかんと思うがな!」
アデル「おう、もう行くのか」
ヴァルバトーゼ「なんだ!みやげのイワシを持って行け!!」
八幡(土産ならとあれもこれも持たされた、ありがとう。でも土産にはこの世界での話だけで十分だ)
八幡(土産は土産話と俺の成長、なんて材木座もわらっちまうくらいくさいセリフだな)
八幡「みんな!絶対また来るからな!1週間だったけどありがとう!」
八幡(俺の言葉に各々が声を上げる、ったく、そんなに同時にしゃべられたら何言ってるかわかんねぇって)
八幡(小学校も中学校も卒業式は悲しくなかった、別れと言われてもピンとこなかったからだ)
八幡(だが今はその気持ちがわかる、悲しい、寂しい、そんな気持ちを抱きながら光に包まれ…俺は…)
セラフィーヌ「何泣いてるんですの?早くお帰りなさいな」
レッドマグナス「どうした不発かぁ!?」
ゼロッケン「これだけ盛り上げといて何もないとか、オイラがっかりだぜ~」
八幡「…すまないみんな!ここまでやってもらったが帰れない」
キリア「良いんじゃないか?別におれたちに何かあるわけでもない。ただ一緒に騒げる友人が一人いなくならずにすんだ、それだけだ」
アデル「そうだぜ八幡、お前もこっちでデビルバスターやろうぜ!」
八幡(各々がまくしたてる、励まそうとしてるわけでもなく本心で言ってるんだろうな)
ラハール「まだ地球に帰りたいと思うか、八幡」
八幡「ここのみんなに借りを返したら帰る、だな。でもその前に雪ノ下と由比ヶ浜には言いたいことがいくつもあった」
ラハール「地球での仲間か」
八幡「仲間だと口には出来なかったけどな、それを伝えたい」
ラハール「そうか、それもしばらくは叶わんな。忘れろ、とは言わんが今はこの宴の中でしばし忘れるといい」
八幡「ああ…そうする」
エトナ「殿下ー、良いんですか」
フロン「せっかく良い感じに心が開いていたのに、もったいないですよぅ!」
ラハール「今の八幡なら地球での悩みも解決できるとは思うが、あやつがそれを拒んだのではな…」
エトナ「なら地球でも攻めますか」
ラハール「なにっ!!?」
フロン「せ、攻めるって言ったってゲートがしまってますよ!ていうか乱暴なのはいけません!」
マオ「いいじゃないかあ!地球侵略!!」
風祭フーカ「いいじゃん、攻めようよ!そんで寝てるあたしを叩き起こしてこの悪夢から覚めてやるわ!」
ゴードン「久々に地元のカフェに顔を出すのもいいかもしれんな、HAHAHA!」
ジェニファー「素敵よゴードンッ!」
ラハール「うっるさいぞ貴様ら!!ごちゃごちゃ抜かしおって!もういい!地球を我がものとしてやる!」
ラハール「それで解決だ!!」
八幡「…お、おい、どういうことだよ」
ラハール「貴様は俺様達に借りを返すために魔界に残りたいが地球の仲間にも伝えたいことがあるのだろう?」
ラハール「ならば地球を俺様のモノとしてしまえばいいということだ!俺様の魔界の端にでもくくりつけてくれるわ!!」
エトナ「庭で良いんじゃないですかー?あたし新技の練習場欲しかったんですよ」
フロン「庭っ!?お花を植えましょう!」
シシリー「お花っ!わぁい!!」
アルティナ「ふふ、めちゃくちゃな魔王様ですね」
フェンリッヒ「ふん、めちゃくちゃだが魔王らしい発言だ」
レッドマグナス「超絶面白そうじゃねえかあ!!俺様も超絶手伝うぜ!!」
キリア「広い庭に花か…リーゼを連れて行ってやりたいな」
セラフィーヌ「花いじりというのも乙女っぽくていいですわね」
アルマース「と、止めるべきだろうけどみんな乗り気だあ~」
サファイア「よいではないか、ワシもアルマースとともに花畑を歩くのが夢でのう」
ラズベリル「花畑だって!?花を育てるのは難しいんだ!管理はアタイにまかせな!!」
アデル「花畑を作る…か、面白そうだな!」
ロザリンド「ふふん、世にも珍しい花の種を進呈してくれよう…」
八幡「ちょ、ちょっと待て、なんで全員乗り気なんだ」
フロン「わかりませんか?」
エトナ「面白そうだからに決まってんでしょ」
シシリー「それだけじゃないよう~!」
ウサリア「八幡さんがこっちに残ってくれるのは嬉しいですピョン!でも心残りがあるままじゃかわいそうですピョン!」
プリエ「あっちに帰るのが正しいだろうけど、せっかく出来た仲間と離ればなれになるのも嫌だしね」
マオ「感謝するといい、地球がこの魔界とくっつけば行き来しほうだいだぞ!…ところで地球人というのは改造…」
八幡「改造は出来ないぞ」
八幡「ありがとう…また借りが増えちまった」
ラハール「ふんっ、借りだなんだとうるさい奴め、元はといえば貴様がさっさと帰ればこんなことにはなっていないのだ!」
ラハール「これは俺様がやりたいからやっているだけだ!勘違いするなよ、八幡」
八幡「…ありがとう」
八幡(それからラハールが地球を攻め落とすのに1か月とかからなかった)
八幡(5つの魔界の魔王級が集まって、地球という1つの星を攻めたのだ)
八幡(陽乃さんが魔王だったのは意外だったが、さすがに人数に圧倒されていた)
八幡(俺が知り合いだったこともあり、妥協点をお互いに出し話をつけた)
八幡(結局のところ、地球の日本の本州だけを庭としてラハール達は奪った)
八幡(そして今…魔界と統合されてから半年が経った)
雪乃「あら、ここには黄色のパンジーが咲くはずだったのだけれど、どういうことかしら?」
結衣「あ、それはエトナさんが赤が良いって言ったから~~~」
葉山「フロンちゃんが色は大切って言ってたんだけど大丈夫かな」
一色「シシリーちゃんが泣くような事にならなきゃ大丈夫ですよう」
セラフィーヌ「う~ん、良い花畑ですわあ!」
リーゼ「本当にきれい、あ、リーゼの花もありますね」
セラフィーヌ「キリア様のお願いとはいえこの女と2人なんて・・・・なんて日ですの」
ロザリンド「ここは良い風が吹くのお!」
アデル「花には興味なかったが悪くねえなこういうのも」
アルティナ「天界を思い出しますわ」
ヴァルバトーゼ「天界にはこんな花畑があったのか?」
アルティナ「ここまで立派ではありませんでしたけど、思い出はたくさんありますわ」
八幡(俺達地球人はここでいつもと変わらない日常を送っている)
八幡(俺達より年上の大人達は色々と大変だったようだが、俺たちはほとんど何も変わっていない)
八幡(ただ違うのはこいつらときちんと話し合い、今は仲間で友達になれたということ)
八幡(それと、大人が対応に追われたための苦肉の策として学生期間が2年伸びたことだ)
八幡(20歳になるまでは学生、俺達のこれからを考えるのにはちょうどいいロスタイムだ)
八幡(半年経った今、まだ落ち着いていないのか授業は始まっておらず、毎日のように花畑の管理とエトナ達の技の修練場の整備をしている)
八幡(大人はばたばたしているが、俺達学生の順応性は高かったというわけだ)
ラハール「八幡!ちょっとこい!」
雪乃「あら、あなたの魔王様が呼んでいるわよ?」
結衣「ほんとに仲良いねー」
八幡「なんだよラハール!」
ラハール「そこに立って花畑を見ろ」
八幡「なんだよ、なんか変な所でも…」
八幡「これは…!」
ラハール「そこは元地球だが今や魔界の1つなのだ、そこでその名前をつけてみた!どうだ、センスあるだろう!」
エトナ「いや殿下、これは…」
フロン「後7つはなんでしょうか…?」
八幡(花畑を上から見た図は…黄色の花で「八魔界」とかかれていた)
ラハール「八幡の魔界なのだから八魔界、どうだ!気に入っただろう!そうだろうそうだろう!」
八幡「これじゃ一魔界とか二魔界がありそうだな」
ラハール「なぬっ!」
エトナ「3魔界とかねー。もっといい名前なかったんですか殿下ー」
シシリー「お兄ちゃん、これはちょっと・・」
ラハール「ぐ、ぬぬ・・・!ならば!後7つあればいいだけの話だろう!!」
ラハール「行くぞお前たち!!後7つ魔界を制圧して奪い取る!!」
エトナ「はいよ殿下ー」
フロン「良いんでしょうか…」
ラハール「いいのだ!俺様が良いと言っているのだから従え!!」
八幡「そうだな、ラハールが間違えたことするなら俺が止めてやるから安心しろ」
ラハール「生意気な…貴様に出来るのか」
八幡「出来るさ…だって俺は…」
八幡「いや、俺様は……八魔界の魔王だからな」
ラハール「はーっはっはっは!!よくぞ言った八幡よ!!」
ラハール「では行くぞ八幡!!俺様達の魔界を増やしにな!!」
エンディング ~魔界級のディスガイア的結末~ 終
八幡「俺は…超!!全魔界級のディスガイル的結末を選ぶ」
エトナ「それを選ぶとはねー」
ウサリア「面白そうですピョン!」
八幡「な、なんだ、何かあるのか?」
ラハール「いやな、マオが面白い事を言うのだ」
マオ「まあ選ぶと思っていなかったけどな、簡潔に言う、俺達魔王の力の一部を預ける」
八幡「…どういうことだ」
キリア「お前は自身の部屋からここへ来たんだろう、ならば帰る場所も部屋にすれば、そこの次元が脆くなるのではないかと言う話だ」
アデル「もろくなった次元の壁に魔王級の力をぶち込めば壊せるんじゃねえかって話だ」
ヴァルバトーゼ「壊せさえすれば道を作ることは出来るからな」
八幡「壁っていうと分かりにくいが、俺が扉をあけてお前たちが道を作ってくれるって訳か」
マオ「そういうことだ」
八幡「だが魔王の力を俺に集めるなんて出来るのか?」
マオ「お前はさきほどラハールと合体技を放っただろう、その時に少しだが魔力に耐性がついたみたいだ」
ラハール「寝てるお前を見たいというのでな、許可しておいたぞ!」
八幡「こええよ…」
マオ「地球に戻り、用がすんだら壁を壊せ、そうすれば俺達が力を貸してやる」
八幡「ああ、すぐ戻る!」
ラハール「地球でやるべきことをやったらすぐに戻ってこい、いいな!これは命令だからな!!」
八幡「ああ、わかったよ、魔王様」
フロン「なんか1週間だけでしたけど濃い1週間でした、また一緒に旅行しましょう!」
エトナ「まー、退屈はしなかったわねー、30000秒以内に帰って来なさいよ?」
アデル「おう、もう行くのか」
ロザリンド「それじゃあ妾の力を持って行け」
マオ「俺のもだ、悪用するなら派手にだぞ」
ヴァルバトーゼ「力に溺れないようにな」
キリア「何かあればすぐに戻ってこい、出来るかはわからんが手は貸すぞ」
八幡(ついでに土産をあれもこれも持たされた、ありがとう。でも土産にはこの世界の話で十分だ)
八幡(土産は土産話と俺の成長、なんて材木座もわらっちまうくらいくさいセリフだな)
八幡「みんな!すぐ戻って来るからな!1週間だったけどありがとう!」
八幡(俺の言葉に各々が声を上げる、ったく、そんなに同時にしゃべられたら何言ってるかわかんねぇって)
八幡(小学校も中学校も卒業式は悲しくなかった、別れと言われてもピンとこなかったからだ)
八幡(だが今はその気持ちがわかる、悲しい、寂しい、短い別れのはずなのにそんな気持ちを抱きながら光に包まれ…俺は…)
八幡(無音…見慣れた光景…ベッドの上)
八幡「夢…?じゃないな、あいつらの魔力を感じる、さっそく次元を壊して…」
小町「おっにいちゃーん!今日は結衣さんと雪乃さんと水族館に行ってきたんでしょー!ってお兄ちゃんなんで泣いてんの!?」
八幡「!?ああ、小町か、すまんな、お兄ちゃん疲れてて…いや、疲れてないな、聞いて欲しい話がある」
小町「う、うん、小町は大丈夫だけど…お兄ちゃん大丈夫?」
八幡「ああ、最高に大丈夫だ、気分が爽快すぎて学校が楽しみでもある」
小町「もう登校日も少ないでしょ…って学校が楽しみ!?」
八幡「ああ、それとそうだ小町。雪ノ下のアドレス、教えてもらえないか?」
小町「ど、どどどどうしたのお兄ちゃん、なんかおかしいよ!ほんとに大丈夫?」
八幡「そうだな…まずは小町に聞いてもらうか、俺の過ごしたすごい1週間の話を…」
小町「泣いてる姿となんか発言がお兄ちゃんらしくなくなってるから信じるけどお兄ちゃんが妄想癖でもあるんじゃないかと小町は心配です」
八幡「心配かけてすまん、困らせるつもりはまったく…」
小町「もうっ!謝るなんてお兄ちゃんらしくないよ!」
八幡「証明の為に次元の壁を今から壊そうと思うんだが」
小町「今、夜…というか朝だよ?音とか大きいとまずいと思うんだけど…」
八幡「それもそうか、なら明日帰ってきたらやるか」
小町「…それでお兄ちゃんは二人のどっちを選ぶか決めたの?」
八幡「いや、決まってはいない、だが俺のやり方だとあいつらが悲しむことが多かったからな、どちらかを選ぶにしてももっとあいつらを良く知ってからにしたいと思う」
小町「あー、それに気付けたのはえらいえらい、小町的に超ポイント高いよ」
小町「じゃあ友達ちゃんと作って、なおかつ結衣さんと雪乃さんとも今までの恋人でもない関係をしばらく続けたいと」
八幡「さらにラハール達のいる魔界に連れて行ってみたいと思っている」
小町「まあすぐには無理だろうけど、お兄ちゃんの気持ちをちゃんと口にすれば大丈夫だと思うよ」
八幡「そうだな、俺からココロを開いて、あいつらも開いてくれれば良い方向に進めそうだ」
小町「もう結衣さんも雪乃さんも結構心開いてたと思うけどなー」
八幡「…見て見ぬふりしてきたことも謝らなきゃいけねぇな」
小町「もう朝だけどお兄ちゃん学校大丈夫?」
八幡「そ、そうだな…。悪いなこんな朝まで付きあわせちまって」
小町「いいよ、小町はまだまだ若いからね!徹夜くらいお手のモノなのです!」
八幡「そうか、また何かあったら付きあわせちまうかもしれんが…その時は」
小町「まかせて!お兄ちゃんに頼られるのは小町的に超ポイント高いよ」
奉仕部
結衣「ゆきのん、ヒッキーのメール見た?」
雪乃「ええ、今日は絶対に奉仕部に来てくれ、なんて何かあったのかしら」
八幡「お、早いな…」
雪乃「あら、呼び出しておいて遅れてくるなんて、ついに時間さえ理解できないほどの地球外生物化が進んでしまったのかしら?遅刻ヶ谷くん?」
八幡「まだ人間だよ、少し平塚先生と話ししてただけだ。・・・待たせてすまん」
結衣「い、いいんだよヒッキー、それで、その、話って・・?」
雪乃「そうね、わざわざ絶対来てくれ、なんて言うのだから重要な話がありそうだけど」
八幡「これから話す話は色々と突っ込みたい所もあり得ないと馬鹿にしたい所もあるだろうけど、最後まで聞いてくれ」
雪乃「長くなりそうだから紅茶を入れるわね」
八幡「ありがとう」
八幡(そう言うと雪ノ下は紅茶を入れに、由比ヶ浜は雪ノ下のイスを近づけ、俺のイスを対面に置いた)
結衣「この方が話しやすいでしょ?」
八幡「ああ、ありがとう」
八幡「俺は一週間ほど魔界に行っていた」
結衣「…へ?」
雪乃「由比ヶ浜さん、最後まで聞きましょう」
八幡「そこでいろんな人にあった、いや、人ではないのが多かったけど、俺達人よりも感情が豊かで、メチャクチャな奴らだった」
八幡「最初に目を覚ました時はゾンビ扱いされたよ」
八幡「しかも俺が魔界に呼ばれたのは手違いらしくてさ、帰る方法も特にはないみたいで」
八幡「それでも召喚したのは魔界側の不手際だからと俺が地球に帰るための手伝いをしてくれた」
八幡「魔界を巡って人と関わる事で帰れる、簡単に言うとこんな事だ、俺には難しいと思ったよ」
八幡「でもあいつら距離感が近えんだ、2、3言葉を交わしただけでもう仲間、みたいに輪に入れてきてさ」
八幡「不思議とそれが嫌じゃなくてさ」
八幡「なんでかわかんなかったけど、嫌じゃなかった、帰りたくないとまで思ったこともある」
八幡「そして俺がその魔界で関わった奴らがどうやってそんなに強く結びついたのかを毎晩夢に見るんだ」
八幡「最初の魔界ではアデルとロザリンドって言うデビルバスターっていう職の男と魔王の娘の話の夢を見た」
八幡「アデルは敵であるロザリンドと敵対していたが気づいたら愛してしまっていた」
八幡「それでも…運命のいたずらという奴で殺さなくてはならなくなってしまった」
八幡「でもあいつら、運命ごとぶち壊して、今は立派に夫婦をしてる」
八幡「愛の力がどれだけ凄い物なのか、それを目の当りにして、俺は泣いた」
八幡「愛という目に見えないモノがどれだけ強いのかを学んだんだ」
八幡「2番目に行った魔界では善悪が反転してて、少し面白かったな」
八幡「ここではココロと閉じた魔王とその仲間たちの夢を見た」
八幡「産まれてからの全てが決められた、作られた人生だった魔王の話とその魔王を倒しに来た自称勇者の話」
八幡「お互い敵対してぶつかり合っていたのに、お互いを理解していくんだ」
八幡「長い時間付き合えば、言動や行動からある程度の理解は出来る、でも本質はそこじゃないと知った」
八幡「本質は…ココロだったんだ」
八幡「ココロを開いて理解してもらうこと」
八幡「そして…ココロを開いてもらって、理解すること」
八幡「難しいことだけど、俺はココロを開いていきたいと思う」
八幡「少しずつ…だけど、受け入れてくれたら嬉しいし…お前たちも開いてくれたら…俺は…その、なんだ…嬉しい…」
八幡「ココロの理解に良い結果だけを求めるなって俺の魔王様に言われたし、喧嘩になっちまうこともあるかもしれないがそれでもいい」
八幡「喧嘩もなしに顔色をうかがってばかりの関係なら、俺はもういらない」
八幡「そんな関係で得た良い結果は、見せかけの良い結果なんだとわかったから」
八幡「ココロを開くこと、大切な事をまた1つ学んだんだ」
八幡「3つ目の魔界では吸血鬼にあったな」
八幡「全てに優しくしすぎて傷付いた天使、それを嘆いた悪魔の話」
八幡「そこの主であるヴァルバトーゼは自分が行動をおこして、人ごと世界を変えた人物だ」
八幡「ヴァルバトーゼは一人ではそれが出来なかったと言っていた」
八幡「臆病な死神もいたが、少しのきっかけで今ややり手の死神になっている、彼もまた一人では出来なかったと言っている」
八幡「自分が魔界にいることを夢だと思い込んでる女の子もいた」
八幡「思いこむだけで悪魔達と同じ力を扱っていた、俺も夢だと思っていたけど途中から現実だと受け入れちまったから出来なかったな」
八幡「作られた兵器である奴もいたが、何故か笑ってんだ」
八幡「自分の境遇に嘆かず、自分でどうすればいいかを決め、そして今笑っていられる、凄い事だと思った」
八幡「仲間の大切さをここで学んだんだ」
八幡「4つ目の魔界はミニ魔界っていう持ち運びできる魔界でさ」
八幡「カレーが美味い魔界だったな」
八幡「ここはみんなが1度大きく間違えた魔界だった」
八幡「過去の自分を受け入れること、勝ちことよりも負けることで得られる教訓」
八幡「自分で選択すること、謝る事と許す事」
八幡「自分の中で越えてはいけないラインを引くこと」
八幡「彼らもまた仲間の存在が大切だと教えてくれたが、俺には…」
八幡「ウサリアのつらい選択を選んで今も笑っていられる事の方が心に残った」
八幡「俺は目の前に楽な選択とつらい選択があったらきっと楽な選択を選んでしまうだろう」
結衣「それが間違ってる選択ならあたしがとめるから!」
雪乃「由比ヶ浜さん、最後まで聞きましょう」
結衣「うん……」
八幡「ありがとう……そうなんだよ、俺が間違えそうになったら仲間が…由比ヶ浜と雪ノ下に……助けて欲しい…」
八幡「そして最後に夢を見た魔界は俺の魔王、ラハールの魔界の夢だった」
八幡「悲しみや憎しみなどを持ちながらも隠し続け、そのまま進んだ結果、ばらばらになってしまった魔王様の話だ」
八幡「…すまん、うまく…言えん…」
八幡「あれを見た気持ちを…思いをうまく言葉に出来ない」
八幡「ここで俺はなんでも考えれば答えが出るわけじゃないということを学んだ」
八幡「答えが出ないから答えないではなく、問題を見ないを選んできた俺は面食らったよ」
八幡「あいつらの関係がどうやってそうなったのか答えられないが」
八幡「全然気味悪くもなく、ずっと見ていたいと、いつか理解したいとも思ってしまったんだ」
八幡「俺も、こんな関係を築きたいと思った…」
八幡「お前たちと…」
八幡「いざ地球に帰るって時に超魔王ってのが襲って来て、ラハール達の魔王城がめちゃくちゃにされてさ」
八幡「ラハールが絶対に勝てるって言ったのに、戦いの光景を見て、俺は余計なことをしてしまった」
八幡「地球に帰るために必要な道具を使って、倒せないであろうバールを遠い場所に飛ばそう、って考えたんだ」
八幡「俺が間違えた選択をしたことと、ラハールを信じなかったことを反省した」
八幡「それと少しだけ、今だから言えることだけど嬉しかった…」
八幡「俺が間違えた選択をした時に正してくれて…仲間ってこういう関係なんだと…思った」
八幡「1度の失敗で嘆くな、失敗した時こそ前を見ろと言われた」
八幡「最後には俺との合体技で超魔王を倒して終わらせた」
八幡「きっとラハールも…俺の事を仲間だと思ってくれたんだと…思う」
八幡「そして最後にラハールは俺に選択をさせたんだ」
八幡「俺が難しい選択を迫られた時の免疫をつけるためだー、だと」
①地球級の俺ガイル的結末
②魔界級のディスガイア的結末
③超!!全魔界級のディスガイル的結末
八幡「だとさ、俺は超!!全魔界級のディスガイル的結末を選んで、地球に帰ってお前たちと一緒に魔界に戻ると約束してきた」
八幡「約束だからな、守りたいと思う」
八幡「以上が俺が魔界で経験してきたことだ…」
八幡「わかりにくいと思うが…俺は…変わりたい…」
雪乃「あなたはもう十分変わっているわよ」
結衣「そうだよ、ヒッキー、変わった」
八幡「そ、そうか?…そうか、俺は、変われたか…」
八幡「俺はあいつらとの約束を守りたいと思う。」
八幡「それでだな、これを聞いてもらって、俺が言いたいことは」
八幡「お前たちの気持ちには答えたい…が、待って欲しいって事だ」
雪乃「…いいわ、待ちましょう」
結衣「いつかは答えてくれるんだもんね」
八幡「ああ、それと、葉山達とも少しずつだが仲良くしたいと思う…」
雪乃「見せかけの仲間はいらないのではないの?」
八幡「あいつとはアルマースとマオみたいな関係になれそうな気がするんだ……それに、あいつが俺を嫌っていた理由も今なら少しわかるからな」
結衣「ならカラオケいこーよ、隼人くんたちと!」
八幡「いきなりグループはちょっと…2人で話でもしてくるよ」
八幡「それと戸塚と材木座にもちゃんと友達になってくれと話して」
雪乃「そういうのは言わなくても相手はもう友達だと思ってそうだけれど」
八幡「不安だと思うんだよ、俺がそうだったからな、自分がそう思っていても相手はどうだろうってな」
八幡「平塚先生には来る前に話したし…後は一色にも…」
雪乃「焦らなくても大丈夫よ、あなたは一人じゃないんだから」
結衣「そうだよ!私達も手伝うから順番に解決していこ!」
八幡「ありがとう…それじゃ今日はもう帰って魔界へのゲ…」
ドォオオオンドォオオオンドォオオオンドォオオオンドォオオオン
八幡「なんだこの音!?」
天使兵「出てこい魔王の力を持つ者よ!」
天使兵「平和を乱す異能の者よ!」
結衣「な、なんなのあれ!」
雪乃「羽…天使かしら、比企谷君の知り合いなのかしら?」
八幡「いや、違う…俺の知るあいつらは交戦的だけどあんなに怖い顔は…」
ドォオオオンドォオオオン
結衣「校庭に穴がっ!」
天使兵「出てこないならば探査を開始する」
天使兵「我らの探査にかかった者には罰を与える」
陽乃「あちゃー、襲われちゃってるねぇ、こんなことにならないように”魔界とのゲート”は閉じたんだけど、なんで天界に襲われちゃうのかなー」
八幡「雪ノ下さん!?魔界の事を知ってるんですかっ!?」
陽乃「んー、まあ私、地球の魔王だしね、地球魔界の魔王、雪ノ下陽乃よ、言ってなかったっけ?」
八幡「聞いてませんよ!それとあれはなんなんですか!?」
陽乃「魔界に侵略されたくないからゲートを閉じて、そうすると地球に脅威がいなくなるから天界からも攻められない、はずだったんだけどね」
陽乃「比企谷君が魔王の力を持っているせいで、脅威な存在が地球にいると思って排除しに来たんでしょうね」
八幡「それじゃこの力を使い切れば…」
陽乃「無駄でしょうね、一度見えた脅威の存在が自分達の見てない所で消えても不安だもの」
陽乃「家で見つけたゴキブリが見てない所で家の外に出ました、なんて言っても信じられないでしょ?」
八幡「なら…どうすれば」
雪乃「その魔王の力とやらで倒せないのかしら?」
陽乃「あれを倒しても増援が来るだけよ、一番早いのは君が殺されることだね」
結衣「そんなのっ!?」
八幡「嫌です」
陽乃「君一人が死ねば全世界の人が助かるんだよ?」
八幡「嫌ですよ、俺にはまだやりたいことありますし、それにどうにかする方法がないわけでもない」
陽乃「方法…?それは?」
八幡「ラハール達に助けてもらうんですよ、天使と戦えるなんてあいつなら喜んで戦うでしょう」
陽乃「それだとここが戦場になるよ、それはどうなの?」
八幡「それは…」
結衣「ヒッキーの仲間には天使もいるんでしょ?その子に頼めばなんとかなるんじゃない?」
陽乃「それはどうかな、天使兵に命令を下してるってことはその天使ちゃんよりも上の存在かもよ」
八幡「ラハールなら…俺の知ってる魔界の魔王達なら…なんとかできます…」
陽乃「どうやって?」
八幡「わかんないです、わかんないですけど、きっとあいつなら、『俺様がなんとかすると言ったからにはなんとかなるのだ』って言うんですよ」
八幡「俺が絶対無理だと思っても、あいつはやるんです、それが俺の知ってる魔王です」
八幡「少なくとも地球人に殺されてこいって言う地球の魔王は信じられません、だからあなたの言う事は聞きません、全て否定します」
八幡「帰ります、ゲートを開いてこの事態を収拾させてみせます」
雪乃「あっ…行ったわね…」
結衣「うん、今日は学校に泊まりになりそうだね」
陽乃「地球の魔王は信じられない…か」
八幡「この部屋で力と解放すればいいんだよな!…そおいっ!!」
八幡(全力のパンチを何もない空間に打つ、空ぶりの勢いで肩が外れそうになったが、これでいいのだろうか)
八幡「何も…起こらな…いっ!」
ラハール「遅いぞ八幡っ!何やら大変な事になったようだな、今すぐ戻ってこい!」
八幡「今はそっちに行ってる暇は」
ラハール「いいから来るのだ!地球が大変なのはわかっている!」
八幡「…わかった」
フロン「大変ですよお!まさか天界が攻めこむなんて…」
シシリー「大天使様、なんで…?」
八幡「俺が預かった力が脅威だったからだと、地球の魔王が言っていた」
ラハール「脅威だからといって俺様の魔界には攻めてこんではないか!」
八幡「今まで平和だった所に急に危険因子が出来たんだ、怖がりもするさ」
フロン「と、とにかく大天使様に話を聞きに行きましょう!」
シシリー「そ、そうだよ、そうしよ!」
エトナ「あんまり気が進まないわねー」
ラハール「ふん、いずれ俺様の物にしようと思っていたところだ!行くぞ!」
フロン「大天使様っ!」
ラミントン「おや、フロンではないですか。どうかなさいましたか」
ラハール「久しいなラミントン、要件だけを言う、地球から手を引け」
ラミントン「どういうことでしょう、今地球には危険因子があります。それを排除しなければ地球の民全てが安心して暮らせないのです」
八幡「それなら俺だ、だが魔王達の力を使ってゲートを作ったからもうその力はない」
ラミントン「それがどうかしたのですか?」
八幡「いや、だからもう危険因子は…」
ラミントン「そうですか、ならば天使兵は引き上げさせましょう、ただしゲートは閉じさせていただきます」
八幡「なんでだ」
ラミントン「あなたが開いたゲートから魔族が地球に攻め込まないと言い切れますか」
ラハール「俺様の魔界と繋がっているだけなのだ、なんの問題もなかろう」
ラミントン「何が問題ないと言うのでしょうか、あなたの魔界にもあなたに従わない魔族がいます」
ラハール「ふん、ゲートさえ守りきれば問題なかろう」
ラミントン「あなたが自身の魔界を離れる時にどうするというのでしょう」
八幡「ならラハールの魔界に天使兵をおけばいいんじゃないか、数はいるんだろ」
ラミントン「天使を魔界に…御冗談を」
八幡「フロンやシシリーはどうなんだ、こいつらは天使だろ」
ラミントン「自ら行った者はいいでしょう、ただ命令で配備される天使兵は魔族に嫌悪するでしょう」
フロン「残念ですがそうです。天使から見た魔族の印象はいまだに良くありませんから」
八幡「ラミントン、それはお前もそう思っているのか、天界で一番偉いってんなら長い間魔界も見てきたんだろ、お前の目に魔族はどう映る」
ラミントン「個人の意見としてはだね、問題ないと思う。だが民は納得しないのだよ」
八幡「その天界の民とやらが魔族を避けてるから理解出来ないんだろうが、ラミントンは長い間見てきたから問題ないって言えてんだ」
八幡「なら時間さえあれば魔族と天使が仲良くするのも可能なんじゃないか?」
ラミントン「わざわざ関わりに行く天使がいるとは思わないが…そうだな、賭けをしよう」
八幡「賭けだと?」
ラハール「俺様を抜きに話を進めるな!」
ラミントン「君達にも関係のある賭けだよ」
ラミントン「天界と魔界を1つにし、100年間何も問題がなければこれ以降敵対もなし、どうです?」
ラミントン「もちろん賭け継続中は地球の天使兵も引かせましょう、ただし100年の間に魔族と天使の間で大きないさかいがあればあなたを殺しに行かせます」
ラミントン「民が…魔界だけでもなく地球からの脅威に怯えない為です、どうでしょう」
ラハール「面白い、天界と魔界が1つになり戦いが起こらなければ、か」
フロン「もし起こってもすぐに収めることが出来れば問題なしですか?」
ラミントン「その場合は問題なしとみなしましょう、魔族と天使の争いを仲裁できたならそれこそ共存への近道ですから」
八幡「その1つにするっての、地球もいいか」
ラミントン「!?驚きました、なぜです?」
八幡「魔族と天使が仲良くしようってんなら人もどうかと思っただけだ、その方がより素晴らしいんじゃないのか」
ラミントン「地球も…1つに…素晴らしい、そうですね、やりましょう」
ラハール「俺様達が魔界を」
ラミントン「私達が天界を」
八幡「俺達が地球…いや、人間界を」
八幡「1つにする…!」
八幡(それからすぐに全世界が1つとなった)
八幡(とんでもなく広くなった世界に人は困惑したが)
八幡(魔界からヴァルバトーゼやネモ、キリア、天界からはアルティナやラミントンが手を貸し口を添え)
八幡(今では人も魔界の乗り物に乗って色んな世界を旅行するまでになっている)
八幡(セラフィーヌの絢爛魔界が人気らしいが、この前ぼったくり店が多いと雑誌に載っていた)
八幡(大人も子供も社会はうまく回っている)
八幡(魔界も天界も人間界もこれから様々な困難にぶつかるだろうが)
八幡(今はそんな気配が全く見えない)
八幡(あそこで天使と悪魔と人間が笑いあってるのがその象徴だろう)
八幡(俺たちは大学がばらばらになるはずだったのだが、ラミントンにあるお願いをされてしまった)
八幡(魔界と天界と人間界の小さなお悩みを解決する事務所を経営してほしいそうで…)
雪乃「比企谷君、天界から依頼よ」
八幡「俺は悪魔担当だ、天使は由比ヶ浜に回してくれ」
結衣「えー、またあ!天使わがまますぎ~!」
一色「まあまあ、手伝いますよ!」
八幡(まあ、全ての世界の中心で奉仕事務所なるものをやっている)
雪乃「あら、大きな封筒……ふふ、これはあなた宛てね」
八幡「ん?っていっぱい入ってるな…」
八幡「なになに…」
アデル『早く遊びに来いよ八幡、お前の友達に会うのロザリンドも楽しみにしてるぞ』
マオ『八幡が真にココロを理解したのか見てやる、来い』
ヴァルバトーゼ『フーカが答えを出しただのうるさいから来てくれ、俺も楽しみに待ってる』
キリア『めずらしい肉が手に入ったぞ!新作メニューの試食に来てくれ!』
ラハール『貴様の故郷でも散歩してやる!!ありがたく思え!!』
結衣「行ってきなよヒッキー」
八幡「いいのか、まだ他にも依頼の手紙が…」
雪乃「行ってきなさい、それも立派な依頼よ、解決してきなさい」
一色「先輩の分もしっかり働いておきますね~」
八幡「すまんな、すぐ…いや、戻るのは遅くなるかもしれん」
雪乃「ええ、待ってるわ」
八幡「…おお、なんだよ、なんかパーティでもやんのか」
八幡(目がちかちかするほどの人数、雑音で地が揺れるほどの人数、なんだこれ)
ラハール「貴様のおかえりなさい会をやっていなかったからな。…なんだ、仲間とやらはいないのか」
八幡「す、すぐに呼ぶ、待ってろ」
八幡「と、その前に…そうだな、ただいま!」
ラハール「ふんっ、言うのが遅いのだ全く、みなのもの!!せーのっ!!!」
【【おかえりなさい!八幡!!】】
トゥルーエンディング ~超!!全魔界級のディスガイル的結末~ 終
本編以上、終わらせてからも続けたのは申し訳ない。
どの選択がトゥルーエンドかどうかは読み手次第だと思います。
マオ「八幡、目玉焼きには何をかける?」
八幡「醤油だな、別になんでもいいけど」
マオ「そうか、仲間だな…」
八幡「なんで悲しそうなんだよ」
ラズベリル「元々マオはソース派だったんだよ!」
八幡「今は醤油派か、まああるよな、醤油派が塩派になったり」
ラズベリル「マオのココロの中の”ソース派マオ”がやられたらソース嫌いになったんだよな!」
八幡「ソース派じゃなくなるだけじゃなくてソースが嫌いになったのか…」
マオ「み、見るとかけたくなるのだ!だが口に入れると…」
八幡「ココロってやっぱめんどくせえな」
【フーカの恋愛相談】
フーカ「それじゃその事故がきっかけで気になり始めたんだ」
結衣「そうなるかな、始まりはそこだね~」
雪乃「私は奉仕部に彼が来たときに少し気にかけてしまったことが始まりね」
フーカ「やっぱり高校生は出会いが豊富でいいわねー、私は中学半ばでここに飛ばされちゃってて成長もしなくて…」
結衣「でもでも、魔界で良い出会いとかあったんじゃないの?いっぱい人に会ったでしょ?」
雪乃「そうね、あなた可愛いもの、選び放題なのではなくて?」
フーカ「いや~…私の周りの男って…」
ヴァルバトーゼ「いわしっ!!」
フェンリッヒ「ヴァルバトーゼ様あっ!!!」
アクターレ「ひぃっ!ただ歩いてただけですっ!勘弁してくださいっ!」
エミーゼル「ぼ、ぼくは出来るぼくはできる…」
フーカ「はぁ…」
結衣「あー…」
雪乃「気分転換に別魔界に行ってみてはどうかしら、まあ無難に人間界がおすすめね」
フーカ「あ、あそこに良い男いるじゃん!おーいそこの人お!」
結衣「あ、隼人くん…」
雪乃「さて、どうなるやらね」
フーカ「いやー見た目だけよくてもだめね、私の投球も打てないなんてね」
フーカ「私は守られたい乙女なのに!!」
結衣「いや~、乙女は爆弾なんて投げないと思うなぁ」
雪乃「乙女じゃなくても普通爆弾は投げないわよ」
フーカ「そうなのっ!?あちゃ~まちがえちゃったか…」
結衣「大丈夫、まだ次があるよ!」
雪乃「そうね、たまになら相談に乗るわ、今日みたいに依頼が少ない日ならね」
結衣「依頼として出してきてくれてもいいんだよ、そうしたらヒッキーの担当になるけどね」
フーカ「そういえばあいつ、目さえどうにかすれば意外と良い顔してるわよね…」
フーカ「ラハールと一緒とはいえバールに向かっていったし…」
フーカ「意外と優良物件!?決めたわっ!!」
結衣/雪乃「そ、それは駄目!!」
フーカ「あ、そうだったわね、でも恋愛は蹴落とし合いの世界なの、手加減はしないわ!」
結衣「そこは思いとどまってくれるんじゃないんだ!?」
【アルティナとロザリンドと結衣の結婚相談】
ロザリンド「妾とアデルが普段何をしているか…じゃと?
結衣「うん、結婚した後の生活ってあんまり想像できなくて」
ロザリンド「妾達はまだ結婚したわけではないのだがのお、そうじゃな、アデルが狩りに出かけて」
ロザリンド「その間にママさんと洗濯や掃除をし、昼食を作り、タロウやハナコと遊び、夕食を作りの繰り返しじゃ」
アルティナ「私達も結婚してはいませんが一緒にお仕事したり、天界の思い出や死ぬ前の話をしていますわ、他愛もない会話が楽しい、そんな感じです」
結衣「ほわあ~、なんか相思相愛の夫婦って感じだね!」
ロザリンド「そうじゃなあ、式を挙げずとも夫婦を名乗ってもいいのかもしれんな」
結衣「うんうん!問題ないよ!絶対だいじょぶ!」
アルティナ「私はもう少しだけ今の関係を続けたいです」
結衣「えーなんで、もう結婚まで行っちゃってもいいんじゃない?」
アルティナ「自分の事よりも応援したい子がいるのです」
結衣「誰の事?」
ロザリンド「フーカか?」
アルティナ「ええ、愛を知らないまま死んでしまい、家族愛はここで知ることができましたが、恋愛はまだみたいでして」
アルティナ「変な事にならないように見張っていないと心配で心配で」
ロザリンド「くっく…まるで母親のようだな」
結衣「ヴァルバトーゼさんとアルティナの魔界にいる人はみんな家族みたいだね!フーカちゃんは…娘になるのかな」
アルティナ「む、むすめ!?」
ロザリンド「結婚前に子供を授かった後の気分を味わえるとは良い魔界ではないか!くっくっく…」
結衣「そうだねえ、これでいつ子供が…」
アルティナ「からかうのはもうやめてくださいまし!!」
【絶対ヒーロー改造計画】
マオ「八幡っ!!改造だ!」
八幡「なんだ急に」
マオ「改造人間が現れた!!」
八幡「ゲームか?」
マオ「違う!!こいつだ!!」
八幡「誰だこいつ、虹レンジャーの新色か…?」
ピロ彦「違うぞ少年っ!絶対勝利!マケレンノジャーだ!」
八幡「ヒーローならしっかり顔隠しとけー、魔界だと思わぬ場所で子供に会うからなー」
マオ「改造人間だそうだ!」
八幡「ショッカーじゃねえか」
ピロ彦「ライダーの方も改造されているんだぞ?」
八幡「時代がちげぇよ…」
八幡「で、マオはなんのようだよ」
マオ「貴様をヒーローにしてやろうか!」
八幡「蝋人形風に言ってんじゃねえよ」
マオ「頼む!こんなこと頼める友はお前しかいないんだ」
八幡「こんなこと友達に頼むんじゃねえよ・・・と、ほら」
マオ「これは?」
八幡「絶対勝利マケレンノジャーって聞いて思い出した、この依頼者の所に行ってこい」
マオ「何なに、差出人は田中くん…子供か。誰にでも勝てる強い鎧を試作したけどもっと改良して欲しいです、だと…ふふふ…ははは!!やってやろう!その出来損ないの鎧とやらを改造してくれよう」
マオ「田中・・・などという名前に似合わないような…そうだな、田中デスダークと名乗りたくなるようなスーパーアーマーを作ってやろう!!」
ピロ彦「八幡さん?なんかすごい嫌な予感がするんだけど…」
八幡「俺たちは持ち上げて投げれば戦闘は大体なんとかなるけどお前の世界だと厳しいかもな」
ピロ彦「そんな~!」
【ラズベリルと雪ノ下】
雪ノ下「あら、あなたはラズベリルさんね、とってもいい子だって聞いているわ」
ラズベリル「アタイがかいっ!アタイは不良だよ!」
雪ノ下「趣味はボランティア活動だと聞いているのだけれど」
ラズベリル「そうだよ!」
雪ノ下「無遅刻無欠席で唯一の卒業生だと聞いているのだけれど」
ラズベリル「そうだよ!卒業生は後にも先にもアタイだけさっ」
雪ノ下「優等生…よね…」
ラズベリル「不良だよ!」
雪ノ下「わかってるわ、善悪が反転してるのだったわね」
ラズベリル「あんたは不良かい?」
雪ノ下「ええ、あなたから見るとそうなるでしょうね」
ラズベリル「なーんだ仲間じゃないかい、今からゴミ拾いに行こうと思ってんだ、一緒に行かないかい?」
雪ノ下「そうね、その後は一緒にお茶でもどうかしら」
ラズベリル「いいねえ、そっちの学校の事も聞きたいしね!」
雪ノ下「面白い事はあまりないわよ…それとその耳…触ってもいいかしら」
ラズベリル「べ、別にいいけどどうしたんだいあんた、目が怖いよ…?」
雪ノ下「抱っこするにゃ~~~」
ラズベリル「サファイア病の奴がここにもいたとわわわぁあああ~たすけて~」
サファイア「アルマース、止めないのかえ?」
アルマース「あっちを止めたら姫が抱っこしに行くでしょ、2人を止めるなんて出来ないよ」
サファイア「ワシと一緒にいたいと素直に言えばいいのに奥手じゃのお」
アルマース「はいはい、それでいいよ…それにしても抱っこするにゃあ、か」
サファイア「意外な一面だったのぉ」
【いろはとウサリア】
いろは「ウサリアさん」
ウサリア「なんですかピョン?」
いろは「その語尾のぴょんって外せないんですか?」
ウサリア「はずせないですピョン」
いろは「はずせますよね、確か次回予告で一度~」
ウサリア「あそこはウサリアであってウサリアじゃないですピョン!」
いろは「こころピョンピョンします?」
ウサリア「その質問はなんですかピョン?」
いろは「ああ~、一緒に見ますか、ご注文はうさぎですか」
ウサリア「何かとてつもなく残酷な話を見せられる気がしますピョン!怖いですピョン!」
ウサリア「きっとうさぎを如何に美味しく調理するかを競う料理アニメですピョン!」
いろは「いやだなあ、喫茶店のお話ですよお…ラビットハウスっていう…ねぇ…!」
ウサリア「怖いですピョン!怖いですピョン!」
ウサリア「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」
いろは「な~んだ、語尾のピョンはやっぱろ取れるんじゃないですか…ピョン!」
いろは「語尾にピョン、悪くないですね、早速先輩に試してきましょう」
html化依頼出してきます、ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
20くらいまで頑張ったけど挫折…よくわからん