新ジャンル「ストーカー×ストーカー」(11)

女「きょ、今日こそは男くんの家を突き止めるわよ」

女「て、あれ? 男くんは?」

男「ふんす、今日こそ女さんの家を見つけるざます」

女「仕方ない、帰るか・・・」

男「くくっ、完全に気づいてないでござるな」

女(あれ、鏡に男くんが・・・)クルッ

男「ん、あれぇ、女さんがいない?」

女「どう? 女家直伝のクルッとターンは?」

男「仕方なきかな、帰るかな」

女「うふふ・・・」

男「るんるんるんたった♪」

女「おおお男くんが奇妙なリズムを」ハァハァ

男「あ、子猫・・・」

猫「にゃあ」(なんだコイツ)

女「ハァハァ、ろろろ録音を」

男「触らせろよ・・・」

猫「にゃあああ」(や、やめれ)

女「あ、あれ? 男くん?」

男「可愛いなお前」ナデナデ

猫「シャアアアア」(貴様ぁ・・)

女「男くん? あれ?」

男「まぁ、いいや、そろそろ帰るわ」

猫「二度とくんな*」

女宅

女「結局見失ってしまった・・・」

女「でも、明日はうまく着いていくんだからっ」

女母「女、ごはんよ!」

女「はーい」

女一家「いただきまーす」

女母「あんた今日も駄目だったの?」

女「う、うん」

女母「まったく、女家の風上にもおけないね」

女「じゃあ新しい技を教えてよ」

女母「あのね、技は教えてもらうもんじゃなく、盗むもんだよ?」

女「はいはい」

女母「はいは一回!」

女「はい」

男宅

男「うぅ、今日も駄目でした」

男母「男、ごはんですよ?」

男「うぃ」

男一家「いただきます」

男父「男、今日も駄目だったのか?」

男「うっせ」

男父「そんなんでウチを継げるのか?」

男「ふん、心配すんな、俺がなんとかする」

男父「ほう、それは楽しみだな」

男「へいへい」

翌日、学校

女「おはよー」

女友「おはいお州ー」


男友「おは」

男「グーテンタークなり」

男友「どした、テンション低いじゃねーか?」

男「ちょっとな」


女友「あら今日は気分がすぐれないのーとるだむ寺院?」

女「うん、少しね」


男・女「はぁ・・・」


女「どうしたらいいのかしらね」

女友「えっ?」

女「いや、なんでもない」

新ジャンルってあるから、別の話書いてもいい?

男「……」

女「……」

男「……よく会いますね」

女「あなたこそ」

男「恥ずかしくないんですか」

女「あなたに言われたくない」

男「奇遇です。俺もです。あっ」

女「しっ!マドンナさんが出てきた!今日も素敵だわ」カシャカシャ

男「あ、あとで焼き回しを」

女「なんであなたみたいな人に焼き増しをしないといけないんですか」

男「頼む!頼む!」

女「土下座ですか。ストーカーって気持ち悪いですね」

男「お前もだろ」

女「私はただ遠くから見ていたいだけですよ。写真は撮りますけど」

男「同じだよ。俺も遠くから見ていられれば満足なんだ」

女「全然ちがいますよ……ああ、マドンナさんが行ってしまった」

男「ああ。だが俺は焼き付けた。彼女は今日も美しい」

女「本当に……ちがいます。マドンナさんに付きまとわないでください」

男「君が言うか。同じことをやってるじゃないか」

女「全然ちがいますよ。私は女性ですし、あなたは男性です」

男「ストーキングに差があるとでも」

こんなのはどうだ?


男「最近ストーカーされてるんだ」

女「あ!あたしも」

男「本当か?」

女「うん、間違いないよ」

男「それはおかしい。だってお前の後ろには俺しかいないから」

女「それだったら男のストーカーだっておかしいよ。だって男の後ろには私しかいないから」

男・女「…え?」

ストーカー×ストーカー

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