八幡「一人暮らししてたら雪ノ下さんが転がり込んできた」 (270)

進学先を千葉市内の大学にして、大学からちょうどいい距離の部屋を借りた大学生になって初の夏休み初日

いきなり魔王が攻めてきた

陽乃「ひゃっはろー比企谷君久しぶり♪」ニコッ

八幡「…」バタン

陽乃「…」ピンポーンピンポーンピンポーン

八幡「うるせえよ」ガチャ
陽乃「上がっていい?」ウルウル

八幡「やだ」バタン

陽乃「…」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

八幡「通報するぞ」ガチャ
陽乃「しなよ、だけど捕まるの比企谷君だよ?あたし大声出すから」スゥー

八幡「玄関だけでいいですか?」

陽乃「…」スゥーーーーー

八幡「分かりました部屋に上げます粗茶も出します」

陽乃「お邪魔します♪」イソイソ

八幡(何のつもりだよ…)

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陽乃「結構片付いてるんだ」キョロキョロ

八幡「最低限は」

陽乃「ふーん」

八幡「つうか、何で俺の部屋知ってるんすか」

陽乃「ん?こないだ見かけた時に尾けたんだよ」シレッ

八幡「何で尾行されてるんだ俺…」

陽乃「だってさー、雪乃ちゃんとガハマちゃんにも家教えないし気になるじゃない」

八幡「教える義理ないでしょ、高校出たら縁の切れ目ですよあいつらなんて」

陽乃「比企谷君はそのつもりでもあたしは違うんだなーこれが」ニマニマ

八幡「?」

陽乃「ほら、よく言うじゃない。押し掛け女房!あたしそのつもりなんだよ♪」

八幡「いりませんよ女房なんか」

陽乃「まあまあ、あたしの優秀な家事テクニックを見たらすぐにでもお嫁さんにしたくなるからさ」

八幡「だから」

陽乃「置いてくれないと大声出るかも」スゥーーーーー…

八幡「女房はお断りですからね…」

陽乃「そう言ってるのも今のうちだけだよ♪」

二時間後

八幡(うわー、完璧な家事スキルだ、掃除も洗濯も非の打ち所が無い。しかも…)

陽乃「♪」グツグツ

八幡(うまそうな匂いで腹が減って仕方ない)グゥーギュルルル

陽乃「もう少しで出来るからねー」グツグツ

八幡「はい」

陽乃「♪」ジャブジャブ

八幡(魔王の意図が掴めん…餌付けか?餌付けなのか?胃袋を掴んだと見せかけてハートキャッチ物理なのか?)

陽乃「あ、多分そろそろあたしの荷物が一通り来るから受け取ってね。今手が放せないから」

八幡「え、アッハイ」

八幡「受け取りましたけど、多くないですか?」
陽乃「え?同棲するならこの位はいるでしょ?」フキフキ

八幡「ん?同棲?」

陽乃「もう忘れたの?あたしは押し掛け女房だってば」カチャカチャ

八幡「本気だったのか…」

陽乃「あれ?変だね、最初から嘘なんか吐いてないのに」マゼマゼ

八幡「いきなり押し掛け女房だっつって信じるか普通」

陽乃「たしかにそうかも」クスッ

八幡「どうなるんだこれ…」

陽乃「楽しみだよね♪」ケラケラ

八幡「不安しかねえよ…」ガックリ

陽乃「出来た♪」

八幡「飯は楽しみだったけどさ…」

陽乃「食べよっか!」ニマニマ

八幡「はい」

八幡「ごちそうさまです」カチャン

陽乃「はいお粗末様」ズズー

八幡「…」

陽乃「小さい声で『うまい』ばっか言ってたね、嬉しいな♪」ニコニコ

八幡「うまかったですよマジで」

陽乃「さて、片付けるよ」カチャカチャ

八幡「やりますよそれくらい」

陽乃「いいのいいの、押し掛け女房だし」カチャカチャジャー

八幡「本当の目的は?」
陽乃「比企谷君のお嫁さんになることだってば」ジャブジャブ

八幡「…」

陽乃「疑ってるね、あたし本気なのに」ジャブジャブ

八幡「それが全部じゃないんでしょ?」

陽乃「追々話すから、ごめんね?」ゴシゴシ

八幡「内容次第では出て行ってもらいますけどね」

陽乃「いいよそれで」フキフキ

八幡(よくわからんが悪意はなさそうだ、気を抜いたら眠く…)ウトウト

陽乃「そうそう比企谷君…あれ?寝ちゃった」

八幡「…」zzz

陽乃「…」ニヤァ…

八幡「日経平均株価ぁ!」ガバッ!

陽乃「どうしたの?起きていきなり経済なんか気にして」

八幡「あ、あれ?雪ノ下さん?」キョロキョロ

陽乃「ああ、寝ぼけてるんだ」ニシシシ

八幡「なんか急に眠くなって…今日の終値はいくらでした?」

陽乃「はいはい、比企谷君の株価はストップ高だよ」

八幡「…今何時?」

陽乃「そうね大体ね、ご飯食べてから三十分くらいだから8時半過ぎだね」

八幡「そうですか」

陽乃(その三十分間みっちり比企谷君の寝顔を大量に盗撮したなんて言えない)バックアップバックアップ
八幡「まだ眠い…」シパシパ

陽乃「ふーん」モゾモゾ

八幡「なんでベッドに入ってくる」

陽乃「添い寝だけど?」
八幡「ベッドで寝たいなら俺は床で寝ますね」

陽乃「なんで?」ガシッ

八幡「なんでじゃねえよ、いきなり家に転がり込まれてその相手に添い寝される意味が分からんわ」

陽乃「えー、でもあたし比企谷君のお嫁さん(仮)だしさ」

八幡「(仮)が問題なんですよ」

陽乃「仕方ないなあ」ゴソゴソペラッ

八幡「なんすかそれ」

陽乃「婚姻届だけど」

八幡「…」ピシッ

陽乃「(仮)が問題なら(仮)を取ればいいじゃない」

八幡「どこのアントワネットだあんたは」

陽乃「ハンコくれたら後は全部やっとくよ」グリグリ

八幡「やるわきゃねえだろ」イヤイヤ

陽乃「亭主関白?」

八幡「億が一結婚が成立したとしても俺にはカカア天下の未来しか見えないです」

陽乃「それがお望みならいいよ」

八幡「結婚しませんてば」

陽乃「ふーん」ダキッ

八幡「あ、ちょ、離して」ジタバタ

陽乃「…」ムニムニ

八幡「おお…」

陽乃「添い寝したげるね♪」ムニュムニュ

八幡「…」ドキドキ

陽乃「…」クスッ

陽乃「…」ニヤニヤ

八幡「…」ドキドキ

陽乃「ん…」ズイッムニュムニュ
八幡「!」ドッキドッキ

陽乃「…」スリスリ

八幡「…」ドッキドッキ!

陽乃「…意気地なし」ボソッ

八幡「て、手なんか出せるか!」ワタワタ

陽乃「遅かれ早かれなのに」ムニュムニュ

八幡「とにかく寝ますから」モゾモゾ

陽乃「背中向けなくても」ムニュムニュ

八幡「…」ドキドキ

陽乃「…」ムニュムニュ

八幡(乳トン先生!エロエロですよ!)ドキドキ

陽乃(照れてる比企谷君の顔撮りたい)ムニュムニュ

チュンチュン…


八幡「んあ…?」パチッ

陽乃「あ、起きた?」ジュー

八幡「はい」ノビー

陽乃「朝ご飯出来たよ」
八幡「はい」ホゲー

陽乃「寝起き悪いんだ」カラカラ

八幡「まあ」

陽乃「食べたらどうしたい?」

八幡「いただきます。…食べたらひたすら寝たいですね」

陽乃「夏休みだもんね」モグモグ

八幡「あ、今日は大学行かないといけないんでした」モグモグ

陽乃「そうなの?」

八幡「提出しないといけない課題を忘れてて、期限が今日までなんです」

陽乃「なるほど」

八幡「昼過ぎには帰れますけどね」

陽乃「分かったよ、あたしが留守番しとくから行ってらっしゃい」

八幡「二日目なのになんだこの慣れてる感じ」

陽乃「まあまあ」ニコニコ

八幡(本当に何を企んでるんだこの人は…)

昼前 大学

八幡「遅くなってすみません、次は早めに出しますんで、失礼します」ペコリ

沙希「あれ、比企谷?」ドキッ

八幡「んだよ川崎」

沙希「あ、いや、夏休みなのにいるなんて思わなくて…」モジモジ

八幡「課題出しただけだからもう帰るけどな」

沙希「そう…」ショボン

結衣「ヒッキー珍しくない?夏休みに大学いるなんて。しかもサキサキまで」

沙希「由比ヶ浜」

八幡「川崎には言ったが課題出しただけだからもう帰る」

結衣「え、もったいなくない?」

八幡「なにが?」

結衣「せっかくだし遊ぼうよ」

八幡「知るか、リア充はリア充とよろしくやっててくれ」

沙希「…」

結衣「友達は友達だけどヒッキーだって友達…」
八幡「俺に友達なんざいない、たまたま同じ高校なだけでつるむ理由はない」プイッ

沙希「あんた」

八幡「小中高大このままぼっちでいいから、リア充様にわざわざ手間とらせる気ないから」

結衣「でもさ」

八幡「今さら誰かに寄られてもうっとうしいだけだ、今まで独りで気楽だったのになんで来るんだよ」チッ

沙希「…」

八幡「周りが俺をどうでもいいと思ってるように俺も周りがどうでもいい、二度と必要外で絡んでくんな迷惑だ」ペッ

結衣「ごめん…」

沙希「…」

八幡「謝罪もいらん、どうでもいいからな」スタスタ
沙希「あいつ…」

結衣「ヒッキー…」

八幡(帰って寝よ)テクテク

八幡「…」ガチャッ

陽乃「あ、おかえり」

八幡「戻りました」

陽乃「ただいまでいいのに、比企谷君の家なんだし」

八幡「雪ノ下さんがいますからね」

陽乃「あれ?トゲトゲしいじゃない、大丈夫?」
八幡「大丈夫です」

陽乃「何かあった?」

八幡「何もありませんよ」

陽乃「嘘」

八幡「嘘じゃないです」
陽乃「ガハマちゃんあたりと会ったんじゃない?」

八幡「会いましたよ、うっとうしいから二分で切り上げました」

陽乃「なるほどね」

八幡「予定通り一日中寝て過ごすんで」

陽乃「それはいいけどさ、あたしでいいならいつでも話聞くからね?」ナデナデ

八幡「大丈夫です」スッ

陽乃(ふむ、一番ガード堅いのが比企谷君ってどうなんだろ?でもこういう子じゃないと興味湧かないしなぁ、性的な意味でも後輩的な意味でも恋愛的な意味でもかわいいんだよねぇ)ウーム

八幡「…」グー

陽乃(話してくれるまで時間掛かるだろうし、今はとりあえず寝顔を撮ろう)カシャッカシャッカシャッカシャッ


八幡「…」zzzz

陽乃(比企谷君かわいいよ比企谷君)カシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッ

八幡「ん…」ムクッ

シーン…

八幡(雪ノ下さんもさすがに飽きて帰ったか)ボヘー

陽乃「ただいまー」バタン

八幡(飽きてないのかよ)「ただいまではないんじゃないっすか?」

陽乃「気にしない気にしない」ガサガサ

八幡「ああ、買い出し」
陽乃「そ、ご飯の材料とSDカードを買いにね」

八幡「SDカード?」

陽乃「そうそう、データ容量が少なくてさ」

八幡「ふうん」

陽乃(比企谷君盗撮フォルダでギガ越えたなんて言えない)ヌフフフフ…

八幡「?」

八幡「生活費?」ムシャムシャ
陽乃「ほら、あたしたち同棲してるじゃない」モグモグ

八幡「同棲じゃなくてあんたが居候してんだろが」

陽乃「だからさ、生活費を払いますよって言ってるんじゃない」モグモグ

八幡「…あんたいよいよマジで住む気なのか?」
陽乃「ずっとそう言ってるよ?」キョトン

八幡「あの荷物の量的にあり得るとは思ったけど…はあ…」

陽乃「まあまあ、住み込みの美味しい料理を作ってくれる美人で胸の大きな家政婦さんが来たくらいに思ってよ」


八幡「まだ話す気無さそうだなあんた」

陽乃「比企谷君もね」

八幡「…」

陽乃「…」

八幡「…まあ、メリットの方がデメリットよりデカいか」フウ

陽乃「WINーWINでしょ?」ニヤリ

八幡「場合によってはやっぱ追い出すかも知れませんよ」

陽乃「いいよ♪」

八幡「あんた調略うまいな」

陽乃「まあね」ニッ

八幡「よし、出来た」

陽乃「何してたの?」

八幡「風呂場の脱衣場にカーテン着けてたんすよ」

陽乃「そんなに裸見られるの嫌?」

八幡「いや、雪ノ下さんの為ですよ」

陽乃「あ、あたしの為…!」キュン

八幡「何かの拍子でToLOVEるのは避けたいですから」

陽乃「あたしは比企谷君なら見られるの平気、っていうか今からでも見せたいんだけど」ススッ…

八幡「ストップ」

陽乃「残念」イソイソ

八幡「風呂の順番はどうします?」

陽乃「あたしが先に入ると比企谷君はあたしの出し汁を堪能できるでしょ?比企谷君が先に入るとあたしは比企谷君の出し汁を堪能できるでしょ?どうしよっかなー」ムムム
八幡(どうしよっかなー追い出そっかなー)ムムム
陽乃「あ」ピーン!

八幡「?」

陽乃「一緒に入れば完璧じゃない?」キラキラ

八幡「追い出すぞコラ」

陽乃「冗談冗談」ケラケラ

八幡「ったく」

陽乃「あたし先でいい?」

八幡「いいっすよ」

陽乃「ありがと」ヌギヌギ
八幡「なっ!?」クルッ

陽乃「お姉さんの裸に興味ないの?」ニヤニヤ

八幡「そりゃありますけど…」

陽乃「からかうのは後にしてさっぱりしてくるね!」トタタタ…

八幡「…青か…」ポツリ

ジャー

陽乃(比企谷君かわいいなぁ♪)ゴシゴシ

陽乃「上がったよー」ホカホカ

八幡「あー、なら次は俺っすね」スタスタ

陽乃(これで比企谷君の裸を盗撮できる…ふふふ)ニヤリ

八幡「?」ゾクッ

ジャー

八幡(雪ノ下さん、の妹のあいつはこの状況を知るとまた罵倒してくるんだろうか…しないわけないわな、姉貴が同じ部活だった野郎の家にいるのを許すわけがない)ワシャワシャ

八幡(あーあ、何の因果でフラれた女の姉貴を家に置いてんだろ…さっさと忘れたいのに)ゴシゴシ

陽乃「お、上がったね」ニコニコ

八幡「はい」ホカホカ

陽乃「あたしの出し汁どうだった?興奮した?」ニヤニヤ

八幡「するか!」

陽乃「あたしなら比企谷君の出し汁で興奮するよ?」ニヤニヤ

八幡「知るか!…つうか何で寝る前に化粧してるんですか?」

陽乃「薄化粧知らない?」

八幡「?」

陽乃「知らないならいいけどさ」ギラリ

八幡「??」ゾクッ

陽乃「もう寝るんだよね?」

八幡「はい」

陽乃「あたしも寝るけどね」イソイソ

八幡「おやすみなさい」モゾモゾ

陽乃「はいおやすみなさい」モゾモゾ

八幡「おい」

陽乃「なぁに?」スリスリ

八幡「ベッド開いてるんだからそっち行けよ」

陽乃「やだ」ガシッ

八幡「なら俺がベッドで寝ます」

陽乃「やだ」ガシッ

八幡「うぎぎぎ…」グググ…

陽乃「いいじゃない、一緒に寝ようよ」ギリギリ

八幡「力強すぎだろあんた」ポスッ

陽乃「力というよりコツだよ」ドヤッ

八幡「はあ…」ゴロリ

陽乃「こっち向かないと全裸になって比企谷君をメチャクチャにしちゃうぞー」ウリウリ

八幡「なにそれこわい」ゴロリ

陽乃「ふふふ…お姉さんに甘えなさい」ギュッ…

八幡「…」

陽乃「雪乃ちゃんのこと、まだ頭から離れない?」ナデナデ

八幡「…知ってたんですか」

陽乃「まあね」ナデナデ

八幡「忘れたいんですけどね、誰かさんがいきなり居候しだして更に時間が掛かりそうですよ」

陽乃「それは仕方ないよ、あたしと雪乃ちゃんそっくりだから。ここ以外」パフッ…

八幡「んぶっ!?」

陽乃「雪乃ちゃんはこんなこと出来ないよ?あたしにしたら?」ムギュー

八幡「…」

陽乃「…ちゃんと忘れられたら考えてね」ムニムニ

八幡「…」コクリ

陽乃「ムラムラしたら襲っていいからね」ナデナデ
八幡「…」シーン

陽乃(あたしすごくドキドキしてる…比企谷君分かってるよね?)

雪乃「あなたとは付き合えないわ」

八幡「そうか…」

雪乃「あなたにはもっと素敵な人がいるわよ」

八幡「お前が一番素敵だったよ」

雪乃「っ!」ビクッ

八幡「フラれたのはいいんだ、慣れてるしな。理由を教えてくれよ」

雪乃「…それは」

ユサユサ

陽乃「比企谷君、朝だよー!ご飯だよー!」ユサユサ
八幡「…」パチッ

陽乃「あ、起きた」

八幡「…夢の内容って何で忘れるんですかね」ボリボリ

陽乃「んー、専門家じゃないからあまり分からないけど、夢を見るのが情報の整理をするためのものなら、見たり聞いたりしたことと似た場面の時に出来るだけいい結果を出す答えを控えてるんじゃない?」

八幡「そういうもんですかね」

陽乃「目が覚めた時に覚えてた方が後々忘れちゃうことが多いじゃない」
八幡「あー、心当たりあります」

陽乃「だから次は失敗、もしくは更に良い結果の為に記憶を必要外で出さないようにだと思うよ」
八幡「なるほど」

陽乃「とりあえずご飯食べよ?」

八幡「はい」

八幡「…」モグモグ

陽乃「…」モグモグ

八幡「うまい…」ボソッ

陽乃「♪」キュン!

八幡「…」モグモグ

陽乃「そういえば、夏休みっていつまでなの?」
八幡「確か9月下旬までは夏休みです。何日までだったっけなー」

陽乃「分からないんだね」

八幡「プリント捨てたかもしれません」

陽乃「大学また行くしかないかな」

八幡「割と近いからいいですけどね」

陽乃「いつまでか調べたらどっか行かない?」

八幡「うーん、そういえば洗剤が切れそうでしたね」

陽乃「なら駅前まで行こうよ」

八幡「仕方ないですね」
陽乃「デートだね」ニコニコ
八幡「ち、違いますよ////」プイッ

陽乃「ふふふ」ニコニコ

大学

八幡「分かりましたよ」
陽乃「何日まで?」

八幡「26日まででした」
陽乃「やっぱり長いね」
八幡「大学によるでしょうけどこんなもんでしょう」

陽乃「たしかに」

八幡「さて」

陽乃「あとはデートだね」

八幡「デートじゃねえよ」

陽乃「いいからいいから」

八幡「駅前なら全部揃いますから」

陽乃「ふーん」ソッ

八幡「くっつかないでください、暑いです」

陽乃「夏は暑いものじゃない」ギュッ

八幡「暑さ倍増は嫌です」

陽乃「今は離れてあげるよ」パッ

八幡「助かります」

陽乃「洗剤なら薬局とか行くの?」

八幡「はい、後はスーパーで食材を買おうかと」
陽乃「食材はあたしに任せてよ、今ご飯作ってるのあたしだし」

八幡「お願いします」

陽乃「レッツゴー♪」

八幡「ただいま」

陽乃「ただいま」

八幡「これでしばらくは大丈夫ですね」ガサガサ

陽乃「ね」ガサガサ

八幡「冷房つけよ」ピッ
陽乃「食材冷蔵庫に入れたよー」

八幡「ありがとうございます」

陽乃「さてと」ガシッ

八幡「なんすか?」

陽乃「さっきは暑いからくっつかれたくなかったんでしょ?今はクーラー入ってるから暑くないじゃない」ムニュムニュ

八幡「いや、あれは」

陽乃「えいっ」ドン

八幡「!」ドサッ

陽乃「しばらく比企谷君はあたしの抱き枕になってもらうね」スリスリ

八幡「あの…」ドキドキ

陽乃「ん?」クンクン

八幡「汗臭いですよ俺」タジタジ

陽乃「ん、あたし的にはいい匂いだよ」クンクン

八幡「恥ずかしいです…」ドキドキ

陽乃「あたしたちしかいないから大丈夫大丈夫」クンカクンカスーハースーハー

八幡「…」ドキドキ

陽乃「…」スーハースーハークンカクンカ

八幡(ヤバいハズい雪ノ下さんもすげえいい匂い)ドキドキドキドキ

陽乃「♪」クンカクンカスーハースーハー

八幡「…」

陽乃「はあ~…」トローン

八幡(あれ?これってもしかして貞操の危機?)ハッ

陽乃「このまま簡単に比企谷君を食べちゃえるけど、そうしたらあたし追い出されるんだよね?」コツン

八幡(か、顔近っ!)バックンバックン…

陽乃「ふふふ、緊張してるね」ナデナデ

八幡「あ、あ…」パクパク
陽乃「あたし雪乃ちゃん大好きだけど、比企谷君の心にいつまでも居られるのは嫌なんだよね」スリスリ

八幡「…」ドキドキ

陽乃「だ・か・ら」グイッ
八幡(ま、また近い!)ビクッ

陽乃「比企谷君をあたしだけしか見えないようにしてから食べるね?」ニコッ

八幡「!」ドキッ!

陽乃「あたしもヴァージンだから安心してね?」ニシシ

八幡「…」ドキドキ

陽乃「ねえ比企谷君」パフッ

八幡「んぶっ!」ムニュムニュ
陽乃「あたしもすごくドキドキしててさ、聞こえるよね?」ドキドキドキドキ
八幡(あの雪ノ下さんがこんなに…)

陽乃「いやあ、本心を出すのは怖いなあ」ブルブル

八幡「だ、大丈夫です」ギュッ

陽乃「!」

八幡「すぐには無理ですけど、いつか絶対あいつのことは忘れますから、ちゃんと雪ノ下さんと向き合いますから、悪いですけど時間を下さい」ポンポン

陽乃「…」コクリ

八幡「ありがとうございます」ナデナデ

八幡「…」

陽乃「♪」スリスリ

八幡「暑いです」

陽乃「クーラーの温度下げたら?」スリスリ

八幡「地球温暖化防止の為に下げません」

陽乃「なら暑さを我慢するしかないよね」クンカクンカ

八幡「エゴだよそれは!」クワッ

陽乃「ああ、カラオケでたまに掛かったりする…」

八幡「エコーだよそれは!」

陽乃「だけどあたし比企谷君離したくないし」

八幡「はあ…少しだけですからね」

陽乃「…ん」スリスリ

八幡(雪ノ下さん、暑いけど暖かい…)

陽乃「…」スー

八幡「寝ちゃったよ…」

陽乃「…」ダキッ

八幡(意外と甘えるんだな)

陽乃「…」スー

八幡(見れば見るほど雪ノ下だな…っていかんいかん、忘れるんだあいつのことは)ブンブン

陽乃「…」ムニャムニャ

八幡(にしても、雪ノ下さんは何か悪いもんでも食ったのか?俺相手に押し掛け妻とか言い出して)ジー

陽乃「…」スヤスヤ

八幡(考えたけど分からん、この人から直接聞き出さないといけないよな。となるとこの人の妹にフラれた経緯を話さないとならんだろうし…)

八幡「古傷をなぞるしかないか」ボソッ

陽乃「んん…?」パチッ

八幡「あ、すみません起こしましたか」

陽乃「ん、大丈夫」ゴシゴシ

八幡(か、可愛い)キュン
陽乃「ご飯作るね」ムクリ

八幡「寝起きで大丈夫ですか?」

陽乃「大丈夫大丈夫」

八幡「まあ雪ノ下さんなら大丈夫ですね」

陽乃「ふふふ」サクサクテキパキ

八幡(寝起き良いな、ってそりゃそうか、いつも俺より早く起きて飯作ってくれてるしな)

陽乃「♪」ジュー

八幡(生活費も出してもらいつつ、うまい飯も作ってくれて…)ジーン

陽乃「♪」グツグツ

八幡(意外と甘えん坊なところが可愛くて…)

陽乃「そんなに見つめてどうしたの比企谷君?」ニヤニヤ

八幡「何でもないですよ」

陽乃「さてはお姉さんに見とれたなー?」ニシシ

八幡「どうですかね」フッ
陽乃「素直じゃないなあ」ブーブー

八幡(年上の余裕もあるし、すごい人だ)

陽乃「比企谷君あーん」グイグイ

八幡「ん?」ヒョイパクヒョイパク

陽乃「あたしが食べさせてあげる」グイグイ

八幡「恥ずいっすよ」プイッ

陽乃「一口だけ、ね?いいでしょ?」グイグイ

八幡「あ、あーん…」パクッ

陽乃「ふふふ」ニコニコ

八幡「…」トギマギ

陽乃「あーん」ジー

八幡「…」スッ

陽乃「ありがと」モキュモキュ

八幡(恥ずかしい!)プルプル

陽乃(照れてる比企谷君可愛い)ニヤニヤ

ピンポーン!

八幡「また何か送ったんですか?」

陽乃「いや?比企谷君が受けてくれたので全部だよ?」

八幡「誰だろ」パタパタ

ガチャ

小町「愛しの妹が来たよ☆」キラーン

八幡「ああ、小町か」

小町「小町以外に誰か来るわけ…」ハッ

八幡「?」

小町「お、お兄ちゃん…」ヨロッ

八幡「どした?夏バテか?」

小町「お兄ちゃん女装でも始めたの!?」

八幡「んなわけねえだろ!」

小町「だって女物の靴が…」ワナワナ

八幡「ん?あ…」

陽乃「聞き覚えがある声だと思ったら妹ちゃんじゃない」

小町「陽乃さん!?」ガビーン!

八幡「説明が面倒そうだな…」

陽乃「まあまあ、小町ちゃんも上がってご飯食べようよ」ニコニコ

小町「はい、ぜひ」

陽乃「とまあ、あたしは比企谷君の押し掛け女房なわけだよ」

小町「え?もう一回言って下さい」ガツガツ

八幡「すげえ食べっぷりだな」

陽乃「あたしは比企谷君の押し掛け女房」

小町「おお…お兄ちゃんに嫁候補がまた…」ブワッ
八幡「あんまり真に受けるな、核心を明かされていない、油断するなよ」ヒソヒソ

小町「この際だから陽乃さんに身を任せたら?」ヒソヒソ

八幡「アホか、全貌も見えないのに迂闊なことが出来るか」ヒソヒソ

陽乃「聞こえてるよ?」
八幡「すげえ地獄耳ですね」

小町「何か隠してるんですか?」

陽乃「んー、話すにはちょうどいい機会かな」

八幡「…」

小町「…」

陽乃「無理矢理結婚させられるとこだったんだよ、あたし」

八幡「お見合いとかあの手のやつですか?」

小町「さすが上流階級…」

陽乃「そういうこと、相手がしつこくてさ、逃げたんだよ」

八幡「雪ノ下さんが逃げるほどの相手なんですか?」

小町「というか陽乃さんのご両親も結婚に賛成してますよねそれ」

陽乃「会社の経営ってさ、従業員の人生も背負うからそれを守るための重大な決断を迫られることが多いみたいでね?」

八幡「…」

小町「…」

陽乃「会社の利益に大きく関わった取引先には対等なやり取りを、とはいかないんだよね。大体の企業は下手に出るしかない相手がいるわけだよ」

八幡「つまり」

陽乃「逆らえない縁談から嫌気が差して逃げて来たってわけだね」

小町「ドラマでしか聞かないだろうなって思ったら…」

八幡「なるほどな…」

陽乃「これを話すとあたしが比企谷君をしたくもない結婚から逃げる理由付けの道具だって思われそうだから、話せなかったんだよ」

八幡「…」

陽乃「あたしは比企谷君を誰よりも愛してる。だからほとぼりが冷めるまでは話す気は無かったんだけどね?さすがに誠意に欠けると思って話しました」

八幡「…昔、つっても一年経ってないんですけどね、雪ノ下さんの妹にフられまして」

小町「…」

陽乃「それは雪乃ちゃんから聞いたよ」

八幡「フられた理由は終ぞ聞けませんでしたけど、俺こんなんでしょ?フられる理由にしては十分だからそこはいいんです」

陽乃「…」

小町「お兄ちゃん…」

八幡「俺をフった後もあいつはいつもと変わらず接してくれて、それでも由比ヶ浜は俺とあいつに何があったのかを察したんでしょうね、すげえ優しいんですよ」

陽乃「…」

小町「…」

八幡「だけどその優しさが辛くて、卒業の日に呼び出された由比ヶ浜に同じ大学だろうがもう他人同士だっつって突き放したんです。他の数少ない俺の関係者も疎遠になりました。」

陽乃「バカだね…」

小町「これは小町も凄く怒りました、1ヶ月は口も利きませんでしたし」
八幡「由比ヶ浜の気持ちを考えずにアホみたいに逃げて殻に籠もった卑怯者の俺に、雪ノ下さんが俺の家に転がり込もうが縁談から逃げようがとやかく言う筋合いが無いし、雪ノ下さんも俺にとやかく言う筋合いもありません」

小町「ちょっとお兄ちゃん…」

陽乃「…」

八幡「…あんたの妹にフられて、由比ヶ浜を突き放して気付かされたことがあります」

陽乃「あたしも多分縁談から逃げて同じことを気付いたよ」

八幡・陽乃「人に真剣に向き合わずに逃げると結局独りになる」

小町「…」

八幡「高校を逃げるように卒業したら妹にすら1ヶ月も相手にされませんでしたよ」

陽乃「あたしも、上辺だけの付き合いしかしてなかったから転がり込む先が比企谷君の家だけだったよ」

八幡「そろそろ半端者をやめないといけませんね」

陽乃「あたしも、キチンとお断りしてから比企谷君の押し掛け女房をしないとね」

八幡「また押し掛けるんですか?」

陽乃「比企谷君押さないとなびかないじゃない」
小町「押しても逃げましたけどね」

陽乃「あたしが逃がすわけ無いでしょ?地獄でも追いかけるよ?」ニコッ

小町「ですよねー」

八幡(俺なんでこの人にこんなヤンヤンデレデレされてんの?)

陽乃「いやあ、最初は比企谷君は雪乃ちゃんの彼氏のつもりでからかってたんだけどさー、比企谷君って攻略超難しいじゃない?気が付いたらあたしの方がメロメロでさー」テヘペロ

八幡「普通諦めるだろ…」

小町「変わった男性のご趣味ですね」

八幡「おい小町、お兄ちゃん泣くぞ」

陽乃「いやいや、雪乃ちゃんから比企谷君フった話聞いてチャンスだって燃えちゃって、比企谷君に会えないかあちこちうろつき倒してたら比企谷君見つけてさ」

小町(それストーカーじゃ…)

八幡「初耳ですよそれ!?」

陽乃「愛は勝つ!だね!」グッ

八幡「愛が重い…」

小町(綺麗なお姉さんじゃなかったら警察沙汰だよ…)

陽乃「とにかく、今から断って来るねー行ってきまーす」パタン

小町「…お兄ちゃん」

八幡「…何だ小町」

小町「絶対尻に敷かれるよねお兄ちゃん」

八幡「あえて言わなかったのに何で言っちゃうんだよ!」

小町「あの人に亭主関白とか出来る人いるの?」
八幡「いないんじゃね?いたとしても表向きは関白を通してるように見せ掛けてあの人は本懐を遂げるだろうな」

小町「良い奥さん見つけたね」

八幡「…まだ早えよ」

小町「いつかは考えてるんだね」クスクス

八幡「あの人の妹をきっちり過去にしてからだな」

小町「相変わらず変なところがマジメだね」

八幡「まあな」フッ

八幡「俺も、ツケの清算をしないとな」

小町「卒業式に呼ばれた側のクセに何も喋らせずに一方的に突き放した代償は高いよ?」

八幡「陽乃さんが誠意を見せたのに俺だけ足踏みしてられるかよ。行ってくる」パタン

小町(お姉ちゃんが出来ることになるのかあ、寂しいような嬉しいような。変な感じ)

八幡「由比ヶ浜」

結衣「え、な、あ、あ、なななな何?」ワタワタ

八幡「あの卒業式の日、俺に何を言うつもりだったんだ?」

結衣「!」

八幡「思えば呼び出された俺が一方的にお前に言いたい放題言って逃げる形になってたからな、覚えてるなら聞かせてほしい。…遅くなったがちゃんと答えを出す。今この場でな」

結衣「…」

八幡「すまん、勝手な理屈なのは承知の上だ、それでも聞きたいんだ」

結衣「あたしもヒッキーから聞きたいことがあるよ」

八幡「当然答えさせてもらう」

結衣「…すー…はー…」
八幡「…」

結衣「…高校の頃、ヒッキーはゆきのんが好きだったんだよね?」

八幡「そうだ」

結衣「今もゆきのん忘れてないよね?」

八幡「ああ」

結衣「なら、あの時の言葉は絶対話さない」

八幡「…そうか」

結衣「ゆきのんがどんな気持ちでヒッキーの告白を断ったかは分からないけど、ヒッキーはそれすらもしてくれなかったよね?」ポロポロ

八幡「その上無様にさっさと好き放題言って逃げたよ」

結衣「引いても押しても逃げるなんてひどいよ…」グスッグスッ

八幡「すまん…」

結衣「あたしもズルくてさ…ヒッキーがゆきのんにフられて、あたしにもチャンスがあるって舞い上がってた…」グスッグスッ
八幡「普通はそうなるだろう、自分を責めるなよ、悪いのは俺だ」

結衣「あたし…ゆきのんもヒッキーが好きなの知ってたんだよ…」グスッグスッ

八幡「んなわけないだろ、現に俺は雪ノ下に…」
結衣「多分、あたしもヒッキーが好きなの知ってたんじゃないかな…」ポロポロ

八幡「愛情より友情ってやつか…」

結衣「ゆきのんは優しいから…絶対ヒッキーの告白を断るのを分かってたんだよあたし…」グスッグスッ

八幡「…」

結衣「だから、こうなったのも半分はあたしにバチが当たったのかも…」グスッグスッ

八幡「いいか由比ヶ浜」
結衣「?」グシグシ

八幡「お前はさっき自分の事をズルいと言ったがな、お前如きの脳みそで弾き出されたソロバンの結果なんざ卑怯の内に入らん」


結衣「…」

八幡「好きな奴が好きだった奴にフられて、それをチャンスに思わない奴はいない」

結衣「だけど!」

八幡「雪ノ下と俺が両想いだったとして、それでも由比ヶ浜との友情を取ったのは俺よりもお前を大事に思ったからだろ?」

結衣「…」

八幡「中学で散々痛い目を見てきたトラウマが何回もフラッシュバックしながら、俺は雪ノ下雪乃に当たって砕けたんだ」
結衣「ヒッキー…」

八幡「砕けたが後悔はしてない、大体俺はお前を砕かずに逃げたしな」

結衣「そこだけは許さないから」

八幡「許されるつもりはねえよ、気が済むまで殴るなりなんなりとしてくれよ」

結衣「なら、さ…」ドキドキ

八幡「言ってくれ、俺に出来る範囲でならなんでもするよ」

結衣「職場見学くらいの時から始めない?」

八幡「どういう事だよ?」

結衣「奉仕部の最初の頃からやり直すの、ヒッキーがゆきのんと難しい話をしてて、あたしが笑ってて…」

八幡「懐かしいな」

結衣「ゆきのんは東京の大学に行っちゃったけど、その頃のあたしとゆきのんとヒッキーの三人に戻りたいな」

八幡「雪ノ下がネックだな…」

結衣「そこはほら、大学の後に集まったりしてさ、しかも今なら夏休みだしさ!」

八幡「まあ俺に出来る範囲の事か、分かったよやるよ」

結衣「ホント!?」

八幡「あいつの都合を見てからだけどな」

結衣「連絡先知ってる?あたしが連絡しようか?」

八幡「ああ大丈夫、雪ノ下さんから聞くよ」

結衣「え?」ピクッ

八幡「あ…」

結衣「どういうことヒッキー?」

八幡「いや、あの」

結衣「今の言い方だと陽乃さんと仲良さそうだよね?」

八幡「仲良しってわけではないぞ、うん」ダラダラダラダラ

結衣「いやいや、ちょっと前までのあたしとかサキサキへのヒッキーの態度見てたらすごく仲良しじゃない?」

八幡「ち、ちょっと前にたまたま会ってな…」シドロモドロ

結衣「たまたま会って?…ヒッキー、陽乃さんにはすぐに会ってすぐにゆきのんの連絡先聞けるって事だよね?」

陽乃「そりゃ聞けるよ」
八幡「はぅうぅっ!?」ビクーン!

結衣「え?陽乃さん?何で?」

陽乃「だってあたし比企谷君のい」

八幡「ちょうど良かった陽乃さんんん!雪ノ下の連絡先教えてつかぁさい!」グワッ!

陽乃「え?あ、うん、はい」

結衣「ヒッキー」

八幡「赤外線はどこですか!?」

陽乃「ここだよ」ツンツン

八幡「おおそうですか!最近の機械は難しいなあ!」

結衣「ヒッキー?」ガシッ
八幡「はい何でございますか」ピシッ

陽乃「変な八幡君」クスクス
結衣「聞きたいこといっぱい出来ちゃった、答えてくれるよね?」ニコニコ

八幡「黙秘権を…」

結衣「却下」ニコニコ

八幡「ですよねー」

結衣「全部話してね、ヒッキー?」ニコニコニコニコ

陽乃「おーガハマちゃんすごい迫力だー、やるじゃないの」シミジミ

八幡「…」ズーン

結衣「話は分かったよ」ムスッ

陽乃「ふあぁ…」ノビー

結衣「陽乃さん?ヒッキーの言ってることはホントですか?」

陽乃「大体は合ってるよー」

結衣「へえ、大体ですか」

陽乃「あたしが八幡君の家に住んでるのは合ってるけど、理由は全部じゃないね。押し掛け女房のつもりでもあるから」

結衣「押し掛け女房!?」ピキッ

八幡「ああもう…」ガクリ
陽乃「さっきバッサリお断りしてきた相手から逃げるのはきっかけで元々八幡君の家に押し掛けたくてさー」ニマニマ

結衣「へえ…」ピキッピキピキ

八幡「…」ガタガタブルブル
陽乃「八幡君優しいからすぐ上げてくれてさー」ニマニマ

結衣「たしかにヒッキーは優しいですよね」フッ

八幡「…」ホッ

陽乃「うんうん」ニマニマ

結衣「あたしが押し掛けてもヒッキーは家に上げてくれるんだよね?」ニコニコ

八幡「あわわわわ…」ガタガタブルブル

陽乃「ダメだよね?」ニコニコ

八幡「ひいいいい…!」ヘタッ…

結衣「どうなのヒッキー?いいよね?ね?」ズイッ
陽乃「ダメだよね八幡?そうに決まってるよね?」ズイッ

八幡(あ、これ詰んだかも)

結衣「っていうかなんでヒッキーを名前で呼んでるんですか?」ギロッ

陽乃「同棲してるし、その分深い仲だもん」シレッ
結衣「ぶっ!?ふ、深い仲ぁ!?」クワッ!

陽乃「あたしの裸も知ってるよ八幡は」ニヤニヤ

結衣「…」ブチッ

八幡「語弊があるだろ!裸っつっても下着姿だろ!やましいことはしてない!」

結衣「下着姿ってどういうことかな?」ゴゴゴゴ
八幡(墓穴掘ったー!)
陽乃「八幡君を誘惑したくてつい」テヘ

結衣「ねえヒッキー」ニコニコガシッ

八幡「は、はい!」ピシッ
結衣「んっ」チュッ

陽乃「え?」

八幡「!?」

結衣「あたしの方が陽乃さんより進んだよね?」テレテレ

陽乃「…」ブチッ

八幡「え?え?」オロオロ

結衣「ヒッキーがもっとスゴいことしたいならあたし…」モジモジ

八幡「なっ!?」ボンッ!
陽乃「八幡」

八幡「な、なんすか?」ビクッ

陽乃「浮気の一回や二回くらいはしてもいいけど最後はあたしのところに帰ってきてね?」ウルウル

結衣「!」ブチッ!

八幡「え、あの…」ワタワタ
結衣「…」ガルルルル!

陽乃「…」ガオオオオ!

八幡(これが、この状況が前門の虎と後門の狼…)

結衣「お邪魔します、へえー、ここがヒッキーの家かー」キョロキョロ

八幡「たでーまー陽乃さんとは別に来客だぞ小町ー」

小町「ゆ、結衣さん!?お久しぶりです!」

結衣「小町ちゃん久しぶりだね!」


陽乃「いらっしゃいガハマちゃん」ニヤニヤ

小町(おー、修羅場だ)ヒソヒソ

八幡(楽しそうだなお前)ヒソヒソ

結衣「陽乃さん『も』いらっしゃいになりますからね?」ギロッ

陽乃「いやいや、あたしは八幡の許可をもらって生活費も払ってるからさ」ジロッ

結衣「居候するなら当たり前じゃないですか」バチバチ

陽乃「ふふふ」バチバチ

結衣「あはは」バチバチ

八幡(何かこう、天使的なのが舞い降りてきて仲裁してくれないかな…胃が痛い)キリキリ

結衣「ねえヒッキーゲームとかある?」ズイズイ

陽乃「あ、それならかくれんぼとかどう?あたしと八幡と小町ちゃんが鬼でさ」

結衣「見つける気ないんですよね?」

陽乃「あ、バレた?」ニヤニヤ

結衣「分かりますよそれくらい」ニコニコ

八幡(トラウマが…)チクチク

小町(流れ弾だね)ヒソヒソ

陽乃「はちまーん」コテン
八幡「な、なんすかいきなり」ドキドキ

陽乃「いいじゃないたまにはさー」スリスリ

結衣「ぐぬぬ…」ガルルルル!

小町(結衣さん相変わらずお兄ちゃん大好きだなー)ニヤニヤ

結衣「ヒッキー!」ガシッ!

八幡「お前まで何なんだよ!?」ドキドキ

結衣「構ってよ!」グイグイ

陽乃「しつこい女は逃げられるよ?」グイグイ

八幡(あんたもしつこいだろ!とか言えない、怖いもん)

小町(大岡裂きを初めて見たよ)フムフム

結衣「む~!」グイグイ

陽乃「ふふん♪」グイグイ
八幡(あれ?まさか俺、今絶賛モテ期か?これがモテ期なのか?)

陽乃「ま、いっか♪」パッ

結衣「え?」グラッ

八幡「くっ!」ガバッ!

ドタン!

結衣「あ、ありがとうヒッキー…」ドキドキ

八幡「陽乃さん、いきなり力抜かないで下さいよ」

陽乃「ごめんね?ガハマちゃんも」ペコペコ

結衣「あたしは…ちょっと得したけど…」ドキドキ
八幡「得?何がだよ」

結衣「なななな何でもないよ!」アセアセ

八幡「?」

陽乃「ガハマちゃんガハマちゃん」ヒソヒソ

結衣「何ですか?」ヒソヒソ
陽乃「今思い切りときめいたでしょ?」ヒソヒソニヤニヤ
結衣「うがーーー!」ガルルルルァァ!

八幡「どうした由比ヶ浜!?」ビクッ

小町(この三人見てるだけで楽しいなあ)ポリポリ

結衣「はあ…はあ…」ゼエゼエ

陽乃「ちょっとからかっただけなのに」クスクス

八幡「まーた陽乃さんは…」

小町(お、ポッキー冷凍庫に入れてる、貰お)ガサゴソ

結衣「隙あり」ガシッ

八幡「!」

陽乃「あ、八幡盗られちゃった」

小町(飲み物は…マックスコーヒー勝手に飲むと怒られるからこのコーラで我慢しよう)ガサゴソ

結衣「べーだ!」スリスリ

八幡「おい由比ヶ浜…」
結衣「陽乃さんばっかりズルいもん」ダキダキ

八幡「はあ…」

結衣「ヒッキーの匂い、陽乃さんの匂いと混ざってる…」クンクン

陽乃「そりゃ同棲してるし、寝るとき八幡の布団に潜り込むし」サラッ

結衣「なんですとおおおお!?」クワッ!

八幡「あれ暑いからやめて下さい」

結衣「陽乃さんに襲われるよ!?」

小町(コーラとポッキーの組み合わせも悪くないね)ポリポリゴクゴク

陽乃「襲ったら追い出されそうだからしませーん」

結衣「襲う気満々だよ!?追い出されないなら今にも陽乃さんヒッキー襲うよ!?」

八幡「さすがにないない」ケラケラ

陽乃「そうそう」ニコニコ

結衣「信用できない…」ジトー

小町(ポッキーは細いやつが一番だよね)ポリポリ
陽乃「八幡に襲われたら仕方ないけどね」

八幡「襲うか!返り討ち必至じゃねえか!」

結衣「あたしはヒッキーに襲われたいな?」ギュッ

八幡「アホ…」ドキドキ

結衣「えへへー」テレテレ

陽乃「…」

小町(次はトッポを置いといてもらおうかな)

八幡「気をつけて帰れよ、ナンパされたらすぐ連絡しろよ、そいつらに追い込み掛けるから」

小町「怖いよお兄ちゃん!…それじゃあ、小町帰るね。二人とも兄をよろしくお願いします」ペコ

陽乃「可愛い義妹の頼みなら聞くしかないね」ニコニコ

結衣「よくできた義妹だよホント」ニコニコ

八幡(妹のニュアンスに違和感が…つうか小町、俺が楽しみにしてるおやつ平らげて帰りやがるのか。食い逃げかよちくしょう!)

結衣「あ、電話だ」ピリリリリリ!

八幡「出てやれよ」

結衣「それもそうだね。…はいもしもし、え?シフト代わって欲しい?」
陽乃「バイトしてるんだガハマちゃん」

八幡「俺は働きたくないから超切り詰めて生活してました」キリッ

陽乃「それはそれですごいね」クスクス

結衣「仕方ないなあ」ピッ

八幡「呼び出しか」

結衣「欠員出たんだって、行くけど陽乃さん、ヒッキーに変なことしないでくださいね!」

陽乃「いいからいってらっしゃい」

結衣「バイト終わったらすぐ来ますからね!一旦お邪魔しました!」タタタタ
陽乃「行ったね」

八幡「久しぶりに会話したとは思えない打ち解け方ですね陽乃さん」

陽乃「まあね」スッ…

八幡「なんすか?また由比ヶ浜をからかうために…」

陽乃「んっ」チュッ

八幡「ん゛!?」ギョッ

陽乃「ん…ん…」クチュル…ニチャ…

八幡「!?」モゴモゴ…

陽乃「はむっ…ちゅっ…」グッ

八幡「ん!?」ドサッ

陽乃「ふ…ん…」レロレロ

八幡「ぷはっ!な、何を…」ワナワナ

陽乃「…」ポロポロ

八幡「な、何で泣いて…」オドオド

陽乃「…ガハマちゃんとキスした」ポロポロ

八幡「いや、それはあいつがいきなり」

陽乃「八幡のファーストキスもらえなかった」ポロポロ

八幡「あ…」

陽乃「あたしの後ならまだいいけどあんな形で…」グスッグスッ

八幡「すみません…」

陽乃「八幡は悪くないよ、だけど悲しくて」グスッグスッ

八幡「陽乃さん…」ズキッ
陽乃「いきなりごめんね?あたしもここまで悲しいなんか知らなくて…」ヒックヒック

八幡「…」ギュッ

陽乃「!」

八幡「陽乃さん結構甘えん坊ですよね」ナデナデ

陽乃「うん…」スリスリ

八幡「たまには必要ですよねこういうの」ナデナデ
陽乃「うん…」スリスリ

八幡「今は甘えても大丈夫ですから、ゆっくりしましょう」ヨシヨシ

陽乃「…」スー…

八幡(かわいいお姉さんだな…)フッ

陽乃「くー」スヤスヤ

八幡(あれ?陽乃さん起きるまでこのまま押し倒されたまま?)

陽乃「…」スヤスヤ

八幡(まあいいか、由比ヶ浜もそんなに早くは)
ガチャ!

結衣「ただいま!」ドタドタ

八幡「お、おかえり…」
陽乃「八幡…えへへ…」ムニャムニャ

結衣「うがーーーー!」ガルルルルルァ!

八幡(由比ヶ浜が激おこだよおおおお!)ブルブル
結衣「あたしがいない間に何やってんのさ!?」ムキー!

八幡「いやこれはだな」
陽乃「八幡…」スリスリ

八幡(何でこのタイミングにダイナミックな寝相するんだよ!)

結衣「ねえヒッキー」

八幡「お、おう」ビクビク
結衣「ヒッキーって陽乃さんと付き合ってるわけじゃないんだよね?」ピキピキ

八幡「はい」ビクビク

結衣「一万歩譲って一緒に住むまではいいとしてもさ」ピキピキ

八幡「…」ビクビク

結衣「陽乃さんだけヒッキーが抱き枕なんてズルいよ!」クワッ

八幡「…はい?」

結衣「あたしバイトで疲れたからヒッキー抱き枕になってよ」

八幡「まてまて、発想が飛躍してるぞ」

結衣「あたしは!ヒッキーと!イチャイチャしたり!甘えたり甘えられたりしたいんだよ!」

陽乃「もうあたしがいるからダメ」ガシッ

八幡「あ、陽乃さん起きたなら離れて下さいよ」
結衣「そうですよ!あたしが次なんです!」

陽乃「やーだーはーなーれーなーいー」ダキダキ

泡盛モリモリ飲んだからちょっとだけよ



結衣「陽乃さんだけズルい!」プンプン

陽乃「八幡とチューしたガハマちゃんの方がズルいよ」クンクン

八幡(そのあとあんたに思い切り舌入れられたけどな…)

結衣「ど、どうせあたしのいない間にディープなやつしたんでしょ!?」
八幡・陽乃「!」ギクッ

結衣「…え?マジでしたの?」

八幡「…」

陽乃「知りたい?」ニヤニヤ
結衣「ヒッキー!どうなの!?」ギロッ

八幡「ノーコメントで」ダラダラ

陽乃「ガハマちゃんの言うとおり思いっきり濃厚なのをしちゃった☆」ニマニマ

結衣「うがーーーー!」ヴオオオオ!

陽乃「ガハマちゃんに見られながらまたしようよ八幡」ンー…

八幡「あ、ちょ」ワタワタ

結衣「だ、ダメ!」ガシッ
陽乃「離しなさい」ググググ


結衣「イヤです」ギリギリ
八幡(おお、あの陽乃さんと張り合ってる…)ポカーン

結衣「ぐぬぬ…」ギリギリギリギリ

陽乃「ふふふ」ググググググググ

八幡(小町よ、来るなら今来て欲しかったぞ)

結衣「ふん、陽乃さんの反対でヒッキーに抱きつくもん」ヒシッ

八幡「おい由比ヶ浜」

陽乃「あ、そう来ちゃうか」ダキッ

八幡「陽乃さんも張り合わなくていいでしょ」

結衣「ヒッキーこっち向いてよ」グイグイ

陽乃「ダメダメ、あたしの方見ててよ」グイグイ

八幡「なんだこの状況…」

ヤンデレはるのん(重いけど明るく面白い)
ヤンデレゆきのん(重くて独占欲の塊で根暗)

八幡(ここが天国オンザビーチか…)

結衣「がるるるるる!」ムニュムニュ

陽乃「ふふふふ…」ムニュムニュ

八幡(甘いよメロンでっかいよスイカ)

結衣「…」ムニュムニュ

陽乃「…」ムニュムニュ

八幡(ん?二人とも急に大人しくなったな)

結衣(ヒッキーが喜んでる!)ムニュムニュムニュムニュ

陽乃(八幡が嬉しそう♪)ムニュムニュムニュムニュ

八幡(おお…乳ワールド万歳だな)

結衣「…」スリスリ

陽乃「…」スリスリ

八幡(眠い…)zzz

八幡「はっ!」ムクッ

結衣「あ、ヒッキー起きた?」

陽乃「ご飯すぐ出来るからね」グツグツ

結衣「あたしも料理出来たらなあ」

陽乃「センスがものを言うからねえ」

結衣「うう…」

八幡(天国オンザビーチが…メロンとスイカが…)シュン

八幡「いや、なんでもない」

結衣「ふーん」

陽乃「出来たよー」

八幡「はーい」

結衣「あれ?あたしの分もある?」

陽乃「当たり前じゃない」

八幡「お前陽乃さんのことなんだと思ってるんだ」

結衣「いやいや、恋敵だしさ」

陽乃「だからってそんなご飯が不味くなるようなことしないよ」

八幡「逆説的に言えば由比ヶ浜はそんなことをするのか…」

陽乃「えー…」

結衣「しないよ!」クワッ

八幡「だろうな」

陽乃「そこはあたしも分かってたよ」

結衣「二人とも…」ジーン
陽乃「だってガハマちゃんそんな回りくどい嫌がらせする頭無いでしょ?」

八幡「つうかそもそもお前の料理出されない方が助かるし、命が」

結衣「うがーーーー!」ギャーーース!

結衣「おかわり!」モグモグ

八幡「よく食うな」

陽乃「四杯目だよ」ヨソイヨソイ

結衣「今日はよく怒ったからお腹空くの!」ムシャムシャ

陽乃「作った甲斐があるからいいけどね」パクパク
八幡「結構な量だったから残ると思ったんだけどな」

陽乃「ああ、冷蔵庫の中整理したくてさ」

結衣「それってつまり、余り物でこんな美味しいんですか!?」

八幡「マジでうまいよな」ムグムグ

陽乃「照れるなあ」テヘッ
結衣「…」ムムム

八幡「どした由比ヶ浜」
陽乃「もうこの際ちょうどいいから全部食べるの手伝ってよ」

結衣「はい!」ムシャムシャ

八幡「うめえ」ムグムグ

陽乃「ふふふ」パクパク

八幡「食った食った」

結衣「あ、洗い物は手伝います!」

陽乃「ん?いいよ別に」ジャブジャブ

結衣「だけど」

陽乃「いいのいいの」ジャブジャブ

八幡「陽乃さん台所のレイアウトにこだわりがあるみたいだから下手な事しないほうがいいぞー」
結衣「ああそういうこと」ポン

陽乃「八幡が手伝おうとしたときも断ってるから気にしないでね」フキフキ

結衣「はい、分かりました」トテトテ

陽乃「フライパンは真ん中のフックに吊るして…フライ返しは長さと材質順に並べて…お鍋は水気を拭き取って上の棚に…楽しい♪」テキパキ

八幡「…」グビグビ

結衣「…」ジー

八幡「?」

結衣「…」ジー

八幡「なんだよ」グビグビ

結衣「いや、あたしのファーストキスの相手の唇が気になってさ」ジー

八幡「ぶふっ!?」ボタボタ

結衣「ヒッキー大丈夫!?」フキフキ

八幡「お前が変なこと言うから…」ケホケホ

結衣「ご、ごめん」フキフキ
八幡「あー大丈夫大丈夫、そんなにこぼれてないから」フキフキ

結衣「でさ、ヒッキーは初めてだった?」ソワソワ

八幡「…」

結衣「どうなの?」

八幡「…おう」

結衣「そっか…あたしが初めてかぁ…」ニヤニヤ

八幡「まあな」ポリポリ

結衣「えへへー」ダキッ

八幡「おいおい…」

結衣「今までヒッキーと話せなかった分取り返すもん」ダキダキ

陽乃「なにしてるのかな?」ニコニコ

結衣「!」ビクゥッ!

八幡「あわわわわわ…」ガクガクブルブル

陽乃「ガハマちゃん、あたしのいない隙に八幡と何をする気だったのかな?」ニコニコ

結衣「え、あ、いや…もう一回キスとかしちゃおっかなーなんて…」ダラダラダラ

八幡(どこで勇気出してんださっさとしまえよ!)ガクガクブルブル

陽乃「ふぅん…」ニコニコ

八幡「…」ガクガクブルブル
結衣「…」ダラダラダラダラダラダラ

八幡(こええ…)

結衣「陽乃さんの許可いらないじゃないですか」
陽乃「まあ確かに?あたしは八幡と付き合えてない状況だけどさ」

結衣「ならあたしにも権利があります!」

陽乃「…」ジロッ

結衣「…」キッ

陽乃「ふむ…ちょっと来なさいガハマちゃん」

結衣「?」

八幡「陽乃さん!まさか暴力なんか」

陽乃「違う違う、ガハマちゃんとゆっくり話し合いしたほうがいいかなって」

結衣「あたしも思ってました」

陽乃「さて、ガハマちゃんに提案があるんだけどね?」ニヘニヘ

結衣「提案ですか?」

陽乃「そう」ペラッ

結衣「何ですかこ…あ、ヒッキーの寝顔」マジマジ
陽乃「八幡が可愛いからついつい撮っちゃうんだよねこういうの」ズラッ

結衣「おお…こ、こんなキワドい写真まで!」ワナワナ

陽乃「あたしの八幡ファイルに死角はないよ?もっとすごい写真あるし」
結衣「一枚いくらですか?」ギラギラ

陽乃「お金はいいよ」ケラケラ

結衣「え、そうなんですか?」

陽乃「だけどガハマちゃんがあんな抜け駆けするならこれで最後かな」

結衣「…もうしません」
陽乃「ならいいや、最後は八幡が決める事だから、それまでは正々堂々勝負してくれるならね」ニコッ

結衣「あ、ありがとうございます!」

陽乃「見てよこの鎖骨!」キャッキャッ

結衣「いやいや、こっちのスジなんか」ワイワイ

八幡(二人とも遅いな、陽乃さんもさすがに暴力は振るわんだろうが…つうか暴力に頼ったとこ見たことないしな)ソワソワ

八幡(脅すのも無いだろう、壊れ気味な執着は見えるがプッツンまではしてないし)フム

八幡(となると懐柔、あるいは買収か?…いくらあの二人の関係性でも金で由比ヶ浜を飼い慣らせる程ドライな間柄とは言えないよな。)ポクポクポクポク

八幡(あ)チーン!

八幡(小町に食われたお菓子を買い足すのを忘れてた、買い出しがてら軽く見回ってきな臭いことになってないか探ってみよう)イソイソ

アザーッシター

八幡(二人とも見当たらないか)スタスタ

「あ」

八幡(小町のために多めに買っておく俺マジお兄ちゃん、トッポを冷凍庫に入れて備えるあたりマジ長瀬)スタスタ

「おい比企谷」

八幡「はい?」クルッ

沙希「あんたなにしてんの?」

八幡「なにって買い出しだけど」

沙希「そうじゃない、由比ヶ浜と話してたでしょ」

八幡「ああ、あれな」

沙希「由比ヶ浜のやつ泣いてたけど、理由によっちゃ鼻血覚悟してよ」ボキボキ

八幡「話すと長くなるから店か何かで話していいか?」

八幡「とまあ、陽乃さんと由比ヶ浜がどっか行って俺は見回りながら二人を探してるわけだ」

沙希「話は分かった」

八幡「鼻血もんだろ?」
沙希「あたしがあんたを殴る範囲外だよ。あんたは誠意を見せた、由比ヶ浜は誠意を見極める。そこであたしがあんたをブン殴る筋合いはない」

八幡「陽乃さんが家にいてもか?」

沙希「今のあんたはあたしに殴られた方が罪滅ぼしになると思ってる、んなやつ殴ってやるほどあたしは優しくない」

八幡「いや、やっぱ優しいわお前」ククッ

沙希「はあ?」ギロッ

八幡「俺に優しくないだけで由比ヶ浜には超優しいじゃんお前」ニッ

沙希「…」カァッ!

八幡「どうした?」

沙希「な、何でもない」
八幡「んん?」

沙希「あんたはさ、雪ノ下の姉貴を選ぶの?由比ヶ浜を選ぶの?」

八幡「まだわからん」

沙希「あんたね…」

八幡「こちとら生まれてこの方ほとんど女に縁が無かったのにいきなり選択肢突きつけられて選べるかよ。逆にお前が俺と同じ状況になって選べるのか?」

沙希「…」

八幡「お前と由比ヶ浜が知らない仲じゃないから由比ヶ浜を応援するのは分かるけどな、陽乃さんは陽乃さんで魅力的だし由比ヶ浜は由比ヶ浜で魅力的なんだよ」

沙希「贅沢な悩み」


八幡「ホントにな、しかも残念なことに陽乃さんは俺ごときが逃げられる相手でもないし、由比ヶ浜からはもう逃げるわけには行かなくなっちまった」

沙希「半分は自業自得でしょ」

八幡「自業自得で痛い目にでも遭うなら甘んじて受け入れもするがな、優しいんだよ二人とも」


沙希「あんたはその優しさに応えたらいいでしょ」

八幡「半端な真似をして二人とも傷つけるだけになったら、もうどうしようもないだろ」

沙希「分かってるなら早く選べ」

八幡「俺と雪ノ下のこと知ってるだろ?」

沙希「まあね」

八幡「仮にどちらかを選んだとしてだ、あの痛みを選ばなかった方に与えることになるのは相応の覚悟がいる」

沙希「長引いても似たような事になる」

八幡「正論だがな…」

沙希「時間を掛ければそれに比例して傷は深くなるでしょ」

八幡「…」

沙希「あんたの女の趣味は知らないけど、雪ノ下にフられたあんたですら前向きに新しい相手に進もうとしてる、あの二人が出来ない訳がない」

八幡「!」

沙希「優しさのつもりで人を傷つけるのがこの場合一番タチが悪い」

八幡「俺はまだまだ認識が甘いな」

沙希「ナメてるのかと思ったよ」

八幡「全くだ」

沙希「夏休みの間に決めた方がいいよ」

八幡「2ヶ月だけでか」

沙希「2ヶ月もでしょ?雪ノ下の姉貴は知らないけど由比ヶ浜は何年も待ってる」

八幡「分かったよ、確かに決めるのに期限は大事だな」

沙希「あんたみたいな奴にはね」

八幡「そうと決まれば帰るわ、愛してるぜ川崎」
沙希「!?」//////

八幡「ここは俺の奢りだから、ありがとうな」

アリガトウゴザイマシター

沙希「はあ…何やってんだろあたし…」

八幡「ただいまー」

陽乃「あ、八幡おかえり」

八幡「あれ?由比ヶ浜は?」

陽乃「ガハマちゃんならまた明日来るってさ」

八幡「脅してないでしょうね」

陽乃「脅して退いてくれるような楽な相手じゃないよあの子はさ」

八幡「アホですけどね」
陽乃「いい子だよ」

八幡「たしかに」

陽乃「さて、ご飯作るね」トテトテ

八幡「はいはい」

陽乃「♪」ザクザク

八幡「あ、そういえば陽乃さんの婚約者の話ってどうやって断ったんですか?」

陽乃「ん?簡単だよ?あたしの代わりにお金持ちと結婚したがってた人を紹介したの」トントントントントントン


八幡「誰ですか?」

陽乃「静ちゃん」ポチャポチャ

八幡「え!?」

陽乃「年の差を考えてもちょうど良かったし、静ちゃん見た目も良いから先方もノリノリでさ」マゼマゼ

八幡「大丈夫なのかそれ…」

陽乃「あたしの実家の会社も静ちゃんを紹介したっていう恩を売れたし、取引は継続だって」ジュー

八幡「おお…」

陽乃「静ちゃんもあたしも先方も得して万々歳だよ」コトコト

八幡「やっと貰われたんですね平塚先生」ブワッ

陽乃「公務員なんてお堅い仕事だからそれがプラスに働いてさー」カシュカシュ

八幡「あの性格はどう誤魔化すんですか?」

陽乃「簡単だよ、生徒の心を掴むためだとかいって説明の時に一通り話したから」

八幡「ものは言いようですね」

陽乃「経営者なんてワーカーホリックは珍しくないからこれも仕事だって言ったらすぐ納得したよ」

八幡「ワーカーホリックなんか居たのか…てっきり都市伝説かと」

陽乃「八幡からしたら真逆だもんね」クスクス

八幡「働きたくないでござる!」

陽乃「どこで気合い出してるの」ケラケラ

八幡「何が一番嫌って働くことですからね」

陽乃「本当にもう」クスクス
八幡「…つっても、いつかは誰かの為に働くんでしょうけどね」

陽乃「ふふふ、あたしの為だったら嬉しいな」

八幡「そこは保留ってことで」

陽乃「仕方ないなあ」ニコニコ

八幡「すみません」

陽乃「ガハマちゃんは強敵だなあ」

八幡「俺には二人とももったいないですしね」

陽乃「そうでもないけどね」

八幡「どうだか」

陽乃「八幡は相変わらずだね」

八幡「そりゃあね」

陽乃「あんまり待たされると押し倒しちゃうからね?」

八幡「…」

陽乃「多分ガハマちゃんも同じ気持ちだと思うよ」

八幡「幸せ者なのやら女難なのやら」

陽乃「どっちだろうね?」ニコニコ

八幡「分かりませんよ」
陽乃「さささ、ご飯できたし食べよっか」

八幡「待ってました」

陽乃(今日は八幡の布団に寝ボケたふりして潜り込もう)

八幡「いただきます」

陽乃「召し上がれ♪」(そのままあたしごと食べても良いのになー)

八幡「うまい」マグマグ

三時間後

八幡「風呂も入ったし寝ます」モゾモゾ

陽乃「おやすみ、八幡」イソイソ

八幡「おやすみなさい、陽乃さん」

陽乃(雪乃ちゃんはどうして八幡をフったんだろう…間違いなく八幡が大好きだったのに。やっぱガハマちゃんに遠慮して?)

八幡「…」スー

陽乃(無防備な寝顔)クス
八幡「…」クー

陽乃(布団に侵入侵入)ゴソゴソ

八幡「んん…」スヤスヤ

陽乃(一日の中で一番癒されるんだよね、これがバレたらガハマちゃん怒るだろうなー)ニヤニヤ

八幡「くー」zzz

陽乃(あたししか知らない八幡の顔…八幡は浮気しなさそうだけど、他の娘がこの顔を知ったらあたし笑って許してあげられるかな…)

八幡「陽乃さん…」

陽乃「ひゃいい!?ねねね寝ボケて布団に…」オロオロ

八幡「…」ムニャムニャ

陽乃(びっくりした…寝言でよかった…危うく怒られるとこだった…)

八幡「…」クー

陽乃(あたしを驚かせた罰に一晩中抱きついて離れない♪)ヒシッ

八幡「うーん…」zzz

八幡「…」パチッ

陽乃「八幡…でへへ…」ニヤニヤzzz

八幡「陽乃さんが俺より起きるの遅いの初めてじゃねえか?」ムクリ

陽乃「ぐへへ…八幡捕まえた…」ニヤニヤzzz

八幡「どんな夢見てんだこの人…」

陽乃「あたしだけの八幡…誰にもあげない…」スヤスヤ

八幡「つうか布団に侵入してんじゃねえか」ドキドキ

陽乃「お前を蝋人形にしてやろうか…」zzz

八幡「本当に何の夢見てんだこの人?!」

陽乃「ん…おはよう八幡」ノソノソ

八幡「おはようございます閣下」

陽乃「ん?閣下って何?」コシコシ

八幡「ついさっき寝言でお前を蝋人形にしてやろうかとか言ったじゃないですか」

陽乃「何それ!?言ってないよそんなこと!」ビクッ!

八幡「寝言ですから」

陽乃「言ってないもん!」
八幡「ばっちり聞きました」

陽乃「言ってない!」

八幡「間違いなく聞きました」

陽乃「八幡のイジワル」プイッ

八幡「まあまあ、デーモン陽乃閣下」

陽乃「ブーブー」

八幡「朝飯ありますよ閣下」

陽乃「八幡がイジメるー!」

陽乃「…」プイッ

八幡「機嫌直して下さいよ陽乃さん」

陽乃「ふんだ、あたしはどうせデーモン陽乃閣下ですよーだ」イジイジ

八幡「忘れますから、ね?」

陽乃「ヤダ」プイッ

ピンポーン

八幡「ん?小町か?」

陽乃「ガハマちゃんじゃない?」

八幡「昼くらいに来ると勝手に思ってましたよ」
陽乃「時間の話はし忘れてたよ」

八幡「おー由比ヶ浜、入…」ガチャ

結衣「おはようヒッキー」

雪乃「久しぶりね、比企谷君」

八幡「…おう」

陽乃「あら雪乃ちゃんじゃない」

雪乃「姉さんも久しぶりね」

結衣「昨日ゆきのんに集まれるか電話したらすぐ行きたいって」

八幡「とにかく上がれよ」

雪乃「お邪魔します」

結衣「お邪魔しまーす」
陽乃「いらっしゃーい」
結衣「陽乃さんの家じゃないでしょ!」

陽乃「お茶とお菓子出すね」トタトタ

八幡「あ、来客用の奴が戸棚の右側にありますよ」

陽乃「はーい」ゴソゴソ

雪乃「懐かしいわね」

八幡「まあな」

結衣「でも半年経ってないんだよね」

八幡「たしかに」

雪乃「東京と千葉だから近いはずなのになかなか会いづらくなるものなのね」

八幡「俺は千葉から出たくねえ」

結衣「出たよヒッキーの千葉愛…」

雪乃「相変わらずで安心したわ」クスッ

八幡「お前もな」

結衣「陽乃さん、遅くない?いつもなら早めに来るのに」


八幡「雪ノ下いるから気を使って紅茶に一、二手間掛けてんだろ」

雪乃「姉さんが?」

八幡「そ、お前の姉さんが」

結衣「美味しい紅茶飲めるなら楽しみだなー」

八幡「こんな風に素直なら陽乃さんもそうそうふっかけてこないぞ」

結衣「あー…言われてみれば」

雪乃「姉さんを名前で呼ぶのね」

八幡「いつの間にかな」
結衣「…」ムスッ

雪乃「あの姉さんを名前で呼ぶなんてやるわね」
八幡「あん?城廻先輩も呼んでただろ」

雪乃「あの人は優秀な部下だったから」

八幡「ほーん」

陽乃「お待たせー」カチャンカチャン

結衣「あ、待ってました」

雪乃「良い香りね」

陽乃「力作だよ」

八幡「たまには紅茶もいいな」

雪乃「美味しいわ」

結衣「ねー」

八幡「砂糖入れようと思ったけどいらんな」

陽乃「ふっふっふ~」シタリ

雪乃「…」

結衣「ホント美味しい」
陽乃「それにしても雪乃ちゃん、八幡のこと好きなのに何でフったの?」
八幡「ぶふぁっ!」

結衣「うわあ!ヒッキー大丈夫!?」

雪乃「…」

陽乃「正直見当は着いてるけど、雪乃ちゃんから直接聞きたいな」

八幡「陽乃さん、あんた何言って…」

結衣「あたしも気付いてた」

雪乃「…」

陽乃「嘘は吐けないから黙るの?」

結衣「あたしに気を使ってくれたんだよね?ホントはヒッキーが大好きなのに、あたしがいたからヒッキーの告白を断ったんでしょ?」

八幡「だから、それが本当だとしてもだな」

陽乃「八幡は少し黙ってて、あたしとガハマちゃんには必要な事なの」

八幡「…」

結衣「お願い、友達として答えて」

陽乃「あたしには話さなくてもガハマちゃんには話してもいいんじゃない?」

雪乃「いつからだったかは明確では無いけれど、気が付けば私は確かに比企谷君を好きになっていたわ」

八幡「…」

結衣「やっぱりそうだったんだね」

陽乃「それで?」

雪乃「好きな異性はどうしても視線を向けてしまうものなのね、彼が何をするでもないのにかなりの頻度で見ていたわ。彼は中々気付かなかった…というよりも気付かないフリをしていたのかも知れないわね、たまに話に出てくるトラウマが頭をよぎるのかは定かではないのだけれど」

結衣「…」

陽乃「…」

雪乃「彼を見つめているときふと気付いたの、由比ヶ浜さんが私と同じ気持ちで彼を見つめていることに、そして由比ヶ浜さんは私よりも遥かに長い時間彼に対して同じ視線を送り続けていたことにも気付いたの」

陽乃「…」

雪乃「だから比企谷君が告白してきたときは嬉しかった、だけれど次の瞬間には由比ヶ浜さんのあの眼差しがフラッシュバックしてきて…」

八幡「…」

結衣「ゆきのん…」

雪乃「比企谷君の申し出を断っていたわ」

陽乃「ふうん、だったら東京からわざわざ八幡に会いに来た理由は?」

雪乃「それは、由比ヶ浜さんと」

陽乃「嘘じゃないだろうけど全部でもないよねそれ」

雪乃「っ…」

陽乃「確かにガハマちゃんとは友達だから会いたくなるだろうね。だけどガハマちゃんの口から更に八幡とも会える事を言われたからこんなに早く、正に昨日の今日ここに来た、違う?」

雪乃「…」

陽乃「この場で本心を言わないなら雪乃ちゃんは必ず後悔するよ?」

雪乃「…確かに比企谷君と会えると思った時、大急ぎで支度をしたわ」

結衣「ってことはゆきのんはヒッキーを諦めてないよね?」

雪乃「ええ、時間が解決すると高をくくっていたけれど逆効果だったわ」
陽乃「あたしの妹ながら一途だねえ」

結衣「あたしはヒッキーと職場見学の頃からやり直してるんだけどさ、ゆきのんはいつからやり直したい?」

雪乃「最初から初めたくはあるのだけれど、私も由比ヶ浜さんと同じ頃から初めたいわ」

陽乃「雪乃ちゃんはこう言ってるけどどうする八幡?」

結衣「嫌でも知らないからね」

八幡「まあ、何だ…由比ヶ浜が良くて雪ノ下がダメな理由はねえよな」ポリポリ

結衣「出た、捻デレ」

陽乃「これが噂に聞いた…」

雪乃「ふふふ、あなたらしいわね。改めてよろしくお願いね比企谷君」

八幡「…」プイッ

陽乃「素直じゃないよねー」ウリウリ

結衣「ホントにねー」ツンツン

八幡「うっせ」

雪乃「ふふふ」

八幡「つー感じでな、何か知らんうちにモテ期が来てるみたいなんだよ」
沙希「…」ジトー

八幡「なんだよ、少しくらい愚痴ってもいいだろ」

沙希「あんたのはノロケでしょ」

八幡「そうは言うけどな、実際この状況に叩き込まれたら対応できるか?」

沙希「あんたがうじうじしてるのが悪い」

八幡「ごもっともですねはい」

沙希「まあ話聞くだけでご飯おごってもらえるならまた聞いてあげる」

八幡「しっかし、フったハズのあいつが改めてやり直したいだなんてなぁ。面白れえな、巡り合わせってのは」


沙希(あたしからするとあの三人の話をあたしが聞いてる巡り合わせの方が面白いけどね)

八幡「んじゃな、また話聞いてくれよ、奢るからさ」

沙希「あ…」

八幡「…」スタスタ

沙希「はあ…モテ期なの自覚してるのにあたしには気付かないか…」

八幡(暑い…いっそwinterがagainしてこねえかな)スタスタ

八幡「たでーま」

陽乃「ねえ雪乃ちゃん、あたしが台所を人に触られるの嫌いなの知ってるよね?」ニコニコ

雪乃「不思議な事を言うのね、ここはそもそも比企谷君の家の台所であって、決して姉さんの家では無いのだけれど?」ニコニコ

結衣(怖い…)プルプルプルプル

八幡「まーたやってんのか…」

結衣「ヒッキーズルいよ!ゆきのんが台所に行った瞬間出掛けてさ!こうなるの分かってたよね!?」

八幡「空気読めるお前ならすぐ離脱すると思ったんだがな」

結衣「空気読んだら逆に出れないって!ヒッキーのバカ!」ポカポカ

陽乃「八幡お帰りなさい」

雪乃「すぐに夕食を作るわね」

陽乃「あたしが作るってば」

雪乃「私よ」

陽乃「あたしだって」

八幡(助けて竜ちゃん!)

結衣(あたしが作るとか言ったら死ぬ、よく分かんないけど死ぬ、勘が言ってるけど言ってみたい)

陽乃「しょうがないなぁ雪乃ちゃんは、今日は作っていいよ」フッ


雪乃「分かればいいのよ」フフン

陽乃「八幡ー!構ってー!」

八幡「はいはい」ヨシヨシ

結衣「なんか慣れてる!?」

雪乃「…」ピキッ

陽乃「時間は有効に使わないとね」スリスリ

結衣「ぐぬぬ…」

雪乃(甘えても良し甘やかしても良しなのね比企谷君は)マジマジ

陽乃「ぐへへへへへ」ゴロニャン

八幡「いい子いい子」ナデナデ

結衣(ぐへぐへ言ってるのはヒッキー的にいいんだ…)

雪乃(私も甘えてみようかしら)

八幡「どんどん甘えん坊になりますね陽乃さん」ナデナデ

陽乃「つい」ニマニマ

八幡「仕方ないですね」ヨシヨシ

結衣「ね、ねえヒッキー…」ツンツン

八幡「どうした?」

結衣「あたしも甘えたいかなーなんて…」モジモジ
八幡「いいけど?」

結衣「ホント!?やったー!」ポスッ

雪乃(逃した魚は大きく感じるのね…)シャクシャク

八幡「にしてもやたら甘えられるな俺」ナデナデヨシヨシ

結衣「えへへ…」コテン

陽乃「げへへへへ…」ゴロニャン

雪乃(比企谷君にどう甘えようかしら…)グツグツ

雪乃「出来たわよ」カタン
八幡「おお、こりゃうまそうだ」

結衣「さすがゆきのん」
陽乃「いい仕事してますねえ」ニマニマ

八幡(この顔はマジで言ってるな、かなりのシスコンなんだよな陽乃さん)

雪乃「あ、ありがとう…」テレッ

結衣(ゆきのん可愛い)
八幡(雪ノ下可愛い)

陽乃(雪乃ちゃん可愛い)

雪乃「ひ、比企谷君あーん…」スッ

八幡「ん」パクッ

結衣(ゆきのんかわいい)パクパク

陽乃(雪乃ちゃんかわいい)モグモグ

雪乃「なんだか照れるわね…」ポッ

八幡「俺まで照れるだろ」プイ

結衣(二人ともかわいい)モグモグ

陽乃(二人ともかわいい)パクパク

八幡「うまい…」ボソッ

雪乃「ありがとう…」

結衣(甘々だ…うらやましい)ジー

陽乃(今度あたしもやろ)ジー

雪乃「ねえ比企谷君」

八幡「ん?」

雪乃「さっき、姉さんと由比ヶ浜さんに甘えられていたわよね」

八幡「ああ、そうだったな」

雪乃「なら…」

八幡「お前もってか」

雪乃「いいえ、私に甘えて欲しいの」

八幡「…」ゴクリ

雪乃「膝に頭を乗せて頂戴」

八幡「お、おう」ポスッ

雪乃「ふふふ…」ナデナデ
八幡「なんか恥ずかしいな…」

雪乃「次は私が甘えるわね」クスッ

八幡「…おう」

陽乃「八幡甘えん坊だね」パフッ!

八幡「おぶっ!」

結衣「あたしもあたしも!」パフパフッ

八幡「ふべっ!」

雪乃「くっ…」チンマリ

八幡「苦し…」

八幡(たまらずコンビニ行くっつって出たが)スタスタ

陽乃「…」コソコソ

八幡(陽乃さんがヤンデレ入ってるの忘れてた…)スタスタ

陽乃「道を歩く八幡素敵…ふふふ」ボソッ

八幡(聞こえてるよ!周りが静かだから聞こえてるよ!)スタスタ

陽乃「この辺でやっと八幡を見つけたんだよねぇ…」クスッ

八幡(軽いストーキング受けてたの忘れてた!)スタスタ

陽乃「ふふふ…」コソコソ

八幡(普通にいい人なんだけどなあ…)スタスタ

八幡「ただいまー」

陽乃「あ、八幡おかえりー」

結衣「おかえり」

雪乃「おかえりなさい」
八幡(結構幸せなシチュエーションだよなこれ)
結衣「ねえヒッキー、いつも陽乃さんと寝てるってホント?」

八幡「語弊があるぞ、陽乃さんが毎日布団に潜り込んでくるんだよ」

陽乃「いやあ面目ない」ニマニマ

雪乃「姉さんのこの顔だと面目躍如よね」

結衣「めん…?」キョトン

八幡「生き生きとした顔してやって来るってことな」

結衣「あー分かる…」

陽乃「布団の誘惑がすごくて」テヘ

雪乃「比企谷君の布団…」チラッ

結衣「…」ジー

八幡「なんだ?」

雪乃「布団の誘惑なら仕方ないかもしれないわね」

結衣「そうだね、仕方ないね」

八幡「?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月13日 (木) 13:00:58   ID: 14NvADj7

続き、待ってます

2 :  SS好きの774さん   2015年08月14日 (金) 08:38:10   ID: mq8qRUwu

次も待ってます

3 :  SS好きの774さん   2015年08月17日 (月) 19:27:17   ID: 7CKj7UVR

続きも読みたいです

4 :  SS好きの774さん   2015年08月22日 (土) 02:32:54   ID: -s9pJpw9

続き待ってます!

5 :  SS好きの774さん   2015年09月20日 (日) 00:04:43   ID: 3ne9THUt

「winterがageinしないかな。」って、ルー大柴かっ!!

6 :  SS好きの774さん   2015年09月20日 (日) 02:53:38   ID: 54nJtI_R

結局ハーレムかよ つまんねぇ

7 :  SS好きの774さん   2015年09月20日 (日) 12:15:12   ID: Q1vnbozQ

winterがagain…ヒッキーがいつの間にか意識高い系に…いや、基本的ハイスペックだから〝意識高い”のか。

8 :  SS好きの774さん   2015年09月29日 (火) 01:45:56   ID: KuIDY0fY

気長に待ってますよ。( ´,_ゝ`)

9 :  SS好きの774さん   2015年10月02日 (金) 17:06:45   ID: gsPsH1s5

八幡の口調が違いすぎて違和感しかない。
ひとまず原作読むところからやり直そうか?

10 :  SS好きの774さん   2015年10月09日 (金) 17:47:11   ID: JQlj0kww

八幡の陽乃さんに対しての口調が気になって仕方がない。
原作読み直せ

11 :  SS好きの774さん   2016年07月18日 (月) 19:40:42   ID: lOl02BuW

>>5,7
いやWinter AgainってGLAYの曲をネタにしたんだろ・・・

12 :  SS好きの774さん   2016年12月26日 (月) 22:22:00   ID: Q_1H-Dqv

ちっ、ちょっとは面白いかと思ったら結局かよ

13 :  SS好きの774さん   2017年01月17日 (火) 00:54:04   ID: C5w7uvzn

最初の方は面白いと思ったのにがっかりだわ。
ガハマがキスしたあたりから読む気失せたわ。つまんな

14 :  SS好きの774さん   2017年04月01日 (土) 03:06:45   ID: G9PxCBry

八幡の口調違うし筆者の妄想垂れ流してるだけでクソつまらん

15 :  SS好きの774さん   2017年04月01日 (土) 18:41:35   ID: rO_T0XyO

つまんなくねぇよ

16 :  SS好きの774さん   2017年05月25日 (木) 20:09:17   ID: L2tHTc92

>八幡の口調違うし
本物がほしいって変わりたいってことだろ
ハーメルンに荒らしがきたけど、陰鬱なままの終わらない夏休み、ご苦労様

17 :  SS好きの774さん   2018年03月24日 (土) 20:03:59   ID: 88TVr-E-

続き下さい(SSで時間つぶしマ-ン)

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