雪乃「何かしら？大事な話って？まさか私に卑猥な事をするつもりかしら？」

八幡「おねがいします。携帯をしまってください。」

雪乃「まぁいいわ。とにかく由比ヶ浜さんに聞かれると嫌な話なのね？」

八幡「まぁ、由比ヶ浜は言いふらさない奴だと思うが、気まずいからな。」

雪乃「そう…」

八幡「夕焼け綺麗だな。」

雪乃「そうね…」

八幡「でもさお前の方が綺麗だよな。」ボソッ

雪乃「！！！」

八幡「どうした？」

雪乃「今、何て言ったのかしら？」

八幡「気のせいじゃないか？何も言ってないぞ？」

雪乃「私の聞き間違えの様ね。」

雪乃「本題はまだかしら？」

八幡「そうだな、あんまり遅くなるとアレだしな…単刀直入に言うわ。」

雪乃「えぇ」

八幡「好きなんだよ…お前の事が」ボソッ

雪乃「！！！」

八幡「どうした？」

雪乃「今、何て言ったかしら？」

八幡「好きな奴が出来たって言っただけだ。やはり俺が恋するのはおかしいか？」

雪乃「お前の事が好きなんだって言わなかったかしら？」

八幡「は？そんな事一言も言ってないぞ？お前疲れてるんじゃないか？」

雪乃「また、私の聞き間違えの様ね。本当に疲れているかもしれないわね。」

八幡「すまないな。疲れてるのに付き合わせて。」

雪乃「それで私に好きな人が出来たと自慢をしたくて呼んだだけかしら？」

八幡「違うんだ。その相手の事でお前に色々と相談に乗って欲しいんだ。こういうの頼めるのってお前ぐらいしかいないんだよ？」

雪乃「由比ヶ浜さんじゃダメなのかしら？」

八幡「あいつはリア充目線で語るからダメなんだ。お前じゃないとダメなんだよ。」

雪乃「！！！」ドキッ

八幡「どうかしたか？」

雪乃「いえ。何でもないわ。」

八幡「俺の相談乗ってくれるか？」

雪乃「とりあえず話を聞いてあげるから、立ってないで座りましょう。」

八幡「悪いな、好きでもない男子と一緒に５時過ぎまで過ごすのって嫌だもんな。」

雪乃「自覚はある様ね…貴方みたいな男と一緒にいたいなんて思う物好きはあまりいないと思うわ。」

八幡「雪ノ下はもしかしてその物好きだったりするのか？」

雪乃「！！！な、何を言ってるのかしら？そんな訳ないじゃない？私が貴方に好意を寄せている？冗談にしても笑えないわ。一生の恥だわ。」

八幡「やっぱりこの恋は叶いそうになぁ…」ボソッ

雪乃「！！！ そ、そういう貴方はどうなのよ？私の事をどう思っているのかしら？」

八幡「それ答えないとダメか？」

雪乃「人に質問をしておいて自分は答えないというのは非常識よ？」

八幡「正直に言っていいか？」

雪乃「いいわよ。」

八幡「その前にひとつ言わせて貰っていいか？」

雪乃「話題をそらすつもり？」

八幡「俺が関わってお前が恥を感じてるのなら、俺は奉仕部やめるぞ？」

雪乃「さっきのはちょっとした冗談よ。本心ではないわ。」

八幡「本心ではないとしても俺は物凄く傷ついたわ。」

雪乃「な、何故貴方が傷つくのかしら？この程度の暴言、私からすれば優しい方じゃないかしら？」

八幡「別に三浦や由比ヶ浜に言われても何とも思わず受け流すがお前に言われると嘘であっても辛いんだわ。」

雪乃「それは私が特別という事かしら？」

八幡「まぁこういう話をして、空気悪くするのはアレだから。そろそろ本題に移るわ。」

八幡「実は近々その好きな奴をデートに誘うと思ってるんだが、俺はデートというデートをしたことがない。強制的なものはあったとしても。」

雪乃「それが私にどういう関係があるのかしら？その人を一刻も早くデートに誘えばいいじゃない？」

八幡「デートの下見というか練習をしたいんだ。」

雪乃「話が見えてきたわ。要するに私にデートの練習に付き合えと言うのね？」

八幡「そういう事だ。こんな事頼めるのはお前しかいないんだよ。嫌だったら断っていいぞ。小町に頼むから。」

雪乃「なら小町さんに頼めばいいじゃない。」

八幡「やっぱり嫌だよな。」

雪乃「嫌に決まっているじゃない。何故私が貴方の恋を応援しなければいけないのかしら？」

八幡「だよな。この話は忘れてくれ。」

雪乃(嫌に決まっているじゃない。デートの練習をしてしまえば比企谷くんの恋を加速させてしまう事になるなんて…）

八幡「遅くまで悪かったな。俺が鍵を返しておくから先に帰っていいぞ。」

雪乃「じゃあ帰らせて貰うわね。お幸せにね。」

八幡「ありがとな。」

夜

結衣『ゆきのん、今日ヒッキーと何のお話したの？』

雪乃「由比ヶ浜さんからLINEが来ているわね。比企谷くんの想い人について何か知らないか聞いてみましょう。」

雪乃『進路相談をされたわ。』

結衣『な～んだそんな話なら私もいたっていいじゃん。』

雪乃『自分の受験勉強が危うい由比ヶ浜に相談しても無意味だって言ってたわ。』

結衣『なにそれ！？ひどくない！？』

雪乃『由比ヶ浜さん、今度はこちらから質問したい事があるのだけれど？』

結衣『何何？』

雪乃『その…比企谷くんの好きな人が誰か知っているかしら？』

結衣『ヒッキーが何か言ってたの？』

雪乃『そういう事ね。』

結衣『ごめん、ゆきのんの事は親友だと思ってるけど、こればかりは教えるわけにはいかないよ。でも近いうちにわかると思うよ？』

雪乃(もしかして比企谷くんの好きな人って由比ヶ浜さんなのかしら？）

雪乃『分かったわ。』

結衣『ごめんね。』

雪乃(このごめんねはある意味宣戦布告という意味が含んでいるのかしら？）

雪乃「今日だけは聞いてあげて」
結衣「うん、分かった！じゃあ先に帰るね！また明日！」

このへんがスーパーご都合っぽくて好き

翌日

雪乃(やはり気になるわね。比企谷くんの好きな人が…）

八幡「由比ヶ浜、お前って土曜日暇か？」

結衣「うん。暇だけどどうして？」

八幡「暇なら買い物に付き合ってくれないか？昼飯ぐらいは奢るから。」

結衣「ちょっとヒッキー！他の人に聞かれちゃうじゃん！」

八幡「すまん。」

結衣「この前言ってた事の続き？」

八幡「それもある。」

結衣「そっか。ゆきのんは誘わないの？」

八幡「あいつの話は今はいいだろう。とにかく今はお前を誘ってるんだ。」

雪乃(やはりそういう事だったのね…）

雪乃(それに由比ヶ浜さんじゃダメと言っていた理由もやはり…）

結衣「あっ！ゆきのんおはよう！」

雪乃「おはよう。」

結衣「もしかして話聞いてた？」

雪乃「いえ。今来たばかりだから何も聞いてないわ。誰と話していたの？」

結衣「う、うん大した話じゃないから気にしなくていいよ。」

雪乃「由比ヶ浜さん、今週の土曜日は暇かしら？映画のチケットが余っているのだけれど。」

結衣「ごめん、土曜日は約束があるんだ。」

雪乃「そうなら仕方がないわね。不本意ながらも比企谷くんを誘ってみるわ。」

結衣「ヒ、ヒッキーも無理だと思うよ？」

雪乃「もしかして由比ヶ浜さんの約束って比企谷くんと？」

結衣「うん。」

雪乃「デートなの？」

結衣「デート？なのかなぁ…」

雪乃(ハッキリしないわね。）

ゆきのんルート臭がﾌﾟﾝﾌﾟﾝするけど一応玉縄ルートだと信じてみる

八幡「俺はそれでも、本物が欲しい」

雪乃「私は胸囲が欲しいわ」

結衣「私は賢さが欲しいな」

独身「彼氏が欲しい」

カマクラ「カリカリが欲しい」

真剣にっつーなら最低限落第騎士のイッキ君くらい真摯じゃないとなあ