男「俺は死んだ・・・はずだよな」 (4)
昔からあいつはバカだった
女のくせにいつもいじめられてる俺を助けて
さんざん飛び火を浴びて、それでも最後にはにっこり笑って
「大丈夫だった?」
なんて聞きやがる
俺はいつの間にか女に助けられるのが悔しくって
あいつを避けた
俺が弱いのが悪いのに
弱いのが悪いってことに気づきたくなくて
あいつから離れた
遠くへ
遠くへ離れたかった
でもあいつは甲斐甲斐しく俺を助ける
幼稚園 小学校 中学校 高校 大学
どこでもいっしょでどこでも助けられてどこにもついてくる
いつの間にか俺はあいつに恋をしていた
いつも一緒でいつも俺を機にかけてくれる女
恥も糞もなかった
これでやっと公式にいつまでも一緒にいられる
そう思った
そう思ってた
なんでこれからって時に
なんでこれから幸せな日々が送れるって時に
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俺が死ぬんだよ
女「男ぉ・・・なんで・・・なんでなのぉ!!」
男「お・・んな・・・最後に・・・手を握ってくれないか?」
女「わかった!だから、だから!死なないで!死なないでぇ!!」
男「女・・・最後に、言いたいことがある・・・」
女「最後なんて言わないで!何?何でも聞くよ?!」
男「俺は・・・お前が・・・好きだった・・・」
女「・・・知ってたよ・・・全部・・・知ってたよ」
男「・・?」
女「男が私に助けられて落ち込んでたのも、私を避けてたのも・・・全部知ってた」
女「でも、でも最後は私のところに来てくれると思った!」
女「やっと・・・やっとその時が来たのに・・・なんで!なんで死ぬの!!」
男「・・・女」
女「何?」
男「最後は・・・笑っててくれないか?」
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