【干物妹】うまる「うまるの憂鬱な土曜日」 (143)

\ウッマル-ン/

正直勢い。ゆっくり進行。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437678819

金曜日 夕方


バリバリバリバリ
むしゃむしゃむしゃむしゃ
ごきゅっごきゅっごきゅっごきゅっ

うまる(干物妹ver.)「っぷはーっ!! 金曜日の学校上がりのコーラは最高だね!!」

タイヘイ「……」

うまる「あ、お兄ちゃんこの前買ったポテイト食べ終わっちゃった。新しいの買ってきてねー」ムシャムシャ

タイヘイ「……」

タイヘイ(俺の妹が干物妹なのは知っている)

タイヘイ(知っている、がこの現状は改善できる気がしない……)

タイヘイ(外であれだけいい子にしてるくせに、なんで家ではまともな生活ができないんだろうか)

うまる「あーまた失敗したー!! このゲームQTE多すぎるよー!」プンプン

タイヘイ「……なあ、うまる」

うまる「なにー? 今忙しいのー」ガチャガチャ

タイヘイ(がっつりゲームしてるじゃねえか……)

タイヘイ「……最近ゲームやりすぎじゃないか? そんなにやってると目が悪くなるし、それに――」

うまる「あっ! もうお兄ちゃんが喋るから突進攻撃回避できなかった! どうしてくれるの!?」\You are Dead/

タイヘイ「……」

うまる「仕方ないなー。うまるはもうカンカンだよ! 罰としてうまると一緒にゲームしたら――」

タイヘイ「うまるっ!!」

うまる「ふえっ!?」ビクッ

タイヘイ「……最近ホントに目に余る生活してるぞ。もう俺も怒った。明日はうまるが一人で掃除と洗濯すること!」

うまる「えぇ~~~!!」グダー

タイヘイ(すでに面倒くさそうな顔してる……)

うまる(お兄ちゃんこれ本気で言ってるなぁ……。でもいいか、明日お兄ちゃんにお願いして一緒に手伝ってもらえば済むよね)

タイヘイ(明日俺と一緒にやれば済むよねって思ってるなこれは)

うまる「んー……、わかった。じゃ、明日の分も遊ぶー」ガチャガチャ

タイヘイ(すぐにゲームに戻ってるし)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

タイヘイ(とはいえ)

タイヘイ(明日も俺が家にいると、絶対うまるは頼ってくるだろうな。それじゃあうまるのためにならないし、出かけておくか……)

タイヘイ(でも別に明日用事はないし、出かける理由が……ん?)ガサッ

タイヘイ(なんだ……? ジャケットの裏ポケットに紙、違うチケットか)

タイヘイ(思い出した。そういえば今日叶が――)

叶『タ、タイヘイお疲れ。特に深い理由はないんだけどたまたま映画のチケット二枚あってさ。これタイヘイにあげる。あ、ううん別に気にしなくていいし、2枚ともあげるから誰か誘って観に行きなよ。ほ、ほら別に私が男性の方から誘ってくれるシチュエーションが好きだから渡すわけじゃないからね。ちなみに都合は何時でも合わせるから。気にしなくてもいいけど』

タイヘイ(……って言ってたっけ。暇だしこれ観に行こうかな。叶……は急に言っても仕事忙しいだろうし、他の人誘うか)

タイヘイ(結構恋愛ものっぽいし、ぼんばとか誘ってもなぁ……)


タイヘイ「……あ、そうだ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ピンポ-ン

海老名「は、はーい」

ガチャ

タイヘイ「あ、土間です。ごめんね急に」ニコッ

海老名「う、うまるちゃんのおに、お兄さん……! こ、こんばんはっ!!」プシュウ…

タイヘイ「こんばんはー。今大丈夫?」

海老名「いいい、いつでも大丈夫ですっ!!」

タイヘイ「ありがとう。あの、海老名ちゃん、映画とか好き?」

海老名「ふえっ!? は、ひゃい! 好きです……」

タイヘイ「良かった。あの、もし良かったら明日この映画観に行かないかな? 会社の人にもらったんだけど……」

海老名「えっ、えええっ!? あ、あのっ! 私でいいんですか、うまるちゃんと行けば……」

タイヘイ「いや、うまるは……」

タイヘイ(まぁ片付けの特訓っていうことは黙っておこう)

タイヘイ「うまるはちょっと別の用事があるらしくてさ。……でも急に言われても困るよね。ごめん、やっぱ別の人にーー」

海老名「い、行きます! 映画観たいですっ!!」アセアセ

タイヘイ「本当? ありがとう。じゃあ明日9時くらいに出ようか」

海老名「はい……はいぃ……」ブシュウウゥ…

タイヘイ「……だ、大丈夫? なんか顔すごい赤いけど……」

海老名「大丈夫ですっ! そ、それじゃあお兄さん、おやすみなさい!」バタン!!



タイヘイ「……大丈夫、かな」

タイヘイ(海老名ちゃんにはうまるがお世話になってるし、明日は何か美味しいものも食べさせてあげよう……)

干物の時はUMRって表示になるのかと思ったけど違うのね

>>32
原作の人物紹介に書いてありますが、UMRは変装時のうまるのことを指してるようですのでそれにのっとってます。分かりにくくてごめん。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海老名部屋


ゴロゴロゴロゴロ

海老名(うまるちゃんのおに、おにいひゃんが映画に誘ってくれた)

海老名(こ、これってデート……だよね? す、すごい嬉しいよぉ……!)

ゴロゴロゴロゴロ

海老名(それに映画も最近有名な恋愛の……!)

海老名(は、恥ずかしくて死んじゃうかも……)

ゴロゴロゴロゴロ

海老名(明日何着ればいいんだろう……)

海老名(が、頑張ってお兄さんにか、可愛いって言ってもらえるように……)

海老名(うぁあああん!)

ゴロゴロモフモフ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次の日


うまる「え~~~!? お兄ちゃん今日出かけるの!?」

タイヘイ「あ、ああ、まあ……」

タイヘイ(海老名ちゃんと行くって言ったら絶対ついてくるから言わないでおこう)

うまる「むーっ……」プク-

うまる「うまるも行くー!!」

タイヘイ「うまるは家で掃除と洗濯」

うまる「お兄ちゃんってば分かってないなー。うまるが一人で掃除と洗濯できるわけないじゃん」ドヤァ

タイヘイ「なんで誇ってるんだ……!」

うまる「ねー、うまるついてっていいでしょー?」

タイヘイ「ダメだ」

うまる「むむ……」

\うまる~ん/シュババッ!

うまる(美妹ver.)「お兄ちゃん……ダメ、かな……? 私、一緒じゃないとさびーー」ウルウル




タイヘイ「じゃあちゃんと戸締りしろよー」バタン

うまる(干もry)「……」

うまる「うがーっ! お兄ちゃんの意地悪バカドケチー!!」バタバタ

うまる「いいもん……うまるはうまるでうまるん日和楽しむし!」ニョンパス-

うまる「そうと決まればさっそくおニューコーラを……ん?」ガサッ

うまる「あれ、なんだろこれ……」ペロッ

うまる「こっこれは……映画のチケット!? しかも最近有名な泣ける恋愛ものっ!」

うまる「もしかしてお兄ちゃん……」

\うまる脳内会議/

脳内うまるA「これ多分お兄ちゃんが誰かに貰ったやつだよね」

脳内うまるB「んー、でもお兄ちゃん1人で観に行ったりしないよねー」

脳内うまるC「……あ、あの、もしかして今日出かける理由って……」

脳内うまるD「親しい女の子とデートをしているんだよ!!」

脳内うまる一同「「「な、なんだってー!!」」」

脳内うまるB「そ、それなら相手は!?」

脳内うまるD「これは調べないとだねぇ」

脳内うまるC「でも、そうしたら掃除が……」

脳内うまるA「そんなの後でもお兄ちゃん許してくれるよ!。支度して追いかけるよ!」



うまる「……よしっ!」

~~~~~~~~~~~~~
映画館前

タイヘイ「あれっ」ガサガサ

海老名「? ど、どうしましたか?」

タイヘイ「あ、ううん、なんでもないよ」

タイヘイ(しまったな、映画のチケット自分の分家に置いてきた。うまるに見つからなければいいんだけど……)

海老名「……あ、あのっ、お兄さんはこういう映画よく観ますか?」

タイヘイ「うーん、そもそもあんまり映画観に行ったりできてないかな……」

タイヘイ(うまるのことで忙しいから)

海老名「でもっ、あの……か、彼女さんと観に行ったりとか……」

タイヘイ「い、いやいや全然だよ」

タイヘイ(うまるのことで忙しいから)

海老名(彼女さんいないんだ……わ、私にもチャンス、あるかなぁ……)

タイヘイ「(また顔真っ赤になってるけど暑いのかな)そしたら入る前に飲み物買っていこうか。海老名ちゃんは何がいい?」

海老名「だ、大丈夫ですっ! 自分で買うのでその――」

タイヘイ「まあまあ、遠慮しないで。ほら、あれなんか美味しそうだよ」

海老名「……じゃあ、お言葉に甘えて――」

ワイワイ…


ガサガサ
ヒョコッ

うまる(ver.UMR)(お兄ちゃん発見! この近くの映画館はここしかないからね)

うまる(とりあえず変装もしたし、離れていれば正体はバレないよね。……それにしても、まさかとは思ったけど本当に誰かと一緒にいる……)

うまる(まさか本当に……恋人なのかな。ふーんへー、お兄ちゃんの彼女ねー)

うまる(……誰だろ。もう少し近くに行って見たらわかるかもしれ――)

うまる「って、えぇええええ!!」バッ!

タイヘイ「ん?」

うまる(あっ、やばっ立ち上がっちゃった!)ガサッ

海老名「? お兄さん?」

タイヘイ「あ、ううん、何でもないよ。じゃあ入ろうか」

海老名「はいっ」

スタスタ…

うまる(ちょっと待ってなんでお兄ちゃんが海老名ちゃんと一緒に映画観てるの!?)

うまる(もしかしてお兄ちゃんの彼女って……海老名ちゃん?)

うまる(う、ううんまだ決まったわけじゃない!)

脳内安西うまる(諦めたら、そこで試合終了ですよ……?)

うまる(そう、こうなったら一日かけて調べてやる! とりあえず私もこのチケットで潜入しようっと……)

~~~~~~~~~~~~~
映画館内


タイヘイ「結構いい席が取れたね」

海老名「そそ、そうですね……」

海老名(あんまり気にしてなかったけど、席が近くて恥ずかしいよ……!)

海老名(お兄さんの腕に触れちゃいそうで……)ブシュウ

タイヘイ(映画館の座席って本当にフカフカだな。眠くなりそう)ギッ

むしゃむしゃごきゅごきゅ
ごきゅごきゅむしゃむしゃ

タイヘイ(……ていうか、後ろの人すごい勢いで何か飲み食いしてるな。……まるで、うまるだ……)


\真後ろの席/

むしゃむしゃむしゃむしゃ

うまる(やっぱり海老名ちゃんだ……! なんでお兄ちゃんとデ、デートしてるのかは分からないけど)

うまる(むー……それよりこのポップコーンすごい美味しい)ムシャムシャ

うまる(でもこれ恋愛ものだし、デートじゃないと観に来たりしないよね)

うまる(んー……それよりこのコーラフロートすごい美味しい)ゴキュゴキュ

うまる(……おっと始まっちゃう。考えるのは後にしよう。うまるも観たかったし)

~~~~~~~~~~~~~~
上映30分後

海老名(わー、すごいヒロインの子優しー。でも突然現れた男の人がぐいぐい押してきてばっかで嫌な感じです……)

うまる(あー、こういうパターンか。突然地味な子がドS系男に翻弄されるやつだ。王道になりつつあるし、実際こういう子っていないからちょっとなー……)モグモグ

上映1時間後

海老名(えっ、彼ってそんな家庭事情持ってるんだ……妹と弟おんぶとだっこしながらお家掃除してる……)

うまる(……ふーん、学校と家でそんなにギャップあるんだ。あんま人のこと言えないけど……。必死に家事してるの、どことなくお兄ちゃんに似てるなぁ)ゴクゴク

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上映1時間半後

海老名(ああっ! ヒロインが新宿の怖いお兄さんに騙されてポケットティッシュ脅し持たされてる!! 助けてあげてよぅ……!!)

うまる(おっ、流れ変わった! でも彼は今弟たちの運動会でビデオ撮ってるから助けを呼ぶ電話に気づいてない!! まずいよこれ、早く気付け!!)ムシャゴク!

エンドロール

タイヘイ「(うん、面白かったなー)海老名ちゃん、どうだっ……って」

海老名「……」プルプル

タイヘイ「え、海老名ちゃん……?」

海老名「……」プルプル




海老名「ふぇえええん! すっごく感動しました……!」ウルウル

タイヘイ「へ?」

海老名「あんなに怖かった彼が最後までヒロインを助けてあげてて……本当はかっこいいし優しかったですぅ……!!」グスグス

タイヘイ(感動してたのか、よかった……)



うまる(……これ神映画だ……前半からは予想がつかない彼のイクメンぷり……うまるをここまで感動させるなんて……)グスグス

うまる(っと、感動してる場合じゃない。二人を追わないと)ダッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ショッピングモール


タイヘイ「映画面白かったね」

海老名「はいっ、はらはらドキドキしました!」

海老名(お兄さんとの距離が近かったからその分余計に……)

タイヘイ「そうだねー。俺も恋愛ものって思って躊躇してたけど、結構面白いんだね。……さてと、次はどこ行こうかな……」

タイヘイ(時間的にうまるはまだ掃除を1/4しか終わらせてないだろうし)


ぐううううっ……

タイヘイ「あ」

海老名「あっ、あ、あの、これは決してお腹の音とかじゃなくてそのっ……」

海老名(ハズカシイハズカシイハズカシイハズカシイ)アタフタアタフタ

タイヘイ「……それじゃあ、ちょっと早いけどご飯食べようか」ニコッ

海老名「は、はいっ!!」

ナニタベタイ?
エ、エットエット、オイシイモノガイイデス!
ウンマアタシカニ…

うまる(……なんか距離近いなー。お兄ちゃんもう少しでうまると歩く時の距離くらいになっちゃうよ)

うまる(……別に、そんなの気にしてないと思うけどさ)

うまる「そんなにお腹減ってないけど、私も着いていこう……」トコトコ




???「あら? もしかしてあの姿は……」キュピーン

今日はここまでで。

基本sage進行でお願いします。ギャグは楽しいのがなによりも一番だよ!

シルフィン「U・M・Rさ~~~ん!!」シュパワァ

うまる「はっ!」

シュバッ!(マスク装着まで0.2秒)

うまる「てぃ、T・S・Fさん。来てたんだ(あっぶなぁああああ)」

シルフィン「ええ、ちょっとお菓子が食べたくなったので、お菓子のUFOキャッチャーで頑張ってみましたわ!」

うまる(普通に買えばいいんじゃ……)

シルフィン「あの、もしかして何か用事がございまして?」

うまる「う、ううん。そんなことは無いよ」

シルフィン「そうですの? それでは、私もご一緒していいですか?」

うまる(……ここで断るのもなんだしなぁ……)

うまる「うん、いいよ」

シルフィン「うれしいですわ! そうと決まれば遊びに行きましょう!!」ガシッ

うまる「えっ、手掴んでどこに……って、えぇええ引っ張らないでぇえええ!!」


ズルズル……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
レストラン


タイヘイ「まだ混んでなくてよかった。早めに来たのは正解だったね」

海老名「そそ、そうですね……。あ、メニューここにあります……」

海老名(まだお昼ちょっと前なのにお腹空いちゃって恥ずかしい……。あんまり食べ過ぎてもはしたないし、簡単なものにしておこうかな……)ペラ

海老名(……あれ、すごいこだわってて美味しそう。デザートもたくさんあるし、あっ、この『シェフの気まぐれ地中海風たらこパスタセット』食べたいなぁ!)

海老名(って、ダメダメ! 簡単なものにするって決めたんだから、この『ナポリピッツァ ハーフ&ハーフサイズ』とかにしとかなきゃ……でもこれも美味しそうだし……)グルグル

タイヘイ「俺はこれにしようかな。海老名ちゃん、決まった?」

海老名「へっ!? は、はい決まってますっ!!」

タイヘイ「じゃあ注文しちゃうね。すみませーん。えーっと、この――」

海老名(ちゃんと決まってないのに返事しちゃった! えっとえっと、軽いものでこれ……でもお腹減ってるし……!)キュルル…

タイヘイ「海老名ちゃんは?」

海老名「わっ、私はこの……」

海老名「『シェフの気まぐれ地中海風たらこパスタセット』お願いします!!」

カシコマリマシタ-
海老名(……食欲に、負けちゃった……)ナミダメー

ちょっと離れた席



シルフィン「U・M・Rさんはお腹が空いてらしたのね! 早く言ってくだされば良かったのに!」シュップン!

うまる「うん、ちょっとね……」チラッチラッ

うまる(二人の会話がよく聞こえない場所に座っちゃったなぁ……。こっちからじゃ海老名ちゃんの顔しか見えないや)

シルフィン「どれも美味しそうですの! U・M・Rさんは何にしますの?」

うまる「ん? じゃあ、これにしようかな……(適当にパフェにしとこ)」

シルフィン「わかりましたわ。じゃあ私もそれにしますの。ぴんぽ~ん! 店員さーん!!」

うまる「はやっ! ていうかぴんぽんは口で言わないでここのボタン押せばいいんだよ!? それより一緒のものでいいの!?」アセアセ

シルフィン「いいですわよ?」シュキュゥ?

うまる「いや……たくさん種類あるよ? デザートもこだわってるみたいだし」

シルフィン「確かに美味しそうですけど……」



シルフィン「好きな人の好きな食べ物は私も食べてみたいですわ!」ニパーッ


うまる「!!」

うまる(さ、さらっとそういうこと言われると恥ずかしくなるんだけど……)タジタジ

うまる「じゃ、じゃあこの抹茶パフェにしようよ」

シルフィン「お、お抹茶パフェ!? とっても美味しそうですの! でも、U・M・Rさんはこっちのパフェが食べたいんじゃないですの?」

うまる「ううん、こっちが食べたいな」ニコッ

シルフィン「……わかりましたわ! 店員さん、このお抹茶パフェを二つくださいませ!!」

うまる(元気だなぁシルフィンさん)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

海老名(私はいつも気にしていることがあります)

海老名(それは、美味しいものを食べたときに出てしまう方言です……)

海老名(無意識に出てしまうのですごく恥ずかしいです……。でも、今日はお兄さんの前です!)

海老名(……方言が出てるところはいつも見られちゃってるけど……きょ、今日こそは『とっても美味しいです!』って言うんです!!)グッ


タイヘイ(うまるの奴ちゃんと掃除してるかな……。ゲーム三昧だったら今日の夕飯はピーマンとナスの炒め物だな)

タイヘイ「海老名ちゃんって、いつもご飯は自分で作ってるんだよね?」

海老名「は、はい。お米は実家から送ってくれるので、おかずだけ。簡単ですけど……」

タイヘイ「えらいなぁ。何作ろうか困ったりしない?」

海老名「そ、そうですね、そういう時はいつもお母さんに教えてもらった料理にしてます」

タイヘイ(……ほんとにしっかりしてるんだなぁ……なんでうまるは一緒にいて見習わないんだ……)

海老名(こんなにお兄さんとお話しするの初めて……。嬉しいなぁ)エヘヘ

オマタセシマシター

タイヘイ「あ、来た来た」

海老名(こ、この時が来ました。ほかほかのきのこの香りとバジルソースの香りが溶けていて美味しそうです)

海老名(お兄さんが食べ始めるのを見てから、フォークでそっとすくいあげて頂きます。方言は絶対に言わないです!!)

パクッ

海老名「!」




海老名「うんめなぁ~~~~~!」キラキラ




タイヘイ「うん、美味しいね」

海老名「んっ!」コクコク

海老名(……方言が出たことに気づいたのは、お皿を平らげたあとでした……)



うまる(……楽しそうに会話してる。どんな会話だろ)

うまる(お兄ちゃんってうまる以外の女の子と会話弾ませられるの~?)ニシシ

うまる(……でも、弾んでる、みたいだね……)

オマタセシマシター

シルフィン「来ましたわー! 結構大きいですのね!」ピキューン

うまる「ん、ほんとだ、量あるね」

シルフィン「早速いただきますの!」スッ

うまる「私も。いただきまーす」

パクッ


うまる&シルフィン「「!!」」


うまる(うまっしゃぁああああ!!)キラキラ

シルフィン「美味しいですわ!!!!」キラキラ

うまる「一層目に載せられた抹茶ムースとバニラアイスの組み合わせが濃厚かつスッキリして口の中で溶けてく!」

シルフィン「さらに周りのあずきの淡白な甘みが黒蜜ソースで引き立てられてますわ!!」


うまる&シルフィン「「まさにお口の舞妓さん(ですわ)!!」」

うまる「はっ! 思わず説明口調になっちゃった……」

シルフィン「ん~~! とっても美味ですわ! U・M・Rさんは良いお店を知ってるんですのね!!」モグモグ

うまる「う、うん……(うまるも初めて来たよ)」モグモグ


シルフィン「んむぅ?」チラッ

客A「美味しいねこのパフェ! ね、それ一口ちょうだいよ」

客B「うん、いいよ。はい、あーん」スッ

客A「え~? 一人で食べられるよ!」

客B「いいからいいから、ほら、あーん」

客A「んっ、美味しい!」キャッキャ

シルフィン「……!」キュピーン!

シルフィン「U・M・Rさん!」

うまる「ん?」

シルフィン「はい、あーんですの!」スッ

うまる「ぶっ!!」

うまる「い、いいよいいよ……」

シルフィン「美味しいですから、一口差し上げますの!」ニコニコ

うまる「だ、大丈夫だよ。こっちも同じ味だからさ」

シルフィン「……そ、そうですわね……!」シュン

うまる(あ……少ししょんぼりしてる)

うまる「……ねぇ」

シルフィン「? どうしまし――」

パクッ

シルフィン「!!」

うまる「うん、美味しい」ニコッ

シルフィン「あ、あ……」シュカアアッ


シルフィン「そうですわね! 美味しいですわ!!」パアアッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

シルフィン「とっても美味しかったですわ! もっと遊びたいのですがお兄様からおつかいを頼まれたので行かなきゃですわ! また遊びましょうね!!」ブンブン

うまる「うん、じゃーね」

タタタタ…

うまる「……シルフィンさん、楽しそうだったな」

うまる「……また遊ぶ予定立てておこう」

うまる「さて、美味しいものでも食べたし帰ろうか……じゃない! お兄ちゃん達探さないと!!」

うまる「うーん、どこ行っちゃったかなー。うまるたちが出るちょっと前に行っちゃったし……」

うまる「でもお兄ちゃんのことだから、女の子と一緒だとしても公園とかに行きそうだなー。そっち行ってみようかな」

うまる「……女の子と二人っきりでも」

公園前


…デ…サ…
ソ、ソ…デスネ…

うまる「あっ、やっぱり二人とも発見! ずいぶん遠くにいるけどあのてっぺんとげとげの髪型は見つけやすいねー」

うまる「しかしお兄ちゃんは分かりやすいね。行動まで読めちゃうんだからー。そんなんじゃFPSはやっていけないよ?」

うまる「多分海老名ちゃんを誘ったのも、誰かからチケットもらって、相手がいなかったからだろうね。デートとか、お兄ちゃんが海老名ちゃんのために買ったとかそういうんじゃないねこりゃ」

うまる「……なんでうまるを誘ってくれなかったかは別として。まぁいいや、外用うまるになって二人の前に出ておどかしちゃお」イヒヒ

…ア…
…ダイ…

うまる「……あれ、なんか急に立ち止まった。どうしたんだろ、お兄ちゃんが少しかがんで……」


ギュッ


うまる「……え?」

うまる(……遠くてはっきり見えないけど、海老名ちゃんが顔を上げてお兄ちゃんと……キス……してるみたい……)

うまる(海老名ちゃんもお兄ちゃんの袖掴んで……あれ……そうなんだ)

うまる(お兄ちゃんと海老名ちゃん、本当に付き合って……)



うまる「……帰ろ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夕方 アパート前


海老名「あのっ、今日は本当にありがとうございましたっ!」ペコッ

タイヘイ「ううん、こっちこそ無理に誘ってごめんね。楽しかったよ」

海老名「それじゃあ、お、おやすみなさい!」

タイヘイ「うん、おやすみ」

タンタン…

海老名「……あ、あのっ!!」

タイヘイ「ん? どうしたの?」

海老名「あっ、その、えっと……」カアアッ


海老名(また……私と……で、デー……)



海老名「ま、また……私と……」






『海老名ちゃん!』ニコッ

海老名「! ……いえ、なんでもありません。おやしゅみなさいっ!!」タタタ…バタン

タイヘイ「(……噛んでた)いいのかな……」

タイヘイ(さて、うまるの奴はちゃんと掃除してるのかな……)

『あーっ、お兄ちゃんやっと帰ってきた! お腹減ったよ!!』

タイヘイ(まぁ、こんなところだろうな……)ガチャガチャ

タイヘイ「ただいまー」ガチャッ

タイヘイ「……うっ!!」

\うまる~~~ん/
うまる(美妹ver.)「あっ、お帰りお兄ちゃん!」

タイヘイ「(なんで家にいるのに外用なんだ……)た、ただいま」

うまる「疲れたでしょ? 荷物持ってあげる!」

タイヘイ「あ、うん……」チラッ

ピカピカ
タイヘイ(掃除は……してる)

ファサァ
タイヘイ(洗濯も……してる)

タイヘイ「うまる、これ全部ちゃんとやったのか?」

うまる「うん! きちんとしたよ?」

タイヘイ「……」ダッ

うまる「えっ、お兄ちゃん!?」

タイヘイ(風呂場だ……! きっとこの前みたいに風呂場にごちゃーっと詰め込んだはず……!)

ガラッ‼︎

ピッカーー!
うまる「あっ、お風呂場もお掃除しといたよー」

タイヘイ「……うまる」

うまる「お兄ちゃん?」

うまる「お兄ちゃん?」

タイヘイ「やればできるじゃないか! 偉いぞ!!」

うまる「え、えへへ。そうかな……?」

タイヘイ「よし、じゃあ今日の夕飯はジャンボハンバーグにするぞ!」

うまる「ほんと? ありがとうお兄ちゃん!」

タイヘイ「それじゃあ早速作る……ん?」ヒラッ

タイヘイ「なんだこれ……レシート?」

うまる「!」ギクッ

タイヘイ「あれ、これ今日行ったお店のレシート……時間も居たときと同じ……?」

うまる「!!」ギクギクッ

タイヘイ「ってことはまさか、うまる! お前もしかしてついてきてたな!!」

うまる「……」

タイヘイ「なんでこっそり後なんかつけたんだ? ……まぁ言わなかったのも悪いけど、そういう問題じゃないよな」

うまる「……」

タイヘイ「黙ってちゃ何にもわからないぞ」

うまる「……う……」

うまる(干物妹ver.)「うあぁあああん!!!!」バッ

タイヘイ「ちょ!?」

うまる「うわあぁああああああん!! お兄ちゃんのばかぁああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ

タイヘイ「う、うまる?」

うまる「うぁあああああんへぶっ!!」ガンッ!

タイヘイ(壁に思いっきりぶつかった……)

うまる「……」ガバッ

タイヘイ「うまる、毛布かぶって隠れてないで――」

うまる「お兄ちゃん、海老名ちゃんとデートしてた」

タイヘイ「はぁ!? いや、あれはデートじゃなくて職場の人がくれたチケットで」

うまる「……キスも、してた」

タイヘイ「!?」

うまる「……うまるはさ、別に海老名ちゃんとお兄ちゃんが……付き合っててもいいと思うし、応援だってしたいよ。でも、それに気づいたらさっきからなんか……」

うまる「うがーーーーーっ!!うまく説明できないしモヤモヤするーっ!!」ゴロンゴロン

タイヘイ(うまる……)

うまる「……やだよぉ……何が嫌なのかわからないけど、すごく嫌だよぉ……」ゴロゴロ

タイヘイ「……」

タイヘイ「……うまる、よく聞いてくれ。俺は海老名ちゃんと付き合ってないし、そもそも誤解してる」

うまる「……何を?」

タイヘイ「あれは――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
公園前


海老名「……うまるちゃんって、すごいですよね」

タイヘイ「? どうして?」

海老名「だって、成績優秀で、スポーツだって音楽だってなんだってできてて……」

タイヘイ(家うまるを知ってるから全くそうは思えないんだけど……)

海老名「だから、うまるちゃんは私が持ってないものをたくさん持ってるから、時々うらやましくなっちゃって……」

タイヘイ「……」

タイヘイ「そんなことないと思うよ」

海老名「へ?」

タイヘイ「うまるは何でもできるように見えるけど、本当はそうじゃなくて、周りの人に支えてもらってるからできるんだと思うよ」

タイヘイ「だから、うまるの周りの人はうまるが持っていないものを持ってると思う。……うまく説明できないけど、うまるは完璧じゃないよ。周りの人の力のおかげ」

海老名「……お兄さん」

タイヘイ「……まぁとにかく、これからもうまるが迷惑かけるかもしれないけど、よろしくね」

海老名「はっ、はい! よろしくお願いします!!」バッ

海老名「痛っ! 目に髪の毛が……」

タイヘイ「だ、大丈夫? ハンカチで拭うね」

海老名「あ、ありがとうございます……うう……」プシュウ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タイヘイ「……だから、そのときかがんだからそう見えたんだろ。バランス悪いから袖に掴まってただけ」

うまる「……な、なぁああああああ!! じゃ、じゃあお兄ちゃんは海老名ちゃんと……?」

タイヘイ「付き合ってないよ」

うまる「……う、うまるはそんな勘違いのために……」プルプル

タイヘイ「まぁ、俺もきちんと説明しないまま海老名ちゃんと映画に行ったことは悪かった。うまる、ごめんな」ペコッ

うまる「う……う……」ジワッ

タイヘイ「うまる……?」

うまる「うわぁああああん!!」ドン!

タイヘイ「ぐはあっ!!(ダイブ!?)」

うまる「うあぁああああん! お兄ちゃんも海老名ちゃんもとられなくて良かったぁああ!!」ガシガシガシ

タイヘイ「痛い痛い痛い」

うまる「うわぁあああああん!!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
うまる「くぅ……すぅ……」スヤァ

タイヘイ「……泣いてたと思ったら、すぐ寝ちゃってるし」


『お兄ちゃんも海老名ちゃんもとられなくて良かったぁあ』


タイヘイ(……うまるは俺と海老名ちゃんがうまるから離れていくと思ってたのか……)

タイヘイ「……離れないよ。今度は二人でどっか行こうな。今回は俺が悪かったよ」



タイヘイ(俺の妹が干物妹なのは知っている。知っている、がまだまだ知らないこともある)



うまる「うへへ……おにいひゃん……ポテイト……」

タイヘイ「夢の中でも食べてるのか……ま、いっか」



タイヘイ(それでもうまるは、大切な)


タイヘイ「朝になったら、用意しとくよ」



タイヘイ(干物妹だ)

うまる「うまるの憂鬱な土曜日」 終

海老名ちゃんとシルフィン可愛い。

最後駆け足気味ですまぬ。原作準拠だったのでアニメ派には分からない部分もあったかもしれないです。

乙!なかなかよかった


シルフィン「好きな人の好きな食べ物は私も食べてみたいですわ!」ニパーッ

パフェをシルフィンが好きな抹茶味(4巻63話参照)に変更

これはつまりキマシ(違う

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