爺
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ミスった
寝ていた時、夢を見た。
はっきりと鮮明に覚えている夢で、何処かはっきりとした夢だった
「という訳で君に与えるアルファベットの頭文字は"G"じゃ」
唐突にそう云ってきたのは頭がテッカテカの爺。
「すんません、唐突に何を言ってらっしゃるんですかハゲ頭」
「おお失礼、私は、そうだね、賭け屋、とでも言っておこうか、君の右手にアルファベットのGが描かれているじゃろ。その"G"の文字は英単語の頭文字での、何かを呼び寄せるとき、その頭文字が付く言葉を叫ぶ事で発動する事が出来る」
話は分かるが何を言っているのかは分からん。
「ふむ、例えばFと言うアルファベットがある。そのアルファベットが頭文字になる言葉を口にすれば、その能力が実現するのじゃ、例えば……Flame(炎)」
爺が口にした瞬間、爺の掌から炎が溢れる。
「っと、このように、"I"ならIce(氷)、"T"ならTree(木)となる」
はあ、今さっきの実演で大体分かった、英単語でその頭文字を言葉にすれば、それが実現するって訳だ。
「但し、原則能力は一つとする頭文字が付くもの全てがOKなったら、"K"の頭文字はKill(殺す)と叫べば事が済むし、何より面白くないしのぉ」
「……はあ、じゃあ俺の"G"の文字は一体何なんですか?」
「それは………うん、教えたらつまらんじゃろ、数ある単語の内、自らの能力を見つける、それこそが能力バトルの醍醐味って奴じゃよ」
マジかよ。
「うむ、それではそろそろ、お主が夢から醒める時間じゃ、それじゃあの少年よ」
「………」
夢を見ていた、野郎と二人きりになる夢。
ひとまず、その爺は何か言っていたが、そう、頭文字がなんたらかんたら。
右手をあげると、確かに右手にはアルファベットの"G"が痣の様に記されていた。
もしあの夢が本当ならば、Gを頭文字にした英単語を口にしたら、能力が発現するんだよな?
「………Gun(銃)」
―――出ない。
「…………Gravity(重力)」
―――何も起きない。
「…………Game(ゲーム)」
―――何事も起きる気配すらしない。
つーか夢だよ、やっぱりあれ、何か起きる訳ないし、ただの鮮明な夢だし。
「馬鹿げてるわな、本当に」
丁度いい時間だし、学校に行くか、飯は購買で買えばいいし。
………。
「一応、辞書持って行くか…………」
「Ground(地面)―――Grudge(恨み)―――Guilty(犯罪)―――」
「…………ねえ、今日英語のテストってあったっけ?」
「うぉ!!って、委員長かよ、驚かすなよ馬鹿」
教室での出来事、何時も通り底辺の位置にいる俺は電子辞書片手にGの付く能力を検索中。
で、その時に限って委員長でもあり、俺の幼馴染でもある子が話しかけてきやがった。
「ふんふん、勉強しない君が英語の勉強とは見直したよ」
違うと言いたいが、夢の中での出来事を引きずっている、何て言えばそれどんな中二?と返されるに決まっている。
そのため、こいつの思うとおりに、勉強って事にしといた。
「うん、Gに付いて勉強中でさ」
「分からないことあったら聞きにきなよ、私も英語を勉強しててね、それなりに答えれると思うよ」
「あぁ、分かった」
そう云って立ち去る委員長。
さて……辞書に載っている言葉はあらかた口にしたが、未だに確信に迫った言葉が出てこない。
もしや造語?いやいや、それだとほぼ無限に近い単語を口にしなければいけなくなる。
「あ、そうそう、そう言えば」
「あん?」
何だ、まだ何かあるのか?
「Dwarf(小人)」
「!?」
委員長が言葉にした英単語、その言葉が実現するかのように、人の目の死角になる場所で、小さな生物が出てきた。
「さて、何か聞きたそうな顔をしているね、"力になるよ?幼馴染くん?"」
ありきたりじゃね?と思いつつも、首を縦に降る。
場所は移って屋上、これまでの経緯を委員長に話した。
「ふ~ん…………成る程、"G"か………」
「……一応、委員長もその文字、持ってるんだよな?」
「うん、右手に書かれてある痣でしょ?ほら、私は"D"で、能力はDwarf(小人)、一応ネットで調べたんだ」
「ネットで?やほー知恵袋?」
「いや、にチャンネル」
「うぇ!?」
まさか優秀そうな委員長がネラーだったとは……いや、このご時世だ、そんな所を見る奴も居る。
少しばかりイメージが崩れてもしょうがない事だ、うん。
でも、何だろう、このアイドルがトイレ行ったときの幻想が砕けたような感覚。
「ほら、君も使うといい、スレ立てて今までの経緯を……いや、それより私が立てたスレでも使うとするか」
と、持ってきたタブレットでぽちぽち押してると、そのまま画面を此方に見せてきた。
【そんな能力で】何かおじさんに能力貰ったんだけど5スレ目【大丈夫か?】
1:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
代理
2:以下、名無しにかわりましDの意思がお送りします
》992いやそこはダイナソーでいいじゃん
3:以下、名無しにかわりましてがDの意思お送りします
》1建て乙
226:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
んで、結局》1の能力は"Dwarf(小人)"に決定したの?
227:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
》72如月さんは帰って、どうぞ
「まじかよ……5スレ目って………」
そこは釣り乙とかで終わるはずだろ、スゲーなにチャンネル。
「えっと…………」
【そんな能力で】何かおじさんに能力貰ったんだけど5スレ目【大丈夫か?】
1:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
代理
2:以下、名無しにかわりましDの意思がお送りします
》992いやそこはダイナソーでいいじゃん
3:以下、名無しにかわりましてがDの意思お送りします
》1建て乙
229:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
》227千早は関係ないだろいい加減にしろ!!
230:1
学校からですがこんにちわです。
一つ凄い事になりました。
実は幼馴染も能力者になってました。
【そんな能力で】何かおじさんに能力貰ったんだけど5スレ目【大丈夫か?】
1:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
代理
2:以下、名無しにかわりましDの意思がお送りします
》992いやそこはダイナソーでいいじゃん
3:以下、名無しにかわりましてがDの意思お送りします
》1建て乙
232:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
》227千早はいない、いいね?
233:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
千早の人気に嫉妬
「何か以下千早スレになってるんだけど………」
「あははー………まあ、こんな日もあると云う事で」
いい感じに占めてんじゃねえよ。
「やっべぇ………何で焦ってるのか知らんけど………何か落ち着かん」
「うん、まあしょうがないよね、一応バトルロワイヤル方式だし」
……………今なんて言った?
「え?あはは、聞いてなかった?二十六名によるバトルロワイヤル、殺すも気絶させるのもよし、とにかく最後の一人になったらゲームは終了」
―――え?何?じゃあ俺とお前って敵同士?
「いやいや、身構えなくていいよ、一応は長い付き合いだし、殺す姿とか想像も付かない」
「………まあ、なあ」
「うんうん、だから当面はパートナーって事で、いいね?」
「……あぁ」
拳を突き出す委員長、仕方無しにその場のノリで拳を合わせる。
「ふう、よし、じゃあどうしよっか?もう昼休み終わりそうだし、教室にも、ど……」
タブレットを見て硬直する委員長。
どうかしたのか、と見てみると、先ほどのスレッドが立ち上がっている。
【そんな能力で】何かおじさんに能力貰ったんだけど5スレ目【大丈夫か?】
1:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
代理
2:以下、名無しにかわりましDの意思がお送りします
》992いやそこはダイナソーでいいじゃん
3:以下、名無しにかわりましてがDの意思お送りします
》1建て乙
266:iygいgひo:ugうぎうgo:gうg"T"
特定した、殲滅する
267:以下、名無しにかわりましてDの意思がお送りします
千早はかわいいだろいい加減にしろ!!
「は?なんだこれ?」
レス番号266。文字化けしている名前の欄に、強調するように"T"の文字が。
悪戯だろ、と思いつつ少しばかり垂れた冷や汗を拭った直後。
♪♪♪~~~~~
携帯電話が鳴り出した。
一体誰からか、まさか……そう思いつつ、電話に出る。
『…………』
「も、もしもし?」
無言。
しばらく待ってみても一言もしゃべれない。
数十秒ほどして、いたずら電話だと認識した俺は通話を切ろうとして―――
『三十秒経過、特定した』
そのボイスチェンジャーで声色を変えた声で、そう喋った。
ひ、と声を漏らして、思わず地面に電話を落とす。
しばらくの間が開いて、呆けていた俺は我を取り戻し、電話を手に取ると、既に通話は途切れていた。
ちと早いですけどこの辺で、やはりブリーチの事を言われましたか、ついでに言うと、主人公の能力が某ブリーチのあの子の能力と似てました。アルファベットも似てました。〇〇シリーズにしたかったですが変えました。続きは明日位です。
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