八幡「相模を助けることになった?」 (266)

5月 奉仕部にて

八幡「……」カリカリ


結衣「ゆきのん、ここの問題これでいいかな~?」

雪乃「ええ、大丈夫ね。問題ないわ」

いろは「……」


八幡「…」ペラペラ

いろは「……」


結衣「じゃあ、こっちの問題は…」

雪乃「そちらのほうは…」


いろは「………」



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いろは「せんぱい、せんぱい」

八幡「…なんだ?」

いろは「このポーチ可愛くないですか~?」


八幡「ん?いいんじゃねえの?」

いろは「なんですか、その態度~」

八幡「いや、俺にポーチの可愛さの判定求めるか?」

いろは「退屈です、先輩~~っ」

八幡「本音はそこかよ…」

いろは「だってみなさん、勉強ばっかりしてるんですもんっ」

八幡「いや、お前も来年するからね?」

いろは「わかってますけど…」

八幡「一色、生徒会はいいのか?」

いろは「あっちは任せてありますんで」

八幡「下の奴に任せるなよ……店のオーナーか、お前は」


いろは「それより、なにか面白いことないですかね~?」

八幡「俺たちは勉強中だしね?わかってる?」


雪乃「一色さんからすれば、退屈でしょうね」

結衣「だよね、ちょっと休憩しよっか」

いろは「さっすが結衣先輩っ!空気読める人は違うな~~っ」

八幡「それ、褒めてんのか?」

いろは「最近どうですか?3年生って」

八幡「そんなこと聞いてどうすんだ?」

いろは「おもしろい噂とかも来てますし、気になるじゃないですか~」


八幡「ん?」

雪乃「そうは言っても…なにかあるかしら?」

結衣「えっとクラス替えで、みんなとは離れたっていうのがあるかな」

いろは「ああ~それは嫌ですね、結衣先輩の場合は三浦先輩たちと仲良しですもんね」

結衣「うん」

八幡「トップカーストだな」

結衣「でも…最近ちょっとね……あはは」

雪乃「…」

八幡「……なにかあるのか?」

結衣「う~ん、あんまり言いふらすことじゃないかも」

いろは「もしかして、三浦先輩が葉山先輩に振られたってやつですか?」


結衣「えっ、もう噂広まってるの?」

雪乃「……」

いろは「いえいえ、多分一部だけだと思いますけど。わたしは2年の中では一番なんで~」

八幡「自分で言うな」


八幡「本当なのか?」

結衣「うん…それで優美子も怒ったって言うか…「結局、自分を他の女寄せ付けないために利用してただけなんだね」って…」

八幡「…結果だけみれば、そういう面もあるか」

いろは「それで、どうなったんですか?」

結衣「隼人くんとは決裂しちゃったかな…隼人くんも気にしてた」

八幡「じゃあ、今グループは…」

結衣「ちょっと気まずいかも…中心の隼人くんと優美子が決別しちゃったし…」


八幡「他の男空気だしな」

いろは「違いますよ、先輩。戸部先輩はマスコット枠で目立ってます」

八幡「そうだったな」

結衣「二人ともひど過ぎるよ……」


雪乃「でも的を射ているわね」

いろは「じゃあ、あっちの噂も聞いちゃおっかな」

結衣「あっちの?」

いろは「はい、結衣先輩はもう知ってると思いますけど」

いろは「ほら、あの人が大変な目にあってるって」

結衣「えっと…さがみんのこと?」

いろは「そうそう、それですっ」

八幡「相模が?」

結衣「うん、クラス代わったし、知らないかもだけど…」

結衣「さがみん、陰口とか落書きとか…いじめにあってるみたい」

八幡「…マジか」

雪乃「そうだったの、依然すれ違った時、落胆しているように見えたけれど」

八幡「取り巻きの二人は?」


結衣「とっくに決別しちゃってるみたいだよ…」

八幡「……」

いろは「でも、その人自業自得だし仕方ないんじゃないですか~?」

八幡「……まあな」

雪乃「去年の文化祭での件など含めて…仕方ないわね。今更という気もするけれど」

八幡「しかし、いじめに発展までするか、普通…」

結衣「うん…」


いろは「その人がやってきたことを、今度は自分がされてるだけですよ」

雪乃「私たちがどうこうすることではないわね」

八幡(まあ、確かにそうなんだが…)

八幡「けっこうひどい、いじめか」

結衣「うん、そうみたい」

八幡「………」(そういえば、相模と同じクラスの奴って…)


八幡「そういえば、相模と同じクラスの奴って誰かいたっけ?」

結衣「?優美子が同じクラスだけど」

八幡「…そうか」

次の日 廊下


八幡「………」スタスタ

相模「……」スタスタ


八幡「……?」

相模「…あっ、比企谷…」

八幡「相模か」

相模「どいてくんない?うち、そっち行くんだけど…」

八幡「ああ…あ、」

相模「なにっ?」

八幡「お前、最近大変なんだって?」

相模「…!!…誰に聞いたのよ…?」

八幡「噂になってるだろ?」

相模「…っ!」


八幡「……」

相模「なに?うれしい…?あんたのこと見下してきた報いが今叶ったって?」

八幡「別に、んなことどうでもいい」

相模「今じゃあんた、人気者だし?うちの方が嫌われ者になっちゃったし?」

八幡「はあ?俺が人気者?なんの冗談だよ」

相模「ま、いいや。比企谷と話してても時間の無駄だし。どいて、うち忙しいから」

八幡「おう…」


相模「…」スタスタ

八幡「…あいつ、やっぱ何も変わってないか?」

スタスタ

三浦「あれ、ヒキオじゃん」

八幡「三浦…」

三浦「なにこんなところで突っ立ってんの?邪魔」

八幡「うわ、棘の鋭さが段違いですね」

三浦「はあ?どういう意味だし」

八幡「いや、なんでもない」


三浦「あっそ」スタスタ

八幡「…三浦っ」

三浦「はっ?なに?」

八幡(あれ?なんで呼び止めてんの、俺?)

三浦「ちょっ、キモイんだけど…」

八幡「ひどいっすね…聞きたいことあるんだよ」

三浦「ヒキオが?…なに?」


八幡「相模って、今どうなってるんだ?」

三浦「相模?…あーしが知るわけないでしょ」

八幡「そりゃそうだな、いじめあってるのは知ってるだろ?」

三浦「そりゃ同じクラスだし?」

八幡「どんな感じなんだ?」

三浦「それ聞いてどうすんの?」

八幡「別に…興味本位だよ」

三浦「……」

三浦「ま、あんたからすれば、労せず復讐できてるし聞きたいってことか」

八幡「どうなんだ?」

三浦「ちらっと見た限りだと、けっこういじめられてるっぽい」


八幡「落書きとかか?」

三浦「机に落書きされて、ご丁寧に彫刻刀で字まで彫ってあったし」

八幡「うわ……」


三浦「元々は実行委員の連中が言い出したことだし」

八幡「それに乗っかってる奴もいるってことか」

三浦「そういうこと」

八幡「実行委員の奴はまあ、腹立ててもおかしくないが…乗っかってるやつはなんなんだ?」

三浦「乗っかってる奴の方が性質悪いし。歯止め効かないっていうか」

今日はここまでにしておきます

八幡「そっか、わかった」

三浦「なんか、あんま興味本位で聞いてるように見えないんだけど」

八幡「興味本位だっての、参考になった。じゃな」

三浦「礼くらい言えっての」

八幡「あ、ありがとう…」


三浦「キョドってるし…」

八幡「あーしさんに言うのが怖いんですよ…」

三浦「は?」

八幡「いえ、ありがとうございましたっ」ペコ スタスタ


三浦「なに、あいつ…」

八幡「はあ…ホントに寿命が縮んだ気がするな…」

八幡(しかし、相模の奴、思った以上にやられてるんだな…)


八幡「……」


昼休み

八幡「しまった…パン買うの忘れてたな…」

戸塚「八幡、お昼どうするの?」

八幡「戸塚か、パン買って食おうかなと」

戸塚「あ、じゃあちょうどいいね。僕も買おうと思ってたんだ」

八幡「じゃあ一緒に行くか」

戸塚「うん」

八幡(クラス替えで戸塚と同じクラスになれたのは幸運だったな)

八幡(幸せすぎて、八幡飛べそうだよ?いや、飛べないけどね)

戸塚「どうしたの、八幡?」

八幡「いや、なんでも」

戸塚「そう?」

八幡(あと、なぜか葉山とも同じクラスになってしまった…)

八幡(しかも…『君とはもう少し仲良くしてみたくなったな、ダメかな?』とか言い出して…)

八幡(少し前より、話す機会増えましたからね?)


八幡(俺にそっちの気はないぞ。葉山もなはずだ…あいつが好きなのはおそらく…)

ザワザワ


戸塚「あれ?なんだか、騒がしいね」

八幡「ん?なんだ?」

戸塚「教室の前に、人だかりができてるよ」

八幡「あの教室は…確か」


戸塚「あ…」

八幡「…!」


相模「………」フラフラ


八幡「相模…」

戸塚「歩いて行っちゃったね…」

八幡「頭がかなり汚れてたな、それに黒板消しが落ちてるし」

戸塚「ぶつけられたのかな…」

八幡「上から落ちてきたのかもな」

「なに、今の…超ウケるっ!」

「誰よ、あんなベストなイタズラした奴」

「あははは~あれ、今日一日取れないんじゃない?」

「まあいいじゃん、相模の奴、さらにお洒落になったし~~」


ザワザワ

八幡「ここまでか…」

戸塚「あんまり気分のいいものじゃないね」

八幡「自業自得だけどな」

戸塚「八幡…」

八幡「とにかく、パン買いに行こうぜ。なくなる前に」

戸塚「あ…う、うん」

三浦「………」


八幡(三浦…か)

スタスタスタスタ


戸塚「意外と簡単に買えたね」

八幡「さっきの騒動のおかげかもなっ」

戸塚「人が向こうに行ったっていうこと?」

八幡「そうだろうな」

戸塚「どこで食べようか?外で食べるの?」

八幡「教室にするか」

戸塚「うん、そっちの方がいいかな」

教室

葉山「やあ、比企谷」

八幡「葉山…」

葉山「なんだかつれないな…どうしたんだ?」

八幡「なんで俺に声かけてくるんだよ…」

葉山「いや、前にも言っただろ?」

八幡「お前、俺のこと嫌いって言ってただろ?」

葉山「昔の話さ、俺も少し自分を改めてみようと思ってるんだ、比企谷には悪いことをしたと思うよ色々とね」

八幡「罪滅ぼしってことか?」

葉山「そんなつもりはないさ」

戸塚「まあまあ、八幡。そんなに邪険にしなくてもさ」

八幡「戸塚…」

戸塚「今から僕たちご飯食べるんだけど、葉山君もどうかな?」

葉山「いいのかい?じゃあ遠慮なくご一緒させてもらおうかな」


八幡「……」(戸塚がそう言ったのを覆したくないな…仕方ない)


八幡「…なんか視線感じないか?」

戸塚「うん、そうだね…」

葉山「この3人というのがめずらしんだろうな」

八幡「男3人ってそもそもどうなんだ?」

戸塚「普通でしょ?」

葉山「むさ苦しいと思うなら、比企谷が女の子を呼べばいい」

八幡「俺かよ…普通は葉山だろ」

葉山「君が呼んだ方が、より素敵な子がくるだろ?」


八幡「なんのことだよ…」

戸塚「八幡、さすがにそれは苦しいよ」


八幡「戸塚まで…」

戸塚「八幡、ここは素直になろうよ」

葉山「そうだな、戸塚君の言う通りだ」

八幡「いや、あのな…葉山が呼んでも来てくれるだろ?」

葉山「結衣やいろはなら、来てくれるかもしれないが…」

葉山「君が直接呼んだ方が、確実に喜んで来てくれるな」

八幡「……」


葉山「だんまりかい?」

戸塚「八幡」

八幡「なんで、俺こんなに追い詰められてんの?」

葉山「で、どうするんだい?」

八幡「俺はさっさと飯を食べる」ハグハグ

葉山「ダメか、少し期待したんだが」

八幡「?」

今はここまでで

面白い!
葉山は戸塚と呼んでいるよ

>>54
そうでしたっけ、気を付けます

葉山「そういえば、さっきそこで人が集まっていたな、あれはなんだったんだろう」

八幡「なんだ、知らないのか?相模の奴がな」

葉山「ああ、彼女か…」

八幡「そっちは知ってるか」

葉山「そうだね、有名だからな」

戸塚「さすがに、かわいそうだよね…」

八幡「……」

戸塚「八幡…」

葉山「屋上で君の胸倉をつかんで殴りそうになった俺が言えることじゃないが…」

葉山「君からすれば、自業自得っていうところかな?」

八幡「そうかもな」

戸塚「八幡、いくらなんでもそれは…」

八幡「ただ…」

葉山「?」

八幡「いくら相模でも、ここまでの仕打ち受けていいとは思わねぇよ」

葉山「そうか、なら何かするのかい?」

八幡「まだよくわからねぇよ」

葉山「俺でよければ協力するが」

八幡「どういう風の吹き回しだ…」

葉山「ポイントを稼いどきたくてね」

八幡「はあ?」

八幡(しかし、協力か…葉山がね)

八幡(こいつが協力してくれるんなら…色々やりようがありそうだけどな)

八幡(いや、ていうかもう一人にも協力してもらわないとな…そっちの方が重要か)


八幡「…」

戸塚「八幡、大丈夫?」

八幡「それよりも、相模の奴ともう一回話さないとな」

戸塚「えっ?なに、急に?」

葉山「なにかするつもりだね」

八幡「俺はああいう扱いの辛さはわかってるからな…」

戸塚「八幡…」

水道のあるところ

ジャバーーー

相模「冷たい…もう、最悪……」

相模「……」

相模「髪型めっちゃ崩れてるじゃん……なに、これ…」

相模「なんで、こんな……」

相模「……教室、戻りたくないな……」


八幡「…」スタスタ

相模「…?比企谷…?」

八幡「ひどい髪型になってるぞ、濡れてるし」

相模「ひどい顔のあんたには言われたくない…」

八幡「えっ?そんな返しくんの?」


相模「なに驚いてんの?バカ?」

八幡「お前、どうするんだ?この状況」

相模「あんたには関係ないでしょ、うちのことなんか」

八幡「まあ、そうだけどな」

相模「なんとかする…なんとか…」

八幡「気弱になってるぞ…」

相模「うるさい…あんたに何がわかんのよ…あんたなんかに…」

八幡「……」


相模「今のこんなみじめに落ちぶれた、うちの気持ちなんて…一人になったし…学校来てる意味なんてもうないくらい…」

八幡「卒業まで、あんなことが続いたんなら、耐えられないだろうな。俺だって無理だ」

相模「…どういう意味よ?」

八幡「…お前、一人でこの状況を打破できるなんてとても思えないしな」

相模「比企谷…あんた、なにが言いたいん?」


八幡「なんとかしてやろうか?」

相模「えっ?」

八幡「もちろん、お前にも協力してもらうし、うまくいく保障なんてどこにもないけどな」

相模「な、なんでそんなこと、急に…」

八幡「俺も、中学の頃には似たようなこともあったんだよ」

相模「…」

八幡「想像つくだろうが」

相模「めっちゃ想像できる」

八幡「すげぇ失礼だからな、それ」

八幡「だから……ああいうのは、気分よくないんだよ」

八幡「それに、原因も俺だしな」


相模「はっ?あんた本気で言ってんの?この状況が自分が原因とか…頭おかしいんじゃない?」

八幡「良い悪いじゃなくて、原因は去年の文化祭だろ」

相模「あんた……」

八幡「どうするんだ?お前が断るんなら俺はもう帰るぞ」



相模「………」

八幡「…おい、聞いて…」

相模「助けて……」

八幡「相模…」

相模「助けて……ほしい…比企谷…」

八幡「…わかった」

それから…


三浦「はあ?なに言ってんの?」

八幡「い、いや…だから…お手伝い願えませんでしょうか…」

三浦「キョドんな、キモイっ!」


八幡「お、お手伝いを…」

三浦「……つーか、なんでそんなこと考えてんし」

八幡「だから、中学で俺も…」

三浦「それは聞いた。それだけで助けるとかアホの極みだしっ」

八幡「漫才でありますよね」

三浦「どういうつもりでやってんのか、全く理解できないし」

八幡「スルーされた…」

八幡「相模の奴も、少しは変わったと思ったからな、去年の実行委員とかを経て」

三浦「ふ~ん、で?」

八幡「どんだけ変わったのかは知らんけど、あの仕打ちはないだろ」

八幡「取り巻きのあいつらにも見限られたらしいからな」

三浦「……」

八幡「それに、あいつ助けを求めたからな…俺に」

三浦「ふ~ん…」

八幡「で、どうですか…?」


三浦「……いいよ、手伝うし」

八幡「えっ?マジか!?」

三浦「マジっ」

八幡「どういう心境の変化だよ…」

三浦「別に…あんたに借りを変えずには丁度いいと思っただけ」

八幡「借り?」



三浦「去年とか、マラソン大会とかバレンタインとか諸々の借り」

~相模と三浦の教室~


相模「……ねえ」

八幡「な、なんだ…」

相模「えっと…なんで休み時間にこの教室来てんの?」

八幡「助けてやるって言っただろ」

相模「いや…そうだけど…あの…」


三浦「なに?なんか文句あんの?」

相模「い、いえ…特にないかな…」

三浦「あと、なんで隼人までいんの?」

葉山「あははは…比企谷、これはさすがにきついよ…」


八幡「とにかく、この面子で相模を助けるからな…」


八幡(しまった、早急に集めすぎたかな。うまくいくといいが)

今日はここまでにしておきます

三浦「この4人で机囲んでんのが、まず不気味なんだけど…」

相模「……」ブルブル

八幡「悪かったな、不気味で…我慢してくれ」


葉山「いや、比企谷。多分違うと思うよ」

八幡「んっ?…あ、そうか…そうだったな」

葉山「比企谷…まさかわざとやってるのかい?それだと、悲しいよ俺は…」


八幡「なわけないだろ」

三浦「本当に、なんで隼人いるし」

葉山「ま、成行きかな」

八幡(かなり溝深そうだな…)

相模「それで…うちが言えることじゃないけど…どうやって助けてくれるの?」

三浦「ホント、言えることじゃないねっ」

相模「ひ、ひい…」

葉山「まあまあ。優美子も落ち着こうよ」

三浦「落ち着いてるし、ていうかこいつ、落ちぶれ過ぎだし」


相模「…」

八幡「まあ、どうやって助けるかだけどな…詳細は考えてない」

相模「えっ?」

三浦「はあ?どういうことだし」

葉山「比企谷…それはっ」

八幡「日数もなかったしな、考えられなかった」

三浦「じゃあ、どうすんのこれ?」


八幡「まあ、この面子で集まってるだけでもインパクト強いだろ」

葉山「そうだな、さっきからこっちを恐る恐る見てる人が多いね」

八幡「だから、まずインパクトを与えようとは思ってた」


三浦「それが、あーしとか?」

八幡「ああ、恐怖のなっ」

三浦「ヒキオ、殺すっ」

八幡「冗談に感じないんで、やめてくださいね?」

葉山「じゃあ俺は…」

八幡「優しさのインパクトってやつかな?なんで葉山くんが?ってなるだろ」

三浦「いや、相模が泣きついたみたいに見えない?それ」


八幡「お前がいたら、そう見えないしいいだろ」

三浦「すっごい微妙…」

相模「あ、あの…じゃあ、これから…どうするわけ…?」

八幡「とりあえず、周囲にこの4人のグループというのを印象づける」

三浦「ふ~ん、そのあとは?」


八幡「あとはアドリブだな、その時になってみないとわからん」

葉山「かなり曖昧な作戦だな…」

八幡「時間なかったしな…勢いで決めすぎたとは思う」

八幡「しかし、なるようになるだろ。」

三浦「少なくとも、今よりは前進するんじゃない?」

相模「え?え?ほんとに…?」


三浦「あんた次第かもっ。まず、そのキョどるのやめな、腹立つし」

八幡(あーしさん、容赦ないっすね…)

相模「そ、そんなに、うち、キョドってるかな…?」

三浦「キョドってる」

相模「うう…」


八幡「俺よりキョドってる奴なんていないから安心しろ」

三浦「自信満々に言うな、そんなの自慢になんないし」

八幡「わかってるっての」

葉山「よし、あまり時間はないし何について話そうか?」

八幡「話題か…?この4人での話題…?」

三浦「うわ…」

八幡「引くなよ…」

八幡「何かあるだろ?葉山と三浦のなれ初めとか」

三浦「あんた本気で言ってる?」

葉山「あ、はははは…」

八幡(そういや、この二人仲違い中だったか)

相模「あ、そういえば三浦さんって…葉山くんと…」

三浦「なに?あんたの耳にも届いてた?ん?」

相模「あ、い、いえ…す、少し…」

三浦「隼人が、あーしを思いっきり振ったって?」


八幡「お前、そのこと知ってたのか?」


相模「偶然目撃してたから」

三浦「はあ?見てた?あの場面を?」

相模「ご、ごめん…見るつもりはなかったけどさ…うち、こんなだったし、校舎の隅に行ってたし…」

八幡「それでか」

三浦「ま、あーしとしては見られて困るもんでもないけど」

三浦「ただ、隼人の冷たさが露呈しただけだし?」

葉山「優美子…これは公開処刑かな…?」

八幡「ちょっと、葉山に同情する…」

葉山「よしてくれ…」


三浦「こっちの話題つまらなそうだし、ヒキオ」

八幡「なんだよ?」

三浦「言い出しっぺの法則。なんか話題出しなっ」

八幡「俺に言うの?あるわけないだろ…」

三浦「ホントに?結衣と色々あんじゃないの?」


八幡「な、ないっての……」

三浦「あんた去年とかも付き合ってるって言葉に動揺してたし」

八幡「どれだけ前の話だよ…」

三浦「結衣はヒキオのこと褒めてるし」

八幡「あいつが?」

三浦「普段は挙動不審とか言ってるけど」

八幡「……」

三浦「あんたら、この時期でも奉仕部の部室に籠ってんでしょ?」

八幡「言い方があれですからね、三浦さん」

葉山「なんだか怪しい雰囲気が漂っているな…なにしてるんだ?」

八幡「お前も乗ってくるなよ…健全な受験勉強だっての」


三浦「雪ノ下さんもいるっしょ?」

八幡「そ、そりゃまあ…」

葉山「……」

八幡「なんで、葉山は無言なんだよっ」

葉山「いや、なんでもないさ」

三浦「……ふんっ」


相模「こ、これって…うち、入る余地あるのかな…」

キーンコーンカーンコーン

三浦「あ、チャイム鳴ったし」

八幡「じゃ、じゃあ俺は戻る…」

三浦「つーか、この後ってどうすんの?しばらくこういうの続けるんでしょ?」

八幡「そうだけど…」

三浦「ふ~ん、わかった」

葉山「とにかく戻ろうか比企谷。次の授業もあるしね」



八幡の教室

八幡(結局連絡先の交換とかもして終わったか)

八幡(まあ、最初にしてはいい方か?)

放課後

八幡「終わった、終わった…」

戸塚「八幡、今日も奉仕部かな?」

八幡「ん、まあ。、といっても勉強だけして帰るけど」

戸塚「そっか」

八幡「戸塚はテニスの方だろ?」

戸塚「うん、そうだよ」

prrrrrr

八幡「着信かよ…て、三浦…」

ピッ

八幡「は、はい…」

三浦「さっさと出ろっての…!」

八幡「ご、ごめんさないっ…て、なんで謝るんだよっ」

三浦「今、相模といんだけど」

八幡「だから?」

三浦「は?あんたも隼人呼んで、さっさとあーしらと合流しなっ」

八幡「へ?」

三浦「今からご飯行くし、みんなで」

八幡「あの面子で…?」

三浦「ヒキオがグループで行動するって言ったんじゃん」


八幡「そういえば、そうでしたね」

八幡(案外律儀な奴だな…)

今日はここまで

八幡「…」

葉山「……」

相模「え、えっと…」

三浦「それで?この後どうする?」


八幡「どうするって…お前が集めたんだろ…」

三浦「ヒキオがグループ結成するって言うからっしょ」

八幡「いや、学校の中だけのつもりだったんだが…」

三浦「そんなもんすぐ見抜かれるっての、ああいうバカはめざといから」

八幡「バカ?」

三浦「いじめしてる連中」

八幡「ああ…」

葉山「外にいっても一緒というほうが都合はよさそうだね」

三浦「そういうこと」

相模「で、でも…葉山くん達の予定とか潰してまでうちになんて…申し訳ないっていうか」


三浦「そう思うなら、相模がどこ行くか提言したら?いちいち気遣われるのもうざいし」

相模「ご、ごめん…」

八幡「あーしさん、さすがっすね…」


三浦「で、どこ行くん?」

相模「ええ…えと…じゃあ…」

奉仕部

雪乃「…」カキカキ

結衣「…」カリカリ


結衣「ねえ、ゆきのん」

雪乃「なにかしら?」

結衣「ヒッキー、今日はどうしたんだろ?来ないのかな…」

雪乃「連絡をしてみたら?」

結衣「うん…」

ガラ

いろは「こんにちは~~!」

雪乃「あら、こんにちは」

結衣「いろはちゃん、やっはろー!」

いろは「こんにちはですっ、結衣先輩、雪ノ下先輩っ!」


いろは「あ、そうそう、みなさん」

結衣「なに~?」

雪乃「なにかしら?」

いろは「今日、先輩来ないんですよね?」

雪乃「?どうしてわかるの?」

いろは「だって、さっき葉山先輩たちと帰ってましたよ」

結衣「え?」

雪乃「なんだか、不思議なグループね…」


結衣「……ちょっと、連絡してみよっかな…」

カラオケ


三浦「ほら、次ヒキオの番だし」

八幡「なんで、カラオケ来てんの?」

三浦「相模が来るって言ったんだし。あーしが知るわけないでしょ」

葉山「君の歌聴くのは初めてだな」

八幡「当たり前だろ…」


相模「比企谷、よかったらデュエットしよ、デュエット」

八幡「お前、案外ノリノリか?」

相模「いや~なんだか、テンション上がってきてさ~」

八幡(そういえば元々は明るい奴だったか、忘れてたけど)

今はここまで

相模「ほら、早く早くっ!」

八幡「いや…そんな急かされても…て、なんの歌だ?」

相模「LIT IT GO! ありのままの私で~」

八幡「死ぬわ…なんですか?俺に死ねって言うんですか?」

葉山「あれは俺も無理だよ…」

三浦「男だと死ぬしね、女でも死ぬかも」

相模「え?動画の中では男の人が歌ってるのもあるし…」

八幡「やめろ…あんな人らと一緒にするな…」

八幡「第一、デュエットする曲なのかあれ?」


相模「ま、仕方ないか。んじゃこの歌で」

八幡「お前ってそんなキャラだったの?」

相模「テンション上がってるんだってっ」

八幡「なんか全てそれで乗り切ろうとしてない?」



三浦「いや~唄ったし?」

葉山「君もノリノリだったな」

三浦「意外と盛り上がったね、もっと葬式会場になるかと思った」

八幡「…」

三浦「ヒキオは声小さいし、旨いのか下手なのかよくわかんなかったけど」

八幡「慣れてないんだよ…こういうのは」

葉山「だったら、今はいい機会かもしれないぞ?」

八幡「そうか?」

葉山「ああ」

三浦「相模はかなりノリノリだったしっ。つーか変わり過ぎ」

相模「あははは…ちょっと調子に乗り過ぎたかな…」

三浦「いいんじゃない?うじうじされてる方がよっぽど嫌だし」


三浦「ほら、協力する気とか失せるし?」

相模「あ、うん…ありがと、三浦さん」


葉山「なんだか、前に比企谷と出かけた時を思い出すな」

八幡「折本らと出かけた時のことか?」

葉山「そうだよ」

八幡「かなり違うと思うが…」

葉山「あの時とは立場も違うじゃないか」

八幡「どういう意味だよ?」

葉山「君が集めたんだぞ?」

八幡「……」


葉山「やれやれ…なんていうのかな」

八幡「なにも言うなよ」

葉山「そういえば、彼女とはいい感じだったじゃないか」

八幡「はあ?」

葉山「ほら、バレンタインの試作品づくりの時だよ」

八幡「折本かよ…別に」

葉山「そうか?なんだか見る目が変わってるように見えたが」

八幡「…」

葉山「そういう意味では彼女も一緒か」

八幡「相模か」

相模「え、えっちさ…この後時間あったらご飯とかどう?」

相模「うちが奢るし」

三浦「へ?全員分?」

相模「うん、お礼ってわけじゃないんだけどさ…」

相模「なんか…カラオケ楽しかったし、うれしかったし…」

八幡「……」


葉山「じゃあ、お言葉に甘えようかな」

三浦「えっ?隼人…?」

葉山「せっかくだしね」

相模「うん、よかった」

三浦「なんか、隼人って…性格変わってるよね…」

すみません、「えっち」は「えっと」の間違いです…
LIT IT GOのところは意図的に名前変えてるだけですが

とあるレストラン


葉山「ここはいいところだね」

八幡「ちょっと高そうだな」

相模「あ、でも遠慮せずに食べてよっ、ね?」

三浦「んじゃ、お言葉に甘えよっと。一番高いデザートもチェックしとくか」

相模「う、うん…もちろんっ」


三浦「あ、あとさヒキオ」

八幡「なんだ?」

三浦「あんた結衣から、連絡来てたよね?」

八幡「ああ、カラオケの時な」

三浦「なんか言ってた?」

八幡「奉仕部に行かないって伝えるの忘れてたから、連絡してきたんだよ」

葉山「比企谷と「結衣」は少し怪しいな…うん」

八幡「なんで「結衣」の部分強調すんだよ…由比ヶ浜に失礼だろ」

八幡「俺なんかとそんなこと言われたら」


葉山「本気で言ってないだろ?」

八幡「は?」

葉山「………」


三浦「つってもヒキオ、心配してくれる女子できるとか、よかったじゃん」

三浦「春到来ってやつ?」

八幡「どう考えても、部活の連絡程度なんだけど…」


相模「そういえば去年も夏祭り二人で行ってたもんね~」

八幡「おま…その話は…」

三浦「へ~」

葉山「君はホントに隅に置けない奴だな」

八幡「あのときマジで大変だったんだぞ…陽乃さんにも会うしからかわれるし…」

葉山「それは災難だな…」


相模「ていうか、比企谷ってあの頃付き合ってなかったんだよね」

八幡「あたりまえだ」

相模「今もでしょ?」

八幡「そうだよっ」

相模「ふ~ん、そっか~」

八幡「なんだ?」

相模「あ、ううん、別に」

葉山「さて、この話はまたにして、先に注文しようか」

三浦「なんか高いのないかな~」

相模「え…高いのは前提…?」


八幡「じゃあ、俺も高いので…」

相模「そこは空気読むところじゃないの?」

八幡「俺に空気読みスキル期待すんな、由比ヶ浜に期待しろ」

相模「もうなんかわけわかんない…」

今日はここまでで



三浦「食べた食べた~っ」

葉山「優美子、デザートまで食べてたな。大量過ぎないか?」

三浦「おごりだし?もったいないしね」

八幡「高いデザート3個は鬼かと思いますけどね」


相模「ああ…うちのお金…あはは」

八幡「平気かよ?全部奢りで?」

相模「あ、うん。平気平気…」

八幡(全然平気に見えねぇ)

八幡「よかったら、自分の分は出すぞ?」

相模「いや、いいって!そんなのっ」

八幡「でもな…」


三浦「ヒキオ、気を遣う必要ないっての」

八幡「三浦」

三浦「どーせ、あーしらしばらく一緒に行動するし」

三浦「その時に、奢ったりすればいいじゃん」

相模「三浦さん…」

葉山「そういうことか、それなら問題ないんじゃないかな」

三浦「でしょ?」

八幡「ま、そうしとくか…」

三浦「じゃあ決まり。今度はヒキオが奢りな」

八幡「俺かよっ」

次の日

八幡「…」スタスタ

三浦「おはよ、ヒキオ」


八幡「………?」

三浦「なに?そのかわいそうな子を見るような眼は」

八幡「いや、かわいそうな子みたいな事したから…」

三浦「は?殴られたいの?」

八幡「いえ、すいません」

三浦「あーしもあんたなんかに挨拶しないけどさ」

八幡「あ、やっぱしないんですね」

三浦「こうやって挨拶してる方が、グループとして自然でしょ」

八幡「そうだな…周りは早くも奇異な目で見てるし」

三浦「あーしとヒキオだしね」

八幡「三浦と俺ですもんね」



相模「あ…お、おはよ~~…」

八幡「ん?おう」

三浦「なんで相模はそんなテンションなわけ?」

相模「いや…き、昨日のテンションでいつもは無理だよ…やっぱり…」

三浦「また戻ってるし」

相模「ご、ごめん…」

三浦「謝らなくていいから元気でいろっての」

三浦「あんたが中心なんだし、そのあんたが暗いとグループが暗くなるし」


相模「あ、うん」

三浦「あんた本気で変えたいんでしょ?」

相模「もちろんっ!よ、よし…」

三浦「その調子だっての」

相模「じゃ、じゃあ…優美子っ」

三浦「調子のんなっ」

相模「え~~~…」

八幡「ひでぇ…」

「あ、今日もいる…」

「うっそ…マジで相模と?」

「三浦さんと葉山くんもそうだけど…最後のあいつって」


「相模にいじめられてた奴じゃないの?」


八幡(思いっきり聞こえてるし)

相模「比企谷」

八幡「なんだ?」

相模「うちってそんなに比企谷のこといじめてたっけ?」

八幡「全然そんな気はないが…周りはそう見えたみたいだな」

相模「…」

今日はここまでで
ペースアップして数日以内には終わらせたいです

八幡「ま、お前の態度は俺だけじゃなくて他の奴もいじめてたように見えただろうな」

相模「比企谷…その、」

八幡「謝るなよ、俺はしらねぇし」

相模「う、うん…」

三浦「あーしも、ヒキオを虐めてるようにみえてたかもね」

八幡「あーしさんはその他大勢ですね」

三浦「はあ?」

八幡「はあ?が怖いっての…由比ヶ浜を虐めてるように見えたこともあったしな」

三浦「あ…あれは別に…」

八幡「旗から見たら、そんなつもりなくても見えるってことだよ」

葉山「深いな、やはり人間は周りから見られてるってことかな」

八幡「ちょっと違う気がするけどなそれ…」

「……!」

「…どうすんの~?」

「いやだってさ…あんな凄いのに…」


三浦「……」

三浦「もしかしたら、案外うまくいきそう?」

相模「えっ?ホントに?」

八幡「案外っていうのが心外なんだが」

葉山「しかし…」チラ


「……葉山くんが…睨んでるよ…」

葉山「手出しはしてこなさそうだね」

八幡「そりゃ、お前らに手出したら大変なことになるからな」

奉仕部

結衣「ゆきのん、問題できたよ~」

雪乃「ありがとう、由比ヶ浜さん」


八幡「……」ペラペラ

いろは「なんだか、この雰囲気も普通になってきましたよね~」

八幡「そうか?」

いろは「そうですよ、葉山先輩たちという先輩の方が不自然です」

八幡「あれは別に…ていうか、ここで言うことか?」

いろは「別に隠すようなことでもないんでしょ?」

八幡「そりゃそうだけど」

雪乃「それでどうなの?比企谷くん?」

八幡「なにがだ?」

結衣「さがみんのことだよ」


八幡「バレバレかよ…」

結衣「昨日電話したじゃん」

八幡「まあ、そうだけど」

結衣「それに、もうさがみんの周りに隼人くんとかヒッキーがいるって噂たってるし」

八幡「もうそんなに広まってるのか…はあ、予想はしてたけどな…」

雪乃「あなたはそんなにお人よしだったかしら?」


八幡「お人よしじゃねぇよ…面倒なことは苦手だ」

いろは「でも今の先輩は、変ですよ」

八幡「変とか言うな」

いろは「助けてる相手が、貶められてた相手って…変ですよやっぱり」

いろは「先輩なら、いじめられたのは自業自得だって言って喜ぶはずなのに」

八幡「待て待て、俺そんなひどい奴だったの?」

いろは「違うんですか?」

八幡「なにこの泣きたくなる気持ち…」

雪乃「この際、どういうつもりなのかはいいわ」

結衣「へっ、そこはいいんだ?」

雪乃「彼の行動は合理的な説明できないこともあったでしょう」

結衣「あ~去年の修学旅行とかそうだったよね」

八幡「いや、戸部と海老名さんのあれは合理的な考えの下だな…」

雪乃「いいえ、あんなのは合理的とは言えないわ」

結衣「ヒッキー、いきなり告白しちゃうし、人の気持ち考えないし」


八幡「いや、だからね…あれは…そう言われると弱いけどな…」

ボスボス

八幡「なんだよ一色…かばんで殴るなよ…」

いろは「わたしの知らない話題で盛り上がらないでください~」


結衣「えっと、じゃあ…さがみんはどうなのかな?」

八幡「三浦と葉山も協力してくれてる」

雪乃「そうなの、葉山くんも協力的なのね」

八幡「……」(もしかして、葉山が協力的なのって…)

八幡「ポイントがどうこう言ってたしな」

雪乃「ポイント?」


八幡「いや、とにかく相模は明るさ取り戻しつつあるかもな」

八幡「周りも三浦とかに驚いて手出せずにいるし」

雪乃「そうなの」

結衣「じゃあ、うまくいきそうなんだ?」

八幡「まだ、わかんねぇけど」

雪乃「そうね、相模さんの場合根が深そうだから」

八幡「まあな…あんまり、いじめっていうのは見たくないしな」

雪乃「だから協力したのね」

八幡「というより…聞いてみたんだよ、あいつに」


いろは「なにをですか~?」

八幡「助けてほしいか?って」

結衣「そ、それで…?」

八幡「そしたら、助けてほしいって言ったんだよ、だから…」

雪乃「それで協力したと…」

八幡「そういうことだ」

いろは「…」

結衣「……」

雪乃「あなたは意外と感情で動くわね…全く」

八幡「その後、必死に三浦説得して、葉山も連れて今に至る感じかな」


いろは「わたし達に声かけないのは水臭くないですか?」

八幡「奉仕部のメンバーが多くいると、依頼みたいじゃねぇか」

いろは「あ~なるほど」

八幡「あと、相模と仲良くしててインパクトでかいのは三浦と葉山だしな」

結衣「ヒッキーは…」

八幡「由比ヶ浜…?」


結衣「す、吸い込まれるのかな……さがみんに」

八幡「へ?あいつってサイクロン掃除機なのか?」

いろは「先輩…」

雪乃「これはもう罪ね」

八幡「なんでいきなりサイクロン掃除機で犯罪者呼ばわり?」

結衣「そういうことじゃなくってさ…」

八幡「由比ヶ浜……?」

結衣「あたしさ…さがみんはその…ほら色々あったし?」

結衣「去年も体育祭とか文化祭とか、あと夏祭りとか…いいところも悪いところも見たけど…」


八幡「……」

結衣「いじめまで発展するのはひどいって思ってたけど…でもさ」

八幡「由比ヶ浜?」

結衣「もしもさ…このまま、ヒッキーがその…遠くに行ったら…」

八幡「遠くって……」

結衣「ちょっと、さがみんのこと許せない…かな」

その日の夜

三浦「またカラオケとか芸がないっつーか」

葉山「まあまあ、楽しければいいじゃないか」


相模「ごめんね~?でも歌ってすっきりしたい気分ってあるじゃん?」

八幡「ここ、俺の奢りか…」

三浦「今日はあんたの奢りだし?」

八幡「わかったよ」


八幡(結局、由比ヶ浜とはあの後話さず帰ったな…気まずくて)

八幡(というより、このグループで行動するために、俺だけ早く抜け出したんだけどな)

相模「ねね、比企谷」

八幡「なに?」

相模「どう、うちの歌?けっこう上手かったでしょ?」

八幡「かもな」

相模「なにその無気力なリアクション」

八幡「俺に歌の感想求めてる時点でなんか違うだろ」

相模「うちは、あんたの率直な意見聞きたいんだけど?」

八幡「まあ…上手かったんじゃないか?」

相模「へへ~でしょ?」

八幡(俺が…吸い込まれるか…)

八幡(相模に…?いや、ありえなくね?)

今日はここまでです

相模「あのさ、比企谷…」

八幡「なんだよ?」

相模「この後さ…喫茶店とか寄らない?」

八幡「はあ?みんなでか?もうけっこう遅いぞ」

相模「あー、みんなじゃなくてさ…えっと…」

葉山「……」

三浦「いいじゃん、行ってきたら?」

八幡「三浦まで、なんだよ急に」

葉山「そうだね、親交を深めるのも悪くないんじゃないか?」

八幡「お前は他意がありそうだな…」

葉山「なんのことだい?」

八幡「わざとらしいっての」

相模「ほら、よかったらさ」

八幡「…」

八幡「わかったよ…行くか」

相模「決まりね・・」

スタスタ

三浦「…」

葉山「なんだか浮かない顔してないかい?」

三浦「ちょっとねー」

三浦「結衣どうすんのかなって」

葉山「ああ、そういうことか。比企谷も罪な男だな」

三浦「むしろそっちの問題の方が厳しいんじゃない?」

葉山「確かにね」

三浦「隼人は雪ノ下さんでしょ?」

葉山「いやー、あははははっ」

三浦「誤魔化すなっての、でもそっちも前途多難だし?」

葉山「全くだよ…はあ」

喫茶店

相模「ここの店いいでしょ?」

八幡「どこでもいいっての、俺がこだわるように見えるか?」

相模「あんま見えないけど」

八幡「サイゼは駄目だったのか?」

相模「サイゼ~?ないない」

八幡「あいつらといい、サイゼになんの恨みが…」

相模「誰よ?あいつらって?」

八幡「ああ、こっちの話だから気にするな」

相模「いや、気になるって…」

八幡「それより、なにか話があるんじゃないのか?」

相模「話…?う~ん、まあ、あるかな~」

八幡「なんだよ?」

相模「その前に、若干挙動変じゃない?」

八幡「そ、そんなことねぇよ」

相模「そんなことあるし…」

八幡「い、異性と二人で喫茶店とか慣れてないんだよ…わかってるだろ」

相模「え~意外っ」

八幡「は?なにが意外なんだ?」

相模「あんた奉仕部で、結衣たちに囲まれてるんでしょ?」

八幡「あれ、囲まれてるのか?まあ、物理的には…そうだが」

相模「生徒会長の一色さんもいるって言うし、もう慣れてるのかと思った」

八幡「そんなわけないだろ…」

相模「まあ、慣れてないほうが好都合かも」

八幡「ん?」

相模「ううん、こっちの話」

相模「でもさ…やっぱあんたって凄いよね…」

八幡「はあ?なにが?」


相模「うちを助けてくれるって言ってくれたけどさ…」

相模「ほら、葉山くんと三浦さん呼び出して、無理やりグループにしちゃうし」

相模「すっごい強引な手口だとは思うけど…」


八幡「お前のいじめ、軽いものじゃなかったからな」

相模「あの二人が協力してくれるなんて、比企谷じゃなきゃ無理なんじゃない?」

八幡「三浦も葉山もいい奴だからな。あとあいつらは借り返してるだけだぞ?」

相模「貸し作ってるだけで凄いし、貸し返してるだけには見えないし」

八幡「葉山はポイント稼ぎっていう別の目的があるみたいだけどな…」

相模「え…?葉山君がポイント稼ぎ?」

八幡「いや、なんでも、とにかくそんな大したものじゃないっての」

相模「三浦さんも、比企谷だから協力してるように見えるけど…」

八幡「なに言ってんだよ…」

相模「もしかして、少し惹かれてるとかあるかも?」

八幡「……」

相模「まあいいや、あのさ、うちも三浦さんたちには感謝してるし…」

相模「比企谷にも、もちろん感謝してるけどさ…」

八幡「なんだ?」

相模「寄りかかったりしないからさ…その…うちも一人歩きできるように努力するから…」

八幡「その考えはいいけどな…あんま無理すんなよ?」


八幡「いじめから立ち直る場合、無理しすぎたら帰って落ち込むってのもあるしな」

相模「経験者は語る?」

八幡「さあな?」

相模「あ、はぐらかした……もう~」

八幡「とにかくそういうことだ。喫茶店に来てるんだし、なにか頼むだろ?」

相模「あ、そうだね。ここ、比企谷のおごりでっ!」

八幡「ちゃっかりし過ぎ…そっち呼んだのに…」

次の日


八幡「今日はいい天気だ…でも眠い…」

三浦「あ、ヒキオ…」

八幡「おう…三浦か」

三浦「ん」

八幡「なんか、普通に挨拶するようになったよな…」

三浦「まあ、成り行きであんなことになったし?」

八幡「知らない奴が聞いたら、誤解するようなセリフですね」

三浦「昨日はどうだったん?あの後」

八幡「相模とか?」

三浦「そう」

八幡「気になるのか?」

三浦「別に、まあちょっと興味本位?」

八幡「気になるんですね…別になにもないっての、喫茶店おごっただけだ」

三浦「あんた太っ腹だし…」

八幡「おかげで、お金が大変になってますけどね…今度は三浦だからな」

三浦「はいはい、ていうか隼人に奢らせてよ」

三浦「……ちょっと、ヒキオ…」

八幡「なんだ?」

三浦「あれ…相模じゃん」

八幡「あ、そうだな…」

三浦「それに一緒にいる女って…」

八幡「知ってるのか?」

三浦「たぶん、あいつは…」

女子「なによ、話って?」

相模「あのさ、言わなくてもわかると思うけど…」

女子「な、なにが?」

相模「彫刻刀で文字掘ってくれたのあんたでしょ?」

女子「な、なんのことよ…?」

相模「いや、目撃したし」

女子「………」

相模「もうさ、うちのこと嫌いでいいから二度と変な真似しないって誓ってよ」

女子「な、なによ…ずいぶん強気じゃない…」

相模「そりゃ、勇気もらったしね」

女子「…あんただって、ああいうことしてきたでしょ?」

女子「ほら、比企谷だっけ?ああいう人種に」

相模「それ言われると痛いんだけどさ~」

相模「さすがに彫刻刀使ったり、あそこまではしてないけど」

女子「今更、自分の立場悪くなったからって、勝手じゃないの?」

女子「比企谷もなんであんたの味方みたいなんしてるんだか」

相模「自分がやられてみてさ、色々後悔とか大きかったんだ、友達もなくしたし」


相模「それでも、うちに協力してくれてるし…」


女子「……」

相模「うちが本当に言えることじゃないけど…お願いだからさ」

相模「自分が孤独になってやられた時のこと考えてみてよ」

女子「……」

相模「うちも少しずつ変わっていくから…じゃあ、お願いね」


スタスタスタ


三浦「なにあれ?」

八幡「相模だろ?」

三浦「そういうことじゃなくて…ヒキオ、昨日なんかあったん?」

八幡「いや、特には…相模の決意を聞いただけだけどな…」

三浦「それだけ?ほんとに?」

八幡「そ、それだけだよ……」

三浦「あっそ、ふ~ん」

八幡「ちょっと怖いですよ、あーしさん…」

三浦「ま、相模にあとで聞くし」

八幡「いや、だから怖いですって…」


昼休み

相模「え~、比企谷…見てたの…?」

三浦「あーしもだけどね」

相模「三浦さんもか…」

八幡「ま、たまたまだけどな」

葉山「しかし、どういうことだい?」

相模「う、うん…」

三浦「どーせ、あーしらといるんだし、心配しなくても良かったんじゃない?」

相模「そうだけどさ…できる限り、自分の力で解決に持って行かないとって思ってさ」

三浦「ああいうのこれからも地道にやっていくわけ?」

相模「まあ、ゆっくりだけどさ…わかってくれる人もいるじゃん…だから」

八幡「…」

葉山「ふむ…」

相模「ど、どうかな…?そういうの…?」

三浦「……」

葉山「いいと思うよ。なんにせよ、現状の状況以外に自分で動くのはいいことさ」

八幡「ま、人それぞれだからな。雪ノ下とかもそういうことしそうだ」

葉山「ひとりひとり潰していくということかな?」

八幡「そういうこと」

相模「さすが雪ノ下さん…」

三浦「いいんじゃない?相模が決めたことなら」

相模「うん、ありがとう三浦さん」

三浦「つっても、このグループが変わるわけじゃないし?」

葉山「もしも、うまくいかなくても俺たちがサポートするさ」

八幡「まあ、依頼だからな…」

相模「みんな…うん、ほんと、ありがとね…うちなんかの為に」

八幡「相模」

相模「えっ?」

八幡「無理はすんなよ」

相模「うん、わかってるって」

三浦「なにこの感じ…」

葉山「う~ん、二人きりにしてあげた方がいいのかな?」

奉仕部

一色「それで、いい感じに行ってるんですね?」

八幡「まあ、まだ始まったばかりだけどな」

一色「そっちもですけど、相模先輩といい感じなんですよね?」

八幡「なんのこと言ってんの…?」


結衣「ヒッキー…」

八幡「いや…由比ヶ浜…別に…」

結衣「やっぱり、さがみんと…」

八幡「なんのことだよ…俺は別に遠くに行ったりしねぇし」

結衣「ならいいんだけど…」

八幡「…」

雪乃「はっきりしないのね二人とも…」

結衣「うう…だってさ…」


雪乃「それにしても、相模さんも彼女なりに前に進もうということかしら?」

八幡「みたいだな」

雪乃「そう何よりね。彼女を少し見直したわ」

八幡「お前も同じ立場ならそういうことしそうだけどな」

雪乃「私の場合は恐怖を植え付けるでしょうね」

八幡「さいですか」

結衣「さがみんもよかったね、やっぱりいじめなんて辛いだけだもん」

八幡「そうだな」

結衣「あのさ、今日お祝いも込めてどっか行こうよっ」

雪乃「あら、いいわね。そうしましょうか」

一色「さんせいさんせい~~!」

八幡「え、俺も行くの?」

結衣「当然じゃんっ!」

八幡「まあ、今日くらいいいか…」

結衣「ホントは二人がよかったんだけどね」

八幡「はい?」

結衣「ううん、なんでもないよ」

ワイワイ

相模「あ、奉仕部楽しそう…お邪魔しようとしたんだけどな」

相模「でも、それはまだ失礼かな…?」

相模「よ、よし…今日は帰ろうかな…うん」


スタスタ


相模「でも…負けないし…うん。結衣たちにもうちを認めてもらわないとっ!」

相模「三浦さんや葉山君とのこともあるし…色々やること増えてきたかな」

相模「でも、そんなに悪い気はしないな、むしろ楽しいかもっ!」

相模「比企谷待っててよねっ!絶対うちのこと認めさせてやるしっ!」


相模「そ、それから……」

相模「……もにょもにょ」



三浦「何やってんの?ヒキオは?」

相模「今日は奉仕部で忙しいから無理みたい」

三浦「なにそれ、たく…」

葉山「まあ、今日は俺たちだけで出かけようか」



相模「うんっそうしよっか、それから、明日からもがんばれ、南っ!」



おわり

これにて終了です
見ていただいてありがとうございました

続きもう少し待ちください
ここに投稿していきます

2部です

相模「だからさ、うちに関わらないでほしいんだけど」

男「なんだよ急に…俺黒板消ししか設置してないだろ…?」

相模「だからそういうのもうやめてって言ってんの」

相模「そもそも、男が介入してるだけでありえないし」

男「お前、俺のこと見下したような目で見てたことあったじゃねぇか」

相模(あったっけ…?こういうの言われると弱いわ…)

相模「じゃあ、これでお相子にしてよ。うちももうあんたにそんなことしないから」

男「……」

相模「じゃあ、そういうことで、よろしく」

スタスタ


相模「は~…これで何人目だっけ?うまく言ったかな?」

相模「…」

スタスタ

チラチラ チラチラ

相模(なんか見られてるけど、聞こえるように悪口言われるのもなくなってきたかな?)


相模「これも比企谷や三浦さん、葉山君のおかげだよね…マジ凄すぎ」

三浦「独り言とかマジキモイんだけど」

相模「ひゃっ!?み、三浦さん…!?」

三浦「なにビビってんの?」

相模「あ、ううん…なんでも…」

相模(この人、無意識に怖がらすからな~比企谷の気持ちも分かる気がする)

三浦「地道にやってんの?一人一人と話つけるの」

相模「う、うん…」

三浦「そ」

相模「変かな?」

三浦「前も言ったじゃん、別に変じゃないって」

相模「あ…そうだよね…」


三浦「手ごたえはどうなん?」

相模「手ごたえか…まだわからないけど、わかってくれる奴もいたよ」

三浦「ふ~ん、そうなんだ」

三浦「ま、ああいう連中とは一回正面きって話した方がすっきりするかもね、お互い」

相模「うん、それは思った」

三浦「頑張ってるじゃん、相模も」

相模「あ、ありがと……」

三浦「まあ、がんばってるのは、あんただけじゃないけど」

相模「うん、三浦さんたちのおかげだし、今のうちがあるの」

三浦「そういう意味じゃなくて」


相模「え?」

三浦「てかさ、ちょっと聞きたいんだけど」

相模「うん…?」


奉仕部


結衣「……」

雪乃「由比ヶ浜さん…」

結衣「変かな?あたしの考え…」

雪乃「そうね…一般的に考えれば…そうかもしれないわね」

結衣「だ、だよね…さがみんのこと目の敵にしてるみたいだもんね」

雪乃「でも気持ちはわからないでもないわ」

結衣「ゆきのん…」


雪乃「比企谷くんが、誰かと付き合うことで遠くに行くのが嫌なのね」

結衣「あ、えと…その…」

雪乃「わかってるわ、相手が相模さんというのが嫌ということでしょう?」


結衣「……」

雪乃「比企谷くんにあんなことをした張本人だものね」

結衣「うん…やっぱり、ちょっとおかしいかなって」

結衣「ねえ、ゆきのん…あたしどうしたらいいかな?」

雪乃「そうね…」

雪乃「由比ヶ浜さんが付き合えばいいんじゃないかしら?」

結衣「え、ええ~~!?」

雪乃「?そんなに驚くこと?」


結衣「え、あ…そ、そうでもないの…かな?」

雪乃「今年のバレンタインデーでもああいうことあったのだし」

雪乃「もう隠しても意味がない気がするけれど」

結衣「ううう……」


雪乃「私もあれから考えたという話はしてないかしら?」

結衣「え?うん、聞いてないかも」

雪乃「奉仕部に入ってから、比企谷くんへの感情もずいぶん変わったように思うわ」

結衣「うん、そうだよね。ゆきのんもヒッキーも変わったよね」

雪乃「最初、恋人に間違われた時は不快だったけれど…」

結衣「あ…あたしが早とちりした時だよね…」


雪乃「ふふ、そうね…それで年末から、今年のバレンタインデーも経て…」

結衣「……」

雪乃「私なりに、彼への感情も考えるようになったの」

結衣「そ、それで…?」

雪乃「おそらく、私の感情は、まだ恋にはなってないと思うわ」

結衣「ゆきのん…」

雪乃「でも相模さんはどうかしら?正義の味方に救われてるようなものよ」

結衣「そ、それは……」

雪乃「相手が比企谷くんという恋愛はしなさそうな相手だけれど」

雪乃「由比ヶ浜さんの感情が前述のそれなら…やってみてはどうかしら?」

雪乃「あなたの不安や不満も解決するんじゃないかしら?」


結衣「ゆきのんは……いいの?ホントにそれで…?」

雪乃「なんのことかしら?私はそんな感情ないと言ったでしょう?」

結衣「嘘…へただよね」


雪乃「だ、だから、何を言ってるのか…」


結衣「声が震えてるよ、ゆきのん…」

雪乃「由比ヶ浜さん」

結衣「くす、ごめん、ゆきのん、あとさ…ありがとう」

今日はここまで

-------------------------

葉山「比企谷」

八幡「?なんだ?」


葉山「少し話さないか」

八幡「お前、最近その言葉多いな」

葉山「そうかな」

八幡「そうだよ…なに考えてる…」

葉山「人聞きが悪いな…別になにも考えてないさ」

八幡「嘘つけ」

葉山「ははは」

八幡「いや、全然さわやかじゃないからね?」

葉山「俺がさわやかというのも偏見だよ、別に特別さわやかじゃないさ」

八幡「はあ…」


葉山「それにしても…俺たちの新しいグループはよく考えると変だな」

八幡「今更過ぎる…」

葉山「もちろん前から思ってたよ」


八幡「三浦と葉山と俺ってだけでも変なのに、相模が入ってるからな」

葉山「確かに…でも彼女もがんばってるようで良かったよ」

八幡「あんな地道なことよく続けられるな」

葉山「俺たちがすることがなくなってきてるんだが」

八幡「それでいいんだよ、奉仕部の考えからすれば」

葉山「本人の自立を促す…だったかな」

八幡「ああ」


葉山「そうか奉仕部か…それでなんだけど…」

八幡「ん?」

葉山「少しは…噂になったりはしてるのかい?その…奉仕部で」

八幡「なにが?」

葉山「俺たちの新しいグループのことだよ」

八幡「いやまあ…当然だろ」

葉山「そうか、ならいいんだが」

八幡「…」

葉山「あ、まあこの話はいいさ」

八幡「お前……」

葉山「はははは…」

八幡「ポイント稼ぎか」

葉山「ま、まあいいじゃないか少しくらい」

八幡「元々協力するって言ったのも、そこが大きいんだろ」

葉山「…否定はできないな」

八幡「俺も責める気はないけど…」

八幡「お前のファンは幻滅するかも…」

葉山「いいさそれは。いつまでも作り物の俺ではいられないし」

八幡「なんか、変わったな…お前って…」

葉山「優美子にも辛い思いをさせてしまったしね…」


八幡「…」

葉山「それで…彼女は俺のことを何か言ってるかい?」

八幡「やっぱり葉山、変わってるな……」

葉山「比企谷に言われたくはないな」


八幡「ま、いいけど…由比ヶ浜は葉山のこと何か言ってたかな…」

葉山「そういういじわるはズルいぞ…」

短いですがここまで

このSSまとめへのコメント

1 :  十   2015年08月29日 (土) 18:07:01   ID: wCisLE11

この話に期待を付けるなって言われても俺は付けるぞ!

2 :  SS好きの774さん   2015年08月30日 (日) 01:33:15   ID: wYybI5z5

期待

3 :  SS好きの774さん   2015年09月05日 (土) 21:31:21   ID: lcCBUrQO

なんだよこれ!
面白すぎる!続き頑張れ!

4 :  SS好きの774さん   2015年09月05日 (土) 21:53:32   ID: yMtcsL06

期待だぁー!

5 :  SS好きの774さん   2015年09月11日 (金) 18:13:09   ID: drmRaR5S

いくら相模が悪いたってこのイジメはひどすぎる・・・
どうやって助けるのか期待すないわけがない!!

6 :  SS好きの774さん   2015年09月11日 (金) 23:38:25   ID: AO-DgxhB

時期的に期待できなくね??

7 :  SS好きの774さん   2015年09月19日 (土) 05:09:25   ID: trDIqUTC

普通に面白いわ
続き待ってる

8 :  SS好きの774さん   2015年10月13日 (火) 00:09:04   ID: UGFBAuPw

池沼ヶ浜サイコ~

9 :  SS好きの774さん   2015年10月23日 (金) 00:45:20   ID: sbpyfnki

どうでもいいことだが絶対に葉山とゆきのんはくっつけるなよ

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