咲「ねぇ、虚ちゃん」 (26)
虚太郎「…」チリーン
咲「今週の土曜日に麻雀部のみんなと集まって、特訓しようと思うんだけど、どうかな?」
虚太郎「…」チリーン
咲「むぅ……ねぇ、聞いてる?」
虚太郎「…」チリーン
咲「ちょっと虚ちゃんってば!」
虚太郎「…」チリーン
和「宮永さん、彼は虚無僧です」
咲「うん、知ってるよ……。でも、それがなに?」
和「察してあげてください」
虚太郎「…」チリーン
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久「さぁ、みんな集まったわね」
まこ「県大会を勝ち残る為に、みんな頑張るけぇ」
優希「おー!」
咲「はい!」
久「あら? ところで須賀君はまだ来ていないの?」
和「部長、彼ならあそこです」
虚太郎「…」チリーン
久「あそこで何やってるの彼?」
和「坐禅です」
まこ「ど、どうして駅前で」
和「察してあげてください」
虚太郎「…」チリーン
久「須賀君、アナタは団体戦に出られないけど個人戦があるのよ」
虚太郎「…」チリーン
優希「坐禅ばかりしてないで、一緒に修行するじぇ!」
和「優希、須賀君は虚無僧なんですよ」
咲「で、でも麻雀部でもあるし」
まこ「そうじゃな。一度くらい打っておいた方がええのぅ」
久「それに、そんな被り物しながらじゃ試合に出場出来ないわ」
和「大丈夫です。大会規定には虚無僧は、天蓋の着用を認められていますから」
虚太郎「…」チリーン
久「そうなの!?」
優希「どういうことだじぇ」
虚太郎「…」チリーン
和「察してあげてください」
咲「それにしても、原村さんは虚ちゃんの肩をやけに持つね」ムム
和「いけないことでしょうか?」
久「いけなくはないけど、少し気になるわね」
優希「部活最初の日のことなら、きっと偶然だじょ」
咲「? 最初の日って?」
虚太郎「…」チリーン
まこ「ああ、実は虚太郎逹が入部した時の日のことじゃが……」
~~~~~~~~~~
和「アナタ、麻雀を馬鹿にしているんですか?」
優希「おぉ、これ凄いじょ!」サワサワ
虚太郎「…」チリーン
まこ「こ、個性的な新入部員じゃな」
久「でしょ? びびっと来たから連れてきたのよ!」
まこ「もっとまともなのを連れてくればいいものを」ハァ
和「人と話す時くらい、被り物を取ったらどうですか?」
優希「仕方ないじぇ、これ虚無僧ってヤツだじょ」
和「くっ! なら、麻雀で勝負です!」
虚太郎「…」チリーン
久「それは面白そうだけど、彼は打てるのかしら?」
和「もし打てないなら素人ということ。それなら、上達の為に先達の言うことを聞けますよね?」
まこ「一理あるが」
久「なら、私と片岡さん。それと須賀君と原村さんで打ちましょう」
優希「負けないじぇ!」
和「さぁ、須賀君も卓に……っていない!?」
まこ「ど、どこに!?」キョロキョロ
久「いえ、見て! 彼は既に卓に座っているわ」
虚太郎「…」チリーン
久「それも座禅しながらね」
優希「は、早すぎて見えなかったじぇ!」
和「くっ! どこまで麻雀を馬鹿にするんですか!?」
虚太郎「…」チリーン
久「まぁ、とりあえず親決めをしましょ」カチカチ
和「須賀君が親ですね」
まこ「自動卓じゃけぇ、すぐに牌が出てくる」
優希「さぁ、飛ばすじぇー!」
虚太郎「…」チリーン
久「? どうしたの須賀君。早く牌を切って」
和「まさか、そんなルールも分からないんですか?」
虚太郎「…」チリーン
まこ「……い、いや! これは!?」
和「!! まさか!?」バッ
東東東 南南南 西西西 北北北 白白
久「あ、あはは……う、うそでしょ……?」
和「あ、あぁぁっ、うぁぁっ……!!」ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!
虚太郎「…」チリーン
~~~~~~~~
和「それ以来、私は彼の推し量れないほどの思想と思念に憧れているんです」
優希「デジタルバカののどちゃんが、変われば変わるもんだじぇ」
虚太郎「…」チリーン
咲「いーっだ! 私の方が昔から虚ちゃんと麻雀してるもん!」
久「そうだったの? やっぱり須賀君って、その頃から?」
咲「……実は、私がまだ小さかった頃も」
虚太郎「…」チリーン
~~~~~~~~
咲「ふぇっ……もうやだよぉ」
照「咲、勝負の世界は非情なんだよ」
界「なんだか悪いなぁ。次は手加減してあげよう」
宮永母「ダメよアナタ。この子の為にならないわ」
咲「私のお年玉……ひっく」
界「(どうにかしてあげられないものか)」ウーン
チリーン
界「ん? この音は?」
照「! 虚ちゃん!」
虚太郎「…」チリーン
宮永母「あら虚ちゃん。あけましておめでとう」
虚太郎「…」チリーン
界「相変わらずその格好なんだな。どれ、君も打っていくかい?」
咲「あ、だ、ダメ!」
照「虚ちゃんはいつも私が誘っても、咲ばかり優先する。ユルサナイ」ゴゴゴ
咲「(虚ちゃんもお年玉を奪われちゃうよぉ)」
虚太郎「…」チリーン
宮永母「返事は……イエスってことね?」フフフ
界「さぁ、やろうか」
虚太郎「…」チリーン
照「な!?」
宮永母「」ガタガタガタガタ
界「あ、ありえないっ! これは!?」
咲「あ、虚ちゃんの浮き……ちょうど、私がとられたお年玉分」
虚太郎「…」チリーン
咲「え? 私にくれるの?」
虚太郎「…」チリーン
咲「あ、ありがとう虚ちゃん!」
照「(また咲ばっかり咲ばっかり咲ばっかり!!!!! 私だって、虚ちゃんのこと……)」ギリギリ
~~~~~~~~
咲「えへへ、それ以来私は虚ちゃんを見習ってプラマイゼロを心がけていたんだぁ」
和「そう……」
虚太郎「…」チリーン
久「しかし須賀君の素顔が気になるところね」
まこ「そうじゃな。咲は見たことないんかのぅ?」
咲「無いですよ」
虚太郎「…」チリーン
優希「なら引っぺがすじょ!」
和「優希」
優希「じぇ?」
和「察してあげてください」
虚太郎「…」チリーン
久「でも、なーんか気になるのよねぇ」
まこ「確かに、実はイケメンとかありそうじゃな」
和「染谷先輩」
まこ「ん?」
和「彼は虚無僧です。彼にとって外見の良し悪しなんて、己の精神を高める修行の前では無価値なんですよ」
まこ「そ、そうじゃのぅ」
和「察してあげてください」
虚太郎「…」チリーン
久「それにしても、なんだか熱いわね」
優希「学校のシャワーでも借りてくるじょ!」
咲「え? そんなこといいのかな?」
久「議会長権限で、オールオッケーよ!」
和「あまり褒められたことじゃないですね」
まこ「しかし、今日は何も準備しておらんが」
久「いいから早く浴びに行きましょ」
京タオル「タオルを忘れちゃダメよー」ヒョコッ
久「……え? 何このタオル?」
咲「(タオルが喋ってる!?)」
虚太郎「…」チリーン
まこ「なんじゃおまえさんは」
京タオル「京タオルだよー。みんな、タオルは大事だからねー」
優希「そりゃまぁ、風邪をひいちゃうし」
和「……(少し可愛い)」
京タオル「……ねぇ、キメたくなぁ~い?」
久「は?」
咲「キメるって?」
まこ「……薬物のことか?」
京タオル「……」カチッ
優希「何かに火をつけたじょ」
京タオル「ぷはー」
和「吸ってますね」
虚太郎「…」チリーン
久「まぁ、こんなラリったタオルは放っておきましょ」
まこ「そうじゃな」
咲「ねぇ虚ちゃん! 虚ちゃんもシャワー浴びる?」
虚太郎「…」チリーン
和「宮永さん。彼は虚無僧です」
咲「え? でも、虚無僧でもさすがにシャワーくらい」
和「察してあげてください」
優希「なんだか面白いから、コイツは私が拾ってやるじょ」
京タオル「タオルは忘れちゃダメよー」
久「あ、そう」
咲「……(虚ちゃん、一体いつ休んでるんだろう)」
虚太郎「…」チリーン
ネタが尽きてきた
今更ですがパロ元のネタは『ハルヒ「ねぇ、キョム」』というスレです
神スレですので、検索してみることをおすすめします
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