P「未央が同級生に欲しかった……!」 (77)
ちひろ「急に何を言い出すかと思えば……」
P「まってください。まずは話を」
ちひろ「はあ……それで、なんですか?」
P「もしも未央が同級生だったら」
P「よし、じゃあまずは入学から始まりますね」
ちひろ「はい? なにが始まるのかよくわからないんですけど……」
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未央『ふんふん、ここが今日から未央ちゃんの新しいクラスかー!』
未央『君が隣だよね?』
未央『名前は……ふむ、○○』
未央『えへへ、じゃあこれから友達ということで○○(あだ名)って呼ぶね!』
未央『私は本田未央、よろしく!』
P「いやあもうたまらない」
P「会って初対面でもう友達、あだ名呼びですよ!」
P「これはもう、俺に気があるのかな?って思っちゃいますよね!」
ちひろ「えーとこの書類は……」
P「しかもえへへって、えへへって! 可愛すぎません!?」
ちひろ「今日の予定は……ちっ、だれも事務所に来ない……」
P「次は時は少し進み忘れ物編といきましょう」
未央『ごめん、教科書忘れちゃって……見せてもらってもいい?』
未央『ありがとっ!』
未央『……机くっつけると、広く感じるねー』
未央『ん? 話すときに近いって? だって先生に喋ってるのばれちゃうじゃん』
未央『あ! あんまり近いからって、未央ちゃんに見惚れちゃだめだぞっ』
未央『……でも、これだと先生にばれずに話しやすくていいよねっ』
P「見惚れるわっ!」
P「お前自分の凶悪なまでのボディわかってんのかよっ!」
ちひろ「冷蔵庫に何かあったっけ……」
P「しかも喋るときにわざわざ耳元まで近づいて喋るんですよ!」
P「そんな男の俺に気を許すなんて……勘違いしないわけがない!」
P「よし、今度はこの逆パターンをいきましょう」
未央『え? 宿題を忘れた?』
未央『もー、しょうがないなー。はい』
未央『君だけに特別だぞっ。なーんて、えへへ』
未央『今度、何か奢ってよね♪』
P「特別ぅううううっ!!!」
P「俺だけのおおおおおおおおっ!!!」
ちひろ「……あ、プリンがある。食べちゃおっと」
P「すみませんそれ俺のなんで」
ちひろ「え、そうなんですか。すみません」
P「しかもそのあとに奢ってくれという言葉」
P「これは思春期の男子ならば放課後に買い食いデートという可能性を生み出すッッッ!」
ちひろ「しょうがない。ガリガリ君で我慢」
P「そして学校一大イベント、席替え編ではですね」
未央『あー席替えかー。残念だねー』
未央『君の隣、結構楽しかったのになー』
未央『そうだ! 席替えする前に……はい!』
未央『未央ちゃん印のボールペン。これを未央ちゃんだと思えば……』
未央『離れても一緒、みたいな、さ。えへへ』
P「っっっっっ!!」バシバシ
ちひろ「痛い! 痛いです! プロデューサーさん!」
P「離れても一緒! なにこれ! 凄い魔法!」
ちひろ「ただのボールペンですよ。なにいってるんですか」
P「そしてえへへ! えへへですよえへへ! もう未央といったらえへへですからね!」
P「しかも! まだ席替え編は終わってないですよ!」
未央『あ! また隣になっちゃったねっ』
未央『この人数でまた一緒っていうのは、結構すごい確率だよー』
未央『むむむ、これは君とは何か深い縁がありそうですなあ』
未央『もしかしたら、運命だったりして!』
未央『なんて、迷惑だよね。てへへ、ごめんごめん』
P「……そう、運命」
P「それは絶対に変えられないものであり、初めから定められていた物語」
ちひろ「急に中二病ですか?」
P「つまり俺が未央と結婚するのもまた運命……」
ちひろ「えーと、救急車は何番だったかしら……」
P「迷惑なんてあるわけねえだろうがああああああああっ!!!」
ちひろ「あ、戻った」
今日はここまで。
土日あたりまでに終わらせる予定。
モバ忘れてましたね。まぎわらしいことをしてしまい申し訳ございません。
P「次は体育編行きますよ体育」
未央『いい走りだったねー、見てたよー』
未央『……あれ? 飲み物持ってきてないの?』
未央『しょうがないなー。この未央ちゃんのをあげよう!』
未央『……ん? 関節キス?』
未央『大丈夫大丈夫! 私は気にしないタイプだから!』
P「こっちが気にしますよね!?」
ちひろ「いや、しりませんけど」
ちひろ「でも確かに、私がプロデューサーさんから貰ったら飲まずに捨てますね」
P「え?」
ちひろ「え?」
P「……はぁ、こんなことやられたら惚れますよ!!」
ちひろ「勝手に惚れててください」
P「次は体育のペアですね、ペア」
ちひろ「最近では男女では組ませないようになってますけど」
P「いいんです。気にしない」
未央『ん? ペア余ったの?』
未央『じゃあさ、私とやろうよ!』
未央『私もいつもペアの子が今日は休んでてさー。助かったよー』
未央『まず背中合わせのやつだね。よし、ばっちこーい!』
未央『うわっ、ととっ……ぐぬぬ……』
未央『ふぅ……』
未央『凄い凄いっ! やっぱり軽々と持ち上げるねー!』
未央『男の子って感じだね。えへへっ』
―――――――――――――――
未央『おっ、ダブルスだね!』
未央『私たちの絶妙なコンビネーション、見せてあげようよ!』
未央『やったーっ! ねえねえ! 今の、凄くNiceなプレイだったよね!』
未央『えへへ、私たち、結構相性いいかも?』
未央『おー、赤くなっちゃってー。照れるな照れるな!』
P「王道ですよね、えぇ」
ちひろ「よくわかりませんけど……」
P「このあとクラスメイトから茶化されたりするんですよ」
P「『おいお前、あいつ組むなんて……!』みたいな感じに!」
ちひろ「やっすい恋愛ラノベみたいですね。いや、ラノベに失礼でした。すみません」
P「そして未央も満更じゃない感じで、陰ではあいつら付き合ってんじゃね疑惑が出るんです!!」
ちひろ「はいはい」
P「反応が冷たい……まあ気にしませんけどね、俺は!」
ちひろ「気にしてください」
未央『お、こんなところで会うなんて奇遇だねー』
未央『私? 私は家族で買い物みたいな感じかな』
未央『もうすぐ終わるところなんだけど……そうだ!』
未央『このあと暇だからさ、一緒に映画でも見に行かない?』
未央『本当? ありがとう! いやー、どうしても見たいやつがあったんだよねー』
未央『よし! じゃあ早速行こう! 善は急げだよっ!』
――――――――――――――――
未央『いやー、面白かったねー!』
未央『そうそう、特にあの部分! 蒼の剣、アイオライトブルーが出てきたところはカッコよかった!』
未央『やっぱり気が合うねー、うんうん』
未央『……あ、もうそろそろ帰らないと……』
未央『え? 家まで送ってくれるの?』
未央『そんな心配しなくても大丈夫だよー』
未央『でも、そんなに言うんだったら送ってもらおう……かな、えへへ……』
――――――――――――――――
未央『わざわざありがとっ! 今日は楽しかったよ!』
未央『その……ちょっと無理やりみたいな感じだったよね……ごめんね?』
未央『君も楽しかった? そっか……えへへ』
未央『その……今、家に家族いないんだけど、さ』
未央『もしよかったら……あ、上がってく? なんて……』
未央『あ、嫌だったら全然いいんだけど!』
未央『わた――――――――――
ちひろ「ちょっと待ってもらっていいですか?」
P「はい?」
ちひろ「何かいきなり家に入り込もうとしてるんですけど」
P「そうですけど」
ちひろ「いくらなんでも急すぎません?」
P「同級生ですから、仲よくなるのも早いんです」
ちひろ「妄想乙って感じですね」
P「ふん! 妄想してなにが悪い! それに妄想とは……」
P「……」
ちひろ「どうしたんですか?」
P「そうか、妄想とは限らない……もしかしたら、今未央は学校の男子共とこんなことをしてる可能性は充分にある」
P「既に汚されていることだって……!!」
P「すみませんちひろさん! ちょっと行ってきます!」
ちひろ「やめてください」グイッ
P「ぐええぇええ、痛い痛い! 何で止めるんですか!」
ちひろ「変なことをしようとしてるからです」
P「それは学校の男どもです! あの獣たちを止めないと!!」
ちひろ「はいはい、大人しくしてましょうねー」
P「ぐおおおおおおおっ!!! 止めないでくれえええええ!!!」
ちひろ「はあ……プロデューサーさん」
P「はい」
ちひろ「遊びはこれぐらいにしましょう」
P「俺にとっては遊びじゃ……」
ちひろ「未央ちゃん、このままでいいんですか?」
P「……はい」
ちひろ「本当に?」
P「俺は、嘘なんてつきません」
ちひろ「嘘ですね。そもそもあの返事が嘘ですから」
P「なんでそう思うんですか?」
ちひろ「じゃなきゃこんな話しないですよ……普通」
P「……まあ、確かに」
ちひろ「……自分が思っていることを、何も考えないで、言っちゃえばいいじゃないですか」
ちひろ「本音でぶつかればいいじゃないですか」
ちひろ「プロデューサーさんの妄想で言っていた何か深い縁が、プロデューサーさんと未央ちゃんにはあるんでしょう?」
ちひろ「なのに、このままで終わりなんて絶対によくありません」
P「それは、俺の妄想で……」
ちひろ「どっちでもいいです。そんなのは。プロデューサーさんがそう思ってるってことが重要なんです」
ちひろ「せめて、きっちりと決着をつけてください」
ちひろ「というわけで今日の18時、○○の公園に行ってくださいね」
P「どうしてですか?」
ちひろ「未央ちゃんがいますから」
P「はいぃぃいいいいい!?」
ちひろ「いつもその時間になると、そこの公園のブランコに座ってるんですよ」
ちひろ「きっと、だれかを待ってるんじゃないですか?」
P「……そう、ですか」
ちひろ「まあ、どうするかどうかは、プロデューサーさん次第です。あとは勝手にしてください」
未央「はーあ、暇だなあ」
未央「……前までは、毎日忙しかったんだけどな」
未央「……」
P「何黄昏てるんだ?」
未央「うわわっ! ぷ、プロデューサー!?」
P「お、まだプロデューサーって呼んでくれるんだな」
未央「あっ……」
P「……本当に、申し訳なかった」
未央「……」
P「確か、ここだったよな」
P「告白されたの」
P「未央の告白に、アイドルとプロデューサーだからって、本音も言わずに断ったこと」
P「アイドルをやめたあとも、誤魔化してきたこと」
P「未央がいなくなったあと、真剣に考えた」
P「今ここで、改めて返事をしたいと思う」
P「やっぱり、俺は未央をそういう対象として見れない」
未央「……そっか」
P「俺にとって未央は―――」
未央「あぁ! これ以上はいいよいいよ! 大体理由はわかるから!」
P「そう、なのか?」
未央「うん。それに理由はどうであれ、ちゃんとした返事がきければ大丈夫だから」
P「……ありがとう」
未央「いやいや、むしろ話をややこしくしてごめんね? 私のワガママなのに」
P「そんなことない。未央は良くやってくれた」
未央「そう? そっか……」
P「……最後に何か言うこととか、あるか?」
未央「ううん、何もないよ」
P「そうか……」
未央「うん……」
P「……じゃあな」
未央「……バイバイ、Pさん」
ちひろ「結局本音は言わないままですか」
P「……そりゃそうですよ。俺がいくつだと思ってるんですか」
P「彼女は15歳ですよ? 人生を棒に振らせるわけにはいかない」
ちひろ「はあ……これだからプロデューサーさんは……」
P「彼女の幸せを最大限考えた結果ですよ」
P「そのうち俺のことも忘れて、もっといい人とくっつきます」
ちひろ「……それでプロデューサーさんはいいんですか?」
P「いいですよ、俺のことなんかはどうだって」
P「まあ、一つ本音を言うなら――」
P「―――同級生に欲しかった、ですかね」
終わりです。急なうえで適当感はんぱじゃねえ。
思った以上にssって難しかったです。ロムってきます。
このSSまとめへのコメント
オチがあまり見ない感じで面白かった
こういうのもいいね