穂乃果｢はっ……廃校ゥ〜〜〜？｣

ことり｢うん……｣

海未｢そんな……｣

┣¨┣¨┣¨中略ッ！！┣¨┣¨┣¨

穂乃果｢私……スクールアイドルになる！ そして……廃校を阻止する！！｣

そして、私･高坂 穂乃果の奇妙な物語は始まった……。

ｺﾞｺﾞｺﾞ更に中略ッ！！ｺﾞｺﾞｺﾞ

穂乃果｢μ’s……グループの名前……μ’s！｣

穂乃果｢いい！ ディモールト･ベネ！｣

海未｢穂乃果……？｣

ことり｢名前も決まったし、後はメンバー集めかなぁ？ そうだ！ 衣装のデザインできたんだ♪｣ｶﾞｻｯ

穂乃果｢おぉっ！ すごい……ことりちゃん、これ作れるの？｣

ことり｢うん｣

海未｢なっ……なんですか、これは！？ スカートの丈が短すぎませんか！？｣

ことり｢えぇ……海未ちゃん、自分のスカート丈見たことないの？｣

海未｢……｣ﾁﾗｯ

海未｢はい。それでいいです｣

穂乃果｢ファーストライブやりまーす！ 来てくださーい！｣

にこ｢……｣ｽﾀｽﾀ

穂乃果｢あっ、先輩！ 見に来てくれませんか！？｣

にこ｢あ゛ぁ？｣ｷﾞﾛ

穂乃果｢ひっ……！｣

にこ｢私、あんたとなんの面識もないんだけど？｣

穂乃果｢え、えぇ……っと、そう、ですね｣

にこ｢じゃあ、『先輩』とか呼ばないでくれる？｣

穂乃果｢あ、はい。……ごめんなさい｣

にこ｢フン……｣ｽﾀｽﾀ

にこ｢……｣ﾁﾗ

穂乃果｢お、そこの1年生ー！ アイドルとかやってみたくないー？｣

花陽｢えっ……私……ですか？｣

穂乃果｢そうそう！｣

にこ｢……｣ｲﾗｯ

凛｢ねー、かよちーん、早く帰ろー？｣

穂乃果｢そう言わないでさ……そうだ、あなたも｣

花陽｢あ｣

ﾄﾞﾝｯ

穂乃果｢ッ！？ った……！｣ﾖﾛｯ

凛｢？ どうしたんですか？｣

穂乃果｢い、いや……なんでも｣

にこ｢はっ｣ﾆﾔ

穂乃果｢……｣

花陽｢あ、あの、私達、帰りますね……その、プリントだけ……下さい｣

穂乃果｢……｣

凛｢あのー……｣

穂乃果｢えっ！ あ、いや、えーっと……なんだっけ？｣

花陽｢プリントを……｣

穂乃果｢あぁ、はい｣ｽｯ

花陽｢ありがとうございます｣

穂乃果｢ってことは……脈ありと思っていいんだね！？｣ｳｷｳｷ

花陽｢いや……まだ……｣

穂乃果｢なんだぁ……｣ｼｭﾝ

凛｢さ、帰ろ！ 先輩、ありがとうございました｣ﾍﾟｺｯ ﾀﾀｯ

花陽｢あ、待ってよ凛ちゃん……走るのは……あぁああもうあんな所に……先輩、ありがとうございました｣ﾀｯ

穂乃果｢じゃあねー｣

穂乃果｢……｣

穂乃果｢礼儀正しい子だねぇ……｣ｳﾝｳﾝ

穂乃果(それにしても……さっきの……)

穂乃果(考えすぎかな……)

ー帰り道ー

穂乃果｢ってことがあったんだけどねー｣

海未｢もし、『アレ』だとしたら……｣

穂乃果｢面白いよね！｣
海未｢恐ろしいですね｣

穂乃果｢……え？｣
海未｢……はい？｣

ことり｢……｣

海未｢面白いって……何考えてるんですか、あなた｣

穂乃果｢だって、あんまりいないじゃん、『アレ』を使える人｣

海未｢そうですが……もし、悪用されたらなんて考えると……｣

穂乃果｢悪用されてないじゃん｣

海未｢話聞いてます？｣

穂乃果｢よしっ、私いつかあの人をμ’sに入れる！｣

海未｢はぁ……。そうですか。勝手にしてくださいよ｣

ことり｢ねえ｣

ｺﾞｺﾞ…

ことり｢私……よくわからないからさ｣

ｺﾞｺﾞｺﾞ

ことり｢私の前ではやめてほしいかなー……なんて｣

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ことり｢『スタンド』の話｣

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

穂乃果｢……ごめん｣

海未｢すいません……｣

ことり｢……はっ｣

ことり｢だっ、大丈夫だよ？ 気にしないから……｣


？｢……へぇ｣ｼﾞｰ…

ーーーーー

真姫｢……ふぅ｣ﾊﾞﾌｯ

真姫｢……play｣ﾎﾞｿ

ﾀﾞﾗﾗﾗﾗｯ!

真姫｢……｣ｽｯ

『ﾎﾟﾛﾝ』

真姫(今日……学校で……見えた)

真姫(『コレ』と同じ……何か)

真姫(何……？)

ーーーーー

希｢やー、ごめん！ えりち｣

絵里｢全く……急に走り出すから……なんだったの？｣

希｢んー？ ……あぁ｣

希｢ちょっと、『後輩』達がいたからね……｣

絵里｢そう｣

絵里｢あんまり踏み込むと、また通報されるわよ？ その歳で前科持ちにはなりたくないでしょ？｣

希｢それは……そうやなあ｣

希｢でも、大丈夫。あの子達は……確実だから｣

絵里｢何？ お得意の占い？｣

希｢いや、今回限りは占いじゃないよ｣

希｢動き出すんよ……始まるんや……そして終わる。多分、1年位になるよ｣

絵里｢相変わらず、何言ってるのかよくわからないわ。希は……｣

希｢じきにわかるよ｣

To Be Continued ⇒

海未｢ーーーさて｣

海未｢どういう意味か、説明してもらいませんか？｣ﾆｺｯ

穂乃果｢だからぁー、作詞を海未ちゃんにお願いし｣
海未｢お断りします｣

穂乃果｢えぇーっ！？｣

海未｢恥ずかしいです！ 大体、私にはそんなことできませんよ｣

ことり｢でも、海未ちゃん、中学校の頃に書いてた日記、あれ……｣

海未｢｣ﾋﾞｸｯ

海未｢な、なななんのことでしょうかぁあ〜？｣

ことり｢『今日も世界は平穏だ。しかし、皆はそれが私が日々平和を護っていることの恩恵であることを知らない』……｣

海未｢わかりましたやりますッッッ！！ だからやめてください！！！｣ﾄﾞｹﾞｻﾞｧｯ!

ことり｢よろしくね・｣ﾆｺｯ

穂乃果｢怖い……｣

〜♪

穂乃果｢……ん？｣

穂乃果｢誰だろう……音楽室かな｣

穂乃果｢……｣

ﾀｯ


真姫｢〜♪｣

真姫｢〜……ん｣ﾁﾗ

穂乃果｢！！！｣ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

真姫｢ヴぇぇ！？｣

ーーーーー

穂乃果｢だからね、あなたに作曲してもらいたいの！｣

真姫｢無理です｣

穂乃果｢そこをなんとか！｣

真姫｢はぁ……先輩、作曲って大変なんですよ？ そこらの学生にできるとでも？｣

穂乃果｢え？ さっきの曲、あなたが作ったんじゃないの？｣

真姫｢……｣

穂乃果｢ねぇ！ お願い！？ 後生だからあああ｣

真姫｢絶対後生の意味分かってないですよね｣

穂乃果｢あ、バレた？｣

真姫｢それじゃ……｣ｶﾞﾀ

穂乃果｢ちょっと！？ 話は終わってないよ！？｣

真姫｢しつこいですね……｣

穂乃果｢しつこいよ｣

真姫｢……分かりました｣

穂乃果｢えっ？ 本当に！？｣

真姫｢はい｣ｸﾙｯ

真姫(仕方ないわよね……この人、面倒くさそうだし、別に危害を加えるわけじゃないし……)

真姫｢play｣

ﾀﾞﾗﾗﾗﾗｯ!

真姫｢ッッ！｣〜♪

真姫(確か……この旋律で最大、10分前……)〜〜♪

真姫(少し長いけど、どうせこの人にもこのピアノは見えないし音も聞こえない……)〜♪

穂乃果｢いい曲だねぇ｣

真姫(もう少し。……ッ！？)ﾊﾞｯ

穂乃果｢ところで、そのピアノ、どうやって浮いてるの？ 手品？｣

真姫｢なっ……！｣

真姫｢このピアノが、見えるんですか……！！？｣

穂乃果｢うん。見えるけど……なんで？｣

真姫｢嘘……でしょ｣

真姫(何故？ 今まで誰にも見えなかった……パパにも……ママにも……先生、同級生にだって！)

真姫｢何故見えるの……｣

穂乃果｢何故って……あ｣

穂乃果｢もしかして、『スタンド』なの、それ……？｣

真姫｢『スタンド』？ ……｣

穂乃果｢知らないの？ ……。ちょっと待ってて｣ﾋﾟｯ

ーーーーー

海未｢なんですか？ 穂乃果……弓道の練習中だったんですが｣

穂乃果｢この娘がさ｣

海未｢？ このスタンド使いの方がどうかしたんですか？｣

穂乃果｢はや｣

海未｢？｣

穂乃果｢やっぱり、『スタンド』なんだ？｣

海未｢えぇ｣

真姫｢いや……ちょ、ちょっと待って。下さい。『スタンド』ってなんですか？｣

海未｢あぁ、知らないのですか。では教えてあげましょう。『スタンド』とは……｣

穂乃果｢ちょーっと待って……海未ちゃん……｣

海未｢なんですか、教えてあげなければ……｣

穂乃果｢私に考えがあるの｣

穂乃果｢ねえねえ……君、『スタンド』のこと知りたいんだよねー？｣

真姫｢まぁ……｣

穂乃果｢じゃあ、作曲してよ｣ﾆﾔ

真姫｢えっ｣

海未｢えっ｣

海未｢穂乃果！？ それではまるで脅迫ではないですか！｣

真姫｢……わかったわ……｣

海未｢そうですよ！ こんなのフェアとは言えませ……え｣

真姫｢だから教えて。その……『スタンド』のこと｣

穂乃果｢うんうん！ そりゃもういくらでも！｣

海未｢教えるのは私なんですけどね……｣

海未｢『スタンド』というのは、簡単に言えばその人の心が具現化した物です｣

穂乃果｢全然簡単じゃないよね……｣ﾎﾞｿ

海未｢穂乃果は黙ってて下さい｣

海未｢心が具現化されたものなので、自分が『動かそう』と思わなくても反射的に動くことがあります。まあ、潜在意識的なものですが｣

海未｢『スタンド』に触れられるのは『スタンド』だけですが、『スタンド』は触ろうと思えば物質にも干渉できます｣

海未｢そして、人型の『スタンド』への『スタンド』の攻撃は、本体にも影響します｣

真姫｢え……全然わからない……んですけど？｣

海未｢『そういうものだ』と割り切ってもらえれば1番いいんですが……まあ、私も詳しいことはわかりません。祖母や父から聞かされた不明瞭なただの伝聞なので｣

海未｢……あぁ、そうです。重要なことを忘れてました。『スタンド』は『スタンド使い』にしか見えません｣

真姫｢あ……｣

真姫(だから、みんなには見えないのね……)

真姫｢ってことは、あなた達も｣

海未｢ええ。見せましょうか？｣

真姫｢じゃあ、はい｣

海未｢では、穂乃果も｣

穂乃果｢はいはーい｣

ｼｬﾝｯ!

ｽﾗｧ

海未｢これが私のスタンド。『リーズン･オブ･ザ･カレッジ』です｣

真姫｢『人型』ってやつね｣

海未｢はい。飲み込みが早いですね、何処かの誰かとは大違いです｣

穂乃果｢それ、私のこと？｣ｼﾞﾛ

真姫｢先輩のは……刀？｣

穂乃果｢うん。『ノットアローン』っていうんだけどね｣

真姫｢その名前って自分でつけるの？｣

穂乃果｢え？ ……なんとなく、『これ』なんだよね｣

海未｢直感ですね。多分、少し集中すると出てくると思います｣

真姫｢……｣ﾑｩ

真姫｢……『ラブ&ピース』……｣

海未｢愛と平和ですか。いい名前ですね｣

穂乃果｢なんていうんだろうね、スタンドが話しかけてくるんだよね、『名前はこれ！』って｣

真姫｢はい……｣

真姫｢それにしても｣

海未｢はい？｣

真姫｢さっき、『攻撃』とか言ってましたけど、先輩のスタンドは、いかにも戦いそうですね｣

海未｢まあ、実際戦うことなんてないんですけどね。昔は戦などに使うこともあったようですが……。現代で使えるのなんて、不審者撃退などだけですね｣ｱﾊﾊ

穂乃果｢ほんと、海未ちゃんのスタンドは強そうだよねー、なんだっけ？ ……そう、ケンタウロスに水の羽衣とか着いちゃってさ！ かっこいいよねー｣

海未｢かっこよくてもいいことはないですけどね｣

真姫｢あの、そろそろ……｣

海未｢あ、すいませんね。ほら、穂乃果も｣

穂乃果｢ごめんねー、こんな長い時間……そうだ、海未ちゃん、歌詞ってもう出来てるの？｣

海未｢はい｣

穂乃果｢うそでしょ｣

海未｢作曲してくれるとのことですので……これ｣ｶｻｯ

真姫｢あぁ……はい。それじゃあ｣

ｶﾞﾗｯ

穂乃果｢スタンド使い同士、仲良くしようねー！｣

海未｢『スタンド使いは引かれ合う』と言いますからね｣

ーーーーー

真姫｢スタンド……『ラブ&ピース』……｣

真姫｢あ｣

真姫(どうしよう、まだ聞きたいことがいっぱいある……また今度でいいか)

ーーーーー

ｷﾞｼｯ…

希｢ふふ。『スタンド使いは引かれ合う』、か｣

希｢その通りやんな｣ﾆｨ…

To Be Continued ⇒

ー翌日ー

真姫｢先輩｣

穂乃果｢ん？ あぁ！ えぇ……っと｣

真姫｢西木野です｣

穂乃果｢西木野ちゃん！ 曲作ってくれたの！？ 早いねーっ！｣

真姫｢あ……全部昨日作ったわけじゃなくて、前に作ったののアレンジ……というか……駄目、ですか？｣

穂乃果｢うぅん！ 全然いいよ｣

真姫｢じゃ、これ｣

穂乃果｢おおぉ……丁寧に 『μ’s』って書いてある……。あれ？ 『μ’s』って言ったっけ？ ……｣

真姫｢えっ……！ あ！ だって、廊下とかに張ってあるじゃないですか！？｣

穂乃果｢そうだけど……ふーん……｣ﾆﾔ

真姫｢な、なんですか……｣

穂乃果｢興味、持ってくれたんだ？｣ﾆﾔﾆﾔ

真姫｢べっ！ 別に……！ そんなんじゃ……｣

穂乃果｢まあいいけど。ありがとうねー、これ。今度またなんか改めてお礼するからね。お饅頭でいい？｣

真姫｢お礼……ですか。『スタンド』のことを教えてもらえればいいです｣

穂乃果｢そんなんでいいの？｣

真姫｢それこそがいいんです｣

穂乃果｢じゃあ、海未ちゃんに伝えとくよ。じゃあね、興味持ってくれたんだったらライブに来てねーっ！｣ﾀﾀｯ

真姫｢はい｣

真姫｢……｣

真姫｢元気な人｣

穂乃果｢よおーっし！ 次は部活の申請を……！｣

海未｢できません｣

穂乃果｢え｣

ことり｢あのね、穂乃果ちゃん……。部活っていうのは最低でも5人必要なの｣

穂乃果｢私、海未ちゃん、ことりちゃん。……３人しかいない！｣

海未｢はい。ですから部活にはできません｣

ことり｢でも、それじゃ練習場所が……｣

穂乃果｢練習場所はあるよ｣

うみこと｢｢え？｣｣


穂乃果｢ここ！｣ﾊﾞﾝｯ

海未｢屋上ですか｣

ことり｢ここなら、誰も使ってない……かな？｣

穂乃果｢うんうん！ そうだよ！ ここにしよう！｣

海未｢ふむ……まあ、いいでしょう｣

穂乃果｢じゃあさ、早速この曲｣

海未｢その前に｣

穂乃果｢はい｣

海未｢講堂の使用許可を貰いに行きましょう｣

ーーーーー

海未｢あっさり取れましたね。もっと手こずるかと思いましたが……｣

ことり｢でも、生徒会長さんの方はずっと駄目って言ってたよね。副会長さんが許可してくれたおかげだね｣

穂乃果｢あの人はいい人だったね｣

海未｢では、曲の方を聞いてみましょうか｣ｶﾁｯ

ｱｲｾｰｰｰｲ ﾍｲ! ﾍｲ! ﾍｲ! ｽﾀｰﾀﾞｯ

穂乃果｢……すごい｣

海未｢うぅ……｣

ことり｢う、海未ちゃん！？｣

海未｢私が書いた歌詞が、ちゃんと歌になってます……感激です……｣

穂乃果｢よしっ！ 練習始めよう！！｣

海未｢はい｣ ことり｢うんっ｣

私達はファーストライブまでにたくさんチラシを配って、宣伝して、衣装を作って、歌を練習して、ダンスを考えて、練習した。


ーファーストライブ直前ー

穂乃果｢大丈夫？ 海未ちゃん｣

海未｢ひゃい……大丈夫れす｣ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

ことり｢緊張しすぎで震えちゃってるよ……｣

ーーーーー

凛｢さあ、かよちん！ 陸上部に行くにゃ？｣

花陽｢凛ちゃん、あのね……｣

凛｢……わかってるよ｣

花陽｢え？｣

凛｢凛、かよちんのことならなんでもわかるんだからねー？ ……講堂、行きたいんでしょ？｣

花陽｢凛ちゃん……｣

凛｢もう始まっちゃうでしょ？ 早く行くにゃーっ！｣ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

花陽｢ま、待ってー！｣

ーーーーー

真姫｢……｣ｷｮﾛｷｮﾛ

真姫(誰もいない……)

真姫(そりゃそうよね。こんな素人のライブ、しかもアイドルなんて……痛いにも程があるわ。私だって、曲を台無しにされてないか確認しに来ただけだし……)

真姫(それだけよ……)

ーーーーー

希｢ふむ。そこそこ入ると思ったけど、やっぱり前途多難やね｣

ーーーーー

絵里｢……希が何を考えているのかは知らないけど、やっぱり認める訳にはいかない……｣

ーーーーー

ｺｿｺｿ

にこ(ふっ……。私達より入ってないじゃない。どうせライブ自体も……ククッ、せいぜい笑ってやるわ)

ーーーーー