とある深海棲艦の棲地
深海提督「……単刀直入に言う……レ級、お前は問題児だ」
レ級「……」
深海提督「貴様が建造されて行った悪事、ヲ級、秘書艦の貴様なら覚えているな?」
ヲ級「記録によると現在戦艦レ級21番艦の悪事の総数は、486件となっています」
ヲ級「余談ですが、提督とのファーストコンタクトから悪事を働くまでの最短時間、10秒の記録は未だ破られておりません」
深海提督「そうか、ご苦労」チラッ
深海提督「……何か言いたい事はあるか?」
レ級「……」
レ級「別にねぇよ、どうせ今回もアタシが悪いんだろ?」
深海提督「……参考までに聞くが、お前がチ級を殴った理由は何だ?」
レ級「殴る?ははっ!ありゃ殴ってねぇよ、ツッコミ入れただけだっての」ケラケラ
ヲ級「ツッコミで腹に穴が空くわけ無いだろう!!ふざけるのもいい加減に!!」
レ級「あ?」ギロッ
ヲ級「っ…」
レ級「艦娘一人沈められねぇ雑魚がよくもまぁ……アタシに口出せるな?」
レ級「ちょっとは身の程わきまえようや……なぁヲ級ちゃんよ……」
ヲ級「………悪いが私はこの棲地の秘書艦だ、お前のような問題児を見て黙っていることはできない」
レ級「……へぇ……なるほど……そりゃ大した覚悟だ……」ガシッ
ヲ級「っ……殴るなら殴れ…!!」
レ級「じゃ、遠慮無く!!」グッ…ブンッ!!!
ゴッ!!
ヲ級「っかっ…!?はっ…っ!…はゅっ……んっ!!ぐぁ…!!」
レ級「はっ、ザマァねぇな」
深海提督「ヲ級!!」
ヲ級「かっ…!コホッ…!て…ていと…」
深海提督「レ級……!貴様喉を…!!」
レ級「さぁな?ま、そんな自己主張した喉仏があったらうっかり当たってもしょうがないよなっ」ケラケラッ
深海提督「っ……!!」ギリッ
レ級「さーってと…話は終わり終わり、あーばよっ」スタスタ
レ級「あ、そうだ、ヲ級?」
ヲ級「……」
レ級「今日あったこと、この棲地誰かに伝えたら、どうなるか分かってるよな?」
ヲ級「……ゴホッ…!!」
レ級「……ま、分かってなかったらそん時はそん時だな、じゃ、アタシ帰るから」
深海提督「……レ級……」
ヲ級「……っく……提督…」
深海提督「……」
ヲ級「奴を…解体して下さい…これでは……っガハッ…艦隊行動に支障が…」
深海提督「…………」
ヲ級「奴の素行はとてもヤンチャや不良で片付けられる問題ではありません…!!」
ヲ級「死者が出ていないとはいえどれも許されない行動ばかり……いくらなんでも暴力的過ぎます!」
ヲ級「奴は誰がどう見ても失敗作です!!」
深海提督「……ヲ級」
ヲ級「……」
深海提督「……お前は、レ級の事をどう思っている」
ヲ級「……奴は味方の皮を被った敵です…!!」
深海提督「…そうか……分かった………今日の晩、レ級ともう一度話してみよう…それで解体するかどうかを決める」
ヲ級「……はい……すみません…少し医務区域で治療させて頂きます…」スゥッ
深海提督「許可する、ゆっくり休んでくれ……」
深夜 棲地 提督室前
レ級「っはぁー…殺しってのは飽きないもんだなぁ…今日はどんだけ殺したっけ?」
レ級「漁船が3つの人間30人だっけ?あ、でも飛行機含めりゃ人間もっといたか」
レ級「まーあれだな、人間ってのはほんっと馬鹿な生き物だよなぁ~学習しねぇ単細胞ってのは本当みてぇだ」
レ級「……っと…りあえず……」
ガンガンガンッ
レ級「オイ糞虫、アタシだ!!アタシが来てやったぜー?」
シーン
レ級「…あれ…?」ガンガンガンガンッ
レ級「てめぇが呼んだんだろ~?開けねぇと死ぬぜ~?」
レ級「…………んだよ……」
プーン
レ級「……」スンッスンッ
レ級「…………血の匂い……?」
レ級「……何だ何だ?アタシに隠れて面白い事してんじゃねぇの?」
レ級「それとも?嫌気が差してヲ級ぶっ殺しちゃったとか?」
レ級「どっちにせよアタシを混ぜねぇとそういうことは始まんねぇよ!邪魔するぜぇ!!」バーンッ!!!
提督室
レ級「オイ提督さんよぉ!そういうのはアタシを混ぜてくれねぇと面白くねぇよ!?」
レ級「いやーお前も隅に置けねぇよなぁ~いかにも戦いはいやって顔のくせにこういう時に限ってさぁ~」
レ級「アタシ少しお前見直したよ?やっぱいいよなぁ殺すってさ、ぶっ殺すって感じで最高じゃん?」
レ級「でも机の下に隠れてこそこそってのはいただけねぇな、やっぱ殺すときは堂々とするほうがいいぜ?」
シーン
レ級「……ん…集中してるのか?ちょっと邪魔したかもしれねぇな……」
レ級「………所で、殺したって…何殺したんだ?…悪いけどちょっと覗くz……」
深海提督「―――――――」ドクドクドクドク
レ級「っ!?」
レ級「……お、おい……提督……?」スッ
レ級(生命体が完全に潰れてる……って事は死んでるか…)
レ級(……他の奴は無事なのか?見に行った方がいいのかな……)
リ級「司令官!何か大きな音がしたけど…!」
レ級「あ、リ級…」
リ級「レ級…!?何でここに」
レ級「アタシはただ呼ばれたから来ただけだ、何でもねぇよ」
リ級「へ?何でもないって…っというか!司令官は!?」
レ級「う…うるせぇ、何でもねぇから出て行け!千切るぞ!!」
リ級「う……」
ヲ級「……レ級、暴言は禁止だと言ったハズだが」スタスタッ
レ級「げ…ヲ級…!?」
ヲ級「扉を壊し、リ級を恫喝した、これは立派な悪事だ」
レ級「…………」メソラシ
ヲ級「……それで、何があった」
レ級「……チッ」
ヲ級「……提督の姿がないようだが…お前は提督に呼ばれたのではなかったのか?」
レ級「……あぁ、呼ばれたよ、だから来たんだ」
ヲ級「………」
レ級「………あぁ分かったよ、どうせバレんだろ?」
ヲ級「そうだ、提督をどこに隠した…今日という今日は許さんぞ、レ級」
レ級「……別に隠してねぇよ」
ヲ級「…なら提督はどこに居る!」ギロッ
レ級「……」ガシッ
レ級「……ほら、提督だ」ポイッ ドサッ
リ級「きゃ…!?え……し、司令官…!?」
ヲ級「………レ級……!!貴様ぁ…!!!!」ギリッ
ってな感じで見切り発車させて下さいな
まぁ頑張りますさかい
酉り付けたほうがいいのかな…
レ級「言っとくけどアタシじゃねぇぞ、アタシが来た時からコイツ死んでたし」
ヲ級「見え透いた嘘を…!!貴様…自分が何をしたか分かっているのか!!!」
レ級「アタシじゃねぇつってんだろ!コイツ殺る理由がねぇよ!!殺るのもヤるのも面白くねぇようなカス野郎だぜ!?」
ヲ級「だが貴様には動機がある!!」
レ級「動機だぁ!?」
ヲ級「貴様……私と提督の会話…聞いていただろう……!!だから貴様は!!」
レ級「何の話だよ!?アタシはただここに来ただけで」
リ級「君の解体案……僕らの周りじゃ割と有名だし……どこかで聞く機会はあったと思うけど」
レ級「解体!?」
リ級「…知らないの?君の素行の悪さ……やっぱり目に余るものがあるって姫も……」
レ級「あ…アタシを解体だと…!?」
ヲ級「当然だ…むしろ今まで放置していた上層部が無能すぎる、貴様のような裏切り者…さっさと無力化するべきだろう」
レ級「…………」
ヲ級「……その上私達の提督まで手にかけるとは……ついに堕ちるところまで堕ちたか……」ギロ
リ級「…ル級さん達にも報告するよ……レ級……悪いけどこれは流石に許せない……」
ヲ級「貴様はここから動くな、一歩もだ、リ級、行くぞ」
リ級「……うん」
ギィィッッ…バタンッ!!
レ級「……」
レ級「……」チラッ
レ級「……提督……てめぇのせいで、アタシはいきなりドン底だ」
レ級「……何が素行の悪さだよ、ムカつく奴はぶっ殺して当然だろうが……!!」
レ級「……畜生が…!」
棲地 通路
ヲ級「……」
リ級「……ねぇ、級、これからどうするの…?司令官が居ないんじゃこれからの作戦行動は…」
ヲ級「港湾様か北方様に事態を報告し、指示を待つ、提督より地位が下とはいえ、私達をまとめるには十分と言える存在だ」
リ級「…………」
ヲ級「…………レ級め」
リ級(……を、ヲ級……完全に怒ってる……これじゃ話しかけづらいよ……)アゥ~
リ級(で、でも司令官が殺されたのに場を和ませるのはおかしいのかな……)
リ級(……でも…でも話題がないと…この空気に押しつぶされちゃう……)
リ級(何か話題……話す話題……レ級はNGワードだし……ヲ級のこと……)
リ級「話題……わだい……」ブツブツ
ヲ級「…………ハァ……何ださっきから隣でブツブツと……黙ってくれないか…!?」イラ
リ級「はひゃぃ!?あ、え、あ、あの……」
ヲ級「言いたいことがあるならさっさと言ってくれ!鬱陶しいぞ!!」
リ級「は、はい!!え、えと!そのハイヒール似合ってるね!?」
ヲ級「は?」
リ級「あ、あぅ!違うんだ……少しでも場を紛らわそうと……」
リ級(……め、目が怖い……やっぱり変なこと考えるんじゃなかった……)
ヲ級「……リ級」
リ級「は…はぃ…」
ヲ級「5分間黙れ、次口を開いたら……叩くからな」
リ級「き…キヲツケマス…」
このSSまとめへのコメント
喉仏があるということはこのヲ級はオス個体か