穂乃果「希ちゃーん!これはどこー?」
希「んーっと、そっちの段ボールにお願い」
穂乃果「オッケー!」
希「ごめんなー、わざわざ引越しの手伝い来てもらっちゃって……」
穂乃果「んーん、穂乃果も暇だったからだいじょう『Reach for the sky!』わぁ!?」
希「ん?どーしたん?」
穂乃果「い、今、この人形、しゃ、喋っ……?!」
希「……あぁ、ウッディやね」ビーッ
ウッディ『This town ain't big enough for the two of us!』
穂乃果「おー、すごーい!なんて言ってるの?」
希「『この町は俺たち2人が住むには狭すぎるぜ』ウッディはカウボーイやから、そんな感じの台詞がたくさん入ってるんよ」
穂乃果「へぇー……ん?」
ウッディの足の裏を見つめる穂乃果。
穂乃果「……A、N、D、Y……あ、あん……あんどや……」
希「アンディ。たぶん、前の持ち主の子の名前やね」
穂乃果「へぇ~……えっ?ってことは、外国人?」
希「うん。ウチな、海外にも行ったことあるんやけど、そん時に友達からもらったんや。その子はアンディやなかったけど」
穂乃果「へぇ~、だからあんなに英語ペラペラだったんだ!」
希「うん……ほんの短い間やったけど、一番最初にできた友達からもらった、ウチの宝物なんや……」ギュッ
穂乃果「……そっか、ねぇねぇ、ちょっと穂乃果にもかして!」
希「ふふ、ええよ。でも、結構古いから、壊さんようにね?」
穂乃果「うん!よーし、行くぜウッディ!」ビーッ
ウッディ『You're my favorite deputy.(あんたは俺の相棒だぜ!)』
穂乃果「あははっ!」
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成田空港
カツン、カツン
茶髪の美女「……」
男1「おい見ろよ、あの人すっげー美人」
男2「ほ、本当だ……足ほせーし胸でけーし……やっぱ外国の女はちげーや……」ゴクリッ
茶髪の美女「Excuse me?」
男1.2「ひ、ひゃい!?」ビクゥッ
茶髪の美女「What is the name of that girl?」
μ'sのポスターに映る希を指差し。
男2「へ!?え、えーっと、シーイズ……」
男1「Her name is Nozomi Tojo. She belongs to a group called μ's.」
男2「ファッ!?」
茶髪の美女「Nozomi Tojo……」
『ノゾミ・トウジョウ。やはりあの時の少女か』
『ね、私の言った通りでしょ!?もしかしたら、本当にウッディに会えるかもしれないよ、ブルズアイ!』
『ブルルルルッ』
『もしあいつが飽きられて捨てられて無ければ、の話だがな』
『あなた!そんな事言っちゃダメよ!』
『そうさ、ボニーの友達だぜ?いい子に決まっている!』
『みんな静かに、ただでさえ大所帯なんだ、気付かれないようにするのは大変なんだぞ?』
『……ようやく会えるな。保安官………』
数時間後
希「穂乃果ちゃーん、ちょっと休憩しよー?」
穂乃果「うん、わかったー!」タタタッ
ウッディ『……』
ウッディ『ふぅ、久しぶりだな。あんなに遊んでもらったのは……』
ウッディ『オブジェみたいに大切にしてもらうのもいいけど、やっぱ遊んでもらう方が、おもちゃって感じがするぜ』
ウッディ『……バズたち、今頃何してんだろーな………』
『ホームシックかい?』
ウッディ『うおっ!?なんだ、メアリーか……脅かさないでくれよ…』
メアリー(布でできた女の子のぬいぐるみ)『まるで希に大切にされるのが嫌だったみたいな言い方だね?』
ウッディ『おいおい、そんなこと言ってないだろ?ただ、俺はおもちゃだ。飾られるよりは、振り回される方が嬉しいんだよ……』
メアリー『仕方ないことだろ?希だってもう大学生になるんだ。いつまでも、子供じゃないんだよ』
ウッディ『……わかってるよ、メアリー。別に俺は今の生活に不満があるわけじゃない。俺は今希のおもちゃだ、希は本当に俺のこと大切にしてくれて、大好きだし、今となっては別に帰りたいとも思わない……一生、希の、そして出来れば、彼女の子供のおもちゃでいたいと思っている』
メアリー『……そうかい、あんたなら大丈夫さ。長いこと押入れに仕舞われてた私とは違うからね』
ウッディ『メアリー、君だって大丈夫さ。俺より長い期間……それこそ生まれた時から一緒にいるんだろ?希は物を大切にする子だ。捨てたりなんかするもんか!』
メアリー『……あぁ、そうだ、そうだね………』
『それに、ある意味嬉しい事かもしれないね!』
ウッディ『リーナ。嬉しい事って?』
リーナ(女の子のフィギュア)『だって希ってば、中学生まで私たちで遊んでたのよ?』
ウッディ『あぁ、高校になってもちょくちょく話しかけてくれたよ』
リーナ『それが今じゃ私たちにまったく相手してくれないんだもん!ちょっと寂しいけどさ、希にも友達ができたってことでしょ?』
メアリー『あぁ、そうだね。あたしたちゃお払い箱ってわけさ』
ウッディ『はぁ、メアリーそんなことないって!』
ウッディ(そうさ、希は───)
希(10歳)『はいあなた、お紅茶をどうぞ』
希(10歳)『サンキューメアリー、いつも悪いね』
希『ただいまー、お父さんお母さん!』
希『あらリーナ、おかえりなさい』
希『あのね!今日学校でたくさん友達と遊んだの!』
希『サッカーしたりー、鬼ごっこしたり!たくさん……たくさん遊んだんだー!』
希『お友達と……たくっ、さん………グスッ』
希『ゥッ……ヒック………!』
──希、元気を出せ!
希『えっ……』
──あたし達がついてるよ!
──あなたを1人にはしないわ!
──そうさ相棒。お前は笑顔が一番似合うぜ!
希『っ……!?』ゴシゴシ
希『……気のせい、かな?今みんな、喋ったような……』
希『………んーん、そんなわけ、ないよね。でも……みんなありがとう。大好き』ギュッ
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