提督「雪子、建造どうだった」
吹雪「新しい艦が出ましたよ」
暁「ふふん」
提督「おお! んで、名前は?」
暁「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね!」
吹雪「あっ」
提督「……つき? つきこ?」
暁「え?」
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吹雪「暁ちゃん、提督はね……」
吹雪「2文字以上の名前は覚えられないの」
暁「ええっ!?」
提督「名前なんだった? もう1回言ってもらえるか?」
暁「あ・か・つ・き!」
提督「あかつき」
暁「なんだ、言えるじゃない」
提督「……なにつき?」
暁「」
提督「雪子、なんだって?」
吹雪「言っても無駄ですよね」
提督「そうだけど……努力って大事だと思うんだ」
吹雪「初期艦の私がここにきて、何日経ちました?」
提督「……5か月」
暁「ええっ!? まだ名前覚えられてないの!?」
暁「……って、さっきから雪子って言ってるのは」
吹雪「私のことです」
暁「」
提督「覚えようとしてもなぁ、忘れてしまうんだよ」
暁「れ、レディの名前くらいきちんと覚えなさいよ!」
提督「レディ?」
暁「レディよ」
提督「わかったぞ、レディ」
暁「……ん?」
暁「ちょっと待って、私の名前は暁よ?」
提督「あかつき」
暁「うん……私の名前は?」
提督「レディ」
暁「」
吹雪「ま、まあ、あだ名みたいなものだと思えば……」
暁「許されないわよ!」
提督「まあまあ、落ち着けよレディ」
暁「……」
提督「レディ?」
暁「……」
吹雪「あれ? どうしたの?」
暁「もう1回」
提督「レディ」
暁「……よーし! 許してあげるわ」
暁「これからも私のことはレディって呼んでね」
提督「おう」
吹雪「……い、いいんだ」
那珂「お仕事しゅーりょー! お疲れ様っ」
提督「おお、那珂。おかえり」
提督「遠征はどうだった?」
那珂「まあまあかなー。じゃ、ちょっとオフいただきまーす」
提督「しっかり休んでくれよ」
暁「……2文字なら覚えられるんだ」
満潮「あら、新しい子?」
提督「みっちゃん」
満潮「みっちゃんって呼ぶな」
提督「あとの2人は?」
満潮「金剛と話してるわ」
提督「ああ、炎の」
暁「炎の!?」
吹雪「第一声がバーニングラブだったので……」
暁「なんて鎮守府なの……」
二文字以下ならセーフって書けば良かったのに
提督「じゃあそろそろ休憩するか」
吹雪「そうですね。お茶でも入れましょうか?」
提督「頼む」
吹雪「はい」
提督「あ、レディはどうする? お茶菓子もあるが」
暁「いや、ちょっと見学したいから……」
満潮「レディ……また変な名前を」
提督「気に入ってくれたみたいだぞ」
満潮「」
>>16
3文字以上だな
それそれ
~~
提督「……今日、遠征出てたのはどの部隊だっけ」
吹雪「クマさん部隊ですね」
提督「あー」
提督「そうだ。資材貯まってるし建造するか」
吹雪「レシピはどうします?」
提督「雪子のオススメで」
吹雪「了解です」
球磨「さっくせんしゅうりょー」
提督「おお、早かったな」
球磨「そうクマ?」
三隈「帰還しました」
熊野「帰還いたしましたわ」
提督「くまりんこにクマキチ、おかえり」
熊野「はいはい。クマキチじゃなくて熊野ですわ」
三隈「人に言われると恥ずかしいですね……」
提督「あれ、クマクマは?」
球磨「阿武隈は改二実装でレベリング中クマー」
提督「そうだった」
熊野「ていうかクマスケって……熊野って言うより覚えにくいですわよ?」
提督「あだ名みたいなもんだからな」
三隈「そのうちな慣れますよ」
熊野「慣れたくないものですけどね……」
提督「でも名前覚えるのって大変だろ?」
熊野「そうですの?」
提督「じゃあお前、俺が知り合いの提督たちの群れに入っていったら見分けつくか?」
熊野「名前を呼ばれたら気づきますわ」
提督「それもそうだな……」
提督「でもな、同じような服着て同じような髪形してたらわからなくなるんだよ」
提督「名前だけ聞いたら、人間じゃないような名前のやつだっているし」
提督「そのくせ姿かたちは似てるし」
提督「それで演習とかで会っても……ああ、あの時の! なんてっことにはならねーの」
提督「……はぁ、提督って何なんだろうな」
球磨「思春期かクマ」
提督「ちげーよ」
提督「……あれ? 俺の名前ってなんだっけ?」
三隈「くまりんこに補給お願いしますねー」
提督「えっ、ちょっ」
提督「……画面の向こう側……?」
提督「忘れよう。きっと考えちゃいけないんだ」
~~
吹雪「新しい艦が着任しました!」
提督「さすが雪子。頑張って名前覚えてみる」
吹雪「いいですよ、そんなに無理しなくて」
吹雪「あ、どうぞ。入ってください」
鈴谷「鈴谷だよ!」
提督「制服がクマキチと似てるな」
鈴谷「へ?」
提督「で? 誰だっけ」
鈴谷「だから、私は鈴谷だよ」
提督「……カステラ!」
鈴谷「え?」
提督「今日からお前の名前はカステラだ」
鈴谷「ちょ、カステラとか意味わかんな……」
鈴谷「ハッ! 鈴しか聞いてないでしょ!」
提督「やるなコイツ」
吹雪「やりますね」
提督「そうだ。これで図鑑完成も見えてきたわけか」
吹雪「改二とかは全然ですけどね」
鈴谷「え? ここ、そんなにすごいの?」
提督「ああ。ここの艦隊はすごいぞ」
提督「特に加賀と金髪、蒼いのとホーホーあたりが錬度が高くてだな」
鈴谷「まって」
提督「なに」
鈴谷「最初の1人以外わかんないんだけど」
提督「……あ、やまもんも高いよな」
吹雪「大和さんと長門さん、混ざってますよ」
鈴谷「えっ、スルー?」
吹雪「こればっかりは慣れるしか……」
鈴谷「うひゃー……大変そう」
提督「もちろんだ!」
鈴谷「原因は提督でしょ」
提督「はい」
~~
雷「提督、おしごとおつかれさまっ」
電「鳳翔さんから差し入れなのです」
提督「ありがとう、かなづち」
吹雪「酷い混ざりようですね……」
提督「うめー」
電「ふふっ、伝えておきますね」
吹雪「あ、そういえばデイリーはどうですか?」
雷「いつものメンバーで回してるみたいよ」
提督「いつもの……ああ、摩耶と鬼怒と多摩とぬいとクマクマか」
電「ああー、最後だけ惜しいのです」
吹雪「ふふ」
提督「そうだ。今度から名札つけたらどうだ?」
吹雪「今更ですか?」
提督「それもそうか」
雷「それに、もう慣れてきちゃったしね」
提督「そうかー……名札、いい案だと思ったのに」
提督「というか、前もこれ提案した気がする」
吹雪「そうでしたね」
提督「ま、みんなに名札つけるのは大変だし、落ち着いてからでもいいか」
電「……おちつく」
提督「ん? どうかしたか?」
電「いえ、なんでもないのです」
雷「じゃあ私たち、もう行くわね」
提督「おー」
吹雪「……落ち着く、ですか」
提督「どうした、元気ないぞ」
吹雪「提督はどう思います?」
提督「何が?」
吹雪「この戦い。終わるんでしょうか」
提督「雨はいつか止むみたいに終わるだろ」
吹雪「そう言って、若い人はもう……」
提督「なにー? 俺がおじいちゃんだから文句あるって?」
提督「たしかに息子が死んだって聞いたときは驚いたけど……しかも代わりとかな、びっくりだよ!」
吹雪「そ、そういうわけではなくてですね」
提督「……ま、寿命が来るよりは早く終われって願っといて」
吹雪「そう……ですね」
提督(78)「さて、今日も頑張って名前を覚えようかな」
おわり
このSSまとめへのコメント
いい話だなー