【ミリマス】可奈「がっ……て、手強い……!」 志保「…………」 (19)


あれは、夏の暑い日……。

わたしが暑い外から、クーラーのきいた天国に避難したとき。

思えば、戦いはそこから始まっていた。




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可奈「きょうも~♪ さんさんたいっようさ~ん♪ でもあついから~きょうはくもりにして~……♪」

ガチャ

可奈「す、涼しい~♪」

あずさ「おはよう、暑いのに可奈ちゃんは元気ね」

可奈「おはようございます!」ビシ

志保「おはよう、可奈」

可奈「志保ちゃん! 来てたんだ!」フンス

志保「次の舞台が決まったから、少し早く来ただけよ」

可奈「劇場はクーラーがきいてて天国だもんね!」

志保「……あなた、夏休み中ずっとクーラーのかかった部屋にいるの?」

可奈「ギクッ、ソ、ソンナコトナイヨー」

あずさ「暑いからって、あんまり文明の機器に頼りすぎると、体を壊しちゃうわよ?」

可奈「うぅ……反省しますー……」

あずさ「でも、その前に……」スッ

可奈「? ああー!」

あずさ「冷たい麦茶を飲んで、水分を摂りましょ?」カラン

可奈「やった! 冷たいむぎちゃは~♪ かなのイチオシ~ハナマル~♪ ランクイン~♪」

志保「うるさいわよ、少し静かにして」

可奈「ぎゃう……志保ちゃんが冷たい……」

志保「……冷蔵庫にアイスが置いてあったはずよ、それで口を塞いでなさい」

可奈「本当!?」

志保「一本だけよ?」

可奈「やったー!」

ダダダダ

あずさ「可奈ちゃん~私の分もお願い~」

<ハーイ

<……

<アアアアアアアア!!

志保「可奈!?」ガタッ

<……

志保「どうしたの!? まさか怪我でも……」

<ゴージャスセレブプリン!!

志保「……」

あずさ「あら、残ってたのかしら……?」

タッタッタ

可奈「ゴージャスセレブプリン! 『一個』残ってたよ!」

あずさ「……」

あずさ(ここは、大人の対応を見せつつじゃんけんに持ち込むべきね)キラン

ドドドドドド

あずさ「そうなの? せっかくだし、じゃ――」

志保「私はいいから、可奈にあげるわ」

可奈「え? 本当にいいの? やったー!」

あずさ「――な」

あずさ(先手を打たれた……! ここで可奈ちゃんに一言『私はいい』それだけで私への牽制と、あわよくば『半分こしよう』の一言を期待できる……!)

あずさ(なんて……策士なの……や、やられたわ……)

ドンッ!

ドバァ――――――――ッ!

ズドン!

あずさ「がふッ……」

可奈「え……?」

志保「……は?」ゴシゴシ

志保(錯覚かしら……あずささん、自分から吹っ飛んだわ)

あずさ「や、やるわね……志保ちゃん……げほっ」

可奈「!?」

志保「???」

あずさ「ゴージャスセレブプリン欲しさに、こんなにキツい一撃を喰らわせるなんて……」

可奈「そんな……志保ちゃん! 信じてたのに!」

志保「……馬鹿なこと言ってないで、早く食べなさいよ。あずささんも、食べたいなら食べたいと、そう言えばいいじゃないですか」

あずさ「なっ……」

ドンドンドンッ!

あずさ「きゃぁぁああああ!」

可奈「し、志保……ちゃん……」

可奈(早く食べなさい……つまり、『他人が欲しがってるものを卑しく完食してみなさい』って事ッ……恐ろしい、恐ろしいよ! 志保ちゃん!)

可奈「そんな、そんな発想が出来るなんてェェェ――――――――!!」

ゴッ

志保(縦に回転した!?)

グルングルングルン

ビタァ!

可奈「がっ……て、手強い……!」

志保「…………」

あずさ「かっ、可奈ちゃん……共同戦線よ! ゴージャスセレブプリン、略して『GSP』を半分こにする協定を結ぶわッ!」

可奈「!!」

ドドドドドド

志保(ならさっさと分ければいいのに)

可奈「は、半分……でも、ゼロよりはましッ!」

あずさ「そうよ! 共に攻勢に出るッ!」

ダッ

あずさ「志保ちゃん! あなたは舞台に出なきゃいけないわ! そう、減量する必要があるッ!」

あずさ(さあ、この攻撃、かわしてみなさい!)

志保「あっ……そういえば」

あずさ「来なさいッ! 北沢志保!」








志保「あずささん、今日はグラビアでしたよね?」

あずさ「――――え」

グァォォォオオオオオオオオオ!!

バゴン!!

あずさ「か……はッ……」

あずさ(だめ……なのね。蟻が象に挑むが如くッ……『ダンプカー』に突っ込めばこうなるのは一目瞭然ッ、自分の力量も……推し量れない……なんて……)

ギャルルルルルル

ドサ

可奈「ッあずささん!!」

あずさ「か、な……ちゃ……」

可奈「喋らないで下さい! なんで……なんであずささんがこんな目に!」

あずさ「きい……て……」

可奈「あずさ、さん……」

あずさ「わたしは、もう長くないわ……」

可奈「…………」

あずさ「わら……て……」

スッ

可奈「あっ……」

あずさ「…………」

可奈「わ、らえる……わけないよぉ……! あずざざん! めをざまじで!」

志保「…………」

可奈「あずざさん!」

ゴゴゴゴ

志保「……ふん、やっと死んだわね」

可奈「!!」

志保「これで、GSPは私のものよ」

可奈「志保……ちゃん」

志保「何かしら?」クスクス

可奈「よくもッ、よくもあずささんをォォォォ――――ォォオオおおおおおッ!!」

志保「掛かってきなさい!」ファサァ

可奈「ォああああああああ!」

可奈「志保ちゃんは劇に出て大変だからバランスのいい食事を心掛けるべき! おやつは3時に!」

ブン!

サッ

可奈(効いて、ない……!?)

志保「……おやつは3時、ね」

志保「これはおやつではないわ。『差し入れ』よ!」

ゴッ

可奈「うぅッ!」

チスッ

可奈「かすっただけでもこの威力……!」

志保「可奈、あなたさっきから『アイス』に『プリン』、随分と糖分が多いわね」

可奈「こ、この技はッ!?」

志保「また太るわよ?」

ドドドドドドドッ!

バギャァァァアアアアア!!

可奈「うわぁぁぁぁぁああああ!!」

ゴロゴロゴロ

志保「口ほどにもないわ」

スタスタスタ

志保「この至高のプリン、誰にも渡さないわ……わたしだけの物よ。あはははははははっ!」

可奈「ま……まだ!」

志保「なんですって?」

可奈「まだ負けてない!」

志保「ふっ……摂取カロリーごときに突き崩されるあなたに、何ができるのッ!」

ドッ!

可奈(強い……でも、まだ倒れてはいない!)

可奈「うぉぉおおおお!」

志保「!!」

可奈「志保ちゃん! 『二人』で食べよう!」

志保「なん……だと……」

可奈「カロリーは半分!美味しさは二倍!」

ガガガガガガガ!!

志保「くっ……!」

ズサササァ

志保「意外ッ……ここに来てなんという爆発力!」

可奈「まだまだッ! GSPに……志保ちゃんの淹れるコーヒー!甘さと苦さのダブルコンボ!」

志保「あなたのに牛乳は入れないッ!」

ドン!

可奈「ぐっ……」

志保「トドメよ! 砂糖も抜き――」

可奈「今だ!冷房の電源をオォォ――――――――――ォオオオオフ!!」

ピッ

ウィィィィイイイイン

志保「…………」ジワッ

可奈「…………あづい」タラ

志保「……止めにしましょ」

可奈「うん、普通に半分こにしよっ」

ピッ

ウィィーン

可奈「ああ^~冷房すっごく気持ちいい~」

志保「砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを淹れるわ、それなら飲めるでしょ?」

可奈「うん!」

テキパキ

あずさ(……………………)

あずさ(私は、何を……やっていたのかしら……?)ブワッ




















ガチャ

律子「おはようございまー……あ゛?」

ゴチャー

志保「あっ」

可奈「あっ」

あずさ(あっ)

律子「…………」プルプル

志保「り、りつ」

律子「志保」ギロリ

志保「ッ!」ビクン

律子「可奈」ギン!

可奈「はひ!」

律子「あずささんも!」

あずさ「」ビクッ

律子「そこに直りなさぁぁぁぁああああい!!」

「「「ご、ごめんなさーい!」」」




律子オチは基本。終わって(嘆願)

お、おつです

>>2
矢吹可奈(14) Vo
http://i.imgur.com/X2TZBlB.jpg
http://i.imgur.com/CPwGbLL.jpg

>>2
三浦あずさ(21) Vo
http://i.imgur.com/2XKA7dQ.jpg
http://i.imgur.com/vPms5xU.jpg

>>2
北沢志保(14) Vo
http://i.imgur.com/sAu97k7.jpg
http://i.imgur.com/PD51uPh.jpg

>>12
秋月律子(19) Vi
http://i.imgur.com/W5CdO6R.jpg
http://i.imgur.com/XAqvCns.jpg

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