男「底辺、ブラック、貯金10万」 (40)


男「両親死別。アパート一人暮らし」


男「どないせっちゅーんじゃッ!」

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男「このままじゃ結婚もできやしない」


男「アパートの一室で男性の白骨死体、ゴミに埋もれた状態で発見。孤独死か?」


男「謎はすべて解けたッ!」

男「いやでもまだ諦めたくない。まだ希望はある」


男「J-POPとかもそう言ってたし」


男「でもおれなんかがどうすれば・・・」


ピンポーン


男「あるはずのないチャイムがッ!心霊現象だッ!」


ガチャ


幼馴染「なにこの豚小屋?あんたこんな所で生活してんの?」



男「お、おまえはッ!」

男「幼馴染!なんで俺の家に!?」


幼馴染「あんたこの辺に住んでるって近所の高校生がライングループで爆笑してたから来ただけだしっ!」


幼馴染「からかって野郎と思ってきただけだしっ!うわっ!なに幼馴染が急に訪ねてきて恋愛発展とかきもい妄想全快で待ち構えてんのよっ!」


幼馴染「あんたのそういうところほんと好きっ!」


男「社会に出てまでガキのネタになるとか人生積んでるじゃねーかっ!つーかからかい目的なら帰れよっ!」


幼馴染「ちょっとお茶くらい出しなさいよっ!せっかく来てあげたんだからっ!」


男「うるせ-!お茶くらい出してやるよ!おーいお茶だ!これ飲んだら帰れっ!」ダン

幼馴染「いただきます」


グビグビ


幼馴染「・・・ふぅ」


男「なにくつろいでんだよ!さっさと帰りやがれっ!」


幼馴染「あんたさ?今なにしてんの?」


男「お前を追い返そうとしてんだよ!帰れ帰れ!」


幼馴染「はぁ~、社会人としてちゃんとした会話をしなさいよね」


男「なんだよ!馬鹿にしてんのか!」


幼馴染「正解」


男「ムキーーーーーッ!」

幼馴染「で?今働いてんの?」


男「働いてるよ!必死で!2週間ぶりの休暇を満喫してたところだよ!」


男「だからおれは今日でまた4週間乗り切る体力を培わなきゃならないんだよ!だから帰れ!」


幼馴染「はぁ?あんた何言ってんのよ?土日祝は休みでしょ?普通」


男「そんな殿様みたいな生活あるわけないだろ!都市伝説だよ都市伝説!」


幼馴染「でもそんなに働いたら給料いいんでしょ?よかったじゃない」


男「手取りで13万だよ!ボーナスなしの13万!生活カツカツだよッ!」


幼馴染「ジンバブエで働いてるの?」


男「日本だよッ!」

幼馴染「・・・あんたの会社の名前教えて」


男「は?なんで?」


幼馴染「いいから」


男「サイバーエンジニアリングスーパーフリーエージェントだよ」


幼馴染「そう」ピッ


幼馴染「ああ、わたしだけど」


幼馴染「・・・そう、そこの会社の株を全部買っといて。え?上場してない?なら買収すればいいでしょっ!ネタがなけりゃ作りなさいっ!」


幼馴染「なにをやってもいいわ。ええ、お願い」


ピッ


男「なんだ?」


幼馴染「あんた明日から会社いかなくていいから」

男「はぁ?なに言ってんだよ?会社行かなきゃ飢え死にしちまうだろーが」


幼馴染「わたしがご飯つくってあげるわよ」


男「そういうこっちゃねーよ!寝るとこもなくなるだろ!」


幼馴染「いいじゃない。あ、わたしの所に部屋が一つ空いてるんだったわ。埋まるまでこっち住めばいいから」


男「いやいや、引越し費用もねーし「10万あるんでしょ?」


男「・・・なんで俺の貯金額知ってんだよ」


幼馴染「いいから明日はここに居なさいよ?わかったわね?」


男「んだよいみわかんね「返事はッ!!!」


男「は、はいっ!」


幼馴染「ふふふっ」

~翌日

チュン!


男「朝だちくしょー!」


男「くそ、昨日は幼馴染のやつが変なこと言ってたが」


男「クソリーマンの俺は満員電車に乗って痴漢冤罪に間違われないよう1時間40分のホールドアップが平日の日課になってんだ!」


男「糞女共[ピーーー]ッ!」


ピンポーン


男「誰だ!」ガチャ


幼馴染「ハロー」フリフリ


男「なんだよ!今いそがしいんだよ!」


幼馴染「なに?荷造りしてなかったの?たいした荷物もないくせに」


男「うるせー!昨日の与太話に耳を貸すほどブラック企業は待ってくれねぇんだよっ!」


幼馴染「ああそう、社長にそんな態度とるんだ?」


男「えっ?社長?どこ?どこ?お疲れ様ですッ!・・・どこにいるんだよッ!」


幼馴染「ここよ」

男「おいおい頼むから今いそがしいんだよ。4週間後にしてくれよ」


幼馴染「その勤務日程も今日から変わるからね」


男「オラいそがしいんだボケ!さっさと帰れ!」


「男君!社長になんて態度をとっているんだね君はッ!」


男「あれ?常務?なんでここに?」


ブラック企業の常務と平社員は非常に近しい存在だ!


これを求人広告では風通しの良い社内と言う!


男(くされ常務の顔見る心の準備をしてなかったぜ)


男「ちょっとトイレ」



おえーーーーーっ

「だいたい君は普段の服装から態度からうんたらかんたら」


男「幼馴染・・・こうまでして俺に嫌がらせを・・・」


幼馴染「違うわよ!というよりあなた!」


「は、はっ!なんでしょうか社長!」


男「本当に社長かよ・・・」


幼馴染「さっさと用件を伝えて帰りなさい!」


「はっ!では・・・男君、君に転勤のお知らせだ」


男「は?転勤?」


「これが辞令書だ」


幼馴染「では帰りなさい」


「はっ!」スタコラー


男「・・・なんだよこれは」

幼馴染「現実を受け入れたようね」


男「本当に社長かよ。常務のいたずらじゃねぇのかよ!」


幼馴染「違うわ。昨日あなたの会社を買収してわたしの会社の完全子会社となりその経営は全てわが社が収めることになりました」


幼馴染「ちなみにその辞令所はあなたがわたしの所で働く旨を伝えるものです」


男「お前の所で?」


男「はっ!無理だろ!俺はこう見えて偏差値43の底辺工業卒のIT土方だぜ?」


男「お前の所ってあれだろ?世界のなんちゃらって言われる5大商事の一つだろ?」


男「名門大卒のやつらの中でCSCとサーバーオペレーターしかやったことない俺がどうやって働くってんだよ」


男「名詞の交換の仕方も知らねぇよ俺は!」


幼馴染「あんたがうちの会社で働けるわけないじゃない?アホか」


男「ムキーーーーーーッ!また馬鹿にされたーーーーーーッ!」

幼馴染「ちゃんと話聞いてたの?”わたしの所で働く”って言ってんの!」


男「はい?」


幼馴染「だからあんたはこれからわたしの専属秘書になるのよ!わかった!?」


男「・・・」


幼馴染「早くしなさい。荷物は後でとりにこさせるから」


男「絶対にいやじゃぁぁぁぁぁぁああああッ!」


幼馴染「な、なんですってっ!?」


男「俺は秘書と看護士とヘルパーとスチュワーデスには死んでもならねぇって決めてるんだッ!誰が秘書なんてやるもんかッ!」


幼馴染「な、なによその職業差別はッ!秘書も立派な仕事じゃないのっ!つーかあんたの今までの仕事の3倍ましよっ!」


男「IT土方なめんなっ!だいたい知り合いに雇われることがなによりいやなんじゃぁぁぁっ!」


幼馴染「・・・知り合い?」ピク

男「そうじゃ知り合いにやっかいなるほど俺は ドスゥッ!


男「ぐえっ・・・は、腹パン・・・」


幼馴染「ごめんね?痛かった?」スリスリ


男「ちょ、朝食吐きそ・・・食ってなかった・・・」


男「・・・」


バタ



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男「はっ!なんだ夢か!」


幼馴染「違うわ。現実よ」


男「ぎいやあああああああああああっ!」

幼馴染「ちょっと大声ださないでよ!うるさいわよ!」


男「どこじゃここはっ!お、おれん家にいたはずだっ!」


幼馴染「ここは会社のプライベートルームよ。まぁわたししか入れないけど」


男「どこぞの一流ホテルくらい煌びやかな装飾。これが会社の私物化か」


幼馴染「全部ポケットマネーよ」


男「そ、それよりお前おれに・・・うぐっ、腹いてぇ」


幼馴染「大丈夫?お薬飲む?」


男「うるせぇ!お前が殴ったからだろ!」


幼馴染「ちゃんと危険手当はつけるわよ」


男「原発作業員じゃねぇんだからそんな明細みたことねぇよ!つか金で解決しようとするな!」


幼馴染「ごめんね?本当痛かったでしょ?」スリスリ


男「なんじゃあお前は!」


幼馴染「男がわたしのこと”知り合い”だなんていうからつい手が出ちゃったのよ」


男「知り合いだろ!それ以外なにがあるんだよ!」


幼馴染「あら?まだ2,3発足りなかったかしら?」


男「ひっ!」

男「・・・一度話を整理しよう」


幼馴染「どうぞ」


男「昨日幼馴染がうちの会社を買収して経営からなにから全て幼馴染の会社で行うことになった」


幼馴染「人員整理はしてないわよ?」


男「幼馴染の会社ってのが所謂5大商事で普通に考えてうちの会社なんかを買収するメリットがない」


幼馴染「まぁそうね」


男「そんな中突如俺にだけ辞令が下り、幼馴染の専属秘書として働くことになった」


幼馴染「理解が早くて助かるわ」


男「・・・質問があります」


幼馴染「なにかしら?」


男「買収なんてそう簡単にできるんでしょうか?」


幼馴染「それは男の知るところではないわ」


男「・・・じゃあなんでうちの会社なんかを買収したんでしょうか?」


幼馴染「必要な人材がそこにいたからよ」


男「・・・最後に、なんで俺だけ幼馴染の秘書として働くことになったんでしょうか?」


幼馴染「あなたがその必要な人材だったからよ」


男「・・・質問を終わります」


幼馴染「疑問は解けたかしら?」

男「・・・」


幼馴染「あら?まだなにか考えているの?」


幼馴染「質問してもいいのよ?」


男「・・・」


男(いや、これは非常にまずいことになった)


男(どうかんがえても技能的におれが秘書として有能である確立は限りなく0に近い)


男(この左腕の黒龍が目覚めない限り!)キリ


男(・・・つまり幼馴染は必要でない会社、人材ごと”おれ自身を”買い取った”ということになる)


男(そこまでする動機は・・・)


男「なぁ、昔話をしようぜ」


幼馴染「いいわね」



~男5才くらい


母「あんた!もう金がないよ!今月の支払いどうするのっ!」


父「か、会社がみつからないんだ!失業保険はどうなってる!?」


母「もう今月で終わりだよ!はやくしないと飢え死にしちまうよ!」


父「そ、そんなこといわれても・・・このご時勢だ。老年を雇ってくれるような所なんて・・・」


男「父ちゃん母ちゃん!お腹すいた!」


母「・・・ちょっとまってな」


父「・・・」






店員「奥さん?これレジ通してないでしょ?」


母「言いがかりつけるんじゃないよ!たまたまかばんに入ってただけでしょうが!」


店員「警察呼ぶから、後家にも連絡しますから」


母「ごめんなさいぃぃぃぃぃっ!け、警察だけは勘弁してくださいぃぃぃぃぃぃっ!」

幼馴染「ねぇパパ。庶民はこんな農薬だらけの野菜を口にしてるの?」


「そうだよ?庶民の方々が我々の肥しになるんだ。彼等の寿命が縮もうが一切関係ないんだよ?」


幼馴染「ふーん」


幼馴染「?」


タッタッタ


男「・・・」


幼馴染「よっ!なにしてんの!」パン


男「あ、幼馴染」


男「なんでこんな所に?」


幼馴染「このスーパーうちの会社が買い取ったの、だからパパの視察?についてきてるの!」


男「そう」


グゥゥゥゥ


男「///」


幼馴染「あんたお腹すいてるの?」


男「うん」


ゴメンナサイィィィィィィ

幼馴染「なんか入り口の方がうるさいわ」


幼馴染「行ってみましょ!」



母「警察だけは勘弁してくださいぃぃぃぃぃっ!」


店員「ここで騒いでもダメだから!とりあえず事務所来てください!」


母「ほんまかんにんしてくださいぃぃぃぃっ!」



幼馴染「なにあれ?女の人が地べたに頭つけてるわ」


男「あ、母ちゃん!」


幼馴染「えっ!?」



母「すみませんっ!すみませんっ!・・・あっ!男!こっちきなっ!」


母「あんたからもあやまるんだよっ!」


母「すみませんっ!子供に食わしてやりたかっただけなんでうぅぅぅぅっ!ほんま出来心なんですぅぅぅぅっ!」


母「ほらっ!あんたも頭さげるんだよ!」


幼馴染「ちょっとあんた!男になにさせてんのよ!」


母「・・・誰だいあんた?」

男「友達の幼馴染だよ」


幼馴染「・・・友達?」ピク


男「近所のでっかい屋敷の・・・ ドスゥッ!」


男「は、腹パン・・・」


ドサ


「一体なんの騒ぎかね?」


店員「あっ!社長!」


店員「いえ、ちょっと万引きがあったものですから、すぐに場所を移動しますので!」


幼馴染「ねぇパパ、この女の人、男のママなの!なんとか助けてあげて!」


「ふむ・・・」



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母「ありがとうございます!ほんまありがとうございます!」


幼馴染「それじゃあ約束忘れないでよね!」


母「わかってるよ!心配しなくてもわたしがなんとかするから!」


幼馴染「絶対よっ!」


母「それじゃあ失礼します!」


男「」ダラーン


幼馴染「・・・ふふふっ」

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