【艦これ】提督「同棲?」 (50)

提督と浜風のしっとりしんみりした恋愛ものを目指すss

・独自解釈
・不定期更新
・戦後
↑が大丈夫な人はどうぞ見て行ってください

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提督「同棲って......どういうことですか、元帥」

元帥「言葉の通りだよ。 深海棲艦との戦いが終わり早一年......各国は費用圧縮のために提督と艦娘の定数削減に乗り出しているのは知っているかな?」

提督「もちろん......未成年の自分はその削減対象ですし」

元帥「はっはっはっ! そう嫌な顔をするな。 君たちは本来通るべき過程をすっ飛ばして提督になっていたんだ、仕方ないだろう」

提督「確かにそうですが......って、それと同棲に何の関係があるんですか」

元帥「解体された艦娘はそれぞれの年齢から学生や社会人に振り分けられる。 君が指揮していたのは水雷戦隊だから、ほとんどは学生になるだろうな」

提督「まぁ、社会人に見えるやつはいませんでしたね」

元帥「もちろん艦娘たちにも職業の自由がある。 どの学校に進学するのかも自由に選択出来る......相応の学力があればの話だが」

提督「てっきり一つの学校に纏めると思ってたのでそれを聞いた時は驚きました。 艦娘たちも喜んでましたよ」

元帥「うむ。 ところで君はどこの学校に進学するつもりかね?」

提督「北海道の〇〇高等学校です」

元帥「全校生徒三十人しかいない過疎化の激しい高等学校だな」

提督「知ってるんですか?」

元帥「自分について来ようとする艦娘を振り切るために選ぶ学校ならある程度調べはつく」

提督「......彼女たちには彼女たちの人生があります。 私について来てやりたい事が出来なくなるのは避けたかったので」

元帥「くくくっ......そんな君に残念なお知らせだ。 君のその考えを読んだ上で数ある高等学校の中から君と一緒の学校を選んだ艦娘が一人いるのだよ」

提督「......如月でしょうか?」

元帥「違う違う。 もっと君と関係の深い娘だよ」

提督「吹雪......いや、白雪?」

元帥「それも違う。 着任はかなり遅かったが、最も長く君の秘書艦を務めた彼女だよ」

提督「まさか......」

元帥「入ってきたまえ!」




浜風「......失礼します」

提督「......浜風」

浜風「はい」

提督「俺は言ったよな? 自分の人生は自分で決めるべきだ、俺について来ようとするなんて論外だ、と」

浜風「はい、ですから自分でこの道を決めました。 たまたま、提督と行く学校が被ってしまっただけです」

提督「............」

元帥「おっと、ちなみに変更は出来ないぞ? 海軍のメンツを潰しかねないからな」

提督「......同棲相手というのは」

元帥「その娘に決まってるだろう」

提督「......なんでこう俺の艦隊の艦娘は言う事を聞かないんだ」

元帥「愛されているじゃないか!」ハッハッハ

元帥「話は以上だ。 もう退出してもいいぞ......後は二人で話すといい」

提督「......」コツコツコツ

浜風「......」コツコツコツ


浜風「......ごめんなさい」

提督「謝るくらいなら最初からこんな事をするな」

浜風「離れたくない、です」

提督「みんな同じだよバカ」

浜風「バカでも、貴方と一緒にいられるのならいいです」

提督「......出発は明後日だ。 それまでに準備しておけよ」

浜風「......はい」

【二日後 羽田空港】

提督「......」チラッ

提督(もうすぐ出発の三十分前......幾ら何でも遅い)

提督(......連絡を入れるか)

浜風「すみません! 遅くなりました!」

提督「珍しいな」

浜風「昨日、あまり眠れなかったので......」

提督「体調管理を怠るな。 向こうでそうだと辛いぞ」

浜風「それはたぶん、大丈夫です」

提督「何故そう言える」

浜風「貴方と一緒だから......です」

提督「......甘えるな」

浜風「甘えます」

提督「......」

浜風「......」

提督「......好きにしろ。 相手はしないぞ」プイッ

浜風「はい」

提督(函館までは一時間弱か......)

浜風「......」スゥスゥ

提督(......呑気な顔して寝やがる)

提督(コイツが十年近く俺を振り回していた存在だとは自分でも思えないな)

浜風「んん......」モゾモゾ

提督(......!)

提督「......まだ、付けてるのかよ」

提督「ちっ......めんどくさい」

提督(早く着かないかな......)

【函館空港】

浜風「すみません......ここまで抱えて来てもらってしまって」

提督「本当にだ。 わざわざ抱えて持ってこないといけないほど爆睡するやつがあるか」

浜風「でも、少し嬉しかったです」

提督「その発言は余計だ......それより、お前はその指輪をいつまで付けている気だ? もう艦娘じゃなくなったんだ、そいつに価値はないはずだ」

浜風「あります。 貴方から貰った、それだけで私にとっては他の何よりも」

提督「そんなもの付けてると男が離れていくぞ」

浜風「結構です。 それに、貴方だって」

提督「バスが来た。 乗るぞ」

浜風「......そうですね」

浜風「他のお客さん、あまりいませんね」

提督「当たり前だ、あんな北海道でもど田舎に行くバスに人がいるか」

浜風「でも、学校の校長先生はすごく人が良さそうでした」

提督「もう会ってたのか」

浜風「貴方が会った次の日にお会いしました」

提督「......そこで気付くべきだった」

浜風「私はバレないかとひやひやしてました」クスッ

提督「......本当に反省してるのか」

浜風「してます、はい」

浜風「かなり奥まで来ましたね」

提督「一応言っておくが、途中からは歩きだからな」

浜風「貴方となら大丈夫です」

提督「......歩けなくなったら置いてくぞ」

浜風「それは困ります。 ごめんなさい」

提督「......めんどくさいやつは嫌いだ」

浜風「私はめんどくさくても好きですよ」

提督「うるさい」

運転手「お客さん、着いたよ」

提督「ありがとうございます」

運転手「大丈夫? 雪もチラついてきたし、こっから村までは遠いよ? 時間的に着くのは夜になっちまう」

提督「ご心配には及びません。 学生なので無事たどり着くぐらいの元気はあります」

運転手「そうかい......隣のお嬢さんは連れかい?」

提督「ええ、どうしようもない連れです」

運転手「ふーん......」

浜風「......?」

運転手「大事にしてやんなよ」ニヒヒッ

提督「そういう関係じゃないので......行くぞ」

浜風「はい。 あ、ここまでありがとうございました」

運転手「礼を言われるほどじゃないよ、仕事だからね。 お気を付けて」

提督「......何もない」

浜風「木があるじゃないですか」

提督「こんな禿げた木をものにカウントするつもりはない」

浜風「私は好きですよ。 しんしんと降る雪と合間って雰囲気を出してますし」

提督「......雰囲気だけなら、俺も嫌いじゃない」

浜風「......えへへっ」

浜風「寒いですね」

提督「別に」

浜風「そこは嘘でも寒いって言うところですよ」

提督「実際に寒くないんだ。 嘘をつく必要がない」

浜風「......私は寒いです」

提督「手袋をしてこないからだ」

浜風「......」ジー

提督「......」

浜風「......寒い」ジー

提督「貸して欲しいならそう言え」

浜風「貸してください」

提督「......ほらよ」

浜風「あ、右手のだけでいいです」

提督「?」

キュッ

提督「......なんだこの手は」

浜風「こうすれば、二人とも寒くありません」

提督「歩き難いんだが」

浜風「寒くて手が痛くなるのよりは遥かにマシです」

提督「......暑い、離せ」

浜風「私も暑いです。 けど嫌です」

【一時間後】

提督「つ、着いた......」ゼェゼェ

浜風「思ったより、遠かったです、ね......」ゼェゼェ

提督「さっさと家の中に入って暖かい飲み物を飲んでストーブにあたりたい」カタカタカタ

浜風「賛成です。 こも寒さはちょっと耐え切れません」カタカタカタ

【新提督宅】

浜風「......案外、小さいですね」

提督「一人暮らしが前提の家だったからな。 どっかの誰かさんが急に同棲しようとしなければ充分な広さだったんだよ」

浜風「一人暮らしに一軒家というのがそもそも贅沢ですから、私が来てちょうどでしたね」

提督「びっくりするほど素早い手のひらクルーだな」

浜風「ありがとうございます」

提督「褒めてない」

提督「えーっと、毛布毛布っと」ガサゴソ

浜風「晩御飯はどうされます?」

提督「材料がないからカップ麺くらいしか選択肢がないだろう......よし、あったあった」

浜風「あの、どうしていま毛布を?」

提督「さっき部屋を見て来たらとても寝れるような状況じゃなかったからな......今日はここで雑魚寝するしかない」

浜風「なるほど」

提督「......変な事はするなよ」

浜風「男性が言うセリフじゃないですよ」クスッ

提督「信用ならないから言ってるんだ」

浜風「貴方に嘘をついた事は一回だけなんですけどね......」

提督「その一回が問題なんだよ......こっちは俺が用意するからお湯を沸かしておけ」

浜風「......問題でしたか」

提督「味噌ラーメンとピリ辛唐辛子ラーメンがある」

提督「もちろん味噌ラーメンは俺が食う」

浜風「拒否します」

提督「その拒否を拒否する」

浜風「なら拒否を拒否したのを拒否します」

提督「ならば拒否を拒否した拒否を俺は拒否......ジャンケンで決めるか」

浜風「ですね」

提督「ジャン」

浜風「ケン」

提督浜風「「ポンッ」」

提督「......相変わらず弱いな」←グー

浜風「......私、辛いの苦手です」←チョキ

提督「十年も経ったんだから食えるようになってるだろ」

浜風「......分かりました。 私の成長した姿、お見せ致しましょう」

提督浜風「「いただきます」」

提督「はふはふ」モグモグ

提督「ずるるっ......」チラッ

浜風「......からぃ」ウルウル

提督「......」

浜風「......からいれふ......ずるっ......かりゃい」ウルウル

提督「......寄越せ」

浜風「......ぇ?」

提督「寄越せ。 俺のはお前が食え」バッ

浜風「......うん」

提督(辛い......)モグモグモグ

浜風「......ありがと、あーくん」

提督「その名前で呼ぶな」モグモグモグ

提督「(唇がヒリヒリする)明日は朝から荷物の整理をするからさっさと寝るぞ」

浜風「......」スッ

提督「トランプとかやらないから」

浜風「......!」スッ

提督「だからってUNOもしないから

提督「二人で人生ゲームとか寂しい事をする気もないから」

浜風「......!!」スッ

提督「ドンジャラって......お前はここに何を持ってきてるんだ」

浜風「......!!!」スッ

提督「二人でやるなら五秒で終わると思うがそれでも人狼ゲームするか?」

提督「電気消すぞ」パチッ

浜風「......うん」ショボーン


提督(ふぅ......あんな距離歩いたのは久々だったからさすがに疲れたな)

提督(明日に支障が出るのもマズイからさっさと寝よう......)

キシ......キシ......

提督「......浜風」

浜風「!!」ビクッ

浜風「にゃ、にゃ〜」

提督「下手くそだな」

浜風「!?」ガーン

提督「何か用か?」

浜風「......さ、寒いから、一緒に寝ようかなーって」

提督「却下だ」

浜風「ひ、ひどい!?」

提督「(改めてコイツが敬語じゃないのって何か違和感がすごいな......駆逐艦浜風の方に慣れ過ぎたか)とにかく早く寝ろ」

浜風「......ダメ?」

提督「ダメ」

浜風「......なら、せめて隣に」

提督「ダメって言ったら?」

浜風「のしかかる」

提督「小学生かお前は」

浜風「小学生でいいもん......」プクー

提督(これは、たぶん折れないな......めんどくさい)

提督「はぁ......布団の中には入ってくるなよ」

浜風「うん!」

提督(......やっぱり近い)

浜風「ねぇ......手、握ってもいい?」

提督「お前はまた......」

浜風「寒いから、ね?」

提督「......好きにしろ」

浜風「うん」

キュッ

提督「満足か?」

浜風「とっても」

提督「そりゃ良かった。 なら早く寝ろ」

浜風「ふふっ、十年前と一緒だね」

提督「縁起でもないこと言うな。 あの日から俺の災難は始まったようなものなんだぞ」

浜風「......ごめんね」

提督「許さん」

浜風「き、厳しい......」

提督「今度あんな真似をしたら探さないからな」

浜風「うん、分かってる」

提督「......あー変なこと思い出した。 もう寝る、おやすみ」

浜風「おやすみなさい」

提督「......」

浜風「あ、言い忘れてた」


浜風「指輪、外し忘れてるよ」

提督「......うっせぇ」

今回はここまで
浜風との恋愛ものがないなら自分で作ればいいじゃない! というわけで書き始めました
不定期ですがどうぞよろしくお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年10月07日 (日) 00:33:15   ID: ZZdgHXyV

続きはまだか!!!!!!!!!!
早く見たいんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

2 :  SS好きの774さん   2018年10月07日 (日) 10:52:37   ID: SS7ZaBas

れむちゃ!?

3 :  SS好きの774さん   2018年10月28日 (日) 08:43:48   ID: NxS0PCG0

ひとつめ、高等学校に入るというのに浜風とは十年近い付き合いとの記述。
ふたつめ、山間部の村落でもタクシーぐらいは走ってくれる。雪道を徒歩で一時間としても、息が上がるようでは年齢的に体力がなさすぎる。
がばがばすぎて読む気失せたから途中でやめた。駄作。つまらん。小学生以下の未完結載せんな。

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