王「よくぞ戻られた勇者よ」(67)

勇者「……」

姫「必ずや魔王を打ち倒し戻られると信じておりました…」

勇者「………」

姫「勇者様…?」

王「誰か勇者に手当てを!
そして人類の勝利を存分に祝おうぞ!!」

勇者「……」

姫「あの…勇者様…お仲間の方々はどちらへ…。
私の友人の魔法使いもご一緒だったはずですが…」

勇者「…」ピクッ

姫「…あの」

勇者「……ました」

姫「…え?」

勇者「死にました。
この国から旅立った物は皆、殺されました」

姫「……嘘…」

王「おお…なんという事だ…」

勇者「…旅の報告をさせて頂いてもよろしいでしょうか」

王「…許可する」

姫「………」

勇者「…この国を共に旅立った魔法使い、僧侶、戦士。
今、話したように彼らはもうこの世にはいません。
彼らは決して弱いわけではありませんでした。
魔法使いは聡明で、年端もいかぬ少女でしたが常に冷静で対局を見据えていました」

姫「…はい。私と同じ歳で天才と呼ばれ、この国で最高の魔導師だったと言われています」

勇者「ええ。彼女がいなかったらここへは戻ってこれなかったでしょう」

姫「…とても可愛い子でした。
そんなあの子が死んだなんて…うぅっ…」

勇者「…僧侶はとても優しく、慈愛の溢れる女性でした」

王「ふむ…儂も彼女の話はよく耳にしたぞ」

勇者「その優しさが彼女の弱点でもありました。
最初に死んだのは彼女です」

姫「…!」

勇者「この国を出て、俺たちは王様の助言通りにサイタマ村を目指しました。
道中、幾度と無く魔物の襲撃を受け、僧侶も魔法使いも魔力をほとんど使い果たしてしまい、近くにあったヤマナシ村で一晩泊まることにしたのです」

勇者「村人達は快く迎えてくれました。
宿も食事も無償で提供してくれ、ヤマナシの人々はとても優しくしてくれました」

姫「まぁ…後でお礼の言葉を送らせてーーーーー」

勇者「必要ありません。
ヤマナシ村はもう誰もいませんからね」

姫「…はい?」

勇者「罠だったんです。
村人は俺たちを殺そうとしました」

姫「っ!?」

王「何故そのような事を…」

勇者「…魔法使いが気付かなかった全滅していたでしょうね。
僧侶、戦士は何の疑いも持たずに施しを受けた。
食事に薬物が入ってる事にも気付かずにね」

魔法使い『勇者様』

勇者『どうした?
夕食の準備ができたみたいだ。
食堂へ行こう』

魔法使いはフルフルと首を横に振った。

魔法使い『ダメ。これは罠』

勇者『何を言って…』

魔法使い『この村に来た時におかしいと思った。
夫婦が多いのに、って』

勇者様『…それが何か?』

魔法使い『子供が1人もいない』

勇者『…!』

魔法使い『民家の前に子供の遊具があるのに、子供がいないのはおかしい。
勇者様が村に来たというのに、年頃の子供達が家に籠っているでしょうか?』

勇者『…人質に取られている、か』

魔法使い『確証は無い。
この計画はとても粗さが目立つ。
恐らく頭の悪い魔物が急いで考えたと思う』

勇者『なるほどな…普段ならあり得ない道中の魔物の多さは時間稼ぎをしつつ、ここへ誘導するため…か?』

魔法使い『その可能性が高い』

勇者『……村人達が計画を失敗すれば子供達は殺される。
いや、村ごと消されるか…』

魔法使い『成功すれば私達が死ぬ。
そしてこの村も無くなる』

勇者『つまり元凶の魔物を倒すしか無いってわけだな』

魔法使い『この村を見捨てて逃げ出すこともできる』

勇者『ダメだ』

魔法使い『ならば1度向こうの策に乗ろう。
ちょうどお腹も空いている』

勇者『ちょっと待て。
お前の口ぶりから、食事に何か盛られているってことじゃないのか?』

魔法使い『恐らく。
これを飲んで』

魔法使いから白い錠剤が渡された。

魔法使い『解毒剤。
飲んでから数時間、睡眠薬程度なら解毒できる』

勇者『…即死するような猛毒の可能性は?』

魔法使い『ない。村人の受けた命令は
「勇者を拘束及び眠らせて連れて来い」
のはず。
勇者様を自分の手で殺して手柄にしたい、頭の悪い魔物の考えそうな事』

勇者『即死するような猛毒だったら、全員同時に食べさせなきゃいけなくなるからな…』

魔法使い『そう。恐らく遅効性の強力な睡眠薬。
夜中寝静まった頃に捕らえようとしている』

勇者『睡眠薬で寝たフリして、敵の所まで連れて行かせるってことか…もし村人達がその場で殺そうとしたら?』

魔法使い『その時はその時。
出来るだけ危害を与え無いようにする』

勇者『…分かった。
お前も無理はするな』

魔法使い『平気。
もう食堂に向かった2人が心配』

勇者『不味いな…どうにか2人にも解毒剤を飲ませ無いと…』

魔法使い『ごめんなさい。
手持ちはこれだけ』

勇者『気にするな。
ここで話していても怪しまれる。
早く行こう』

魔法使い『ええ』

ちょいと中断

再開
支援thx

『』は過去の会話です

戦士『おお勇者!
何してんだ!早く食えよ!うまいぞ!』

ガツガツと料理にを口に放り込みながら戦士が呼んでいる。

僧侶『もう戦士さんたら…。
もっと行儀良く召し上がりましょうよ。
でも本当に美味しいですね』

ニコリと微笑みながら、上品に料理を口に運んでいた。

勇者(よかった…2人とも無事だったか)

勇者『ああ。俺もいただくよ』

魔法使い『いただきます』

村人『どうでしょうか、この村の自慢の料理は』

勇者『とても美味しいです。
すいません、このような贅沢をさせてもらって…』

村人『とんでもない。
勇者様となれば、これ位当然ですよ』

勇者『ありがとうございます。
あ、一つお伺いしてもいいですか?』

村人『何かございますか?』

勇者『すいません、トイレの場所を…』

村人『この食堂を出て突き当たりにございます』

魔法使い『……』モグモグ

勇者『トイレお借りしました』

村人『ささ。どんどん召し上がってください』

カサッ

魔法使い『……?』

魔法使い手元に紙クズが転がっていた。
キョロキョロと軽く見渡し、紙クズを開く。

魔法使い『……!』

魔物に囲まれている
数は分からない
油断するな

こう書かれていた。

魔法使い(……読み違えた)

勇者『………』コクリ

無言で魔法使いに勇者は頷いた。

魔法使い(…でも想定内)

ガタンッ!

突如、僧侶が椅子から崩れ落ちた。

戦士『どうした僧侶?
そんなに疲れて…た……の…』

べチャッ

前のめり倒れた戦士は料理に顔を埋める。

勇者『う…なんだ…?』

魔法使い『………』

ドサッ、ドサッと2人も続けて倒れ込んだ。

村人『……申し訳ありません。
こうするしか…』

勇者達が倒れているのを確認したのか、魔物が一斉に雪崩れ込んでくる。

魔物『ヨクヤッタ。コレデ全員ダナ』

村人『は、はい。
約束通り子供達を…!』

魔物『イイダロウ』

ドスッ

村人『あ…え…?』

槍が腹部を貫いていた。
ゴポッと村人の口から血が溢れ出す。
村人はそのまま崩れ落ちた。

魔物『ガキ共トアノ世デ会ウンダナ!グハハ!』

魔物共がゲラゲラと下品に笑う。

勇者(くそッ…すまない…!)

魔物『サッサト殺ッチマオウゼ!』

魔物『男ワ殺セ。
女ワアトデ楽マセテモラウ』

魔物『僧侶ワ上玉ダァ!
ヒヒッ!イツマデ持ツカナァ!』

魔物『コッチワガキジャネーカ』

魔法使い(…ガキじゃない)

魔物『無様ダナ勇者。
ココデ無惨ニ死ネ』

スッと槍を勇者に向けた。

勇者『ああ。お前が死ね』

ドバッ!

勇者の放った一閃で魔物の首が空を舞った。
頭を失った魔物の体を蹴り飛ばし、後ろにいた魔物を仰け反らせる。

魔物『ドウイウコトダ!』

魔物『クソッ!勇者ヲ殺セ!!』


魔物が一斉に勇者の方へと向かう。
食堂内が足音と怒声で揺れる。

勇者『今だ魔法使い!飛べ!!』

魔物『!?』

魔物『アノガキモオキテヤガッタノカ!』

魔法使い『ガキじゃない。
勇者様も早くこっちへ』

魔法使いは戦士と僧侶のそばに移動し、詠唱を始めていた。

勇者『ああ!』

魔法使いの方に注意が逸れた隙に、勇者が魔物達を飛び越えて魔法使いの横に着地する。

魔法使い『御機嫌よう』

魔物『逃ガスナ!!』

再び魔物が勇者達を目掛けて走り出す。
しかし、嘲笑うかのように勇者達は消えていった。

魔物『クソッ!転移魔法カ!』

魔物『見ツケダシテ殺セ!!』

魔物の駆けずり回る足音と叫び声が響き渡る。

勇者『ふぅ…助かったよ魔法使い』

魔法使い『ここはどこです?』

勇者『二階の倉庫だ。
さっき抜け出したときに、お前から渡されたこれを貼っておいた』

魔法陣の書かれた紙を指差す。

魔法使い『ごめんなさい。
転移魔法は得意ではない、座標となるその魔法陣が無いと上手く飛べない』

勇者『いや、頼りになるよ。
とは言ってもここもすぐ見つかるだろう。
起きる気配の無い2人はとりあえずそこの押入れにでも詰めておくか』

魔法使い『敵は残り11体。攻めるなら私達を探してばらけている今』

勇者『ああ。行くぞ』

ザクッ!

魔物『ガアアッ!!』

勇者『今ので終わりか…。
……なんて酷いことを』

魔法使い『ごめんなさい。
もっと早く気付けていたら』

勇者『お前は悪くない。
悪いのは俺だ』

魔法使い『生存者0。
家の中も外と同じ惨状』

勇者『…そうだ!子供達は!?』

魔法使い『さっき魔物を縛り上げて吐かせた。
ここから北の洞窟にいる。
排泄物を垂れ流しながら泣いて言ってた』

勇者『…お、おう』

魔法使い『ちゃんとトドメは刺した』

勇者(何をして吐かせたんだ…)

勇者『ここか…』

魔法使い『……見張りがいない』

勇者『俺が先に行く。
後ろに気を付けてくれ』

魔法使い『……』コクリ

洞窟内に勇者と魔法使いの足音だけが響く。

勇者『…暗いな。足元に気を付けて』

魔法使い『これを』

ポッと小さな火の玉が勇者の前に浮かび上がる。

勇者『おい、魔物が…』

魔法使い『大丈夫』

勇者『確かに物音一つ聞こえないが…』

魔法使い『………』

勇者『……曲がりか。
気配は無いが油断するな』

魔法使い『………』コクリ

勇者の動きが止まった。

勇者『………来るな!』

魔法使い『……分かっていた』

勇者『なんで…なんで……』

無惨に殺された子供の亡骸を勇者が抱え上げる。

勇者『…気付いていたのか』

魔法使い『…見張りがいなかったから。
それと食堂で魔物がこう言っていた。
「ガキ共トアノ世デ会ウンダナ」と』

勇者『すまない…すまない…!』

魔法使いは手を合わせ軽く会釈し、亡骸を調べた。

魔法使い『…血の乾き方から殺されて1日以上経っている。
私達が村に着いた時にはもう…』

勇者『…くっ』

魔法使い『…弔いましょう』

勇者『…ああ。
村人達も…俺達ができるせめてもの償いだ』

魔法使い『…はい』

戦士『……ふざけ…やがって』

僧侶『…ごめんなさい…ごめんなさい』

魔法使い『…魔法陣の準備は終わった』

勇者『ああ。やってくれ』

魔法使い『…はい』

魔法使いが詠唱を始めると巨大な火柱が村を包んだ。

勇者『行こう。
…そして必ず魔王を討つ』

今日はここまで

久々にしたらば使ってるけど広告が邪魔過ぎる…

専ブラ落とした

姫「……」

姫は呆然とした表情で立ち尽くしていた。

勇者「それがヤマナシ村での出来事でした」

王「…辛かったであろう」

勇者「いえ、辛かったのは村人です」

姫「…酷い」

勇者「…酷い、か。
…そんなもの地獄への序章にも過ぎませんでしたよ」

姫「…え?」

勇者「俺達は野営をしながらサイタマ村に着きました。
魔法使いはともかく、気の優しい僧侶はヤマナシ村の件で限界だったのです」

勇者『いい加減にするんだ僧侶!』

僧侶『ごめんなさい…ごめんなさい…』

戦士『もういいから!こんなん唾付けておけば治るって!』

魔法使い『…怪我した』

僧侶『どこ!?どこを怪我したの!!』

血相を変えて僧侶が魔法使いに詰め寄る。
そこには美しかった淑女はもういなかった。

魔法使い『手の平…よく見て』

僧侶『早く見せて!!すぐ治すから!!』

魔法使い『えいっ』

ポンッと魔法使いの手の平から煙が立つ。

僧侶『…あ…う』

僧侶はその場に倒れ込んだ。

戦士『お、おい。魔法使いちゃん…』

魔法使い『大丈夫。ただの催眠魔法。
いつ起きるかは分からない。
早くサイタマ村へ』

戦士『あ、ああ…』

勇者『ヤマナシ村の件もある。
先ずは俺一人で行って様子を見てくる。
戦士と魔法使いは僧侶を頼む』

戦士『待て待て。俺が行く』

勇者『大丈夫だ』

戦士『この村は昔住んでて土地勘がある。
何かあったらすぐに戻るからよ』

勇者『そうか…なら任せる。
気をつけるんだぞ』

戦士『わぁーってるよ』

サイタマ村

戦士『久しぶりだなこの村も…。
何も変わってねぇや』

武器屋『さーいらっしゃい!
おっ!そこの戦士さん!
いい剣が入ってるよ!』

戦士『よっ。おやっさん。久しぶり』

武器屋『…っ!?
お前…戦士か!?』

戦士『おやっさんも変わってねぇな。
娘さんは元気か?』

武器屋『…勇者のパーティーに入ったってのは本当か?』

戦士『…?ああ、そうだが』

武器屋『逃げろ!!今すぐこの村から離れるんだ!』

戦士『は?』

勇者『遅いな…』

魔法使い『…戻ってきた』

勇者『すぐ戻れって言っただろ!』

戦士『逃げるぞ。次の目的地に行こう』

勇者『何言って…』

戦士『これを見ろ』

1枚の紙を勇者に見せた。

勇者『…!?』

魔法使い『……嵌められた』

そこにはこう綴られていた。

勇者がヤマナシ村を襲い物資を強奪
村人を皆殺しにして火を放つ



勇者『何だこれは…!』

戦士『…最後まで読め』


勇者達を捕らえた者には賞金を与える
生死は問わない

その横には四人の似顔絵が描かれていた。

戦士『…すぐに逃げてきたが、もしかしたら俺も気付かれたかもしれん。
今すぐここを離れた方がいい』

勇者『魔物の仕業か…?
物資も底を尽きている。
補充無しに進むことは難しい…』

魔法使い『僧侶さんの治療もしたい』

戦士『……分かった。
ここにいても魔物に襲われるかもしれない。
裏山に俺が住んでいた家がある。
そこで夜を明かそう』

戦士『あれだ。
良かった、まだ住めそうだな』

勇者『入ろう。日も暮れてきた』

魔法使い『…汚そう』

戦士『何年も手つかずの家なんだからしょうがないでしょ…』

勇者『僧侶をとりあえずベッドに寝かせよう。
水はあるか?』

戦士『外に井戸がある。
沸かせば使えるはずだ』

勇者『分かった。
魔法使いは火の用意を頼む』

魔法使い『…ん』コクリ

僧侶『…う』

勇者『…目が覚めたか?』

戦士『飯出来たぞー。
あ、僧侶ちゃんも目が覚めたのか。
ちょうどよかった』

魔法使い『私も手伝だった』

戦士『いや…うん…助かったよ』

勇者『魔法使いって料理は…』

戦士『察せ』

戦士『はい。僧侶ちゃんの分』

ベッドの上の僧侶に取り分けた器を渡す。

僧侶『…ありがとうございます。
美味しい…とても温まります』

戦士『そこら辺の食べれる山菜とかキノコを調味料で煮ただけだけどねー。
男の料理って奴だよ』

勇者『…意外だな。
お前料理上手だったとは…。
(ちょっと具がデカイが…っていうか切ってなくない?)』

魔法使い『私が野菜を切った』

僧侶『ふふっ。美味しいですよ』

勇者『さて…。
この後どうするか…』

戦士『村へは入れないぞ』

勇者『分かってるよ…』

魔法使い『私なら入れる。
この手配書はフードでほとんど顔が描いていない。
フードを外して行けば…』

勇者『ダメだ。危険過ぎる』

魔法使い『それに私は気配を消す魔法も使えるからほとんど危険は無い』

勇者『……無理はするな。
危ないと思ったらすぐに逃げるんだ』

魔法使い『はい』

魔法使い『いってきます』

勇者『最低限の物だけ買ってすぐに戻って来るんだ。
いいな?』

戦士『初めてのおつかいじゃねぇんだから…』

魔法使い『…子供じゃない。大丈夫』

僧侶『魔法使いちゃん…ごめんなさい』

魔法使い『…なんで僧侶さんが謝るの?』

僧侶『私がこんな風だから迷惑かけちゃって…』

魔法使い『…?
僧侶さんが迷惑だと思ったことはない』

戦士『ったく、助け合うのが仲間だろ?
魔法使いちゃんが迷惑なんて思ってるわけないって』

魔法使い『いや…戦士さんは汗臭くて迷惑』

戦士『嘘だろ!?』

勇者『マジだ』

戦士『嘘だと言ってよ僧侶ちゃん!』

僧侶『あ……いえ……ふふっ…』

戦士『そんなことないよな!?』

僧侶『……少しだけ』

戦士『 』

魔法使い『これとこれください』

村人『毎度あり!
おつかいとは感心だな!ハッハッハ!』

魔法使い『…お母さんに頼まれて』

村人『おお偉いな!
ウチの娘にも見習ってもらいたいもんだ!』

ワシワシと魔法使いの頭を撫でる。

村人『そうだ嬢ちゃん、この手配書に乗ってる奴らを見たら…』

魔法使い『!』

村人『すぐに大人に報告して……って、あら…消えた?』

魔法使い(…やはり村中に手配書がある)

魔法使い『…食料と薬草はこれでいいかな…あとは…』

村人達が集まっている。

魔法使い『…?』

『裏山の小屋に誰かいるらしいぞ』

『まさか…勇者達か?』

『その可能性は高い。
あそこは勇者の仲間の戦士が住んでいたらしい』

『どうする?
男を集めて捕まえに行くか?』

『ああ。あんな外道どもを野放しにしておく事はできん』

『勇者なんてクソ食らえだ!
ヤマナシ村の弔いに皆殺しにしてやれ!』

『オオオオオオオ!!!』

魔法使い(…知らせなきゃ)

ドンッ

魔法使い『ッ!?』

村人『何かぶつかったか…?』

魔法使い(しまった…魔法が…!)

村人『なんでいきなり女の子が……。
…ん?君、この村の女の子じゃないな?』

村人『…なぁ。この子、手配書の魔法使いに見えないか?』

魔法使い『……!』

僧侶『遅いですね魔法使いちゃん…』

勇者『大丈夫さ。戦士じゃないんだから買い物くらいわけないだろ』

戦士『俺の扱い酷くない?』

カラン カラン

勇者『…何の音だ?』

戦士『俺が昔仕掛けた罠だ。
紐を張った先に缶を結び付けたやつだな。
引っかかると音が鳴って誰かが近付いていること知らせてくれる』

勇者『ちょっと待ってくれ。
ってことは誰か近付いてきてるってことか…?』

戦士『…俺が見てくる。
僧侶ちゃんは任せた』

戦士『…チッ』

戦士は木の上に山を潜めていた。

村人『この先のボロ小屋だ。
勇者とは言えどこの人数で押し込まれれば何もできまい』

村人『全員準備はいいか?
一斉に突っ込むぞ』

戦士(不味いなこりゃあ…。
魔法使いちゃんの料理より不味いなぁ…。
クソッ…勇者1人で僧侶ちゃん抱えて逃げるのは無理だ…と、なると…)

戦士は溜息を吐いた。

戦士『おい!こっちだ野郎共!!』

戦士(気付け勇者!
んで僧侶ちゃん連れてさっさと逃げろ!!)

勇者(…村の方が騒がしい。やはり…)

僧侶『…あの勇者様』

勇者『…ん?』

僧侶『あの…私を…置いて行ってください』

勇者『…馬鹿なことを言わないでくれ』

僧侶『このまま足手まといになる位なら私は…』

勇者『動けるか?とりあえずここを出よう』

僧侶『勇者様!』

勇者『…ッ甘えるな!
ヤマナシ村の事を想うなら走れ!
魔王を倒すまで止まるんじゃない!!』

僧侶『…!』

勇者『行くぞ!』

僧侶『ま、魔法使いちゃんは…』

勇者『魔法使いは大丈夫だ』

僧侶『その根拠はどこから…』

勇者『…大丈夫だ』

僧侶『…ええ。魔法使いちゃんなら心配ないですよね。
…行きましょう』

戦士『ハァ…ハァ…』

戦士は村人を撒きつつ小屋の裏手に戻っていた。

戦士(反撃しねーで逃げ回るのはキツイな…。
どうにか勇者達も逃げれたみたいだ。
さて、どう合流するか……おっと)

村人が小屋から出てくる。

村人『もぬけの殻か…』

村人『まだベッドが暖かった。
そう遠くまで行っていないだろう』

ガッ

村人が1人倒れる。

村人『なっ!?』

戦士『悪い』

ガッ

戦士『当身だ…って聞こえてないか。
さて、勇者達追わねーと……ん?』

倒したはずの村人の1人が立ち上がる。

戦士「あら…?ちゃんと入ったはずなんだが…」

ビキッ

村人「見ツケタ」

戦士「!?」

ビキビキッ

村人「オオオオオオオオッ!!」

村人の姿が変化していく。
人間の姿の5倍ほどのに膨れ上がり面妖に形を変えた。

戦士「デーモンか!」

魔物「ふん。下等なデーモンと一緒するでない」

戦士「うっせ。
魔物なんざどいつも一緒だ」

魔物「クハハ。減らず口を叩く元気がいつまで続くかなぁ!?」

ドオオオン!!

戦士「ぐっ!!」

倒したはずの村人の1人が立ち上がる。

戦士「あら…?ちゃんと入ったはずなんだが…」

ビキッ

村人「見ツケタ」

戦士「!?」

ビキビキッ

村人「オオオオオオオオッ!!」

村人の姿が変化していく。
人間の姿の5倍ほどのに膨れ上がり面妖に形を変えた。

戦士「デーモン!?
村人に化けてやがったのか!」

魔物「ふん。下等なデーモンと一緒するでない」

戦士「うっせ。
魔物なんざどいつも一緒だ」

魔物「クハハ。減らず口を叩く元気がいつまで続くかなぁ!?」

ドオオオン!!

戦士「ぐっ!!」

二回書き込んでもうた…
ここまで

二回書き込んでもうた…
ここまで

パクリ乙
というか今更勇者系のssに新しさは期待できないわな

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