男「…なぜ?」少年「知りませんよ」【GANTZ】 (3)

どこかで見たGANTZとネギまのクロスをリスペクトして作ります。

設定ばかりを拝借したオリジナルです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439977979

人ひとり入らない深い深い森の中では、ありとあらゆる植物が好き放題に生育しているそうだ。その植物の多さや、そこで発生する濃霧などから自殺の名所としても名高いここは確かに、人が死んだらまず見つけられることは難しいだろう。

だが、死にに来たのではない。

彼らは今、戦っているのだ。





昆虫型の敵。ハチやらカブトムシやら色んなのが、人間大になって気味が悪い、と思うのは二流だ。いや、もしかしたら三流以下かも知れない。

「照間ァ! ぐっ……そっち頼むっ………ぎゃふっ」

「こんなザコに……くそっ ……殺されてんじゃねえよ!」

数が多い。幾ら何でも疲労が来はじめた。


シュバン ブシューーー

「あっぶね……左手が……」

間一髪避ける。今のは油断していた。俺の悪い癖だ。

「……は?」

左手が無い。正確には、肘から上が。

(いやいや嘘だろ……切られたことにも気づけないほどの速度とハードスーツを無視する攻撃力だと? 日本にそれだけの星人がいたってことかよ)

目の前のカマキリの右前足は血でてらてらと光っている。

一方、俺の切り落とされた左腕は先ほどまでいた所に落ちている。

(この疲労状況の中……こいつを殺せってかよ)

地面を強く蹴って木々の中へと姿を消す。奴も同じ方向へ追ってきた。

!!!

間一髪、殺気を感じて大きくジャンプする。闇の中で月明かりが照らしたのは、巨大カマキリが森林伐採を行う所だった。

(腕伸ばせんのかよ!)

だが、跳んだのは不味かった。奴は数メートル先からこちらを見据えると、飛んで来たのだ。


(翅!? マズイ!)

右足のXガンを取り、空中で撃ち抜く。だが、タイムラグは大きかった。

飛んできた奴は空中で身動きの取れない俺を鋭利な鎌で右肩から左腰、左肩から右腰に、十字に斬り裂いた。

切り裂かれ、身体が地に落ちる寸前、俺は後悔を繰り返した。なぜ跳ぶという選択をしたのか。なぜハードスーツを持ってこなかったのか。なぜ、なぜ……


だが最も大きかった後悔は、戦いしかなかった俺を救ってくれた2人になんの恩返しも出来なかったことだった。

(許してくれるか……?)

2人の顔が浮かんだ。


頭部が地面に落下した。その衝撃で意識が薄らぐ中、破裂音が微かに聞こえ。

温かい液体が降ってきた。

BOSSを倒せた、という即物的な喜びに微笑む。








俺は死んだ。

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