“やはり俺の青春ラブコメは間違っている”のSSです
【注意】
地の文に注意
書き手が海老名さんに代わりました
書き手が海老名さんに代わりました
葉山「やっぱり君の考えることは理解できないよ、比企谷」
のおまけ
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「今日は家に誰もいないんだ」
まさか俺がこんなせりふを口にするとは夢にも思っていなかった。
だが今思えばこうなることは必然だったのかもしれない。
「大丈夫……いや、正直なことを言うと怖いかな」
そう言う葉山の唇は震えていた。
いつものように葉山と喫茶店でゆきのん談話をしていて、いつものように帰るはずだった……
だが以前から燻っていた心の靄を口にして、葉山の目を見て思った。
この気持ちは一時的な感情の不具合や、一過性の空白を埋めようと言う感情ではないことを。
そう俺は葉山のことをいつの間にかこんなにも愛してしまっていたのだ、と。
どこかの偉い科学者は恋とは生殖行為の際に生じる感情の誤作動であると。
そんなはずがない。
この気持ちは誰にも正誤を付けさせない。
それは俺の中にあるちっぽけなプライドが赦さない。
葉山のことを大切にしたい。
「怖いなら無理はしなくていいんだぞ?」
だからこそ鼓動の速さとは正反対にそんな言葉が自然と出てきた。
「すごく…怖いよ……。けど、ヒキ谷くんだからこそ大丈夫なんだとおも……んっ」
葉山の唇を塞いだのは俺のそれだった。
衝動的で必然的な交わりだった。
「ふっ…ん……んっ………ふあっ…………んんっ」
舌を伸ばして下唇を撫でる。
葉山はくすぐったそうな声を上げ、それが俺の嗜虐心をくすぐる。
撫でていた舌で唇と唇の隙間を突いて、咥内に押し込む。
「ふっ!?……んーっ」
優しい愛撫から激しい愛撫に変わり、声色も幾分か色を帯びたそれに変わる。
舌の先で歯と歯肉の境目を犯す。
葉山は意識してか、無意識なのか頭を振って逃れようとした。
――逃がすか
そんな気持ちが身体を支配して、葉山の後頭部に手をやって塞ぐ。
力強い反抗にますますそそられる。
ドン、と胸に強い衝撃が伝わった。
どうやら葉山が離せ、と訴えているらしい。
――だからどうした
俺はそんな些細な抵抗は無視して葉山の腔奥を侵食していく。
舌は魔の手から逃れようと上下に左右に、と大暴れしている。
本当に嫌なら舌を噛めばいいんだ。
なのに葉山は舌を動かすだけでそんなことはしない。
――まったく、お前は厭らしいやつだよ
そんなことを逡巡していたが、気持ちが焦れてきた。
仕方なく攻め口を切り替えることにする。
依然暴れる葉山の舌を無視して、舌の付け根に滑り込ませる。
「っ」
予想外のことだったのか、驚きで咳き込み、息が接しているところから逆流してきた。
舌と肉の隙間に自分の猛ったそれを押し込める。
すると葉山の動きは鈍くなり、犯しやすくなる。
俺は下から厭らしさを塗りつけるように舐める。
葉山の手が俺のシャツを掴んで、快楽を耐えようとする。
だから俺は咥内に満ちた葉山の吐息を全て吸い尽くすことにした。
そして今度こそ本気の抵抗を露した。
ドンドンと何度も何度も胸を叩き、必死に抵抗する。
葉山、どうしてお前はそんなにも俺の嗜虐心を刺激するのがうまいんだ。
そんな風に抵抗されたら……もっとお前のことを苛めたくなってしまうじゃないか。
葉山の欲する酸素を吸い尽くしながら、葉山の舌と俺の舌を交える。
もう、小細工はいらない。
あとは葉山を貪るだけだ。
舌の先でザラザラとした葉山のそれをなぞる。
ざらついた舌上が気持ちよくて、反復してそれを繰り返す。
一か十か時間と言う感覚が砕けるまで咥内を犯した。
気付けば葉山の顔は酸欠から来る赤面と肉欲に塗り潰された瞳になっていた。
こんなものは児戯にも等しく、こんなところで果てられても困る。
そう思って名残惜しくも、俺は口付けを終えた。
呼吸という必須動作を久しく忘れていた葉山は何度も咳き込む。
「ひど…い、よ……比企谷」
どうやら本当に余裕がないらしく俺の名前を正しく呼んだ。
「そんなつもりじゃなかったんだよ。悪かった」
1/3も伝わらないこの感情を伝えたくて、目尻に溜まった雫を舐めて、頬や髪に口付ける。
葉山は眉を下げて、ひたすらに口付けを甘受している。
親猫が子猫を慈しむように、何度も何度も繰り返していく。
目を瞑って耐える葉山が映って先走りしたことを後悔した。
「大丈夫か、葉山?」
「……大丈夫なわけない」
「ならやめるか?」
「いやだ……けど、もっと優しくしてくれ」
――それは約束できないな
かわいすぎるお前が悪いんだ。だから理性が働いている今は優しくしよう。
何度も何度も口付ける。
「……っ」
数え切れないほどにしているのに、葉山はひたすらに耐え忍ぶように口を噤む。
と、ここで嗜虐心が立った。
耐え続ける葉山へのキスを止めて、その様を眺めることにした。
伏せた睫毛の長さを眺める。
不規則な呼吸音を耳で感じる。
乱れたシーツをさらに乱していく手。
「比企谷……くん?」
そう呟いて細く開いた瞳を見据える。
今の葉山に爽やかさや芯の強さは感じられない。
いじらしい可憐さだけを身に纏っている。
「なぁ、葉山。知ってるか?首を掴まれるのって不愉快らしいぞ?」
そう言って右手ですらりとした首を掴む。
「どうだ?気持ち悪いか?」
手を伝って、喉がごくりと音を立てた。
「…………じゃ……い」
「なんだって?もっと大きな声で言ってみろよ」
「いや、じゃないさ……比企谷なら……」
「そうだよな?だってこんなになるくらいだもんな」
「っ」
スラックスのサラサラとした触り心地と、固くなった葉山のそれが重なって熱を帯びている。
「なぁ、葉山。知ってるか?首を掴まれるのって不愉快らしいぞ?」
そう言って右手ですらりとした首を掴む。
「どうだ?気持ち悪いか?」
手を伝って、喉がごくりと音を立てた。
「…………じゃ……い」
「なんだって?もっと大きな声で言ってみろよ」
「いや、じゃないさ……比企谷なら……」
「そうだよな?だってこんなになるくらいだもんな」
「っ」
スラックスのサラサラとした触り心地と、固くなった葉山のそれが重なって熱を帯びている。
「どうして欲しいんだ?口にしないとどうして欲しいのか、分からないぞ。葉山」
そして葉山は口を開いた。
「大丈夫か、葉山」
シーツを掴んだままの葉山にそう尋ねる。
「すごい異物感だよ。まだ入ってるみたいだ」
視線を枕に落としながらそう呟く。
――あぁ、やってしまった。優しくするつもりだったのに
自責の念に苛まれながら、葉山の意思を蹂躙してしまった後悔に言葉が漏れる。
「気分はどうだ?」
喉が鳴りそうだ。
「……意外と悪くない気分だ。いや、むしろ心地よいとすら思える」
そんな葉山が愛おしくて、張り付いた前髪を払う。
葉山を抱いたこと自体に後悔の念はない。
ただ、抱いたと言う事実がこれからの俺たちの関係を否応にも変化させてしまうことが怖いんだ。
「そうか。けどこれもゆきのんのお陰と思えば必然なのかもしれないな」
免罪符のように俺と葉山を繋いだその名を口にした。
もし、葉山が望むなら以前のようにひたすらゆきのんを愛でる盟友に戻ればいい。
だから試薬のように、判決を告げるジャッジガベルのように、その名を出した。
「全くだね。やっぱりゆきのんは偉大だよ」
眉を顰めた葉山はぶっきらぼうに答えた。
葉山の感情が読み取れない。
なぜ眉を顰めた?
分からない。
さっきまで一番近くに居たはずなのに、葉山の気持ちが分からない。
どうする……どうする……?
「なぁ、葉山」
愚考した結果、意味もなく葉山の名を呼んでいた。
「ちょっと待ってくれ」
「どうした?身体が痛むのか?」
待て、と言った葉山は苦しそうに顔を歪める。
さっき無茶をさせたせいで身体を痛めたのだろうか?
無意識に伸びた手を意識して止める。
もし、嫌悪したなら俺の手に触れられることすら不愉快になるんじゃないだろうか。
思考がどんどん悪い方向に沈んでいく。
本当は優しくするつもりだった。
そんな言い訳染みた感情を押さえつける。
優しくするつもりでも、優しくなければそれは偽善ですらない。
「………………」
「………………」
葉山は口を開いて閉じて、それを繰り返す。
意図が読めず、どうすることもできない。
「?」
断罪されるのかと思い、瞼を伏せる。
しかし判決が下らない。
一体どれだけの時間が過ぎたのか、いい加減首に掛かった刃の温度に焦れた俺は盗み見をする。
傷ついた顔をしていると思った顔に鈍い色はなく、そっぽを向いた葉山を眺める。
明後日の方向を見ている葉山は口を開く。
「もう浅からぬ関係だから……その……」
――あぁ、ダメだ。
さっきまで自分の粗雑さに後悔の念を抱いていたはずなのに、くすぐられる。
「何が言いたいのか、さっぱりわからないな」
安堵して口角を吊り上げる自分がいた。
葉山は乙女のように頬を赤らめ、呟く。
「やっぱり君の考えることは理解できないよ、比企谷」
拗ねた声色でそう呟く。
自然と手が伸びていた。
「まったく、お前は思っていたよりも甘えん坊だな、隼人」
くすぐったそうに顔を顰める。
「ひ、比企谷……!」
心外だと訴えるように名前が呼ばれる。
だから俺も心外だと訴えかける。
「違うだろ、もう一度俺の名前を言ってみろよ」
葉山は沈黙し、おそらく幾度も幾度も逡巡しているのだろう。
そんな葉山を見て思う、
――愛おしい
と。
「は、八幡は意地悪だな……っ」
そして二人は自然と口を交えた。
やっぱり俺たちの青春ラブコメは間違っている。
終わりです
このSSを見た人はホモってはっきりわかんだね
BLなんて書いたこともないのに書けたのは海老名さんが書き手だったから
多分そのうちまた書く
前の二つの続きかあやせだと思う
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