女「男くんがおかしくなった」(170)

ザワザワ

男「よう女。おはよ」

女「お、お、おはよう!」

男「借りてた本返すよ。面白かった」

女「よ、良かった。もう一冊は?」

男「わりぃ、まだ読み終わってないからもうちょい貸して」

女「うん」

オタ「男wwwwおはようでござるwww」

男「おはよ」

オタ「僕wwwとうとうまどマギポータブルwwwwww買ったでござるwww」

男「マジで!?貸せ!」

オタ「フォウwwwじゃあ明日貸すwwwwww」

男「ちくしょーいーなー金のあるやつはー」

オタ「おっとwwwまだ宿題やってないwwwwやってくるww」

男「げっ、俺もだ」

女「あ、あの!見せようか?」

男「マジで?ありがと」

オタ「羨ましすぎて血涙でござるwwwww隣の席男子だしwww」

男「涙拭けよ」

女「……あれ?」

男「ん?」

女「鎖骨のとこ、どうしたの?」

男「ああ、これ?このカサブタっぽいやつか」

オタ「まさか闇の印とかwwwwww」

男「ここ一週間でこんなに大きくなっちゃってよ」

女「怪我?」

男「した覚えないしなぁ」

オタ「夢の中で戦った傷とかwww」

男「いいなそれ」

女「もし悪くなったら大変だから病院いけば…?」

男「だいじょーぶだろ、こんなん」

女「そうかなぁ…」

先生「朝のホームルームはじめっぞー」

オタ「おっとwww先生キタから座るwwwwww」

授業中

女(一週間で広がるカサブタなんて聞いたことないなぁ)

女(それになにか不気味な感じしたし)

女(なにか嫌な予感みたいなのがする)

女(ああ、またネガティブ思考に行っちゃう…)ブンブン

教師「次、女」

女「え?は、はい!」

女「えっと…」ガタッ パラ

女「そ、そうかそうか、き、きみは、そんなやつ、だったんだな、と…」

ヒソヒソ

聞き取りにくくない?

ほらあいつ滑舌悪いから

ヒソヒソ

女「う……ちょうを親指で押しつぶした……」ガタッ

女(すぐ言葉につっかえてしまう……)

教師「では、なぜ蝶を押し潰したのか――」

男「お疲れ」コソッ

女「!」コクコク

女(このクラスでちゃんと話せるのは男くんとぐらい

女(…その男くんもオタくんぐらいしか友達いないんだけど)

女(もう夏前だけど、まだクラスと馴染めないな…)

女(あ、昨日夜更かししたから眠気が…)ウトウト

男「女さん」ボソ

女「」ハッ

男「寝てはいけませんよ」ニコ

女「う、うん」

女(は、恥ずかしい…起こされるだなんて)

女(………あれ?)

昼休み

女「友ちゃん、あ、あのね」

友「ん?」モグモグ

女「男くんがおかしくなったみたいなの」

友「いつもじゃん」モグモグ

女「いや、いつもなのかは分からないけど…いきなり敬語になったの」

友「キモッ」

女「い、いくら男くんの幼なじみとはキモッは酷いんじゃ…」

友「あいつが敬語とか地球崩壊するんじゃない?」

女「友ちゃん……」

友「男もどーせ寝ぼけてたんでしょー?昔から現国は寝るよあいつ」

女「寝ぼけてたんかなぁ」

友「執事の夢みてたとかね。お帰りなさいませ女様ってさ」ケラケラ

女「とととと友ちゃん!?」カァッ

友「ウソウソ、そんな必死になんなって」ケラケラ

女「いじわる…」

友(いいわその表情)

キーンコーンカーン

女「お昼、終わっちゃったね…」

友「そんな憂鬱そうな顔しないの」

女「だ、だってクラスに友達いないし」

友「無理して作ろうとするから辛くなるんだよ。自然体でいいじゃん」

女「うん…ありぎゃ…ありがとう」

友(かわいい持ち帰りたい)

授業中

男「女!国語のノートみせて!」コソッ

女「とってなかったの?」

男「つい寝てて」テヘ

女「起きてなかった?」

男「…へ?あ、ああ」

男「ボーとしてたんだよ、うん」

女「……?」

放課後

オタ「男www帰りcdショップよらねwwwwww」

男「インキュベータにあったらどうすんだw」

オタ「君の願いはwwwなんでござるかwww」

男「魂を石にされてたまっかって話だよ、なぁ?」

オタ「同意www」

女「男くん、お、オタくん、ばいばい」

オタ「また月曜日www」

男「じゃーなー」

女「」カァ

図書室

女(図書室はとても好き)

女(静かだし、喋らないでいいから)

女(自分の世界に隠れるから)

パラ

女(出てくる登場人物はみんな滑らかに話せる。誰も発音で笑われない)

女(インクは音を発しないから)

女(私も、本の中に入れたらいいのにな)

女(本の世界は楽しいのに、現実はなんだか単調だよなー)

女(これが妄想とかを祟らせた結果か)

女(でも、もうちょっと刺激的な日常だったら面白そう)

女「テロリストとか侵入してこないかな」ボソ

生徒「!?」

友「あ、女いた」

女「友ちゃん」

友「オカ研が暇だからこっちに来たのさ」

女「…普段、おか、オカ研はなにやってるの?」

友「ufoこないか窓見てる」

女「……ぼーっとしてるだけだよね」

友「あと目を閉じてチャネリングを試してる。二時間ぐらい」

女「……寝てるよね」

友「あと本当に花子さんはいるのかトイレに監視カメラつけたり」

女「犯罪だよ!?」

友「そんな感じで忙しい時は忙しいよ。主に会議室での活動が」

女「それ先生に呼び出しされて説教食らってるじゃん!」

友「危うく廃部の危機」

女「危機感持とうよ…」

友「なぁにかえって耐性がつく」

女「耐性、というより、マイナスポイントがつくよね」

友「ふむ…そこは超次元現象ということで成績の改竄をおこなう」

女「それ犯罪だって」

友「女もオカ研入ろうよ。部活入ってないんでしょ?」

女「うん…」

友「なにか不安なことでもあるの?」

女「ほら、私どもっちゃうし…な、何回も聞き直されたくないし…」

友「ふーむ。そうか、女はそれにずっと悩んでいるんだよね」

友「でも部長なら大丈夫だよ」

女「え?」

友「部長、テレパシーで話すからそれ気にせずすむかも。まあ、成功したことないけど」

女「それどうなの……」

ブルブル

友「なんか呼び出しかかった。じゃねー」

女「じゃ、じゃあ」

友「あ、司書さん!この前のお見合い残念だったねー」

司書「なんで知ってるのよ!?」

友「顔がそう言ってるー!」ガラッバタバタ

司書「待ちなさい!周りにバラすつもりじゃないでしょうね!?」バタバタ

キャイキャイ

女(嵐のような子…)

男の家

男「……」

男(なんだか最近、記憶が抜け落ちているような気がする)

男(寝ていたなら寝ていたという記憶があるはずだが…)

男(寝ても身体の疲れがとれないし)

男(……それはいつ頃からだ?)

男母\ご飯よー/

男「今行くー!」

男(まあいっか、最近疲れているだけかもしれないし)

男母\早く食べちゃいなさーい!/

男「へーい」

パチン

男「」

男「…気のせいじゃないんだなー、それが」ニヤリ

――

男「はっ!?」

男(あれ?俺、今から飯を食おうとしていて…)

男(おっかしいな、なんでまだ部屋にいるんだ?)

男母\男ー、お風呂はいんなさーい/

男「…風呂?」チラッ

男(さっきから二時間経っている…)

男(そういえばなんか満腹感があるな)

男「一体何がおこったんだ…?」

イマドーコーニーアルーノダロウー

男「はい」ピッ

オタ『あwww男www』

男「なんだ?」

オタ『明日貸すって言ったけどwww用事あったから月曜渡すでござるwwwww』

男「おう、分かった」

オタ『ではこれで オニイチャ-ン、イッショニネヨ? 切るでござるww』ブチ

プーーープーーー

男「今明らかに後ろの声、人間のものだったよな……」

月曜日、女の家

目覚まし「ピピピッピピピッ」

女「うーん」カチッ

女(朝だ……)

女(学校かぁ…憂鬱…)ドンヨリ

学校

友「女ーっ!」ダキッ

女「ひゃあ!?」

友「ぬふふ。どうだ、朝からの過激なスキンシップは」

女「め、迷惑だよ…」

友「そんな…女に拒絶された…」ヨロ

女「!?」

友「わたしはこれから誰を頼っていったらいいの…」

女「そうなんだ。じゃあ私、先に行ってるね」スタスタ

友「ちぇっ、さすがに何回もやっていると飽きられるか」タタタ

友「土日なにやってた?」

女「家のお手伝いして…しょう、小説書いてた」

友「進んでるんだね?今度見せてよ」

女「だ、だだだだめ!見せられたもんじゃないし…」

友「じゃあ何のために書いてるのん?」

女「それは…」

友「ま、書き終わったら一度は見せてよ。予約ね!」

女「じゃあ一度ぐらいなら…」

友「やたっ。待ってるよー」

女「内容は面白いかどうだか分からないけど…」

友「それは見てからのお楽しみってことで。…あ、そうだ」

女「?」

友「明日わたし、諸事情で学校休むから」

女「ええっ!」

友「ごめんね」

女「わ、私誰とご飯食べればいいの…」

友「そんなの、男がいるにゃーん」

女「っ!?」カァァ

友「乙女だねー。わたしから連絡しとくからさ、あとは頑張れ」

女「頑張れったって…」

友「じゃあわたしクラスここだから」

女「うん、また後でね」

友「ばっばーい」

女「」フリフリ

女(友ちゃんがいないんじゃ、ますます学校いきたくないな…)

教室

女「あれ?」

男「おはよう」

女「め、珍しいね。男くんが私より先に来るなんて」

男「今日は目が早く醒めちゃってね。暇だし、たまには余裕を持って学校行きたいから」

女「…頭、打った?」

男「朝から酷いなぁ、女は」

女「ご、ごめん」

女(なんか、違和感がある…)

女「オタくんは休みみたいだね。風邪かな?」

男「……」

女「男くん?」

男「あー、そうかもしれないね。あんまり関係ないし」

女「え…?」

男「それよりさ、二限の英訳見せあわない?ちょっと自信なくて」

女「い…いいよ…」

授業中

女「……」カリカリ

男「……」

教師「じゃあ男。ここ答えてみろ」

男「2(4x-5y)(5x-3y)です」

ドヨッ

教師「すこし難しい問題当てたつもりだったんだが…」

男「やだな、先生。俺を試さないでくださいよ」

アハハ

女「……」

――

女(数学、英語、体育……そして今は生物だけど)

女(男くんはずっと真面目に授業を受けている)

女(いつもは教科書に隠して本を読んでいたのに、全然それがない)

女(……朝から何かが変)

男「……」

男「女」ボソ

女「! な、なにかな?」コソ

男「オタは休みだったっけ」

女「あ、朝、いないねって話したよ?」

男「そうか。うっかりしてた」

女「……大丈夫なの?」

男「だいじょーびだいじょーび」ピース

女「そっか…」

教師「えーと、今日は12番だからー、女!」

女「ひゃい!」

教師「問48の答えは?」

女「第二次卵母細胞です」

女(言えた……)ホッ

男「」グッ

女(ちょっと気になるけど…大丈夫そうならいいか)ニコッ

女(うん?)

女(肩あたりのカサブタ、だいぶ大きくなっている……)

昼休み

女「男くんがなんか…変」

友「また?」モグモグ

女「なんか、違和感があるけど、違和感に飲み込まれて違和感を感じないような気がする」

友「わけわからん、落ち着け」

女「違和感仕事しろ、みたいな」

友「ふーん」

女「今までの男くんってどんな感じだったっけ…と思っちゃう」

友「最近直接会って話してないから分からないなぁ」

女「思い過ごしかもしれないけどさ…」

友「恋でもしたんじゃない?」

女「こ、恋!?」

友「女に」

女「ちょちょちょっ、そそそそれはないって!」

友「すごい慌てっぷり」

女「ないよ…こんな、いちいちどもるような私なんか…」

友「もー、女はそういう暗い顔しなければ美人なんだから。自信もて自信」

女「うん…」

友「でも唯一ともいえる友達のオタをそんなそっけなく言えるもんかね」

女「私なら、無理…」

友「ケンカしたのかな」

女「するようなタイプには、見えないけど」

友「まあ明後日聞いてみるよ。放課後は委員会とかで忙しいし」

女「うん」

友「唐揚げもらいっ」パク

女「あーー!!」

放課後、図書室

女「こんにちは」

司書「こんにちは。…友さんは?」

女「きょ、今日は来れないそうで」

司書「まあ仕留めるチャンスはいくらでもある…」チッ

女(そんなにお見合いの話はタブーだったんだ…)

女「ん?」

男「よう、女」

女「ここに来るなんて久しぶりだね。調べもの?」

男「んー、そうだな。オタもいなくてつまんないし」

女「…オタくんとケンカはしていないの?」

男「は?いや、していねーけど」

女「そう、なんだ…」

男「なんかあったか?」

女「う、ううんなんでも。そだ、ねぇ、肩のカサブタ――」

男「これな。なんかこの土日で成長しやがってさ」

女「…早めに病院でとってもらったら?なんかおかしいよ」

男「やっぱりそう思うか。うん、そろそろ手を打つよ」

女「」コク

男「じゃ、また明日な」

女「あ――」

男「…本は返したっけか?」

女「う、ううん。まだ」

男「じゃあ出来たら明日返す。延ばして悪い」

女「大丈夫、だよ……」

女「………」

女(これ、男くんが読んでたやつかな)スッ

女「…都市伝説?」

女(オカルトとか信じないほうなのに。どうしたんだろう)

男の家

男(くそっ、ことごとく邪魔をされちまう!)

男(女に話そうとしたら身体が勝手に動きやがった)

男(明日…明日も、俺は俺でいられるか?)

ドサ

男(あ、女から借りた本が…)

男(……そうだ。もう、これにかけるしかない)

カリカリ

パタン

男「明日返さないとな、これ」

男「」

男「そうだよ。早く返さないと女さんに嫌われちゃうしねー」

男「ハサミ男。ふぅん、ちょっとこんな分厚いのは読みたくないかな」

男「あらすじだけ見て適当に感想言っておくか」

キミートボークトーノ

男「メール」ピッ

------

from:友
sab:明日のこと

明日、わたしばっちゃんの見舞いに行くから休む!
だから明日はわたしの代わりに女とお昼食べてあげて!
ヨロシク

------

男「喜んで」ニコ

翌朝、女の家

女「……」パチ

女(ああ…きょうも、元気に朝が来た…)

女母「ほら女。起きなさい」ガチャッ

女「やだ…」

女母「もう。遅刻するわよ」ハァ

女「行きたくない。みんな、わた、私の発音とか笑うんだもん」

女母「だからね、前から行ってるでしょ?ゆっくり話せば大丈夫なのよ」

女「ゆっくり話しても、つっかえるものはつっかえるんだもん」

女母「はー…ご飯出来てるから、早く下りてきなさい」

パタパタ

女「じぶ、自分は滑らかに話せるからそういうんだろうけど…」ヨイショ

学校

女「」キョロキョロ

女(そっか…友ちゃんいないんだよね)

女(友ちゃん以外にも、友達つくったほうがいいのかな)

女(でもな、また中学生の時みたいにみんなに笑われたりしたら…)

女(また朝からネガティブ…)ドンヨリ

教室

女「えっ」

男「やあ女。おはよう」

女「おは、おはよ…」

男「なにびっくりしてるんだ?」

女「髪型変えたんだ…」

男「イメチェンだよ。似合う?」

女「うん……似合うよ」

男「良かった」ニコニコ

女「突然イメチェンなんて何があったの?」

男「気分かな」

女子1「あれーっ?男なんかカッコイイじゃん」

女子2「ほんとだー。なになに?なにがあった系?」


男「うるさい」


女「」ビク

女子1、2「」ビク

男「俺は今女と話してるんだ。横から割ってこないでくれないか」

女子1「え…ごめん」

女「あ、そ、そんな言い方しなくても…」

なにあれこわー

いつも暗そうな顔してんのに

女「男くん…どうしちゃったの?」

男「俺はいつも通りだよ?」

女「……」

男「そうだ、本返すよ。面白いねこれ」

女「うん…面白いよね、トリック」

男「最後にああなるとはね」

女「びっくりしちゃうよね」

オタ「男www昨日休んでごめんでござるwwwwww」

オタ「今日はちゃんとwwwまどマギポータブ」

パシッ

オタ「……は?」

男「近寄るなよ、ウザいな」

女「ちょっと、男くん!?」ガタッ

男「だってそんなの興味ないし。馴れ馴れしくしないでくれるか」

女「でも、馴れ馴れしくったって、男くんっ、男くんは……」

女(声が出てこない…)

オタ「いいでござる」

女「え…」

オタ「悪かったでござるな」スッ

女「ちょちょ、ちょっと!」

男「いいよ女。ほっといていても」

女「いいわけ――」

キーンコーンカーン

男「ほら、ホームルーム始まるし。座りなよ」ニコ

女「……」

休み時間

男子1「男すげー、ここどうなんの?」

男「代入すれば楽に出せるよ」

女子1「わ、これ理解できた!」

男子2「知らなかった。お前意外と頭良いんだな」

男「失礼だな」

アハハ

オタ「……」

女(この時間はいつもオタくんと話したりしているのに…)

女(どうしちゃったの…)

授業中

女「……」

女「」チラッ

男「……」

女(今日もずっと本を読んでいない)

教師「だから言ったんだよ。ドーナツの穴を食っただろって」

ドッ

女(いいや…先生の無駄話中だし、やる気起きないし、ハサミ男読もう)
女「」パラパラ

女(あ、何か挟まってる)

女(紙切れに何か…)

――――――

ヘルプ
原因は多分カサブタ

俺が俺じゃなくなる

――――――

女(なに、これ)

女(“ヘルプ”――助けて?)

女(原因ってどういうこと?ううん、もう分かっている)

キーンコーンカーン

男「」ガタッ

女「」ビク サッ

男「昼だね。友から聞いたよ、いっしょに食べよう」

女「う、うん。オタくんは――」

男「どうでもいいだろ?あんなやつ」

オタ「」ピク

女「あ――あんなって……」パクパク

男『ガンプラとか作れないんだけど』

オタ『じゃあ今度実演するwwwwww』


オタ『やっぱりあの店は――』

男『良く分かってらっしゃる』


オタ『あんこちゃんでござるなwww』

男『いーや、マミさんだ』


男『今度遊ぼうぜ』

オタ『どこで遊ぶでござるかwwwwww』

女「ずっとオタくんとの会話を隣で聞いてきたにぇど――」

女「どうして突然拒否するの!?どうしてそんな悪くいうの!?」

女「今日のあなたはおきゃしいよ!」

ダッ

オタ「あ、待て」

なにあれ噛みまくり

なんだなんだ痴話ケンカか

男「」フゥ…

男「少し飛ばしすぎたかな」

廊下

女「」タッタッタッ

ドン

??「うわ」

女「ご、ごめんなさい!」

女(三年生の上履きだ…そっか、火曜日は午後は自選だから…)

??「大丈夫?顔、すごいぐちゃぐちゃだけども」

女「はい、しんぱい、ありま……」ジワッ

??「あーあー、ちょっと外行こう。誰もこない穴場知ってるから」

穴場

女(弓道場の隅っこだ)

??「はいティッシュ。君は…女さんだっけ?」

女「ありがとうございます…。なんで名前を」

??「友って子がよく話すからね。遠くからたまに見るし」

女「じゃああなたは」

部長「オカルト研究部部長。なるほど、確かに美人だ」

女「そ、そんなことありません…」

部長「で、何があったんだい?言いたくなければ別にいいかも」

女「……実は」

――

部長「ほうほう。興味深い話だ」

女「」グスグス

部長「……辛かったね」ヨシヨシ

女「」コクコク

部長「それで、カサブタが広がってたんだって?」

女「」コク

部長「ふむ……非常にオカルトな見方しかできないが許して欲しいかも」

女「いった…い、なんなん、ですか?なんで、男くんは…」ヒックヒック

部長「人面瘡かな」

女「じんめ、ん、そう?」ヒック

部長「ああ。昔から怪談話とかで語られてきた奇病だよ」

部長「怪談レストランやブラックジャックにも取り上げられているね」

女「それが…」

部長「だいたいの話では、人面瘡が元々の人格を乗っ取るんだ」

女「……」

部長「どうして、というのは聞かないでほしいかも」

部長「解明できたらそれはオカルトじゃなくサイエンスだからね」

女「じゃあ、じゃああれは男くんじゃない…?」

部長「だろうね」

女「良かった…」

部長「安心するのはまだ早いかも。人格の半分ほどが乗っ取られてるみたいだからね」

女「ど、どうすれば、いい、いいんでしょう」

部長「まだ分からない。こちらでも手段を考えておくよ」

女「」コク

女「きっとカサブタが男くんに悪さしてるんだろうとは思いましたが…」

部長「ま、人面瘡なんてマイナーだからね」

女「はい」

部長「しかし、友達との間に亀裂をいれ、君とは対照にウザいほど近寄る…」

部長「それからクラスに馴染み始めている、か…狙いが分からないなあ」

キーンコーンカーン

部長「あ、チャイム。僕は午後は授業ないけど、君は?」

女「…サボります」

部長「じゃあ保健室行こう。具合悪いってことで」

疲れた
また明日

保健室

カクカクシカジカ

部長「そんなわけです」

保健「はーん。にわかには信じられない話だけどね」

女「……」グスッ

保健「あとあなた、今度からホイホイこんな人についてっちゃ駄目だよ?危ないから」

女(えっと…)

部長「危なくないかも」

保健「どの口が言うか」

保健「まあ、午後は寝ていなさい。適当に具合をでっち上げておくから」

女「それはどうなんでしょうか…」

部長「じゃあ、こっちは調べものするからまた明日」フリフリ

女「はい…」フリフリ

バタム

保健「久々に事件だからテカテカしちゃってるわ、あの子」

女「ひ、久々に、ですか?」

保健「一年前にも学校でオカルトな事件が起きてね。オカ研が解決したのよ」

女「……初耳です」

保健「でしょ。こそこそ行動してたしあっさり終わったし」

保健「今は関係のない内容だから省くけどね」

女(友ちゃんも関わったのかな)

女(友ちゃん……友ちゃんに会いたい)ブワッ

保健「あー顔真っ赤じゃない。ちょっと横になって落ち着きなさい」

女「」コク

――

ガラガラ

男「こんにちは」

保健「怪我?熱?」

男「いえ、探している人がいて」

保健「ふぅん、誰?」

男「二年の女さんなんですが」

保健「ああ、うん。さっき気持ち悪いからってトイレに行ったけど」

保健「あと、これから帰らすからできたら彼女の荷物持ってきてくれない?」

男「…分かりました」

保健「今日は誰にも会いたくないとか行ってたから、話すことがあるなら明日にしなさい」

男「はい」ニコ

バタム

保健「行ったわよ」

女「…」コソッ

保健「彼、半年前に怪我してここ来たことあるけど」

保健「…爽やかボーイになっていない?気のせい?」

女「き、気のせいじゃないです」

保健「だよねぇ」

女「おぼ、覚えているんですね」

保健「そりゃあね、保健の先生だもん」

女「……私のことも?」

保健「そうよ。確か足擦りむいて大泣き」

女「わーーーー!!」

保健「うおっビックリ」

女「は、恥ずかしい話はやめてください本当に!」

保健「あら。かわいい子だなーと思ったけど?」

女「うにゅ…」

ガラガラッ

オタ「うはwww濃厚な百合が始まっていたでござるwwwwww」

保健「帰れ」

女「どうしたの、今授業中じゃあ…」

オタ「いやいやwwwwwwクラスの雰囲気が重くてwwwサボってきたwww」

女「ああ…」

保健「保健室はサボり部屋じゃないのよ」

オタ「まあまあwwwwwそれに大切な落とし物を渡しに来たww」ペラ

女「! それ…」

オタ「男に見つかったらwwwwwwヤバイと思ったでござるwww」

女「あ、ありがとう…」

保健「ふーん、謎々かダイイングメッセージみたいね」

女「た、多分これしか書く時間がなかったんでしょう…」

オタ「……」

女「あの、あのね…オタくん…」

女「信じてもらえないだろうけど、あれは、男くんじゃないと思うの…」

オタ「wwwwww」

女「」ビク

オタ「それなりにwww男と長い付き合いでござるがwwwwww」

オタ「あれはケンカした時の態度と大違いでござったったwwww」

女(ケンカの内容ってなんなんだろう…)

オタ「あれ男と違うwwwwwwから近寄らなかったでござるよwww」

女「へぇ…」

オタ「それにwwwこのメモwwwwww」

オタ「何かがおかしくなったことぐらい分かるでござるよwwwwww」

保健「そーかそーか」シャーッ

オタ「!?」

女「ちょっ、カーテンなんで閉め」

ガラガラ

男「女さんの荷物持ってきましたよ」

保健「ご苦労様。ところで授業は?」

男「彼女がいないと退屈でして。適当な理由つけてサボってます」

保健「へーそーなんだー、悪い子ねー」

男「じゃ、女さんによろしく言って下さい」

保健「分かったわ。あとちゃんと授業出なさい」

男「ははは。はい」

バタム

オタ「き…キメェ」

女「キメェって…」

保健「あれはストーカーの域ね」

女「ストーカー…」

オタ「愛されキャラwww」

女「あんまり、う、うれしくないような」

保健「まっ、早く解決することね。警察が出る前に」

オタ「生々しいwwwwww」

女「はい…」

オタ「先生はwwwwww手助けしてくれないんですかwww」

保健「裏から支えるのか、大人よ?」ファサッ

女(めんどくさいのか)

オタ(めんどうなのかwwwwww)

下校

女(よし…もう男くんはいないな…)キョロキョロ

友「あ、女!どうしたのそんな挙動不審なことしてて」

女「友ちゃ…」ジワッ

友「え」

女「友ちゃぁぁぁあああああ!!うわぁぁぁん!!」ダキッ

友「な、ななっ、なに!?」

女「あのねぇ、男ぐんがにぇっ!おがしぐね!」

友「あー、落ち着け落ち着け。家に来い」トントン

部長「」ヌッ

友「部長!…メールは見ましたよ」

部長「……」

友「……」

部長「……」

友「や、テレパシー伝わらないですって」

部長「」シュン

女「」グスズビ

近所の人「なにかしらヒソヒソ」

友「…カオス…」

友の家

女「カクカクシカジカジカクイムーブ」

友「ふむ。キモいね」

部長「なるほど、キモいな」

女「なんか可哀想…」

友(あいつ奥手だから本人がいなくても言わないと思うんだがなぁ)

部長「どうして君にそこまで執着するんだろうね?」

女「…分かりません」

部長「思い当たる点とかは?」

女「ば、絆創膏あげたり、ノート見せたり、本の感想言ったり…ぐらいです」

友・部長((そりゃー惚れるわな))

友「隣の席だからってそこまでやる?」

女「私に、は、話しかけてくれた人だから。趣味も、あうし」

部長「彼女、彼にホの字か?」コソッ

友「はい」コソッ

女「?」

部長「さっき人面瘡だって言ったけど、決めつけるのもなんだし色々仮説を考えた」

女「はぁ」

部長「まず、二重人格説」

友「ふむふむ」

部長「隠された感情が爆発!みたいな感じかも」
女「爆発ですか」

部長「次に演技説」

友「演技?」

部長「隠された感情が爆発!みたいな感じかも」

女「へ、へぇ」

部長「次に猫かぶり説」

友「いい子ちゃんを演じていたけどその皮を突然剥いだと」

部長「そうそう。今までの隠された感情が以下略」

女(深く考える気にはなれなかったんだろうな…)

>>81
?(・ω・)

そこまでって…
それぐらい普通じゃないか?

>>83
本の貸し借りとかあんまりないかなーとか思いまして

部長「猫かぶり説はあまりにも唐突すぎるから没」

友「そうですね。何故何もないこの時期なのかっていうのもありますし」

部長「だったら何かイベントの時に化けの皮が剥がれるのがまだ自然かも」

女「あ、あの…演技説というのは?」

部長「なんらかの目的を持ってああやっているかもねってやつ」

友「――でも、あいつはあんな奴じゃないないはずですよ」

友「数少ない友達を気まぐれで捨てるようなカスな真似はしません」

部長「…友、それははっきり言えることだね?」

友「はい」

部長「じゃあ演技説も没だ。これも猫かぶり説同様、何故今ってのもあるし」

友「出来るだけ人付き合いを避けきた男がフレンドリーになったのも気になりますね」

部長「そう、そこなんだよね。これも何故今更フレンドリーになる必要があったのか」

女「だだ、だったら新学期に友達作っているはずですからね」

友「となると多重人格説かその人面瘡ですか」

部長「これ以上は、見ていないからなんともいえないかも」

女「となると…?」

友「女!」ビシ

女「ひゃい!」

友「男の謎を明かしてきなさい!」

女「どこまで!?」

友「全てよ!頭から爪先まで、何から何まで舐め回してきなさい!」

女「舐め!?や、やだよ!」

部長「……」ゴクリ

女(味方がいない!)

部長「まあ、ここが狙いかも」トントン

女「肩」

部長「そう。カサブタのことを聞いてみなよ、それで不自然だったら人面瘡だ」

女「」フムフム

友「もしも本当に多重人格だったらどうします?」

部長「それはオカルト研究部の出番じゃないよ。どっかに相談しとく」

友「はい」

女「」コク

女「じゃあ、私、もう帰りますね」スクッ

友「おお、また明日」

部長「頑張ってね」

女「おじ…お邪魔しました」バタン

オバサン サヨウナラ

マタキテネ

部長「あの子、案外しゃべるんだね。ちょっと無口そうにみえたけど」

友「お喋りは好きな子ですよ」

部長「ふぅん」

友「…中学の時に馬鹿にされて笑われてからあまり喋らなくなったんです」

部長「じゃあ中学の時に謹慎食らったって言ってたあれってもしかして」

友「女とは一切関係のない話です」

部長「――そうか」

友「それより、寂しかったです先輩」ギュッ

部長「一日会わなかっただけじゃないか」

友「一日一回は充電しないと干からびるんですー」ギュ-

部長「甘えん坊だなぁ」



女「なんかこのお茶甘い気がする…」

女母「え?」

翌朝、学校

オタ「」トコトコ

女「あ、ああ、おはようオタくん!」

オタ「む?wwwおはようでござるwwwwww」

女「その、聞きたいんだけれど」

オタ「何でござるかwwwwww」

女「ぉ、男くんのカサブタのことなんだけれど」

オタ「男?wwwwなんで僕にwwwwwwww」

女「どうか…した?」

オタ「女殿、なにか勘違いしてないでござるかwwwww」

女「へ」

オタ「僕みたいなのがwwwwww男と話せるわけないwwwwww」

女「…は?」

女「ま、待って!?だって、二人とも仲が良かったのに!」

オタ「いやwwwいやwwwwww」


オタ「話したこともないでござるがwwwwww」


女「」クラッ

女「ま――まどマギポータブルを、か、貸すんじゃなかったの?」

オタ「まさかwww男が興味あるとも思えんしwwwwww」

女「……」

オタ「しかしwwwなんでぼっちオタに話しかけたんwwwwww」

オタ「まさかのエロゲが始まるwwwwww」

女「」ダダッ

オタ「あwww逃げられたwwwwwwすまぬwwwすまぬ」

教室

ガララッ

女「」ハァハァ

男「おはよう、女」

女「おは……よ」

男「何慌ててるんだい?まだ時間あるじゃないか」

女「う、うん」

男ってもしかしてホレてるー?

マジで!?

青春だねー

男「あはは。お前らやめろよ、本人達の前で」

照れんなって

ひゅーひゅー!

女「ど、どう、なってるの…」

男「ほら、荷物起きなよ。疲れるでしょ」

女「う、うん」ドサ

男「置き勉すればいいのに。真面目だね」

女「そう、そうかな。あ、ちょっと友ちゃんのとこいくね!」ダッ

男「行ってらっしゃい」

廊下

タッタッタッ

女(まるで――)

女(まるで皆の記憶が書き換えられているみたい!)

タッタッタッ

友「あれ?女――わっ」ガバッ

女「ととと友ちゃん!男くんのことどう思う!?」

友「どうって…幼なじみで、暗くて、最近はキモストーカーだと思うけど」

女「良かった…良かった」ポロ

友「な、なんで泣くのよー!?」

授業中

女(……)

友『なるほどね。昼休みに詳しく聞くよ』

友『それまで悪いけど、バレないように探っていて』

女「……」カリカリ

教師「じゃあ今日は音読なー。ひとり丸のとこまで」

\えー/

女(男くん…)チラッ

男「……」

女(図書室からも、私からも、本をぱったり借りなくなった)

女(今度読みたいって言っていた本の事も口に出さなくなった)

女(……私と男くんを繋いでいた本の話題がなくなった)

女(今はドラマのことしか話さない)

女(アニメの話、嫌いじゃなかったのに)

女(私だけ置いていかれたみたい)

前の席「こういっているうちに、アリスはマントルピースの上へ上がり込んでいました――」

女(あ、私だ)

女「でも、ど、どう、どうやってそこへ上がったのか、分かりませんでした――」

女「……」ハァ

男「ドンマイドンマイ。どもってもいいじゃないか」ボソ

女「……!」

女「…うん」

昼休み

女「ね、ね、ねぇ男くん」

男「ん?」

女「かさ、カサブタ、どうなった?」

男「ああ、だいぶ良くなったよ。もう心配ない」

女(嘘だ。暑いのにワイシャツボタンを一番上までしめてる)

女「良かったね。じゃあ、私はご飯食べて――」

…ンナ…

女「……今呼んだ?」

男「いや?なんにも」ギュッ

女(押さえたところ、カサブタのあたりだよね…)

女「そっか」

――

女「――そんな感じでした」

部長「ふむ。オカルトすぎるオカルトになってきたね」

友「壮大なドッキリのほうがまだ納得できそう」

女「クラスみんなの記憶なんていじれるのでしょうか」

部長「いいや、分からない。仮にできたとしても原理は不明だ」

部長「ただひとつ言えるのが、女さん、君だけは洗脳を免れた」

女「私が……」

部長「洗脳されていたなら、今頃は彼とチュッチュしていたかも」

友「表現古い」

女「」カァァァ

友「にしても、なんで女は記憶を操作されなかったんだろう?」

部長「さあ…」

女「うぅん…」

友「記憶操作されない特殊な脳の持ち主!っていうのは心踊るけど」

女「ちが、違うと思うな…」

部長「とりあえず、人面瘡を調べてきたんだ」

友「ほうほう」

女「ど、どんな、ない、内容ですか?」

部長「そう急くなって」ガサガサ

部長「対処法が書いてあるのはこれぐらいだったかも」

部長「京都あたりでの人面瘡のはなしだ。それは色んなもん食いまくって、寄生主は死にかけた」

部長「だから坊さんがいろんなもんを突っ込んで、最後に貝母っていう薬草で治したとさ」

友「かなりはしょりすぎて意味が分からないですよ」

女「……」

友「とりあえず、その貝母ってやつを」

女「違う」

友「女?」

女「ケースが違うよ、友ちゃん――このじん、じ、うう」

部長「人面瘡」

女「はい、人面瘡はただくっついているだけだった」

女「でも今回は憑いているんです――乗っ取っているんです」

友「つまり?」

部長「ケースが違うから対処法も違うはずだ、と」

女「はい」コク

友「乗っ取ってるならその貝母も容易に飲みこまなそうだしねぇ」

部長「そもそも彼のには口はあるかい?」

女「さい、最後に見たときはうっすらとそれらしきものがありました」

部長「なるなる」ウーン

女(あとは…しゃべったような気もしたけど…)

授業中

女「……」

女(あの後、部長さんはもっと調べてくれるっていってくれた)

女(…ちょっと怖いけど放課後オカルト研究部に行ってみようかな)

女(久しぶりに友ちゃんと帰りたいし)

男「」カク…

女(男くん、寝ちゃった…?)

男「女」ヒソ

女「!」

男「静かに聞いてくれ」

男「俺はこいつが寝ているときしか出てこられなくなった」

男「いつのまにか逆転しててな」

男「時間は短い。だから言うぞ」

女「」コクコク

男「カサブタの真ん中あたりを刺せ。そこが恐らくやつの弱点だ」

男(下手すると俺ごと消滅しそうだが…それでもいいや)

男「悪いな…」カク

女「…うん」

男「」

男「…あっ、思わず寝てしまった」ムク

女「疲れていたんだよ」

男「そうかな」ニコ

おやすみ

放課後、オカルト研究部

女「……」

友「男…」

部長「そうか…それが彼なりの対処法か」

友「分かっているのに、なんで自分でささないんだろう」

女「お、男くん自ら刺そうとすると止められちゃうんじゃないかな」

部長「だろうね」

友「でも、男の意識?がカサブタにあったまま刺したら男が…」

部長「そこだよね。下手したらあのままずっとだ」

女「……」

女(別の男くんが寝ているときに、本当の男くんが起きる)

女(それをどう生かすか…)

部長「ともかく、今は君のクラスメイトの記憶を弄っているだけみたいだけど」

部長「いつそれが他へ影響するかは全くの未知数だ」

女「」コク

友「記憶を弄った意味も分からないままですしね」

部長「やつの力がどれほどあるかは知らないけど、早いうちになんとかしよう」

女「……」

友「あのさ」

女「?」

友「もしも男を刺さなくちゃいけないなら…わたしがやるよ」

女「なん、で。たか、たかだかカサブタを刺すだけなのに――」

友「女は人に物を刺せる?」

女「……」

友「いざというときに躊躇して女がなにかしら被害にあったらって思うと…」

女「過保護、だよ」

友「女はわたしの友達だもん。友達を守ろうとして何が悪いの?」

女「わ、悪くないよ。でも、なんというか、これは私の問題なの」

女「だから――何があってもやるよ、私が」

部長「友。彼女の意思は固いぞ、ここは見守ってやれ」

友「……ん」

女「でも、あんがと」

友「お礼は全部終わってからいってよ」

女「だね」

帰り道

友「じゃあまた明日ねー」フリフリ

女「きょ、今日はありがとう」フリフリ

女(さて…文房具屋かな)

ガー

店員「ラッシャーマセー」

女(ええと)

女(――あった。これでいいかな)

女の家

女「ただいまっ」バタバタ

女「……」ガチャッ

ガサ

ペリペリ

女(グリップはゴムだから滑りにくいよね…)

女(明日で終わらせる)

女「……」キチキチキチ

女(シュミレーションをしよう)

男の家

男「まさかもう喋れるようになるなんてね」

男「まだ意識が混濁しているだろうって甘く見ていたよ」

「……」

男「“そこ”からしゃべれるようになったことも驚きだ」

男「危険だ。そろそろ切り取らないといけない時期かな」

「…そろそろだと?今じゃなくてか」

男「まだ俺の意識はこの身体に定着していないからね」

男「完全にこれに定着してから君を除いたほうが安全だ」

「……」

男「それまでどう女さんを騙せるかなんだよなぁ」

「ひとつ忠告してやる。お前はあいつを騙せない」

男「おやおや、かなり女さんを信頼しているようだ」

男「確かに俺に告ってもいいじきなのにね。数日じゃまだ無理なのかな」

「……」

男「警戒心が他の人間より強いからそれもあるのかな」

「…そうだよ。クラスの女子以上に尻は重い方だろう」

男「まあね。かるーく記憶情報いじったらあれだから」

男「俺の胞子を脳内に侵入させたともいう」

「キメェな」

男「なんとでもいいなよ。――しかし流石に学年中に撒き散らすのは無理だったな」

男「いいか。性格をイメチェンしたんだとか言っとけば」

「……」

男「感謝するよ。今まで騒ぎらしい騒ぎも起こしていないようだし」

男「外部との人付き合いも少なかったから怪しまれることもない」

男「これはおもったより上手くいきそうだね?」

「……」

男「ま、女さんとの間も上手くいけば言うことないんだけど」ハァ

男「最初に間違えて敬語を使用したからな…そこが痛かった」

「……なんで女の記憶はいじらなかったんだ?」

男「つまらないじゃないか、そんなの」

男「プロセスも積まずに恋人関係なんて面白くない」

「…プロセス、ね」

母\お風呂入んなさーい/

男「はーい」

男「だからさ、君は安心して消滅すればいいよ」

「………」

また夜に
最終回間近です

―――――

男「あれ、君、同じクラスの人じゃん。図書室常連なの?」

女「……!?」ビク

男「その本面白いよな。でも作家アリスシリーズのほうが好きだ」

女「私、も。火村先生が、出てくるのが」

男「俺としては有栖川の推理をおしたい。毎回没にされるやつ」

女「そ、そうなんだ」

男「じゃああれは?綾辻行人は読んだことある?」

女「あ、あります」

男「マジか!じゃあ、あれは?――」

―――――

チュンチュン

女「朝…」パチ

女(初めて話したときの夢かな、今の)

女(嬉しかったんだよね。まさか語り合える人がいるなんて思わなかったから)

女「……」

女「今日、全て終わらそう」

女(上手くいくかな。失敗しないかな。大丈夫かな)

女(…もういい。やった後は野となれ山となれなんだから)

女「」ムクリ

女母「女…あら?」

女「おはようお母さん」スタスタ

女母「お、おはよう」

学校

女「……」スタスタ

友「女ー」

女「あ、友ちゃん」

友「どうしたの?なんかいつもの女と違う気が…」

女「そうかな」

友「なんか…なんだろう、良く分かんないけど…」ウウム

女「そうだ。ほ、放課後、ちょっと残ってくれない?」

友「別に構わないよ」

女「…ぶち、部長さんも連れてきてくれないかな」

友「……何するつもりなの、女」

女「見てからのお楽しみ、だよっ。じゃあまたお昼に」タタッ

友「女…」

オタ「」トコトコ

女「オ、オタくん」トオセンボ

オタ「ん?wwwwww」

女「一昨日のこと、お、覚えてる?」

オタ「なんかwwwwwwあったっけwwww」

女「保健室で話したよね、男くんのこと」

オタ「えwwwwwwそうだっけ?wwwwww」

女(ダメかな…)

女「と、途中で男くんが来て…オタくん、キメェって言ってたよ」

オタ「ちょwwwwwwキモいとかwwwwww」

オタ「まあたまに男がギャルゲを語る時はwwwそう思うことあるけどもwwwwww」

女「!」

オタ「……あれwwwwww」

女「ま、まさか…」

オタ「封印されしwwwwww記憶がwwwwww解き放されたでござるwww」

女(思ったより感動ないなぁ)

オタ「あれれwww色々混乱wwwwww」

女「あ、あの…男くんのことお昼休みに話そう」

オタ「御意wwwwww」

キーンコーンカーン

女「場所は図書室前ね!」トトト

オタ「うはwwwwなんかデートの約束みたいwwww」

授業中

女「……」カリカリ

男「……」カリカリ

女「」チラ

男「……」

女(私は、男くんを取り戻す)

女(例え、男くんが私を嫌いになっても)

女(今の男くんをみんなが求めていたとしても)

女(私のエゴだけど)

女(“本当”の男くんのほうが、私は――)

女「……」

女「」カリカリ ビリッ

女「あの」ボソ

男「ん?」

女「これ……」スッ

男(紙切れ?)

女「お願い、します…」

カサ

男「!」

男「……うん」ニコ

昼休み

友「それで?あんたは何を企んでるわけ?」

女「お、男くんを元に戻すの」

友「今日?」

女「今日」

オタ「急wwwwww展wwwwww開wwwwww」

友「あんたが男を忘れてた一日で色々展開してたのよ」

オタ「置いてけwwwwwwぼりwwwwww」

友「というか、女。なんでこいつ連れてきたのよ…」

女「男くんと繋がりあるし……い、いないよりいいかなって」

オタ「なんかwwwwww扱い杜撰でござるwww」

友「部長は…やっはオカルト研究部だから?」

女「うん。お、お世話になったから見届けてもらいたいなって」

友「見届けるって。あんた、まさかやっぱり刺すつもり?」

オタ「えwwwww犯罪wwwwwwwww」

女「………」

女「一応殺人事件にならないようには気をつけるから…」

友「おおおおおい!!」

オタ「ネガティブwwwwww」

友「だからそういうのはわたしが―――」

女「お願い、聞いて!」

友「」ビク

女「ダメなの!これは、私がやらなきゃダメなの!!」

女「もしかしたら男くんはあのままでいいのかも、し、しれない!」

女「ああいう明るくて気さくな男くんのほうがいいのかもしれない!」

友(間接的な悪口だよねそれ!?)

オタ(お、男ェ……)

女「でも!」

女「私は、本当の男くんがいいの!」

女「これは私のわがままだから、私がやらないといけないのっ!!」

友「……」

女「」ハッ

オタ「ここ人があまりいなくて良かったでござるなwwwwww」

友「告白いただきましたー」パチパチ

女「う、うわあああああああああ!?」

友「そこまでアツーイ想いがあるなら仕方ないね」

オタ「同意wwwwwwwwwwww」

女「」

友「どっか影で見ていればいいわけ?わたしたち」

女「う、うん」カァァ

オタ「まあwwwwなんかあったらwwwwww頑張るでござるwww」

友「盾(オタ)もいるし」

オタ「ちょwwwwwwwwwwww」

女「ありがとう…でも泣きたい…」

友「」ニヤニヤ

自習中

女(あと数時間もない)ドキドキドキ

自習寝てようかなー

なぁ男ーここどうなんのー

男「これはなー」

女「……」

男「あ、女さんは分かる?」クル

女「え!?あ、うん、平気!」

あの人成績はいいからな

ねー

友達いないぶん勉強してんだよきっと

男「ああいうのは気にしなくていいよ」ニコリ

女「……」

女(…ごめんね、男くん)

放課後

部長「そうなのか…女さん」

オタ「wwwwww」

友「もうじき、男があの教室にくるそうです」

部長「女さんは?」

友「既に待機をしています」

オタ「しかしwww隣のクラスに隠れてちゃwww声聞こえなくない?wwwwww」

友「男が来たら教室側の廊下に移動するのよ」

友「教室の壁の下の扉は予め小さく開けてある」

部長「準備万端ってことか」

オタ「あとは音を立てなければwwwwww」

友「不安だなあ…」

教室

女「……」ドックンドックン

ガラ

女「!」

男「お待たせ」

女「う、ううん!私待ってないし!」

男「本当かな?」

女「本当、だもん……」

男「あはは」

男「それで話って何かな?」

コソッコソコソコソ

部長(む!見えた!)

友(は?)

部長(黄緑パンツだ!)

オタ(ちょwwwwwwwwwwww)

ガンツッ!

部長(……冗談なのに)

オタ(なんで僕まで…www)

友(ったくもう…)

女「あ、ああああ、あのね!」

男「うん」ギュウ

女(カサブタの辺りを掴んでる…なんかあるんだ)

女「…ふ、普通にいうんじゃ面白くないから、探偵みたくいおうか」

男「探偵?」

女「うん、探偵。推理してるみたいに、ね」

男「……?」

女「き、金曜日にまずひとつ、発端となった疑問が浮き上がったんだ」

女「『男くんがおかしくなった』」

女「これだけ。でも、不思議だったけど、それ以上は何も思わなかった」

男「うんうん」

女「本格的におかしいと思ったのは今週の初め」

女「友人のオタくんのことをあんなこというなんて信じられなかった」

男「それは――」

女「次の日。男くん、あなたはオタくんを避けた」

男「……」

女「クラスのみんなとも仲良くなった」

男「いいことじゃないかな?」

女「そうだよ。いいことだと思う」

女「り、理由は、分からないけど、フレンドリーなのはいいよ」

女「……今までそんな人じゃなかったからびっくりしたけど」

男「はは」

女「――でも。おかしいって気持ちは膨れる一方だった」

男「今までの俺とどこが違うんだい?」

女「うん。ほ、本題にはいろう」



友(ここまでのトークはなんだったん?)

部長(さあ)

女「ひとつめ。本を読まなくなった」

男「! それは最近興味がなくて」

女「うん、人間だもん。そういうときも、あ、あるよ」

男「じゃ――」

女「ふたつめ。言葉づかいが変わった」

男「…ちょっと改めてみたんだ」

女「そんないきなり?」
男「……」

女「みっつめ。こ、これが一番大きいかな」

女「わ、私のどもりに触れたこと」

男「?」

女「今まで、男くんは触れてこなかったんだよ?」

女「自分でも聞き取りにくいなぁってときも、自然に聞き返してくれて」

女「わ、私のコンプレックスには一切立ち入って来なかった」

女「気にしないでくれた」

女「どもりは、フォローよりも気づかないふりが嬉しいんだ」

女「…なんてね。わがまま、なんだけど」

男「……」

女「どうしちゃったの、男くん」

女「あなたは男くんなの?」

男「…ああ。俺は、間違いなく男だよ」

女「ああ、身体はね。精神は、男くんじゃないよね」

男「っ!?」

女「い、いい加減姿を現したら?―――人面瘡さん」

男「!!」



友(あいつsかもしれんな)

オタ(じわじわ攻めるタイプwwwwww)

男「なにを――」

女「当たり、だったみたいだね。よ、良かった」

男「お、俺は」

女「私だけの力で知ったわけじゃないよ?」

女「み、みんなが教えてくれたから、私は知ることができた」

男「誤解だ。俺は、」

女「もうやめよう、人面瘡さん」

男「……」

女「あなたのやりたいことは、なあに?」

男「……」

男「――俺は」

男「君と、生殖行為をしたかった」

女「」



友「」

部長「」

オタ「」

女「え?えっと」

男「種を残すのはオスとして当然だ」

女「とうぜんって」

男「ただよっていたある日、君を偶然見かけた」

女「ほ、ほう」

男「惚れた」

女「は、腫れ物みたいなものなのに?」

男「君となら子孫を残してもいいと思ったんだ」

男「だからたまたまそばにいたコレの小さなに傷について、成長し、のっとることに成功した」




部長(オカルトに好かれるなんて…な)

オタ()

友(なんか魂抜けてる)

男「何故?何故君は俺に好意を抱かない?」

男「以前のこいつには好意を抱いていたのに」

男「こっちのほうが――いいんじゃないか?」

女「ば、馬鹿いわないで。以前の男くんだから、だよ」

友(……)

女「男くんは友達を捨てない。ちょっとしか過ごしてないけど分かる」

オタ(……)

女「た、確かに今のあなたはいいよ。でもね、好きなのはあなたじゃない」

部長(……)

女「こ、コロリと惚れるほど私はそんな単純な女じゃない」


女「教室で、図書室で、私が男くんへの想いを重ねた時間は柔じゃない」

女「良いところも悪いところも、全てひっくるめて、」


女「私は、男くんが、しゅきなの!!」




友(噛んだ)

オタ(噛んだな)

部長(噛んだか)

男「はぁ……」

男「なら、仕方がないか。力ずくで行かせてもらうよ」スッ


友「!」

部長「ちぃっ!」


女「……」キチキチキチ

女「そ、そうすれば、いいよ」スッ

女「私も、力ずくで男くんを返してもらう」

友(やばい!)

オタ(まあwwwまてwww)

友(なにを!)

オタ(二人をwww信じるでござるwwwwww)

男「無謀だね。カッターナイフ程度のハンデで男性に勝てると思ったかい?」スタスタ

女「真っ向勝負すればね」スタスタ

女(この距離だ。あとは、シュミレーション通りに)ピタ

男「真っ向?」

女(胸ぐらを掴んで――)グイ

男「なっ!?」

女(顔を近づけて――)

女「キスだと思った?残念、頭突きでした」ゴンッ!



友「痛そう…」

部長「わぁ……」

オタ「wwwwww」

男「ぐぅっ――!?」クラ

男「」

男「あ……れ?」

女「!」

男「っ、女、今だ!」

女「―――あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ブンッ

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」




ザクッ

「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁああああああぁぁああああああああ!!」

男「うっせぇ…な」ダクダク

女「はぁ…はぁ…」

友「女!」ダッ

オタ「男!www」ダダッ

部長「……」ダダダッ

「なんで!なんで俺じゃ駄目なんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

男「…悪い、女。最後にこいつになんかいってやってくれ」

女「う、うん」

女「……あのね。好きになってくれたのは嬉しいよ」

女「でもさ、や、やりすぎだったよ。空回りだった」

女「それに、友達に悲しい想いをさせる人は、嫌い」

「バイバイ、さようなら」

女「バイバイ、さようなら」

「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…

プツン

部長「……終わったのかも」

男「はぁーあ」ペタン

オタ「男wwwお帰りwwwwww」

友「男だよね?」

男「はいはい男ですよ…鼻血が止まらない男ですぅ」

友「あ、このやる気のなさは男だ」

女「だ、大丈夫!?」

男「ああ。一瞬気絶するぐらいの素晴らしい頭突きでしたぜ」

女「わぁぁ……」

男「っと」グッ

男「カッター、どうする?」

女「も、持ち帰って、捨てるよ」

ペリリ…

男「!」

部長「カサブタが…」

サラサラサラ…

友「…粉になって消えていく…」

オタ「成れの果てwww」

男「死んだんだな、きっと」

女「うん…」

保健室

保健「肩には浅い傷。鼻は折れていないみたい」

男「はぁ」

保健「病院にはいかなくて良さそうよ」

女「良かったぁ…」

男「意外と堅かったんだな、あのカサブタ…」

保健「解決したのね、おめでとう」

友「おめでとう」

部長「おめでとさん」

オタ「クェーwwwwwwwwwwww」

男「エヴァか」

女「」クスッ

帰り道

部長「じゃあまた明日」

友「わたしもこっちだから」

女「ほ、本当ありがとうございました」

男「すみませんでした」

部長「いーのいーの」

友「バイバイ」

オタ「おっとwwwwww僕用事があったったwwwwww」

オタ「先帰るでござるwwwwww」ダッシュ

男「おいオタ!?」

女「……行っちゃった」

男「はやい……」

女「……」

男「……」

女「……」

男「なぁ」

女「な、なにかな?」

男「また本貸してくれないか」

女「…っ、いいよ!」

男「あとさ」

女「うん」

男「好きだ、付き合ってくれ」

女「うん……えっ?」

男「…いや、あのな。前から好きだったんだが、言い出せなくて」

女「そ、そなの」カァァ

男「お前のその、告白聞いてさ…なんか、こっちも言わなきゃと思って」

女「……」

男「嫌ならいいぞ!別に」

女「」ポロッ

男「お、おい」ワタワタ

女「ほっとしちゃった」ポロポロ

女「あ、あんな告白しときながら、じ、実は好かれてなかったらって」

男「女……」

女「よろしく、ね」ニコ

男「ああ」ニカッ


友「」ニヤニヤ

部長「」ニヤニヤ

オタ「」ニヤニヤ















数日後、オカルト研究部

友「人面瘡の胞子によってみんな洗脳受けてたみたいですが」

友「あれが死んだことによって効果がなくなったみたいです」

部長「ふぅん」

部員「ほほーう」

部員2「それで?」

友「だから以前とまた同じ――ではちょっとないらしく」

友「仮初めとは言え仲良かった記憶があるために、前よりはクラスに馴染んでいるようです」

部員「皮肉っすな」

友「ね。だからチャンスを生かして男とオタは他の男子と馴染もうとしているとか」

部長「結果オーライか」

友「女は…あまりかわりはありません」

友「あんまりクラスに良い思いしていないし」

部長「そうか。まあなんでもハッピーエンドなわけじゃないかも」

部員2「女さんってめちゃくちゃ綺麗な人?」

友「うん。今回のことで少し明るくなったし前髪まで切ったからもうヤバイ可愛い」

部員「同性だけどあれは惚れる」

友「告白されまくり」

部長「モテるんだ」

友「そうですよ。優しいし頭良いし」

部長「でも残念だよなぁ。彼氏できたし」

友「ですねぇ。最近は小指繋ぎまでいけたそうです」ニヤニヤ

部長「きゃあっ、ウブ!」

部員「ウブ!」

部員2「爆発しろ!」

友「ここで発表です!」

部員「なになに」

友「入っておいで」

ガララッ

女「えっと、この度オカルト研究部に入りました!女です!」

部員「なんと!?」

部長「いやぁ部員増えてうれしいかも」

女「よろしくお願いします!」ペコ

―――――

―――

――




「あれ?なにそれ」

「どうしたよ?」

「アンタ、なんか肩にカサブタできてるわよ」

「ホントだ。おかしいなー、オレ、怪我したっけ」






        おしまい

人面瘡についてめちゃくちゃな解釈や、ご都合展開すいませんでした
途中過去オカ研になにかあったように仄めかしていますが、特に何も考えてません

稚拙な文を読んでいただきありがとうございました

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