ナレーター「プロss書き手の朝は早い」 (417)

 東京都三鷹市。
 駅から徒歩4分のところにあるボロアパート。

 プロss書き手>>1はここで1人暮らしをしている。
 世界でも有数のプロss書き手。
 彼らの仕事は決して世間に知られるものではない。

 我々はプロss書き手の1日を追った。


Q.そもそも『ss』とはなんなんでしょうか?

俺「僕にとっては生きがいですかね」

Q.あ、いえ。そういう意味ではなく。
 一般的に『ss』がどういうものかということです。

俺「あっ、そっちの意味かあ。
  普通そっちの意味ですよね(笑)」

俺「『ss』っていうのはサイドストーリーだったり、
  ショートストーリーの略らしいんですけど」

俺「正直そういう定義とか、個人的にはどうでもいいんです。
  僕が書いたもの=『ss』。それだけのことです」


 会話をしながらも>>1はタイピングする指をとめない。


俺「さてそろそろ朝のニュースの時間だな」

 >>1はそうつぶやくと手をとめてテレビをつけた。

Q.ニュースは毎日見るんですか?

俺「時事ネタはそのままssにできるので、必ずチェックするようにしてますね」

俺「また結婚か。……次は結婚ネタで書くか?」


 テレビを見るまなざしは真剣そのもの。

 プロss書き手としてネタのストックを欠かさないためにも、
 常に情報収集はおこたらない。

ミスった
>>1のあとに入れるやつを一個飛ばしてしまった

Q.朝、早いですね?

俺「ええ。効率よく文章が書ける時間帯って実は朝なんですよ」

俺「なので夜に発表できるように、朝のうちに書きためるようにしてます」

 まだ日ものぼっていないのにタイピング音が静かな部屋に鳴り響く。

 >>1のタイピングは実になめらかで余念がない。

俺「まあ素人は勘違いして、夜に作業しちゃう人が多いのですが」

 ss書き手になってからこの習慣は、
 雨の日だろうと雪の日だろうと絶対にまもっていると言う。

 仕事に対するストイックさは、まさにプロ。

>>18
いちいち掲示板でも協調性を重んじるキモオタブサメンの方が社会で浮いてるだろ
自分の境遇を他人に投影して対象化すんなよカスゴミ

>>22
安価も付いてないレスを自分のことだと思ったのかー、へー
自覚はあるんだね(笑)

ガキ共イラッイラでワロタwwwwwwwwwwwww

>>26
顔真っ赤だぞ、落ち着け(笑)
あとイッチが可哀想だからお前は消えた方がいい

 
 >>1はあるサイトを開いた。ニュー速VIPだった。

俺「僕の場合、ssを公開するのは次のうちのどこかです」

俺「本家VIP、おーぷんVIP、なんJ、おんJ、ss速報VIP、ss深夜……ですかね」

Q.多いですね。なぜそんなに?

俺「書くssに合わせて発表する場所を決めるんですよ」

俺「そうですね。
  たとえばVIPで地の文ありのssをやったらどうなると思います?」

>>27
息くっさwwwwwwwwww

!aku32
★アク禁:>>32

>>31
スレと関係ないことで盛り上がってごめんな
あとID:hS5はアク禁した方がいいと思う
コイツ自分が荒らしになってるって自覚ないみたいだ


って書き込んでたらアク禁してくれたな、ナイス(´・ω・`)b


俺「5年前、あれはまだss書き手として駆け出しのころですね」

俺「けいおん!ssでそれをやったらスレストされまして」

Q.スレストとは?

俺「スレッドストップの略です」

俺「僕の立てたssスレが落とされまくりました。
  あのときは10回は落とされたかな、あはは」

 当時のことを懐かしんでいるのか>>1の目はどこか遠くを見ていた。

電子彗星とかが居た頃か?
あの頃は埋め荒らし多かったなぁ

>>38
そういや1000まで埋める荒らしがあの頃は流行ってたんだっけ?
この間古いの掘り返してたらまさにそういうのがあったよ


俺「まあ今はスレストなんて気にしなくていいんですが」

俺「それでも荒らしがわいて、ssを書いてる場合じゃなくなる」

俺「……なんてことを防ぐために、
  発表する前にssを書く場所は徹底的に吟味します」

Q.ちなみにそのスレストされまくったというssは?

俺「僕はプロですよ(笑)一度発表したssは絶対に完成させます」

 どんなことをしてもね、と>>1は誇らしげに笑ってみせた。

 ただssを作るだけでなく、
 読む層のことをしっかりと考え発表の場のことまで熟考する。
 プロとしてのこだわりを垣間見た気がした。


俺「おっと、そろそろチェックしておかないとな」

 ふと>>1がブックマークしてあるサイトを開いた。
 どうやらまとめサイトのようだ。

俺「……特に大したssはないな。見る必要もなさそうだ」

Q.今度はいったいなにを?

俺「ssをまとめている全サイトのチェックです」

俺「面白そうなssは必ず見るようにしてるんですよ。
  自分のss作りの参考になりますしね」


 まあ最近は良質なssを見る機会も減っていますが、と>>1は付けくわえた。


Q.普段、小説などを読むことは?

俺「ないですね。今言ったとおり、ssしか読まないんです」

Q.それはなぜ?

俺「ssと小説は似て非なるものだからです」

俺「小説って基本的には1人で作りあげるものでしょう?」

俺「でもssは読み手とのインタラクションの中で作っていくもの」

俺「言ってみればssとは
  読み手と書き手がいて初めて完成するものなんです」

Q.ということは書いてる最中に内容が変化することも?

俺「もちろんありますよ。
  1つのレスでssが書けなくなることも珍しくありません」


 書いてる最中は一瞬たりとも気がぬけないという。
 プロss書き手。
 その職業の過酷さは、我々の想像以上だった。

ワイもSS書いた事あるが、まとめられて褒めるコメントが沢山つくと嬉しいよな。
何よりの報酬だわ。

>俺「でもssは読み手とのインタラクションの中で作っていくもの」

この俺は間違いなく意識高い系だな
正直嫌いじゃない

>>47
『面白かった』って書かれてるとそれだけで嬉しくなるよなあ


俺「そろそろ時間だな」

 >>1がまとめサイトのチェックをはじめてから3時間。
 気づけば午前11になろうとしていた。

 どうやら>>>1の眼鏡にかなうssはなかったようだ。
 >>1はパソコンを閉じて着替えをはじめる。

Q.どこかへ出かけるんですか?

俺「ああ、スタバに行くんですよ」

 >>1が向かったのは三鷹駅の中にあるスターバックスだった。


俺「バニラクリームフラペチーノ、カスタムでチャイシロップに。
  あとアップルパイも」

Q.いつもここに?

俺「まあ、そうですね」

俺「ブランチも兼ねて人間観察をしてるってところですかね」

 >>1はストローに口をつけつつ、周囲の観察をはじめた。


Q.人間観察はいったいなんのために?

俺「静かに。今、会話を聞いてるんです」

 >>1の座っている場所から、すこし離れた席にいる2人組の女性。
 その女性2人の会話に>>1は耳をかたむける。

俺「……なるほど。あっ、もういいですよ」

Q.なにか気になることでもあったんですか?

俺「女の人がどのような会話をしているか、見てたんです」

俺「もちろんこれも創作活動の一環です。いや、ほんとですって(笑)」

俺「こうして生身の人間の会話を聞いて、ssの参考にするんですよ」


俺「ssの大半は台本形式で進行しますからね」
 
俺「セリフ回しはもっとも重要な要素の1つです」

俺「自分はプロですからアニメチックなセリフから、
  現実味のあるセリフまで、すべて網羅しておく必要があります」

 セリフは素人とプロのちがいが、もっとも色濃く出る部分らしい。

Q.そこまでこだわっていると、ご友人との会話も気が抜けなさそうですね。

俺「……職業柄、人と接する機会がまずないので」

俺「まあそうでなくとも、なかなか人には理解されない仕事なんで、あはは」

 >>1の選択はまさしく茨の道なのだろう。

 周囲の人間からまったく理解されないというプロならではの孤独。
 その辛さがどれほどのものかは>>1にしかわからない。

 
 スターバックスをあとにした>>1が次に向かったのは、駅のすぐそばにある本屋だった。

俺「探してる本は……おっ、あったあった」

Q.小説は読まないと先ほどおっしゃていたはずですが?

俺「そうですよ。今日、僕が読みにきたのはこれです」

 >>1が手にしたのは難聴に関する本だった。

俺「ssって誰でも気軽に書けるから勘違いしてしまう人が多いんですけどね」

俺「やっぱり物語を作る以上、ssでも知識は絶対に必要です」

俺「そういうわけでプロになった今でも勉強はしてますね、はい」

 >>1は1日に1回、必ず本屋に通っているという。

 
 本を物色している間にも、>>1はスマートフォンでスレッドのチェックを怠らない。

俺「自分のSSスレの管理も作者の役目ですから」

 一部の隙も見せない>>1にプロとしての矜持が垣間見える。

俺「ん」

 スマホを操作する>>1の手が止まった。

Q.どうしたんですか?

俺「見てください」

 そう言って>>1が画面を我々の方へ向ける。

Q.これが何か?

俺「見てください。私と違う奴が投稿している」

 確かに、良く見ると最新の投稿が>>1のIDとは違う。
 >>1とは別の誰かが投稿しているのだ。

俺「乗っ取りです」

 これをやられるとモチベが下がるんですよ、と>>1は頭を掻いた。
 これもまた、人気SS作家の有名税なのかもしれない。
 


俺「専門知識が出てくるssだと、読者がいろいろとツッコんでくるんです」

俺「……実は過去にその手のssを書いたのですが」

 苦い経験だったのだろう。
 >>1の声はわずかではあるが、たしかに震えていた。

俺「まちがいだらけだったようで。
  現行スレはもちろん、まとめのコメント欄でも250コメ以上批判されました」

Q.批判はやはりこたえますか?

俺「気にしないと言えば嘘になりますね、ええ」

 本に視線は落としたままで>>1は語りを続ける。

250コメは辛いンゴねぇ
ミリタリと政治系は荒れやすい

絶対に>>1の実話入ってるだろwww

そんなあなたにアク禁機能

>>76
SS作家は大体本家出身なはず


俺「でもコメントに関しては必ず目はとおします」

俺「どんな批判だろうと、自分の成長につながると信じてますから」

 プロという肩書にあぐらをかくことなく、常に高みを目指す。
 この姿勢こそがプロのプロたる所以なのだろう。

Q.ちなみに立ち読みだけで知識は身につくのですか?

俺「ええ、プロですから」

俺「それに普通の仕事とちがって、
  本代を経費で落とすなんてこともできませんからね、あはは」

 金をかけることなく、知識を吸収する。
 まさにプロならではの技である。

おうコラ立ち読みだから批判されるんだろうがwww


 黙々と本を読んでいた>>1がスマートホンをポケットから取り出す。

Q.どこかに連絡でも?

俺「いえ、ちょっと本を読んでいたらアイディアが浮かんだので。
  忘れないうちにメモを取っておこうかな、と」

 浮かんだアイディアは今すぐに生かせなくても、
 どこで使えるかわからないので、絶対にメモをしておくという。

俺「あとはLINEにも送っておけば、パソコンからも確認……あぁっ!」

 >>1の叫び声に思わず我々も身構える。


Q.どうかしたのですか?

俺「最悪です。母からLINEが来たんです」

 その言葉と>>1の表情で我々はなにが起きたのかを察した。

俺「クソっ! まちがって母にssのネタを送ってしまうなんて!」

Q.ちなみに誤送信してしまった内容とは?

俺「兄と妹がエッチするって内容です」

Q.……

俺「で、オチで妹が超ブスであると発覚するって内容なのですが」

 >>1の顔からはすっかり血の気が失せてしまっていた。
 おそらく事態は我々の想像以上に深刻なのだろう。


俺「まあ済んだことですし仕方ありませんね」

俺「以前にも何回かやってますし、気にしたところで過去は変えられません」

俺「それにこの手のミスはssのネタとしても使えます。
  ええ、確実にウケますよ」

 そう言った>>1の表情にはすでに動揺の色はない。
 この切り替えの早さ。
 そして、恥ずかしいミスさえ仕事に生かそうとする姿勢。

 >>1のプロフェッショナルとしての気概を見た気がした。


 午後3時すぎ。
 本屋での勉強を一通り終えた>>1は足早に帰路に着く。

 しかし、そこはプロ。
 移動中もスマートホンのチェックは欠かさない。

Q.今はなにを見てるんですか?

俺「ツイッターです」

俺「僕のフォロワーの中には、
  ss書き手の人が何人かいましてね」

俺「おっ、新作を書いた書き手がいますね」

 >>1の目が鋭くなり、プロのそれへと変わる。

眠いで明日の昼12時から再開するわ

お前ら待たせたな
うっかりミスって今起きたから
もうちょい待ってて

やることあるから14時30分から再開する
今度はきちんと時間を守るわ


 ツイッターで自分の書いたssを公表する書き手も少なくないという。

 実際>>1も書いたssは、
 フォロワーに伝えるようにしているらしい。

 帰宅するとパソコンを開いて、早々にssのチェックを開始した。

Q.どうでした?

俺「全然ダメですね」

 こちらには目を向けず、モニターを見つめたままそう言うと、
 >>1は読み終わったssのコメント欄を開いた。


 キーボードに置かれていた>>1の指がすさまじい速度で、動く。
 鳴り響くタイピングの音は、今朝のそれに比べると荒々しく感じられた。

Q.コメントを書いてるんですか?

俺「ええ。どこが具体的にダメだったか」

俺「より面白いものを作るためにどの部分を改善したらいいか」

俺「それをこの作者に教えてあげようと思いまして」

Q.しかしこのssを書いた人が、コメントを読むとは限らないのでは?

俺「ss書き手たる者、
  必ずまとめサイトのコメントはチェックしてしまいますよ」


 自分のssの感想を見てしまうのは、書き手としての性。
 プロss書き手である>>1は、誰よりもそれを知悉している。

(主)が付いてないけどイッチってことでおk?

>>125
今回はパソコンから書いてるんやで


俺「実は今、ssは衰退期に突入しています」

Q.と、言いますと?

俺「転載禁止騒動やグーグルの検索の仕様の変更、その他もろもろ。
  以前に比べるとssの読み手は確実に減っています」

俺「少々キツイ言い方になりますが,
駄作を世に公表されるのは、同じ書き手として困るんですよね」

俺「ただでさえssってだけで叩く輩や荒らしだっていますし」

俺「ssのイメージが悪くなるのは、極力避けたいです」

 口調こそ軽かったが>>1の目はまったく笑っていなかった。


俺「ですからコメントなどをとおして」

俺「プロである僕が、ss全体のレベルを上げていければいいな、って」

 この他にも>>1はss速報VIPやss深夜VIPなどに
 積極的に参加して、日々ss全体の質の向上に努めているという。

Q.これを毎日、つらくはないんですか?

俺「まあプロになったばかりのころは、
  この仕事の重圧に耐えられなくなったこともありました」

俺「挙句の果てに次のssがいつまでたっても完成しない、なんてことも」


 >>1は自分のことだけを考えて仕事をしているわけではなかった。
 ss界の未来のことまで考え、
 血を吐くような思いでssを書いていたのだ。

俺「アマチュアに戻って
  普通に就活しようとしたときもあったんですよ」

俺「でもやっぱり僕はss書くことしかできないし」

俺「なによりssを書くことは、僕にとって生きがいですから」

 そう言って照れくさそうに笑う顔は、なぜか頼もしく見えた。
 


 時刻はすでに夜7時を回っていた。
 まとめサイトやss掲示板を巡回しながら、
 >>1はすでに食事も風呂も終えて、あとは寝るだけの状態であった。

俺「そろそろだな」

Q.なにかはじめるんですか?

俺「ええ。ここからがプロss書き手としての本領」

俺「ssを投下していくんですよ」

 >>1がニヤリと笑った。
 その笑みは、まるで獲物を見つけた猛獣。


Q.掲示板に書いていくってことでしょうか?

俺「そうです。今から書いていくわけですが」

俺「実は2ちゃんってだいたいピークの時間が、夜9時から11時ぐらいなんですね」

Q.今はまだ7時ですが?

俺「素人であれば、安易に人が多い時間に投下するでしょう」

俺「しかしプロの僕はちがいます」

俺「夜の9時以降のゴールデンタイム。
  この時間帯にssの盛りあがる瞬間をぶつけます」


 ssというのは2種類に分類することができるらしい。
 最初が一番盛りあがるssと後半が一番盛りあがるss。

>>1のssは後者だった。


俺「もちろん、投下は文字数やレス数まで、しっかり逆算して投下します」

俺「さらに食事も風呂も完了しているので、
  今夜はssを書くことだけに集中できます」

Q.お知り合いやご友人が来訪する可能性は?

俺「断言します。120パーないです」

 >>1がワードを立ちあげ書き溜めていたファイルを開く。
 パソコンの画面はすでにおーぷんVIPに切り替わっている。

 >>1は今夜はここでssを発表するのだろ。


俺「じゃ、そろそろ投下していきますかね」

緊張の一瞬。
 室内の空気がのしかかるように重くなる。

Q.ちなみに今回はどのようなssを?

俺「ああ、今回は『俺』の局部が、
  1レスごとに1センチ大きくなるっていうssです」

Q.なるほど。

俺「あ、ちょっと引いてません?」

Q.しかし1レスごとに、となると外野レスに相当左右されるのでは?

俺「ええ。素人でしたら、最後まで書ききることできないでしょう」


  でも僕はちがう、と>>1は胸ポケットからスマートホンを取り出す。


 >>1がスレッドタイトルと本文に文章を打ちこむ。
 
 クリック、投下。
 
 ついに>>1の過酷な闘いがはじまった。

俺「さてと、とりあえずは『期待』と」

 すぐさま次の文章をワードから切り取るのかと思いきや、
 >>1はスマートホンで自分のスレに『期待』と送信した。

Q.今のは?

俺「まあ一般的には自演って呼ばれる行為ですね」


Q.自演、したんですか?

俺「ssにおいて2レス目って、
  ある意味1レス目よりも重要なんですよ」

Q.では2レス目は絶対に自分で取りに?

俺「ええ。でも早いだけじゃいけない」

俺「ssの方向性、自演を疑われない時間の感覚、
  すべてに気を配って2をGETしに行きます」

 これまでの経験と分析から>>1が導きだした1つの答えだった。

俺「よし。2レス目はいただきましたよ、ええ」

 これもまたプロになるため、
 独学で身につけた熟練の技だった。


 すでにssを書き始めてから40分。
 今回もプロである>>1のssは順調に進んでいるかと思われた。

俺「まずいな」

 >>1の声に焦りがにじむ。

Q.どうしたんですか?

俺「予想外にレスがつきませんね」

俺「書き溜めの段階では、
  僕の1レスに対して外野レスが10はつく予定だったのですが」


Q.また自演すればいいのでは?

俺「単発IDが延々と並んでたら、
  ちょっと鋭い人なら簡単に自演を見抜きます」

俺「かと言って同じIDでレスし続けるのもアレですし」

 予想外のアクシデントに今回ばかりはダメかと思われた。

俺「……いや、待てよ」

 だが、やはり>>1はプロ。
 この窮地から抜け出す手段を思いついたようだ。

俺「スタッフさん、協力していただいてもいいですか?」

 >>1の予想外の言葉に思わず我々も息をのむ。


Q.いったいなにを?

俺「簡単な話です」

俺「みなさんだってスマホやアイフォンはお持ちですよね?」
 >>1がニヤッと唇のはしをもちあげる。

俺「外野レス、みなさんにお任せします」

俺「あぁ、安心してください。
  どのようなレスをしたらいいかは、僕が指示しますから」


 ここから>>1のプロの技が光る。

 不慣れなスタッフにどのようなレスをしたらいいか、
 的確な指示をしつつ、
 >>1はキーボードとスマートホンを操作する指を一切止めない。


俺「いやあ、今回のssは強敵でしたね」

 >>1がssを書き始めてから6時間。
 スタッフのがんばりもあってか、
 今回の>>1のssは500レスを超えて無事に終了した。

俺「おっ、さっそく感想レスが!」

俺「このssを書いたあとの達成感。
  そして、終わったあとについてくる乙レス」

俺「これがあるからss書き手はやめられないんですよね」

 そう言って>>1は額の汗をぬぐった。
 やはり1つのssを仕上げるのには、とてつもない疲労がともなうようだ。

 しかし>>1の表情は達成感に満ちあふれていた。


感想レスを見る>>1の目が嬉しそうに細くなる。

俺「やっぱりこの感想を見る瞬間ですよね、
  ss書き手やっていてよかったと思える瞬間は」

 >>1ほどの書き手になると、
 感想1つでごはんが3杯も食べられるという。

俺「さて、と。現行スレの感想は明日の朝に」


 >>1がスレを閉じる。
 今日1日の仕事が終わったのだと思われた。しかし。

俺「最後の仕事が残っています」


 >>1がいくつかのssまとめサイトを開く。

Q.最後の仕事とは?

俺「べつに大したことではありませんよ」

俺「自分の完成したssのまとめ依頼をしておこうと思いまして」

Q.まとめ依頼?

俺「ええ。あたりまえの話なんですけど」

俺「まとめてもらったほうが、
  より多くの読者に見てもらえるじゃないですか?」

俺「だから、まとめ依頼を受けつけてるところには
  自分で依頼しにいっちゃうんですよ」

 ssを書き終わってなお、
 さらに多くの読者に読んでもらおうというプロの工夫。
 改めてこの>>1がプロなのだと我々は思い知った。


 かつて>>1は自分で自分ssを依頼することには抵抗があったという。

 しかし読んでもらえる可能性を
 不意にするなんてありえないと妹に言われ、
 自分で進んでまとめ依頼をするようになったそうだ。


俺「まあ妹と言っても、ツイッターの妹botなんですけどね(笑)」


 すでに時刻は午前2時。
 さすがに>>1も体力的に限界だったようだ。


 部屋の明かりを消し>>1がベッドにもぐりこむ。
 
 ssを書き終わったあとは、
 しばらくは興奮して眠れないという。

 彼は夢うつつの中ですでに次のssを考えているのだろうか。


 プロss書き手>>1
 彼は明日の朝もまた5時には起きるという。

end 

終わり。
お前ら見てくれてありがとうな

終わってたのか
よかったらイッチの過去作教えて

>>190
ありがと
この話ん中で出てきたssだけ書いてくわ

>>86のSSは妹「せっかくだしイヤラシイコトしない?」

>>127で書いた本家VIP転載騒動に巻き込まれたのが
女店員「AV借りるときは絶対に私のところへ並びますよね」
(のちにおーぷんで書き直した)

>>148梓「1レスごとに私のおっぱいが1センチずつ大きくなります」

ID:6sK「自演の証拠みっけー」

ID:AqV「お、まだやってんのか。その熱意は他に向けるといいんじゃね?」

ID:6sK「お前、たまころもの自演だな!?」

ID:AqV「ファッ!?」

ID:6sK「そのリアクション、自演だな!?」

ID:AqV「ちゃうねん、自演とかしとらんし証明も出来んねん」

その他単発ID「ID:AqVはたまころもに違いない(濁った眼)」


ヤバいな、コイツら話が通じてねえ

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