関裕美「これまでも、そしてこれからも」 (33)
短いですが、アイドルマスターシンデレラガールズの関裕美がメインのSSです。
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「うーん……。どうしたものか……」
「難しい顔をしてどうしたんですか、プロデューサーさん」
P「お疲れ様です。ちひろさん。いえ、もう少しで裕美の誕生日なので、誕生日のプレゼントをどうしようか考えてまして……」
千川ちひろ「そうだったんですか。裕美ちゃんなら、何でも喜んでくれると思いますよ♪」
P「そうかもしれないんですが、やっぱり本人が貰って嬉しいものをプレゼントしたいから……。ちなみに、ちひろさんは何を貰うと嬉しいですか?」
ちひろ「そうですね……。私は、気持ちのこもったものなら、何でも嬉しいですよ。自分の大切な人からの贈り物なら特にですね♪」
P「……晩ごはんの献立の希望を聞いて、何でもいいっていうのが一番困るって言っていた母親の気持ちを今理解しました」
ちひろ「なんですかそれ!もうっ、怒っちゃいますよ」
P「あぁ、すいません。でも、何がいいかな……。裕美の好きそうなもの……」
ちひろ「プロデューサーさんと裕美ちゃん、付き合い長いですからね」
P「はい。スカウトしたばかりの頃は笑顔が上手くできないって悩んでました。それでも本人が努力して、今では笑顔が武器のアイドルに成長しましたからね、プロデューサー冥利に尽きるってものです」
ちひろ「本人の努力だけじゃなくて、プロデューサーさんの力添えもあったからだと思いますよ」
P「自分は舞台を用意するだけです。カボチャの馬車ときらびやかなドレスを用意しても、輝くのは本人の力ですから」
ちひろ「そうかもしれませんが、きっと裕美ちゃんはプロデューサーさんに感謝していますよ♪」
P「そう言ってくれると嬉しいですね。裕美に似合いそうな仕事を頑張って用意した甲斐が……これだ!」
ちひろ「プロデューサーさん。急に立ち上がってどうしたんですか?」
P「思いついたんですよ!誕生日プレゼントが!」
ちひろ「そそくさと営業用のカバンを持って準備しているのは何でですかー?」
P「裕美にもっと大きな仕事を持ってくるのが最高の誕生日プレゼントじゃないかと思ったので、これから営業にいってきmちひろ「待てやコラ♪」
P「ごふっ!ね、ネクタイを掴まないで!首絞められて苦しいから!」
ちひろ「ちょーっとそこに座りましょうか♪」
P「アッハイ。分かりました」
ちひろ「どこに誕生日プレゼントにお仕事用意されて喜ぶ子がいるんですか!もうちょっと乙女心を理解してください!」
P「事務所の何人かは喜びそうですが」
ちひろ「そこはそこ、これはこれです!」
P「いいアイディアだと思ったんですが」
ちひろ「考え直してください!全く……プロデューサーさんは肝心な所でこうなんですから……」
P「面目ない……。しかし、誕生日プレゼントを考えると言うのも難しいものですね……」
ちひろ「何でも喜んでもらえるとおもいますよ♪」
P「ちひろさんならドリンク購入でいいかなとはおmちひろ「ちょっと表でましょうか♪」
◇
P「そんなわけで、2人は裕美の誕生日に何をあげたらいいと思う」
「私はちひろさんと同意見だね。その人が自分の為に悩んでくれる事、それ自体かけがえのないものだと思うからね」
「アタシはそうだなー……。ズバリっ、Pサンと一日遊び倒す券が欲しいかなっ♪」
P「柚、要は一緒に遊びに付き合ってほしいってことだろ。それ位なら事前に言って貰えれば日程を調整してやるから。プレゼントには向かないだろ」
「そうかな?私としてはPを一日自由にできると言うのは、魅力的だね。今夜は寝かさない……、とでも言って貰えるかな?」
P「真奈美さん。言っていい冗談と悪い冗談があります」
木場真奈美「冗談ととるか本気ととるかはPに任せるよ。それで、裕美への誕生日プレゼントか……」
喜多見柚「じゃあじゃあ、Pサンで自由に遊んじゃえ券が駄目なら。ラケットがいいなー♪」
P「さらりと物騒な言い回しに変えるな。バドミントンのラケット……。つまり、相手の好きなものを贈るのか……。……?ちょっと待て、柚最近新しいラケット買ってただろ」
柚「アタシじゃなくて、裕美チャンにプレゼント!そうすれば、一緒に遊べるよねっ♪」
P「そういう考えもありか」
柚「ありもあり、大有りだよっ!」
真奈美「それなら、私からはエプロンと包丁でも贈ろうかな。裕美も大分料理が上達してきたからな」
喜多見柚(15)
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木場真奈美(25)
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柚「裕美ちゃんのパエリア美味しいからねー。アタシも大好きだよっ!」
真奈美「そう言って貰えると、指導した甲斐があって、こちらも喜ばしいよ」
P「うーん……。それなら、アクセ作りのパーツでも贈るか?」
真奈美「それもいいが、折角だ。Pが作ってみるというのはどうだ?」
P「えっ、俺がですか?」
真奈美「裕美も言っていたが、相手に似合う形やデザインを考えるのが楽しいとね、なにより、手作りの贈り物と言うのは何時だってポイントが高いものさ」
P「真奈美さんにそう言われるとそう思うな……。よし!裕美の誕生日プレゼントは手作りアクセに決定だ!ありがとう、柚に真奈美さん!」
真奈美「力になれたなら嬉しいよ」
柚「そーいえば、真奈美さんも最近誕生日だったよね?」
P「そうだな」
柚「その時は、Pサンは真奈美さんに何をプレゼントしたのかなーって」
P「………………」
真奈美「………………」
柚「アタシ気になりまー……。あれ?この空気は一体なんなのなの」
P「……柚、知らなくていいこともあるんだよ」
真奈美「そうだな、大人には大人の事情があるものさ」
柚「ちょ、ちょっと急にマジ顔で言われたらアタシ困惑だよ!?」
P「ところで真奈美さん、近場にアクセサリーショップってありますかね?」
真奈美「事務所の近くだと、ここが小さいながらも店舗内に手作り用のスペースがあり、店で購入したパーツを使ってその場で作ることもできるそうだ。事前に予約が必要で、指導員もいるからPの様な初心者にも安心だと思うよ」
柚「流されちゃったよ!?こ、こらー!アタシも混ぜろー!」
P「そうだな、柚も一緒に作ってみようか。俺不器用だから、上手にできるか分からないけど、柚がいると心強いな」
柚「そっちじゃないよ!あっちだよー!……けど、アタシもちょっと興味あり、かなっ」
真奈美「では、予約を入れておこうか。三人分でいいだろう?」
P「えぇ、お願いします」
◇
P「お疲れ。誕生会、楽しんでるか?……隣いいか?」
「あ、Pさん。うん、いいよ。今ちょっと詰めるからね、うんしょ……」
P「Pさん……か。そういう風に言われると、最初に会った頃を思い出すなぁ……」
P「最初に会った頃は、俺のことをアンタ呼ばわりしていたのに、今じゃあこんなに立派になって……、感無量だわ」
「も、もうっ!それは本当に初対面の時だけだから!そ、それにアンタっていうのも別に酷い意味合いで言ったわけじゃなくて……!」
P「分かってる。裕美はいい子だからな、けど、こんな日だから。思い返しちゃうんだよね。初めて会った日の事を」
関裕美「私としては、忘れて欲しい位なんだけど……」
P「いいや、忘れない。最初の目つきが悪くて、自分に自信を持てなかった裕美が、頑張ってここまできたんだから」
裕美「それは、Pさんが私を見つけ出してくれたからだよ。今日も誕生日を祝ってくれて、本当にありがとう」
P「こっちも言わせてほしい。生まれてきてくれて、ありがとう。裕美と一緒に仕事できて、俺も凄い楽しかったし、裕美をもっと輝く舞台に立たせてやりたいって頑張れたから」
裕美「そんなこと言うと、もう引退するみたいに聞こえるね。でも、これからもPさんと一緒に頑張りたいから……これからもよろしくねっ」
P「その通りだ。これからもよろしく。それで、誕生会どうだ?」
裕美「凄く嬉しいよ。櫂さんも楽しんでるみたいだし、お料理も凄く美味しくて、私も負けてられないなって思うよ」
P「出来ることを増やすのはいいことだな、俺も裕美の料理大好きだから」
裕美「ふふっ、お料理もね、食べてもらいたい相手のことを考えるのが、ちょっとアクセ作りに似てるかもって思って」
P「そうなのか?」
裕美「うん。お料理もアクセ作りも、その人のことを考えてするのが楽しいんだ。それに……」
裕美「木場さんから、こんなに可愛いエプロン貰ったから。これを着て台所に立つのがちょっと楽しみなんだよ」
P「真奈美さんの誕生日プレゼントか……。もしもよければ、ここで着て貰ってもいいか?」
裕美「いいよ。……どうかな?凄く可愛くて、私にはちょっと似合わないかもしれないけど……。でも、やっぱり可愛い服を着れると嬉しいよね」
P「……」
裕美「あの?Pさん?」
P「……素晴らしいっ!フリルのついたエプロン……なんだこれ!真奈美さん、アンタ最高だよ!もうこんなの見たら毎日俺のために味噌汁を作ってくれって言いたくなるに決まってんだろ!」
裕美「お味噌汁はまだ練習中かな。上手くできたら、Pさんにもあげるね」
P「ありがとうございます!……ありがとうございます!!」
裕美「まるで奈緒さんが着てたのみたいで、新婚さんみたいだね。……Pさん、ご飯にしますか、お風呂にしますか?」
P「」
裕美「なーんて……。!?ぴ、Pさんが鼻血と涙を流しながら膝から崩れ落ちてる!?」
P「……わが生涯、一片の悔いなし……」
裕美「Pさんっ!え、えっと……。凄いいい笑顔でサムズアップしてないで……。き、きばさーん!」
◇
裕美「……落ち着いた?」
P「はい」
裕美「どうしたのPさん。急に鼻血出したりして……」
P「いや、な。裕美、結婚式のモデルの仕事受けただろ?」
裕美「うん。私1人の撮影と、キュート・ブライドでのお仕事だったけど、2人ともドレスが凄いキレイで……。それが何かあったの?」
P「その時、さ。最初は上手く笑えてなかった裕美が、こんなにもいい笑顔で仕事するようになって、しかも花嫁さんだから……娘を嫁に出す父親ってこんな感じなのかって、勝手に思っててさ」
P「それからさっきの新婚さんで、こう……。自分の理性の蓋を打ち抜かれたというか……。もう、感情がごちゃまぜになって、色々と感謝の気持ちを込めて崩れ落ちたって訳」
裕美「ごめん。言ってる意味がよく分からない」
P「分かりやすく言えば、裕美の可愛さに脳天を貫かれたってこと」
裕美「可愛いって言って貰えるのは嬉しいけど……。倒れられるのは困るよ、Pさん」
P「うん。次は涙だけに留めておく」
裕美「そいうことじゃないんだけど……」
P「あぁそうだ。真奈美さんからはエプロンと包丁。柚からはバドミントンのラケットをプレゼントにもらっただろ?」
裕美「うん。すごく嬉しいよ、今度2人には何かお返しを考えないと……」
P「それで、俺からもプレゼント……。2人と比べてちょっと不恰好だけど……。受け取ってくれるか?」
裕美「Pさんからも?ありがとう……。わぁ、これって……ネックレス。……もしかして、Pさんが作ったの?」
P「あぁ、俺が裕美に似合いそうなデザインを考えて作った。……裕美みたいに上手く作れなかったよ。本当に凄いな、裕美は」
裕美「ありがとう!Pさん!すごく嬉しい……。ねぇ、Pさん。もしもよかったら……ネックレス、つけて貰っていい、かな?」
P「いいぞ。それじゃあ、後ろ向いて……。よし、いいぞ」
P「……仕事なら、似合うって手放しで褒めるんだけど……。自分で作ったのだと、褒めづらいな……」
裕美「そんなことないよ、すごく嬉しい……。ねぇ、Pさん。私がアイドルになって、色々なことがあったよね」
P「そうだな……」
裕美「嬉しいこと、新しい私、楽しい仲間……いろんな思い出ができたけど、一番大切な思い出はPさんとの出会い……だよ」
裕美「上手く笑えなかった私を、アイドルにしてくれて……本当にありがとう!」
裕美「Pさんがいたから……私、これからもアイドル、続けていられそうなんだっ!」
裕美「最高の誕生日プレゼントをありがとう!」
P「……俺も裕美とあえてよかったよ!これまでも……そしてこれからも!一緒にがんばろうな!」
裕美「うんっ!一緒に頑張ろうね、Pさん!」
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