【SideM】ピエール「世界中笑顔だってばよ!」 (29)


ピエール「みんなを笑顔にするのがアイドル……すなわち火影の役目だってばよー!」

翔太「………」

冬馬「………」

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冬馬「……おい。翔太」

翔太「なに?冬馬くん」

冬馬「なんでこんなんなってるんだこいつ」

翔太「僕のせいじゃないよ」

冬馬「何があったか説明しろ」

翔太「夏休みだしNARUTOの映画一緒に観に行かない?って誘って」

冬馬「完全にお前のせいじゃねーか!中学生にもなってNARUTO映画を観に行くなよ」

翔太「中学生がNARUTOを好きで何がいけないの!?」

冬馬「そこはどうでもいいんだよ!ていうか。なんで俺の家に連れてくんだ!?」


翔太「冬馬くんならせっかくのオフの日も家で独り寂しくカレーつくってるんだろうなーって」

冬馬「よーし翔太。今すぐうちから出て行け」

翔太「助けてよ~冬馬くん!冬馬くんしか頼れる人いなかったんだよ~!お昼もまだだし!」

冬馬「知らねー黒スーツのおっさん2人まで付いてきてるし……」

SP1「どうか我らのピエール様をお助けください!」

SP2「天ヶ瀬殿!どうかピエール様を!元の明るく元気で聡明ないつものピエール様に!」

冬馬「お…おう」


冬馬「なあ。前から思ってたんだけどよ。ピエールってなにもんなんだ?なんでいつも黒いおっさん2人連れてんだ?」ヒソヒソ

翔太「やんごとなきおかたってやつ?どこかの国の王子様だったりしてね~www」

SP1「!!」

SP2「!!」

冬馬「おいーーーーっ!!なんかおっさん達の目付が変わったぞ!鋭くなってるぞ!お前、あんま変なこと口にすんな!」ヒソヒソ

翔太「どうしたの?冬馬くん。顔色悪いよ?」


冬馬「と、とりあえず……よかったら牛乳どうぞ」

SP1「いただきます」

SP2「かたじけない」

ピエール「冬馬!牛乳に氷入れてほしいってばよ!」

冬馬「わかった。わかった。カレーもおかわりあるからな」

翔太「冬馬くん。僕もカレーおかわりちょーだい」

冬馬「お前はもう4杯目だろ!?どんだけ食うんだよ!」


翔太「ピエールくんこのまま帰すとさあ。ほら、みのりさん。あの人、怖いから」

冬馬「はあ?怖いって……別に怒らねーだろあの人は。鬼じゃねーんだから」

翔太「冬馬くんわかってないなあ。あの人いつもニコニコ笑顔だけど時々目ぜんぜん笑ってないからね?」

冬馬「でもよーそもそもあの人が怒る理由ないだろ。あの人はピエールのおかんか何かなのか?」

翔太「常にエプロンつけてるからおかんぽいよね。なんでずっとエプロンなんだろうあの人」

冬馬「……人には触れちゃいけない事のひとつやふたつあんだろ。あんまそこはツッコんでやるなよ」

翔太「あれ?そういえばピエールくん静かだね…………」


翔太「あ!」

冬馬「どうした!?」

翔太「はやく止めないと!本棚にあるNARUTO第1巻から読み始めてるよ!このくつろぎ体制は全72巻読むつもりだこれ!」

冬馬「やべー!俺んちに連れてきたのがあだになったか!はやくNARUTOから意識を剥がさないと取り返しのつかないことになるぞ!」

翔太「どうすればいいの冬馬くん!」


冬馬「こうなったらNARUTO以上にインパクトあるものを見せるしかねえ!」

翔太「NARUTO以上にインパクトのあるものなんて僕には思いつかないよ!NARUTOこそ至高!そこは絶対に譲れない!」

冬馬「NARUTOに勝つにはこれしかねえ!」つピッ

テレビ『ちゃーらー!へっちゃらー!』

翔太「ドラゴンボール……だと!?」

冬馬「NARUTO作者、岸本斉史先生自らが神様のような存在と言う鳥山明先生の伝説的作品ドラゴンボールだぜ!」

翔太「でも!Zからいきなり見せてピエールくん食いつくかなあ~」

ピエール「………!」

冬馬「へ!めっちゃ食いついてるじゃねーか」



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ピエール「オッス!オラピエール!つっえええアイドルと戦えるとかオラわくわくすっぞ!」

翔太「………」

冬馬「………」

翔太「あーあ。どうすんの~冬馬くん。僕知らないよー?」

冬馬「なんで俺が悪いみたいになってんだ!?お前、俺のせいにして逃げるつもりだろ!」

翔太「ひっどいなあ~そんなことしないよ」

冬馬「どうすればピエールが治るかお前もアイデア出せ!」

翔太「じゃあもう一回NARUTOを見せよう!僕のオススメは我愛羅VSナルトのわかるってばよ……のシーン。かな!」

冬馬「それ、お前が見たいだけだろ!」


SP1「あ、あのう」

冬馬「なんだ?なにか思いついたのか!?なんでもいいからアイデアがあるなら教えてくれ!」

SP1「日本のサブカルチャーで伝説と言ったらこれかと」つDVD

冬馬「おお!あんたもなかなか良い趣味してるな!」

翔太「え~なんか古臭くなーい?」

冬馬「翔太!てめーは黙れ!伝説には伝説で対抗するしかねーんだ!」つピッ

テレビ『あんまりソワソワしないで~あなたはいつでもキョロキョロ~♪』

ピエール「………!」

冬馬「今現在も現役バリバリで週刊連載を続ける生ける伝説!るーみっくこと高橋留美子先生の作品で対抗だ!」

翔太「冬馬くんごめん。もうこれ先が見えたよw」



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ピエール「ちゃーらー!へっちゃらー!っちゃ!うち!トップアイドルめざしたる~!」

翔太「………」

冬馬「………」

翔太「なんか色々まざりはじめちゃったね」

冬馬「やべーな。どのくらいやべーかというとまじやべー」

翔太「語尾がだっちゃ!くらいで終わってくれればカワイイでごまかせたのにね」

冬馬「いやそれでもだいぶキャラぶれ起こしてるからな」

北斗「ふふっそんな時はこれをオススメするよ」

冬馬「!?」

翔太「!」


冬馬「北斗!いつの間に!?つかお前!鍵もねーのにどうやって入ったんだ!」

北斗「それは秘密☆かな」

冬馬「そういうのはいいから!こえーから教えろ!」

翔太「北斗くん何かいいアイデアがあるんだね?」

北斗「ああ!俺がぜひ見てほしい作品はこれだ!」つピッ

テレビ『呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから~♪』

ピエール「………!」

翔太「さっきから古いよ~」

冬馬「そうか!るーみっくと来たからそれを汲んであだち先生の流れなんだな。さすがだぜ!」


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ピエール「ボクみなみを甲子園つれてく!やくそく!」

翔太「だいぶ戻ってきてない?いい感じかも!」

冬馬「南とか見えない相手が見えちゃってるじゃねーか」

北斗「俺のバイブル。みんなに楽しんでもらえたかな」

冬馬「北斗……お前、何歳?」

翔太「ねえ!ねえ!サンデー繋がりで僕は次にこれを推すよ!」

冬馬「現代劇か。悪くねえ。少しは元に近づけるかもしれねえしな!」つピッ

テレビ『小さくなっても頭脳は同じ!迷宮なしの名探偵!真実はいつもひとつ!!』

ピエール「…………!」

冬馬「これはいけるんじゃねーか!?」

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ピエール「恋はスリル、ショック、サ~スペンス♪」

冬馬「バーロー!なんでよりによって例のパラパラOP回なんだよ!めっちゃキレッキレで踊ってるじゃねーか!」

翔太「ねえ。キレッキレでパラパラ踊ってるだけならもう問題なくない?」

冬馬「そうか。それもそうだな!」

北斗「もしかして工藤新一と江戸川コナンは同一人物だったって言うのか……!?」

翔太「違うショック受けてる人がいるんだけど!」


ピエール「恋はスリル、ショック、サ~スペンス♪」

冬馬「……お、おい。何回踊れば気が済むんだ?」

翔太「どうしよう!パラパラエンドレスで踊り続けてる!しかも真顔で!このままじゃ、ピエールくんダウンしちゃうよ!」

冬馬「すまねー翔太……ピエールには悪いが、ちょっと休憩にしようぜ」

翔太「え~!冬馬くんあきらめちゃうの!?」

冬馬「馬鹿野郎!諦めねえ!俺は絶対に諦めねえ!だが腹が減っては戦はできぬって言うだろ。一旦カレーを食べて落ち着こうぜ」

翔太「そうだね!おかわり~」

冬馬「まだ食うのかよ!?」

SP1「恋はthrill! shock!su~spense!」

SP2「ピエール様!我らは貴方様と最期までお伴しますぞ…!」


冬馬「なんかおもしれー番組はやってねーかなーっと」つピッ


テレビ『みんな~!あつまって~~!!スマイルたいそう、いっくよー!ζ*'ヮ')ζ』


翔太「あ!やよいちゃんだ。そっか、もう生っすかRの時間なんだね」

冬馬「765のこの番組も長いよな」

北斗「彼女たちの個性がもっとも輝く番組だからね」

やよい『♪絶対ハッピー!!』

翔太「いち、にー!」

やよい『♪全体ハッピー!!』

翔太「さん、しー!」

やよい『♪さあ第一スマイル体操始め!!好きな事をひとつLET's WISH! WISH!』

ピエール「………!」

翔太「あ!ピエールくんのパラパラが止まった!」

冬馬「いまだかつてないほど食いついてやがる!」

北斗「これは脈ありかもね」


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ピエール「スマイル体操!すてきな曲!ボクも歌いたい…! Will make this a national anthem!」

SP1「おお!我らのピエール様が還ってきた!」

SP2「よかった……!よかった……!」

冬馬「泣くなよ。ほらよティッシュ」

翔太「よかったね~元に戻って」

冬馬「元はと言えばお前のせいだろ」

翔太「えへへ」

北斗「これにて一件落着だね」

翔太「あーあ。世界のNARUTOもやよいちゃんの元気には敵わなかったかあ~」

冬馬「今回ばかりは765プロに完敗だぜ!俺たちも負けてられねーな!」

翔太「そうだね!」

北斗「ああ」


やよい『この前、律子さん……じゃなかった。事務所の方からチケットをいただいて~弟、妹たちと映画を観に行ってきたんですー!』

あずさ『あらーみんなで映画鑑賞なんて羨ましいわ』

伊織 『へえーどんな映画観たのよ?』

やよい『ナルトっていう人気アニメの映画でー!伊織ちゃんは知ってる?』

伊織 『ああ、「だってばよー!!」ってやつね。ふふん、そのくらい知ってるわよ?』

やよい『すごーい!伊織ちゃん!モノマネそっくりー!』

伊織 『みんなのスーパーアイドル伊織ちゃんにかかれば、物真似なんてお茶の子さいさいよ!』


冬馬「!」

翔太「!」

北斗「!」


ピエール「世界中笑顔だってばよー!!」


翔太「………」

冬馬「………水瀬のやつ。覚えてやがれ」

北斗「………ふりだしに戻るってばよ☆」

おわりだってばよ

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