「童貞よ、強い魔法を授けよう」 (3)
「しかしこの『超火力魔法』は、30歳を過ぎた童貞にしか扱えないのもまた事実……」
苦しそうにそう告げる爺さんもまた童貞なのだ。
女というものをついに知らないまま、これから彼は逝く。
俺の魔法の師匠は薄汚く、家も財産も持たない人だった。
数少ない童貞の友人と共に、鉄橋の下の河原で暮らす人生。
彼の孤独はいかばかりであったか、このうら若き童貞には分かるはずもない。
弟子バカと言われようが何だろうが、この爺さんはそれでも凄まじいジジイだった。
天下無双はこの人の為にある言葉だ。本気でそう思う。
それがただの一度戦いに敗れ、栄光から一転、終の棲家は段ボール。
爺さんはそういう事もあると楽観的だったが、俺は悔しくて涙が出そうだった。
「本当にこの魔法を受け継ぐか?」
「はい」
「
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ミスがあったので立て直します
すみません
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